JPH119103A - 植木鉢 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹木の成育を抑制し、コントロールすること
ができる植木鉢を提供する。 【解決手段】 植木鉢本体Ａを内外壁１，２を有する二
重構造とし、内外壁１，２にはそれぞれ樹木Ｂの根３が
通る透過孔４を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、大は街路樹用、小
は盆栽用に用いる植木鉢に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】街路樹は、放置すると成長して全体が大
きくなり、隣接する建物や施設、あるいは通行の障害に
なるため、枝を剪定する必要がある。また、盆栽は一定
の大きさ以上に成長しないようにするためと、根腐れし
ないように、年に一回は鉢から出して、根を剪定しなけ
ればならないことは周知の通りである。

【０００３】しかしながら、街路樹の剪定は高所作業で
あること、また近くに高圧線がある場合があるので、危
険を伴い、剪定作業は経験と十分な注意が必要である。
また、盆栽の根の剪定に際しては鉢から出して剪定作業
をしなければならないので、注意しないと枝振りを損う
虞がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、根の
剪定作業を容易に行うことができ、樹木の成育を抑制
し、コントロールすることが出来る新しいタイプの植木
鉢を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたもので、第１の発明は、多重壁構
造とし、少くとも最も内側の壁に根の透過孔を設け、そ
の透過孔から出た根を外側の剪定部で剪定出来るように
したものである。

【０００６】また第２の発明は、製造を容易にするた
め、口径が大きなポット内に口径が小さいポットを収納
して多重壁構造としたものである。

【０００７】また、第３の発明は、樹木を入れる中心ポ
ットを外側ポット内に昇降自在に設け、根元が成長して
浮き上った時、中心ポットを下げられるようにしたもの
である。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施例を示し、植
木鉢本体Ａを内外壁１，２を有する二重構造としたもの
で、内外壁１，２にはそれぞれ樹木Ｂの根３が通る透過
孔４が設けられている。

【０００９】樹木Ｂは、中央の植栽部５に培養土６と共
に植え、内側の壁１と外側の壁２との間は剪定部７とし
て培養土６を入れずに空間のまゝとし、剪定部７は木の
根元覆い８の外周部８ａで蓋をする構造となっている。

【００１０】この実施例の植木鉢は、内外壁１，２は同
心円状に形成され、木の根元覆い８は適数に分割した円
形の木の根元覆いである。

【００１１】以上のように構成されるので、内側壁１が
占める大きさを決めれば、樹木Ｂの成長は一応その大き
さによって制約される。しかし乍ら樹木Ｂは更に成長し
ようとして根３を伸ばし、内側壁１の透過孔４から、剪
定部９に這い出し、更に、外壁２に設けた透過孔４から
外側の地中に根を張る。

【００１２】この根３の成長具合は、蓋である木の根元
覆い８を開くことによって観察出来るので、その様子を
見て、剪定部７の根３を適宜剪定すれば、樹木Ｂの成長
をコントロール出来ることになる。

【００１３】従って、街路樹の場合、樹木の高さをこの
根の剪定によってコントロール出来ることになるため、
樹木の伸び過ぎによる各種の障害を改善することができ
る。

【００１４】また、盆栽用の場合は、樹木を鉢から出さ
ずに根の剪定が出来、便利である。

【００１５】図２は本発明の他の実施例を示すもので、
円筒状の内側ポット１１を外側ポット１２の底１２ａに
設けた孔１３に係合する分離タイプの街路樹用植木鉢で
あって、各内外ポット１１，１２にはそれぞれ根３の透
過孔４が設けられており、内側ポット１１はジャッキや
クレーンによって吊り上げられるように、アイボルト１
４が取付けられている。この分離タイプは図１に示した
一体形タイプに比し、製作が容易であると共に、組み合
せを変えることが出来るため、仕様の異なる植木鉢を提
供することができる。

【００１６】図３は本発明の異なる実施例を示すもの
で、この実施例も分離タイプの街路樹用植木鉢である
が、内外ポット１１，１２の係合方式を、図２の実施例
とは異なり、凹凸により所定位置に係合させるようにし
たものである。即ち、この実施例の場合は内側ポット１
１’の外側底面に凸部ａを、また外側ポット１２’の内
側底面に前記凸部ａと係合する凹部ｂを設けたものであ
る。なお凸部ａと凹部ｂを逆の関係に設けるようにして
もよいことは勿論である。

【００１７】図４は更に本発明の他の実施例を示すもの
で、この場合も分離タイプであるが、スペーサ１５の枚
数を増減することにより内側ポット１１”を昇降し得る
ようにしたものである。樹木は内側ポット１１”により
根の成長を阻害されると、根が盛り上って歩行の邪魔に
なった場合、この構造によれば、スペーサ１５の枚数を
減らすことにより内側ポット１１”を降下させ、その問
題を解消することができる。

【００１８】以上主として街路樹用の植木鉢に適用した
場合の実施例について説明したが、根の剪定を必要とす
る盆栽用植木鉢としても好適であることは容易に理解さ
れるところである。

【００１９】

【発明の効果】本発明の効果を列挙すれば次の通りであ
る。 蓋（実施例では木の根元覆い８）を取り、剪定部に
出た根を剪定する量によって樹木の成長をコントロール
出来る。 内側壁が占める容量により木が成長する大きさを制
約出来る。 分離構造とすることにより製造が容易になる。 外壁による容量が一定でも内壁による容量を変える
ことにより、樹木の成長の度合いをコントロール出来
る。 樹木が枯れても分離タイプであると交換容易であ
る。 分離タイプとし、内側ポットを昇降自在とすること
により、根が盛り上って歩行障害を起した時内側ポット
を降下させることにより解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の縦断面図である。

【図２】本発明の他の実施例を示すもので、（ａ）は縦
断面図、（ｂ）は一部截断分解斜視図である。

【図３】本発明の他の実施例の縦断面図である。

【図４】本発明の異なる実施例の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 内側壁 ２ 外側壁 ３ 根 ４ 透過孔 ５ 植栽部 ６ 培養土 ７ 剪定部 ８ 木の根元覆い Ａ 植木鉢本体 Ｂ 植木

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多重壁構造とし、少くとも最も内側の壁
   に根の透過孔を設けたことを特徴とする植木鉢
2. 【請求項２】 口径が大きなポット内に口径が小さいポ
   ットを収納して多重壁構造としたことを特徴とする請求
   項１記載の植木鉢。
3. 【請求項３】 中心ポットを外側ポット内に昇降自在に
   設けたことを特徴とする請求項１記載の植木鉢