JPH1192628A - エポキシ樹脂組成物及び粉体塗料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び粉体塗料

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JPH1192628A
JPH1192628A JP7510698A JP7510698A JPH1192628A JP H1192628 A JPH1192628 A JP H1192628A JP 7510698 A JP7510698 A JP 7510698A JP 7510698 A JP7510698 A JP 7510698A JP H1192628 A JPH1192628 A JP H1192628A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
epoxy
composition according
powder coating
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Application number
JP7510698A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kawada
義浩 川田
Takumi Kobayashi
小林  巧
Masahiro Imaizumi
雅裕 今泉
Toyofumi Asano
豊文 浅野
Tomoe Umeyama
智江 梅山
Haruki Niimoto
昭樹 新本
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動二輪あるいは四輪車のスターターモーター
の高速回転子のコイルを固着するために、耐熱性、加熱
硬化後の強制冷却による耐クラック性、および塗膜外観
に優れ、又さらに、耐ヒートサイクル性にも優れた粉体
塗料として有用なエポキシ樹脂組成物の提供。 【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬化
促進剤(C)、無機充填材(D)および応力緩和剤とし
てスチレンーブタジエンゴム(E)を含有する、エポキ
シ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物及び粉体塗料に関し、特に二輪あるいは四輪自動車用
スターターモーターの高速回転子のコイルを固着するた
めに、高密着性・低弾性率性を有する耐熱性、加熱硬化
後の強制冷却による耐クラック性および塗膜外観に優
れ、又さらに耐ヒートサイクル性にも優れたエポキシ樹
脂系粉体塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モーターや発電機等の、特に高温
下あるいは高速下で用いる回転子のコイルを固着させる
為に、エポキシ樹脂系液状ワニスを使用することが知ら
れている。この液状ワニスは、高温下におけるコイルの
保護、あるいは高速回転下におけるコイルの振動および
ばらけ防止を目的として使用される。液状ワニスを使用
しない場合、高温下ではコイル自体の熱劣化が、また、
高速回転下ではコイルの振動・ばらけが生じ、いずれ
も、回転子本来の機能に支障をきたす。この問題点を解
決するために、液状ワニスでコイルを固着する方法が採
用されている。具体的には、例えばコイルを含む回転子
コアあるいは、コア空間内に液状ワニスを滴下し、加熱
しながら含浸および硬化させた後、該回転子コア表面か
ら余分な硬化樹脂をコア金属表面が露出する程度にバイ
ト刃等で切削処理を施して回転子とされる。
【0003】エポキシ樹脂系液状ワニスを用いて高速回
転子を生産する場合、次の工程をとる。即ち、(1)液
状ワニスが含浸しやすいように、コイルを含む回転子コ
ア全体を均一に加熱するため、時間をかけて昇温する。
(2)加熱したコイルを含む回転子コアに液状ワニスを
滴下し、液状ワニスを熱により低粘度化し、コイルある
いはコア空間内に濡れ広がらせ含浸させる。(3)加熱
により低粘度化した液状ワニスをゲル化させる。(4)
完全硬化させるために通常1〜2時間更に加熱させる。
(5)完全硬化後余分な硬化樹脂をコア金属表面が露出
する程度にバイト刃等で切削処理を施して製品とする。
このように、エポキシ樹脂系液状ワニスを用いる場合、
生産工程が長く生産効率が低い。一方、生産効率を上げ
る目的でゲル化時間を早めると、液状ワニスの含浸性が
不十分となりコイルの固着力が低下し不良品となる。ま
た、液状ワニスはポットライフが短いため、再利用が不
可能であり、更には、粘度が低いため、ゲル化前にワニ
スの垂れが生じ、液状ワニスの使用量が増えコストがア
ップするという問題が挙げられていた。これらの問題に
加えて、液状ワニスの垂れや有機溶剤の使用に伴う臭気
等により、作業環境の汚染や作業者の安全の問題などが
挙げられる。これらの問題点を解決するため無公害で、
塗料の再利用が可能でコスト的に非常に有利な粉体塗装
が注目されている。しかしながら、従来の粉体塗料では
生産効率を上げるため、加熱硬化後の回転子を、例えば
180℃から室温に強制冷却するために、塗膜にクラッ
クを生じるという問題を有していた。これらの問題を解
決するためにフィラーを添加して線膨張率を下げる方法
があるが、この場合含浸性が劣るという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高密着性・低弾性率性
を有し、耐熱性、加熱硬化後の強制冷却による耐クラッ
ク性および塗膜外観にも優れ、又さらに耐ヒートサイク
ル性を満足させる高速回転子用粉体塗料が望まれてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
ような課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、上記
性能を同時に満足する粉体塗料が得られることを見いだ
したものである。即ち、本発明は、(1)エポキシ樹脂
(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、無機充填材
(D)および応力緩和剤としてスチレンーブタジエンゴ
ム(E)を含有するエポキシ樹脂組成物、(2)エポキ
シ樹脂(A)がエポキシ当量450〜1000のビスフ
ェノール型エポキシ樹脂(a)とエポキシ当量190〜
220のノボラック型多官能エポキシ樹脂(b)との混
合樹脂である請求項1のエポキシ樹脂組成物、(3)硬
化剤(B)がジシアンジアミドである(1)または
(2)のエポキシ樹脂組成物、(4)硬化促進剤(C)
が、イミダゾール系アジン誘導体である(1)ないし
(3)のいずれか一項のエポキシ樹脂組成物、(5)無
機充填材(D)が炭酸カルシウム、又は粉状シリカであ
る、(1)ないし(4)のいずれか一項のエポキシ樹脂
組成物、(6)無機充填材(D)が粉状シリカである
(1)ないし(4)のいずれか一項のエポキシ樹脂組成
物、(7)粉状シリカが溶融破砕シリカ、結晶破砕シリ
カ又は球状シリカである、(5)又は(6)のエポキシ
樹脂組成物、(8)スチレンーブタジエンゴム(E)に
おける、スチレン:ブタジエンの成分比が(25:7
5)〜(45:55)である(1)ないし(7)のいず
れか一項のエポキシ樹脂組成物、(9)スチレン−ブタ
ジエンゴム(E)が、ブタジエン部の一部をエポキシ変
性したスチレン−ブタジエンゴムである(1)ないし
(8)のいずれか一項のエポキシ樹脂組成物、(10)
エポキシ変性したスチレン−ブタジエンゴムにおけるエ
ポキシ変性率が全ブタジエン成分中5〜25モル%であ
る(9)のエポキシ樹脂組成物。(11)(1)ないし
(10)のいずれか一項のエポキシ樹脂組成物からなる
エポキシ樹脂粉体塗料、(12)(11)のエポキシ樹
脂粉体塗料で塗装された物品。(13)物品が高速回転
子である(12)の物品、(14)(13)の高速回転
子を有するモーター、
【0006】
【発明実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エ
ポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、
無機充填材(D)および応力緩和剤としてスチレンーブ
タジエンゴム(E)を含有する。エポキシ樹脂(A)と
しては、例えばフェノール系化合物にグリシジルエーテ
ル基が結合しているエポキシ樹脂、シクロヘキサン等の
脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、イソシアヌル
環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキ
シ樹脂等が挙げられるが、フェノール系化合物にグリシ
ジルエーテル基を結合するエポキシ樹脂が好ましい。但
し、後記のエポキシ変性されたスチレンーブタジエンゴ
ムはこのエポキシ樹脂(A)から除かれる。
【0007】上記のフェノール系化合物にグリシジルエ
ーテル基が結合しているエポキシ樹脂におけるフェノー
ル系化合物としては、例えばビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニル
フェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−
6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレ
ン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4’−ブチイレン−ビス−(3−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェノール)、トリスホドロキシフェニルメタン、ピロ
ガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール
類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等
のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化
ポリブタジエン等のポリフェノール化合物及び各種のノ
ボラック樹脂等が挙げられる。各種のノボラック樹脂と
しては、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール
類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、
ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラッ
ク樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹
脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラッ
ク樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂
等の各種ノボラック樹脂が挙げられる。
【0008】これらエポキシ樹脂は、一種、又は二種以
上混合して用いても良い。又、塗装時の粉体の流動性
(保管中のブロッキング性)や回転子コイル内部への該
塗料の浸透性(粉体塗料の溶融粘度)を考慮すると、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS
等をエポキシ化したビスフェノール型エポキシ樹脂、又
はノボラック型多官能エポキシ樹脂の使用が好ましい。
又そのエポキシ当量はビスフェノール型エポキシ樹脂の
場合は、好ましくは450〜4000、より好ましくは
450〜1000のものがよく、ノボラック型多官能エ
ポキシ樹脂の場合は、エポキシ当量190〜220のも
のが好ましい。又、用途に応じて高Tgを付与する場
合、ノボラック型多官能エポキシ樹脂、特にエポキシ当
量190〜220のノボラック型多官能エポキシ樹脂の
使用が好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂にノボ
ラック型多官能エポキシ樹脂を併用すると、高Tg点を
維持しながら耐クラック性・耐ヒートサイクル性・含浸
性を同時に満足させることができる。この場合、例えば
(a)エポキシ当量が450〜4000のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂の一種又は二種以上と(b)エポキシ
当量190〜220のノボラック型多官能エポキシ樹脂
の一種または二種以上と組合せることができる。好まし
くはエポキシ当量450〜4000のビスフェノールA
型エポキシ樹脂の一種又は二種以上とエポキシ当量19
0〜220のノボラック型多官能エポキシ樹脂の一種又
は二種以上との組合せであり、特に好ましくは、エポキ
シ当量450〜1000のビスフェノールA型エポキシ
樹脂の一種又は二種以上とエポキシ当量190〜220
のノボラック型多官能エポキシ樹脂の一種または二種以
上との組合せである。その使用割合は、重量部として、
(a):(b)=20:80〜80:20で使用し、更
に好ましくは、35:65〜65:35の割合で用いる
のが好ましい。
【0009】本発明で用いられる硬化剤(B)として
は、例えば酸無水物、アミン類、フェノール類、アミド
類、イミダゾール類等が挙げられる。酸無水物として
は、例えばフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピ
ロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸等の芳
香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒド
ロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジ
ック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等
の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。
【0010】アミン類としては、例えばジアミノジフェ
ニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノ
ジフェニルエーテル等が挙げられ、アミド類としては、
ジシアンジアミド等が挙げられる。フェノール類として
は、例えばビスフェノールA、テトラブロムビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,
4’−ビフェニルフェノール、2,2’−メチレン−ビ
ス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert
−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリレン−ビス
(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェノール),トリスヒドロキシフ
ェニルメタン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格
を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフ
ェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノー
ル類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール
化合物、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール
類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビス
フェノールA、ブロム化ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェ
ノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含
有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨
格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有
フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が
挙げられる。
【0011】イミダゾール類としては、例えば2−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウン
デシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、
2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル
−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、
2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール
(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル
−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチ
ル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダ
ゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌ
ル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の
2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル
酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチル
イミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−
5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェ
ニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの
各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイ
ン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類等が挙げられ
る。
【0012】これら硬化剤(B)のうち、どの硬化剤を
用いるかは粉体塗料の用途、特性等によって適宜選択さ
れるが、好ましくは酸無水物類、フェノールノボラック
樹脂、アミド類であり、更に好ましくはジシアンジアミ
ドである。硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂(A)のエ
ポキシ基に対する硬化剤の当量比に於いて通常0.3〜
2.0の範囲で、好ましくは0.4〜1.5の範囲で、
更に好ましくは0.5〜1.0の範囲で用いられる。
又、上記硬化剤は2種以上を混合して用いることも出来
る。上記硬化剤が、0.3より小さいときは、粉体塗料
硬化物の接着力の低下を招き、また、2.0より多い時
は、塗装時、エポキシ樹脂粉体塗料の溶融粘度が高くな
ったり、または、急激な硬化反応を伴い発泡し、コイル
やコア間への含浸性が乏しくなる傾向がある。
【0013】本発明に用いることのできる硬化促進剤
(C)としては、前記したイミダゾール類、ジシアンジ
アミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.
4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらの
フェノール類、前記多価カルボン酸類、又はフォスフィ
ン酸類との塩類、トリフェニルホスフィン、テトラフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィ
ン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等の
フェノール類等が挙げられる。これら硬化促進剤のどれ
を用いるかは、得られる粉体塗料の硬化速度、硬化物
性、硬化剤の種類によって適宜選択されるが、好ましく
はイミダゾール類、更に好ましくはイミダゾール系アジ
ン誘導体例えば、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチ
ルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジンであ
る。これら硬化促進剤の配合割合は、エポキシ樹脂10
0重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましく
は0.05〜3重量部、更に好ましくは0.1〜2重量
部である。
【0014】本発明において用いることのできる無機充
填材(D)としては溶融破砕シリカ、結晶破砕シリカ、
球状シリカ等の球状シリカ、シリコンカーバイド、窒化
珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、
クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウム
アルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、
硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン等が挙げられ、
好ましくは溶融破砕シリカ、結晶破砕シリカ、球状シリ
カ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミ
ニウム、珪酸カルシウムであり、より好ましくは溶融破
砕シリカ、結晶破砕シリカ、球状シリカ、炭酸カルシウ
ムである。また、耐ヒートサイクル性を考慮すると球状
シリカ、溶融破砕シリカ、結晶破砕シリカ等の粉状シリ
カが更に好ましい。これら充填材は一種の単独使用で
も、或いは二種以上を混合して用いても良く、その使用
量は組成物全体に対し通常20〜65重量%、好ましく
は30〜60重量%、更に好ましくは40〜55重量%
である。又、これら充填材が一種単独または二種以上混
合したときの平均粒径は5〜50μmのものを使用する
のが好ましい。上記無機充填剤(D)は、カップリング
剤で表面処理を施したものも使用できる。
【0015】本発明に添加される応力緩和剤としてのス
チレン−ブタジエンゴム(E)としては、例えば未変性
のスチレン−ブタジエンゴムやブタジエン部の一部をエ
ポキシ基変性したエポキシ変性スチレン−ブタジエンゴ
ムが挙げられ、これらは一種又は二種以上混合して用い
ることができる。好ましくは、エポキシ変性スチレンー
ブタジエンゴムである。エポキシ変性スチレンーブタジ
エンゴムのスチレン:ブタジエンの成分比は通常(1
0:90)〜(50:50)であり、好ましくは(2
5:75)〜(45:55)であり、また、エポキシ変
性スチレンーブタジエンゴムの全ブタジエン成分中のに
おけるエポキシ変性率は、通常5〜40モル%であり、
好ましくは5〜30モル%であり、更に好ましくは5〜
25モル%である。又、使用量としては、エポキシ樹脂
(A)100重量部に対して通常3〜20重量部、好ま
しくは、5〜15重量部、更に好ましくは、5〜10重
量部である。
【0016】本発明の組成物には、目的に応じ着色剤、
カップリング剤、レベリング剤、滑剤等を適宜添加する
ことができる。着色剤としては特に制限はなく、フタロ
シアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキ
ノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサ
ジン、縮合アゾ、アゾメチン又はメチン系の各種有機系
色素が、又無機顔料としては酸化チタン、硫酸鉛、酸化
亜鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオ
ン、弁柄、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラッ
ク、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等
が挙げられる。
【0017】カップリング剤としては、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−
アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメ
チルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベ
ンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン
系カップリング剤、イソプロピル( N−エチルアミノエ
チルアミノ) チタネート、イソプロピルトリイソステア
ロイルチタネート、チタニュウムジ( ジオクチルピロフ
ォスフェート) オキシアセテート、テトライソプロピル
ジ( ジオクチルフォスファイト) チタネート、ネオアル
コキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニ
ル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−ア
セチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プ
ロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアル
コキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコ
キシトリス( ドデカノイル) ベンゼンスルフォニルジル
コネート、ネオアルコキシトリス( エチレンジアミノエ
チル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノ
フェニル) ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカ
ーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタ
クリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、
或いはアルミニウム系カップリング剤等が挙げられるが
好ましくはシリコン系カップリング剤、又はチタネート
系カップリング剤等である。
【0018】レベリング剤としては例えばエチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等のアクリレート類からなる分子量4000〜
12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エ
ポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、チタン
系カップリング剤等が挙げられる。滑剤としては例えば
パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレン
ワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘ
ン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミ
チルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロア
ミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミ
ド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレ
ングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール
(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート
等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ス
テアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグ
リセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、
ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシウ
ム、カルシウム、カドミウム、バリウム、亜鉛、鉛等の
金属塩である金属石鹸類、カルナウバロウ、カンデリラ
ロウ、密ロウ、モンタンロウ等の天然ワックス類が挙げ
られる。
【0019】本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は上記各成
分を溶融混合して得られ、通常微粉砕して使用に供され
る。この粉体塗料の粒度は通常20〜250μmの範囲
にあるのが好ましい。本発明のエポキシ樹脂粉体塗料を
調製するには、例えば上記のエポキシ樹脂、硬化剤、硬
化促進剤、充填材の他、所望によりカップリング剤、難
燃剤、着色剤、レベリング剤、滑剤等の配合成分を、ヘ
ンシェルミキサー等を用いて乾式混合後、ニーダー、エ
クストルーダー等により、例えば110℃以下で溶融混
合処理を施した後、混合物を冷却固化し、微粉砕後分級
して所望の粒度のものを採取し、エポキシ樹脂粉体塗料
とする。
【0020】本発明の物品は、本発明のエポキシ樹脂粉
体塗料を用いて流動浸漬法、静電流動槽法、静電スプレ
ー法、カスケード法等の各種塗装方法により塗装された
物品であり、例えばモーター用の高速回転子が挙げられ
る。この回転子の塗装は、コア表面、コア及びコイル内
部に塗装される。例えば、流動浸漬法を用いて塗装する
場合、回転子コアを粉体塗料の溶融温度以上であればよ
いが、150℃〜200℃、好ましくは、160℃〜1
90℃に予熱後、流動浸漬槽に浸漬して塗装する。従っ
て、コア表面に付着した粉体塗料は、そのコア表面上で
溶融する。次に、この回転子コアを更に加熱することに
より、溶融物を完全硬化させる。加熱温度としては、1
40℃〜220℃、好ましくは、150℃〜210℃、
更に好ましくは、160℃〜200℃である。加熱時間
は、10分〜1時間である。こうして得られた回転子の
コア空間部以外のコア表面上に固着している余分の硬化
した樹脂を、バイト刃等により切削除去することにより
本発明の回転子が得られる。また、上記回転子をベアリ
ング、ヨーク等の必要部品とともに組み付け加工を施し
て、本発明の回転子を有するモーターが得られる。
【0021】
【実施例】次に実施例によって、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定される
ものではない。実施例、比較例において「部」は重量部
を意味する。
【0022】実施例1 エポミックR−302(三井石油化学製、軟化点85
℃)55部、エポミックR−304(三井石油化学製、
軟化点105℃)10部、EOCN−104S(日本化
薬製、軟化点92℃)35部、球状シリカ(電気化学工
業製、FB−74)129部、チタネート系カップリン
グ剤(味の素製、KR−46B)0.6部、ジシアンジ
アミド(油化シェルエポキシ製、DICY7)4.4
部、2MZ−A(四国化成製、2MZ−A)1.5部、
エポキシ変性スチレン−ブタジエンゴム(ダイセル化学
製、A−1020)8部、レベリング剤(楠本化成製、
PL−525)1部をミキサーで粉砕、混合した後、2
軸ニーダーを用いて溶融混合した。得られた混練物を冷
却、固化した後、粉砕し250μm篩を通して本発明の
エポキシ樹脂粉体塗料を得た。次いで、得られたエポキ
シ樹脂粉体塗料を素体温度が180℃に予熱された60
mmφ、積厚45mmの高速回転子へ、流動浸漬法によ
り塗布し、更に180℃×10分の条件下で後硬化さ
せ、5kgf/cm2 以上のエアを10分間吹き付け強
制的に冷却したところ、クラックは生じず良好であっ
た。又、該回転子コア表面から余分な硬化樹脂をコア金
属表面が露出する程度にバイト刃等で切削処理を施して
得られた本発明の回転子を、ヒートサイクル試験用試験
片とした。−30℃〜160℃×各2時間、サイクル数
10の条件下でヒートサイクル試験を実施したところ、
固着性能へ影響を与えるクラックは発生せず良好であっ
た。
【0023】比較例1 エポミックR−302(三井石油化学製、軟化点85
℃)55部、エポミックR−304(三井石油化学製、
軟化点105℃)10部、EOCN−104S(日本化
薬製、軟化点92℃)35部、球状シリカ(電気化学工
業製、FB−74)115部、チタネート系カップリン
グ剤(味の素製、KR−46B)0.6部、ジシアンジ
アミド(油化シェルエポキシ製、DICY7)4.4
部、2MZ−A(四国化成製、2MZ−A)1.5部、
レベリング剤(楠本化成製、PL−525)1部をミキ
サーで粉砕、混合した後、2軸ニーダーを用いて溶融混
合した。得られた混練物を冷却、固化した後、粉砕し2
50μm篩を通して比較用のエポキシ樹脂粉体塗料を得
た。次いで、得られたエポキシ樹脂系粉体塗料を素体温
度が180℃に予熱された60mmφ、積厚45mmの
高速回転子へ、流動浸漬法により塗布し、更に180℃
×10分の条件下で後硬化させ、5kgf/cm2 以上
のエアを10分間吹き付け強制的に冷却したところ、回
転子コアのオープンスロット部に沿ってクラックが生じ
た。又、該回転子コア表面から余分な硬化樹脂をコア金
属表面が露出する程度にバイト刃等で切削処理を施して
得られた回転子を、ヒートサイクル試験用試験片とし
た。−30℃〜160℃×各2時間、サイクル数10の
条件下でヒートサイクル試験を実施したところ、クラッ
ク本数は増加し、クラック長も成長していた。
【0024】実施例2〜3 表1に示す成分組成(重量比、部)の混合物をミキサー
で粉砕、混合した後、2軸ニーダーを用いて溶融混合し
た。得られた混練物を冷却、固化した後、粉砕し250
μm篩を通して本発明のエポキシ樹脂粉体塗料を得た。
次いで、得られたエポキシ樹脂粉体塗料を素体温度が1
80℃に予熱された60mmφ、積厚45mmの高速回
転子へ、流動浸漬法により塗布し、更に180℃×10
分の条件下で後硬化させ、5kgf/cm2 以上のエア
を10分間吹き付け強制的に冷却しクラックの発生を観
察した。又、該回転子コア表面から余分な硬化樹脂をコ
ア金属表面が露出する程度にバイト刃等で切削処理を施
して得られた本発明の回転子を、ヒートサイクル試験用
試験片とした。−30℃〜160℃×各2時間、10サ
イクルの条件下でヒートサイクル試験を実施した。結果
を表1に示す。
【0025】比較例2 表1に示す成分組成(重量比、部)の混合物をミキサー
で粉砕、混合した後、2軸ニーダーを用いて溶融混合し
た。得られた混練物を冷却、固化した後、粉砕し250
μm篩を通して比較用のエポキシ樹脂粉体塗料を得た。
次いで、得られたエポキシ樹脂粉体塗料を素体温度が1
80℃に予熱した60mmφ、積厚45mmの高速回転
子へ、流動浸漬法により塗布し、更に180℃×10分
の条件下で後硬化させ、5kgf/cm2 以上のエアを
10分間吹き付け強制的に冷却しクラックの発生を観察
した。又、該回転子コア表面から余分な硬化樹脂をコア
金属表面が露出する程度にバイト刃等で切削処理を施し
て得られた回転子を、ヒートサイクル試験用試験片とし
た。−30℃〜160℃×各2時間、10サイクルの条
件下でヒートサイクル試験を実施した。結果を表1に示
す。
【0026】
【表1】 表1 組成表及び性能評価 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 (A) エポキシ樹脂(1) 10 10 55 10 60 エポキシ樹脂(2) 55 55 10 55 エポキシ樹脂(3) 35 35 35 35 40 (B) 硬化剤 4.4 4.4 4.1 4.4 4.3 (C) 硬化促進剤 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 (D) 溶融破砕シリカ 129 球状シリカ 129 129 115 115 (E) 応力緩和剤(1) 8 8 5 カップリング剤A 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 添加剤 1 1 1 1 1 ──────────────────────────────────── 強制冷却試験 ◎ ◎ ◎ × × ヒートサイクル試験 ○ ○ ○ × × 傾斜流れ率 ○ ○ ○ ○ ○ 曲げ弾性率(kgf/mm) 814 833 795 1021 1008
【0027】エポキシ樹脂(1):エポミックR−30
4(三井石油化学製、軟化点105℃) エポキシ樹脂(2):エポミックR−302(三井石油
化学製、軟化点85℃) エポキシ樹脂(3):EOCN−104S(日本化薬
製、軟化点92℃) 硬化剤:ジシアンジアミド 硬化促進剤:2MZ−A(四国化成製) 溶融破砕シリカ:RD−8(龍森製、平均粒径13μ
m) 球状シリカ:FB−74(電気化学工業製、平均粒径3
5μm) 応力緩和剤(1):エポキシ変性スチレン−ブタジエン
ゴム(ダイセル化学製、エポフレンドA−1020;ス
チレン:ブタジエン=40:60、ブタジエンに対する
エポキシ化率20モル%) カップリング剤(A):チタネート系カップリング剤
(味の素製、KR−46B) 添加剤(レベリング剤):PL−525(楠本化成製)
【0028】また、本発明のエポキシ樹脂粉体塗料を塗
装して得られた塗装製品の性能評価法及び評価基準は次
の通りである。 (1)強制冷却試験 各実施例及び各比較例で得られたエポキシ樹脂粉体塗料
を、素体温度が180℃に予熱された60mmφ、積厚
45mmの高速回転子へ、流動浸漬法により塗布し、更
に180℃×10分の条件下で後硬化させ、5kgf/
cm2 以上のエアを10分間吹き付け強制的に冷却し
た。その際、素体部でのクラックの状況を観察し、次の
記号で区分し、◎を強制冷却性「良好」と判断した。 ◎:強制冷却直後クラックが無く、また、数日後も不変
である。 ○:強制冷却直後にクラックが無く、1日以上後にクラ
ックを生じるもの。 ×:強制冷却直後にクラックが1本以上はいるもの。
【0029】(2)ヒートサイクル試験 各実施例及び各比較例で得られたエポキシ樹脂粉体塗料
を塗布して得られた、上記強制冷却試験後の該回転子コ
ア表面から余分な硬化樹脂をコア金属表面が露出する程
度にバイト刃等で切削処理を施して得られた本発明及び
比較用の回転子を、ヒートサイクル試験用試験片とし
た。−30℃〜160℃×各2時間で10サイクルの条
件下でヒートサイクル試験を実施した。試験後、発生し
たクラックを下記のように分類し評価した。 ○:樹脂層の破壊クラックがなく固着性能として問題な
いもの。 ×:クラックが成長し樹脂層を破壊するもの。
【0030】(3)傾斜流れ率 粉体塗料を、約0.5g秤量し、錠剤成型器を用い、4
00kgf/cm2 の圧力で、成形する。この成形した
錠剤を、180℃雰囲気下においた、傾斜角60度のガ
ラス板上に3分間放置し、流れた距離を測定した。その
長さを次の記号で区分し、○を傾斜流れ率「良好」とし
た。 ○:25mm以上のもの △:15mm以上〜25mm未満のもの ×:15mm以下
【0031】(4)曲げ弾性率 予め打錠した粉体塗料を、180℃に予熱した曲げ試験
用金型(厚み4mm、幅10mm、長さ120mm)に
トランスファーモールド法で成型を行い、次いでその状
態で10分間、後硬化をしたものを曲げ試験用サンプル
とした。このサンプルを用いて曲げ強度試験を下記の条
件で行い、その時に測定される弾性率を曲げ弾性率とし
た。 測定条件:エッジスパン距離64mm、移動速度3mm
/min.
【0032】実施例4 エポミックR−302(三井石油化学製、軟化点85
℃)55部、エポミックR−304(三井石油化学製、
軟化点105℃)10部、EOCN−104S(日本化
薬製、軟化点92℃)35部、炭酸カルシウム(丸尾カ
ルシウム、R重炭)129部、チタネート系カップリン
グ剤(味の素製、KR−46B)0.6部、ジシアンジ
アミド(油化シェルエポキシ製、DICY7)4.4
部、2MZ−A(四国化成製、2MZ−A)1.5部、
エポキシ変性スチレン−ブタジエンゴム(ダイセル化学
製、A−1020)8部、レベリング剤(楠本化成製、
PL−525)1部をミキサーで粉砕、混合した後、2
軸ニーダーを用いて溶融混合した。得られた混練物を冷
却、固化した後、粉砕し250μm篩を通して本発明の
エポキシ樹脂粉体塗料を得た。次いで、得られたエポキ
シ樹脂粉体塗料を素体温度が180℃に予熱された60
mmφ、積厚45mmの高速回転子へ、流動浸漬法によ
り塗布し、更に180℃×10分の条件下で後硬化さ
せ、5kgf/cm2 以上のエアを10分間吹き付け強
制的に冷却したところ、クラックは生じず良好であっ
た。
【0033】
【発明の効果】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬
化促進剤(C)、無機充填材(D)、応力緩和剤として
スチレンーブタジエンゴム(E)を必須成分として含有
するエポキシ樹脂組成物は、加熱硬化後の強制冷却によ
る耐クラック性及び含浸性に優れ、又さらに耐ヒートサ
イクル性にも優れた高速回転子用粉体塗料として有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02N 11/00 F02N 11/00 U // H02K 3/30 H02K 3/30 (72)発明者 梅山 智江 埼玉県大宮市本郷町231−5 (72)発明者 新本 昭樹 埼玉県与野市鈴谷7−6−2−906

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬化
    促進剤(C)、無機充填材(D)および応力緩和剤とし
    てスチレンーブタジエンゴム(E)を含有するエポキシ
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂(A)がエポキシ当量450
    〜1000のビスフェノール型エポキシ樹脂(a)とエ
    ポキシ当量190〜220のノボラック型多官能エポキ
    シ樹脂(b)との混合樹脂である請求項1のエポキシ樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】硬化剤(B)がジシアンジアミドである請
    求項1または2のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】硬化促進剤(C)が、イミダゾール系アジ
    ン誘導体である請求項1ないし3のいずれか一項のエポ
    キシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】無機充填材(D)が炭酸カルシウム、又は
    粉状シリカである、請求項1ないし4のいずれか一項の
    エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】無機充填材(D)が粉状シリカである請求
    項1ないし4のいずれか一項のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】粉状シリカが溶融破砕シリカ、結晶破砕シ
    リカ又は球状シリカである、請求項5又は6のエポキシ
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】スチレンーブタジエンゴム(E)におけ
    る、スチレン:ブタジエンの成分比が(25:75)〜
    (45:55)である請求項1ないし7のいずれか一項
    のエポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】スチレン−ブタジエンゴム(E)が、ブタ
    ジエン部の一部をエポキシ変性したスチレン−ブタジエ
    ンゴムである請求項1ないし8のいずれか一項のエポキ
    シ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】エポキシ変性したスチレン−ブタジエン
    ゴムにおけるエポキシ変性率が全ブタジエン成分中5〜
    25モル%である請求項9のエポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10のいずれか一項のエ
    ポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂粉体塗料。
  12. 【請求項12】請求11項のエポキシ樹脂粉体塗料で塗
    装された物品。
  13. 【請求項13】物品が高速回転子である請求項12の物
    品。
  14. 【請求項14】請求項13の高速回転子を有するモータ
    ー。
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JP9-156158 1997-07-25
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JP9-213903 1997-07-25
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100417067B1 (ko) * 2000-12-05 2004-02-05 주식회사 엘지화학 에폭시 수지 조성물 및 이를 이용한 저유전율 동박 적층판
WO2004013239A1 (ja) * 2002-08-05 2004-02-12 Nippon Pelnox Corporation エポキシ樹脂粉体塗料

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