JP4570260B2 - エアバッグ用基布およびエアバッグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに搭載され、衝突時に拡展して乗員を拘束し、乗員保護を果たすエアバッグ、及びそれを構成する基布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の乗員を保護する安全装置として、エアバッグの装着が常識化してきている。エアバッグは、通常、ステアリングホイール、インスツルメントパネル、カーシート、サイドウィンドウ周辺部などの狭い場所にインフレーターケースを含めたモジュールとして装着されるため、収納容積は小さく、軽いエアバッグが望まれている。
【0003】
最近は、更にステアリングホイールの空隙スペースを大きくして、速度パネル等の計器を見やすくしたり、車内空間を大きくするために、エアバッグの収納容積を極力小さくすることが要求されるようになってきている。この要請に応えるべく、エアバッグを小型・コンパクト化するためには、バッグの折り畳み性が優れていることに加えて、燃焼安全性に優れていること、さらには、エアバッグ展開の際の人体への加害性回避のため、基布が柔軟であることも求められている。
【0004】
エアバッグを軽量化するためには、基布を構成する合成繊維の総繊度を小さくする必要があるが、一方、基布の引張強さも要求される。その解決策として、基布の織り組織を高密度にして、基布の引張強さを確保しようとすると、引裂強力が低下してしまうという問題がある。
特開平05−339840号公報には、基布に油剤を0.08wt%以上残存させることにより引裂強力を向上させることが開示されている。また、特開平06−228879号公報には、水系油剤を付与することにより、耐熱後の基布の引裂強力保持性が良好になることが開示されている。
【0005】
エアバッグは自動車の内装部品であり、特性として難燃性を必要とする。難燃性の基準としての評価は、水平燃焼性試験により行われ、一般にアメリカの規格であるFMVSS302によって評価される。この評価方法では、基布を取付具を用いて水平に保持して着火させ、着火点からA標線(3.81cm)を越え、100mm/min以下の遅い燃焼速度であることが、FMVSS規格により要求されている。さらに、A標線を越えて50mm以内、60秒以内で消火する場合を自消性とし、着火点からA標線(3.81cm)を越えないものを難燃性とした。油剤が付着したエアバッグ用基布では、これまである程度の自消性が達成されているが、より安全性の高い難燃性を示す基布は得られていなかった。
【0006】
したがって、充分に軽量で、柔軟なエアバッグであって、耐熱後の引裂強力に優れていることにより、車載経時後のインフレーションガスによる展開に耐え、乗員の突入エネルギーを吸収でき、かつ、水平燃焼性試験において難燃性の領域であることを共に備えたエアバッグおよびエアバッグ用基布は未だ得られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽量かつ柔軟で、コンパクトな収納性に優れ、高温環境下に曝された後の引裂強力に優れ、かつ、縫い目強力に優れており、エアバッグ展開性能の信頼性が高く、さらには、水平燃焼試験で難燃性の挙動を示し、燃焼安全性の高いエアバッグ、及びそのエアバッグ用基布を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.ポリアミド繊維からなり、基布表面に付与された油分が0.5〜5wt%、基布より水抽出した際のpHが6.5〜11、基布より溶媒抽出した油分を燃焼処理した残渣を水抽出した際のpHが2〜6であることを特徴とするエアバッグ用基布。
【0009】
2.基布から溶媒抽出した油分を、等量の水により乳化させた際の粘度が30Pa・s以上を示すことを特徴とする上記1記載のエアバッグ用基布。
3.基布から溶媒抽出した油分が、等量の水と2相分離することを特徴とする上記1記載のエアバッグ用基布。
4.上記1、2又は3記載のエアバッグ用基布よりなることを特徴とするエアバッグ。
【0010】
本発明者らは、特定の性質を繊維の表面に付与することにより、ポリマーの着火ドリップが促進されるということを見出した。即ち、油分が付着した基布の水平燃焼挙動を観察すると、接炎時に繊維がほぼ一瞬に溶融してポリマーの塊となることが観察できた。これが成長拡大せずに小さなドリップが多発する場合には、A標線に到達することなく消火することが判明した。その結果、接炎時にポリアミドポリマーを一気に可塑化する作用を繊維に付加すれば、難燃性になるということを見出した。ポリアミドポリマーに対して最も可塑化効果を有する物質は、水素結合を切断する蟻酸などのプロトン酸である。しかし、こうした物質の存在下では繊維そのものや油分が経時的に劣化する。
【0011】
一方、基布に対する油分付着の目的は、耐熱後の引裂強力保持率の向上である。しかしながら、基布に油分を付着させると、付着量とともに、一般には燃焼しやすくなる。
そこで、油分そのものの燃焼挙動を検討したところ、炎による急激な酸化反応過程で酸性に変化するものがあることを見出した。完全に燃焼した場合は往々にして灰分のみとなるが、その中間過程では酸性物質が多量に生成していると考えられる。
【0012】
実際、こうした着火酸性化を有する油分を付着させた基布では、むしろ基布の燃焼挙動が小ドリップの多発となり、難燃性になることがわかった。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明につき詳述する。
本発明において、油分の繊維に対する付着量は、0.5wt%以上である。より好ましくは0.8wt%以上である。付着量が0.5wt%以上であれば、耐熱引裂強力の保持率が良好である。さらには、縫製時の針による基布のダメージが軽減され、とりわけ単糸繊度の小さい基布において縫い目強力の維持に有効である。一方、付与量が多すぎては油剤そのものが燃料として燃焼促進することがあるため、5wt%以下であることが好ましい。
【0013】
なお、油分は、紡糸油剤、整経油剤、精練後に付与する油剤等の合計量である。
本発明においては、基布より水抽出した際のpHが6.5〜11である。pH6.5以上であれば、繊維や油分の劣化に基づくエアバッグの耐熱処理後の引き裂き強力保持率低下をより防ぐことができる。また、繊維、基布の取り扱い性から、著しく強アルカリ性であることを避けるために、pH11以下が好ましい。
【0014】
こうした、pHの制御は、繊維に付与する油分のpHを制御することで実施できる。繊維油剤には、成分を合成する際の酸触媒などが残存していたりすることがあるが、アルカリ中和工程を経た成分を組み合わせたり、また、有機塩基成分などを組み合わせて構成された油分を繊維に付与することで望ましいpHにすることができる。
【0015】
本発明では、基布から溶媒抽出される油分を燃焼処理した残渣を水抽出した際のpHが2〜6である。pHが6以下であれば、こうした油分が付与されているポリアミド繊維は、燃焼中に粘性低下の様子を示す。なお、燃焼処理とは、コーンカロリーメーター(50kW/m2 設定)で、油分を全発熱量の1/2量まで燃焼することをいう。
【0016】
JIS D−1201およびFMVSS302に規定の燃焼試験の際に、ノンコート基布や熱可塑性樹脂コーティングの基布の場合は、着火したときポリマーがドリップするため、A標線に達しない内に消火し、難燃性と判定される。また、シリコーンコーティングの基布の場合は、ポリマーの可塑化により、燃焼シリコーン層の反りやひび割れを防ぐことで延焼を防ぐことができ、難燃性と判定されるという効果も得られる。
【0017】
油分の燃焼処理後の残渣を水抽出した際のpHが低下する、すなわち着火酸性化の性質を有するような油分としては、疎水性の油剤組成が好ましい。ポリアルキレンオキサイドのように熱分解の際、分子切断のみで揮散減量する物質は、酸性化に寄与しにくく、逆に燃焼ガスとなって延焼効果を有するため、含有量を最小限にする。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属で中和されたスルホン酸塩やホスホン酸塩は、酸性化を妨げることが多い。従って、基布から溶媒抽出した油分を、等量の水により乳化させた際の粘度が30Pa・s以上を示すか、または、溶媒抽出した際2相分離するような疎水性油分であることが好ましい。
【0018】
こうした油分の組成としては、脂肪酸アルキルエステル類、なかでも、多エステル化合物、また、脂肪酸アルキレンオキサイドアルキルエステル、などを比較的多量に用いるのがよい。熱酸化によってカルボン酸などを多量に生成する成分が有効と考えられる。
さらには、硫黄元素を含有する化合物を主成分の一つとして含有させることが有効である。たとえば、硫黄を含有する平滑剤としては、スルフィド結合を有するエステルであるチオジプロピオン酸ジエステル、チオールを原料とするチオエステルやチオールポリアルキレンオキサイドエステルなどを用いることができる。また、制電剤としてアルキルチオポリアルキレンオキサイドなどを用いることができる。
【0019】
これらの成分は、硫酸根の生成が着火酸性化を促進すると考えられる。各種組成の混合物である油分の着火酸性化の特性は、混合油分で評価することにより、配合成分の種類と量を適宜決定することができる。また、その他の通常用いられる平滑剤、静電剤等と混合し、製糸性の要求や製織性の要求に応じて配合調整することができる。油剤には、さらに、酸化防止剤、防腐剤などの添加剤を添加してもよい。
【0020】
本発明において、用いる繊維はポリアミド(以下、ナイロンともいう)類である。たとえば、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン610に代表される脂肪族ポリアミドや、ナイロン6T、ナイロン6Iなどの芳香族ポリアミド、さらには、これらの共重合ポリマーもしくはブレンドポリマーを用いることができる。特にナイロン66が、耐熱性と紡糸性の点で好ましい。
【0021】
繊維ポリマー中には耐熱安定剤や酸化防止剤等を添加することが望ましい。たとえば、各種の銅化合物を耐熱安定剤として用いることができる。すなわち、酢酸銅などの有機錯塩、および、沃化銅、臭化銅、塩化第一銅、塩化第二銅などのハロゲン化銅などを用いることができる。銅化合物のポリアミドに対する含有率は1〜200wtppmの範囲で選ぶことができる。さらに、銅化合物の熱安定化効果を高めるために、沃化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウムなどのハロゲン化金属を併用することができる。さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等を補助として添加するのも良い。
【0022】
本発明において、繊維は、繊度60〜500dtexが好ましい。さらに好ましくは100〜250dtexである。繊度500dtex以下であると、基布およびエアバッグが軽量にできる。また、繊度60dtex以上であると、エアバッグに要求される引張強力などの機械的特性を満たすことができる。
繊維の単糸繊度は、1〜5dtexが好ましく、より好ましくは1〜4dtexである。単糸繊度が5dtex以下であると、エアバッグを柔軟なものにすることができる。また、単糸繊度が1dtex以上であると、高密度基布を製織するのに有利である。
【0023】
本発明の基布は、軽量でかつ十分な機械的強度が要求されることから、総繊度と織り密度の積である織り繊度が、経緯合計で22,000dtex・本/2.54cm以上であることが好ましい。
水平燃焼法において、製織の糊成分は延焼促進成分であり、また、精練による完全除去も困難である。そのため、無糊(NOS)製織が好ましい。無糊で高密度のエアージェット製織を行う際、ポリアミド繊維は帯電で開繊し、織機が停台しやすいため、90%RHを超える高湿度下で製織することが好ましい。このとき、油分は疎水性であることが好ましく、等量の水により乳化させた際の粘度が高ければ開繊抑制効果が高められ、停台回数が低減できるので、単糸繊度が細く高密度の織物でも製織が容易になる。
【0024】
繊維に対する油分の付与は、石油系希釈剤を用いるなど非水的に付与することが好ましい。付与する時期は、繊維の製糸工程や、製織前の経糸準備工程、織物の精練工程後の仕上げ工程等のいずれでも、また、重複しても良い。最も有利な方法は、製糸工程で紡糸油剤として付与することである。
紡糸以降の工程で油分の脱落の無い非水工程(エアージェット製織、無精錬)が、繊維間の油分の分散が良く、有利である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、実施例および比較例を挙げ具体的に説明する。
なお、測定法、評価法等は下記の通りである。
(1)水抽出した際のpH(水抽出pH)
JIS L 1096−8.40(付属書2)に従い測定した。まず、繊維又は基布の試料2.00gを精秤し、100mlの脱イオン水で1時間振とうした。
【0026】
pH測定器は、JIS形式I型準拠のカスタニーACTpHメーターD−22に電極9300−10D(いずれも堀場製作所)を用いた。スパン校正は、フタル酸塩pH標準液としゅう酸塩pH標準液にて行った。
(2)油分の溶媒抽出
JIS L 1096−8.36に準じた。ただし、溶媒としてジクロロメタンを用いて抽出した。また、抽出した油分の特性評価のため、必要な繊維、基布又はエアバッグ製品の試料の量を適宜増やして行った。
【0027】
(3)抽出した油分の燃焼処理
抽出した油分を0.5gステンレスカップ(外径40mm、高さ30mm、内径30mm、深さ25mm)に入れ、ASTM E 1354、ISO5660に準拠したコーンカロリーメーターIII−C3((株)東洋精機製作所)を用い、大気雰囲気下でコーンヒーターで加熱する。コーンヒーターは、ヒーター中心の下面から25mmの位置で50kW/m2の輻射熱量となる設定をした。
【0028】
ステンレスカップを、コーンヒーター中心線の直下で、カップ上面がコーンヒーターの下面に一致するような水平位置に設置して15秒加熱し、イグナイターで点火し、引き続き燃焼完了までの全燃焼挙動を記録した。
次に、同様の燃焼をはじめから実施し、燃焼が全発熱量の1/2経過した時点でサンプル台を降下させ、ステンレス蓋で覆って確実に消火して自然冷却で室温に戻し、これを燃焼処理サンプルとした。
【0029】
(4)燃焼処理した残渣を水抽出した際のpH(燃焼処理pH)
上記により燃焼処理した後のステンレスカップに10mlの純水を注入し、ガラス棒で撹拌後、超音波浴で3分間処理した。その後、25℃の恒温水槽で温調しながらpH測定を行った。
pH測定器は、JIS形式I型準拠のカスタニーACTpHメーターD−22に電極6069−10C(いずれも堀場製作所)を用い、温度補償センサーを恒温水槽に投入してpH値を求めた。スパン校正は,フタル酸塩pH標準液としゅう酸塩pH標準液にて行った。
【0030】
(5)抽出した油分を水に乳化させた際の粘度(乳化粘度)
抽出した油分の質量を計測し、等しい質量の純水を注入した。ペンシルミキサーで撹拌し、全体が相分離することなく乳化するか観察した。乳化したものについて振動式粘度計ビスコメイトVM−1G(山一電機(株)製)MHプローブで計測した。この際、乳化物がゲル状に固結するものはプローブ計測上限の30Pa・sを超えていた。
【0031】
(6)耐熱処理
基布またはエアバッグを120℃、400時間熱風乾燥機で処理した。
(7)燃焼試験
基布またはエアバッグから切り出した試料を、20℃、相対湿度65%で24時間放置した後、FMVSS208に規定された方法でN=10の燃焼試験をした。A標線到達以降の燃焼距離と燃焼継続時間を計測した。A標線に到達しないものは難燃性とした。
【0032】
(8)縫い目強力
JIS L 1093(6.1 グラブ法)に従い、基布やエアバッグから切り出した布を縫い合わせた試料(糸方向を合わせて縫い合わせた2種類)のそれぞれの平均値(測定値N=5)を求めた。縫い糸は上糸、下糸ともにナイロン66の#8番手であり、ミシン針は#18番手で、5針/cmのピッチで本縫いした。
【0033】
(9)引裂強力
JIS L 1096(6.15.1 A−1 シングルタング法)に従い、基布やエアバッグから切り出した布を、島津製作所(株)オートグラフAG1000型機により、経・緯それぞれN=3で測定して平均した。
〔実施例1及び実施例2〕
ナイロン66を溶融紡糸し、石油系希釈剤による30wt%溶液の紡糸油剤を付与し、155dtex/48fの繊維を得た。得られた繊維の引張強度は7.7cN/dtexであった。紡糸油剤の組成を表1に示す。
【0034】
つぎに、糊付けすることなくエアジェット製織機で350rpmの製織を行い、185℃で1分間の熱セットを行って精練することなくエアバッグ用基布を得た。製造条件及び得られた基布の物性をまとめて表2に示す。
〔実施例3〕
製織前に、経糸に整経油剤S1700(互応化学製)を付与した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
【0035】
〔比較例1及び比較例2〕
紡糸油剤の組成を変え、25wt%の水系エマルジョンとした以外は、実施例1と同様にした。油剤組成を表1に、結果を表2に示す。
〔比較例3〕
レピア織機にて製織を行い、80℃、30分間の精練(非イオン系界面活性剤使用)、湯洗、乾燥した。精錬後の油剤の付与量は0.08wt%であった。その後、改めて紡糸油剤と同じ組成で油剤を浸漬付与し、乾燥後、185℃で1分間熱セットした。上記以外は、比較例2と同様に行った。結果を表2に示す。
【0036】
〔比較例4〕
ウォータージェット織機を用い、製織を無糊で行った以外は、比較例2と同様に行った。結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004570260
【0038】
【表2】
Figure 0004570260
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、FMVSS302燃焼試験において、ドリップ消火により難燃性が合格となり、軽量で柔軟であり、縫い目強力の低下が少なく、かつ、耐熱後の引裂強力保持率に優れたエアバッグ、及びエアバッグ用基布が得られる。

Claims (5)

  1. ポリアミド繊維からなり、基布表面に付与された油分が0.5〜5wt%、基布より水抽出した際のpHが6.5〜11、基布より溶媒抽出した油分を燃焼処理した残渣を水抽出した際のpHが2〜6であり、該油分が下記(a)または(b)であることを特徴とするエアバッグ用基布。
    (a)硫黄元素を含有する化合物および有機塩基成分を含有すること。
    (b)熱酸化によってカルボン酸などを生成する成分を含み、有機塩基成分を含まず、あらかじめアルカリ中和工程を経ていること。
  2. 基布から溶媒抽出した油分を、等量の水により乳化させた際の粘度が30Pa・s以上を示すことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用基布。
  3. 基布から溶媒抽出した油分が、等量の水と2相分離することを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用基布。
  4. 油分が非水的に付与されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ用基布よりなることを特徴とするエアバッグ。
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