JPH1192293A - 単結晶SiC及びその製造方法 - Google Patents

単結晶SiC及びその製造方法

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JPH1192293A
JPH1192293A JP9245432A JP24543297A JPH1192293A JP H1192293 A JPH1192293 A JP H1192293A JP 9245432 A JP9245432 A JP 9245432A JP 24543297 A JP24543297 A JP 24543297A JP H1192293 A JPH1192293 A JP H1192293A
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    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B1/00Single-crystal growth directly from the solid state
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/10Inorganic compounds or compositions
    • C30B29/36Carbides

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切出したα−SiC単結晶片の性質を有効に
活用することで、厚さが大きく、しかも品質の非常に高
い単結晶SiCを生産性よく製造できるようにする。 【解決手段】 α−SiC単結晶塊1からサイズを整え
て結晶方位面2aに沿って矩形板状に切り出したα−S
iC単結晶片2の複数枚を結晶方位が統一されるように
積層密着し、これら積層密着された複数枚のα−SiC
単結晶片2の結晶方位面2aにβ−SiC膜4を形成し
てなる複合体Mをカーボン製容器6に入れて熱処理する
ことにより、α−SiC単結晶片2の結晶方位面2aか
らβ−SiC膜4に向けてα−SiC単結晶片2の結晶
軸と同方位に配向されたα−SiC単結晶2´を一体に
成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶SiCおよ
びその製造方法に関するもので、詳しくは、発光ダイオ
ードやモノクロソーターなどのX線光学素子、高温半導
体電子素子やパワーデバイスの半導体基板ウエハなどと
して用いられる単結晶SiCおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】SiC(炭化珪素)は、耐熱性および機
械的強度に優れているだけでなく、放射線にも強く、さ
らに不純物の添加によって電子や正孔の価電子制御が容
易である上、広い禁制帯幅を持つ(因みに、6H型のS
iC単結晶で約3.0eV、4H型のSiC単結晶で
3.26eV)ために、Si(シリコン)やGaAs
(ガリウムヒ素)などの既存の半導体材料では実現する
ことができない大容量、高周波、耐圧、耐環境性を実現
することが可能で、次世代のパワーデバイス用半導体材
料として注目され、かつ期待されている。
【0003】ところで、この種のSiC単結晶の成長
(製造)方法として、従来、SiC研磨材の工業的製法
として一般的に知られているもので、種結晶基材をそれ
の外周から高周波電極で加熱することにより該種結晶基
材の中心部で多くの核発生を起こして、種結晶基材の中
央部を中心として複数の渦巻き状の結晶成長を進行させ
るアチソン法や、アチソン法で作られた粉状のSiCを
原料として用い、単一の結晶核上に結晶を成長させる昇
華再結晶法とが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の製造方法のうちアチソン法による場合は長時間
に亘ってゆっくりと単結晶が成長するもので結晶成長速
度が非常に低いだけでなく、成長初期の段階で多数の結
晶核が発生してこれが結晶成長とともに結晶の上部にま
で伝播されることになるため、単独で大きな単結晶を得
ることが困難である。また、昇華再結晶法にあっては、
主として経済的(生産コスト)理由によって1mm/h
r.程度の高速成長が採用されるために、不純物および
マイクロパイプ欠陥と呼ばれ半導体デバイスを作製した
際の漏れ電流等の原因となる結晶の成長方向に貫通する
直径数ミクロンのピンホールが成長結晶中に残存しやす
く、品質的に十分なSiC単結晶が得られないという問
題があり、このことが既述のようにSiやGaAsなど
の既存の半導体材料に比べて多くの優れた特徴を有しな
がらも、その実用化を阻止する要因になっている。
【0005】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、結晶方位を特定しやすく、かつ大きくて、しかも品
質の非常に高い単結晶SiCと、この単結晶SiCの成
長速度を上げて高品質な単結晶を生産性よく製造するこ
とができる単結晶SiCの製造方法を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る単結晶SiCは、板状
のα−SiC単結晶片の複数枚を結晶方位が一方向に統
一されるように積層密着するとともに、それら積層密着
された複数枚のα−SiC単結晶片の結晶方位面にβ−
SiC膜が形成されてなる複合体を熱処理することによ
り、上記α−SiC単結晶片の結晶方位面から上記β−
SiC膜に向けて上記α−SiC単結晶片の結晶軸と同
方位に配向されたα−SiC単結晶が形成されているこ
とを特徴とするものであり、また、請求項4に記載の発
明に係る単結晶SiCの製造方法は、α−SiC単結晶
から結晶方位面に沿って板状のα−SiC単結晶片を切
り出すとともにサイズを整え、そのサイズの整えられた
α−SiC単結晶片の複数枚を結晶方位が一方向に統一
されるように積層密着させてカーボン治具で固定した
後、それら積層密着固定された複数枚のα−SiC単結
晶片の結晶方位面にβ−SiC膜を形成し、次いで、そ
の複合体を熱処理することにより、上記α−SiC単結
晶片の結晶方位面から上記β−SiC膜に向けて上記α
−SiC単結晶片の結晶軸と同方位に配向されたα−S
iC単結晶を一体に成長させることを特徴とするもので
ある。
【0007】上記のような構成要件を有する請求項1及
び請求項4に記載の発明によれば、板状の複数枚のα−
SiC単結晶片を積層状態で用いることにより、それら
複数枚のα−SiC単結晶片の結晶方位を一方向に容易
に特定することが可能であり、その特定された結晶方位
面にβ−SiC膜を形成して熱処理することによって、
上記β−SiC膜が再結晶化されて複数枚のα−SiC
単結晶片の結晶軸から全てが同方位に配向されてβ−S
iC膜に向け高速成長する単結晶を一体化することが可
能であり、これによって、界面に結晶核や不純物および
マイクロパイプ欠陥などが発生しない高品質で、かつ、
厚みの大きな単結晶SiCを生産性よく得ることができ
る。
【0008】上記請求項1に記載の発明に係る単結晶S
iC及び請求項4に記載の発明に係る単結晶SiCの製
造方法において、上記積層密着された複数枚のα−Si
C単結晶片の結晶方位面を、請求項2および請求項5に
記載のように、研削または研磨加工によりRMS100
0オングストローム未満の表面粗さに調整することが望
ましく、特に好ましくは、RMS100〜500オング
ストロームの表面粗さに調整されていることである。そ
の理由は次のとおりである。即ち、β−SiC膜を形成
する面の物理的な凹凸は小さいほど結晶核の発生が少な
くて好ましいが、RMS100オングストローム未満の
表面粗さになるまで加工するには大きな労力と時間を必
要とし、またRMS1000オングストロームを越える
粗い面になると、熱処理時に凹部の底面と側面から同時
に相変態が生じるために、結晶格子の不整合を解消する
可能性が小さくなって、界面に結晶核が発生した品質の
悪い製品になってしまうからである。
【0009】また、上記請求項1に記載の発明に係る単
結晶SiC及び請求項4に記載の発明に係る単結晶Si
Cの製造方法において、上記β−SiC膜は、請求項3
および請求項6に記載のように、300〜700μmの
厚さに研磨されていることが望ましい。その理由は次の
とおりである。即ち、β−SiC膜が700μmを越え
るような厚い膜である場合は、熱処理時に元の結晶の格
子歪みを温存したままで相変態を生じるために、格子歪
みを解消するには長時間に亘る熱処理が必要となって、
高品質の単結晶SiCの生産性が悪化するからであり、
また、β−SiC膜の下地となっている複数枚のα−S
iC単結晶片の結晶方位面の格子歪みに起因する結晶格
子の不整合は、α−SiC単結晶片から厚さが300〜
700μm程度の範囲において急激に解消される傾向に
あり、700μmを越えると、格子欠陥の不整合の解消
度合が小さくなるからである。
【0010】さらに、上記請求項4ないし6のいずれか
に記載の発明において、上記複合体の熱処理は、請求項
7に記載のように、複合体をカーボン製容器に入れ、か
つ、そのカーボン製容器の外側をα−SiC粉体により
覆った状態で1850〜2400℃の範囲の温度で行な
うことが好ましい。その理由は次のとおりである。即
ち、単にカーボン製容器に入れて熱処理するだけの場合
は、該容器内に収納されているSiCがSiとCに分解
し、ポーラスなカーボン製容器を通じて容器の外部に露
出するために、SiCの相変態以前に分解が促進されて
しまう。これに対して、カーボン製容器の外側をα−S
iC粉体により覆っておくば、高温雰囲気におかれてい
るα−SiC粉体が分解され、その分解されたSi、C
の少なくとも一部がポーラスなカーボン製容器を通じて
容器内に移入して、飽和SiC蒸気雰囲気の中で熱処理
が行われることになり、これによって、α−SiC単結
晶片およびβ−SiCの分解を抑えて品質の良い単結晶
SiCを確実に製造することができる。
【0011】また、上記請求項4ないし6のいずれかに
記載の発明において、上記複合体の熱処理に際して、請
求項8に記載のように、成膜後の上記β−SiC膜の表
面を研磨し、かつ、その研磨した表面にカーボンを乗せ
た上で、上記複合体をカーボン製容器に入れ、かつ、そ
のカーボン製容器の外側をα−SiC粉体により覆った
状態で1850〜2400℃の範囲の温度で行なう場合
は、上述のように、カーボン製容器の外側を覆うα−S
iC粉体が高温雰囲気で分解され、ポーラスなカーボン
製容器を通じて容器内に移入されるSi、Cが相変態前
にSiCに付着し、その結果、結晶核が発生して格子の
組替え現象を生じることも防止でき、これによって、品
質がよく、かつ美麗な単結晶SiCを製造することがで
きる。
【0012】さらにまた、請求項9に記載の発明に係る
単結晶SiCの製造方法は、上記請求項4ないし8のい
ずれかに記載の方法で製造された単結晶SiCの表面を
再度、研削もしくは研磨し、その研磨された表面に対す
る熱化学的蒸着法によるβ−SiC膜の形成および熱処
理を繰り返してα−SiC単結晶を一体に成長させるこ
とを特徴とするものであり、この請求項9に記載の発明
によれば、高品質で、しかも非常に厚みの大きい単結晶
SiCを得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1〜図7は本発明に係る単結
晶SiCの製造方法を製造工程順に説明する図であり、
図1において、1はアチソン法により作られた六方晶系
(6H型、4H型)のα−SiC単結晶塊で、該α−S
iC単結晶塊1は図1中の矢印で示すように、サイズが
多種多用な多数の板状SiC単結晶片1Aを有し、結晶
方位を特定しやすいという特長を備えている。次に、上
記α−SiC単結晶塊1から図2(a),(b)に示す
ように、多数の板状SiC単結晶片1Aを切断して取り
出した後、それら板状SiC単結晶片1Aから図3
(a),(b)に示すように、一辺長さLが1cm程
度、厚さTが0.5mm程度の矩形板状のα−SiC単
結晶片2を(110)結晶方位面2aに沿って切り出す
とともに、その結晶方位面2aを研磨加工して同じサイ
ズに整える。
【0014】ついで、上記のようにサイズが整えられた
α−SiC単結晶片2の複数枚、例えば20枚程度をそ
れらの結晶方位面2aがほぼ同一平面内に並べられて結
晶方位が一方向に統一されるようにC軸方向、すなわ
ち、(0001)面を積層密着させて図4に示すよう
に、焼結カーボン治具3に固定する。この焼結カーボン
治具3に固定された複数枚のα−SiC単結晶片2の結
晶方位面2aは、研削または研磨加工により物理的な凹
凸を除去する。詳しくは、それら結晶方位面2aをRM
S1000オングストローム未満、好ましくはRMS1
00〜500オングストロームの範囲の表面粗さに調整
する。
【0015】その後、上記積層密着された複数枚のα−
SiC単結晶片2の結晶方位面2aに熱化学的蒸着法
(以下、熱CVD法という)により図5に示すように、
β−SiC膜4を形成する。このβ−SiC膜4は熱C
VD法による成膜後に、その膜厚さtが300〜700
μm、好ましくは500μm程度になるように表面研磨
される。
【0016】次いで、上記複数枚のα−SiC単結晶片
2とβ−SiC膜4とからなる複合体Mにおけるβ−S
iC膜4の研磨表面にカーボン5を乗せた上で、該複合
体Mを図6に示すように、カーボン製容器6に収容し、
かつ、そのカーボン製容器6の外側をα−SiC粉体7
により囲い覆った状態で1850〜2400℃、好まし
くは2200℃の温度下に20時間程度保持させて熱処
理することにより、図7に示すように、上記各α−Si
C単結晶片2の結晶方位面2aからそれぞれ上記β−S
iC膜4に向けて上記各α−SiC単結晶片2の結晶軸
と同方位に配向されたα−SiC単結晶2´が一体に成
長される。
【0017】以上の製造工程を経て製造された単結晶S
iCを冷却後、その表面を研磨し溶融水酸化カリウム
(KOH)でエッチングして、ノマルスキー顕微鏡で拡
大し観察したところ結晶粒界は認められず、六角形同方
位のエッチピットが確認され、これによって、α−Si
C単結晶が育成されたことが認められた。
【0018】上記のように、アチンソ法により作られた
α−SiC単結晶塊1から矩形板状に切り出した複数枚
のα−SiC単結晶片2を積層状態で用いることによ
り、それら複数枚のα−SiC単結晶片2の結晶方位を
一方向に容易に特定することが可能であり、その特定さ
れた結晶方位面2aに熱CVD法によりβ−SiC膜4
を形成してなる複合体Mを熱処理することによって、上
記β−SiC膜4の再結晶化によって複数枚のα−Si
C単結晶片2の結晶軸から全てが同方位に配向されてβ
−SiC膜4に向け高速成長する単結晶2´を一体化す
ることが可能であり、これによって、界面に結晶核や不
純物およびマイクロパイプ欠陥などが発生しない高品質
で、かつ、厚みの大きな単結晶SiCを効率よく製造す
ることができる。
【0019】ここで、特に複数枚のα−SiC単結晶片
2の結晶方位面2aを研削または研磨加工によりRMS
1000オングストローム未満、好ましくはRMS10
0〜500オングストロームの表面粗さに調整しておく
ことにより、少ない加工労力でありながら、結晶格子の
不整合を解消して界面に結晶核などが発生していない高
品質の単結晶SiCを得ることができる。
【0020】また、上記β−SiC膜4の成膜後にその
膜厚さtを300〜700μmに研磨することにより、
比較的短時間の熱処理によって格子歪みに起因する結晶
格子の不整合を解消して、より高品質の単結晶SiCの
生産性を向上することが可能である。
【0021】さらに、上記複合体Mの熱処理にあたっ
て、成膜後の上記β−SiC膜4の表面を研磨し、か
つ、その研磨した表面にカーボン5を乗せた上で複合体
Mをカーボン製容器6に入れ、かつ、そのカーボン製容
器6の外側をα−SiC粉体7により覆った状態で所定
の熱処理を行なうことによって、高温雰囲気でα−Si
C粉体7が分解され、その分解されたSi、Cの少なく
とも一部をポーラスなカーボン製容器6を通じて容器6
内に移入させて飽和SiC蒸気雰囲気の中で所定の熱処
理を行なえ、これによって、α−SiC単結晶片2およ
びβ−SiC膜4の分解を抑えて品質の良い単結晶Si
Cを製造することが可能であるとともに、ポーラスなカ
ーボン製容器6を通じて容器6内に移入されるSi、C
が相変態前にSiCに付着することも防止でき、これに
よって、品質がよく、かつ美麗な単結晶SiCを製造す
ることが可能である。
【0022】なお、上記のように製造された単結晶Si
Cの表面を再度、研削もしくは研磨し、その研磨された
表面に熱CVD法によってβ−SiC膜4を形成する工
程およびそのβ−SiC膜4を含む複合体Mの熱処理を
繰り返すことによって、結晶方位に沿った厚みが大きい
単結晶SiCを得ることが可能であり、また、積層α−
SiC単結晶片2を並設し、それら並設した積層α−S
iC単結晶片2群の結晶方位面2aの全域に熱CVD法
によってβ−SiC膜4を形成した後、上述したような
熱処理を行うことによって、面積的にも大きい単結晶S
iCを得ることが可能である。
【0023】
【発明の効果】以上のように、請求項1および請求項4
に記載の発明によれば、板状の複数枚のα−SiC単結
晶片を用いることにより、積層された複数枚のα−Si
C単結晶片の結晶方位を一方向に容易に特定しやすいと
いう性質を有効に活用して、その特定された結晶方位面
にβ−SiC膜を形成したうえで熱処理を行うことによ
り、β−SiC膜の再結晶化により複数枚のα−SiC
単結晶片の結晶軸から全てが同方位に配向されてβ−S
iC膜に向け高速成長する単結晶を一体化することがで
きる。したがって、界面に結晶核や不純物およびマイク
ロパイプ欠陥などが発生しない高品質で、かつ、厚みの
大きな単結晶SiCを生産性よく得ることができる。こ
れによって、Si(シリコン)やAs(ガリウムヒ素)
などの既存の半導体材料に比べて大容量、高周波、耐
圧、耐環境性に優れパワーデバイス用半導体材料として
期待されている単結晶SiCの実用化を促進することが
できるという効果を奏する。
【0024】また、請求項2および5に記載の発明なら
びに請求項3および6に記載の発明によれば、複数枚の
α−SiC単結晶片の結晶方位面の格子歪みに起因する
結晶格子の不整合を容易に解消することができて、界面
に結晶核などが発生していない高品質の単結晶SiCを
得ることができる。
【0025】さらに、請求項7および請求項8に記載の
発明によれば、所定の熱処理を飽和SiC蒸気雰囲気の
中で行なえて、α−SiC単結晶片およびβ−SiC膜
の分解による品質の劣化を防止することができ、また、
分解したSi,Cが相変態前にSiCに付着することも
防止でき、これによって、品質がよく、かつ美麗な単結
晶SiCを製造することができる。
【0026】さらにまた、請求項9に記載の発明によれ
ば、高品質で、しかも非常に厚みの大きい単結晶SiC
を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶SiCの製造方法のうちアチソン法で作
られたα−SiC単結晶塊を示す概略斜視図である。
【図2】(a),(b)は同上α−SiC単結晶塊から
切断により取り出された板状SiC単結晶片を示す正面
図とその側面図である。
【図3】(a),(b)は同上板状SiC単結晶片から
矩形板状に切り出され、かつ、サイズが整えられたα−
SiC単結晶片を示す正面図とその側面図である。
【図4】同上α−SiC単結晶片の複数枚を積層密着固
定した状態を示す概略斜視図である。
【図5】積層密着固定されたα−SiC単結晶片の結晶
方位面に熱CVD法によりβ−SiC膜が形成された状
態を示す概略側面図である。
【図6】複合体の熱処理状況を示す概略側面図である。
【図7】同上熱処理により単結晶SiCが成長する状態
を示す要部の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 アチソン法で作られたα−SiC単結晶塊 2 矩形板状のα−SiC単結晶片 2a 結晶方位面 3 カーボン治具 4 β−SiC膜 5 カーボン 6 カーボン製容器 7 α−SiC粉体 M 複合体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状のα−SiC単結晶片の複数枚を結
    晶方位が一方向に統一されるように積層密着するととも
    に、それら積層密着された複数枚のα−SiC単結晶片
    の結晶方位面にβ−SiC膜が形成されてなる複合体を
    熱処理することにより、上記α−SiC単結晶片の結晶
    方位面から上記β−SiC膜に向けて上記α−SiC単
    結晶片の結晶軸と同方位に配向されたα−SiC単結晶
    が形成されていることを特徴とする単結晶SiC。
  2. 【請求項2】 上記積層密着された複数枚のα−SiC
    単結晶片の結晶方位面は、研削または研磨加工によりR
    MS1000オングストローム未満の表面粗さに調整さ
    れている請求項1に記載の単結晶SiC。
  3. 【請求項3】 上記β−SiC膜は、300〜700μ
    mの厚さに研磨されている請求項1または2に記載の単
    結晶SiC。
  4. 【請求項4】 α−SiC単結晶から結晶方位面に沿っ
    て板状のα−SiC単結晶片を切り出すとともにサイズ
    を整え、 そのサイズの整えられたα−SiC単結晶片の複数枚を
    結晶方位が一方向に統一されるように積層密着させてカ
    ーボン治具で固定した後、 それら積層密着固定された複数枚のα−SiC単結晶片
    の結晶方位面にβ−SiC膜を形成し、 次いで、その複合体を熱処理することにより、上記α−
    SiC単結晶片の結晶方位面から上記β−SiC膜に向
    けて上記α−SiC単結晶片の結晶軸と同方位に配向さ
    れたα−SiC単結晶を一体に成長させることを特徴と
    する単結晶SiCの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記積層密着された複数枚のα−SiC
    単結晶片の結晶方位面が、研削または研磨加工によりR
    MS1000オングストローム未満の表面粗さに調整さ
    れている請求項4に記載の単結晶SiCの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記β−SiC膜の成膜後に、その膜厚
    さを300〜700μmの厚さに研磨する請求項4また
    は5に記載の単結晶SiCの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記複合体の熱処理は、該複合体をカー
    ボン製容器に入れ、かつ、そのカーボン製容器の外側を
    α−SiC粉体により覆った状態で1850〜2400
    ℃の範囲の温度で行なわれる請求項4ないし6のいずれ
    かに記載の単結晶SiCの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記複合体の熱処理は、成膜後の上記β
    −SiC膜の表面を研磨し、かつ、その研磨した表面に
    カーボンを乗せた上で、上記複合体をカーボン製容器に
    入れ、かつ、そのカーボン製容器の外側をα−SiC粉
    体により覆った状態で1850〜2400℃の範囲の温
    度で行なわれる請求項4ないし6のいずれかに記載の単
    結晶SiCの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記請求項4ないし8のいずれかに記載
    の方法で製造された単結晶SiCの表面を再度、研削も
    しくは研磨し、その研磨された表面に対する熱化学的蒸
    着法によるβ−SiC膜の形成および熱処理を繰り返し
    てα−SiC単結晶を一体に成長させることを特徴とす
    る単結晶SiCの製造方法。
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