JPH1191495A - ガス発生器 - Google Patents

ガス発生器

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JPH1191495A
JPH1191495A JP9253476A JP25347697A JPH1191495A JP H1191495 A JPH1191495 A JP H1191495A JP 9253476 A JP9253476 A JP 9253476A JP 25347697 A JP25347697 A JP 25347697A JP H1191495 A JPH1191495 A JP H1191495A
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JP
Japan
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combustion chamber
gas
combustion
gas generator
generating agent
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Application number
JP9253476A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kanda
神田  剛
Koji Tanaka
耕治 田中
Takashi Saso
高 佐宗
Akihiko Kuroiwa
顕彦 黒岩
Norihisa Miyamoto
典久 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、エアバッグを展開初期の段階では
緩慢に展開させ、その後は急速に展開させる展開制御を
確実なものとなし、これによって、エアバッグの安全性
を向上させることにある。 【解決手段】 ハウジング1の密閉空間Sを、仕切部材
4によって相互に隔絶された上側燃焼室2と下側燃焼室
3の2室に区画し、各燃焼室2,3内には、ガス発生剤
5とこれを囲繞するフィルタ部材6を配置する。そし
て、ハウジング1内に、上側燃焼室2の内ガス発生剤5
のみを点火、燃焼させる点火器7を配置し、下側燃焼室
3内のガス発生剤5は、両燃焼室2,3間を伝達される
燃焼熱によって着火される様にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の運転席用
エアバッグに使用されるガス発生器に係わり、特に、1
つの点火器によってエアバッグの展開形態を制御可能に
した新規なガス発生器の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を
保護するために、高速でエアバッグを膨張展開させるた
めのガス発生器は、ステアリングホイール内に装着され
たエアバッグモジュールの中に組み込まれており、衝突
の際には衝突センサからの衝突検出信号により急速に高
圧ガスを発生させるものである。
【0003】ところで、係る従来のガス発生器では、衝
突センサからの衝突検出信号によって大量のガスを放出
し、これによって、エアバッグを急速に膨張、展開させ
る構造となっているが、衝突の形態(低速衝突、高速衝
突等)の如何に拘らず、常に一定の展開形態を有してい
た。従って、自動車の乗員がステアリングホイールの近
傍に着座している場合や、比較的緩やかな衝突形態の場
合等にエアバッグが展開した場合には、急速に前方に膨
出したエアバッグによって、乗員が撥ね飛ばされて障害
を受ける場合(パンチング現象)があり、乗員を保護す
るエアバッグ本来の機能を発揮できないという問題があ
った。
【0004】この問題を解決するために、従来のガス発
生器としては、特開平2−169347号公報等に記載
されたものがある。このガス発生器は、ケーシングの燃
焼室内に充填されたガス発生剤を、薄板インサートによ
って第1の部分と第2の部分に分割して、これら第1及
び第2の部分を薄板インサートの開口で連通したもので
ある。又、ケーシングの中央に設けられた内側周壁内に
点火装置を配置したものである。そして、ガス発生器
は、点火装置の点火ガスを燃焼室の第1の部分に噴出し
て、該第1の部分のガス発生剤の燃焼により発生した高
温ガスでエアバッグを緩やかに展開させ、その後、第1
の部分から薄板インサートの開口を介して流れる高温ガ
スや火炎により第2の部分のガス発生剤を燃焼させる事
で、燃焼室全体から発生した大量のガスによって急速に
エアバッグを展開させる展開制御を行う様にしている。
これにより、運転席の乗員がステアリングホイールの近
い部分に着座していても、エアバッグの展開初期におけ
る急速膨張、展開による衝撃を受けることなく、エアバ
ッグの機能を果たす様にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、係る従
来のガス発生器では、燃焼室のガス発生剤を薄板インサ
ートにより第1の部分と第2の部分とに分割して、第1
の部分のガス発生剤を燃焼させた後に、第2の部分のガ
ス発生剤を燃焼させる様にしているが、第1の部分のガ
ス発生剤の燃焼直後に、該第1の部分で発生した高温ガ
スや火炎が薄板インサートの開口から第2の部分のガス
発生剤に伝達される。従って、エアバッグに放出される
ガスは、第1の部分で発生したものと、該第1の部分で
発生した高温ガスが第2の部分を通過する際に燃焼して
発生するガスとがほぼ同時に放出される様になってい
る。
【0006】又、薄板インサートに開口を形成し、該開
口を通して第1の部分と第2の部分とを連通しているの
で、ガス発生剤の燃焼形態が、第1の部分から第2の部
分に連続して行われ、エアバッグの展開初期に緩やかに
膨張、展開させるためのガス量の制御を行う事は事実上
困難であり、この方式は、ガス発生剤の燃焼時間を長く
してエアバッグの展開を穏やかに行おうとするものであ
り、エアバッグの展開制御に多様性と弾力性を持たせる
事は不可能な方式である。特に、座席近傍に着座してい
る様な場合には、初期は穏やかに展開し、以後は急速に
展開させる事が好ましいが、係る展開形態を上記従来方
式のガス発生器に求めるのは困難であった。
【0007】本発明は、この問題を解決するためになさ
れたもので、エアバッグを展開初期の段階では緩慢に展
開させ、その後は急速に展開させる展開制御を容易に行
える様になし、これによって、エアバッグの安全性を向
上させる事のできるガス発生器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明のガス発生器は、ハウジング内の密閉空間を
仕切部材によって相互に隔絶した上下2つの燃焼室に画
成し、各燃焼室内には夫々ガス発生剤装填し、該ガス発
生剤を囲繞する様にフィルタ部材を配置し、ハウジング
内の一方の燃焼室内のガス発生剤を点火する点火器を配
置し、他方の燃焼室内のガス発生剤は、前記一方の燃焼
室内のガス発生剤の燃焼熱によって着火される様にした
構成としているので、点火器により隔絶された一方の燃
焼室のガス発生剤を燃焼させてた後、仕切部材やフィル
タ部材を介して伝達される燃焼熱によって、時間差をも
って他方の燃焼室のガス発生剤を燃焼させことができ
る。従って、エアバッグの展開初期には一方の燃焼室で
発生したガスのみでエアバッグを緩やかに膨張させ、そ
の後に時間差をもって他方の燃焼室から発生するガスと
合流させた多量のガスにより急激にエアバッグを膨張さ
せる2段階の展開制御を容易に行える事になる。
【0009】ガス発生器の詳細な構成としては、 先ず、ハウジングを内筒と外筒とからなる2筒構造と
なし、外筒と内筒間に圧入される仕切部材により相互に
隔絶された上下2つの燃焼室に区画し、上下燃焼室内の
ガス発生剤のいずれか一方を点火器で着火する構成とし
たもので、これにより、相互に隔絶された一方の燃焼室
のガス発生剤の燃焼後に、仕切部材から伝達される燃焼
熱により時間差をもって他方の燃焼室内のガス発生剤に
着火する方式のもの。 又、ハウジングを二重円筒構造として、密閉空間を内
筒材によって燃焼空間とガス通過空間とに画成し、内筒
材と内筒間に圧入される仕切部材により燃焼空間を相互
に隔絶された上下2つの燃焼室に画成し、上下燃焼室内
のいずれか一方のガス発生剤を点火器で着火する構成と
したもので、これにより、相互に隔絶された一方の燃焼
室のガス発生剤の燃焼後に、仕切部材から伝達される燃
焼熱と、内筒材,ガス通過空間から伝達される燃焼熱に
よって時間差をもって他方の燃焼室のガス発生剤に着火
する方式のもの。 更に、ハウジング内に単一空間が形成される1筒構造
となし、内部の密閉空間をフィルタ部材によって燃焼空
間とガス通過空間とに画成し、フィルタ部材と筒部材と
の間に圧入される仕切部材により燃焼室を相互に隔絶さ
れた上下2つの燃焼室に画成し、これらの燃焼室のいず
れか一方のガス発生剤を点火器で着火する構成としたも
ので、これにより、相互に隔絶された上側燃焼室のガス
発生剤の燃焼後に、主としてフィルタ部材を通して伝達
される燃焼熱によって時間差をもって他方の燃焼室のガ
ス発生剤を着火する方式のもの。
【0010】又、仕切部材に、燃焼熱の伝達を制御する
クッション部材を設ける構成とすると、一方の燃焼室で
発生した燃焼熱の伝達を抑制できる事から、上下の各燃
焼室の燃焼開始の時間差を制御できる。特に、仕切部材
に設けるクッション部材の厚さや材質を適宜選定する事
により、上下各燃焼室の着火時間を調整可能となるので
エアバッグの展開形態も最適なものに調整可能となる。
【0011】更に、下側燃焼室に開口するガス放出孔
を、その軸中心をサイドフランジの端面より下側に位置
させると、該ガス放出孔から放出される高温ガスは、フ
ランジ筒部に衝突し、この衝突によってガス中のスラグ
捕集と冷却を行う事が可能となる。
【0012】又、各燃焼室の燃焼開始の順序を、上側燃
焼室を燃焼させた後に、下側燃焼室を燃焼させる様にす
ると、下側燃焼室からのガスは、既に上側燃焼室から放
出されてエアバッグが展開を開始した後にエアバッグ内
に放出される事になるので、下側から放出される高温ガ
スによるエアバッグの溶損等の損傷発生を防止する事が
できる。
【0013】又、内筒材を、エクスパンディッドメタル
により成形すると、エクスパンディッドメタルは、内外
周面に突出して相互に連通した多数のガス通過孔を有す
るものであるから、エクスパンディッドメタル層自体が
ガス通過空間を形成する事になり、内筒材と外筒及びフ
ィルタ部材とを密着して配置させる事が可能となるの
で、これらの部材の位置決めや配置が容易となる。
【0014】更に、フィルタ部材を、メリヤス編み金網
或いはクリンプ織り線材の集合体で形成すると、安価に
製作できると共に、ガスの通過や火炎を上側燃焼室から
下側燃焼室に向けて容易に伝達できる。
【0015】又、仕切部材を、外筒や内筒の段差に当接
して位置決めする事で、簡単な構造で上下側の各燃焼室
を画成でき、又段差を調整する事で容易に上下側の各燃
焼室の容積を変更調整できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態における
運転席用エアバッグに用いられるガス発生器について、
図1〜図10を参照して説明する。これらのガス発生器
は、いずれもハウジング内に相互に隔絶された上下2つ
燃焼室を有し、一方の燃焼室のガス発生剤を点火器によ
って点火可能となし、他方の燃焼室のガス発生剤は前記
点火器で点火されたガス発生剤の燃焼熱によって着火す
る様になし、これによってガス発生器の作動初期には、
1つの燃焼室内のガス発生剤の燃焼による少量のガスに
よって緩やかに展開させ、続いて両燃焼室のガス発生剤
の燃焼による多量のガスによって急速に展開させる2段
の出力特性を持たせたものである。以下、図1〜6に示
す6タイプのガス発生器について説明する。
【0017】先ず、図1に示すガス発生器X1は、短円
筒状のハウジング1と、該ハウジング1内を、相互に隔
絶された上下の燃焼室2,3に画成する仕切部材4と、
各燃焼室2,3内に装填されたガス発生剤5及びフィル
タ部材6と、上側燃焼室2のガス発生剤5を燃焼させる
点火器7とを具備している。
【0018】ハウジング1は、上容器8と下容器9とを
突合せ溶接(例えば、摩擦圧接)により接合して内部に
密閉空間Sを形成する構造とされている。ハウジング1
の上容器9は、短円筒状の外筒11と、該外筒11の上
端部を閉塞する上蓋10と、外筒11と同心円状に配置
され且つ上蓋10の中央から垂下する内筒12とからな
る有蓋円筒形状をしており、アルミ合金等で一体成形さ
れている。外筒11には、上下各燃焼室2,3の夫々に
開口してハウジング1の軸方向に2列形成された複数の
ガス放出孔8aを有しており、該各列のガス放出孔8a
の内周には、ハウジング1内の防湿と燃焼時の内圧調整
のための薄板円筒状のバーストプレート13が貼着され
ている。
【0019】又、ハウジング1の下容器9は、外筒11
の外径側を上向きに立ち上がるフランジ筒部15と、フ
ランジ筒部15の下端部を閉塞する下蓋14と、フラン
ジ筒部15に同心状に下蓋14の中央から上向きに立ち
上がる短筒状の内筒17とからなる有底円筒形状をして
おり、アルミ合金等で一体成形されている。フランジ筒
部15には、その端部から径外方に水平に折れ曲がるサ
イドフランジ16が一体成形されおり、該サイドフラン
ジ16には、図示しないエアバッグモジュールのリテー
ナに取付けための締結用孔18が周方向に複数形成され
ている。又、下容器9の内筒17内には、点火器取付部
材19が一体成形されている。
【0020】ハウジング1は、上容器8の外筒11の下
端周面を下蓋14の内底周縁面に突合せて、且つ内筒1
2の下端面を下蓋の内筒17の上端周面に突合せて摩擦
圧接により接合する事で2筒構造とされ、これによっ
て、内部に環状の密閉空間Sが形成されている。ハウジ
ング1の密閉空間Sは、上蓋10と下蓋14と平行に配
置された仕切部材4によって、上下2つの燃焼室2,3
に区画されている。仕切部材4は、上容器8の外筒11
内に圧入自在とされた円板形状であり、その軸心に内筒
12を貫通させる貫通穴20が形成されている。仕切部
材4は、上容器8の開口端から外筒11内に圧入され、
貫通穴20を内筒12に嵌め込んで、外筒11と内筒1
2の各段部11a,12aに当接して位置決めされる事
によりハウジング1の軸方向に相互に隔絶(例えば、ガ
ス発生剤5の燃焼による一定の熱量を隔絶)する上下の
各燃焼室2,3に画成している。そして、各燃焼室2,
3には、ガス発生剤5が装填され、これを囲繞する様に
フィルタ部材6が配置されている。
【0021】各フィルタ部材6は、各燃焼室2,3の内
周壁部に沿って配置可能な様に円筒形状をしており、外
筒11の内周面との間には環状のガス通過空間S1が形
成される様な寸法に形成されている。上側燃焼室2のフ
ィルタ部材6は、仕切部材4から上蓋10に当接するま
で延びており、又下側燃焼室3のフィルタ部材6は、下
蓋14から仕切部材4に当接するまで延びている。又、
フィルタ部材6としては、メリヤス編み金網〔図7
(a)に示す〕或いはクリンプ織り線材〔図7(b)に
示す〕の集合体を、図7(c)の如く円筒形状にプレス
成形して安価に製作する事が好ましい。これにより、各
燃焼室2,3で発生したガスの通過を容易にできる。
【0022】下側燃焼室3のガス発生剤5と仕切部材4
との間には、仕切部材4に当接するクッション部材21
が配置されており、該クッション部材21はガス発生剤
5の振動による粉化防止と、各燃焼室2,3の相互間の
伝熱を制御する断熱材としての機能をも兼ね備えてい
る。従って、クッション部材21としては、セラミック
繊維等の断熱機能を有する弾性部材を用いる事が好まし
い。又、上側燃焼室2のガス発生剤5と上蓋10との間
には、上蓋10に当接するクッション部材22が配置さ
れており、該クッション部材22はガス発生剤5の振動
による粉化防止の機能を備えている。従って、クッショ
ン部材22としては、シリコンゴムやシリコン発泡体等
の弾性材を用いる事が好ましいが、セラミックス繊維等
により断熱機能を有するものであっても構わない。
【0023】点火器7は、点火具7Aと伝火剤7Bとで
構成され、上容器8の内筒12と下容器9の内筒17と
で形成される収納空間内に配置されている。点火具7A
は、固定部材19に形成されたテーパ状の段部23にシ
ール部材24(ゴムシート)を介して気密に当接され、
固定部材19の先端側のカシメ部25を内側に折り曲げ
る事でカシメ固定されている。又、伝火剤7Bは、点火
具7Aに隙間を有して上蓋10側に配置されており、点
火具7Aで着火された火炎を内筒12の複数の導火孔1
2bを通して上側燃焼室2内に噴出させる。点火器7
(点火具7A)は図示しない衝突センサに接続されてお
り、衝突センサからの衝突検出信号に基づいて点火す
る。
【0024】次に、図1に示すガス発生器X1の作動に
ついて説明する。衝突センサが自動車の衝突を検出し、
その衝突検出信号によって点火具7Aが点火されると、
発生した火炎は、上蓋10側の伝火剤7Bを着火して火
炎を拡大させる。この拡大された火炎は、内筒12の各
導火孔12bから上側燃焼室2内に噴出され、この火炎
でガス発生剤5が燃焼して高温ガスを発生させる。この
とき、上側燃焼室2内で発生した燃焼熱は、クッション
部材21の断熱機能によって伝熱が制御(鈍化)されて
いるので、下側燃焼室3のガス発生剤5が同時に着火す
る事が防止される。そして、上側燃焼室2内で発生した
高温ガスは、フィルタ部材6内に流入し、該フィルタ部
材6でスラグ捕集と冷却を経てガス通過空間S1に流入
し、燃焼室2内の燃焼に連れて上昇するガス圧が所定圧
力に達するとバーストプレート13が破れ、ガス通過空
間S1で均一化された清浄ガスが、各ガス放出孔8aか
らエアバッグへ内に均一に放出される。そして、エアバ
ッグはこの上側燃焼室2で発生したガスのみによって緩
やかに展開を開始する。
【0025】続いて、上側燃焼室2の燃焼開始後、該燃
焼室2内でのガス発生剤5の燃焼が進んで、燃焼熱が仕
切部材4,クッション部材21を介して下側燃焼室3に
伝達され、該下側燃焼室3の温度が一定温度(ガス発生
剤5の着火温度)に達すると下側燃焼室3内のガス発生
剤5の燃焼が開始される。そして、下側燃焼室3のガス
は、上側燃焼室2の場合と同様に、ガス圧の上昇によっ
てバーストプレート13を破断し、ガス通過空間S1で
均一化された清浄ガスが各ガス放出孔8aからエアバッ
グに均一に放出される。この段階では、エアバッグは、
上下の両燃焼室2,3から放出される大量の高圧ガスに
よって展開されるので、急速展開に移行する事になる。
この結果、エアバッグは、展開初期には、上側燃焼室2
のみで発生した少量のガスにより緩やかに膨張を開始
し、所定時間経過後から、上下燃焼室2,3で発生した
大量のガスにより急速に膨張、展開する事になる。
【0026】上記の上側燃焼室2の着火から下側燃焼室
3に着火までの時間は、前記仕切部材4の下面に配置し
たクッション材21の伝熱特性に大きく依存しているの
で、この実験例を図10を用いて説明する。図10は、
クッション材21の厚さを変えて伝熱特性を変えた場合
のガス発生器の点火試験例であり、クッション材21の
厚さが薄い場合には、図中点線で示している様に、上側
燃焼室2に着火時点t0から時間t1後に下側燃焼室3
が着火され、時間t3で最高圧力Pmaxに達してい
る。一方、クッション材21を厚くした場合には、図中
実線で示している様に、上側燃焼室2に着火後、時間t
2後に下側燃焼室3に着火され、時間t4で最高圧力P
maxに達している。この図から明らかな様に、クッシ
ョン材の厚みを調整する事によって上下燃焼室間の着火
時間差を調整可能であり、これにより、ガス発生器の圧
力パターン即ちエアバッグの展開形態が任意に調整可能
となる。又、最高圧力への到達時間差は、両燃焼室の着
火時間差よりも拡大して現れるため、着火時間差を設け
る事は、エアバッグの初期急膨張を抑制する点で、大き
な効果がある事が分かる。
【0027】ところで、下側燃焼室3で発生した高温高
圧ガスは、フィルタ部材6を通過する間に冷却され、同
時に含有スラグの相当量が除去されて各ガス放出孔8a
から放出される。しかしながら、各ガス放出孔8aを通
過した時点のガス中は、依然として高温のスラグが残存
している状態であり、この状態のガスがエアバッグ直接
噴出されると、残存する高温スラグによってエアバッグ
を熱損傷する恐れがある。
【0028】そこで、下側燃焼室3に開口する各ガス放
出孔8aの中心線aの位置が、サイドフランジ16より
下蓋14側に位置する様に設定されている。これによ
り、下側燃焼室3内で発生した高温ガスは、各ガス放出
孔8aから放出された後、一旦フランジ筒部15の内周
面に衝突し、その後、方向を変えて上昇し、サイドフラ
ンジ16の端面を過ぎてエアバッグ内に放出される様に
なる。この間に、フィルタ部材6で除去されず、ガス中
に残存するスラグは、フランジ筒部15との衝突時に、
その大部分がフランジ筒部15に付着する事で除去(慣
性捕集)されると共に、フランジ筒部15との熱交換に
よりガスの温度が下げられる。又、下側燃焼室3から放
出されるガスは、フランジ筒部15に衝突した後、上向
きに方向を変えて上昇するが、上側燃焼室2から放出さ
れるガスによってエアバッグが展開を開始した後に(即
ち、エアバッグがガス発生器から離脱方向に移動した後
に)エアバッグ内に放出される事になるから、ハウジン
グ1の軸方向に向かうガス流によるエアバッグの熱損傷
が抑制される事になる。
【0029】この様に、ガス発生器X1によれば、下側
燃焼室3から隔絶された上側燃焼室2のガス発生剤5を
点火器7により燃焼させ、該燃焼室2でのみ発生したガ
スによってエアバッグを緩やかに展開させ、その後、上
側燃焼室2からの熱伝達により下側燃焼室3のガス発生
剤5を燃焼させる事で、両燃焼室2,3から発生した大
量のガスによって急速に展開させる様にしているので、
エアバッグの2段階展開制御(2段階でエアバッグへの
ガス放出量制御)を容易に行え、運転席の乗員がステア
リングホイールの近い部分に着座していたり、或いは助
手席乗員が座席前部に着座していたりしても、エアバッ
グの展開初期における急速膨張による衝撃を受ける事が
少なくなり、安全にエアバッグ本来の機能が発揮され
る。特に、ガス発生器を構成する部品のうち、最もコス
ト高となる点火器7を1つだけ用いて、上側燃焼室2の
ガス発生剤5を燃焼させ、クッション部材21の断熱機
能により下側燃焼室3の燃焼開始を遅らせる事で、エア
バッグの展開制御を達成したので、2段階展開制御を安
価なガス発生器で達成する事が可能となる。
【0030】又、下側燃焼室3に開口する各ガス放出孔
8aの中心線aをサイドフランジ15より下側に位置す
る様に構成すると、各ガス放出孔8aから放出されるガ
スはフランジ筒部15に衝突し、この衝突によってガス
中のスラグがフランジ筒部15に付着して捕集され、且
つ更なる冷却効果を達成できる事から、エアバッグの熱
溶融を低減できる。
【0031】更に、各燃焼室2,3の燃焼開始の順序と
して、上側燃焼室2の燃焼後に下側燃焼室3を燃焼させ
る様にすると、下側燃焼室3から放出されるガスは、既
に上側燃焼室2の各ガス放出孔8aから放出されている
ガス流によりエアバッグが膨張を開始してガス発生器か
ら離れているので、下側燃焼室3からの高温ガス流によ
るエアバッグの熱損傷が抑制され、エアバッグを安定し
て膨張、展開させる事が可能となる。尚、各燃焼室2,
3の燃焼開始の順番は、上述記載に限定されるものでな
く、下側燃焼室3のガス発生剤5を点火器7で点火燃焼
させた後に、上側燃焼室2のガス発生剤5を熱伝達によ
り燃焼させても良い。
【0032】次に、図2に示すガス発生器X2は、図1
に示すガス発生器X1に対して、ハウジング1内に配置
した内筒材30によって密閉空間Sを内筒12から径外
方に向かってガス通過空間S1と環状の燃焼空間S2と
に区画し、該燃焼空間S2内を仕切部材4によって上下
2つの燃焼室2,3に画成した点と、各ガス放出孔8a
を上側燃焼室2のみに開口する様に形成した点とが異な
り、図1と同一の符号は同一の部材を示して重複説明を
省略する。
【0033】図2において、ガス発生器X2のハウジン
1内には、その密閉空間Sをガス通過空間S1と燃焼空
間S2とに区画する内筒材30が配置されている。内筒
材30は、その軸方向と周方向に亘って各空間S1とS
2を連通する複数のガス通過孔30aが形成され、上下
蓋10と14の間に亘って延びている。
【0034】この内筒材30としては、図8(a)に示
す様にステンレス薄鋼板或いは普通鋼の薄鋼板に所定間
隔で多数のスリット31aが形成された母材31を、矢
印の方向に引張してスリット31aを、図8(b)に示
す様に一様に開口させる事により、多数のガス通過孔3
0aが形成されるエクスパンディッドメタルで、図8
(c)に示す様に、円筒形状に形成して終端部同士をス
ポット溶接等の接合方法によって固着する事で製作する
事が好ましい。そして、エクスパンディッドメタルによ
り内筒材30を製作すると、各ガス通過孔30aの部分
は、図8(a)に示す矢印の方向への引張加工時に、図
9に示す様に、スリット31aの対向する部分が母材の
内外面に反り返る様に変形、即ち、母材31の基準平面
Aから高さhだけ内外側に反り返った形状をしている。
従って、内筒材30は、その外周に各スリット31aの
部分で高さhだけ突出して周方向に開口して軸方向に延
びる複数のガス通過孔30aが形成され、且つ各ガス通
過孔30aがその周方向で相互に連通される構造とな
る。
【0035】この様に、エクスパンディッドメタル製の
内筒材30を、ハウジング1内に配置すると、各燃焼室
2,3のガス発生剤5の燃焼による高圧高温ガスによっ
てガス通過空間S1を狭める様に内筒材30が膨張、又
は変形されても、高さhだけ突出して連通された各ガス
通過孔30aから高圧高温ガスを各ガス放出孔8aに向
けて通過させる事が可能となる。尚、内筒材30は、エ
クスパンディッドメタルで製作するものに限定されず、
ステンレス薄鋼板或いは普通鋼の薄鋼板に所定間隔で複
数のガス通過孔30aを成形した母材(パンチングプレ
ート)を、円筒形状に成形して、終端同士をスポット溶
接等の接合方法により接合して製作したものを用いても
良い。
【0036】そして、内筒材30で区画された燃焼空間
S2は、上蓋10及び下蓋14と平行に配置された仕切
部材4によって、上下2つの燃焼室に区画されている。
仕切部材4は、内筒材30内に圧入自在とされた円板形
状であり、その軸心に内筒12を貫通させる貫通穴20
が形成されている。仕切部材4は、上容器8の開口端側
から内筒材30の内周に圧入され、貫通穴20を内筒1
2に嵌め込んで、内筒12の段部12aに当接して位置
決めされる事によりハウジング1の軸方向に上下2つの
燃焼室2,3を画成している。そして、各燃焼室2,3
には、ガス発生剤5が装填され、これを囲繞する様にフ
ィルタ部材6が配置されている。各フィルタ部材6は、
内筒材30内に圧入されて、仕切部材4と下容器9の下
蓋14に載置されている。
【0037】次に、図2に示すガス発生器X2の作動を
説明すると、衝突センサが自動車の衝突を検出し、その
衝突検出信号によって点火器7が点火されると、図1の
場合と同様に、上側燃焼室2内で発生した高温ガスは、
フィルタ部材6でスラグ捕集と冷却を経て、ガス通過空
間S1で均一化された後にエアバッグへの放出が開始さ
れ、エアバッグは、この上側燃焼室2で発生したガスの
みによって緩やかに展開を開始する。
【0038】このときに、ガス通過空間S1のガスの一
部は、下側燃焼室3に面した内筒材30,フィルタ部材
6を通過して下側燃焼室3内に噴出されるが、ガスの保
有する熱量は、下側燃焼室3に面した内筒材30とフィ
ルタ部材6に吸収され、温度が低下して下側燃焼室3内
に噴出されるので、該下側燃焼室3内のガス発生剤を着
火させる事はないが、燃焼室2内の燃焼が進み、これら
の温度が高くなって、遂には、下側燃焼室3内に流入す
るガス温度が、ガス発生剤の着火温度に達すると、該下
側燃焼室3内のガス発生剤5の燃焼が開始される。尚、
上側燃焼室2内での燃焼熱は、仕切部材4,クッション
部材21を介して下側燃焼室3に伝達されるので、この
伝熱によっても下側燃焼室3内の温度は上昇するが、本
例のガス発生器X2の場合には、主としてフィルタ部材
6を通して伝達される燃焼熱により下側燃焼室3内のガ
ス発生剤の着火が生じる。これにより、下側燃焼室は、
上側燃焼室の着火後、微小時間後に燃焼が開始される。
そして、下側燃焼室3で発生したガスは、ガス通過空間
S1に流出し、上側燃焼室2の清浄なガスと共にエアバ
ッグ内に放出され、エアバッグは、展開初期には、上側
燃焼室2のみで発生した少量のガスにより緩やかに膨張
を開始し、所定時間経過後から、上下燃焼室2,3で発
生した大量のガスにより急速に膨張、展開する事にな
る。
【0039】この様に、ガス発生器X2によれば、下側
燃焼室3から隔絶された上側燃焼室2のガス発生剤5を
点火器7により燃焼させて、該燃焼室2でのみ発生した
ガスによって、エアバッグを緩やかに展開させ、その
後、主としてフィルタ部材6を介した上側燃焼室2から
の熱伝達により下側燃焼室3のガス発生剤5を着火する
事で、両燃焼室2,3で発生した大量のガスによって急
速に展開させるので、エアバッグの2段展開制御が容易
に行える事になる。
【0040】又、内筒材30が、エクスパンディッドメ
タルを用いて成形すれば、該エクスパンディッドメタル
の内外面には開口操作時に生じる反りによって、開口部
には表面から距離hの突出部が形成されているので、エ
クスパンディッドメタルの内外面を外筒11及びフィル
タ部材6に接して配置しても、エクスパンディッドメタ
ル自体にガス通過空間S1が一体的に保持されていると
見做す事もできる。
【0041】次に、図3に示すガス発生器X3は、図2
のガス発生器X2に対して、各ガス放出孔8aを各燃焼
室2,3の夫々に開口する様に形成した点が異なり、図
2と同一の符号は同一の部材を示して重複説明を省略す
る。
【0042】図3において、上容器8の外筒11には、
上下2つの燃焼室2,3に開口してハウジング1の軸方
向に2列形成された複数のガス放出孔8aを有してお
り、該各列のガス放出孔8aの内周には、ハウジング1
内の防湿と燃焼時の内圧調整のための薄板円筒状のバー
ストプレート13が閉塞する様に貼着されている。係る
ガス発生器X3においても、図2の場合と同様に、エア
バッグの2段階展開制御を容易に行う事ができ、安全に
エアバッグ本来の機能が発揮される。
【0043】又、下側燃焼室3に開口する各ガス放出孔
8aの中心線aをサイドフランジ15より下側に位置す
る様に構成すると、図1の場合と同様に、フランジ筒部
15によってガス中に残存するスラグ捕集と更なる冷却
を達成して、エアバッグの熱損傷を低減できる。更に、
上側燃焼室2の点火後の熱伝達により下側燃焼室3のガ
ス発生剤5を着火させると、図1の場合と同様に、エア
バッグの熱損傷を一層抑制してエアバッグを安定して膨
張、展開させる事も可能となる。
【0044】次に、図4に示すガス発生器X4は、図2
のガス発生器X2に対して、フィルタ部材6を両燃焼室
2,3に亘って配置した点と、各燃焼室2,3を区画す
る仕切部材4に2つのクッション部材21を配置した点
とが異なり、図2と同一の符号は同一の部材を示して重
複説明を省略する。
【0045】図4において、フィルタ部材6は、内筒材
30内に圧入されており、上下容器8,9の上下蓋1
0,14間に亘って延びている。仕切部材4は、その軸
心に貫通穴20を有する円板部4aと、該円板部4aの
外周縁から立ち上がる短筒状の鍔部4bとからなってい
る。そして、仕切部材4は、この鍔部4bがフィルタ部
材6内に圧入され、貫通穴20を内筒12の外周面に嵌
め込んで、内筒12の段部12aに当接させる事により
ハウジング1内を上下2つの燃焼室2,3を相互に隔絶
する様に区画している。又、上下の各燃焼室2,3のガ
ス発生剤5と仕切部材4との間には、仕切部材4に当接
する2つのクッション部材21が配置されている。
【0046】次に、図4に示すガス発生器X4の作動を
説明すると、衝突センサが自動車の衝突を検出し、その
衝突検出信号によって点火器7が点火されると、図1の
場合と同様に、上側燃焼室2内で発生した高温ガスは、
フィルタ部材6でスラグ捕集と冷却を経て、ガス通過空
間S1で均圧化された後にエアバッグ内への放出が開始
され、エアバッグは、この上側燃焼室2で発生したガス
のみによって緩やかに展開を開始する。
【0047】このときに、フィルタ部材6内に流入した
高温ガスの一部は、下方に流下して下側燃焼室3内に噴
出されるが、ガスの保有する熱量は、下側燃焼室3に面
したフィルタ部材6に吸収され、温度が低下して下側燃
焼室3内に噴出されるので、該下側燃焼室3内のガス発
生剤を直ちに着火させる事はないが、燃焼室2内の燃焼
が進み、フィルタ部材6の温度が高くなり、遂には、下
側燃焼室3内に流入するガス温度がガス発生剤の着火温
度に達すると、該下側燃焼室3内のガス発生剤5の燃焼
が開始される。尚、上側燃焼室2内での燃焼熱は、仕切
部材4と上下2つのクッション部材21を介して下側燃
焼室3に伝達されるので、この伝熱によっても下側燃焼
室3内の温度は上昇するが、主としてフィルタ部材6を
通して伝達される燃焼熱により下側燃焼室3内のガス発
生剤の着火が生じる。これにより下側燃焼室3のガス発
生剤5は、上側燃焼室2の着火から微小時間遅れて燃焼
が開始され、下側燃焼室3で発生したガスは、上側燃焼
室2の清浄なガスと共にエアバッグ内に放出される。こ
の結果、エアバッグは、展開初期には、上側燃焼室2の
みで発生した少量のガスによって緩やかに膨張を開始
し、所定時間経過後から、上下燃焼室2,3で発生した
大量のガスにより急速に膨張、展開する事になる。
【0048】この様に、ガス発生器X4によれば、図2
と同様に、エアバッグの2段階展開制御を容易に行える
事になり、安全にエアバッグ本来の機能が発揮される。
又、内筒材30に圧入された1つのフィルタ部材6によ
って、各燃焼室2,3で発生したガスのスラグ捕集と冷
却を行う構成にすると、各燃焼室2,3内の夫々にフィ
ルタ部材6を配置する図1〜図3のガス発生器X1〜X
3に比して、部品点数を減少して製造コストの低減も可
能となる。
【0049】更に、2つのクッション部材21を、仕切
部材4を境にして両燃焼室2,3に配置してクッション
部材21全体の厚みを厚くすると、上側燃焼室2からの
燃焼熱の伝達が、図1〜図3のガス発生器X1〜X3に
比して、抑制(鈍化)される事から、実施的にフィルタ
部材6のみを介した伝熱による着火が可能となり、伝熱
制御が簡素化される事になる。
【0050】次に、図5に示すガス発生器X5は、図1
のガス発生器X1に対して、ハウジング1を一筒構造と
したものである。図5において、ガス発生器X5は、短
円筒状のハウジング51と、該ハウジング51内を上下
2つの燃焼室52,53に区画する仕切部材54と、各
燃焼室52,53に収納されたガス発生剤55と、フィ
ルタ部材56と、上側燃焼室52のみを点火、燃焼させ
る点火具57とを備えて構成されている。
【0051】ハウジング51は、上容器58と下容器5
9とを摩擦圧接等の突合せ溶接して接合する事によって
密閉空間Sを形成する構造とされている。ハウジング5
1の上容器58は、外筒61と、該外筒61の一端部を
閉塞する上蓋60とからなる有蓋円筒形状をしており、
製造コスト低減のためスレンレス等の薄鋼板をプレス加
工する事によって一体成形されている。上容器58の外
筒61には、その上蓋60側に複数のガス放出孔61a
が形成されており、各ガス放出孔61aの内周面にはハ
ウジング51内の防湿と燃焼時の内圧調整のためにバー
ストプレート63が閉塞する様に貼着されている。又、
上容器58の外筒61には、エアバッグモジュールのリ
テーナの取付け等のためのフランジ部材70が接合され
ており、該フランジ部材70は下容器59の開口端から
ハウジング51の径外方に折れ曲がって延びている。
【0052】又、下容器59は、筒状部65と、該筒状
部65の一端部を閉塞する下蓋64とからなる有底円筒
形状をしており、製造コスト低減のためステンレス等の
薄鋼板をプレス加工して一体成形されている。下容器5
9の下蓋64には、その軸中心に密閉空間Sの内外に貫
通する固定穴65が形成されている。該固定穴65に
は、筒部材66が嵌め込み固定されている。筒部材66
は、固定穴65内にシール材66a(ゴムシート)を介
して気密に嵌め込まれる固定部68と、該固定部68に
外嵌されて上容器58の上蓋60近傍まで延びる内筒部
69とで構成されている。
【0053】ハウジング51は、上容器58の開口端か
ら下容器59内に挿入して、上容器58の外筒61の下
端面を下蓋64の内底面縁部に突き合わせ、上容器58
の外筒61と下容器59の下蓋64とを摩擦圧接により
接合する事によって、内部に単一空間を有する1筒構造
とされている。ハウジング51は、円筒状フィルタ部材
56、仕切部材54によって相互に隔絶された上下の各
燃焼室52,53に画成されている。
【0054】フィルタ部材56は、各燃焼室52,53
の内周壁部に沿って配置可能な様に円筒形状をしてお
り、筒部材66から径外方に向かって燃焼空間S2とガ
ス通過空間S1とが形成される様な寸法に形成されてい
る。又、フィルタ部材56は上下蓋60,64の間に亘
って配置されており、ハウジング51の下容器59に設
けられた下押え部材72により位置決めされている。
尚、フィルタ部材56は、図1の場合と同様に、図7
(a)に示したメリヤス編み金網或いは図7(b)に示
したクリンプ織り線材の集合体を、図7(c)に示した
如く円筒形状にプレス成形して安価に製作する。上押さ
え部材71は、フィルタ部材56の内周上端に圧入され
た筒部71Aと、上容器58の上蓋60に近接配置され
る円板部71Bとを有する断面コップ状の部材であっ
て、フィルタ部材56の内周への圧入により該フィルタ
部材56の位置決めと、スラグを含むガスが直接ガス通
過空間S1に流出するのを防止する。又、下押さえ部材
72は、フィルタ部材56の内周下端に圧入される筒部
72Aと、筒部材66の固定部68の外周に嵌め込まれ
る環状の円板部72Bとを有する断面コップ状の部材で
あって、フィルタ部材56の内周と筒部材66の外周へ
の圧入により、該フィルタ部材56を筒部材66に同心
として位置決めし、スラグを含むガスが直接ガス通過空
間S1に流出するのを防止する。
【0055】仕切部材54は、円筒状フィルタ部材56
の内周面と筒部材66の外周面の夫々に圧入される内外
の筒状部74,73と、上下の各燃焼室52,53に画
成する円板状部75とを有する断面コップ状の形状をし
ている。そして、仕切部材54は、各筒状部73,74
をフィルタ部材56の内周面及び内筒部69の外周面の
夫々に圧入する事によって、これらの筒状部73,74
のバネ機能により位置決めされて燃焼空間S2をハウジ
ング51の軸方向に相互に隔絶された上下側の各燃焼室
52,53に画成する。各燃焼室52,53の夫々に
は、ガス発生剤55が装填されている。又、上側燃焼室
52のガス発生剤55と上押さえ部材71との間、及び
下側燃焼室53のガス発生剤55と下押さえ部材72と
の間には、各円板部71B,72Bの夫々に当接するク
ッション部材76,77が配置されている。クッション
部材76は内筒部69の開口端に当接して閉塞してお
り、又クッション部材77は固定部68に外嵌されてい
る。各クッション部材76,77は、ガス発生剤55の
振動による粉化を防止するために、シリコンゴムやシリ
コン発泡体等の弾性材を用いる事が好ましい。
【0056】点火器57は、下部の保持部57Aと、こ
の先端に配置された着火部57Bとで構成され、内筒部
69とクッション部材76とで区画される収納空間内に
配置されている。点火器57は、固定部68に形成され
たテーパ状の段部78にシール部材79(ゴムシート)
を介して気密に当接され、固定部68の先端側のカシメ
部80を内側に折り曲げる事でカシメ固定されている。
又、点火器57は、図示しない衝突センサに接続されて
おり、衝突センサからの衝突検出信号に基づいて点火さ
れ、内筒部69に形成された複数の導火孔69aから伝
火部57Bの着火による火炎を上側燃焼室52内に噴出
させる。
【0057】次に、ガス発生器X5の作動について説明
すると、衝突センサが自動車の衝突を検出し、その検知
信号によって点火器57が点火され、発生した火炎は、
上部の伝火部57Bを着火して火炎を拡大させる。この
拡大された火炎は、内筒部69によりハウジング51の
軸方向に向かって導かれ、各導火孔69aから上側燃焼
室2内に噴出され、この火炎でガス発生剤55が燃焼し
て高温ガスを発生させる。そして、上側燃焼室52内で
発生した高温ガスは、フィルタ部材56でスラグ捕集と
冷却を経てガス通過空間S1に流入し、燃焼室52内の
燃焼に連れて上昇するガス圧が所定圧力に達するとバー
ストプレート63が破れ、ガス通過空間S1で均圧化さ
れた清浄ガスが、各ガス放出孔61aからエアバッグ内
に放出される。そして、エアバッグは、この上側燃焼室
52で発生したガスによって緩やかに展開を開始する。
【0058】このときに、フィルタ部材56内に流入し
た高温ガスの一部は、下方に流下して下側燃焼室53内
に噴出されるが、ガスの保有する熱量は、下側燃焼室5
3に面したフィルタ部材に吸収され、温度が低下してい
るので、下側燃焼室53内のガス発生剤を直ちに着火さ
せる事はないが、燃焼室52内の燃焼が進み、フィルタ
部材56の温度が高くなって、遂には下側燃焼室53内
に流入するガス温度がガス発生剤の着火温度に達する
と、該下側燃焼室53内のガス発生剤55の燃焼が開始
される。尚、上側燃焼室52内の燃焼熱は、仕切部材5
4を介して下側燃焼室53に伝達されるので、この伝熱
によっても下側燃焼室53内の温度は上昇するが、主と
してフィルタ部材56を通して伝達される燃焼熱により
下側燃焼室53内のガス発生剤の着火が生じる。これに
より下側燃焼室53のガス発生剤55は、上側燃焼室5
2の着火から微小時間遅れて燃焼が開始され、下側燃焼
室53で発生したガスは、上側燃焼室52の清浄なガス
と共にエアバッグ内に放出される。この結果、エアバッ
グは、展開初期には、上側燃焼室52のみで発生した少
量のガスによって緩やかに膨張を開始し、所定時間経過
後、上下燃焼室52,53で発生した大量のガスにより
急速に膨張、展開する事になる。
【0059】この様に、ガス発生器X5によれば、上側
燃焼室52のガス発生剤55を点火器57により着火さ
せ、該燃焼室52発生したガスのみによって、エアバッ
グを緩やかに展開させ、その後、上側燃焼室52から伝
達される燃焼熱により下側燃焼室53のガス発生剤55
を着火させて、両燃焼室52,53で発生したガスによ
って急速にエアバッグを展開させるので、エアバッグの
2段階展開制御が容易に行える事になる。
【0060】又、ハウジング51の上下容器58,59
の構造を、図1〜図4に示すガス発生器X1〜X4の如
く2筒構造にする事なく、点火器57を筒部材66によ
ってハウジング51内に配置する構造としたので、ガス
発生器X5の構造は簡素化され、製造コストの低減に寄
与する事になる。特に、ハウジング51の上下容器5
8,59を単純な形状として、プレス加工で一体成形す
る様にすると、量産化が容易となり、一層のコストダウ
ンを図る事が可能となる。
【0061】更に、ハウジング51の軸方向に延びる筒
部材66内に点火器57を配置する構造にすると、点火
器57の火炎が内筒部69によりその軸方向に向けて導
く事ができるので、簡単な構成で、下側燃焼室53のガ
ス発生剤55に着火する事なく、エアバッグの展開初期
において、上側燃焼室52のガス発生剤55のみを着火
させる事が可能となる。
【0062】次に、図6に示すガス発生器X6は、図5
に示すガス発生器X5に対して、筒部材66の長さを短
くした点が異なり、図5と同一の符号は同一の部材を示
して重複説明を省略する。図6において、ハウジング5
1の下容器59に固定された筒部材66は、固定部68
と内筒部69とが一体形成されてもので、該内筒部69
はハウジング51の軸長さの略半分の長さを有して密閉
空間S内に突出している。仕切部材54は、円筒状フィ
ルタ部材56の内周面に圧入される円板形状とされてお
り、その軸中央に筒部材66の開口端を覆う蓋部81が
突出形成されている。そして、仕切部材54は、フィル
タ部材56の内周面に圧入され、蓋部81を内筒部69
の外周に嵌め込む事によって、燃焼空間S1をハウジン
グ51の軸方向に相互に隔絶された上下の各燃焼室5
2,53を画成している。尚、蓋部材81を、仕切部材
54に一体形成することなく、別体として構成しても良
い。この場合、仕切部材54をフィルタ部材56の内周
と筒部材66の外周に圧入して各燃焼室52,53を画
成し、蓋部材81で内筒部69の開口端を閉鎖して、点
火器57を各燃焼室52,53のガス発生剤55から隔
離する。
【0063】点火器57は、筒部材66内に挿入され
て、テーパー状の段部78にシール部材79を介して気
密に当接されて、カシメ部80でカシメ固定されてい
る。又、点火器57は、図示しない衝突センサに接続さ
れており、衝突センサからの衝突検出信号に基づいて点
火されて、蓋部81に形成された複数の火導孔81aか
ら伝火部57Bの着火による火炎を上側燃焼室52内に
噴出させる。この様に、ガス発生器X6によれば、図5
の場合と同様に、エアバッグを2段階に展開させる展開
制御を容易に行う事が可能となる。
【0064】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のガス発生器
では、隔絶された一方の燃焼室のガス発生剤のみを点火
器によって着火させた後、仕切部材やフィルタ部材から
伝達される燃焼熱によって、時間差をおいて他方の燃焼
室のガス発生剤を着火する様にしている事から、エアバ
ッグ展開初期には一方の燃焼室で発生したガスのみによ
ってエアバッグを緩やかに膨張、展開させ、その後、時
間差をもって着火した他方の燃焼室からのガスの追加に
よって急速にエアバッグを展開、膨張させる二段階展開
制御を容易且つ確実に行える事になる。従って、運転席
の乗員がステアリングホイールの近い部分に着座してい
たり、助手席乗員が座席前部に着座している様な場合
や、比較的低速での衝突の場合においても、乗員がエア
バッグの展開初期における急速膨張による異常な衝撃を
受ける事なく、安全にエアバッグ本来の機能を発揮させ
る事が可能となる。
【0065】又、ガス発生器の構成として、ハウジング
を内筒と外筒からなる2筒構造となし、外筒と内筒間に
圧入される仕切部材によって相互に隔絶された上下の燃
焼室に形成し、一方の燃焼室を点火器で燃焼させる構成
となす事により、相互に隔絶された一方の燃焼室のガス
発生剤の燃焼後に、仕切部材から伝達される燃焼熱によ
り時間差をもって他方の燃焼室のガス発生器を燃焼させ
る事ができ、エアバッグの展開制御を確実に行える。
【0066】又、この際に、仕切部材に断熱機能を有す
るクッション材を配置し且つこのクッション材の厚さや
材質を変える事によって上下燃焼室間の伝熱特性を調整
する事が可能となり、この調整によって、上下各燃焼室
の着火時間差を調整する事が可能となるので、容易に任
意の2段燃焼形態を実現する事が可能となる。
【0067】又、ガス発生器の他の構成として、フィル
タ部材を介した燃焼熱の伝達によって一方に燃焼室から
他方の燃焼室に伝熱着火を行う様になす構造や、両者を
併用した伝熱着火方式等に種々の伝熱着火方式の採用が
可能であり、この着火方式の選択により、種々のエアバ
ッグの2段展開形態の多様化が可能となる。
【0068】又、本発明は、1筒方式のハウジング構造
にも適用可能であるので、エアバッグの2段展開制御
を、簡単な構造のガス発生器で達成する事が可能とな
り、ガス発生器の高度化と共にコスト低減をも実現可能
としている。
【0069】更に、1つの点火器を用いた1つのガス発
生器によって、エアバッグの2段階展開制御が、容易且
つ確実に行える様になり、エアバッグ装置のコスト低減
と共に信頼性が一層向上する事が期待される。
【0070】更に、下側燃焼室に開口するガス放出孔
を、その軸中心が下蓋に形成されたサイドフランジの端
面より下側に位置させると、該ガス放出孔から放出され
る高温ガスは、フランジ筒部に衝突し、この衝突によっ
てガス中のスラグ捕集と冷却を行える事から、エアバッ
グの熱損傷を低減させる事ができる。
【0071】又、各燃焼室の燃焼開始の順序を、上側燃
焼室を燃焼させた後に、下側燃焼室を燃焼させる様にす
ると、下側燃焼室からの高温ガスは、既に上側燃焼室か
ら放出されて展開を開始しているエアバッグ中に放出さ
れる事になるので、下側燃焼室からの高温ガス流による
エアバッグの熱損傷が抑制され、エアバッグを安定して
膨張、展開させることが容易となる。
【0072】又、内筒材を、エクスパンディッドメタル
により成形すると、エクスパンディッドメタル自体に貫
通孔を連通させる機能があるので、ガス放出孔からエア
バッグに放出するガスを均圧化させるガス通過空間の機
能をも有しており、エクスパンディッドメタルとフィル
タ部材や外筒とを密着配置させる事が可能となって、該
エクスパンディッドメタルやフィルタ部材の配置が容易
となる利点がある。
【0073】更に、フィルタ部材を、メリヤス編み金網
或いはクリンプ織り線材の集合体によって成形すると、
安価に製造でき、ガスの通過や火炎を上側燃焼室から下
側燃焼室に向けて容易に伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施例のガス発生器の構成
を示す断面図である。
【図2】本発明における第2実施例のガス発生器の構成
を示す断面図である。
【図3】本発明における第3実施例のガス発生器の構成
を示す断面図である。
【図4】本発明における第4実施例のガス発生器の構成
を示す断面図である。
【図5】本発明における第5実施例のガス発生器の構成
を示す断面図である。
【図6】本発明における第6実施例のガス発生器の構成
を示す断面図である。
【図7】フィルタ部材を成形する部材を示す図であっ
て、(a)はメリヤス編み金網を示す拡大図、(b)は
クリンプ織り線材を示す拡大図、(c)は成形されたフ
ルタ部材を示す斜視図である。
【図8】内筒材を成形する部材を示す図であって、
(a)はエクスパンディングメタルの母材を示す図、
(b)は母材を引張した状態を示す図、(c)はエクス
パンディングメタルで成形した内筒材を示す斜視図であ
る。
【図9】図8に示すエクスパンディングメタルを引張状
態を示す断面図である。
【図10】燃焼によるハウジング内の圧力上昇と時間と
の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
X1〜X6 ガス発生器 1,51 ハウジング 2,52 上側燃焼室 3,53 下側燃焼室 4,54 仕切部材 5,55 ガス発生剤 6,56 フィルタ部材 7,57 点火器 8a,58a ガス放出孔 10,60 上蓋 11,61 外筒 12 内筒 12b,69a 導火孔 14,64 下蓋 15 フランジ筒部 16 サイドフランジ 21 クッション部材 30 内筒材 31a ガス通過孔 81 蓋部 S 密閉空間 S1 ガス通過空間 S2 燃焼空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 耕治 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内 (72)発明者 佐宗 高 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内 (72)発明者 黒岩 顕彦 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内 (72)発明者 宮本 典久 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス放出孔(8a,61a)を有する短
    円筒状の外筒(11,61)と、該外筒(11,61)
    の上下端部を閉塞する上蓋(10,14)と下蓋(1
    4,64)とで内部に密閉空間(S)を画成するハウン
    グ(1,51)を備えた短円筒状のガス発生器におい
    て、 前記密閉空間(S)内を、前記上蓋及び下蓋間にこれら
    と略平行に配置した仕切部材(4,54)によって、相
    互に隔絶された上側燃焼室(2,52)と下側燃焼室
    (3,53)の2室を形成し、 前記上側燃焼室(2,52)及び下側燃焼室(3,5
    3)内には、夫々ガス発生剤(5,55)を装填し、該
    ガス発生剤(5,55)の周囲には、これを囲繞する様
    にフィルタ部材(6,66)を配置してなり、 前記ハウジング(1,51)内に、一方の燃焼室(2,
    52)のガス発生剤(5,55)のみを燃焼させる点火
    器(7,57)を配置し、他方の燃焼室(3,53)内
    のガス発生剤は、前記一方の燃焼室(2,52)内のガ
    ス発生剤の燃焼による燃焼熱の伝達によって着火される
    様にしてなる事を特徴とするガス発生器
  2. 【請求項2】 前記ハウング(1)は、前記外筒(1
    1)内に同心円状に前記上蓋(10)に一体成形された
    円筒状の内筒(12)を有し、前記外筒(11)並びに
    内筒(12)と下蓋(14)との接合によって、環状の
    燃焼空間(S)を画成する二重円筒構造とされ、 前記内筒(12)には、前記上側燃焼室(2)又は下側
    燃焼室(3)のいずれか一方に開口する複数の導火孔
    (12b)を形成すると共に、その内部に前記点火器
    (7)を配置した事を特徴とする請求項1に記載のガス
    発生器
  3. 【請求項3】 前記仕切部材(4)は、前記外筒(1
    1)の内周と前記内筒(12)の外周との間に圧入され
    て、前記密閉空間(S)を相互に隔絶された前記上側燃
    焼室(2)と下側燃焼室(3)とに画成しており、 前記ガス放出孔(8a)を、前記上下側の各燃焼室
    (2,3)の夫々に開口する様に前記外筒(11)に形
    成すると共に、 前記上側燃焼室(2)及び下側燃焼室(3)内に、夫
    々、前記ガス発生剤(5)と、該ガス発生剤(5)を囲
    繞し且つ前記外筒(11)の内周面との間にガス通過空
    間(S1)を形成するフィルタ部材(6)とを配置し、 一方の燃焼室(2)内で発生した燃焼熱を、主として前
    記仕切部材(4)を介して他方の燃焼室(3)内に伝達
    し、該燃焼室(3)内のガス発生剤に着火する様にして
    なる事を特徴とする請求項2に記載のガス発生器
  4. 【請求項4】 前記仕切部材(4)は、前記外筒(1
    1)並びに内筒(12)の夫々に形成された段部(11
    a,12a)に当接して位置決めされている事を特徴と
    する請求項3に記載のガス発生器
  5. 【請求項5】 前記ハウジング(1)の密閉空間(S)
    は、複数のガス通過孔(30a)を有する内筒材(3
    0)によって、該内筒材(30)内側の燃焼空間(S
    2)と、その外側のガス通過空間(S1)とに画成され
    ており、 前記燃焼空間(S2)を、前記内筒材(30)の内周部
    と前記内筒(12)の外周部との間に圧入される前記仕
    切部材(4)によって、前記上側燃焼室(2)と下側燃
    焼室(3)とに画成すると共に、 前記上側燃焼室(2)及び下側燃焼室(3)内に、夫
    々、前記ガス発生剤(5)と、該ガス発生剤(5)を囲
    繞し且つ前記内筒材(30)に圧入されるフィルタ部材
    (6)とを配置し、 前記一方の燃焼室(2)内で発生した燃焼熱を、主とし
    て前記ガス通過空間(S1)及び他方の燃焼室(3)内
    に配置されたフィルタ部材(6)を介して該他方の燃焼
    室(3)内に伝達し、該燃焼室(3)内のガス発生剤に
    着火する様にしてなる事を特徴とする請求項2に記載の
    ガス発生器
  6. 【請求項6】 前記内筒材(30)内には、前記上下蓋
    (10,14)の間に延びるフィルタ部材(6)が圧入
    されており、 前記仕切部材(4)は、前記フィルタ部材(6)の内周
    部と前記内筒(12)の外周部との間に圧入されて、前
    記燃焼室(S2)を前記上側燃焼室(2)と下側燃焼室
    (3)とに画成し、 前記上側燃焼室(2)及び下側燃焼室(3)内に、夫
    々、前記ガス発生剤(5)が装填され、 前記一方の燃焼室(2)内で発生した燃焼熱を、主とし
    て前記フィルタ部材(6)を介して他方の燃焼室(3)
    に伝達し、該燃焼室(3)内のガス発生剤に着火する様
    にしてなる事を特徴とする請求項5に記載のガス発生器
  7. 【請求項7】 前記仕切部材(4)は、前記内筒(1
    2)に形成された段部(12a)に当接して位置決めさ
    れている事を特徴とする請求項5又は請求項6に記載の
    ガス発生器
  8. 【請求項8】 前記外筒(11)には、前記上下の各燃
    焼室(2,3)の夫々に対峙する様に前記ガス放出孔
    (8a)が形成されている事を特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載のガス発生器
  9. 【請求項9】 前記仕切部材(4)には、前記上側燃焼
    室(2)と下側燃焼室(3)の間で、前記ガス発生剤
    (5)の燃焼による燃焼熱の伝達を制御するクッション
    部材(21)が設けられている事を特徴とする請求項1
    乃至請求項8のいずれかに記載のガス発生器
  10. 【請求項10】 前記クッション部材(21)は、前記
    上下の各燃焼室(2,3)の少なくとも一方側から前記
    仕切部材(4)に当接して設けられている事を特徴とす
    る請求項9に記載のガス発生器
  11. 【請求項11】 前記下蓋(14)には、前記外筒(1
    1)を径外側から覆うフランジ筒部(15)と、該フラ
    ンジ筒部(15)の先端から径外方に折れ曲がるサイド
    フランジ(16)とが形成されている事を特徴とする請
    求項1乃至請求項10のいずれかに記載のガス発生器
  12. 【請求項12】 前記下側燃焼室(3)に開口するガス
    放出孔(8a)は、その軸中心を前記サイドフランジの
    端面より下側に位置されている事を特徴とする請求項1
    1に記載のガス発生器
  13. 【請求項13】 前記内筒材(30)は、複数のガス通
    過孔(30a)を有するエクスパンディッドメタルを円
    筒状に成形してなるものであり、該内筒材の外周面は前
    記外筒(11)に近接しており且つ内周面は前記フィル
    タ部材(6)に接しており、該エクスパンディッドメタ
    ルの円筒部が前記ガス通過空間を兼ねている事を特徴と
    する請求項5又は請求項6に記載のガス発生器
  14. 【請求項14】 前記ハウジング(58)は、前記外筒
    (61)と上蓋(60)とが一体成形されており、該外
    筒(61)と前記下蓋(64)との接合によって、内部
    に単一の密閉空間(S)を画成する構造とされ、 前記下蓋(64)に、前記上側燃焼室(52)又は下側
    燃焼室(53)のいずれか一方にのみ開口する筒部材
    (66)を配置し、 該筒部材(66)の内部に、前記点火器(57)を挿入
    してなるた事を特徴とする請求項1に記載のガス発生器
  15. 【請求項15】 前記ハウジング(1)の密閉空間
    (S)に、前記上蓋(60)と下蓋(64)との間の全
    長に亘って前記フィルタ部材(56)が配置されてお
    り、該フィルタ部材と前記外筒(61)との間にガス通
    過空間(S1)が形成され、前記フィルタ部材と前記筒
    部材(66)との間に燃焼空間(S2)が形成されてお
    り、 該燃焼空間(S2)を、前記フィルタ部材(56)の内
    周部と前記筒部材(66)の外周部との間に圧入される
    前記仕切部材(64)によって、前記上下の各焼室(5
    2,53)とに画成すると共に、 前記上側燃焼室(52)及び下側燃焼室(53)内に、
    夫々、前記ガス発生剤(55)を装填し、 前記上下の燃焼室(52,53)のいずれか一方の燃焼
    室(52)内のガス発生剤を前記点火器(57)によっ
    て着火し、発生した燃焼熱を、主として前記フィルタ部
    材(56)を介して他方の燃焼室(53)に伝達し、該
    燃焼室(53)内のガス発生剤に着火する様にしてなる
    事を特徴とする請求項14に記載のガス発生器
  16. 【請求項16】 前記筒部材(66)は、前記下側燃焼
    室(53)並びに仕切部材(64)を貫通して上側燃焼
    室(52)内に突出しており、 前記上側燃焼室(52)に開口する複数の導火孔(69
    a)を周面に有している事を特徴とする請求項14又は
    請求項15に記載のガス発生器
  17. 【請求項17】 前記筒部材(66)は、前記外筒(6
    1)の軸長さより短い長さを有して上側燃焼室(52)
    内に延びており、その開口端を前記上側燃焼室(52)
    に開口する複数の導火孔(81a)を有する蓋部(8
    1)により閉鎖されている事を特徴とする請求項16に
    記載のガス発生器
  18. 【請求項18】 前記仕切部材(54)は、前記筒部材
    (66)の開口端を閉鎖する蓋部(81)を有し、 該蓋部(81)には、前記上側燃焼室(52)に開口す
    る複数の導火孔(81a)が形成されている事を特徴と
    する請求項16に記載のガス発生器
  19. 【請求項19】 前記フィルタ部材(6,66)は、メ
    リヤス編み金網或いはクリンプ織り線材の集合体によっ
    て、円筒状に成形されている事を特徴とする請求項1乃
    至18のいずれかに記載のガス発生器
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