JPH1191077A - インキ供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 満足すべき色調を得るまでのインキ供給量の
調整と試刷りの回数を少なくする。刷版交換に際するイ
ンキ膜厚分布の形成方法の誤適用をなくす。 【解決手段】 インキローラ群がインキを保有している
か否かを検出するインキ検出センサを設ける。試刷りシ
ステムをオンとするとインキ検出センサのインキ検出動
作がスタートする。インキを保有していないことを検出
すると、試刷りシステムのメニュー画面において、「プ
レインキング１」の表示色が変わる。インキを保有して
いることを検出すると「プレインキング２」の表示色が
変わる。表示色が変わった「プレインキング１」を選択
すると、プレインキング１の動作が開始される。表示色
が変わった「プレインキング２」を選択すると、プレイ
ンキング２の動作（インキリムービング＋プレインキン
グII）が開始される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、インキツボ内の
インキをインキローラ群を介して刷版へ供給するインキ
供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図６に輪転印刷機における各印刷ユニッ
ト内のインキ供給装置（インカー）の要部を示す。同図
において、１はインキツボ、２はインキツボ１に蓄えら
れたインキ、３はインキツボローラ、４（４−１〜４−
ｎ）はインキツボローラ３の軸方向に複数並設して設け
られたインキツボキー、５はインキ移しローラ、６はイ
ンキローラ群、７は刷版、８は湿し水、９は給水ローラ
群、１０は版胴である。

【０００３】このインキ供給装置では、インキツボキー
４−１〜４−ｎの開度調整によってインキツボ１内のイ
ンキ２をインキツボローラ３に供給し、このインキツボ
ローラ３に供給されたインキをインキ移しローラ５の呼
び出し動作によりインキローラ群６を介して刷版７へ供
給する。また、このインキ供給と併行して、湿し水８を
給水ローラ群９を介して刷版７へ供給する。

【０００４】刷版７を交換して新しい刷版７’とした場
合、この新刷版７’の絵柄に応じた値にインキツボキー
４−１〜４−ｎの開度やインキツボローラ３の回転量，
湿し水８の供給量などがプリセットされる。すなわち、
インキツボキー４−１〜４−ｎの開度やインキツボロー
ラ３の回転量，湿し水８の供給量などを新刷版７’の絵
柄に応じた値として、インキツボ１内のインキ２がイン
キローラ群６を介して、また湿し水８が給水ローラ群９
を介して新刷版７’へ供給される。この場合、本刷りの
前に試刷りを行って、インキ供給量を調整し、満足すべ
き色調を得る。これにより、インキローラ群６には、所
望のインキ膜厚分布（インキ膜厚さの勾配）が作られ
る。

【０００５】しかしながら、従来のインキ供給装置で
は、刷版７を交換して新刷版７’とした場合、旧刷版７
に対するインキ膜厚分布がインキローラ群６に残ってい
る。すなわち、この場合、旧刷版７に対するインキ膜厚
分布を新刷版７’に対するインキ膜厚分布に徐々に変え
て行かなければならず、満足すべき色調を得るまでにイ
ンキ供給量の調整と試刷りを過大に必要とし、「印刷前
準備時間の増加」、「労働負荷の増大」、「印刷資材の
浪費」、「生産効率の低下」、「コストアップ」等の問
題が生じる。

【０００６】そこで、本出願人は、満足すべき色調を得
るまでのインキ供給量の調整と試刷りの回数を少なくす
ることを目的として、特願平８−１６７１４４号として
「インキ膜厚の制御方法」を提案した。このインキ膜厚
の制御方法では、旧刷版７の新刷版７’への交換に際し
て、先ずインキリムービングを行う。すなわち、インキ
移しローラ５の呼び出し動作をオフとしたうえ、旧刷版
７を装着したままの状態で本機を運転し、所定枚数の印
刷を行い、これによってインキローラ群６に上流から下
流になるにしたがって薄くなる印刷中に必要とされる最
低限のインキ膜厚分布Ｍａ（図７（ａ）参照）、すなわ
ち刷版７の絵柄のない部分に対応するインキ膜厚分布Ｍ
ａを残す。そして、プレインキングIIを行う。このプレ
インキングIIでは、インキツボキー４−１〜４−ｎの開
度やインキツボローラ３の回転量，湿し水８の供給量な
どを新刷版７’の絵柄に応じた値にプリセットしたう
え、本機を運転し、インキ移しローラ５を所定回数呼び
出し動作させて、インキローラ群６に残されている印刷
中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ｍａに新刷版
７’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Ｍｂ（図７（ｂ）参
照）を重畳する。

【０００７】そして、このインキ膜厚分布ＭａにＭｂを
重畳し、刷版を新刷版７’に交換した状態で、所定枚数
の試刷りを行い、その試刷りされた印刷物について濃度
チェックを行う。この濃度チェックにおいて、満足すべ
き色調であれば、プレインキング２（インキリムービン
グ＋プレインキングII）によるインキ膜厚制御を終了
し、本刷りへ移行する。満足すべき色調でなければ、プ
レインキング（＋）あるいはプレインキング（−）によ
ってインキ膜厚分布を微調整し、再度試刷りを行う。

【０００８】一方、インキローラ群６がインキを保有し
ていない場合、例えば版胴１０に刷版７を初めてセット
するような場合、プレインキング１を行う。このプレイ
ンキング１では、インキツボキー４−１〜４−ｎの開度
を所定開度（例えば、５０％）としたうえ、またインキ
ツボローラ３の回転量を所定量（例えば、５０％）とし
たうえ、本機を運転し、インキ移しローラ５を所定回数
呼び出し動作させて、図７（ａ）に示されるような印刷
中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ｍａをインキ
ローラ群６に形成する。そして、この後、インキツボキ
ー４−１〜４−ｎの開度やインキツボローラ３の回転量
を刷版７の絵柄に応じた値にプリセットし、インキ移し
ローラ５を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ
群６に形成されている印刷中に必要とされる最低限のイ
ンキ膜厚分布Ｍａに刷版７の絵柄に応じたインキ膜厚分
布Ｍｂ（図７（ｂ））を重畳する。

【０００９】そして、このインキ膜厚分布ＭａにＭｂを
重畳した状態で、所定枚数の試刷りを行い、その試刷り
された印刷物について濃度チェックを行う。この濃度チ
ェックにおいて、満足すべき色調であれば、プレインキ
ング１によるインキ膜厚制御を終了し、本刷りへ移行す
る。満足すべき色調でなければ、プレインキング（＋）
あるいはプレインキング（−）によってインキ膜厚分布
を微調整し、再度試刷りを行う。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、刷版の交換に際し、プレインキング１を行うか
プレインキング２を行うかはオペレータの判断に任され
ており、このインキ膜厚分布の形成方法の判断を間違う
と所望のインキ膜厚分布を得ることができなくなる。す
なわち、オペレータの誤判断や操作ミスにより、版胴１
０に初めて刷版７をセットする際にプレインキング２を
行ったり、旧刷版７から新刷版７’へ交換する際にプレ
インキング１を行ったりすることがあり得る。このよう
な場合、所望のインキ膜厚分布を得ることができず、多
大なロスが生じる。

【００１１】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、満足すべき
色調を得るまでのインキ供給量の調整と試刷りの回数を
少なくすると共に、刷版交換に際するインキ膜厚分布の
形成方法の誤適用をなくすことのできるインキ供給装置
を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、上述したインキ供給装置におい
て、インキローラ群がインキを保有しているか否かを検
出するインキ検出手段と、このインキ検出手段の検出結
果に基づいて刷版交換に際してのインキローラ群へのイ
ンキ膜厚分布の形成方法を定める手段とを設けたもので
ある。この発明によれば、インキローラ群がインキを保
有しているか否かが検出され、この検出結果に基づいて
刷版交換に際してのインキローラ群へのインキ膜厚分布
の形成方法が定められる。例えば、インキローラ群がイ
ンキを保有している場合にはインキ膜厚分布の形成方法
としてプレインキング２が、インキローラ群がインキを
保有していない場合にはインキ膜厚分布の形成方法とし
てプレインキング１が定められる。この場合、表示画面
で「プレインキング１」や「プレインキング２」の表示
色を変えることによってその動作への移行を促したり、
自動的に「プレインキング１」や「プレインキング２」
の動作を行わせたりして、そのインキ膜厚分布の形成方
法を適用する。

【００１３】

【発明の実施の形態】

〔実施の形態１〕以下、本発明を実施の形態に基づき詳
細に説明する。図２は本発明を適用してなる４色輪転印
刷機を示す図である。同図において、１１−１〜１１−
４は各色の印刷ユニットであり、この印刷ユニット１１
−１〜１１−４内に図６に示したインキ供給装置が各個
に設けられている。但し、この実施の形態では、図３に
示すように、インキローラ群６中の振りローラ６−１の
近くに、インキローラ群６がインキを保有しているか否
かを検出するインキ検出センサ１２を設けている。

【００１４】また、この４色輪転印刷機には、図４に示
すような操作デスク１３が付設されている。この操作デ
スク１３は、そのデスク上面を操作盤１３−１とし、こ
の操作盤１３−１に操作部１３−２および表示部１３−
３が設けられている。また、操作デスク１３のデスク上
面には、試刷りシステム（この例では、パソコン）１４
が載置されている。

【００１５】試刷りシステム１４には試刷りデータが予
め標準化されて搭載されている。この場合、試刷りデー
タとは、プレインキング１，インキリムービング，プレ
インキングII，プレインキング（＋）およびプレインキ
ング（−）における「インキ呼び出し回数（インキ移し
回数）」や「試刷り枚数」，「リムービング枚数」，
「インキ出し待時間」などの設定条件である。

【００１６】また、操作盤１３−１には、磁気カードや
フロッピィディスクなどの記録媒体が挿入セットされる
差込口（図示せず）が設けられている。この実施の形態
では、記録媒体に、刷版の絵柄面積情報に基づいて作成
された本刷りデータを記録させておく。すなわち、所要
の刷版毎に、その刷版が用いられる印刷ユニット、その
印刷ユニットにおけるインキツボキーの開度、インキツ
ボローラの回転量、湿し水の供給量などの設定値データ
を本刷りデータとして記録させておく。

【００１７】印刷機の運転と連動して行われる試刷りシ
ステム１４の各制御は制御システム（図示せず）で行わ
れる。試刷りシステム１４の機能にはインキローラ群６
の各ローラ上に最適なインキの膜厚を形成するための機
能が搭載されている。これらの機能はメニュー画面Ｍ
（図５参照）に表示される。

【００１８】この４色輪転印刷機において印刷ユニット
１１（１１−１〜１１−４）における刷版交換（初めて
の刷版のセットも含む）に際してのインキローラ群６へ
のインキ膜厚分布の形成は次のようにして行われる。

【００１９】オペレータは、印刷機の運転操作を行い
（図１に示すステップ１０１）、試し刷りシステム１４
の電源を入れる。すると、試刷りシステム１４のディス
プレイ上に、メニュー画面Ｍが出現する。このメニュー
画面Ｍには選択し得る機能として「プレインキング
１」，「プレインキング２」，「プレインキング
（＋）」，「プレインキング（−）」，「インキリムー
ビング」，「試刷」が表示される。また、予め標準化さ
れて搭載されている試刷りデータの一部が、具体的な数
値として表示される。

【００２０】すなわち、印刷ユニット１１−１〜１１−
４について、そのプレインキング１，プレインキングI
I，プレインキング（＋），プレインキング（−）にお
けるインキ移し回数が「プレインキング１」，「プレイ
ンキング２」，「プレインキング（＋）」，「プレイン
キング（−）」の横に表示される。また、インキリムー
ビングにおける印刷枚数が「インキリムービング」の横
に、試刷り枚数が「試刷」の横に、インキ出し待時間が
「インキ出し待時間」の横に表示される。また、「ユニ
ット選択」として、印刷ユニット１１−１〜１１−４に
対応する番号「１」〜「４」が表示される。

【００２１】ここで、印刷ユニット１１−１について、
刷版の交換を行うものとする。この場合、オペレータ
は、メニュー画面Ｍの「ユニット選択」において、印刷
ユニット１１−１に対応する番号「１」を選択する。す
ると、試刷りシステム１４の機能がオンとされ、印刷ユ
ニット１１−１におけるインキ検出センサ１２のインキ
検出動作がスタートする（ステップ１０２）。

【００２２】〔インキローラ群６がインキを保有してい
ない場合〕インキローラ群６がインキを保有していない
ことをインキ検出センサ１２が検出すると（ステップ１
０３）、この検出結果に基づく制御システムの制御によ
り、試刷りシステム１４のディスプレイ上に出現してい
るメニュー画面Ｍにおいて、「プレインキング１」の表
示色が変わる（ステップ１０４）。

【００２３】オペレータは、メニュー画面Ｍにおいて、
その表示色が変わった「プレインキング１」を選択す
る。すなわち、メニュー画面Ｍにおいて、「プレインキ
ング１」の表示面をタッチする。すると、試刷りシステ
ム１４は、印刷ユニット１１−１においてプレインキン
グ１の動作を開始する。

【００２４】すなわち、インキツボキー４−１〜４−ｎ
の開度を所定開度（例えば、５０％）としたうえ、また
インキツボローラ３の回転量を所定量（例えば、５０
％）としたうえ、本機を運転し、インキ移しローラ５を
所定回数呼び出し動作させて、印刷中に必要とされる最
低限のインキ膜厚分布Ｍａ（図７（ａ））をインキロー
ラ群６に形成する（ステップ１０５）。

【００２５】そして、この後、インキツボキー４−１〜
４−ｎの開度やインキツボローラ３の回転量，湿し水８
の供給量などを記録媒体からの本刷りデータに基づく値
（刷版７の絵柄に応じた値）にプリセットし、インキ移
しローラ５を所定回数呼び出し動作させて、インキロー
ラ群６に形成されている印刷中に必要とされる最低限の
インキ膜厚分布Ｍａに刷版７の絵柄に応じたインキ膜厚
分布Ｍｂ（図７（ｂ））を重畳する（ステップ１０
６）。

【００２６】これにより、印刷ユニット１１−１のイン
キローラ群６には、印刷中に必要とされる最低限のイン
キ膜厚分布Ｍａが形成された後、さらにこのインキ膜厚
分布Ｍａに刷版７の絵柄に応じたインキ膜厚分布Ｍｂが
重畳され、一連のプレインキング１の動作が完了する
（ステップ１０７）。

【００２７】試刷り制御システム１４は、このインキ膜
厚分布ＭａにＭｂを重畳した状態で、所定枚数の試刷り
を行う（ステップ１０８）。この場合、既に、刷版７の
セットが完了しているものとする。オペレータは、その
試刷りされた印刷物について、濃度チェックを行う。こ
の濃度チェックにおいて、満足すべき色調であれば、プ
レインキング１によるインキ膜厚制御を終了し、本刷り
へ移行する（ステップ１０９）。満足すべき色調でなけ
れば、プレインキング（＋）あるいはプレインキング
（−）によってインキ膜厚分布を微調整し、再度試刷り
を行う。

【００２８】本刷り作業に切り替わった場合、制御シス
テムの制御によって試し刷りシステム１４の機能がオフ
とされ、インキ検出センサ１２によるインキの検出も行
われなくなる。この場合、試し刷りシステム１４では、
各機能の表示色の変更は行われない。そして、本刷り終
了後（ステップ１１０）、上述と同様にして試刷りシス
テム１４の機能をオンとすることにより、指定された印
刷ユニットにおけるインキ検出センサ１２のインキ検出
動作が開始される（ステップ１１１）。

【００２９】なお、ステップ１０４において「プレイン
キング１」の表示色が変更された状態にある場合、「プ
レインキング２」を誤って選択してもプレインキング２
の動作は行われない。

【００３０】〔インキローラ群６がインキを保有してい
る場合〕インキローラ群６がインキを保有していること
をインキ検出センサ１２が検出すると（ステップ１１
２）、この検出結果に基づく制御システムの制御によ
り、試刷りシステム１４のディスプレイ上に出現してい
るメニュー画面Ｍにおいて、「プレインキング２」の表
示色が変わる（ステップ１１３）。

【００３１】オペレータは、メニュー画面Ｍにおいて、
その表示色が変わった「プレインキング２」を選択す
る。すなわち、メニュー画面Ｍにおいて、「プレインキ
ング２」の表示面をタッチする。すると、試刷りシステ
ム１４は、印刷ユニット１１−１においてプレインキン
グ２の動作を開始する（ステップ１１４）。

【００３２】このプレインキング２では、先ず、インキ
リムービング動作を行う。すなわち、インキ移しローラ
５の呼び出し動作をオフとしたうえ、本機を運転し、所
定枚数の印刷を行い、これによってインキローラ群６に
印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ｍａ（図
７（ａ））を残す。

【００３３】そして、プレインキングIIを行う。このプ
レインキングIIでは、インキツボキー４−１〜４−ｎの
開度やインキツボローラ３の回転量，湿し水８の供給量
などを記録媒体からの本刷りデータに基づく値（刷版
７’の絵柄に応じた値）にプリセットしたうえ、本機を
運転し、インキ移しローラ５を所定回数呼び出し動作さ
せて、インキローラ群６に残されている印刷中に必要と
される最低限のインキ膜厚分布Ｍａに刷版７’の絵柄に
応じたインキ膜厚分布Ｍｂ（図７（ｂ））を重畳する。

【００３４】これにより、印刷ユニット１１−１のイン
キローラ群６には、印刷中に必要とされる最低限のイン
キ膜厚分布Ｍａが形成された後、さらにこのインキ膜厚
分布Ｍａに刷版７’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Ｍｂ
が重畳され、一連のプレインキング２の動作が完了する
（ステップ１１５）。

【００３５】試刷り制御システム１４は、このインキ膜
厚分布ＭａにＭｂを重畳した状態で、所定枚数の試刷り
を行う（ステップ１０８）。この場合、既に、刷版７か
ら刷版７’への交換が完了しているものとする。オペレ
ータは、その試刷りされた印刷物について、濃度チェッ
クを行う。この濃度チェックにおいて、満足すべき色調
であれば、プレインキング２によるインキ膜厚制御を終
了し、本刷りへ移行する（ステップ１０９）。満足すべ
き色調でなければ、プレインキング（＋）あるいはプレ
インキング（−）によってインキ膜厚分布を微調整し、
再度試刷りを行う。

【００３６】本刷り作業に切り替わった場合、制御シス
テムの制御によって試し刷りシステム１４の機能がオフ
とされ、インキ検出センサ１２によるインキの検出も行
われなくなる。この場合、試し刷りシステム１４では、
各機能の表示色の変更は行われない。そして、本刷り終
了後（ステップ１１０）、上述と同様にして試刷りシス
テム１４の機能をオンとすることにより、指定された印
刷ユニットにおけるインキ検出センサ１２のインキ検出
動作が開始される（ステップ１１１）。

【００３７】なお、ステップ１１３において「プレイン
キング２」の表示色が変更された状態にある場合、「プ
レインキング１」を誤って選択してもプレインキング１
の動作は行われない。

【００３８】〔実施の形態２〕実施の形態１では、ステ
ップ１１４のプレインキング２の動作において、白紙印
刷によるインキリムービングを行ってからプレインキン
グIIを行うようにした。インキローラ群６に印刷中に必
要とされる最低限のインキ膜厚分布Ｍａを残す方法とし
ては、このような白紙印刷によるインキリムービングの
他、インキローラ群６上のインキをインキツボ１に回収
（ツボ返し）する方法もある。

【００３９】すなわち、インキツボキー４−１〜４−ｎ
の開度を全て零とし、インキ移しローラ５に所定回数の
呼び出し動作をさせる。これにより、インキローラ群６
上のインキがインキツボ１内に回収されて行き、インキ
ローラ群６から現在セットされている刷版の絵柄に応じ
たインキ膜厚分布Ｍｂが除去され、印刷中に必要とされ
る最低限のインキ膜厚分布Ｍａが残される。

【００４０】〔実施の形態３〕ステップ１１４でのプレ
インキング２は、インキローラ群６上の全てのインキを
インキツボ１に回収（ツボ返し）した後、プレインキン
グ１を行うことによっても実現することができる。ま
た、インキローラ群６上の全てのインキを白紙印刷によ
って零とした後、プレインキング１を行うことによって
も実現することができる。

【００４１】〔実施の形態４〕実施の形態１では、イン
キ検出センサ１２として、インキローラ群６がインキを
保有しているか否かを検出する機能を有するものとし
た。インキローラ群６がインキを保有しているか否かの
検出は種々の方法が考えられる。例えば、次のような方
法が考えられる。

【００４２】各インキ供給装置の画像を取り込み、イ
ンキの有無を判断する。 インキローラにインキが捲かれると機械の負荷は上昇
を示す。これから負荷変動差を検知してインキの有無を
判断する。 超音波を利用して、ローラ表面までの距離を測定した
結果に基づいて、インキの有無を判断する。 インキがあるとその粘性により発熱するので、この発
熱を計測してインキの有無を判断する（サーモビジョン
等）。

【００４３】〔実施の形態５〕実施の形態１では、試刷
りシステム１４のメニュー画面Ｍでの「プレインキング
１」や「プレインキング２」の表示色を変えることによ
って、その動作への移行を促すようにした。必ずしも、
このようなその動作への移行を促す方法としなくてもよ
く、プレインキング１やプレインキング２の動作へ自動
的に移行させるようにしてもよい。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、インキローラ群がインキを保有している
か否かが検出され、この検出結果に基づいて刷版交換に
際してのインキローラ群へのインキ膜厚分布の形成方法
が定められるものとなり、例えば表示画面で「プレイン
キング１」や「プレインキング２」の表示色を変えるこ
とによってその動作への移行を促したり、自動的に「プ
レインキング１」や「プレインキング２」の動作を行わ
せたりすることにより、満足すべき色調を得るまでのイ
ンキ供給量の調整と試刷りの回数を少なくすると共に、
刷版交換に際するインキ膜厚分布の形成方法の誤適用を
なくすことができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の特徴的な動作を説明するためのフロ
ーチャートである。

【図２】 本発明を適用してなる４色輪転印刷機を示す
図である。

【図３】 各印刷ユニット内のインキ供給装置へのイン
キ検出センサの配置状況を示す図である。

【図４】 図２に示した４色輪転印刷機に付設された操
作デスクを示す図である。

【図５】 この操作デスクのデスク面に載置された試刷
りシステムのディスプレイに出現するメニュー画面を示
す図である。

【図６】 輪転印刷機における各印刷ユニット内のイン
キ供給装置の要部を示す図である。

【図７】 このインキ供給装置のインキローラ群上に形
成されるインキ膜厚分布ＭａおよびＭｂを示す図であ
る。

【符号の説明】

１…インキツボ、２…インキ、３…インキツボローラ、
４（４−１〜４−ｎ）…インキツボキー、５…インキ移
しローラ、６…インキローラ群、７（７’）…刷版、８
…湿し水、９…給水ローラ群、１０…版胴、１１（１１
−１〜１１−４）…印刷ユニット、１２…インキ検出セ
ンサ、１３…操作デスク、１３−１…操作盤、１３−２
…操作部、１３−３…表示部、１４…試刷りシステム、
Ｍ…メニュー画面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インキツボキーを複数備え、これらイン
   キツボキーの開度調整によってインキツボ内のインキを
   インキツボローラに供給し、このインキツボローラに供
   給されたインキをインキ移しローラの呼び出し動作によ
   りインキローラ群を介して刷版へ供給するインキ供給装
   置において、 前記インキローラ群がインキを保有しているか否かを検
   出するインキ検出手段と、 このインキ検出手段の検出結果に基づいて刷版交換に際
   しての前記インキローラ群へのインキ膜厚分布の形成方
   法を定める手段とを備えたことを特徴とするインキ供給
   装置。