JPH1192668A - 樹脂組成物および成形材料 - Google Patents

樹脂組成物および成形材料

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JPH1192668A
JPH1192668A JP25247897A JP25247897A JPH1192668A JP H1192668 A JPH1192668 A JP H1192668A JP 25247897 A JP25247897 A JP 25247897A JP 25247897 A JP25247897 A JP 25247897A JP H1192668 A JPH1192668 A JP H1192668A
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JP
Japan
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molding
peroxy compound
molding material
resin
gloss
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Application number
JP25247897A
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English (en)
Inventor
Kazuya Mine
一弥 峯
Yasuhiro Masui
泰広 升井
Shigehiro Yamamoto
重廣 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の成形方法を採用して複雑な形状の成形
品を得ることができる成形材料、つまり、成形性に優
れ、クラック等の成形欠陥を生じることなく、かつ、表
面の光沢に優れた光沢ムラの無い、外観が良好(美麗)
な成形品を得ることができる成形材料、および、該成形
材料に好適な樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、炭素数
5以上のアルキル基がペルオキシド基に結合している第
一ペルオキシ化合物と、10時間半減期温度が該第一ペ
ルオキシ化合物よりも5℃以上低く、かつ炭素数5以上
のアルキル基がペルオキシド基に結合している第二ペル
オキシ化合物とを含んでなる。また、成形材料は、上記
の樹脂組成物を含んでなる。第一ペルオキシ化合物の1
時間半減期温度は、成形温度±30℃の範囲内であるこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂とペ
ルオキシ化合物とを含む樹脂組成物および成形材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱硬化性樹脂に硬化剤、充填
剤、内部離型剤、増粘剤、顔料、並びに、耐久性等の各
種物性の向上を図るための添加剤等を添加してなる樹脂
組成物を、ガラス繊維等の繊維状補強材に含浸させた成
形材料として、シートモールディングコンパウンド(S
MC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)
が知られている。これらSMCやBMCは、加熱圧縮成
形(加熱加圧成形)されることにより成形品とされる。
該成形品は、例えば浴槽や洗面台等の水廻り用物品等の
住宅設備部材として幅広く用いられている。
【0003】一般に、例えば浴槽や洗面台等の水廻り用
物品等の住宅設備部材としての成形品には、高品質であ
ること、つまり、耐熱水性等の耐久性や、機械的強度等
の物性が優れていることの他に、表面の光沢に優れて光
沢ムラが無く、外観が良好(美麗)であることが求めら
れている。また、近年、多目的の用途に対応することが
できる例えば各部位の厚さが均一ではない等の複雑な形
状の成形品が好まれており、従って、複雑な形状の成形
品を得るのに好適な、成形性に優れた成形材料が求めら
れている。
【0004】ところで、表面の光沢に優れた光沢ムラの
無い成形品を得るための成形方法として、従来より、い
わゆる高反応性の成形材料を急激に硬化させる方法や、
裏面側にあたる成形用金型の温度を表面側にあたる成形
用金型の温度よりも低温に設定することによって両金型
に温度差を設け、これら金型を用いて成形材料を硬化さ
せる方法等が実施されている。
【0005】しかしながら、成形材料を急激に硬化させ
る方法を採用して複雑な形状の成形品を成形すると、硬
化時に生じる残留応力が或る箇所に集中的に掛かり、そ
の結果、得られる成形品にクラック等の成形欠陥が生じ
易い。特に、水廻り用物品等の成形品に供される人工大
理石用のBMCは、繊維状補強材の含有量がSMCと比
較して少ないため、機械的強度が低く、硬化時または脱
型時においてクラック等の成形欠陥が一層生じ易い。
【0006】また、温度差を設けた金型を用いて成形材
料を硬化させる方法を採用して複雑な形状の成形品を成
形する場合には、成形サイクルを長くする必要があり、
従って成形品の生産性が低下する。
【0007】それゆえ、成形方法の面からも、上記従来
の成形方法を採用して複雑な形状の成形品を得るのに好
適な、成形性に優れた成形材料が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の成形方法を採用して複雑な形状の成形品を得ること
ができる成形材料、つまり、成形性に優れ、クラック等
の成形欠陥を生じることなく、かつ、表面の光沢に優れ
た光沢ムラの無い、外観が良好(美麗)な成形品を得る
ことができる成形材料は、知られていない。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、従来の成形方法を採用して
複雑な形状の成形品を得ることができる成形材料、つま
り、成形性に優れ、クラック等の成形欠陥を生じること
なく、かつ、表面の光沢に優れた光沢ムラの無い、外観
が良好(美麗)な成形品を得ることができる成形材料、
および、該成形材料に好適な樹脂組成物を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成
物および成形材料について鋭意検討した。その結果、熱
硬化性樹脂と、或る特定の構造を備えた少なくとも2種
類のペルオキシ化合物とを含む樹脂組成物を含む成形材
料を見い出し、該成形材料が、従来の成形方法を採用し
て複雑な形状の成形品を得ることができる成形材料であ
ること、つまり、成形性に優れ、クラック等の成形欠陥
を生じることなく、かつ、表面の光沢に優れた光沢ムラ
の無い、外観が良好(美麗)な成形品を得ることができ
る成形材料であることを確認して、本発明を完成させる
に至った。
【0011】即ち、請求項1記載の発明の樹脂組成物
は、上記の課題を解決するために、熱硬化性樹脂と、炭
素数5以上のアルキル基がペルオキシド基に結合してい
る第一ペルオキシ化合物と、10時間半減期温度が該第
一ペルオキシ化合物よりも5℃以上低く、かつ炭素数5
以上のアルキル基がペルオキシド基に結合している第二
ペルオキシ化合物とを含むことを特徴としている。
【0012】請求項2記載の発明の樹脂組成物は、上記
の課題を解決するために、請求項1記載の樹脂組成物に
おいて、熱硬化性樹脂100重量部に対する第一ペルオ
キシ化合物および第二ペルオキシ化合物の合計量が、
0.5重量部〜5.0重量部の範囲内であることを特徴
としている。
【0013】請求項3記載の発明の樹脂組成物は、上記
の課題を解決するために、請求項1または2記載の樹脂
組成物において、第一ペルオキシ化合物の含有量よりも
第二ペルオキシ化合物の含有量の方が少ないかまたは同
量であることを特徴としている。
【0014】請求項4記載の発明の樹脂組成物は、上記
の課題を解決するために、請求項1、2または3記載の
樹脂組成物において、熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエス
テル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂からなる
群より選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴
としている。
【0015】そして、請求項5記載の発明の成形材料
は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし4の
少なくとも1項に記載の樹脂組成物を含むことを特徴と
している。
【0016】また、請求項6記載の発明の成形方法は、
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の成形材
料を成形して、厚さが互いに異なる部位を有する成形品
を得る成形方法であって、上記成形材料に含まれる第一
ペルオキシ化合物の1時間半減期温度が、成形温度±3
0℃の範囲内であることを特徴としている。
【0017】上記の構成によれば、第一ペルオキシ化合
物および第二ペルオキシ化合物を用いて熱硬化性樹脂を
硬化させるので、これら両ペルオキシ化合物の相乗効果
により、硬化時に生じる残留応力を低減することがで
き、該残留応力に起因するクラック等の成形欠陥の発生
を抑制することができるので、従来の成形方法を採用し
ても、本発明にかかる成形材料を用いて複雑な形状の成
形品を得ることができる。特に、本発明にかかる成形材
料が、繊維状補強材の含有量がSMCと比較して少ない
BMC、例えば、水廻り用物品等の成形品に供される人
工大理石用のBMCであっても、従来の成形方法を採用
して複雑な形状の成形品をクラック等の成形欠陥を生じ
ることなく得ることができる。つまり、上記の構成によ
れば、成形性に優れ、クラック等の成形欠陥を生じるこ
となく、かつ、表面の光沢に優れた光沢ムラの無い、外
観が良好(美麗)な成形品を得ることができる成形材
料、および、該成形材料に好適な樹脂組成物を提供する
ことができる。本発明にかかる成形材料は、例えば、S
MC、BMC等の加熱圧縮(加熱加圧)成形材料として
好適に用いられる。
【0018】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかる樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、炭素数5以上の
アルキル基がペルオキシド基に結合している第一ペルオ
キシ化合物と、10時間半減期温度が該第一ペルオキシ
化合物よりも5℃以上低く、かつ炭素数5以上のアルキ
ル基がペルオキシド基に結合している第二ペルオキシ化
合物とを含んでなる。また、本発明にかかる成形材料
は、上記の樹脂組成物を含んでなる。
【0019】本発明にかかる熱硬化性樹脂は、一般的な
成形材料に用いられている熱硬化性樹脂であればよく、
具体的には、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル
樹脂、フェノール樹脂、アリル樹脂等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これら熱硬化性樹脂は、
一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用し
てもよい。上記例示の熱硬化性樹脂のうち、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニルエステル樹脂、および、アクリル
樹脂がより好ましい。
【0020】不飽和ポリエステル樹脂は、例えば、不飽
和多塩基酸、グリコール、および必要に応じて飽和多塩
基酸を重縮合させて得られるポリマーと、ビニル単量体
とを混合することによって製造することができる。
【0021】上記の不飽和多塩基酸としては、具体的に
は、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、無水イタコン酸、メサコン酸、シトラコン
酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら不飽和多塩
基酸は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を併用してもよい。
【0022】上記の飽和多塩基酸としては、具体的に
は、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフ
タル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、エ
ンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテ
トラヒドロフタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、テトラブロム
フタル酸、テトラブロムフタル酸無水物等の飽和二塩基
酸;トリメリト酸、トリメリト酸無水物、ピロメリト
酸、ピロメリト酸二無水物等の三官能以上の飽和多塩基
酸;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら飽和多塩基酸は、必要に応じて、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0023】上記のグリコールとしては、具体的には、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水素化
ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド
および/またはプロピレンオキシド付加物、ジブロムネ
オペンチルグリコール等が挙げられるが特に限定される
ものではない。これらグリコールは、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0024】上記のビニル単量体としては、具体的に
は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルス
チレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ジアリルフ
タレート等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これらビニル単量体は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。
【0025】不飽和ポリエステル樹脂の製造方法、つま
り、不飽和多塩基酸、グリコール、および必要に応じて
飽和多塩基酸を重縮合させてポリマーを得る方法、並び
に、得られたポリマーと、ビニル単量体とを混合する方
法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用
することができる。また、不飽和多塩基酸、グリコー
ル、および飽和多塩基酸の割合、並びに、ポリマーとビ
ニル単量体との割合、或いは、反応温度や反応時間等の
反応条件等は、特に限定されるものではない。
【0026】ビニルエステル樹脂は、例えば、エポキシ
樹脂に不飽和一塩基酸を反応させて得られる反応物と、
ビニル単量体とを混合することによって製造することが
できる。
【0027】上記のエポキシ樹脂としては、具体的に
は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラ
ック型エポキシ樹脂、鎖式(脂肪族)型エポキシ樹脂、
脂環式型エポキシ樹脂、臭素化型エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これらエポキシ樹脂は、一種類
のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。
【0028】上記の不飽和一塩基酸としては、具体的に
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイ皮酸、ソルビン酸等が挙げられるが、特に限定され
るものではない。これら不飽和一塩基酸は、一種類のみ
を用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0029】上記のビニル単量体としては、具体的に
は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルス
チレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これらビニル単量
体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を
併用してもよい。
【0030】ビニルエステル樹脂の製造方法、つまり、
エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させて反応物を得
る方法、並びに、得られた反応物と、ビニル単量体とを
混合する方法は、特に限定されるものではなく、公知の
方法を採用することができる。また、エポキシ樹脂と不
飽和一塩基酸との割合、並びに、反応物とビニル単量体
との割合、或いは、反応温度や反応時間等の反応条件等
は、特に限定されるものではない。
【0031】アクリル樹脂は、ポリマー成分とモノマー
成分とからなるアクリルシラップである。ポリマー成分
は、(メタ)アクリル系ビニルモノマーを含むモノマー
成分を重合させることにより得られる。該モノマー成分
を構成するモノマーとしては、具体的には、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸アミド、グリシジル(メタ)アクリレ
ート類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能
(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、
等の(メタ)アクリル系ビニルモノマー;スチレン、
酢酸ビニル、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、
ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレート、クロトン酸、ケイ皮酸、
ソルビン酸等の不飽和一塩基酸や、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、メ
サコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和
多塩基酸、および、これら不飽和多塩基酸のモノエステ
ル、等のその他モノマー;等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。
【0032】モノマー成分の組成は、特に限定されるも
のではない。つまり、(メタ)アクリル系ビニルモノマ
ーは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を
併用してもよい。その他モノマーは、必要に応じて、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。
【0033】アクリル樹脂の製造方法、つまり、モノマ
ー成分を共重合させてポリマー成分を得ることによって
アクリルシラップを調製する方法は、特に限定されるも
のではなく、公知の方法を採用することができる。ま
た、モノマー成分とポリマー成分との割合、或いは、反
応温度や反応時間等の反応条件等は、特に限定されるも
のではない。
【0034】本発明にかかる成形材料は、炭素数5以上
のアルキル基がペルオキシド基に結合している第一ペル
オキシ化合物と、10時間半減期温度が該第一ペルオキ
シ化合物よりも5℃以上低く、かつ炭素数5以上のアル
キル基がペルオキシド基に結合している第二ペルオキシ
化合物とを硬化剤として含んでいる。
【0035】これら第一ペルオキシ化合物および第二ペ
ルオキシ化合物(以下、両者を総称する場合には、単に
ペルオキシ化合物と記す)は、一般式(1)
【0036】
【化1】
【0037】(式中、Rは炭素数5以上のアルキル基を
表し、R1 は有機残基を表し、nは0または1を表す)
で表される構造、または、一般式(2)
【0038】
【化2】
【0039】(式中、Rは炭素数5以上のアルキル基を
表し、R2 は2価の有機残基を表す)で表される構造を
有する過酸化物である。Rで表される炭素数5以上のア
ルキル基としては、具体的には、例えば、t−アミル
基、t−ヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブ
チル基、2,4,4−トリメチルペンチル基等が挙げら
れるが、特に限定されるものではない。R1 で表される
有機残基としては、具体的には、例えば、アルキル基、
アルコキシ基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル
基、フェニル基、フェノキシ基等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。また、例えばフェニル基やフ
ェノキシ基は、アルキル基等の置換基をさらに有してい
てもよい。R2 で表される2価の有機残基は、同一の炭
素原子に2つのペルオキシド基が結合していてもよく、
互いに異なる炭素原子にペルオキシド基が各々結合して
いてもよい。
【0040】従って、ペルオキシ化合物が前記一般式
(1)で表される構造を有する場合には、該ペルオキシ
化合物はペルオキシエステル化合物であり、ペルオキシ
化合物が前記一般式(2)で表される構造を有する場合
には、該ペルオキシ化合物はペルオキシケタール化合物
またはジアリキルペルオキサイド化合物である。上記例
示の化合物のうち、ペルオキシエステル化合物およびペ
ルオキシケタール化合物がより好ましい。
【0041】ペルオキシ化合物としては、具体的には、
例えば、t−ヘキシルペルオキシピバレート(10時間
半減期温度・53.2℃、1時間半減期温度・71.3
℃)、2,4,4−トリメチルペンチルペルオキシ−2
−エチルヘキサノエート(同・64.0℃、83.0
℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエート(同・65.3℃、84.
4℃)、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノ
エート(同・69.9℃、90.1℃)、t−アミルペ
ルオキシ−2−エチルヘキサノエート(同・70.0
℃、88.0℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート
(同・86.0℃、109.0℃)、1,1,3,3−
テトラメチルブチルペルオキシモノイソプロピルカーボ
ネート(同・88.0℃、105.9℃)、t−ヘキシ
ルペルオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン
(同・94.0℃、113.0℃)、t−ヘキシルペル
オキシモノイソプロピルカーボネート(同・95.0
℃、114.6℃)、t−アミルペルオキシ−3,5,
5−トリメチルヘキサノエート(同・95.0℃、11
3.7℃)、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート(同
・99.4℃、119.2℃)、t−アミルペルオキシ
ベンゾエート(同・100.0℃、121.0℃)等の
ペルオキシエステル化合物;1,1−ビス−t−ヘキシ
ルペルオキシ−2−メチルシクロヘキサン(同・80.
0℃、98.2℃)、1,1−ビス−t−ヘキシルペル
オキシシクロヘキサン(同・83.2℃、107.3
℃)、1,1−ビス−t−ヘキシルペルオキシ−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサン(同・86.7℃、
106.4℃)等のペルオキシケタール化合物;等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。
【0042】本発明においては、これらペルオキシ化合
物のうち、例えば成形材料の成形温度等に応じて第一ペ
ルオキシ化合物を選択して用いると共に、10時間半減
期温度が該第一ペルオキシ化合物よりも5℃以上低いペ
ルオキシ化合物を第二ペルオキシ化合物として用いる。
上記第一ペルオキシ化合物の1時間半減期温度は、成形
温度±30℃の範囲内であることが好ましい。また、第
二ペルオキシ化合物の10時間半減期温度は、第一ペル
オキシ化合物の10時間半減期温度と比較して、5℃〜
40℃低いことがより好ましく、5℃〜20℃低いこと
がさらに好ましい。
【0043】成形温度等にもよるが、上記例示のペルオ
キシ化合物のうち、t−ヘキシルペルオキシモノイソプ
ロピルカーボネート、t−アミルペルオキシ−3,5,
5−トリメチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキ
シベンゾエート、およびt−アミルペルオキシベンゾエ
ートが第一ペルオキシ化合物として特に好ましく、1,
1−ビス−t−ヘキシルペルオキシ−3,5,5−トリ
メチルシクロヘキサンが第二ペルオキシ化合物として特
に好ましい。
【0044】第一ペルオキシ化合物は、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。第二
ペルオキシ化合物は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。また、第一ペルオキ
シ化合物と第二ペルオキシ化合物との組み合わせは、特
に限定されるものではない。
【0045】樹脂組成物におけるペルオキシ化合物の含
有量、つまり、熱硬化性樹脂に対するペルオキシ化合物
の添加量は、該熱硬化性樹脂の組成、ペルオキシ化合物
の種類や組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限
定されるものではないが、熱硬化性樹脂100重量部に
対する第一ペルオキシ化合物および第二ペルオキシ化合
物の合計量は、0.5重量部〜5.0重量部の範囲内で
あることがより好ましく、0.5重量部〜3.0重量部
の範囲内であることがさらに好ましい。ペルオキシ化合
物の添加量が上記範囲よりも少ない場合、または、上記
範囲よりも多い場合には、表面の光沢に優れた光沢ムラ
の無い、外観が良好な成形品を得ることができる樹脂組
成物および成形材料を得ることができないおそれがあ
る。また、ペルオキシ化合物の添加量が上記範囲よりも
少ない場合には、成形に長時間を要することになるの
で、成形品の生産性が低下するおそれがある。
【0046】また、樹脂組成物における第一ペルオキシ
化合物の含有量と第二ペルオキシ化合物の含有量との割
合は、特に限定されるものではないが、第一ペルオキシ
化合物の含有量よりも第二ペルオキシ化合物の含有量の
方が少ないかまたは同量であるがより好ましい。具体的
には、第一ペルオキシ化合物の含有量と第二ペルオキシ
化合物の含有量との重量比(第一ペルオキシ化合物/第
二ペルオキシ化合物)は、5/5〜9/1の範囲内がよ
り好ましい。両者の重量比が上記範囲外である場合に
は、表面の光沢に優れた光沢ムラの無い、外観が良好な
成形品を得ることができる樹脂組成物および成形材料を
得ることができないおそれがある。例えば、第一ペルオ
キシ化合物の含有量が少なすぎる場合には、熱硬化が完
結し難くなるので、得られる成形品の機械的強度が低下
するおそれがあり、第一ペルオキシ化合物の含有量が多
すぎる場合には、表面の光沢に優れた光沢ムラの無い、
外観が良好な成形品を得ることができないおそれがあ
る。また、第二ペルオキシ化合物の含有量が少なすぎる
場合には、熱硬化が開始される温度が高くなりすぎ、一
方、第二ペルオキシ化合物の含有量が多すぎる場合に
は、熱硬化が開始される温度が低くなりすぎるので、表
面の光沢に優れた光沢ムラの無い、外観が良好な成形品
を得ることができないおそれがある。
【0047】上記の熱硬化性樹脂に、第一ペルオキシ化
合物と第二ペルオキシ化合物とを添加・混合することに
より、本発明にかかる樹脂組成物が得られる。また、樹
脂組成物を含む、本発明にかかる成形材料が得られる。
熱硬化性樹脂にペルオキシ化合物を添加・混合する方法
としては、例えば、熱硬化性樹脂に第一ペルオキシ化合
物と第二ペルオキシ化合物とを添加・混合する方法;熱
硬化性樹脂に、第一ペルオキシ化合物と第二ペルオキシ
化合物との混合物を添加・混合する方法;熱硬化性樹脂
に第一ペルオキシ化合物を添加・混合した後、第二ペル
オキシ化合物を添加・混合する方法;熱硬化性樹脂に第
二ペルオキシ化合物を添加・混合した後、第一ペルオキ
シ化合物を添加・混合する方法;等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。
【0048】本発明においては、第一ペルオキシ化合物
および第二ペルオキシ化合物を用いて熱硬化性樹脂を硬
化させるので、これらペルオキシ化合物の相乗効果によ
り、硬化時に生じる残留応力を低減することができ、該
残留応力に起因するクラック等の成形欠陥の発生を抑制
することができる。それゆえ、本発明にかかる成形材料
は、従来の成形方法を採用しても、厚さが互いに異なる
部位を有する成形品等の、複雑な形状の成形品を形成す
ることができる。
【0049】本発明にかかる成形材料は、必要に応じ
て、補強材、副資材(添加剤)等を含んでいてもよい。
上記の副資材としては、具体的には、例えば、低収縮化
剤、充填剤、着色剤、重合禁止剤、内部離型剤、増粘
剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安
定化剤等が挙げられる。本発明にかかる成形材料は、例
えば、シートモールディングコンパウンド(SMC)、
バルクモールディングコンパウンド(BMC)等の加熱
圧縮(加熱加圧)成形材料として好適である。
【0050】本発明において使用し得る補強材として
は、具体的には、例えば、ガラス繊維、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)繊維等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。また、補強材の添加量は、特に
限定されるものではない。例えば、ガラス繊維やPET
繊維は、成形材料の成形条件、或いは成形品の用途等に
応じて、その添加量や、繊維長、繊維径、収束本数等を
適宜設定すればよい。例えばガラス繊維やPET繊維の
添加量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、10重
量部〜100重量部の範囲内がより好ましい。
【0051】本発明において使用し得る低収縮化剤とし
ては、具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリメタク
リル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、飽和ポ
リエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタ
ン等の、熱可塑性重合体や熱可塑性共重合体;三次元化
されたポリスチレン、三次元化されたポリメタクリル酸
メチル等の低架橋重合体;等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。これら低収縮化剤は、一種類のみ
を用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
低収縮化剤の添加量は、特に限定されるものではない
が、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1重量部
〜100重量部の範囲内がより好ましい。
【0052】本発明において使用し得る充填剤として
は、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、クレー、タルク、カオリン、シリカ、アルミ
ナ、ガラスフィラー等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。これら充填剤は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。充填剤の添
加量は、特に限定されるものではなく、成形材料の成形
条件、或いは成形品の用途等に応じて適宜設定すればよ
いが、熱硬化性樹脂100重量部に対して、150重量
部〜500重量部の範囲内がより好ましい。尚、充填剤
を適宜選択することにより、成形品にいわゆる透明感を
付与することもできる。
【0053】本発明において使用し得る着色剤は、特に
限定されるものではなく、従来より熱硬化性樹脂に使用
されている種々の着色剤を用いることができる。着色剤
の添加量は、特に限定されるものではなく、成形品の用
途等に応じて適宜設定すればよいが、熱硬化性樹脂10
0重量部に対して、0.001重量部〜30重量部の範
囲内がより好ましい。
【0054】本発明において使用し得る重合禁止剤とし
ては、具体的には、例えば、1,4−ベンゾキノン(p
−キノン)、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、t−
ブチルヒドロキノン、トルヒドロキノン、p−t−ブチ
ルカテコール、ナフトキノン、ヒドロキノンモノメチル
エーテル、フェノチアジン、ナフテン酸銅等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら重合禁止剤
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。重合禁止剤の添加量は、特に限定される
ものではないが、熱硬化性樹脂100重量部に対して、
0.001重量部〜1重量部の範囲内がより好ましい。
【0055】本発明において使用し得る内部離型剤とし
ては、具体的には、例えば、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸亜鉛、ラウリル酸カルシウム、ラウリル酸
亜鉛等の金属石鹸が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。これら内部離型剤は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。内部離型剤
の添加量は、特に限定されるものではなく、内部離型剤
の種類や成形材料の成形条件等に応じて適宜設定すれば
よいが、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.5重
量部〜20重量部の範囲内がより好ましい。
【0056】本発明において使用し得る増粘剤として
は、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物;酸化ナトリウム、酸
化カリウム等のアルカリ金属酸化物;水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;
酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金
属酸化物;等が挙げられる。これら増粘剤は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。増粘剤の使用量は、特に限定されるものではなく、
熱硬化性樹脂の重量平均分子量や粘度等に応じて適宜設
定すればよいが、熱硬化性樹脂100重量部に対して、
0.01重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0057】本発明において使用し得るカップリング
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、および光安定化剤は、
特に限定されるものではなく、従来より熱硬化性樹脂に
使用されている種々のカップリング剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、および光安定化剤を用いることができる。
これらカップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、お
よび光安定化剤の使用量は、特に限定されるものではな
いが、熱硬化性樹脂100重量部に対して、各々、0.
001重量部〜30重量部の範囲内がより好ましい。
【0058】本発明にかかる成形材料の製造方法は、例
えば、成形材料がSMCである場合には、熱硬化性樹脂
にペルオキシ化合物を添加すると共に副資材を混合した
後、該混合物を補強材に含浸させる方法が好ましい。ま
た、成形材料がBMCである場合には、熱硬化性樹脂に
ペルオキシ化合物を添加すると共に副資材と補強材とを
添加する方法が好ましい。これにより、成形性に優れ、
クラック等の成形欠陥を生じることなく、かつ、表面の
光沢に優れた光沢ムラの無い、外観が良好(美麗)な成
形品を得ることができる成形材料が得られる。
【0059】成形材料を成形してなる成形品は、耐水
性、耐熱水性等の耐久性や、機械的強度等の物性に優れ
ており、かつ、表面の光沢に優れて光沢ムラが無く、外
観が良好(美麗)であるので、各部位の厚さが均一では
ない等の複雑な形状の成形品、例えば浴槽や洗面台等の
水廻り用物品等の住宅設備部材に好適に用いられる。
尚、成形材料の成形方法や成形条件は、特に限定される
ものではない。
【0060】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。尚、実施例および比較例に記
載の「部」は、「重量部」を示している。
【0061】〔実施例1〕熱硬化性樹脂としての不飽和
ポリエステル樹脂(株式会社日本触媒製;商品名・エポ
ラックN−54)100部に、第一ペルオキシ化合物と
してのt−ヘキシルペルオキシモノイソプロピルカーボ
ネート(以下、t−HIPCと記す)0.7部、第二ペ
ルオキシ化合物としての1,1−ビス−t−ヘキシルペ
ルオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(以
下、t−HPMHと記す)0.3部、低収縮化剤として
の三次元化ポリスチレン15部、充填剤としての水酸化
アルミニウム300部、重合禁止剤としての1,4−ベ
ンゾキノン0.04部、内部離型剤としてのステアリン
酸亜鉛7部、増粘剤としての酸化マグネシウム0.5
部、シランカップリング剤(カップリング剤)としての
γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン3
部、および、繊維長1mm〜3mmのガラス繊維(補強
材)43部を添加し、双腕型のニーダーを用いて均一に
混合した。その後、該混合物を40℃で24時間放置す
ることによって熟成させた。これにより、本発明にかか
る成形材料としてのBMCを製造した。
【0062】上記のBMCを、以下に示す成形条件で加
熱圧縮成形し、箱型の成形品を製造した。即ち、360
mm×150mm×90mmの大きさ(フランジ幅5m
m)のキャビティを有する金型を用い、製品面側(意匠
面側)の金型の温度を140℃、裏面側(内面側)の金
型の温度を130℃に加熱した。次に、上記のキャビテ
ィにBMC2800gを充填し、100トンプレス機を
用いて圧力75kg/cm2 で10分間、加熱圧縮成形
を行った。これにより、上記の大きさで、かつ、底面部
の厚さ10mm、側面部の厚さ3mm、フランジ部の厚
さ10mmの箱型の成形品(以下、10mm品と記す)
を製造した。また、BMCの充填量を1700gに変更
することにより、上記の大きさで、かつ、底面部の厚さ
5mm、側面部の厚さ3mm、フランジ部の厚さ5mm
の箱型の成形品(以下、5mm品と記す)を製造した。
【0063】得られた成形品の光沢、光沢ムラ、クラッ
クの有無を、以下の方法によって評価した。即ち、成形
品底面(製品面)の数カ所の光沢(GLOSS) を、光沢計
(日本電色株式会社製・Σ90)を用いて入射角60°
で測定し、その平均値を求めて成形品の光沢とした。そ
して、光沢が90%以上の場合を優良「◎」、85.0
%〜89.9%の場合を良「○」、80.0%〜84.
9%の場合を可「△」、79.9%以下の場合を不可
「×」と評価した。また、成形品製品面のうち、目視に
て最も光沢が良いと認められる部分の測定値と、最も光
沢が悪いと認められる部分の測定値との差を求めて成形
品の光沢ムラとした。そして、光沢ムラ(測定値の差)
が3%以下の場合を優良「◎」、5%以下の場合を良
「○」、10%以下の場合を可「△」、10%を越える
場合を不可「×」と評価した。
【0064】クラックの有無は、硬化時に生じる残留応
力が最も掛かり易い箇所である底面部と側面部との境目
部分を目視し、3段階で評価した。つまり、クラックが
認められない場合を「無し」、探傷剤等を用いることで
確認することができる程度の小さなクラックが若干認め
られる場合を「マイクロクラック」、クラックが認めら
れる場合を「有り」と評価した。尚、上記境目部分は、
いわゆるR部を有している。
【0065】その結果、成形品(10mm品、5mm
品)は、光沢、光沢ムラが共に優良であり、かつ、クラ
ックが認められなかった。従って、該成形品は、外観が
良好(美麗)であった。上記の主な反応条件や結果等
を、表1にまとめた。
【0066】〔実施例2〕t−HIPCの代わりに第一
ペルオキシ化合物としてのt−アミルペルオキシベンゾ
エート(以下、t−APBと記す)0.7部を用いた以
外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、本発明
にかかる成形材料としてのBMCを製造した。そして、
得られたBMCを、実施例1の成形条件と同一の成形条
件で加熱圧縮成形を行うことにより、成形品を製造し
た。得られた成形品の光沢、光沢ムラ、クラックの有無
を、実施例1と同様にして評価した。その結果、成形品
(10mm品、5mm品)は、光沢、光沢ムラが共に優
良であり、かつ、クラックが認められなかった。従っ
て、該成形品は、外観が良好(美麗)であった。上記の
主な反応条件や結果等を、表1にまとめた。
【0067】〔実施例3〕t−HIPCの代わりに第一
ペルオキシ化合物としてのt−アミルペルオキシ−3,
5,5−トリメチルヘキサノエート(以下、t−APM
Hと記す)0.7部を用いた以外は、実施例1と同様の
操作並びに加熱圧縮成形を行うことにより、本発明にか
かる成形材料としてのBMCを製造すると共に、成形品
を製造した。そして、該成形品の光沢、光沢ムラ、クラ
ックの有無を評価した。主な反応条件や結果等を、表1
にまとめた。
【0068】〔実施例4〕t−HIPCの代わりに第一
ペルオキシ化合物としてのt−ヘキシルペルオキシベン
ゾエート(以下、t−HPBと記す)0.7部を用いた
以外は、実施例1と同様の操作並びに加熱圧縮成形を行
うことにより、本発明にかかる成形材料としてのBMC
を製造すると共に、成形品を製造した。そして、該成形
品の光沢、光沢ムラ、クラックの有無を評価した。主な
反応条件や結果等を、表1にまとめた。
【0069】〔実施例5〜13〕t−HPBの添加量、
並びに、t−HPMHの添加量を、表1に記載の添加量
に変更した以外は、実施例4と同様の操作並びに加熱圧
縮成形を行うことにより、本発明にかかる成形材料とし
てのBMCを製造すると共に、成形品を製造した。そし
て、該成形品の光沢、光沢ムラ、クラックの有無を評価
した。主な反応条件や結果等を、表1にまとめた。
【0070】
【表1】
【0071】〔比較例1〕t−HIPCの代わりにt−
ブチルペルオキシモノイソプロピルカーボネート(比較
用第一ペルオキシ化合物、以下、t−BIPCと記す)
1.0部を用いると共に、t−HPMHを用いない以外
は、実施例1と同様の操作を行うことにより、比較用の
成形材料としての比較用BMCを製造した。そして、得
られた比較用BMCを、実施例1の成形条件と同一の成
形条件で加熱圧縮成形を行うことにより、比較用成形品
を製造した。得られた比較用成形品の光沢、光沢ムラ、
クラックの有無を、実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、比較用成形品(10mm品、5mm品)は、光
沢が可、光沢ムラが不可であり、かつ、クラックが認め
られた。従って、該比較用成形品は、外観が不良であっ
た。上記の主な反応条件や結果等を、表2にまとめた。
【0072】〔比較例2〜6〕t−BIPCの代わり
に、比較例2においてはt−ブチルペルオキシベンゾエ
ート(以下、t−BPBと記す)1.0部を用い、比較
例3においてはt−ブチルペルオキシ−3,5,5−ト
リメチルヘキサノエート(以下、t−BPMHと記す)
1.0部を用い、比較例4においてはt−HPB1.0
部を用い、比較例5においてはt−APMH1.0部を
用い、比較例6においてはt−HPMH1.0部を用い
た以外は、比較例1と同様の操作並びに加熱圧縮成形を
行うことにより、それぞれ、比較用BMCを製造すると
共に、比較用成形品を製造した。そして、該比較用成形
品の光沢、光沢ムラ、クラックの有無を評価した。主な
反応条件や結果等を、表2にまとめた。
【0073】〔比較例7〕t−HIPCの代わりにt−
BIPC0.7部を用いると共に、t−HPMHの代わ
りにt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート
(比較用第二ペルオキシ化合物、以下、t−BPEHと
記す)0.3部を用いた以外は、実施例1と同様の操作
並びに加熱圧縮成形を行うことにより、比較用BMCを
製造すると共に、比較用成形品を製造した。そして、該
比較用成形品の光沢、光沢ムラ、クラックの有無を評価
した。主な反応条件や結果等を、表2にまとめた。
【0074】〔比較例8〜10〕t−BIPCの代わり
に、比較例8においてはt−APB0.7部を用い、比
較例9においてはt−HIPC0.7部を用い、比較例
10においてはt−BPB0.7部を用いた以外は、比
較例7と同様の操作並びに加熱圧縮成形を行うことによ
り、それぞれ、比較用BMCを製造すると共に、比較用
成形品を製造した。そして、該比較用成形品の光沢、光
沢ムラ、クラックの有無を評価した。主な反応条件や結
果等を、表2にまとめた。
【0075】〔比較例11〕t−HIPCの代わりにt
−BPB0.7部を用いると共に、t−HPMHの代わ
りにt−BIPC0.3部を用いた以外は、実施例1と
同様の操作並びに加熱圧縮成形を行うことにより、比較
用BMCを製造すると共に、比較用成形品を製造した。
そして、該比較用成形品の光沢、光沢ムラ、クラックの
有無を評価した。主な反応条件や結果等を、表2にまと
めた。
【0076】〔比較例12、13〕t−HIPCの代わ
りに、比較例12においてはt−BIPC0.7部を用
い、比較例13においてはt−BPB0.7部を用いた
以外は、実施例1と同様の操作並びに加熱圧縮成形を行
うことにより、比較用BMCを製造すると共に、比較用
成形品を製造した。そして、該比較用成形品の光沢、光
沢ムラ、クラックの有無を評価した。主な反応条件や結
果等を、表2にまとめた。
【0077】
【表2】
【0078】表1および表2の結果から明らかなよう
に、本発明にかかる成形材料を成形してなる成形品は、
表面の光沢に優れて光沢ムラが無く、外観が良好(美
麗)であることが判る。また、本発明にかかる成形材料
は、第一ペルオキシ化合物および第二ペルオキシ化合物
を含んでなる樹脂組成物を含んでなっているので、上記
ペルオキシ化合物の相乗効果により、硬化時に生じる残
留応力を低減することができ、該残留応力に起因するク
ラック等の成形欠陥の発生を抑制することができること
が判る。つまり、成形性に優れ、クラック等の成形欠陥
を生じることなく、かつ、表面の光沢に優れた光沢ムラ
の無い、外観が良好(美麗)な成形品を得ることができ
る成形材料、および、該成形材料に好適な樹脂組成物を
提供することができることが判る。
【0079】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の樹脂組成物は、
以上のように、熱硬化性樹脂と、炭素数5以上のアルキ
ル基がペルオキシド基に結合している第一ペルオキシ化
合物と、10時間半減期温度が該第一ペルオキシ化合物
よりも5℃以上低く、かつ炭素数5以上のアルキル基が
ペルオキシド基に結合している第二ペルオキシ化合物と
を含む構成である。
【0080】本発明の請求項2記載の樹脂組成物は、以
上のように、熱硬化性樹脂100重量部に対する第一ペ
ルオキシ化合物および第二ペルオキシ化合物の合計量
が、0.5重量部〜5.0重量部の範囲内である構成で
ある。
【0081】本発明の請求項3記載の樹脂組成物は、以
上のように、第一ペルオキシ化合物の含有量よりも第二
ペルオキシ化合物の含有量の方が少ないかまたは同量で
ある構成である。
【0082】本発明の請求項4記載の樹脂組成物は、以
上のように、熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂からなる群より
選ばれる少なくとも一種の樹脂である構成である。
【0083】また、本発明の請求項5記載の成形材料
は、以上のように、請求項1ないし4の少なくとも1項
に記載の樹脂組成物を含む構成である。
【0084】本発明の請求項6記載の成形方法は、以上
のように、請求項5に記載の成形材料を成形して、厚さ
が互いに異なる部位を有する成形品を得る成形方法であ
って、上記成形材料に含まれる第一ペルオキシ化合物の
1時間半減期温度が、成形温度±30℃の範囲内である
方法である。
【0085】これにより、硬化時に生じる残留応力を低
減することができ、該残留応力に起因するクラック等の
成形欠陥の発生を抑制することができるので、従来の成
形方法を採用しても、本発明にかかる成形材料を用いて
複雑な形状の成形品を得ることができるという効果を奏
する。つまり、成形性に優れ、クラック等の成形欠陥を
生じることなく、かつ、表面の光沢に優れた光沢ムラの
無い、外観が良好(美麗)な成形品を得ることができる
成形材料、および、該成形材料に好適な樹脂組成物を提
供することができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/06 C08L 67/06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂と、炭素数5以上のアルキル
    基がペルオキシド基に結合している第一ペルオキシ化合
    物と、10時間半減期温度が該第一ペルオキシ化合物よ
    りも5℃以上低く、かつ炭素数5以上のアルキル基がペ
    ルオキシド基に結合している第二ペルオキシ化合物とを
    含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱硬化性樹脂100重量部に対する第一ペ
    ルオキシ化合物および第二ペルオキシ化合物の合計量
    が、0.5重量部〜5.0重量部の範囲内であることを
    特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】第一ペルオキシ化合物の含有量よりも第二
    ペルオキシ化合物の含有量の方が少ないかまたは同量で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹
    脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂からなる群より
    選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする
    請求項1、2または3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の少なくとも1項に記載
    の樹脂組成物を含むことを特徴とする成形材料。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の成形材料を成形して、厚
    さが互いに異なる部位を有する成形品を得る成形方法で
    あって、上記成形材料に含まれる第一ペルオキシ化合物
    の1時間半減期温度が、成形温度±30℃の範囲内であ
    ることを特徴とする成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112625299A (zh) * 2020-12-18 2021-04-09 艾拉光电科技河北有限公司 应用于smc/bmc复合材料的纳米多功能性复合材料

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