JP7275733B2 - 高強度ポリアミドモノフィラメント - Google Patents

高強度ポリアミドモノフィラメント Download PDF

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Description

本発明は、高強度ポリアミドモノフィラメントおよびその製造方法に関する。
一般的にポリアミドモノフィラメントは高強度であるものもしくは細繊度であるものに限られており、これらを兼ね備えたポリアミドモノフィラメントは存在していない。よって、ラケット用のガットの側糸や、ストレッチ素材の縫い糸といった用途に高品質のポリアミドモノフィラメントを提供することができなかった。
例えば、ガットに求められる要求特性のひとつに、細ゲージ化(ゲージとはガットの太さのこと)が挙げられる。細ゲージ化によってラケットスイング時の空気抵抗軽減およびガット重量の減少を図ることができる。一方、ボールやシャトル等のガットへの衝突から、発射されるまでのレスポンスを向上させるために、できる限り高い張力でラケットにガットを張ることが求められており、このような高い張力に耐えられる単位断面積当たりの強力が高いガットが求められている。よって、ガットの特性としては細ゲージ・高強度が求められており、そのガットを構成する芯糸・側糸には細繊度・高強度が要求されているが、上記の通り、細繊度と高強度を兼ね備えたポリアミドモノフィラメントはこれまではなかった。
高強度ポリアミドモノフィラメントの製法には、ポリアミド樹脂を溶融紡糸した後に水冷する方法が存在する(特許文献1、2、3)。この方法で製造されるモノフィラメントは非常に高強力となるが、水冷時に糸切れの懸念があるためにガットの側糸として適さない太繊度のモノフィラメントしか形成することができない。また、生産速度が遅く、生産効率が低い製造方法となっている。
また、ポリアミドモノフィラメントの製法には溶融紡糸後に糸条を冷却風により冷却する方法も存在する(特許文献4、5)。細繊度のポリアミドモノフィラメントの製造が速い生産速度条件下で可能となるものの、現行の技術では最大で6.0cN/dtex程度の強度に留まり、充分な強力を満たすものではなかった。
ポリアミドマルチフィラメントであれば、高い延伸張力に耐えうるために冷却風による製造方法によって高強度のフィラメントを得やすくなり(特許文献6、7)、これを分繊することによって高強度のモノフィラメントを得ることができる。しかし、マルチフィラメント製糸時の大きな延伸張力によって各単繊維の長手方向における物性にバラツキが生じてしまう。高強度マルチフィラメントとして使用されるのであればこのバラツキは用途などを考慮した上で問題視されないが、マルチフィラメントの各単繊維を分繊してモノフィラメントとして使用する場合は、このバラツキが大きければ原糸、加工後の製品の品質に大きく影響してしまう。
よって従来の技術では、品質バラツキの小さい細繊度・高強度のポリアミドモノフィラメントを高い生産効率で製造することは極めて難しい。
特開2000-279076号公報 特開2011-101618号公報 特開2005-204600号公報 特開2008-57085号公報 特開2009-108438号公報 特開2008-163494号公報 特開2006-345924号公報
本発明の目的は、上記の問題点を解決しようとするものであり、細繊度・高強度であり、かつ品質バラツキの小さいポリアミドモノフィラメント、さらには、そのポリアミドモノフィラメントを高い生産効率で製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のポリアミドモノフィラメントは以下の構成を有する。
すなわち、主成分がナイロン66であるポリアミド樹脂からなる繊度8.0~30.0dtex、引張試験における破断強度が7.0~11.0cN/dtex、繊維長手方向の強度バラツキCV値が1.5%未満であることを特徴とするポリアミドモノフィラメントである。
なお、本発明のポリアミドモノフィラメントにおいては、前記ポリアミド樹脂の主成分が、ナイロン66であり、全質量に対する含有率が97%以上であることが好ましい条件として挙げられる。
また、本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法は、ポリアミド樹脂を溶融紡糸し、冷却空気で糸条を冷却することにより8~16本からなるマルチフィラメントを得た後、分繊することを特徴とするポリアミドモノフィラメントの製造方法である。なお、本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法は、マルチフィラメント製造の際、ポリアミド樹脂を溶融紡糸した直後にポリマの融点に対し、-30~+30℃の高温雰囲気中に糸条を通過させることで製造することが好ましい。
本発明により、以下に説明する通り、細繊度・高強度を兼ね備えつつ、品質バラツキが小さく、高効率でポリアミドモノフィラメントを提供できることにある。
本発明のポリアミドモノフィラメントを製造工程の概略図である。
以下に、本発明のポリアミドモノフィラメントついて説明する。
上記の目的を達成するために、本発明のポリアミドモノフィラメントはポリアミド樹脂からなる。ポリアミド樹脂としては主成分がナイロン66であるポリアミド樹脂が好ましく、全質量のうち97質量%以上がナイロン66からなるポリアミド樹脂を用いることがより好ましく、さらに好ましくはナイロン66のみで構成されていることである。ナイロン66と他のポリアミドを共重合して使用することも可能であり、共重合に使用するポリアミドにはナイロン6、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612を用いることができる。汎用ポリマであるナイロン66を使用することで、安価にモノフィラメントを製造できるだけでなく、また、銅化合物を始め、従来知られた無機及び有機銅塩や銅金属単体を含有させることができる。また、ポリアミドモノフィラメントは、銅化合物に加えて、アミン化合物、メルカプト化合物、リン系化合物、ヒンダードフェノール化合物等の他の耐熱剤を含有してもよい。上記共重合並びに添加剤の添加を行った上で、97質量%以上をナイロン66成分とすることで高強度となるだけでなく、結晶性の高い耐摩耗に優れたモノフィラメントを得ることができる。
ポリアミドモノフィラメントの硫酸相対粘度は、3.0~5.0が好ましく、より好ましくは3.5~4.5である。上記範囲内の硫酸相対粘度であれば、曵糸性が良好である高強度のモノフィラメントを製造可能となる。なお、硫酸相対粘度は実施例の欄に記載した方法で測定した値をいう。
本発明のポリアミドモノフィラメントは、繊度(単繊維繊度)が8.0~30.0dtexである。繊度は8.0~20.0dtexの範囲が好ましく、より好ましくは9.0~15.0dtexの範囲である。繊度が8dtex未満では、繊度が細過ぎるため溶融紡糸後のマルチフィラメントの熱延伸の際に毛羽が発生する可能性が高くなる。マルチフィラメントにおける毛羽は、マルチフィラメントを構成するフィラメント(単繊維)の断糸を意味し、毛羽のあるマルチフィラメントを分繊すると、工程内で糸切れが発生してしまう。また、繊度が30dtexを超える場合には、例えばガットの側糸としての使用が難しくなるばかりか、紡糸時の均一冷却性が悪化することにより原糸品質が低下してしまい、ガット強力、耐久性が低下してしまう。
本発明のポリアミドモノフィラメントの強度は、6.5~11.0cN/dtexである。より好ましくは7.5~11.0cN/dtexである。一般的にガットに用いられるポリアミドモノフィラメントの強度は6.5cN/dtex程度であり、7.5cN/dtexを超える強度を有するガット用ポリアミドモノフィラメントは今までになく、本発明のように7.5cN/dtex以上のポリアミドモノフィラメントを側糸に配することで、単位断面積当たりの強力が高く、耐久性が向上したガットを得ることが可能となる。強度が6.5cN/dtex未満の場合には、単位断面積当たりの強力の高く、耐久性の高いガットを得ることが困難となる。なお、強度は実施例の欄に記載した方法で測定した値をいう。
本発明のポリアミドモノフィラメントの強度バラツキは、CV値で1.5%未満であることが必須である。CV値が1.5%以上であると強度の弱い箇所が破断しやすく、モノフィラメントを側糸として使用したガットの耐久性を損ねることにつながる。なお、強度バラツキCV値は実施例の欄に記載した方法で測定した値をいう。
本発明のポリアミドモノフィラメントの破断伸度は、15~30%であることが好ましく、より好ましくは21~30%である。かかる範囲であれば低温下でも耐久性を維持することができる。なお、伸度は実施例の欄に記載した方法で測定した値をいう。
断面形状につては特に限定されるものではない。丸形断面をはじめとし、偏平、多角、Y型等、多様な形状の断面を採用することができる。
以下に、本発明のポリアミドモノフィラメントの製造方法について記す。
本発明のポリアミドモノフィラメントは、ナイロン66樹脂を溶融紡糸し、冷却空気によって固化させた後に油剤を付与し、ローラ間で糸条の延伸を行うことにより得られるマルチフィラメントを分繊することによって得られる。
本発明のポリアミドモノフィラメントは8~16本の単繊維からなるマルチフィラメントを分繊することによって得ることが好ましく、より好ましくは12~16本の単繊維数(フィラメント数)である。8本未満であると、1本のマルチフィラメントから得られるモノフィラメントの本数が少なくなるだけでなく、マルチフィラメントの総繊度を一定としたときの単繊維繊度が太くなってしまうことから、前述したように要求する品質のモノフィラメントを得られなくなる。一方、一般的な分繊機で分繊し巻き取り可能なボビン数は16本であり、これ以上の単繊維数のマルチフィラメントを分繊するとなると、分繊回数が2回以上必要となる。分繊工程では繊維の冷延伸が引き起こされるため、強伸度積が低下してしまい、2回以上の分繊により強伸度積が大きく低下する。
以下に、分繊前のポリアミドマルチフィラメントの製造方法について記す。
溶融紡糸に用いるナイロン66樹脂の硫酸相対粘度は、3.0~5.0が好ましく、より好ましくは3.5~4.5である。かかる範囲であれば、高強度のナイロン66モノフィラメントを曵糸性良好により安定して得ることができる。
分繊前のポリアミドマルチフィラメントの製造方法の一態様の概略を図1に示す。
上記のポリアミド樹脂をエクストルーダー型紡糸機で溶融・混錬し、紡糸温度はポリマの融点から融点より50℃高温の値に設定し、複数、好ましくは8~16の孔を有する口金1から溶融紡糸するが、紡糸口金の直下から5~300cmの範囲を加熱筒2で囲み、紡出糸条を融点に対し、-30~+30℃の高温雰囲気中に通過させること好ましい形態であり、より好ましくは-15~+15℃である。紡出糸条を直ちに冷却せず、上記加熱筒で囲まれた高温雰囲気中を通して徐冷することにより、溶融紡糸されたナイロン66分子の配向が緩和され、単繊維間の分子配向均一性を高めることができるため、ナイロン66フィラメントの高強度化が可能となる。一方、高温雰囲気中を通過させることなく直ちに冷却すると、未延伸糸の配向が高まり、かつ単繊維間の配向度バラツキが大きくなる。かかる未延伸糸を熱延伸すると、結果として高強度ナイロン66フィラメントが得られない可能性がある。また、加熱筒による高温雰囲気の温度が280℃を超えると、溶融紡糸後の冷却時における糸揺れが大きくなり、それによるモノフィラメントの繊度バラツキが悪化してしまう。
高温雰囲気中を通過した未延伸糸条には、次いで、クロスフロー冷却装置3により10~80℃、好ましくは10~50℃の風を吹きつけて冷却固化する。冷却風が10℃未満の場合には、大型の冷却装置が必要となるため好ましくない。また、冷却風が100℃を超える場合には、紡糸時の単繊維揺れが大きくなるため、単繊維同士の衝突等が発生し、製糸性悪化の原因となる。
未延伸糸は多段延伸、特に2段延伸することが好ましい。2段延伸の場合について具体的に例示すると、まず、冷却、固化された未延伸糸には給油装置4で油剤を付与し、引取ローラ(1FR)によって引き取る。その後給糸ローラ(2FR)、第1延伸ローラ(1DR)、第2延伸ローラ(2DR)、および弛緩ローラ(RR)といった順序で糸条を捲回して熱処理及び延伸処理を行い、ワインダー11に巻き取る。2FRの表面は鏡面、1DR、2DR,RRの表面は梨地とすることが好ましい。
2FRと1DRの間において1段目の延伸を行い、2FRの温度は30~50℃、1DRの温度を100~225℃とする。
2段目の延伸は1DRと2DRの間で行われ、2DRの温度は218~228℃であることが好ましい。2段目の延伸では1段目の延伸において配向度の高い延伸糸となった糸条をさらに熱延伸するため、糸条には大きな延伸張力がかかり、繊維長手方向に品質を保持することが難しい。しかし、適切な温度条件下での熱延伸を行うことで品質バラツキを抑えることができる。2DRの温度が215℃未満であると2DRによる延伸張力が必要以上に高くなってしまい、繊維長手方向に品質バラツキが生じてしまう。また、228℃より高い場合は延伸張力が低く、DR上での延伸速度にバラツキが生じてしまうため、この場合も品質バラツキが発生する。
かくして本発明のポリアミドモノフィラメントを得るためのポリアミドマルチフィラメントを得ることができる。
得られたポリアミドマルチフィラメントを分繊機によって分繊することで、ポリアミドモノフィラメントを得る。分繊には公知の分繊機を用いることができ、モノフィラメントの生産(分繊)速度は、好ましくは100~1000m/minであり、より好ましくは300~700m/minである。この速度範囲による分繊により冷延伸による強伸度積の低下を極力引き起こすことなく、効率良くモノフィラメントを得ることができる。
[相対粘度]
試料1gを98%硫酸100mlに溶解し、オストワルド粘度計を使用し、25℃で測定した。施行回数2回の平均値を用いた。
[マルチフィラメント繊度]
JIS L1090(1999)により測定した。
[モノフィラメント繊度]:
インテック社製VIBROSKOP500を用い、張力用ウェイトに700mgを使用し測定した。
[繊維の強度、伸度]
JIS L1013(1999)の方法で測定した引張強さ及び伸び率を、強度及び伸度とした。オリエンテック社製テンシロン引張り試験機を用い、試長250mm、引張速度300mm/minの条件で測定した。各サンプルについて測定を3回行い、その平均値を求めた。
[繊維長手方向の強度バラツキ(CV値)]
JIS L1013(1999)の方法で測定した引張強さを強度とした。オリエンテック社製テンシロン引張り試験機を用い、試長250mm、引張速度300mm/minの条件で測定した。各サンプルについて繊維長手方向に1mおきに測定を5回行い、その平均値、標準偏差を用いて下記の式によって求めた。
[CV値](%)=[標準偏差]/[平均値]×100 。
[分繊工程通過性]
分繊機にて20万mのマルチフィラメントを400m/minで分繊した際の糸切れ状況から下記の3段階で評価した。
○:糸切れが0.2回/時間未満であり、安定生産が可能
△:糸切れが0.2~1.0回/時間である
×:糸切れが1.0回/時間以上である。
[生産効率]
モノフィラメントの生産速度から下記の3段階で評価した。
○:1分あたり5000m以上モノフィラメントの生産が可能
△:1分あたり1000~5000mモノフィラメントの生産が可能
×:1分あたり1000m未満もしくは製糸もしくは分繊工程において糸切れが頻発し、生産が不可能。
(実施例1)
(ポリアミドマルチフィラメントの製造方法)
硫酸相対粘度3.8の、ナイロン66ポリマを、エクストルーダー型紡糸機を用いて285℃で溶融紡糸した。溶融ポリマはギヤポンプにて総繊度が175dtexとなるように計量した後、紡糸パック中で20μの金属不織布フィルターで濾過し、16ホールの口金から紡出した。口金面より3cm下には加熱筒長15cmの加熱筒を設置し、筒内雰囲気温度が250℃となるように加熱した。ここで筒内雰囲気温度とは、加熱筒長の中央部で、内壁から1cm離れた部分の空気温度である。
加熱筒の直下には一方向から風を吹き付けるユニフロー型チムニーを取付け、糸条に20℃の冷風を40m/分の速度で吹き付け冷却固化した後、糸条に油剤を付与した。
油剤を付与された未延伸糸条を表面速度850m/分の速度で回転する1FRに捲回して引取った後、総合延伸倍率4.10倍で延伸を行った。引取り糸条は一旦巻き取ることなく連続して引取りローラと2FRとの間で5%のストレッチをかけた後、引き続いて回転速度比2.60倍で1段目の延伸、次いで回転速度比1.50倍で2段目の延伸を行い、3400m/分の速度で巻き取った。1FR、2FRのローラ表面は鏡面仕上げであり、1DR、2DR、RRは梨地仕上げとし、また各ローラ温度は、1FRは非加熱、2FRは40℃、1DRは150℃、2DRは225℃とし、RRは150℃とした。かかる溶融紡糸、延伸によりナイロン66マルチフィラメントを得た。得られた繊維物性を評価して表1に示した。
(ポリアミドモノフィラメントの製造方法)
単繊維16本から構成されるマルチフィラメントを分繊し、16本のボビンに巻き付け、400m/minの速度で解舒、分繊を行うことでモノフィラメントを得た。繊維物性を評価して表1に示した。
(実施例2)
ナイロン66マルチフィラメントの紡糸時に総延伸倍率を3.4倍にしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
ナイロン66マルチフィラメントの単繊維数を12本(総繊度は同じ)とし、巻取速度を2500m/min、総延伸倍率を4.0倍としたこと以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例4)
硫酸相対粘度3.80のナイロン66ポリマを95質量%、硫酸相対粘度3.80のナイロン6ポリマを5質量%の重量割合で混合したものを溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例5)
硫酸相対粘度3.80のナイロン66ポリマを95質量%、硫酸相対粘度3.21のナイロン6ポリマを5質量%の重量割合で混合したものを溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例1)
2DRの温度を235℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例2)
2DRの温度を235℃としたこと以外は、実施例2と同様に行った。
(比較例3)
2DRの温度を235℃としたこと以外は実施例3と同様に行った。
(比較例4)
2DRの温度を215℃としたこと以外は実施例3と同様に行った。
(比較例5)
溶融紡糸時に溶融ポリマをギヤポンプにて繊度が120dtexとなるように計量したこと以外は実施例1と同様に行った。
(比較例6)
特許文献4の実施例4に記載の通り実施して、ポリアミドモノフィラメントを得た。
(比較例7)
特許文献5の実施例1に記載の通り実施して、ポリアミドモノフィラメントを得た。
(参考例1)
特許文献1の実施例1に記載の通り実施して、ポリアミドモノフィラメントを得た。
(参考例2)
特許文献2の実施例1に記載の通り実施して、ポリアミドモノフィラメントを得た。
Figure 0007275733000001
これら、実施例1~5および比較例1~7で得られたポリアミドモノフィラメントの物性を評価した結果を表1に示した。
表1より明らかなように、本発明のポリアミドモノフィラメントは生産性高く製造することが可能である。
一方、従来技術である参考例1、2のモノフィラメントは高強度であるものの、繊度が太く、ガットのカバーリング糸としての利用が不可能である。
また、比較例6又は比較例7のように、カバーリング糸として利用可能な繊度範囲であっても、従来技術では高強度のモノフィラメントを得ることが困難であった。
さらに、比較例1~4のように、高強度のモノフィラメントを製造する際には高い延伸張力により繊維長手方向の強度バラツキが生じやすくなっており、一方、比較例5では繊度が細いことによる分繊工程での糸切れが発生した。
本発明のポリアミドモノフィラメントを用いたガットは、単位断面積あたりの強力が高いため細ゲージ化が可能なばかりか、さらにラケットに高張力で張り付けることが可能であるという利点を有していることから、上級者向けストリングスとして、テニス、スカッシュ、バドミントン等のラケット用途に好適に使用することができる。また、高強度ながら伸度の高いモノフィラメントを合糸することで、強伸度積の高い耐久性のあるマルチフィラメントとなることから、ストレッチ素材等の縫い糸として使用することも可能となる。
1:紡糸口金
2:加熱筒
3:クロスフロー冷却装置
4:給油装置
5:糸条
6:引取りローラ(1FR)
7:給糸ローラ(2FR)
8:第1延伸ローラ(1DR)
9:第2延伸ローラ(2DR)
10:弛緩ローラ(RR)
11:ワインダー

Claims (4)

  1. 主成分がナイロン66であるポリアミド樹脂からなる繊度が8.0~30.0dtex、強度が7.0~11.0cN/dtex、繊維長手方向の強度バラツキ(CV値)が1.5%未満であることを特徴とするポリアミドモノフィラメント。
  2. 前記ポリアミド樹脂中のナイロン66の質量%が97%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミドモノフィラメント。
  3. 主成分がナイロン66であるポリアミド樹脂を溶融紡糸し、冷却空気で糸条を冷却することにより8~16本からなるマルチフィラメントを得た後、分繊することを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミドモノフィラメントの製造方法。
  4. マルチフィラメント製造の際、ポリアミド樹脂を溶融紡糸した直後にポリマの融点に対して-30~+30℃の高温雰囲気中に糸条を通過させることを特徴とする請求項3に記載のポリアミドモノフィラメントの製造方法。
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