JPH1178765A - エアバッグ用ガス発生器 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器

Info

Publication number
JPH1178765A
JPH1178765A JP9238775A JP23877597A JPH1178765A JP H1178765 A JPH1178765 A JP H1178765A JP 9238775 A JP9238775 A JP 9238775A JP 23877597 A JP23877597 A JP 23877597A JP H1178765 A JPH1178765 A JP H1178765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas generator
gas
heat
generating agent
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9238775A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kanda
神田  剛
Koji Tanaka
耕治 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd, Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP9238775A priority Critical patent/JPH1178765A/ja
Publication of JPH1178765A publication Critical patent/JPH1178765A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 非アジ化系の有機化合物系ガス発生剤に最適
なガス発生器であって、耐熱性,耐圧性に優れ、小型・
軽量で、安全で安価なガス発生器を提供する。 【解決手段】 天盤部1aと、多数のガス放出孔1cが
形成されてなる側筒部1bとからなる上蓋1と、側筒部
1bに溶接固定され且つ側筒部と同心の筒状部2aと、
同心筒状部のフランジ部2bとからなる耐熱金属板のプ
レス加工により成形されたホルダ部材2と、底盤部3a
と、側筒部3bとからなる耐熱金属板のプレス加工によ
り成形された下蓋3とを有し、上蓋の側筒部の端面と下
蓋の底盤部とを摩擦圧接して上下蓋を固定することによ
って、内部に単一空間を有するハウジング4を形成し、
ハウジング内には、その中心部から順次、点火器7,ガ
ス発生剤12及びフィルタ部材9を配置してなる構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の衝突事故
等による衝撃から乗員を保護するためのエアバッグ装置
に用いられるガス発生器に関し、特に非アジ化系ガス発
生剤である有機化合物系ガス発生剤の適用に好適な、耐
熱性,耐圧性に優れた小型軽量のガス発生器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から汎用されているガス発生器の代
表的なものとしては、図3に示すように、上蓋31と下
蓋32とが摩擦圧接(35,36)により接合されてハ
ウジング33が形成され、その内部空間内には内筒34
が配置されたいわゆる2筒型のガス発生器が知られてい
る(登録実用新案公報第3019917号参照)。具体
的には、上蓋31は内筒34が一体的に成形された有蓋
二重管構造であり、下蓋32側には、摩擦圧接時のバリ
の形成を阻害することなく点火器39を固定できるよう
に、内筒34の摩擦圧接部35の内周側に環状空間41
を有する点火器取付部40が設けられている。
【0003】この様に複雑な形状構造を確保するため
に、ハウジング部材としては、成形性の良いアルミニウ
ム合金が使用されている。一方、ガス発生剤37として
は、主としてアジ化ソーダ等のアジ化金属化合物が使用
されている。これは、燃焼制御がし易いというアジ化金
属化合物特有の利点に着目したものであるが、その一方
では、湿気があると有害なガスが生じ易いという欠点を
も有しており、特に環境性や安全性に対する要請が一層
高まりつつある今日では、ガス発生剤もこれに対応すべ
く非アジ化系もの、即ちテトラゾール系化合物,トリア
ゾール系化合物,グアニジン系化合物或いは各種アミド
系化合物等の窒素含有有機化合物を主成分とするガス発
生剤(有機化合物系ガス発生剤)を採用する傾向にあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、係る有機化
合物系ガス発生剤の場合には、アジ化系ガス発生剤に比
べて燃焼時の温度,圧力がより上昇し易い特性を有して
いる。このため、適用可能な有機化合物系ガス発生剤の
種類も限られ、広く有機化合物系ガス発生剤を使用しよ
うとしても、従来のアルミ合金製ガス発生器では、耐熱
性,耐圧性の点で限界があった。
【0005】又、図3に示すアルミ合金製ガス発生器で
は、上蓋31の成形後に、内筒34に複数の伝火孔34
aを設けることになるが、内側に存在する内筒34に小
径の貫通孔を複数設けることは容易ではなく、又、下蓋
32においても、複雑な形状の点火器取付部40を形成
する必要がある。更に、アルミ合金製ゆえにその耐圧性
を考慮して、上蓋31や下蓋32の応力集中部分ほど厚
肉に形成されるが、この場合の肉厚を部分的に変えるこ
とも手間の掛かる作業であった。
【0006】この様に、図3に示すアルミ合金製のガス
発生器の製作には、多くの工数と煩雑な作業が必要とな
り、加えて、上蓋31や下蓋32の基本形状は鍛造によ
り付与されているが、この成形法もコスト面でマイナス
要因となっている。更に、ハウジング33の基本構造が
2筒式であることも、小型化,軽量化のマイナス要因と
なっている。
【0007】更に、図3に示すアルミ合金製ガス発生器
については、エアバッグ展開時の安全性も懸念されてい
た。これは、ガス発生器を車体に固定するフランジ部3
2aが下蓋32に形成されており、摩擦圧接部35,3
6に不良があり、エアバッグ展開時に該摩擦圧接部が破
断した場合には、車体側の下蓋32は固定されているの
で上蓋31が乗員に向かって飛散する虞れがある。
【0008】本発明は、上述の諸問題を一挙に解決すべ
くなされたものであり、具体的には有機化合物系ガス発
生剤に好適なガス発生器であって、耐熱性,耐圧性に優
れ、小型・軽量で且つ一層安全で安価なガス発生器を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、その特徴とする処は、天
盤部と、その全周縁から下方に延設され且つ多数のガス
放出孔が形成されてなる側筒部とからなる耐熱金属板の
プレス加工により成形された上蓋と、該上蓋の前記側筒
部の下方外周部に溶接固定され且つ該側筒部と同心の筒
状部と、該同心筒状部の上端部に水平外向きに延設され
たフランジ部とからなる耐熱金属板のプレス加工により
成形されたホルダ部材と、底盤部と、その全周縁から前
記ホルダ部材の筒状部を囲む様に上方に延設された側筒
部とからなる耐熱金属板のプレス加工により成形された
下蓋とを有し、前記上蓋の側筒部の端面と前記下蓋の底
盤部とを摩擦圧接して前記上下蓋を固定することによっ
て、内部に単一空間を有するハウジングを形成し、該ハ
ウジング内には、その中心部から、点火装置、ガス発生
剤及びフィルタ部材が、順次配置されてなるものであ
る。
【0010】これにより、均一な肉厚の1枚の耐熱性金
属板からプレス加工のみによって、上蓋及び下蓋が形成
され、しかもハウジング構造は、内部が単一空間となる
1筒式であるため、従来のアルミ合金製ガス発生器では
構造上必須であった内筒そのものが不要になると共に、
内筒への伝火孔の形成作業も不要となる。従って、小
型,軽量化及びコスト低減の実現が可能となる。又、耐
熱性金属板としては、板厚の最適なものを選定するだけ
で容易に耐圧性を付与させることができるので、燃焼時
の内圧が高圧となり易い有機化合物系ガス発生剤につい
て適用が容易となる。
【0011】更に、前記ホルダ部材の筒状部を、上蓋の
側筒部の下方外周部に溶接固定することにより、該側筒
部の外方向への変形に対する剛性(外方変形耐性)が強
化された構成となるので、このため、ガス発生器の作動
時に内圧によって生じる変形が、ハウジングの摩擦圧接
部に影響を及ぼす事がなくなり、強度上安全であるのみ
ならず、上蓋が摩擦圧接部から外れて乗員側に吹き飛ぶ
おそれも全くない。
【0012】又、下蓋の底盤部に凹部を形成し、前記フ
ィルタ部材を圧入保持させる様にしておけば、ハウジン
グ内にフィルタ部材を位置決めするための規制部材が不
要となり、それに伴い規制部材の取付作業も省略でき、
製作コストの低減化を一層促進することができる。
【0013】尚、前記耐熱性金属板としてはステンレス
鋼板が最も代表的であり、このプレス加工の過程で、上
蓋のガス放出孔の打ち抜きも行えるので、従来のアルミ
合金に比べて安価な材料を用いることと相まって、この
点からも製造コストの低減が期待できる。
【0014】又、下蓋よりも上蓋の耐熱性金属板の板厚
を薄めにしておくと、ガス発生時の内圧によるガス発生
器の変形が上蓋に生じ易くなるが、ガス発生時には、エ
アバッグは上蓋をスッポリ覆い込む様に膨らむので、上
蓋は下蓋に比べて変形に対する許容量が遙かに大きい。
従って軽量化と材料費節減のために上蓋が破損に至らな
い程度に薄肉化し、その結果として、相当の変形が上蓋
に生じても、上記のホルダ部材の補強作用と相まってエ
アバッグの展開を何ら支障なく安全に行うことができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガス発生器の
実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発
明のガス発生器の一例の全体構成を示す模式断面図であ
る。同図において、ガス発生器G1は、上蓋1と下蓋3
とが摩擦圧接され、内部に仕切り壁のない空洞を有する
いわゆる1筒式のハウジング構造をしている。より詳し
くは、上蓋1は、天盤部1aと側筒部1bとからなる有
底円筒状部材であり、側筒部1bには複数のガス放出孔
1cが設けられると共に、その下方外周部には、同心円
の筒状部2aとその上端部が水平外向きに延設されるフ
ランジ部2bとを有してなるホルダ部材2が溶接固定さ
れている。この上蓋1及びホルダ部材2は、いずれもス
テンレス鋼板をプレス成形によって得たものである。
【0016】一方、下蓋3は、底盤部3aと、その全周
縁からホルダ部材2の筒部2aを囲むように上方に延設
された側筒部3bとからなる有底円筒状部材であり、底
盤部3aの中央には後述の点火器を取り付けるための開
口3cが設けられている。この下蓋3も、ステンレス鋼
板をプレス成形によって得たものである。これら上蓋1
の側筒部1bの下端面と下蓋3の底盤部3aとが摩擦圧
接されてハウジング4が形成されている。かくしてホル
ダ部材2は、フランジ部2bを、エアバッグモジュール
のリテーナにボルト・ナット締結することによってガス
発生器をエアバッグモジュールに取り付ける様になすと
共に、エアバッグ展開時には、ガス発生器に作用する下
向き外力を、該ホルダ部材2全体で受ける構成となって
いる。
【0017】上蓋1、ホルダ部材2及び下蓋3の材質
は、鋼とりわけステンレス鋼が望ましい。又、板厚を、
上蓋1よりも下蓋2側で厚くしておくと、ガス発生器G
1の作動時の内圧上昇による変形が上蓋1で起こり易く
下蓋2で起こり難くなる。この結果、ガス発生器G1が
作動した場合に、ハウジング4に生じる変形が、元来変
形に対する許容量が遙かに大きい、エアバッグ内に挿入
されている上蓋1に集中的に起き易くなるので、より望
ましい態様といえる。
【0018】又、下蓋3の底盤部3aには、その中央部
に開口3cが設けられており、この開口3cには、予め
点火器用ホルダ5が溶接固定されて、ホルダ座5aにパ
ッキン6を介して点火器7が挿入され、カシメて固定さ
れている。更に、ハウジング4の内部には、フィルタ部
材9が、その下端部を環状のスペーサ8によって位置決
めされ、上端部にはカバー部材11を内挿された状態で
配置されている。又、フィルタ部材9の内側には、クッ
ション部材10及び前記カバー部材11によって押圧さ
れた状態で、ガス発生剤12が収納されている。これら
のクッション部材10,カバー部材11及びスペーサ8
は、共にガス発生器G1が作動した時に生じるハウジン
グ4の変形に追随できる様に柔軟性を持たせておく事に
より、フィルタ部材9の両端部から発生ガスがバイパス
して流出するのを防止する役目を果たしている。
【0019】尚、上蓋1の側筒部1bに設けられた複数
のガス放出孔1cの内側には、シール用部材(アルミ箔
部材)13が貼着され、点火器用ホルダ5のホルダ座5
aに添設されたパッキン6とでハウジング3内の気密性
を確保している。
【0020】又、フィルタ部材9と上蓋1の側筒部1b
との間には、空間S1が形成されており、フィルタ部材
9を通過してきたガスが、この空間S1で均圧化される
様になっている。この結果、フィルタ部材9の内外面の
圧力が夫々均圧化されているので、フィルタ部材9内を
均等にガスが流通すると共に、多数のガス放出孔1cか
らも均等にガスが放出される事になる。
【0021】又、上蓋1の側筒部1bと下蓋3の側筒部
3bとの間にも隙間S2が形成されているので、上蓋1
の側筒部1bの端面と下蓋3の底蓋3aとの摩擦圧接部
Wにより生成する内側バリ14aと外側バリ14bは、
夫々前記空間S1及び隙間S2内に膨出した状態のまま
で放置できる事になる。尚、空間S2をホルダ部材2の
板厚よりも僅かに厚い板厚にしておく事で、外側バリ1
4bのバリ片が外部にこぼれる事も防止できる。
【0022】次に、図2は、本発明に係る他のガス発生
器G2を示す模式断面図であり、図1に示すガス発生器
G1と異なる点は、下蓋に関する構成にある。即ち、図
2において、下蓋3の底盤部3aには、フィルタ部材9
を嵌入保持する凹部3dが形成されている。
【0023】以下に、本実施例について詳細に説明する
と、下蓋3の底盤3aに形成された凹部3dの内径は、
前記フィルタ部材9が圧入(嵌入)保持される程度の内
径を有するものとし、フィルタ部材9は、その下端外面
を、前記凹部3bの内面で位置決め保持され、上端内面
には、図1の場合と同様に、カバー部材11が内挿され
ている。従って、本例では、図1の場合に用いられてい
るフィルタ部材9の下端部の位置決め部材であるスペー
サ8は不要である。尚、該スペーサ8の他の作用である
ガス発生時におけるフィルタ部材9と底盤3aとの間の
隙間からのガスの漏洩防止作用は、フィルタ部材9が、
前記凹部3d内に圧入される事によって達成される。即
ち、ガス発生時に底盤3aが膨らんでフィルタ部材9の
端面との間に間隙が生じても、フィルタ部材9の下端部
外周面は、凹部3dの内面に圧入されて密に接している
ので、この部分でガスの漏洩が防止される事になる。
尚、上蓋1の側筒部1bの端面が下蓋3の底盤3aに摩
擦圧接される点を含めて、他の構成は図1と同様である
ので、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0024】次に、図1に示すガス発生器G1の組立作
業の要領を同図に基づき説明する。先ず、下蓋3に対し
て、点火器用ホルダ5を溶接固定し、これにパッキン6
を介して点火器7をカシメ固定する。次に、点火器用ホ
ルダ5に対して環状のスペーサ8を嵌めて底盤部3aに
当接させる。次に、円筒状のフィルタ部材9をスペーサ
8の外周壁面8aに対し内嵌合となる様に嵌め込む。
【0025】次に、空間S内にガス発生剤12を順次装
填し、所定量に達するとガス発生剤12の装填を停止
し、クッション材10を載せ、更にそのクッション材1
0の上にカバー部材11を載せる。最後に、予めガス放
出孔1cが設けられ、且つホルダ部材2が溶接されてな
る上蓋1を被せ、側筒部1bの下端が下蓋3の底盤部3
aの内面にほぼ同心円状に適切に載置されている事を確
認し、この状態で、下蓋3を把持(固定)して上蓋1を
下蓋3に対して押し付けながら回動させて摩擦圧接を行
い、上蓋1と下蓋3とを接合してガス発生器の組立を完
了する。摩擦圧接により発生する内外バリ14a,14
bは、圧接部Wの両側に存在する空間S1,S2内に膨
出するが、このまま放置しておいても何等支障はないの
で、摩擦圧接作業の後工程として不可欠なバリ処理工程
は、本発明のガス発生器では不要である。
【0026】又、図2に示すガス発生器G2の組立作業
に際しては、点火器用ホルダ5を凹部3dの中央に位置
している開口3cに溶接固定し且つ点火器を取り付けた
後、フィルタ部材9を凹部3d内に圧入して嵌め込む。
次に、クッション材(図示せず)を凹部3dの内面に配
置し、続いて、空間S内にガス発生剤12、クッション
材10、カバー部材11を配置し、以後は前記図1の場
合と同様にしてガス発生器G2の組立を行う。
【0027】次に、ガス発生器の動作を図1に示すガス
発生器G1で代表的に説明する。衝突検知装置が衝突を
検知し、その検知信号によって点火器7を点火し、該点
火器から発する火炎によってガス発生剤12に着火す
る。ガス発生剤12の燃焼の進行に連れてハウジング内
の圧力が上昇し、所定の圧力に達すると、シール部材1
3が破裂し、ガス放出孔1cから高温高圧のガスが噴出
し、エアバッグ15を瞬時に膨張展開させる。
【0028】エアバッグ15の膨張展開時には、エアバ
ッグ15内の圧力が図中A矢印方向に作用する。つま
り、ホルダ部材2のフランジ部2bに対して上方から下
方に向けて外力が作用することになる。この外力は、フ
ランジ部2bが適度に撓む(変形する)ことで殆ど吸収
されてしまう。又、上蓋1の板厚を下蓋3の板厚よりも
薄いステンレス鋼板を使用している関係上、上蓋1が下
蓋3より外側方向により大きく変形しようとするが、ホ
ルダ部材2の補強効果によってこの変形は全く問題がな
くなる。更に、前記上下蓋部材1,3の摩擦圧接部W
に、仮に接合不良が存在し、ガス発生時に該圧接部が破
断する様な事態が生じたとしても、ホルダ部材2を介し
て車体側に上蓋1が固定されているので、上蓋1が乗員
に向かって吹き飛ぶ事はなく、単に下蓋3が、下方に落
ち込むだけとなり、乗員に危害を与える事はない。
【0029】尚、ガス発生剤12の燃焼時に発生する高
温高圧のガスは、高温のスラグを含有しているが、これ
は、フィルタ部材9を通過する過程で冷却されて捕集さ
れ、清浄なガスとなってエアバッグに供給される。燃焼
開始後、ハウジング4内は瞬時にして高温高圧になる
が、ハウジング構造材(上蓋1及び下蓋3)は、ステン
レス鋼板等の、従来のアルミ合金に比して高強度の耐熱
性金属板であり、耐圧性を考慮した適切な板厚寸法のも
のを選択して構成されているので、十分な耐熱,耐圧強
化が図られている。従って、従来のアルミニウム合金製
のハウジングでは使用困難であった、燃焼温度が高く、
より高温高圧のガスを発生する有機化合物系ガス発生剤
であっても、適用が容易となる。
【0030】本発明で使用される有機化合物系ガス発生
剤としては、テトラゾール,トリアゾール,アゾジカル
ボニンアミド,グアニジン及びこれらの誘導体等の含窒
素有機化合物を燃料とし、これに硝酸塩,オキソハロゲ
ン酸塩等の酸化剤を添加混合してなるガス発生剤が代表
的なものである。
【0031】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のエアバッグ
用ガス発生器によれば、均一な肉厚の1枚の耐熱性金属
板からプレス加工のみによって上蓋及び下蓋が夫々形成
され、しかもハウジング構造が1筒式であるため、従来
のアルミ合金製ガス発生器においては不可欠であった内
筒そのものが不要になると共に、内筒への伝火孔の形成
作業も不要となる。従って、小型,軽量化及びコスト低
減化が容易となる。又、耐熱性金属板としては、板厚の
最適なものを選定するだけで容易に耐圧性を付与させる
ことができるので、燃焼時の内圧が高圧となり易い有機
化合物系ガス発生剤全般について適用が容易となる。
【0032】更に、ホルダ部材を上蓋の側筒部の下方外
周部に溶接固定することにより、側筒部の外方変形耐性
が強化された構成とされている。このため、ガス発生器
の作動時の変形影響が摩擦圧接部に及ぶ事がなくなっ
て、強度上安全であるのみならず、上蓋部がホルダ部材
を介して車体側に固定されているので、上蓋と下蓋との
摩擦圧接部が破断する様な事態が生じても、上蓋が摩擦
圧接部から外れて乗員側に吹き飛ぶおそれも全くなく、
エアバッグ装置の安全性が向上する。
【0033】更に、下蓋の底盤部に、フィルタ部材を嵌
合保持する凹部を形成しておけば、ハウジング内にフィ
ルタ部材を位置決めするための規制部材を省略する事が
可能となり、製作コストの低減化を更に促進する事が可
能となる。
【0034】尚、前記耐熱性金属板としてはステンレス
鋼板が最も代表的であり、このプレス加工の過程で、上
蓋のガス放出孔の打ち抜きも行えるので、従来のアルミ
合金に比べて安価な材料を用いることと相まって、この
点からも製造コストの低減が期待できる。
【0035】又、下蓋よりも上蓋の耐熱性金属板の板厚
を薄めにしておくと、作動時の発生ガスの内圧によるガ
ス発生器の変形が上蓋に生じ易くなるが、高圧ガスがエ
アバッグ内に噴出されると、エアバッグは上蓋をスッポ
リ覆い込む様に膨らむので、下蓋に比べて変形に対する
許容量が遙かに大きな上蓋部材の薄肉化を図る事によっ
て、ガス発生器の一層の軽量化と材料費節減のよる更な
るコスト低減が期待される。
【0036】更に、上蓋と下蓋の摩擦圧接部が外部に露
出する構造ではなく、圧接バリは圧接部両側に形成され
た空間内に膨出する様になっているので、圧接後のバリ
処理工程は不要となり、更に一層のコスト低減が期待で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス発生器の一例の全体構成を示す模
式断面図である。
【図2】本発明のガス発生器の他の例の全体構成を示す
模式断面図である。
【図3】従来のガス発生器の模式断面図である。
【符号の説明】
1 上蓋 1a 天盤部 1b 側筒部 1c ガス放出孔 2 ホルダ部材 2a 筒状部 2b フランジ部 3 下蓋 3a 底盤部 3b 側筒部 3d 凹部 4 ハウジング 7 点火器 9 フィルタ部材 12 ガス発生剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 耕治 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天盤部(1a)と、その全周縁から下方
    に延設され且つ多数のガス放出孔(1c)が形成されて
    なる側筒部(1b)とからなる耐熱金属板のプレス加工
    により成形された上蓋(1)と、 該上蓋(1)の前記側筒部(1b)の下方外周部に溶接
    固定され且つ該側筒部と同心の筒状部(2a)と、該同
    心筒状部の上端部に水平外向きに延設されたフランジ部
    (2b)とからなる耐熱金属板のプレス加工により成形
    されたホルダ部材(2)と、 底盤部(3a)と、その全周縁から前記ホルダ部材
    (2)の筒状部(2a)を囲む様に上方に延設された側
    筒部(3b)とからなる耐熱金属板のプレス加工により
    成形された下蓋(3)とを有し、 前記上蓋(1)の側筒部(1b)の端面と前記下蓋
    (3)の底盤部(3a)とを摩擦圧接して前記上下蓋
    (1,3)を固定することによって、内部に単一空間を
    有するハウジング(4)を形成し、 該ハウジング(4)内には、その中心部から順次、点火
    器(7),ガス発生剤(12)及びフィルタ部材(9)
    を配置してなることを特徴とするエアバッグ用ガス発生
    器。
  2. 【請求項2】 前記下蓋(3)の底盤部(3a)には、
    凹部(3d)が形成され、該凹部内に前記フィルタ部材
    (9)が圧入されてなる請求項1記載のエアバッグ用ガ
    ス発生器。
  3. 【請求項3】 前記上蓋(1)には、前記下蓋(3)よ
    りも板厚の薄い耐熱性金属板が使用されてなる請求項1
    又は2に記載のエアバッグ用ガス発生器。
  4. 【請求項4】 前記耐熱性金属板が、ステンレス鋼板で
    ある請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエアバッグ
    用ガス発生器。
  5. 【請求項5】 前記フィルタ部材(9)の外周面と前記
    上蓋(1)の側筒部(1b)との間に空間(S1)を形
    成してなる請求項1乃至4のいずれかに記載のエアバッ
    グ用ガス発生器。
  6. 【請求項6】 前記ガス発生剤(12)が、含窒素有機
    化合物を主成分とする有機化合物系ガス発生剤である請
    求項1乃至4のいずれか1項に記載のエアバッグ用ガス
    発生器。
JP9238775A 1997-09-04 1997-09-04 エアバッグ用ガス発生器 Pending JPH1178765A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9238775A JPH1178765A (ja) 1997-09-04 1997-09-04 エアバッグ用ガス発生器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9238775A JPH1178765A (ja) 1997-09-04 1997-09-04 エアバッグ用ガス発生器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1178765A true JPH1178765A (ja) 1999-03-23

Family

ID=17035099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9238775A Pending JPH1178765A (ja) 1997-09-04 1997-09-04 エアバッグ用ガス発生器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1178765A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018168927A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 日本化薬株式会社 パイロアクチュエータ、パラシュート展開装置、伸長装置、エアバッグ装置、およびボンネット持ち上げ装置
US10244915B2 (en) 2006-05-19 2019-04-02 Irobot Corporation Coverage robots and associated cleaning bins

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10244915B2 (en) 2006-05-19 2019-04-02 Irobot Corporation Coverage robots and associated cleaning bins
JP2018168927A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 日本化薬株式会社 パイロアクチュエータ、パラシュート展開装置、伸長装置、エアバッグ装置、およびボンネット持ち上げ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5951041A (en) Gas generator for air bag and air bag system
EP1090817A1 (en) Gas generator
JPH1159314A (ja) エアバッグ用ガス発生器
JPH02169345A (ja) 軽量非溶接拡張装置
KR100272954B1 (ko) 에어백용가스발생기
EP2555951B1 (en) Gas generator and method for assembling same
WO2004062787A1 (ja) ガス発生器
JPH11217055A (ja) ガス発生器
JPH1159316A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH1191495A (ja) ガス発生器
JP4700844B2 (ja) ガス発生器
JPH1095302A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH1159315A (ja) エアバッグ用ガス発生器のクッション部材
JPH1178765A (ja) エアバッグ用ガス発生器
KR20030045078A (ko) 가스 발생기
US9051225B1 (en) Gas generator
US6796579B2 (en) Gas generator with airbag device
US6890002B1 (en) Gas generator
JPH09323614A (ja) エアバッグ用インフレータ
JPH10287197A (ja) エアバック用ガス発生器
JPH1178764A (ja) エアバッグ用ガス発生器
JP4278843B2 (ja) ガス発生器
JP2005521581A (ja) 溶接不要の運転者側インフレータ
JP2009101806A (ja) ガス発生器
JPH07329690A (ja) ガス発生器