JPH10287197A - エアバック用ガス発生器 - Google Patents

エアバック用ガス発生器

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Publication number
JPH10287197A
JPH10287197A JP9097164A JP9716497A JPH10287197A JP H10287197 A JPH10287197 A JP H10287197A JP 9097164 A JP9097164 A JP 9097164A JP 9716497 A JP9716497 A JP 9716497A JP H10287197 A JPH10287197 A JP H10287197A
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JP
Japan
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lid
upper lid
lower lid
gas
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Application number
JP9097164A
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English (en)
Inventor
Takashi Saso
高 佐宗
Akihiko Kuroiwa
顕彦 黒岩
Norihisa Miyamoto
典久 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で低コストで製造できるガス発生
器であって、高温高圧のガスが発生しても、拘束条件の
ない上蓋を変形し易くして、ステアリングホイールに面
する下蓋は、変形し難い様に構成し、高温高圧に対する
耐久性を確保しつつ、ステアリングホイールの損傷を防
止した新規なガス発生器を提供する。 【解決手段】 エアバッグ側に位置する上蓋(1)と、
ステアリングホイール側に位置する下蓋(2)とが接合
されてハウジング(3)を形成し、該ハウジング内に、
中心側から、点火器(12)、ガス発生剤(6)及びフ
ィルタ(5)が順次収納されてなるエアバック用ガス発
生器において、前記下蓋(2)の曲げ強度を、前記上蓋
(1)の曲げ強度よりも大きくして、ガス発生器作動時
に、前記上蓋(1)の方を、前記下蓋(2)よりも変形
し易い構造としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の衝突事故
等による衝撃から乗員の安全を確保するためのエアバッ
ク装置に用いられるガス発生器に関するものであり、詳
しくは、発生ガスの高温高圧化に適応した運転席エアバ
ッグ用ガス発生器であって、成形の容易にして安価なガ
ス発生器を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の運転席エアバッグ用ガス発生器の
構造としては、図2に示されている様に、上蓋51と下
蓋52で形成される内部空間内に内筒53を有する、い
わゆる2筒型のガス発生器が代表的な構造である(登録
実用新案公報第3019917号参照)。この型のガス
発生器は、内筒53が上蓋1と一体に成形されており、
構造が複雑なため、アルミなど成形のし易い金属を用い
て、一般に鍛造法によって成形され、下蓋52と摩擦溶
接によって接合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】係る構造のガス発生器
においては、上蓋51及び下蓋52は、内部の高圧化に
対する変形を防ぐために、内筒53で上下蓋1,2を連
結して補強し、更に、応力集中が生じるコーナー部等は
厚肉化しており、これらが耐えられない様な高圧が生じ
た場合には、上蓋と下蓋が共に変形する。この際、上蓋
51が多少変形しても、該上蓋51は、エアバッグ内に
挿入されているので、爆裂飛散しない限りは問題ない
が、下蓋52は、リテーナを介してステアリングホイー
ルに装着されているので、その変形が大きいと、ステア
リングホイール自体にに損傷を与えるおそれがある。特
に、含窒素有機化合物系の非アジ化系ガス発生剤の場合
には、従来のアジ化系ガス発生剤に比べて、発生ガスは
高圧高温化しやすいため、外殻部材である上蓋と下蓋の
変形を防ごうとすると、板厚が厚くなり、製造上の加工
性が問題となる。そこで、板厚を破損しない程度にでき
るだけ薄くして、塑性変形の領域内で耐えうる様にした
ほうがコスト上有利である。しかしながら、ステアリン
グホイールに面する側が大きく変形すると、上記のとお
り、ステアリングホイール自体に損傷を与えるおそれが
あるので好ましくない。
【0004】本発明は、前述の問題に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、構造が簡単で、
低コストで製造できるガス発生器であって、高温高圧の
ガスが発生しても、拘束条件のない上蓋を変形し易くし
て、ステアリングホイールに面する下蓋は、変形し難い
様に構成し、高温高圧に対する耐久性を確保しつつステ
アリングホイールの損傷を防止した新規なガス発生器を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、上蓋と下蓋とが接合されてなる
ハウジング内に、中心側から、点火器,ガス発生剤及び
フィルタが順次収納されてなるエアバック用ガス発生器
であって、前記下蓋の曲げ強度を、前記上蓋の曲げ強度
よりも大きくして、ガス発生器作動時に、前記上蓋の方
を下蓋よりも変形し易い構造とした点に特徴を有してい
る。
【0006】前記下蓋の曲げ強度を大きくする手段とし
ては、下蓋と上蓋との材質が同一の場合には、下蓋の板
厚を上蓋の板厚よりも厚くする方式が一般的に採用され
る。又、前記下蓋と上蓋の材質の異同に係わらず、前記
下蓋の降伏強度を上蓋のそれよりも大きくする方式もあ
る。下蓋の上蓋に対する曲げ強度比は、1.5〜2.0
の範囲が好ましく、これ以下では下蓋の変形も生じ易く
なり、又、これ以上では、不必要に下蓋が厚肉化する事
になり、ガス発生器の重量が大きくなる事が予想され
る。これにより、発生ガスが高圧化しても、上蓋のみを
変形させ下蓋の変形量を小さくしてステアリングホイー
ルへの影響を防止する事が可能となる。
【0007】このハウジングの成形に当たっては、前記
上蓋を、円形の天板と該天板の外周縁部から延びる側筒
とからなる有底円筒形状となし、該側筒の開放端と下蓋
の底板とを摩擦圧接してハウジングを形成する。又、ハ
ウジング内には、内側面にフィルタを保持させた多数の
開孔を有する多孔板円筒を配置しており、前記多孔板円
筒の下蓋側近傍には開孔を形成せず、これにより、摩擦
圧接時に発生する火花や高温ガスが、フィルタ内に収納
されているガス発生剤に悪影響を与えない様に工夫され
ている。
【0008】又、該ハウジング内の構造としては、前記
フィルタの上部内周面と上蓋の裏面に接する様な薄板状
の環状上押さえ部材を配置し、これによって、上蓋変形
時にも、ガスがフィルタ上部から漏洩流出するのを防止
する様に構成している。同時に、前記フィルタの下部内
周面と下蓋の裏面に近接する様な薄板状の環状下押さえ
部材を配置し、これによってフィルタの上下端部がシー
ルされたガス発生剤装填空間を形成している。
【0009】更に、前記下蓋の底板の中央に開口部を形
成し、該開口部に点火器ホルダが固着されて点火器がか
しめ固定される様に構成したもの、或いは、点火器ホル
ダを挿着する有底円筒部材を用いて、点火器及び伝火薬
をハウジング内に装着するもの等の種々の実施形態があ
る。
【0010】又、本発明では、前記上蓋,下蓋,有底円
筒部材からなるハウジング構成部材を、ステンレス等の
耐熱鋼板のプレス加工によって成形する事により、容易
に且つ安価に部品製造が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るガス発生器の
実施の形態を、図1に基づいて説明する。図1におい
て、本発明のガス発生器は、上蓋1と下蓋2を接合して
なるハウジング3内に、中心側から順次、点火器12,
伝火剤15,ガス発生剤6,フィルタ5及び多孔板円筒
20が配設されている。伝火剤15は有底円筒部材13
に両面接着テープ14で貼着されて取り付けられ、有底
円筒部材13は、点火器ホルダ11に嵌合され、該点火
器ホルダ11は点火器12を保持している。又、フィル
タ5の内側の上下には押さえ部材7,9が配置され、夫
々クッション材8,10を介してガス発生剤6が収納さ
れている。そして、従来のガス発生器に示されている様
な、上蓋1と下蓋2とを中央で接合する内筒は存在して
いない。
【0012】係るガス発生器は、図示されていないが、
下蓋2はステアリングホイール側に面して取り付けら
れ、又、上蓋1はエアバッグ内に挿入して取り付けられ
る。そこで、一般には、前記上蓋1と下蓋2との材質は
同一のもの(例えばステンレス鋼板)が用いられるの
で、下蓋2の板厚t2を上蓋1の板厚t1よりも厚くす
る事により、両部材の曲げ強度に差を付け、高圧ガスの
発生によってハウジングが変形を起こす様な高い圧力を
受けた場合には、拘束条件のない上蓋を変形させる様に
して下蓋の変形を防いでいる点に本発明の特徴がある。
即ち、従来のガス発生器の様に、中央に上蓋1と下蓋2
とを接合する内筒が存在しないので、ハウジング3は、
内圧に対して膨らみ易い構造となっているが、この膨ら
み(変形)を阻止するのではなく、許容すると共に、変
形方向を、安全な方向に規制している点に、本発明の特
徴が存在する。
【0013】上記上蓋1と下蓋2との両部材の曲げ強度
の差は、具体的には、上蓋に対する下蓋の曲げ強度の比
で、1.5倍以上とする事が好ましい。1.5以下であ
ると上蓋1の変形と共に下蓋2も変形する場合が生じ、
ステアリングホイールを損傷する可能性が生じる。しか
しながら、下蓋2の強度が高過ぎるのも問題であり、好
ましくは、上記比率で2以下とするのが好ましい。即
ち、2を超えると、下蓋2の肉厚t2が厚くなり過ぎ
て、下蓋2の加工成形が困難になって製造上の問題が生
じ、また、重量的に重くなりすぎるからである。この意
味から、上蓋に対する下蓋の曲げ強度の比は、1.5〜
2.0の範囲が好ましいと言える。
【0014】又、上蓋,下蓋共に、ステンレス鋼板等の
同一材料で形成される場合には、下蓋2の板厚t2の上
蓋1の板厚t1に対する比は、上記強度上の観点を反映
して1.51/2 〜21/2 の範囲とするのが好ましい。こ
の場合にも、1.51/2 以下であると、上蓋1の変形と
共に下蓋2も変形する場合が生じ、ステアリングホイー
ルを損傷する可能性が生じる。一方、21/2 を超える
と、下蓋2の肉厚t2が厚くなり過ぎて、下蓋2の加工
成形が困難になって製造上の問題が生じ、また重量的に
も重くなりすぎるからである。この意味から、上蓋に対
する下蓋の板厚比は、1.51/2 〜21/2 の範囲が好ま
しいと言える。
【0015】前記上蓋1は、円形の天板1aと、この天
板1aの外周縁から垂直に延設された側筒1bとで、一
端が閉鎖された有底円筒形状に成形されており、側筒1
bと天板1aの厚さt1は均一にされている。従って、
上蓋1は、耐熱鋼板例えばステンレス鋼の薄鋼板をプレ
ス加工して容易に成形できる。特に、ステンレスの薄鋼
板を用いると、高い耐熱性と、高い耐圧性とを同時に有
する上蓋1を容易に得る事が可能である。
【0016】前記側筒1bの開口端1cは、下蓋2の下
板2aに接触し、摩擦圧接の際の接合面となる。又、側
筒1bの周面には、エアバック(図示せず)に通じる複
数のガス放出孔17が形成されている。各ガス放出孔1
7は、側筒1bの内周に貼着された薄板筒状のバースト
プレート18で閉塞されている。このバーストプレート
18は、防湿とガス発生剤燃焼時の内圧調整即ち燃焼速
度調整の役割を果たすものであり、アルミ箔が一般に使
用される。
【0017】前記下蓋2は、上蓋1の側筒1bより大径
のフランジ筒2bと、このフランジ筒2bの一端を閉塞
する下板2aと、フランジ筒2bの開口端から径外方に
折れ曲がるフランジ2cとで形成された有底円筒形状体
である。フランジ2cは、エアバッグモジュール(図示
せず)にガス発生器を装着する際に、該モジュールのリ
テーナにエアバッグと共に固着され、該リテーナは、ス
テアリングホイールに固着される様になっている。又、
このフランジ筒2bによって、突き合わせ面1cで発生
するバリの外部への露出を防ぐことができる。下板2a
とフランジ筒2bとフランジ2cとの厚さt2は、ガス
発生剤6の燃焼による高温高圧のガスの圧力と熱とに耐
えて変形しにくい様な厚さのものが用いられる。この下
蓋2は、ステンレス鋼板等の薄鋼板をプレス加工して簡
単に成形できるので、強度の確保と製造コストの低減を
図れる。特に、ステンレスの薄鋼板を用いると、高い耐
熱性と高い耐圧性能を有する下蓋2を得られる。
【0018】前記下板2aの中央には、開口部2dが形
成されており、該開口部2d内には点火器ホルダ11が
溶接等の方法により固着されている。
【0019】前記フィルタ5は、メリヤス織り金網を筒
状に圧縮成形したもの或いは金網を積層して焼結したも
の等が使用されるが、ガス発生剤6の燃焼により発生す
る高温ガスの冷却とスラグ補集を行うものである。又、
フィルタ5の外側を包囲する様に配置された多孔板円板
20は、多数の開孔21を有するもので、前記フィルタ
5と一体化され、フィルタ5のハウジング内への装着を
容易にしている。又、前記開孔21は、多孔板円筒の上
側を中心に配置されており、下蓋2側となる下側20a
には設けられていない。これは、摩擦圧接時に発生する
火花や高温ガスが、フィルタ5内に飛び込んだり、ガス
発生剤6を加熱して悪影響を与えるのを防止するための
配慮である。
【0020】前記ガス発生剤6は、各種燃料成分と、こ
れを燃焼させる酸化剤とを主成分とするもので、従来
は、アジ化ソーダを燃料とするアジ化系ガス発生剤が使
用されているが、近年は、アジ化系ガス発生剤の有害性
に鑑み、窒素を含有する有機化合物を燃料とし、これに
適宜の酸化剤を配合した非アジ化系ガス発生剤が使用さ
れ始めている。この非アジ化系ガス発生剤の場合には、
アジ化系ガス発生剤に比べて高温高圧の燃焼ガスを発し
やすいので、ガス発生器の耐熱耐圧性能は、高いものが
要求される。従来のアルミ製ハウジングをそのまま使用
した場合には、この高温高圧ガスによって、ハウジング
は大きく変形し、ステアリングホイールに面して配置さ
れている下蓋部は、ステアリングホイールに衝撃力を与
えてステアリングホイールを変形する場合があるが、本
発明のガス発生器では、係る非アジ化系ガス発生剤を用
いても、係る心配は不要となるので、安全で、ガス化率
の高い非アジ化系ガス発生剤の適用も容易となる。
【0021】次に、環状上押さえ部材7は、フィルタ5
の上端内周に沿った筒状部7aと、天板1aの裏面に沿
った環状円板部7bとを有する断面L字型の環状部材で
あって、フィルタ5の上端と天板1a裏面との間から、
スラグを含むガスが流出するのを防止するものである。
従って、筒状部7a及び円板部7bは、フィルタ5の上
端内周面と天板1aの裏面に圧接触する様な弾性力を有
していることが好ましい。この観点から、環状上押さえ
部材7は、フィルタ5の上端内周面に圧入されて配置さ
れる様になっている。又、発生ガスの高圧力によって、
上蓋1が変形した場合でも、変形に追随してフィルタ5
の内周面を摺動しつつ、上蓋1の裏面に向けて移動或い
は変形し得る様に、低剛性で付勢力を有している部材で
あることが好ましい。
【0022】上クッション部材8は、セラミックスファ
イバー等の振動を吸収する弾性部材で成形され、前記環
状上押さえ部材7の筒状部7aと有底円筒部材13の間
に圧入され、ガス発生器が車載された後の車体から受け
る振動により、ガス発生剤が粉化してガス発生剤の燃焼
特性が変化するのを防止している。
【0023】前記環状下押さえ部材9は、その内外周に
設けられた板バネ部9a、9cを曲げる様にしてフィル
タ5の内周面と点火器ホルダ11の外周面との間に圧入
されて保持されている。図1においては、円板部9bと
下蓋2の下板2aとが接している様に記載されている
が、摩擦圧接時の回転抵抗を考慮すると、両者は、近接
するも接触しない様な位置関係とされるのが好ましい。
【0024】前記下クッション材10は、環状下押さえ
部材9の板バネ部9aと9cの間に配置されてガス発生
剤6を振動から保護するもので、前記上クッション材
と、材質,機能は同一である。
【0025】前記点火器ホルダ11は、円筒状の胴部1
1aと、下板2aの開口部2dに挿嵌される嵌合部11
bと、かしめ部11cからなり、下板2aに溶接等の方
法で固着される。胴部11aの内周側には、前記環状下
押さえ部材9が固定され、胴部11aの上端のかしめ部
11cの外周には、有底円筒部材13の開放端13c側
が嵌合されて有底円筒部材13を支持している。かしめ
部11cの内側には、点火器12が固定される。
【0026】点火器12は、この下端に形成される傾斜
面と、点火器ホルダ11の内周に形成された段差との間
にOリングなどのシール材19を挿入して、かしめ部1
1cを内側に折り曲げることで、かしめ固定されてい
る。このシール材19と前述した側筒1bの内周の設け
られたバーストプレート18によって、ハウジング3内
は密封され、伝火剤15、ガス発生剤6などの防湿が図
られている。
【0027】有底円筒部材13は、底部13aと、側筒
部13bからなる一方が開放された有底円筒形状をして
おり、ステンレスなどの薄肉板をプレス成形することに
よって容易に形成される。有底円筒部材13の開放端1
cは、点火器ホルダ11の胴部11a上端に接し、該点
火器ホルダ11のかしめ部11cの外周に圧入されて固
定される。底部13aには両面粘着シート14を介して
伝火剤15が取り付けられ、側筒部13bには伝火孔1
6が設けられている。伝火剤15から発せられた炎は伝
火孔2を通ってガス発生剤6に至り、ガス発生剤6を着
火する。
【0028】次に、本実施形態におけるガス発生器の動
作を図1に基づいて説明する。衝突検知装置が衝突を検
知し、その検知信号によって点火器12が点火される
と、発生た火炎は、上部の伝火薬15を点火して火炎を
拡大させる。この拡大された火炎は、伝火孔16を通っ
てガス発生剤6を燃焼させ、多量のガスを瞬時に発生さ
せる。ガス発生剤6が燃焼して、順次高温のガスが発生
していくと、バーストプレート18で調整された所定圧
力までハウジング3内が昇圧され、ついに該バーストプ
レート18は破裂して、高温高圧ガスは、フィルタ5を
通過し、この間に冷却され且つ含有スラグは除去されて
清浄なガスとなって多孔板円筒20の細孔21を通って
側筒1bの内側に形成されているガス空間22に入って
均圧化されてガス放出孔17から、エアバッグ(図示せ
ず)内に噴出してエアバッグを展開させる。このとき、
ガス発生剤が、非アジ化系ガス発生剤の場合には、高温
高圧のガスが発生するので、ガス発生器は高い内圧によ
って外方向に変形力を受けるが、ステンレス等の耐熱鋼
板を外殻部材1,2として用いていれば、多少の膨らみ
(変形)で、この内圧に耐える事が可能である。しかし
ながら、初期燃焼温度が高い場合には、更に高い圧力が
発生するので、ハウジングは一層変形し易くなるが、こ
の場合には、上蓋1が優先的に変形して変形力を吸収す
るので、下蓋2は殆ど変形する事がない。この結果、下
蓋2に面したステアリングホイールは、何等損傷を受け
る事はない。又、上蓋1が変形した場合でも、前記環状
上押さえ部材7によって、フィルタ5の上端と上蓋1の
間はシールされているので、この部分からガスが漏洩す
るのは最小限に抑制され、大量のスラグを含んだガス
が、エアバッグ内に流入する事は防止されている。
【0029】
【発明の効果】前述した通り、本発明におけるガス発生
器のハウジング構造では、中央部で上蓋と下蓋とを連結
保持する内筒が存在しないので、ハウジング自体は内圧
に対して変形し易い構造となっているが、上蓋1の曲げ
強度を下蓋2の曲げ強度よりも小さくする事によって、
下蓋の変形を阻止するも上蓋の変形を許容する様にして
いるので、内圧によってハウジングに変形が生じても、
下蓋側のステアリングホイールは何等損傷を受ける事が
ない。従って、衝突事故によりエアバッグが展開して
も、エアバッグモジュールの交換だけで済み、ステアリ
ングホイールの交換は不要となるので、エアバッグ装置
の交換費用を安価に抑える事が可能となる。
【0030】又、本発明のガス発生器では、非アジ化系
ガス発生剤の様に、高圧ガスを発生する場合において
も、この高圧に対抗してハウジングの変形を阻止する方
向で対応するのではなく、変形を許容する方向で対応し
ているので、ハウジングの肉厚は薄くできる結果、ガス
発生器の小型化,軽量化が促進される。同時に、高温高
圧ガスを発生する非アジ化系ガス発生剤の適用が容易と
なり、安全性の高いガス発生器の提供を促進する事がで
きる。
【0031】又、ハウジングを構成する上蓋1及び下蓋
2の形状は、極めて単純な形状をしているので、ステン
レス鋼板等の耐熱鋼板のプレス形成によって容易に成形
できる結果、ガス発生器の製作工程が簡略化され、ガス
発生器のコスト低減も可能となる。
【0032】又、点火器12と伝火薬15とを保持する
有底円筒部材13,上下の環状抑え部材7,9等のハウ
ジング内に配備される部品も、単純な形状としているの
で、ハウジング部材と同様に、ステンレス鋼板等の耐熱
鋼板のプレス形成によって容易に成形でき、この結果、
ガス発生器の製作工程が簡略化と、一層のコスト逓減も
可能となる。
【0033】又、上蓋1の変形を許容する一方では、環
状上押さえ部材7をフィルタ5の上端部内側に圧入して
いるので、上蓋変形時に生じる事が予想される上蓋1と
フィルタ5の上端との隙間が、該環状上押さえ部材7が
内圧によって上蓋と共に異同する結果、該フィルタ上端
部からのガス漏出も最小限に抑えられ、エアバッグ中に
有害なスラグを含んだガスが放出される事は最小限に抑
制される事になる。
【0034】又、点火器ホルダ12は、下蓋2の開孔部
2d内に挿入して保持され様になっているので、点火器
の保持固定も簡略化され、ガス発生器の組み立ても容易
となって、ガス発生器製作コストの逓減が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス発生器の一実施例の断面説明図で
ある。
【図2】従来のガス発生器の断面図である。
【符号の説明】
1 上蓋 1a 天板 1b 側筒 1c 開放端 2 下蓋 2a 底板 3 ハウジング 5 フィルタ 6 ガス発生剤 7 環状上押さえ部材 9 環状下押さえ部材 11 点火器ホルダ 12 点火器 13 有底円筒部材 15 伝火薬 20 多孔板円筒
フロントページの続き (72)発明者 黒岩 顕彦 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内 (72)発明者 宮本 典久 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグ側に位置する上蓋(1)と、
    ステアリングホイール側に位置する下蓋(2)とが接合
    されてハウジング(3)を形成し、該ハウジング内に、
    中心側から、点火器(12)、ガス発生剤(6)及びフ
    ィルタ(5)が順次収納されてなるエアバック用ガス発
    生器において、 前記下蓋(2)の曲げ強度を、前記上蓋(1)の曲げ強
    度よりも大きくして、ガス発生器作動時に、前記上蓋
    (1)の方を、前記下蓋(2)よりも変形し易い構造と
    したことを特徴とするエアバッグ用ガス発生器。
  2. 【請求項2】 前記下蓋(2)と上蓋(1)の曲げ強度
    比が、1.5〜2の範囲である請求項1に記載のエアバ
    ッグ用ガス発生器。
  3. 【請求項3】 前記下蓋(2)と上蓋(1)との材質が
    同一であり、下蓋(2)の板厚(t2)を、上蓋(1)
    の板厚(t1)よりも厚くしてなる請求項1又は2に記
    載のエアバッグ用ガス発生器。
  4. 【請求項4】 前記下蓋(2)の上蓋(1)に対する板
    厚比が、1.51/2〜21/2 である請求項3に記載のエ
    アバッグ用ガス発生器。
  5. 【請求項5】 前記下蓋(2)の降伏強度を、上蓋
    (1)のそれよりも大きくしてなる請求項1又は2に記
    載のエアバッグ用ガス発生器。
  6. 【請求項6】 前記上蓋(1)は、円形の天板(1a)
    と該天板(1a)の外周縁部から延びる側筒(1b)と
    からなる有底円筒形状をしており、該側筒(1b)と前
    記フィルタ(5)の間に多数の開孔(21)を有する多
    孔板円筒(20)を配置し、前記側筒(1b)の開放端
    (1c)と前記下蓋(2)の底板(2a)とを摩擦圧接
    してハウジング(3)を形成し、前記多孔板円筒(2
    0)の前記下蓋(2)近傍部(20a)には、前記開孔
    (21)が形成されていないものである請求項1乃至5
    のいずれかに記載のエアバック用ガス発生器。
  7. 【請求項7】 前記フィルタ(5)の上部内周面と上蓋
    (1)の裏面に接する様に薄板状の環状上押さえ部材
    (7)を配置し、上蓋(1)が変形しても、前記フィル
    タ上部からガスが流出しない様にしてなる請求項1乃至
    6のいずれかに記載のエアバック用ガス発生器。
  8. 【請求項8】 前記下蓋(2)の底板(2a)の中央に
    開口部(2d)が形成され、該開口部(2d)内に円筒
    状の点火器ホルダ(11)が固着され、該ホルダ(1
    1)に点火器(12)が取付け保持されており、前記フ
    ィルタ(5)の下部内周面と前記点火器ホルダ(11)
    の外周面とで、前記底板(2a)に近接して配置された
    薄板状の環状下押さえ部材(9)を支持する様に構成し
    てなる請求項1乃至7のいずれかに記載のエアバック用
    ガス発生器。
  9. 【請求項9】 底部(13a)と、これに連設する側筒
    部(13c)とからなる有底円筒部材(13)内の前記
    底部(13a)に伝火薬(15)を配設し、その開放端
    (13c)に前記点火器ホルダ(11)を嵌合し、これ
    を、前記下蓋(2)の開口部(2d)に挿入固定してな
    る請求項8に記載のエアバック用ガス発生器。
  10. 【請求項10】 前記有底円筒部材(13)が、ステン
    レス鋼板のプレス成形によって形成されたものである請
    求項9に記載のエアバック用ガス発生器。
  11. 【請求項11】 前記上蓋(1)及び下蓋(2)が、ス
    テンレス鋼板のプレス成形によって形成されたものであ
    る請求項1乃至10のいずれかに記載のエアバッグ用ガ
    ス発生器。
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