JPH1187914A - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

多層配線基板の製造方法

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JPH1187914A
JPH1187914A JP23870297A JP23870297A JPH1187914A JP H1187914 A JPH1187914 A JP H1187914A JP 23870297 A JP23870297 A JP 23870297A JP 23870297 A JP23870297 A JP 23870297A JP H1187914 A JPH1187914 A JP H1187914A
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JP
Japan
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photosensitive
transfer sheet
wiring
resin layer
photosensitive transfer
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JP23870297A
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English (en)
Inventor
Takashi Takayanagi
丘 高柳
Masanori Satake
正紀 佐武
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全上、環境上問題を生じさせずに金属めっ
き膜との密着を向上させることを可能にするとともに、
感光性絶縁樹脂被膜形成時に、溶剤を使用しない転写方
式による平坦性が良く、泡の混入がなく、膜厚が均一と
なる多層基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 仮支持体上に塗布により形成された平均
粒径もしくは平均凝集径が1〜10μmの微粒子を少な
くとも1種を含有する粗面化された水溶性又はアルカリ
可溶性樹脂層上に感光性絶縁樹脂層を塗布により設けた
感光性転写シートを配線が形成された絶縁基材上に加
熱、加圧圧着により転写する工程において、感光性転写
シートの感光層の加熱、加圧圧着により転写する工程に
おける溶融粘度を20000ポイズ未満とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線基板製
造分野、特にビルドアップ法による多層配線基板の製造
の際に用いられる層間絶縁膜として有用な感光性転写シ
ートを用いた多層配線基板の製造方法に関わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の軽薄短小化、高機能化
の流れが急速に進んできている。このため、電子部品の
高密度実装が必須となり、これに対応するため、プリン
ト配線基板も高密度化が大きな課題となってきている。
その一つの手段として感光性層間絶縁膜を用い、フォト
リソグラフィーにより、層間接続用のバイアホールを形
成するビルドアップ法が注目を集めている。
【0003】その特徴は層間接続を従来のドリル穴開け
によるスルーホールの代わりに感光性層間絶縁膜を用い
て微細なバイアホールを形成することにある。この具体
的な例として、特開平4―148590号公報に感光性
層間絶縁膜を利用する方法が開示されている。この方法
では第1の回路パターン上に感光性絶縁樹脂層を設け、
フォトリソグラフィーによりバイアホールを形成後、化
学的な粗化処理を施す。この時の化学的な粗化処理は樹
脂層と無電解めっき銅、その上に形成される電解めっき
銅との密着力を強くするために行われ、これは樹脂表面
に微細な凹凸を形成して、いわゆるアンカー効果により
密着が向上するといわれている。
【0004】しかしながら、特開平4―148590号
公報記載の表面凹凸形成(表面粗化処理)によっては、
密着力が不十分でさらなる向上が望まれ、また、表面の
凹凸形成に用いられるクロム酸等の使用は安全上、環境
上好ましくない。また、特開昭63―126297号公
報には酸や酸化剤に可溶な微粒子を感光性絶縁樹脂中に
分散させ、感光性絶縁樹脂を硬化後、強酸やクロム酸か
らなる強酸化剤で、分散した微粒子を溶解させて感光性
絶縁樹脂表面に凹凸を形成して、金属めっき膜との密着
を付与しようとするものである。
【0005】ここで使用される強酸化剤もやはり安全
上、環境上好ましくなく、更に絶縁樹脂層中に微粒子が
存在することで、バイアホールの形状が悪くなったり、
絶縁信頼性に懸念が生じる。
【0006】また感光性絶縁樹脂は一般的にカーテンコ
ーターなどで配線を形成した絶縁基材上に形成される
が、配線段差部位での泡の混入、あるいは膜厚が不均一
となる問題点があり、さらには配線による表面の凹凸が
大きく、バフ研磨等の機械的な平坦化工程が必要とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に着目し、安全上、環境上問題を生じさせずに金属めっ
き膜との密着を向上させることを可能にするとともに、
感光性絶縁樹脂被膜形成時に、溶剤を使用しない転写方
式による平坦性が良く、泡の混入がなく、膜厚が均一と
なる多層基板の製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、仮支持
体上に塗布により形成された平均粒径もしくは平均凝集
径が1〜10μmの微粒子を少なくとも1種を含有する
粗面化された水溶性又はアルカリ可溶性樹脂層上に感光
性絶縁樹脂層を塗布により設けた感光性転写シートを配
線が形成された絶縁基材上に加熱、加圧圧着により転写
する工程において、感光性転写シートの感光層の加熱、
加圧圧着により転写する工程における溶融粘度を200
00ポイズ未満とするとともに、感光性転写シートを配
線が形成された絶縁基材上に加熱、加圧圧着により転写
する時、感光性転写シートと配線形成済み絶縁基材を押
さえシート間に挿入して真空下加圧圧着し、このとき用
いる押さえシートととして金属板を用いること、あるい
は感光性転写シートを配線が形成された絶縁基材上に真
空下加熱、加圧圧着により転写する時、感光性転写シー
トと配線形成済み絶縁基材をゴムロール間を通して真空
下加圧圧着し、このとき用いるロールととして硬度30
以上のものを用いること、及び感光性転写シートの転写
後、バイアホールを形成して、めっきにより層間接続及
び第2層の配線形成を行うことにより解決された。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、仮支持体上に
塗布により形成された平均粒径もしくは平均凝集径が1
〜10μmの微粒子を少なくとも1種を含有する粗面化
された水溶性又はアルカリ可溶性樹脂層上に感光性絶縁
樹脂層を塗布により設けた感光性転写シートを配線が形
成された絶縁基材上に加熱、加圧圧着により転写し、バ
イアホールを形成するために露光、現像すると、この現
像時に水性樹脂は溶解もしくは剥離除去され、それに伴
い微粒子も脱落、もしくは溶出する。この結果、感光性
絶縁樹脂層表面に凹凸が形成されることになり、金属め
っき膜との良好な密着が得られる。また、露光、現像処
理後にポスト露光あるいは/及びポストベイク処理を行
うことにより、微粒子の除去が促進され金属めっき膜と
の密着が向上する。また電解めっき後加熱処理(アニー
ル処理)を行うことにより金属めっき膜との密着が向上
する。
【0010】以下図面を参照しつつ本発明の詳細を説明
する。まず本発明における感光性転写シートの構成は、
基本的には仮支持体(図1―1)上に微粒子含有水性樹
脂層(図1―2)と感光性絶縁樹脂層(図1―3)とを
設けたものである。勿論構成はこれに限定されるのでは
なく、必要に応じて両者の間に剥離層等設けることも可
能である。仮支持体としては、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム等のプラスティックフィルムを用いること
が出来、フィルムの膜厚は約10μm〜200μmの範
囲で使用可能である。200μmより厚いとこのフィル
ムを介してパターン露光をする場合、フィルムによる光
散乱のため解像度の劣化が大きくなり、好ましくない。
10μmより薄くなるとフィルムのハンドリングが難し
くなり、シワ発生等の問題が発生しやすくなる。
【0011】仮支持体上に設ける水性樹脂に用いる樹脂
としては、水に可溶な樹脂や膨潤し得る樹脂あるいは弱
アルカリ水溶液等のアルカリ溶液に溶解する樹脂から選
ばれ、好ましくはポリビニルアルコール及びその誘導
体、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、セルロース
及びその誘導体、ゼラチン及びその誘導体あるいはポリ
アクリル酸及びその誘導体などが挙げられる。これらは
単独で用いても良いし、組み合わせて用いることも出来
る。
【0012】本発明における微粒子は、平均粒径もしく
は凝集粒子径が1〜10μmのものであれば、無機、有
機低分子、あるいは有機高分子微粒子など特に限定され
るものではないが、その好ましい例として、シリカ、珪
酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、ジルコニア、ムライト、水酸化カルシウム、タル
ク、水酸化アルミニウム、ケイソウ土、硫酸バリウム等
を挙げることが出来る。これらは単独でも良いし、複数
組み合わせて用いることも可能である。
【0013】この微粒子と水性樹脂の割合は、重量比で
0.5〜5.0位の範囲が適当であり、微粒子を分散し
た水性樹脂水溶液の安定性からは4.0以下が望まれ
る。また重量比が0.5未満では。この水性樹脂層表面
の凹凸が十分に形成されず、その結果最終的な感光性絶
縁樹脂層表面の凹凸形成も不十分になり、金属めっき膜
との充分な密着が得られない。
【0014】このような微粒子を含有する水性樹脂水溶
液は、通常水性樹脂を溶解した水溶液に微粒子を混合撹
拌することにより得られる。微粒子を予め、ディゾルバ
ー、ホモジナイザー、ペイントシェーカーあるいはダイ
ノミル等で分散しておき、前記水性樹脂水溶液と混合す
ることも可能であり、水性樹脂水溶液の調整法は限定さ
れない。また、仮支持体上へ面状良く塗布するため界面
活性剤を添加したり、メタノール等の溶剤を混合するこ
とも可能である。また、微粒子の沈降防止のため分散剤
等を添加することも出来る。
【0015】このような微粒子を含有する水性樹脂水溶
液はバー塗布等でプラスティックフィルム上に塗布され
る。この時の乾燥後の膜厚は通常、膜厚計の測定で概ね
2〜15μmの範囲にすることが望ましい。2μmより
薄いと、感光性絶縁樹脂層表面の凹凸の高さが小さく金
属めっき膜との密着が不十分になる。また15μmより
厚いとこの微粒子が含有された水性樹脂層の現像による
除去時間が長くなり好ましくなり、より好ましくは10
μm以下である。
【0016】この感光性絶縁樹脂層(図1―3)につい
て具体的に説明する。本発明で用いることが出来る感光
性絶縁樹脂材料に関しては、絶縁性、パターン形成性、
密着性、強度、めっき処理耐性、経時安定性等、ビルド
アップ法による多層配線基板に必要な性能を満足する限
り、特に制限は無い。好ましくは、特開平7―1105
77号公報、特開平7―209866号公報に開示され
るような、光重合開始剤あるいは光重合開始剤系とエチ
レン性不飽和二重結合を有する付加重合性モノマー、及
びスチレン/マレイン酸無水物共重合体のベンジルアミ
ン等のアミン変成した樹脂を含有する感光性絶縁樹脂等
が挙げられる。前記感光性絶縁樹脂をメチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンのような溶剤に溶解し、仮支持体
上に塗布により設けられた微粒子含有水性樹脂層(図1
―2)上に塗布により設ける。このようにして、感光性
転写シート(図1)を得ることが出来るが、感光性絶縁
樹脂層の表面に、感光性絶縁樹脂層の表面を保護するた
め、ポリエチレン、あるいはポリプロピレン等の保護フ
ィルムを設けても良い。
【0017】次に配線を形成した絶縁基材上に上記感光
性転写シートを転写する。絶縁基材としてはガラエポあ
るいはセラミックス基材等を使用することが出来、配線
はドライフィルムレジストを利用したサブトラクティブ
法やアディティブ法により形成することが可能である。
【0018】転写の方法としては真空下で加熱、加圧す
る(図2)。常圧の加熱、加圧転写では絶縁基材上の配
線間等に気泡が残りやすいため、200mmHg以下の
真空雰囲気下で行うことが望ましい。また、真空下で加
熱、加圧する時の感光層の溶融粘度が20000ポイズ
未満にする必要がある。これより大きいと配線の段差等
に感光層が追従せず、気泡が残りやすくなる。ここで溶
融粘度は、ソリキッドメーターで、感光層単独のサンプ
ルを測定するものとする。具体的には感光液に用いるス
チレン/マレイン酸無水物共重合体のベンジルアミン等
のアミン変成した樹脂の重量平均分子量を120000
以下にすることにより達成される。これより大きい重量
平均分子量のものを用いると加熱、加圧時の温度を14
0℃にしても感光液の溶融粘度が20000ポイズを越
え、上記気泡混入が発生する。なお加熱、加圧時の温度
を140℃以上にすると感光液中のモノマーの反応が進
み、所望のパターニングが不可能になるため、これ以下
の温度で行う必要がある。加熱、加圧時の温度として9
0℃以下では樹脂の重量平均分子量を3000未満にす
る必要があり、この場合樹脂の強度が低下して経時で樹
脂に割れが発生し易くなるなど信頼性に問題が生じるの
で好ましくない。
【0019】更に、配線形成済みの絶縁基材と感光性転
写シートをホットプレス方式で転写させる場合、両者を
挟む押さえシートとして変形しにくい金属板等を使用す
ることが望ましい。これにより、加熱、加圧の際に仮支
持体が配線の段差により変形することを防ぎ、平坦性が
確保される。また、押さえシートを用いない場合は、ホ
ットプレートとして金属製等の変形しにくいものを使用
すれば良い。金属板としては、鏡面仕上げのステンレス
板等が好適である。
【0020】また、配線形成済みの絶縁基材と感光性転
写シートを真空下ゴムロール間を通して加熱、加圧する
際には、ゴムロールとしてポリウレタン、耐熱性シリコ
ン等の硬度30以上のものを用いることが望ましい。こ
れにより、加熱、加圧の際に仮支持体が配線の段差によ
り変形することを防ぎ、平坦性が確保される。硬度が3
0より小さいと加熱、加圧の際に仮支持体が配線の段差
により変形することにより十分な平坦性が得られないか
らである。
【0021】ここでの平坦性は絶縁基材の配線に起因す
る感光性絶縁樹脂表面の凹凸であり、これが約5μm以
上であると、後工程での第2層配線形成が不良となるた
め、少なくとも4μm以下に押さえる必要がある。
【0022】次にバイアホールを形成するためパターン
露光を行うが、仮支持体のフィルムをそのままにして露
光しても良いし、剥離して露光することも可能である。
特に高解像度が必要な場合は仮支持体フィルムを剥離し
て露光することが望ましい。露光は超高圧水銀灯等を用
いることが出来、拡散光、平行光露光何れも使用可能で
ある。
【0023】次にアルカリ水溶液等により現像を行い、
バイアホールを形成するが、アルカリ水溶液の場合には
現像主薬として0.3〜2.0%程度の炭酸ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノー
ルアミン、あるいはテトラメチルアンモニウムハイドロ
キサイド等を用い、これらを溶解した水溶液を用いるこ
とが出来る。後者のアルカリ水溶液系現像液には必要に
応じて、界面活性剤やベンジルアルコールのような溶剤
を添加することも可能である。勿論これらに限定される
訳ではない。現像はシャワー現像やブラシ現像、あるい
は両者を組み合わせた方法等で行うことが出来る。
【0024】現像終了後、前記露光機を用い200〜5
000mJ/cm2の条件下ポスト露光を行い、更に1
20℃〜200℃の範囲でポストベイクを行うことが望
ましい。これにより、感光性絶縁樹脂層の硬化が十分に
進み、耐熱性あるいは無電解めっき時の耐強アルカリ性
が更に向上する。感光性絶縁樹脂によってはポスト露光
を必ずしも施す必要はない。
【0025】前記現像処理において水性樹脂あるいは水
性樹脂に含有される微粒子がある程度除去されるが、残
留分を除き感光性絶縁樹脂層表面を清浄化し、金属めっ
き膜との密着を向上させるため、前記ポストベイク後に
0.1〜5%程度の希硫酸等の酸、あるいは水酸化ナト
リウム水溶液のようなアルカリで処理しても良い。ポス
トベイク後、希硫酸処理を施した場合の模式図を図3に
示した。図中6は層間接続に利用するバイアホール部で
ある。感光性絶縁樹脂層の表面は微粒子が除去されたた
め凹凸が形成されている。
【0026】この後無電解めっき処理を行う。この場
合、通常無電解めっき前にプレディップ処理、触媒付与
処理、活性化処理等の前処理を行う。この工程は限定さ
れるものではなく、当業者に公知の市販の処理液を適宜
使用することが出来る。この無電解めっきは通常電解め
っきが可能な膜厚、0.2〜2μm程度あれば良く、
銅、ニッケル等を用いることが出来る。更に配線を形成
するための電解めっきを行う。電解めっきに使用する金
属としては通常銅が配線用として好適である。電解銅め
っき液は硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴等を用いることが出
来る。勿論これらに限定されるものではない。また、め
っき膜と感光性絶縁樹脂の密着を向上させるために10
0〜200℃でアニール処理しても良い。
【0027】無電解めっきに引き続き、電解めっきした
後の模式図を図7に示した。次に通常のサブトラクティ
ブ法により配線を形成する。まずフォトレジストとして
は、市販のフィルム状のドライフィルムレジスト(DF
R)をラミネートして、あるいは液状のフォトレジスト
を電解めっき銅上に塗布して使用することが出来る。電
着レジスト等の使用も可能である。フォトレジストとの
密着を確保するために、予め電解銅めっき膜をバフ研磨
等で処理しておくのが望ましい。
【0028】この後、パターン露光、現像処理後不要な
銅を酸系のエッチング液で除去し、残留したフォトレジ
ストをアルカリ水溶液などで剥離して配線を形成する。
図5に第2層の配線が形成された模式図を示した。図中
9が第2層の配線であり、また図中8のバイアホール部
はめっきにより、上下の層間接続が取れるようになるこ
とが示してある。これが基本的なビルドアップ基板に相
当する。上記工程の繰り返しにより、多層配線基板が形
成される。このような多層配線基板の製法がビルドアッ
プ法である。
【0029】なお本発明の感光性転写シートにおける微
粒子含有水性樹脂層において、「粗面化された水性樹脂
層」の「粗面化」とは、以下の意味である。最終的に感
光性絶縁樹脂層表面を粗面化するのは、金属めっき膜と
感光性絶縁樹脂層の密着を向上させるためである。よっ
て感光性絶縁樹脂層が平坦であれば、この上に金属めっ
き膜を形成しても剥離してしまい、ビルドアップ法によ
る回路形成は不能である。
【0030】本発明において、「粗面化」は、JIS
K5400に規定された方法に従って評価し、5mm間
隔の碁盤目テストにおいて少なくとも8点の評価を必要
とする。また、ピール強度としては、最低0.6Kg/
cm以上であることが望まれる。
【0031】以下実施例により、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明の技術はこれらに限定されるものでは
ない。
【実施例】
実施例1 1.感光性転写シートの作製 1)微粒子分散液の作製 炭酸カルシウム粉体のツネックスE(白石工業社製)5
0gとイオン交換水50gをペイントシェーカーにて3
0分分散した。 2)微粒子含有水溶性又はアルカリ可溶性樹脂液の塗布 下記組成の水性樹脂溶液を約7μmの厚さになるように
75μmのポリエステルフィルム上に塗布した。
【0032】 <塗液の組成> ・ポリビニルアルコールPVA205(クラレ社製) 10%水溶液 37.5重量部 ・ポリビニルピロリドンK90(五協産業社製) 10%水溶液 18.8重量部 ・ヒドロキシプロピルメチルセルロースTC5E(信越化学社製) 5%水溶液 75.0重量部 ・微粒子分散液 59.4重量部 ・界面活性剤サーフロンS131(旭ガラス社製)30%溶液 0.65重量部 ・イオン交換水 40.0重量部
【0033】2.感光性絶縁樹脂液の塗布 下記組成の感光性絶縁樹脂塗液を上記微粒子含有水溶性
又はアルカリ可溶性樹脂層上に塗布した後、100℃1
5分の条件で乾燥し、感光性絶縁樹脂層の膜厚約65μ
mとなる感光性転写シートを得た。
【0034】 <感光性絶縁樹脂塗液の組成> ・スチレン/マレイン酸/ブチルアクリレート共重合体 (組成比40/32/28のモル比、重量平均分子量約30000) のベンジルアミン100%変成品の30.9%シクロヘキサノン溶液 50.0重量部 ・光重合開始剤9―フェニルアクリジン (日本シイベルヘグナー社製) 0.77重量部 ・多官能モノマーDPHA(日本化薬社製) 10.8重量部 ・多官能モノマーR712(日本化薬社製) 4.63重量部 ・メチルエチルケトン 14.7重量部
【0035】3.多層基板の作製 銅厚18μmの両面銅張り積層板に幅100μm、間隙
120μmの配線を通常のサブトラクティブ法により作
製し、この上に感光性転写シートを重ね、更に鏡面仕上
げのステンレス板を重ね、太陽マテリアル社製の真空ラ
ミネータで、120℃の条件下貼り合わせた。120℃
での感光層の溶融粘度は約10000ポイズであった。
次に層間接続用のマスクを用い拡散光露光機で80mJ
/cm2の条件で露光し、微粒子含有水性樹脂フィルム
のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離後、0.
5%炭酸ソーダを用いて40℃、30秒のシャワー現像
を行った。この結果直径が約90μmのバイアホールが
形成された。この後拡散露光機で1900mJ/cm2
の条件下全面にポスト露光を行い、更に160℃60分
のポストベイク処理を行った。
【0036】次に2.5%希硫酸水溶液に24℃、2分
間浸漬処理し、更にメルテックス社製の処理剤を用い、
以下の手順で無電解銅めっきまで行った。 ・前処理剤(PC236)で、25℃3分間浸漬処理
し、2分間純水で水洗した。 ・触媒付与剤(アクチベーター444)で、25℃6分
間浸漬処理し、2分間純水で水洗した。 ・活性化処理剤(PA491)で、25℃10分間浸漬
処理し、2分間純水で水洗した。 ・無電解銅めっき液(CU390)で、25℃、PH1
2.8の条件下20分間浸漬処理、純水で5分間水洗し
た。 ・100℃15分間乾燥した。 ・この結果、膜厚約0.3μmの無電解銅めっき膜が形
成された。
【0037】引き続き、メルテックス社製の脱脂処理剤
(PC455)で、25℃30秒浸漬処理、2分間水洗
後電解銅めっきを行った。電解銅めっき液は硫酸銅75
g/L、硫酸190g/L、塩素イオン約50ppm、
及びメルテックス社製カパーグリームPCM5mL/L
の組成で、25℃、2.4A/10cm角、40分の条
件でめっきを行った。この結果約20μm厚の銅が析出
した。次にオーブンに入れ、170℃60分アニール処
理を行った。
【0038】次に通常のサブトラクティブ法により配線
及び、層間接続部の形成を行った。この状態で260℃
20秒間の半田耐熱試験を行ったところ配線の剥がれ等
は生じなかった。また、金属めっき膜と感光性絶縁樹脂
との密着については、JISK5400による5mm間
隔の碁盤目テストでも10点の評価であり良好であっ
た。更にテンシロンを用い、10mm幅のサンプルの引
っ張りテストを行った結果、0.6Kg/cm以上であ
った。第2層の配線上に同様にして感光性転写シートを
転写し、電解銅めっきまで行いバイアホール部、あるい
は配線部分の段差を測定したところ約3μmであった。
また、気泡は認められなかった。
【0039】実施例2 硬度70のポリウレタンロールを用いたロール方式の真
空ラミネータを使用する以外は実施例1と同様にして第
2層の配線形成を行った。この状態で260℃20秒間
の半田耐熱試験を行ったところ配線の剥がれ等は生じな
かった。また、金属めっき膜と感光性絶縁樹脂との密着
については、JIS K5400による5mm間隔の碁
盤目テストでも10点の評価であり良好であった。更に
テンシロンを用い、10mm幅のサンプルの引っ張りテ
ストを行った結果、0.6Kg/cm以上であった。第
2層の配線上に同様にして感光性転写シートを転写し、
電解銅めっきまで行いバイアホール部、あるいは配線部
分の段差を測定したところ約3.5μmであった。ま
た、気泡は認められなかった。
【0040】比較例1 押さえシートとして鏡面仕上げの金属板の変わりにシリ
コンラバーを使用し、実施例1と同様に第2層の配線形
成を行った。この状態で260℃20秒間の半田耐熱試
験を行ったところ配線の剥がれ等は生じなかった。ま
た、金属めっき膜と感光性絶縁樹脂との密着について
は、JIS K5400による5mm間隔の碁盤目テス
トでも10点の評価であり良好であった。更にテンシロ
ンを用い、10mm幅のサンプルの引っ張りテストを行
った結果、0.6Kg/cm以上であった。しかしなが
ら、第2層の配線上に感光性転写シートを転写、電解め
っきまで行ったところ、気泡は認められなかったが、段
差は12〜15μmであった。
【0041】比較例2 ロールとして硬度20のシリコン製のものをを使用し、
実施例2と同様に第2層の配線形成を行った。この状態
で260℃20秒間の半田耐熱試験を行ったところ配線
の剥がれ等は生じなかった。また、金属めっき膜と感光
性絶縁樹脂との密着については、JIS K5400に
よる5mm間隔の碁盤目テストでも9点の評価であり良
好であった。更にテンシロンを用い、10mm幅のサン
プルの引っ張りテストを行った結果、0.6Kg/cm
以上であった。しかしながら、第2層の配線上に感光性
転写シートを転写、電解めっきまで行ったところ、気泡
は認められなかったが、段差は9〜12μmであった。
【0042】比較例3 感光液として下記組成のものを使用した以外は実施例1
と同様にして感光性転写シートの貼り合わせを行った
が、気泡が多数混入し、使用に耐えなかった。この時の
感光層の溶融粘度は約22000ポイズを越えていた。
【0043】 <感光性絶縁樹脂塗液の組成> ・スチレン/マレイン酸/ブチルアクリレート共重合体 (組成比40/32/28のモル比、重量平均分子量約140000) のベンジルアミン100%変成品の30.9%シクロヘキサノン溶液 50.0重量部 ・光重合開始剤9―フェニルアクリジン (日本シイベルヘグナー社製) 0.77重量部 ・多官能モノマーDPHA(日本化薬社製) 10.8重量部 ・多官能モノマーR712(日本化薬社製) 4.63重量部 ・メチルエチルケトン 20重量部 ・シクロヘキサノン 40重量部
【0044】
【発明の効果】安全上、環境上問題を生じさせずに金属
めっき膜との密着確保可能で、かつ気泡混入が無い、感
光性絶縁樹脂層表面が平坦な多層基板の製造方法を提供
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光性転写シートの構成を示した模式
図である。
【図2】予め配線が形成された絶縁基材上に感光性転写
シートを転写したときの模式図である。
【図3】図2で仮支持体を設けたままパターン露光、仮
支持体を剥離後に現像、ポスト露光、ポストベイク及び
希硫酸処理を行った後の模式図である。層間接続に利用
するバイアホール(図中6)が形成され、感光性絶縁樹
脂層の表面が粗面化されている状態である。
【図4】図3の感光性絶縁樹脂層上に無電解めっき、電
解めっきを行った後の模式図である。
【図5】ドライフィルムレジストを用いたサブトラクテ
ィブ法により第2層の配線を形成した後の模式図であ
り、これがビルドアップ基板に相当する。
【符号の説明】
1 仮支持体 2 微粒子含有水性樹脂層 3 微粒子を少なくとも1種を含有する粗面化された
水溶性又はアルカリ可溶性樹脂層 4 配線 5 絶縁基材 6 層間接続用バイアホール 7 無電解銅めっき層及び電解銅めっき層 8 層間接続部 9 第2層配線部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)仮支持体上に塗布により形成された
    平均粒径もしくは平均凝集径が1〜10μmの微粒子を
    少なくとも1種を含有する粗面化された水溶性又はアル
    カリ可溶性樹脂層上に感光性絶縁樹脂層を塗布により設
    けた感光性転写シートを配線が形成された絶縁基材上に
    加熱、加圧圧着により転写する工程、(2)バイアホー
    ル形成用のマスクを用いたパターン露光、現像処理を行
    い、表面が粗面化されたバイアホールを形成する工程、
    (3)引き続きポスト露光あるいは/及びポストベイク
    処理、無電解メッキ、電解メッキ処理を行った後、層間
    接続を行うとともに、第2層の配線を形成する工程、か
    らなる多層配線基板の製造方法において、 感光性転写シートを配線が形成された絶縁基材上に加
    熱、加圧圧着により転写する際の加熱温度における感光
    層の溶融粘度が20000ポイズ未満であることを特徴
    とする多層配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】感光性転写シートを配線が形成された絶縁
    基材上に加熱、加圧圧着により転写する時、感光性転写
    シートと配線形成済み絶縁基材を押さえシート間に挿入
    して真空下で加圧圧着し、このとき用いる押さえシート
    ととして金属板を用いることを特徴とする請求項1記載
    の多層配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】感光性転写シートと配線形成済み絶縁基材
    をゴムロール間を通して真空下で加圧圧着し、このとき
    用いるロールとして硬度30以上のものを用いることを
    特徴とする請求項1記載の多層配線基板の製造方法。
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