JPH1193015A - モノフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents

モノフィラメントおよびその製造方法

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JPH1193015A
JPH1193015A JP25498597A JP25498597A JPH1193015A JP H1193015 A JPH1193015 A JP H1193015A JP 25498597 A JP25498597 A JP 25498597A JP 25498597 A JP25498597 A JP 25498597A JP H1193015 A JPH1193015 A JP H1193015A
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JP
Japan
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cooling
monofilament
spinning
fineness
yarn
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Application number
JP25498597A
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English (en)
Inventor
Yoji Ono
陽二 小野
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太繊度のモノフィラメントの冷却を均一に行
うことができ、糸斑のないモノフィラメントを製造する
方法を提供する。 【解決手段】 溶融したポリマ−を冷却固化させるため
の冷却液槽を用いてなる溶融紡糸法において、冷却液の
温度が該ポリマ−の融点より50℃以上低い温度であ
り、特定の式を満足する条件で紡糸することを特徴とす
る、単繊度30デニ−ル以上のモノフィラメントの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は単繊度の大きいモノ
フィラメントおよびその製造方法に関し、詳細には太繊
度のモノフィラメントの冷却を均一に行うことができ、
糸斑のないモノフィラメントを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融紡糸法によって太繊度の繊維を製造
する場合、繊度が大きくなればなるほど繊維直径が大き
くなるので、繊維を構成するポリマ−の融点以下の温度
に繊維外層部分が冷却され、固化し始めてから繊維中心
部分が固化するまで、すなわち繊維全体が固化するまで
に時間がかかる。そのため、繊維内部に固化による歪み
が生じ、繊維諸物性、とくに糸斑が生じやすくなる。か
かる問題を解消するための手段として、たとえば紡糸ノ
ズルより溶融吐出された糸条を、冷却水槽等のポリマ−
固化槽に導入して急冷する方法がある。
【0003】冷却手段として冷却水槽を使用した場合、
水の熱伝導率および比熱が空気等の熱伝導率および比熱
より大きいため、紡糸ノズルから溶融吐出された糸条は
速やかに冷却され固化される。しかしながら、冷却固化
されるまでに時間が長い、すなわち空気冷却に供される
時間が長くなると、溶融状態の糸条が風、糸条の振動等
による影響を受けやすく、太さ斑を生じやすくなる。ま
た糸条に細い部分が存在すると強度が低くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、糸斑のない
太繊度のモノフィラメントを得ることを目的とし、さら
には高強度で太繊度のモノフィラメントを得ることを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、溶融した
ポリマ−を冷却固化させるための冷却液槽を用いてなる
溶融紡糸法において、冷却液の温度が該ポリマ−の融点
より50℃以上低い温度であり、下記式(2)および
(3)を満足する条件で紡糸することを特徴とする、単
繊維繊度が30デニ−ル以上のモノフィラメントの製造
方法によって達成される。 1≦L≦(V・R)/400 (2) R/100≦t (3) L:紡糸口金吐出面と液面との距離(cm) V:紡糸速度(m/分) R:フィラメントの直径(ミクロン) t:冷却槽通過時間(秒)
【0006】そして、かかる方法で製造されたモノフィ
ラメントは、下記式(1)を満足するものである。 U≦[(10・L2 )/(V・R)1/2 ]+2 (1) U:糸斑を示す値(%) L:紡糸口金吐出面と液面との距離(cm) V:紡糸速度(m/分) R:フィラメントの直径(ミクロン)
【0007】
【発明の実施形態】本発明のモノフィラメントを構成す
るポリマ−として溶融紡糸が可能なポリマ−全てを挙げ
ることができるが、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリ
ブチレンテレフタレ−ト等のポリエステル;ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミド;エチレン−ビニルア
ルコ−ル系共重合体等が好ましい。また、本発明におい
ては単繊維繊度が30デニ−ル以上の繊維を対象として
いる。単繊維繊度が30デニ−ル未満の場合には、後述
する製造方法において冷却液槽に導入される以前に冷却
固化が始まる場合があり、糸斑、すなわちU%が大きく
なる場合がある。単繊度の上限はとくに限定はないが、
10000デニ−ルになると紡糸原糸の温度により冷却
液槽中の冷却液の温度が高くなり、極端には沸騰してそ
の液が紡糸原糸に付着し、かえって糸斑の発生を助長す
ることになるので、単繊維繊度の上限は10000デニ
−ルであることが好ましい。
【0008】かかる太繊度のモノフィラメントを糸斑の
発生なく製造する方法について詳述する。紡糸口金吐出
孔と紡糸口金直下に設置された冷却液槽の液面までの距
離Lは、紡糸速度と非常に密接な関係があり、下記式
(2)を満足しなければならない。 1≦L≦(V・R)/400 (2) V:紡糸速度(m/分) R:フィラメントの直径(ミクロン)
【0009】かかる関係式を満足しない場合には、冷却
液面の揺らぎによって紡糸口金が液面と接触し、断糸す
るなどの問題が生じたり、張力斑の発生に起因して糸斑
が急激に発生したりする。好ましくは1≦L≦(V・
R)/1000である。また、冷却液槽中の通過時間、
すなわち、冷却固化にさらされる時間も紡糸速度と密接
な関係があり、下記式(3)を満足しなければならな
い。
【0010】 R/100≦t (3) R:フィラメントの直径(ミクロン) t:冷却槽通過時間(秒)
【0011】かかる関係式を満足しない場合には、溶融
した糸条を十分に冷却することができず、糸斑が発生し
やすくなるという問題が生じる。好ましくはR/50≦
tである。
【0012】冷却液の温度が、溶融紡糸を行うポリマ−
の融点よりも50℃以上低い温度、好ましくは80℃以
上低い温度であればよく、紡糸原糸が均一に凝固できる
温度、温度制御が容易である温度であればよい。冷却液
は取扱の点で通常水を使用すればよいが、ポリマ−の種
類、冷却温度によってはオイルを使用しても差支えな
い。
【0013】このような条件で製造された、単繊維繊度
が30デニ−ル以上のモノフィラメントは均一に冷却固
化されており、繊維断面における表層と内層との間の複
屈折率に差がない、すなわち均一に冷却固化されている
のである。また、かかるモノフィラメントは下記式
(1)を満足するU%を有しており、さらに該モノフィ
ラメントに通常の延伸を施してなる延伸糸も当然下記式
(1)を満足するものである。 U≦[(10・L2 )/(V・R)1/2 ]+2 (1) U:糸斑を示す値(%) L:紡糸口金吐出面と液面との距離(cm) V:紡糸速度(m/分) R:フィラメントの直径(ミクロン)
【0014】式(1)より明らかなように、生産性を考
慮して紡糸速度を上げていくとより一層U%は小さくな
る。本発明においてより好ましくは下記式を満足するこ
とである。 U≦[(8・L2 )/(V・R)1/2 ]+2
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測定
算出されたものである。 (1)糸斑(U%) Uster Eveness Tester (スイス Uster社製)Model.C 型
を使用して、糸の繊度に応じた測定スリットにて、糸速
100m/分の条件で5分間の測定を1回とし、測定試
料の任意の5箇所について測定し、その平均値で示し
た。 (2)糸強度(g/デニ−ル) インストロン型引張試験器で強伸度曲線チャ−トを取
り、強力/繊度(デニ−ル)で算出する。測定試料の任
意の5箇所を測定し、平均値で示した。
【0016】実施例1 エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体(クラレ製、ES
-G110A、融点160℃)を紡糸口金温度190℃で、ポ
リマ−の吐出量を3段階に変えて吐出し、30℃に制御
した冷却水槽を通し、紡糸速度をそれぞれ15m/分、
20m/分、25m/分で巻き取った。得られたモノフ
ィラメントの繊度(繊維直径)は、170デニ−ル(1
50ミクロン)、340デニ−ル(210ミクロン)、
680デニ−ル(290ミクロン)であった。冷却水槽
通過時間は原糸の直径に応じてそれぞれ2秒、3秒、4
秒であった。また紡糸口金吐出孔と冷却槽液面との距離
は1〜20cmまで10段階に変更した。ついで紡糸原
糸を70℃の水浴延伸機で2.76倍に一段延伸し、引
き続き110℃の乾熱延伸機で1.63倍に二段延伸を
施し、110℃の乾熱下で5%の熱収縮を施して単繊
度、40、80、160デニ−ルのモノフィラメントを
作成した。このモノフィラメントを緯糸、ナイロン6モ
ノフィラメント(単繊維繊度30デニ−ル)を経糸とし
て8枚朱子織の織布を作成した。該織布を被験者10人
に観察させ、糸斑の有無を評価した。また紡糸口金吐出
孔と冷却水液面との距離(L)の変化に伴う糸斑の発生
状況、紡糸工程性を表1〜3にあわせて示す。糸斑の有
無は紡糸工程性からも評価でき、糸斑が激しい場合には
断糸等の紡糸工程性が悪くなる。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】表1より、式(2)および(3)を満足す
る条件で紡糸冷却されたモノフィラメントは糸斑が極端
に少なく、紡糸工程性も良好であった。
【0021】実施例2 ナイロン66[宇部興産社製、2020B]を用い、紡
糸口金温度を290℃、冷却水温度を10℃とした以外
は実施例1と同様にして170、340、680デニ−
ルの紡糸原糸を得た。ついで紡糸原糸を98℃の水浴延
伸機で3.6倍に一段延伸し、引き続き200℃の乾熱
延伸機で1.21倍に二段延伸を施し、200℃の乾熱
下で2%の熱収縮を施して40デニ−ル(70ミクロ
ン)、80デニ−ル(100ミクロン)、160デニ−
ル(140ミクロン)のモノフィラメントを作成した。
このモノフィラメントを使用して実施例1と同様にして
8枚朱子織りの織布を作成し、被験者10人による糸斑
の有無を評価した。また紡糸口金吐出孔と冷却水液面と
の距離(L)の変化に伴う糸斑の発生状況、紡糸工程性
を表4〜6にあわせて示す。糸斑の有無は紡糸工程性か
らも評価でき、糸斑が激しい場合には断糸等の紡糸工程
性が悪くなる。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】表2より、式(2)および(3)を満足す
る条件で紡糸冷却されたモノフィラメントは糸斑が極端
に少なく、紡糸工程性も非常に良好であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、糸斑の非常に少ない、
太繊度のモノフィラメントを効率よく生産することが可
能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単繊維繊度が30デニ−ル以上のモノフィ
    ラメントであって、下記式(1)を満足することを特徴
    とするモノフィラメント。 U≦[(10・L2 )/(V・R)1/2 ]+2 (1) U:糸斑を示す値(%) L:紡糸口金吐出面と液面との距離(cm) V:紡糸速度(m/分) R:フィラメントの直径(ミクロン)
  2. 【請求項2】溶融したポリマ−を冷却固化させるための
    冷却液槽を用いてなる溶融紡糸法において、冷却液の温
    度が該ポリマ−の融点より50℃以上低い温度であり、
    下記式(2)および(3)を満足する条件で紡糸するこ
    とを特徴とする、単繊度30デニ−ル以上のモノフィラ
    メントの製造方法。 1≦L≦(V・R)/400 (2) R/100≦t (3) L:紡糸口金吐出面と液面との距離(cm) V:紡糸速度(m/分) R:フィラメントの直径(ミクロン) t:冷却槽通過時間(秒)
JP25498597A 1997-09-19 1997-09-19 モノフィラメントおよびその製造方法 Pending JPH1193015A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248407A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Toray Monofilament Co Ltd 弗素系樹脂モノフィラメント、その製造方法および工業織物
JP2010163720A (ja) * 2009-01-19 2010-07-29 Kureha Gosen Kk 熱可塑性樹脂モノフィラメントおよびその製造方法

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