JPH1192714A - コーティング剤組成物 - Google Patents

コーティング剤組成物

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JPH1192714A
JPH1192714A JP25973297A JP25973297A JPH1192714A JP H1192714 A JPH1192714 A JP H1192714A JP 25973297 A JP25973297 A JP 25973297A JP 25973297 A JP25973297 A JP 25973297A JP H1192714 A JPH1192714 A JP H1192714A
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JP
Japan
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alkyl
film
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JP25973297A
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Yoshiaki Takezawa
好昭 竹澤
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Momentive Performance Materials Japan LLC
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Toshiba Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防汚効果を有し、基材表面に自然界の
化学的、物理的要因により発生した劣化部、擦り傷部を
遮蔽し、耐磨耗性、耐候性、撥水性、美観の向上などを
付与することができ、さらには汚れの付着が少なく、汚
れが付着しても容易に除去でき、本来の基材の美観を美
しい状態で保護可能な皮膜形成型のコーティング剤組成
物を提供する。 【解決手段】 (A) 特定のアルコキシシランもしくはそ
の部分加水分解物100 重量部、(B) 特定のシリコーン樹
脂50〜200 重量部、(C) アルキル変性シリコーンオイル
5〜50重量部、(D) 特定のジメチルシリコーンオイル2
〜50重量部、(E) 炭化水素系溶剤および/または揮発性
シリコーンの1種および/またはそれらの混合物8000〜
15000 重量部より成り、25℃における粘度が1〜1000cP
であるコーティング剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、基材表面の保護用コーテ
ィング剤に関し、さらに詳しくは基材表面への優れた防
汚効果を有し、基材表面に自然界の化学的、物理的要因
により発生した劣化部、擦り傷部を遮蔽し、耐摩耗性、
耐候性、撥水性、美観の向上などを付与することがで
き、本来の基材の美観を美しい状態で保護可能な皮膜形
成型のコーティング剤組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】建築物の表面や自動
車の塗装面は、廃棄ガス、酸性雨、砂塵などの影響や塩
害、凍害などのさまざまな化学的、物理的影響を受けて
表面が劣化し、美観が低下するという問題がある。その
ため、建築物壁面や自動車の塗装面の美観の低下を防止
する方法および低下した面を補修する方法が種々検討さ
れている。建築物の表面を補修する方法として、例え
ば、洗浄剤を用いて壁面の表面を洗浄し汚れを除去する
方法がある。しかしながら洗浄剤を用いての方法は、壁
面表面に付着した汚れを除去できても、洗浄剤およびブ
ラシ等の影響を受けるため、表面の美観を再度向上させ
るまでには至らない。洗浄後の美観の向上として、炭化
水素などのワックス成分を主成分とした水性エマルジョ
ン溶液や有機溶剤溶液を塗布することも提案されている
が、埃の巻き込みによる汚れの再付着、耐水性不良に伴
う皮膜の流れ落ちや剥離等の問題があった。また、コン
クリートなどの多孔質無機材料などに、シラン化合物や
ポリシロキサンを主成分とするコーティング剤を塗布
し、撥水性を付与して劣化を防止する方法が知られてい
る(特開昭57−126878号公報、特開平1−292089号公
報、特開平2−70787 号公報参照)。しかし、美観の低
下した壁面の補修方法や、コーティング剤を塗布後の補
修方法については記載されておらず、さらに改善が必要
であった。また、自動車の塗装面等に使用される撥水艶
出し剤として、一般にカルナバワックス、モンタンワッ
クス、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエ
チレンワックスなどの天然物または合成ワックスとシリ
コーンオイル類を溶剤に溶解もしくは分散して得られる
溶剤タイプや固形タイプ、或いは以上の成分に乳化剤と
水とで乳化して得られるタイプなどが挙げられる。溶剤
タイプは、撥水性にすぐれているが拭き取りなどの作業
性が悪く、また乳化タイプは作業性に優れているが、撥
水性に劣る欠点がある。またこれら従来のワックスは、
光沢、撥水性、防汚性なども十分ではなく、特に持続性
が劣るという欠点がありさらなる向上が望まれていた。
【0003】
【発明の目的】本発明者は、上記の問題点を解消し、優
れた防汚効果を有し、基材表面に自然界の化学的、物理
的要因により発生した劣化部、擦り傷部を遮蔽し、耐磨
耗性、耐候性、撥水性、美観の向上などを付与すること
ができ、さらには汚れの付着が少なく、汚れが付着して
も容易に除去でき、本来の基材の美観を美しい状態で保
護可能な皮膜形成型のコーティング剤組成物を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【発明の構成】本発明者は、上記目的を達成するために
種々検討した結果、特定のシロキサン成分を組み合わせ
ることにより、優れた防汚効果を有し、基材表面に自然
界の化学的、物理的要因により発生した劣化部、擦り傷
部を遮蔽し、耐磨耗性、耐候性、撥水性、美観の向上な
どを付与することができ、さらには汚れの付着が少な
く、汚れが付着しても容易に除去でき、本来の基材の美
観を美しい状態で保護可能な皮膜形成型のコーティング
剤組成物を提供できることを見出し、本発明を成すに至
った。即ち、本発明は、 (A) 一般式 R1 nSi(OR2)4-n (式中、R1はハロゲン原子で置換されていてもよい1価
炭化水素残基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、および
n は0〜2の整数である)で示されるアルコキシシラン
もしくはその部分加水分解物 100 重量部 (B) 一般式 R3 mSiO(4-m)/2 単位 50〜99モル% R4 3SiO0.5 単位 1〜50モル% (式中、R3、R4は置換または非置換の1価炭化水素基を
表わし、m は、0<m <2の数)よりなるシリコーン樹
脂 50〜200 重量部 (C) アルキル変性シリコーンオイル 5〜50重量部 (D) 一般式
【0005】
【化3】
【0006】(式中、l は正の整数を示す)で示され、
25℃における粘度が50〜200000cPのジメチルシリコーン
オイル 2〜50重量部 (E) 炭化水素系溶剤および/または揮発性シリコーンの
1種および/またはそれらの混合物 8000〜15000 重量
部 を含有し、25℃における粘度が1〜1000cPであることを
特徴とするコーティング剤組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のコーティング剤組成物に使用される(A)
成分は 一般式 R1 nSi(OR2)4-n で表わされるアルコキシシランおよび/またはその部分
加水分解物であり、本発明のコーティング剤組成物にお
いて各成分を安定的に分散させコーティング皮膜の基材
への密着性を向上させ、持続性を保持するための成分で
ある。(A) 成分におけるR1はハロゲン原子で置換されて
いてもよい1価炭化水素残基であり、互いに同一でも相
違なものでもよい。このようなハロゲン原子で置換され
ていてもよい1価炭化水素残基としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基のような炭素数
1〜12のアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアル
ケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基のような
アリール基;β−フェニルエチル基、β−フェニルプロ
ピル基のようなアラルキル基のような1価の炭化水素基
などが例示されるオルガノシランおよび/またはその部
分加水分解物であり、これらのなかでも入手の容易なこ
とからメチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
(A) 成分におけるOR2 はアルコキシ基であり、これらの
中でも硬化反応時に発生する副生生物の臭気が少なく、
硬化性および皮膜特性が良好なことから、R2は炭素数1
〜4のアルキル基、およびn は0〜2の整数で示される
ものが好ましく、特に好ましくはメトキシ基およびエト
キシ基である。アルコキシシランの部分加水分解物は、
公知の方法で容易に得ることができる。すなわちメチル
トリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、
テトラアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラ
ン、ジフェニルジアルコキシシラン、メチルフェニルジ
アルコキシシランなどのアルコキシシラン類ならびにア
ルキルアルコキシシランのアルキル基をエチル基、プロ
ピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基のような炭素数1〜12のよう
なアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル
基;トリル基、キシリル基のようなアリール基のような
1価の炭化水素基などで置換した有機ケイ素化合物類の
中から選択される1種あるいはそれらの混合物を適宜選
択して、触媒の存在下で加水分解あるいは部分加水分解
して得ることができる。上記化合物を合成するための触
媒としては、無水酢酸、氷酢酸、プロピオン酸、安息香
酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸;テトラブトキ
シチタネート、テトライソプロポキシチタネートのよう
なチタン酸エステル;メチルトリクロロシラン、ジメチ
ルジクロロシランのようなクロロシラン;アンモニア水
のような無機塩基、エチレンジアミン、トリエタノール
アミンのような有機塩基などが例示される。また、(A)
成分として、以上のようにして得られた、それぞれ特性
の異なる硬化性シロキサンを複合ブレンドとして使用す
ることも差し支えない。
【0008】本発明のコーティング剤組成物で使用され
る(B) 成分は、 一般式 R3 mSiO(4-m)/2 単位 50〜99モル% R4 3SiO0.5 単位 1〜50モル% (式中、R3、R4は置換または非置換の1価炭化水素基を
表わし、m は、0<m <2の数)よりなるシリコーン樹
脂であり、本発明のコーティング剤組成物において、皮
膜形成時の遮蔽性、撥水性、耐候性、皮膜強度に関与す
る成分である。ここでR3とR4としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル
基、アリル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリ
ル基、キシリル基のようなアリール基;シクロヘキシル
基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基あるいは
これらの基の炭素原子に結合した水素原子をハロゲン原
子、シアノ基、アミノ基などで置換した基、例えばクロ
ロメチル、3,3,3 −トリフルオロプロピル基などが例示
される。これらのなかでも合成のし易さ、原料の入手の
容易なことからメチル基、エチル基が好ましい。また、
R4 3SiO0.5 単位は、R3 mSiO(4-m)/2 単位50〜99モル%に
対して、1〜50モル%であることが必要で、1モル%よ
り少ないと本発明の効果が十分得られず、50モル%より
多いと、樹脂の合成が困難となる。特に好ましくは、R3
mSiO(4-m)/2 単位80〜95モル%に対して、R4 3SiO0.5
位は、5〜20モル%である。本発明の成分(B) のシリコ
ーン樹脂は、R4 3SiO0.5 単位より成るシラノール基含有
オルガノポリシルセスキオキサン 100重量部に対して
(R4 3Si)aZ(式中、aは1または2を表わし、Z はa が1
のときは水素原子、水酸基、加水分解性基を表し、a が
2のときは-O- 、-N(Y)-、-S- を表す。ここでY は水素
原子、炭素数1〜4の1価炭化水素基またはR4 3Si-を表
す)で表わされる有機ケイ素化合物5〜100 重量部を反
応させることにより得られる。ここでZ の加水分解基と
しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;プロペ
ノキシ基などのアルケニルオキシ基;アセトキシ基、ベ
ンゾキシ基などのアシロキシ基;アセトンオキシム基、
ブタノンオキシム基などのオルガノオキシム基;ジメチ
ルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基などのオルガノ
アミノキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
シクロヘキシルアミノ基などのオルガノアミド基などが
例示される。これらの内原料の入手の容易なことからア
ルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基、エトキシ基が
好ましい。R3 mSiO(4-m)/2 で示される成分のポリシルセ
スキオキサンは、公知の方法で合成でき、たとえばオル
ガノトリクロロシランやオルガノトリアルコキシシラン
を過剰の水で加水分解・縮合反応させることにより得ら
れる。(R4 3Si)aZ で表される有機ケイ素化合物は、R3 m
SiO(4-m)/2 成分のシラノール基をシリル化するもので
ある。(R4 3Si)aZ で表される成分としては、トリメチ
ルシラン、トリエチルシランなどのハイドロジェンシラ
ン;トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラ
ン、トリフェニルクロロシラン、CF3(CH2)2Si(CH3)2Cl
などのクロロシラン;トリメチルシラノール:トリメチ
ルメトキシシラン、トリメチルエトキシシランなどのア
ルコキシシラン;(CH3)3SiNHCH3 、(CH3)3SiNHC2H5、(C
H3)3SiN(CH3)2 、(CH3)3SiN(C2H5)2などのアシロキシシ
ラン;ヘキサメチルジシラザン、1,3 −ジビニルテトラ
メチルジシラザン、および[(CH3)3Si]3Nなどのシラザン
などが例示され、これらの中でも、反応の制御や未反応
物の除去が容易なことから、シラザン類やクロロシラン
類が好ましい。R3 mSiO(4-m)/2 成分とR4 3SiO0.5 成分と
の反応は、シラノールをシリル化する公知の方法で行う
ことができる。(B) 成分のシリコーン樹脂の配合量は、
(A) 成分100 重量部に対して50〜200重量部であり、好
ましくは70〜120 重量部である。50重量部より少ないと
皮膜強度に不具合を生じ、200 重量部より多いと、皮膜
の靱性が低下し、クラック発生の要因となることと、遮
蔽性が不十分となるなどの不具合を生じ好ましくない。
【0009】本発明で使用される、(C) 成分はアルキル
変性シリコーンオイルであり、特に平均組成式(1) 、
(2) 、(3) で示されるアルキル変性シリコーンオイルが
好ましい。
【0010】
【化4】
【0011】(式中、X は炭素数10〜80の範囲にあるア
ルキル基を示す。) これらのアルキル変性シリコーンオイルは、ポリメチル
ハイドロジェンシロキサンまたはポリメチルハイドロジ
ェンジメチルシロキサンコポリマーに二重結合を少なく
とも1個有する炭化水素を1個有する炭化水素を付加し
てなるものである。これらはポリメチルハイドロジェン
シロキサン、ポリメチルハイドロジェンジメチルシリコ
ーンコポリマーに白金触媒を用いてα−オレフィンを付
加反応により付加させて合成することができる。本成分
は、本コーティング剤組成物において、皮膜形成後の耐
久性を向上させ、かつ皮膜に靱性を付与させるための成
分である。(C) 成分のアルキル変性シリコーンオイルの
配合量は、(A) 成分100 重量部に対し、5〜50重量部が
好ましく、特に好ましくは7〜20重量部である。5重量
部未満であると、皮膜の耐久性に不具合を生じ好ましく
なく、50重量部を越えると、皮膜を曇らせ、クリアな表
面を形成させないため好ましくない。
【0012】本発明のコーティング剤組成物に使用され
る(D) 成分は、一般式
【0013】
【化5】
【0014】(式中、l は正の整数を示す)で示され、
25℃における粘度が50〜200000cPのジメチルシリコーン
オイルであり、本組成物において作業性を向上させるた
めの成分である。粘度が50cP未満であると皮膜を形成さ
せたとき干渉縞を生じ好ましくなく、200000cPを越える
と、コーティング剤塗布時にスムーズな塗りあがりにあ
らず、作業性に不具合を生じる。(D) 成分のジメチルシ
リコーンオイルは、(A) 成分100 重量部に対し、2〜50
重量部が好ましく、特に好ましくは、8〜20重量部であ
る。2重量部未満であると、スベリ性の低下となり、作
業性が悪くなる。また、50重量部を越えると皮膜を形成
させたとき干渉縞を生じ好ましくない。
【0015】本発明において使用される(E) 成分は、炭
化水素系溶剤および/または揮発性シリコーンであり、
揮発性シリコーンとしては下記の一般式(I)または
(II)で示されるものが例示される。
【0016】
【化6】
【0017】上記のような揮発性ポリジメチルシロキサ
ンは、末端がトリメチルシリル基で封鎖されたs が0〜
9の直鎖状ポリジメチルシロキサンまたはt が3〜8の
環状ポリジメチルシロキサンであり、(A) 成分から(D)
成分および触媒成分の溶解性を配慮しながら直鎖状ある
いは環状のポリジメチルシロキサンのいずれかもしくは
それらの混合物が使用される。このうち、s が2〜7の
直鎖状ポリジメチルシロキサンまたはt が4または5の
環状ポリジメチルシロキサンの使用が好ましい。ここで
「揮発性」とは室温で測定可能な蒸気圧を有することを
意味し、(E) 成分は99〜260 ℃の沸点を有することが好
ましい。また、炭化水素系溶剤としては各成分を溶解、
分散するものであれば特に制限はなく、n−ヘキサン、
ミネラルターペン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、
灯油、IPソルベント等を例示することができる。(E)
成分の配合量は、 (A)成分100 重量部に対して8000〜15
000 重量部であり、好ましくは10000 〜15000 重量部で
ある。8000重量部より少ないと、皮膜表面の平滑性が不
十分となり、また20000 重量部より多いと十分な光沢、
遮蔽性などの特性を有する皮膜を形成しずらくなる。
【0018】本発明で使用される(F) 成分は本発明のコ
ーティング剤組成物を硬化させるための硬化触媒であ
り、ポリオルガノシロキサンの硬化触媒として公知のも
のが使用可能である。具体的には、例えばジオクチル酸
スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオク
トエート、ジオクチルスズジラウレートのような有機ス
ズ化合物;テトライソプロポキシチタネート、テトラブ
トキシチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタ
ネートのようなチタン酸エステル;およびオルガノシリ
コン第四アンモニウム塩などが例示される。これらの中
でも、硬化性や液安定性の観点からジブチルスズジラウ
レート、ジオクチルジラウレートが特に好ましい。(F)
成分を併用する場合、その使用量は、(A) 成分100 重量
部に対し、0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5
重量部の範囲である。0.001 重量部未満では、皮膜の
硬化速度が遅く、実用に合わず、1重量部を越えても皮
膜形成に特に効果はなく、むしろ、コーティング剤組成
物の安定性を悪くする不都合がある。
【0019】本発明のコーティング剤組成物には、必要
に応じて紫外線吸収剤、抗菌剤、レベリング剤、抗酸化
剤を配合することができる。また、本発明のコーティン
グ剤組成物には、一般に艶出し剤用として慣用される、
無機あるいは有機の微粉体を含有することができる。こ
れらの微粉体としては、例えば、カオリン、タルク、パ
ーライト、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、水
酸化アルミニウム、酸化チタン、シリコーン樹脂パウダ
ー、合成球状シリカパウダー、これらに類似する天然ま
たは合成の無機または有機のパウダーをあげることがで
きる。これらの粉体は、1種類あるいは2種類以上のも
のを組み合わせて配合して使用してもかまわない。
【0020】基材表面への塗布方法としては、刷毛塗
り、スプレー塗布、ローラー塗布、フロート塗布などの
方法を用いることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明のコーティング剤組成物によれ
ば、建築物の表面や自動車の塗装面は、廃棄ガス、酸性
雨、砂塵などの影響や、塩害、凍害などのさまざまな化
学的、物理的影響を受けて表面が劣化し、美観が低下す
るという問題に対し、基材表面に優れた耐磨耗性、耐候
性、撥水性、美観の向上などを付与することができ、環
境問題などの観点からも実用価値は極めて大きい。さら
に本発明のコーティング剤組成物は、汚れの付着が少な
く、汚れが付着しても容易に除去でき、本来の基材の美
観を美しい状態で保護可能な皮膜を形成することを特徴
とする。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて説明する。な
お、特にことわらない限り、実施例中の部は重量部を、
%は重量%を示し、粘度は25℃の値を示す。 合成例1 攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器および滴下ロート
を取り付けたフラスコにメチルトリメトキシシラン1360
g(10mol)、メタノール 200gおよびメチルトリクロロ
シランを塩酸分が 50ppmとなるように仕込み、攪拌しな
がら水 171g(0.95mol)を滴下ロートを使って徐々に滴
下した。還流温度(約68〜72℃)で4時間保持して、加
水分解および縮合反応を行った。常圧、 100℃の条件下
で揮発分を留除した後、徐々に減圧を行い、40mmHg、 1
50℃の条件下でさらに揮発分を減圧留徐して、粘度20cP
のシリコーン(A-1) 630gを得た。
【0023】合成例2 攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器および滴下ロート
を取り付けたフラスコにメチルトリエトキシシラン 16
0.2g(0.9mol)、ジメチルジメトキシシラン12g(0.1mo
l) 、メタノール 200gおよび酢酸を5g仕込み、攪拌
しながら水 171g(0.95mol)を滴下ロートを使って徐々
に滴下した。還流温度(約68〜72℃)で4時間保持し
て、加水分解および縮合反応を行った。常圧、 100℃の
条件下で揮発分を留除した後、徐々に減圧を行い、40mm
Hg、 150℃の条件下でさらに揮発分を減圧留徐して、粘
度20cPのシリコーン(A-2) 630gを得た。
【0024】合成例3 攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器および滴下ロート
を取り付けたフラスコにメチルトリイソプロポキシシラ
ン 220g(1mol)とトルエン 150gを仕込み、1%塩酸
水溶液 108gを20分かけて滴下し、メチルトリイソプロ
ポキシシランを加水分解した。滴下40分後に攪拌を止
め、分液後有機層を水洗して塩酸を除去し、さらにトル
エンを減圧除去して、分子量12000 、軟化点 115℃、シ
ラノール基含有量 1.2%のメチルポリシルセスキオキサ
ン(P-1 )を調製した。つぎに、該シルセスキオキサン
100g、トルエン 200g、トリメチルクロロシラン10g
およびヘキサメチルジシラザン50gをフラスコに仕込
み、加熱攪拌を行った。トルエンの還流温度で2時間加
熱攪拌後、反応によって生じたアンモニア、塩酸あるい
はそれらの塩を水洗によって除去し、さらにトルエンを
減圧留徐してトリメチルシリル化された、軟化点80℃の
シリコーン樹脂(B-1) を得た。尚、B-1 のシラノール基
含有量は、 0.3%であった。ここで軟化点は、JIS C 21
04の環球式軟化点測定法に準じて測定した。また分子量
は、GPC(HLC-802U、東ソー(株)製)を用いて(ポ
リスチレン換算の)分子量を測定した。この分子量の測
定では、メチルポリシルセスキオキサンとシリル化され
たシリコーン樹脂の分子量は、ほぼ同じ値を示した。ま
た、シラノール基含有量は、シリコーン樹脂を 300℃で
2時間加熱時に発生した水分量を電量滴定式水分測定装
置CA-06 型(三菱化成(株)製)を用いて測定し、下記
式により算出した。
【0025】
【数1】
【0026】また、実施例中、(C) 成分のアルキル変性
シリコーンオイルとしては、以下のものを使用した。
【0027】
【化7】
【0028】また、実施例中、(D) 成分のジメチルシリ
コーンオイルとしては、以下に示すものを使用した。 D-1 :25℃における粘度が 100cPのジメチルシリコーン
オイル D-2 :25℃における粘度が100000cPのジメチルシリコー
ンオイル 実施例1〜8および比較例1〜6 表1および表2に示す配合組成でコーティング剤を調製
し、遮蔽性、耐候性、耐水性、美観および防汚性を下記
の方法で評価した。 〔試験片の作成〕 試験片1 15×15cmの大きさの白色タイルをサンドペーパーで軽く
擦って擦り傷をつけた。これに、スポンジを用いてコー
ティング組成物を塗布し、1日風乾して皮膜を形成し
た。 試験片2 アミノアルキッド樹脂を塗装焼き付けした基材(日本テ
ストパネル工業(株))にサンドペーパーで軽く擦って
擦り傷をつけた。これに、スプレーを用いてコーティン
グ組成物を塗布し、乾いたウエスで拭き上げた後、1日
風乾して皮膜を形成した。 〔遮蔽性〕試験片の外観を目視にて観察し下記4段階で
評価した。 ◎:擦り傷部が良く遮蔽され、皮膜の透明感も良好。 ○:擦り傷部の一部が露出しているが、皮膜の透明感は
良好。 △:擦り傷部の一部が露出し、皮膜の透明感もやや不
良。 ×:遮蔽効果不十分で、皮膜の透明感もない。 〔耐候性〕サンシャインウェザオメーターを用いて 500
時間暴露した後、外観を目視にて観察し下記4段階で評
価した。 ◎:擦り傷部が良く遮蔽され、皮膜の透明感も良好。 ○:擦り傷部の一部が露出しているが、皮膜の透明感は
良好。 △:擦り傷部の一部が露出し、皮膜の透明感もやや不
良。 ×:遮蔽効果不十分で、皮膜の透明感もない。 〔耐水性〕試験片の上に水道水を24時間流した後、外観
を目視にて観察し下記4段階で評価した。 ◎:擦り傷部が良く遮蔽され、皮膜の透明感も良好。 ○:擦り傷部の一部が露出しているが、皮膜の透明感は
良好。 △:擦り傷部の一部が露出し、皮膜の透明感もやや不
良。 ×:遮蔽効果不十分で、皮膜の透明感もない。 〔美観〕試験片を25℃、相対湿度60%の条件下で5ケ月
間静置した後、外観を目視にて観察し下記4段階で評価
した。 ◎:皮膜の透明感は良好で、埃も簡単な拭き取りで除去
できる。 ○:皮膜の透明感は良好だが、埃の付着が一部見られ
る。 △:皮膜の透明感がやや不良で、埃の付着が一部見られ
る。 ×:皮膜の透明感が不良で、埃の付着も見られる。 〔防汚性〕試験片に汚染材料としてゴマ油を刷毛で塗布
し、1時間放置後の布による拭き取り易さについて下記
4段階で評価した。 ◎:汚染材料は残らず、拭き取りは良好。 ○:汚染材料は残らないが、一部に染みが残る。 △:表面の汚染材料は取れるが、傷の細部に汚染物が残
る。 ×:全体に汚染物が残る。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 一般式 R1 nSi(OR2)4-n (式中、R1はハロゲン原子で置換されていてもよい1価
    炭化水素残基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、および
    n は0〜2の整数である)で示されるアルコキシシラン
    もしくはその部分加水分解物 100 重量部 (B) 一般式 R3 mSiO(4-m)/2 単位 50〜99モル% R4 3SiO0.5 単位 1〜50モル% (式中、R3、R4は置換または非置換の1価炭化水素基を
    表わし、m は、0<m <2の数)よりなるシリコーン樹
    脂 50〜200 重量部 (C) アルキル変性シリコーンオイル 5〜50重量部 (D) 一般式 【化1】 (式中、l は正の整数を示す)で示され、25℃における
    粘度が50〜200000cPのジメチルシリコーンオイル 2〜
    50重量部 (E) 炭化水素系溶剤および/または揮発性シリコーンの
    1種および/またはそれらの混合物 8000〜15000 重量
    部 を含有し、25℃における粘度が1〜1000cPであることを
    特徴とするコーティング剤組成物。
  2. 【請求項2】(C) アルキル変性シリコーンオイルが、平
    均組成式(1) 、(2) 、(3) で表されるものの1種または
    2種以上である請求項1記載のコーティング剤組成物。 【化2】 (式中、X は炭素数10〜80の範囲にあるアルキル基を示
    す。)
  3. 【請求項3】更に、(F) 硬化触媒を(A) 100 重量部に対
    し0.001 〜1重量部含有する請求項1記載のコーティン
    グ剤組成物。
  4. 【請求項4】硬化触媒が、有機スズ化合物である請求項
    3記載のコーティング剤組成物。
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