JPH11236299A - 単結晶SiCおよびその製造方法 - Google Patents
単結晶SiCおよびその製造方法Info
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Abstract
結晶欠陥を生じることなく、高品質で、かつ、高膜厚の
単結晶SiCを生産性よく製造することができるように
する。 【解決手段】 α−SiC単結晶基板1の表面に、12
00〜1500℃の温度範囲の熱化学的蒸着法によりβ
−SiC(またはα−SiC)多結晶膜2を、その膜厚
が200μm〜1mmの範囲となるように成膜する成膜
工程と、その成膜工程で得られた複合体M1をArおよ
びSiCの飽和蒸気圧の雰囲気下で、かつ2000〜2
400℃の温度範囲で熱処理する熱処理工程とを複数回
繰り返すことにより、β−SiC多結晶膜2をα−Si
C単結晶に相変態させてα−SiC単結晶基板1の結晶
軸と同方位に配向された高膜厚の単結晶SiCを一体に
製造する。
Description
びその製造方法に関するもので、詳しくは、発光ダイオ
ードやX線光学素子、高温半導体電子素子の基板ウエハ
などとして用いられる単結晶SiCおよびその製造方法
に関するものである。
械的強度に優れているだけでなく、放射線にも強く、さ
らに不純物の添加によって電子や正孔の価電子制御が容
易である上、広い禁制帯幅を持つ(因みに、6H型のS
iC単結晶で約3.0eV、4H型のSiC単結晶で
3.26eV)ために、Si(シリコン)やGaAs
(ガリウムヒ素)などの既存の半導体材料では実現する
ことができない大容量、高周波、耐圧、耐環境性を実現
することが可能で、次世代のパワーデバイス用半導体材
料として注目され、かつ期待されている。
(製造)方法として、従来、種結晶基材をそれの外周か
ら高周波電極で加熱することにより種結晶基材の中心部
で多くの核発生を起こして、種結晶基材の中心部を中心
として複数の渦巻き状の結晶成長を進行させるアチソン
法や、アチソン法で作られた粉状のSiCを原料として
用い、単一の結晶核上に結晶を成長させる昇華再結晶法
などが知られている。
た従来の製造方法のうちアチソン法は、種結晶基材を長
時間かけて加熱することで単結晶がゆっくりと成長する
ものであって、結晶成長速度が1μm/hr.程度と非
常に低いだけでなく、成長初期の段階で多数の結晶核が
発生してこれが結晶成長とともに結晶の上部にまで伝播
されるために、単独で大きな単結晶を得ることが困難で
ある。また、昇華再結晶法にあっては、生産性の向上に
よるコストの低減を図るために1mm/hr.程度の高
速成長が採用されることが多く、そのために、不純物お
よびマイクロパイプ欠陥と呼ばれ半導体デバイスを作製
した際の漏れ電流等の原因となる結晶の成長方向に貫通
する直径数ミクロンのピンホールが100〜1000/
cm2 程度成長結晶中に残存しやすく、品質的に十分な
ものが得られない。さらに、これらアチチソン法および
昇華再結晶法においては、成長結晶の周辺部の雰囲気を
清浄に保つことが技術的に極めて困難であり、単結晶の
周辺外部からの汚染によって品質が損なわれるという問
題があり、これらのことが既述のようにSiやGaAs
などの既存の半導体材料に比べて多くの優れた特徴を有
しながらも、その実用化を阻止する要因になっていた。
で、不純物の混在およびマイクロパイプ欠陥等の結晶欠
陥を生じることなく、高品質で、かつ、高膜厚の単結晶
SiCと、その単結晶SiCを生産性よく製造すること
ができ、半導体材料としての実用化を促進可能な単結晶
SiCの製造方法を提供することを目的としている。
に、請求項1に記載の発明に係る単結晶SiCは、α−
SiC単結晶基板の表面に対する熱化学的蒸着法による
β−SiCもしくはα−SiC多結晶膜の成膜と、その
成膜された複合体の熱処理による上記β−SiCもしく
はα−SiC多結晶膜のα−SiC単結晶への相変態と
を繰り返すことにより、上記α−SiC単結晶基板の結
晶軸と同方位に配向された単一の単結晶を一体成長させ
ていることを特徴とするものであり、また、請求項2に
記載の発明に係る単結晶SiCの製造方法は、α−Si
C単結晶基板の表面に熱化学的蒸着法によりβ−SiC
もしくはα−SiCの多結晶膜を成膜する成膜工程と、
その成膜工程で得られた複合体を熱処理することにより
上記β−SiCもしくはα−SiC多結晶膜を上記α−
SiC単結晶基板の結晶軸と同方位に配向させつつ、α
−SiC単結晶に相変態させる熱処理工程と、その熱処
理工程で得られたα−SiC単結晶の表面に対して、上
記成膜工程および熱処理工程を繰り返して所望厚さの単
結晶を一体成長させる膜厚増大化工程とを有しているこ
とを特徴とするものである。
求項2に記載の発明はいずれも、α−SiC単結晶基板
の表面に熱化学的蒸着法によりβ−SiCもしくはα−
SiC多結晶膜を成膜した上、それによって得られた複
合体に対する熱処理を繰り返すことによって、複数層の
β−SiCもしくはα−SiC多結晶膜がα−SiC単
結晶基板の結晶軸と同一方位に配向され、かつ、一体化
された高膜厚の単結晶を得ることが可能であるだけでな
く、一回の熱処理のみでは単結晶化が不完全な状態にあ
るα−SiC単結晶基板に近い下層側部分が再々熱処理
されることにより単結晶化が促進され、これによって、
品質的にも非常に安定した高膜厚の単結晶SiCを生産
性よく得ることが可能である。
晶SiCの製造方法において、請求項3に記載のよう
に、成膜工程における熱化学的蒸着温度を1200〜1
500℃の低温範囲に設定し、かつ、β−SiCもしく
はα−SiC多結晶膜の膜厚を200μm〜1mmの薄
い範囲に設定することが好ましい。それは以下の理由に
よる。
β−SiCもしくはα−SiC多結晶膜の成膜速度の制
御による結晶粒径の調整が困難であるために、多結晶膜
の結晶粒径が大きくなりやすく、また、例えば金属など
成膜装置の構成材の気化により発生する金属蒸気などの
不純物の蒸気圧が高くなるために、その不純物が粒の大
きい結晶中に混在しやすくなる。これに対して、熱化学
的蒸着温度を1200〜1500℃の低温範囲に設定す
る場合は、β−SiCもしくはα−SiC多結晶膜の成
膜速度を制御しやすいので、粒の揃った小さな結晶粒の
多結晶膜が得やすく、また、成膜装置の構成材の気化に
より発生する金属蒸気などの不純物を含有しない純度の
高い結晶粒が得られやすい。 理由2:熱化学的蒸着温度が低温であっても、β−Si
Cもしくはα−SiC多結晶膜の膜厚が大きい場合は、
そもそも結晶を構成する原子間の結合力が強いことか
ら、結晶中に混入した不純物が成膜後の熱処理による相
変態によって放出されにくくなり、かつ、膜厚が大きい
と、それだけSi原子のみの集まりやC原子のみの集ま
りが生じる蓋然性が高く、このようなSiやC原子のみ
の集まりが生じると、熱処理時にそれら原子を再配列さ
せてα−SiC単結晶とすることが困難になることは明
らかである。つまり、熱処理による単結晶化は、あくま
でも単結晶粒の集まりである多結晶膜の各粒子の粒界を
消失させつつ、α−SiC単結晶への相変態を起こすも
のであって、膜厚が大きいと、各粒子の粒界が消失せ
ず、マイクロパイプなどの結晶欠陥を生じることにな
る。これに対して、熱化学的蒸着温度が低温で、多結晶
膜の膜厚を200μm〜1mmの薄い範囲に設定する場
合は、小さな結晶粒の集まりであるために、成膜後の熱
処理時において、各粒子の表面エネルギーが大きくなっ
て、各粒子の粒界付近の結晶が不安定となるために、各
原子がα−SiC単結晶基板に倣った原子配列に再配列
されやすくなり、熱処理による単結晶化が進行しやす
く、マイクロパイプなどの結晶欠陥のない高い品質の単
結晶SiCを得ることが可能である。
て、請求項4に記載のように、上記熱処理工程で得られ
たα−SiC単結晶の表面をRMS200オングストロ
ーム〜50オングストロームの範囲の表面粗さに調整す
る場合は、α−SiC単結晶の表面を塵などの付着物が
ないように清浄化できるため、その表面に次の多結晶膜
を成膜するとき、両者の界面にすき間が生じず、均一な
厚さの多結晶膜を成膜することが可能であるばかりか、
その後の熱処理時に周辺外部に浮遊する不純物等などが
界面に侵入し付着することも確実に防いで、高膜厚単結
晶SiCの品質をより一層向上することができる。な
お、α−SiC単結晶の表面をRMS50オングストロ
ーム以下の非常に平滑度の高い表面粗さに調整すると、
結晶の核が生じにくくなったり、あるいは生じる結晶核
数が少なくなったりするために、α−SiC単結晶の表
面に均一な多結晶膜を成膜することができなくなる可能
性があり、したがって、α−SiC単結晶の表面は、R
MS200オングストローム〜50オングストロームの
範囲の表面粗さに調整することが好ましいのである。
て、上記熱処理工程を、請求項5に記載のように、Ar
およびSiCの飽和蒸気圧またはその近傍の雰囲気下
で、かつ、2000〜2400℃の温度範囲で行なうこ
とにより、単結晶の成長速度を速めて高膜厚の単結晶S
iCを生産性よく製造することを可能としながらも、熱
処理雰囲気の多少の変動にかかわらず、多結晶膜の表面
部分の分解消失、析出結晶の多結晶膜表面への付着とい
った品質低下現象を最少限に抑制して高品質な単結晶を
安定よく得ることが可能である。
いて、上記成膜工程と熱処理工程とは原則的に同一の装
置を用いて実行することが可能であるけれども、請求項
6に記載のように、両工程を別々の装置を用いて行なう
ことが製品歩留まりの見地から好ましい。それは以下の
理由による。すなわち、熱化学的蒸着法による成膜工程
時においては、塩酸等の副反応物質が生成される。この
ような副反応物質は、熱処理工程時における雰囲気の清
浄化のために除去する必要があり、上記両工程を同一の
装置で行なうとなると、副反応物質の除去作業に手数お
よび長時間を要し、それが原因で製品の歩留まりの低下
を招きやすいからである。
にもとづいて説明する。図1〜図6は本発明に係る単結
晶SiCの製造方法を製造工程順に説明する模式図であ
り、図1は1回目の成膜工程を示し、昇華法あるいはア
チソン法により製作された六方晶系(6H型、4H型)
のα−SiC単結晶基板1の表面に、1200〜150
0℃の温度範囲の熱化学的蒸着法により立方晶系のβ−
SiC多結晶膜2−1を、その膜厚tが200μm〜1
mmの範囲で、かつ、上記α−SiC単結晶基板1の側
面全周に亘る端部2eを形成するように成膜される。
の成膜工程で得られた複合体M1をArおよびSiCの
飽和蒸気圧の雰囲気下で、かつ、2000〜2400℃
の範囲の温度に加熱し数時間ないし数十時間保持させて
熱処理することによって、上記α−SiC単結晶基板1
の結晶成長に伴ってβ−SiC多結晶膜2−1を上記α
−SiC単結晶基板1の結晶軸と同方位に配向させつ
つ、該β−SiC多結晶膜2−1をα−SiC単結晶に
相変態させて、図2に示すように、単一に一体化された
全体膜厚がt1なる単結晶SiC3−1が育成される。
この単結晶SiC3−1におけるβ−SiC多結晶膜2
−1の単結晶化率はおおよそ90%程度である。
た単結晶SiC3−1の表面3a−1を研磨などによっ
てRMS200〜50オングストロームの表面粗さの平
滑度になるように調整する平滑工程を行なった後、その
単結晶SiC3−1の表面3a−1に対して、上述した
熱化学蒸着法による成膜と同一条件、同一仕様で2回目
の成膜工程および上述した熱処理と同一条件で2回目の
熱処理工程を行なうことにより、図3および図4に示す
ような複合体M2および全体膜厚がt2なる単結晶Si
C3−2が育成される。この2回目の熱処理工程で得ら
れた単結晶SiC3−2における上層(2回目に成膜さ
れたもの)のβ−SiC多結晶膜2−2の単結晶化率は
おおよそ90%程度であるが、下層(1回目に成膜され
たもの)のβ−SiC多結晶膜2−1の単結晶化率は9
5%程度に上昇している。
た単結晶SiC3−2の表面3a−2を研磨などによっ
てRMS200〜50オングストロームの表面粗さの平
滑度になるように調整する平滑工程を行なった後、その
単結晶SiC3−2の表面3a−2に対して、上述した
熱化学蒸着法による成膜と同一条件、同一仕様で3回目
の成膜工程および上述した熱処理と同一条件で3回目の
熱処理工程を行なうことにより、図5および図6に示す
ような複合体M3および全体膜厚がt3なる単結晶Si
C3−3が育成される。この3回目の熱処理工程で得ら
れた単結晶SiC3−3における上層(3回目に成膜さ
れたもの)のβ−SiC多結晶膜2−3の単結晶化率は
おおよそ90%程度であるが、中間層(2回目に成膜さ
れたもの)のβ−SiC多結晶膜2−2の単結晶化率は
95%程度に上昇し、かつ、最下層(1回目に成膜され
たもの)のβ−SiC多結晶膜2−1の単結晶化率は9
8%程度に上昇している。
度範囲の熱化学的蒸着法によって膜厚tが200μm〜
1mmの範囲のβ−SiC多結晶膜2を形成する成膜工
程と、ArおよびSiCの飽和蒸気圧の雰囲気下におい
て2000〜2400℃の範囲の温度に加熱し数時間な
いし数十時間保持させて熱処理する熱処理工程と、表面
がRMS200〜50オングストロームの表面粗さの平
滑度になるように調整する平滑工程とを順次複数回繰り
返す膜厚増大化工程を施すことによって、図7に示すよ
うに、最終的に全体膜厚が所望のtnなる単結晶SiC
3−Nを製造する。なお、本実施の形態では、図7のよ
うに、4回の成膜、熱処理、平滑工程を経て製造された
単結晶SiC3−Nを示すが、同様な膜厚増大化工程を
5回以上繰り返してもよいこともちろんである。
晶SiC3−Nは、非常に高膜厚であるだけでなく、一
回の熱処理のみでは単結晶化が不完全な状態にあるα−
SiC単結晶基板1に近い下層側部分が再々熱処理され
ることにより単結晶化が促進されて、品質的に非常に安
定した単結晶SiCが得られる。
であることから、β−SiC多結晶膜2の成膜速度を制
御しやすくて粒径が小さく、かつ、揃った結晶粒の多結
晶膜2が得られるだけでなく、例えば金属などの装置構
成材の気化により発生する金属蒸気などの不純物が結晶
中に混在することがなく、純度の高い結晶粒が得られや
すい。また、膜厚が薄く小さな結晶粒の集まりとなるた
めに、成膜後の熱処理工程時の表面エネルギーが大きく
なり、粒界付近の結晶が不安定となるために、各原子が
α−SiC単結晶基板1に倣った原子配列に再配列され
やすくなり、熱処理による単結晶化が進行しやすい。こ
の際、多結晶膜2を構成する各結晶粒は、220または
110面等に高配向されつつ、界面から柱状に成長さ
れ、次工程の熱処理により単結晶化された場合、界面か
ら粒子表面まで一斉かつ一様に相変態が生じることにな
るため、マイクロパイプなどの結晶欠陥のない高い品質
の単結晶SiCを得ることが可能である。
いられる装置の一例であるところの反応炉Aの構成を示
す概略断面図であり、同図において、5は石英ベルジャ
ーで、その内部中央位置には多角錐形状で回転式のカー
ボン製サセプター6が配置されているとともに、外周部
には水冷式ジャケット7および高周波誘導コイル8が配
設され、かつ、該ベルジャー5内部にSiCl4 ,CC
l4 等とH2 などの反応ガスおよびArガスを供給する
ガス供給口9とベルジャー5内部を減圧するための脱気
口10とが形成されている。また、上記サセプター6の
各錐面6aには、図9に示すように、上記α−SiC単
結晶基板1を落し込み状態に嵌合保持する複数個の凹部
6bが適当間隔を隔てて形成されている。
工程による単結晶SiCの製造方法を説明すると、上記
カーボン製サセプター6の各錐面6aに形成されている
複数個の凹部6bそれぞれに図9に示すように、α−S
iC単結晶基板1を落し込み状態に嵌合保持させた上、
脱気口10から脱気し石英ベルジャー5の内部を減圧す
るとともに、該石英ベルジャー5の内部に供給口9から
SiCl4 ,CCl4等とH2 などの反応ガスを供給す
る。
セプター6を回転させながら、高周波誘導コイル8に高
周波電流を流して上記各α−SiC単結晶基板1を12
00〜1500℃の温度範囲に昇温した後、それら複数
個のα−SiC単結晶基板1の表面に、図10に示すよ
うに、熱化学蒸着法によって一連のβ−SiC多結晶膜
2−1を、その膜厚tが200μm〜1mmの範囲にな
るように成膜して複合体M1を得る(これが図1で示す
1回目の成膜工程に相当する)。続いて、上記供給口
9から石英ベルジャー5の内部にArガスを供給してA
rおよびSiCの飽和蒸気圧の雰囲気下としたうえ、上
記サセプター6を回転させながら、高周波誘導コイル8
に高周波電流を流して上記複合体M1を2000〜24
00℃の範囲の温度に加熱し数時間ないし数十時間保持
させて熱処理することによって、上記α−SiC単結晶
基板1の結晶成長に伴ってβ−SiC多結晶膜2−1を
上記α−SiC単結晶基板1の結晶軸と同方位に配向さ
せつつ、該β−SiC多結晶膜2−1をα−SiC単結
晶に相変態させて全体膜厚がt1なる単結晶SiC3−
1を育成する(これが図2で示す1回目の熱処理工程に
相当する)。
−1の表面3a−1を研磨などによってRMS200〜
50オングストロームの表面粗さの平滑度になるように
調整する平滑工程を行なう。それ以後は、上記した〜
の工程を繰り返すことによって、図3〜図6で示す2
回目、3回目の成膜工程および熱処理工程を経て、最終
的に図7に例示したような全体膜厚がtnなる単結晶S
iC3−Nを製造するのである。
処理工程も同一の反応炉Aを用いて行なうものについて
説明したが、成膜工程と熱処理工程とを別々の反応炉を
用いて行なうことが望ましい。それは、熱化学的蒸着法
による成膜工程時において生成される塩酸等の副反応物
質を、熱処理工程時における雰囲気の清浄化のために除
去する作業手数および時間が不要となり、それだけ製品
の歩留まりの向上を図ることができるからである。
結晶膜2に代えて、高純度(1014atm/cm3 以
下)の六方晶系(6H型)α−SiC多結晶膜を成膜し
てもよく、この場合は上記β−SiC多結晶膜2に比べ
て、一層高品質の単結晶SiCを得ることが可能であ
る。
よび請求項2に記載の発明によれば、α−SiC単結晶
基板の表面に対する熱化学的蒸着法によるβ−SiCも
しくはα−SiC多結晶膜の成膜と、それによって得ら
れた複合体に対する熱処理とを複数回繰り返すことによ
り、複数層のβ−SiCもしくはα−SiC多結晶膜が
α−SiC単結晶基板の結晶軸と同一方位に配向され、
かつ、一体化された高膜厚の単結晶を得ることができる
だけでなく、一回の熱処理のみでは単結晶化が不完全な
状態にあるα−SiC単結晶基板に近い下層側部分の再
々熱処理により単結晶化を促進して、品質的にも非常に
安定した高膜厚の単結晶SiCを生産性よく得ることが
できる。これによって、Si(シリコン)やGaAs
(ガリウムヒ素)などの既存の半導体材料に比べて大容
量、高周波、耐圧、耐環境性に優れパワーデバイス用半
導体材料として期待されている単結晶SiCの実用化を
促進することができるという効果を奏する。
化学的蒸着温度が1200〜1500℃という低温で、
かつ、多結晶膜の膜厚が200μm〜1mmと薄い範囲
に設定しているので、多結晶膜が小さな結晶粒の集まり
となり、成膜後の熱処理時において、各粒子の表面エネ
ルギーが大きく、各粒子の粒界付近の結晶が不安定とな
るために、各原子がα−SiC単結晶基板に倣った原子
配列に再配列されやすくなり、熱処理による単結晶化が
進行しやすく、マイクロパイプなどの結晶欠陥のない高
い品質の単結晶SiCを得ることができる。
処理によって得られたα−SiC単結晶の表面を塵など
の付着物がないように清浄化できるため、その表面に次
の多結晶膜を成膜するとき、両者の界面にすき間が生じ
ず、均一な厚さの多結晶膜を成膜することが可能である
ばかりか、その後の熱処理時に周辺外部に浮遊する不純
物等などが界面に侵入し付着することも確実に防いで、
高膜厚単結晶SiCの品質をより一層向上することがで
きる。
処理温度を高くして単結晶の成長速度を速めながらも、
熱処理時におけるArおよびSiC飽和蒸気圧またはそ
の近傍の雰囲気の変動にかかわらず多結晶膜の表面部分
の分解消失、析出結晶の多結晶膜表面への付着といった
品質低下現象を最少限に抑制して単結晶SiCの品質の
安定性を高めることができる。
成膜工程時において生成される塩酸等の副反応物質を、
熱処理工程前に除去する作業手数および時間が不要とな
り、それだけ製品の歩留まりの向上を図ることができ
る。
造工程のうち1回目の成膜工程が終了した状態の模式図
である。
した状態の模式図である。
た状態の模式図である。
した状態の模式図である。
た状態の模式図である。
した状態の模式図である。
る。
一例であるところの反応炉の構成を示す概略断面図であ
る。
面図である。
場合における1回目の成膜工程が終了した状態の要部の
拡大断面図である。
α−SiC多結晶膜) 3−1,3−2,3−3,3−N 単結晶SiC M1,M1,M3 複合体 A 反応炉(成膜および熱処理装置)
Claims (6)
- 【請求項1】 α−SiC単結晶基板の表面に対する熱
化学的蒸着法によるβ−SiCもしくはα−SiC多結
晶膜の成膜と、その成膜された複合体の熱処理による上
記β−SiCもしくはα−SiC多結晶膜のα−SiC
単結晶への相変態とを繰り返すことにより、上記α−S
iC単結晶基板の結晶軸と同方位に配向された単一の単
結晶を一体成長させていることを特徴とする単結晶Si
C。 - 【請求項2】 α−SiC単結晶基板の表面に熱化学的
蒸着法によりβ−SiCもしくはα−SiCの多結晶膜
を成膜する成膜工程と、 その成膜工程で得られた複合体を熱処理することにより
上記β−SiCもしくはα−SiC多結晶膜を上記α−
SiC単結晶基板の結晶軸と同方位に配向させつつ、α
−SiC単結晶に相変態させる熱処理工程と、 その熱処理工程で得られたα−SiC単結晶の表面に対
して、上記成膜工程および熱処理工程を繰り返して所望
厚さの単結晶を一体成長させる膜厚増大化工程とを有し
ていることを特徴とする単結晶SiCの製造方法。 - 【請求項3】 上記成膜工程における熱化学的蒸着温度
が1200〜1500℃の範囲に設定され、かつ、β−
SiCもしくはα−SiC多結晶膜の膜厚が200μm
〜1mmの範囲に設定されている請求項2に記載の単結
晶SiCの製造方法。 - 【請求項4】 上記熱処理工程で得られたα−SiC単
結晶の表面をRMS200オングストローム〜50オン
グストロームの範囲の表面粗さに調整する工程を有して
いる請求項2または3に記載の単結晶SiCの製造方
法。 - 【請求項5】 上記熱処理工程が、ArおよびSiCの
飽和蒸気圧またはその近傍の雰囲気下で、かつ、200
0〜2400℃の温度範囲で行なわれる請求項2ないし
4のいずれかに記載の単結晶SiCの製造方法。 - 【請求項6】 上記成膜工程と熱処理工程とが別々の装
置を用いて行われる請求項2ないし5のいずれかに記載
の単結晶SiCの製造方法。
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---|---|---|---|
JP4366098A JP2876122B1 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 単結晶SiCおよびその製造方法 |
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JP4366098A JP2876122B1 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 単結晶SiCおよびその製造方法 |
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JPH11236299A true JPH11236299A (ja) | 1999-08-31 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013073216A1 (ja) * | 2011-11-14 | 2013-05-23 | 住友電気工業株式会社 | 炭化珪素基板、半導体装置およびこれらの製造方法 |
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1998
- 1998-02-25 JP JP4366098A patent/JP2876122B1/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2013073216A1 (ja) * | 2011-11-14 | 2013-05-23 | 住友電気工業株式会社 | 炭化珪素基板、半導体装置およびこれらの製造方法 |
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