JP2007144820A - プリント配線板用積層体、及び、それを用いたプリント配線板の作製方法 - Google Patents

プリント配線板用積層体、及び、それを用いたプリント配線板の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁膜との密着性に優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さい導電性層を任意の固体表面に容易に形成しうるプリント配線板用として好適な積層体、及び、それを用いて形成した基板上に、絶縁膜との密着性に優れた高精細の配線を有するプリント配線板を提供する。
【解決手段】支持体上に、少なくとも(A)絶縁性樹脂組成物層、及び、(B)露光により分解する化合物を含有する感光性組成物層を有することを特徴とするプリント配線板用に好適な積層体である。この積層体をパターン露光し、(B)層によるメッキレジストを形成した後、重合性化合物などの反応性の高分子前駆体を接触させ、露光することで、レジストの存在しない領域にグラフトポリマーを生成させた後、そこに導電性層を設けることで、プリント配線板を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板の作製に好適に用いうる積層体、それを用いたプリント配線板の作製方法に関し、詳細には、電子材料分野で使用される高密度配線を有するプリント配線板、或いは、その形成に使用される銅張り積層板を簡易に製造しうるプリント配線板用積層体、それを用いて作製した高密度実装対応のプリント配線板、実装対応のプリント配線板の作製方法に関する。
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等も小型化かつ高密度化が進んでいる。このプリント配線板等の高密度化への対応としては、高精細で安定な配線の実現やビルドアップ多層配線板の採用などの方法が種々検討されている。しかし、ビルドアップ多層配線板は、多層間の積層に加熱圧着を行うと、微細なビアにより接続された層間の接続強度の低下が懸念される。
微細配線の形成にあたっては、従来の導電性パターン特にプリント配線板の分野で有用な金属パターン形成方法として「サブトラクティブ法」が知られている。サブトラクティブ法とは、基板上に形成された金属の層に、活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層に像様露光し、現像してレジスト像を形成し、ついで、金属をエッチングして金属パターンを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。この手法で使用される金属基板は、基板と金属層との密着性を持たせるために基板界面を凹凸処理してアンカー効果により密着性を発現させていた。その結果、出来上がる金属パターンの基板界面部が凹凸になってしまい、電気配線として使用する際、高周波特性が悪くなるという問題点があった。更に、金属基板を形成する際、基板を凹凸処理するため、クロム酸などの強酸で基板を処理するという煩雑な工程が必要であるいという問題点があった。
この問題を解決する為に、基板表面にラジカル重合性化合物をグラフトして表面改質を行うことで、基板の凹凸を最小限にとどめ、かつ、基板の処理工程を簡易にする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、この方法では、高価な装置(γ線発生装置、電子線発生装置)が必要であった。また、使用される基板は通常の市販のプラスチック基板を使用しているため、グラフトポリマーが、そこに無電解メッキ触媒等を強固に付着させる程、十分には生成されず、基板と導電性層との密着が実用上の強度に達していないという問題があった。
平滑な基板上に形成された金属パターンは、プリント配線板の配線(導電性膜)として、半導体デバイスに有用である。近年、電子機器に対し、大容量データを高速に処理する要求が高まっており、画像処理や通信制御等に用いられる半導体デバイスは、年々、内部クロック周波数や外部クロック周波数が高くなり、且つ、接続ピン数も増えてきている。高速伝導のためには、信号の遅延と減衰とを抑えることが重要である。信号の伝搬遅延を抑えるには、誘電率を低くすることが有効であり、誘電損を抑えるには、誘電率と誘電正接をそれぞれ低くすることが有効であるが、誘電損における誘電率は、誘電率の平方根として関わるため実質的には誘電正接の関与が大きい。このため、材料特性の観点からは、低誘電正接特性を有する絶縁材料を採用することが高速化の観点からは有利である。特に近年半導体デバイスの周波数がギガ帯にはいり、絶縁膜の性質としては1GHz以上の領域での低誘電率と低誘電正接とが求められるようになってきた。
即ち、信号の伝搬遅延を抑えるには、誘電率を低くすることが有効であり、誘電損を抑えるには、誘電率と誘電正接をそれぞれ低くすることが有効であるが、誘電損における誘電率は、誘電率の平方根として関わるため実質的には誘電正接の関与が大きい。このため、材料特性の観点からは、低誘電正接特性を有する絶縁材料を採用することが高速化の観点からは有利である。
また、導電体表面の平滑化は、高密度化にも大きく貢献する。従来のビルトアッププリント配線板では、剥離強度を確保するために粗面化処理を行っていたが、この数ミクロンの凹凸が、さらなる微細配線化の妨げになっているのが現状である。
従って、半導体デバイスに有用なプリント配線板の形成といった観点からも、平滑な絶縁基板上に、細密で、且つ、密着性の高い金属パターンを形成する手段が熱望されている。
基板に凹凸を持たせることなく、基板上にパターンを形成して導電性の金属パターンを形成する方法として、感光性シリコンでパターンニングし、触媒を付与後、メッキにより金属パターンを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、シリコン樹脂と絶縁性のプリント配線基板として汎用に用いられているポリイミド樹脂やエポキシ樹脂とは密着性が十分とはいえず、更に密着性に優れた方法が望まれている。
これをうけて、本願出願人は、基板に直接結合しなるグラフトポリマーにより形成した微細なパターンに金属粒子を付着させてなる金属パターンの形成方法を提案した(例えば、特許文献3参照。)。この方法によれば、露光精度に従った所望の微細なパターンが形成しうる。しかしながら、実用上の観点からは、金属パターンの線幅方向の精度を維持しながら、金属層の厚みを増加させるなどの手段による、さらなる導電性の向上が切望されているのが現状である。
特開昭58−196238号明細書 特開2000−349417公報 特開2003−114525公報
上記従来の技術的問題点を考慮してなされた本発明の目的は、絶縁膜との密着性に優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さく、十分な厚みを有し、且つ、ギガ帯での信号の伝播遅延が抑制された導電性層を任意の固体表面に容易に形成しうる、プリント配線板の作製に有用な積層体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、前記本発明のプリント配線板用積層体を用いた、基板上に、絶縁膜との密着性に優れた高精細の配線を有するプリント配線板の作製方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、特定の絶縁性樹脂組成物層と、メッキレジストを形成しうる感光性組成物層とを有する積層体により前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> 支持体上に、エネルギー付与により反応性の活性種を生成しうる絶縁性樹脂組成物層と、露光により硬化或いは分解する感光性組成物層とを有することを特徴とする積層体。
<2> 前記絶縁性樹脂組成物層が、1GHzでの誘電率5以下、誘電正接0.5以下であることを特徴とする<1>に記載のプリント配線板作製用積層体。
<3> 前記絶縁性樹脂組成物層へのエネルギー付与が、露光又は加熱であることを特徴とする<1>に記載のプリント配線板作製用積層体。
<4> 前記感光性組成物層と、絶縁性樹脂組成物層とを順次有するか、絶縁性樹脂組成物層と感光性組成物層積層とを順次有し、最上層の表面に保護フィルムを有し、支持体又は保護フィルムを剥離して、露出した層を基板にラミネートして用いることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1項に記載のプリント配線板作製用積層体。
<5> <1>乃至<4>のいずれか1項に記載のプリント配線板作製用積層体を用いて、基板上に絶縁性樹脂組成物層と、感光性組成物層がこの順に位置するように積層する工程と、感光性組成物層側からエネルギーをパターン状に付与し、現像して、感光性組成物層からなるパターンを形成するパターン形成工程と、該積層体の表面に反応性の高分子前駆体を含有する組成物を接触させ、エネルギー付与を行うことで、絶縁性樹脂組成物層に直接結合する高分子化合物を生成させる高分子化合物生成工程と、該高分子生成領域に無電解メッキ触媒もしくはその前駆体を付着させる触媒付着工程と、無電解メッキを行って回路パターンを形成する導電性層形成工程とを有することを特徴とするプリント配線板の作製方法。
<6> 前記無電解メッキを行って導電性層を形成する工程の後に、さらに、電気メッキを行う工程を有することを特徴とする<5>記載のプリント配線板の作製方法。
<7> 前記無電解メッキを行って導電性層を形成する工程の後に、さらに、残存する感光性組成物層を除去する工程を有することを特徴とする<5>記載のプリント配線板の作製方法。
<8> 導電層が形成されたプリント配線板上に、前記プリント配線板作成用積層体を用いて回路パターンを形成することを特徴とする<5>乃至<7>に記載の多層プリント配線板の作製方法。
本発明のプリント配線板作製用の積層体を用いることで、絶縁膜との密着性に優れ、十分な厚みを有する高精細の導電層を任意の基板上、或いは、絶縁膜上に形成された配線上に、容易に形成することができる。
本発明のプリント配線板用積層体は、基板など任意の固体表面に該積層体を密着させる積層工程、導電層を形成しようとする領域、或いは、絶縁性領域を形成しようとする領域のいずれかをパターン状に露光し、絶縁膜上にパターン状のメッキレジストとなる樹脂層を形成するレジストパターン形成工程、該積層体表面にグラフトポリマーを生成しうる高分子前駆体を含有する組成物を接触させて、露光などによりエネルギーを付与してメッキレジストの存在しない領域にグラフトポリマーを生成させるグラフトポリマー形成工程を有し、更に、グラフトポリマー生成領域に無電解メッキ触媒前駆体を付着させ、その後、無電解メッキを行うことで導電性層を形成する導電性層形成工程を経ることによって最終的なプリント配線板ができる。
ここで、グラフトポリマー形成に用いられる露光波長と、感光性組成物をパターニングする露光波長とは、感光性組成物がポジ型の場合には同一であってもよいが、ネガ型の場合には、互いに異なることが好ましい。
また、本発明の方法によれば、グラフトポリマーの生成領域表面はメッキレジストが存在せず、グラフトポリマーの未生成領域にはメッキレジストが存在することになる。このため、グラフトポリマーに無電解メッキ触媒やその前駆体を付着させ、無電解メッキを実施すると、グラフトポリマーの未生成領域においては、メッキレジストの存在によりメッキ膜の形成が阻害されるため、無電解メッキによるメッキ膜はレジストの存在しない厚み方向にのみ選択的に成長することになり、形成される導電膜は十分な厚みを有するものであっても、横方向への金属膜の成長が阻害され、高精細な回路を形成することができる。
導電性層の形成後、未反応の高分子組成物層、及び、高分子前駆体層を除去することも可能である。除去は、現像など公知の方法で行うことができる。
本発明によれば、ギガ帯での信号の伝播遅延が抑制され、絶縁膜との密着性に優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さく、厚みが十分であっても高解像度の導電性層を任意の固体表面に容易に形成しうる、プリント配線板の作製に有用な積層体を提供することができる。
また、前記本発明のプリント配線板用積層体を用いることで、基板上に、絶縁膜との密着性に優れた高精細の配線を有するプリント配線板の作製方法を提供することができる。
本発明により得られたプリント配線板は、高周波特性に優れた微細な配線パターンを有しており、多層配線基板にも好適に用いうる。
本発明のプリント配線板用積層体は、この積層体を保持するための支持体と、(A)エネルギー付与により反応性の活性種を生成しうる絶縁性樹脂組成物層と、メッキレジストとなりうる(B)感光性組成物層という2つの層を有することを特徴とする。
本明細書においては、「(A)絶縁性樹脂組成物層」を「(A)層」もしくは「絶縁膜」と、「(B)露光により硬化或いは分解する感光性組成物層」を「(B)層」もしくは「感光性層」と、それぞれ称することがある。
なお、支持体と、その上に形成された前記(A)層、及び(B)層を備えた積層体が有する各種の機能を使用時まで保護するため、積層体の表面に保護層を設けることが好ましい。
これら(A)絶縁性樹脂組成物層、及び、(B)露光により硬化或いは分解する感光性組成物層層の形成順は任意であり、例えば、支持体上に、(A)層、(B)層を順次有するものであっても、支持体上に、(B)層、(A)層を順次有するものであってもよい。
なお、本発明において「順次有する」とは、支持体上にこれらの層が、記載された順に存在することを指すが、所望により設けられるその他の層、例えば、接着剤層、クッション層などの存在を否定するものではない。
以下、本発明のプリント配線板の形成に有用な積層体を構成する各層について順次説明する。
〔(A)絶縁性樹脂組成物層〕
本発明における絶縁性樹脂組成物層の形成は、従来の多層積層板,ビルドアップ基板,もしくはフレキシブル基板として用いられてきた公知の絶縁性の樹脂を用いることができる。これらの樹脂は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、もしくはそれらの樹脂混合体からなる。
本発明ではこれらの樹脂をそのまま使用することができるが、ギガ帯での信号の伝播遅延を抑制するという効果をより向上させるという観点からは、樹脂組成物層が、1GHzでの誘電率が5以下で、且つ、誘電正接0.5以下であることが好ましい。誘電率、誘電正接がこれ以上の値をとると、微細配線を形成した際の、平滑化による信号遅延を抑える効果を小さくしてしまうので、好ましくない。また、(A)層のパターン形成後、反応性の高分子前駆体を接触させてグラフト反応を容易に行わせるという観点からは、これらの絶縁樹脂に露光、もしくは加熱など、エネルギーを付与することにより活性種を発生する材料として重合性開始剤を含有したものを用いることが好ましい。またグラフト反応性もしくは絶縁体層の強度を高める目的で、前記活性種と反応しうる重合性二重結合含有化合物、例えば、多官能のアクリレートモノマーなどが添加されても良い。またこれ以外の成分として絶縁体層の強度を高めるもしくは電気特性を改良するために無機,もしくは有機の粒子を添加しても良い。なお、本発明における「絶縁性樹脂」とは、公知の絶縁膜に使用しうる程度の絶縁性を有する樹脂であることを意味するものであり、完全な絶縁体でないものであっても、目的に応じた絶縁性を有する樹脂であれば、本発明に適用しうる。
以下、本発明に使用しうる絶縁性樹脂組成物層に用いられる各成分について順に説明する。
本発明に係る(A)絶縁性樹脂組成物層に用いうる熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂,イソシアネート系樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
さらにエポキシ樹脂について詳しく説明する。
本発明における(A)絶縁性樹脂組成物層を構成するエポキシ樹脂は(a)エポキシ基を1分子中に2個以上を有するエポキシ化合物と(b)エポキシ基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する化合物との反応物からなる。(b)における官能基としてはカルボキシル基、水酸基、アミノ基、チオール基などの官能基から選ばれる。
(a)エポキシ基を1分子中に2個以上を有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)としては、エポキシ基を1分子中に2〜50個有するエポキシ化合物であることが好ましく、エポキシ基を1分子中に2〜20個有するエポキシ化合物であることがより好ましい。ここで、エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。このような多価エポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
(b)エポキシ基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する化合物としては、テレフタル酸などの多官能カルボン酸化合物、フェノール樹脂などの多官能水酸基化合物、アミノ樹脂、1,3,5−トリアミノトリアジンなどの多官能アミノ化合物を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物にはエポキシ樹脂の硬化剤が含まれていてもよい。たとえば、多官能フェノール類、アミンルイ、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物およびこれらのハロゲン化物などがあるが、高分子前駆体層との化学反応を阻害しないものを用いることが好ましい。また、本発明の絶縁性樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を配合してもよい。代表的な硬化促進剤としては、第3級アミン、イミダゾール類、第4級アンモニウム塩などがあるが、これらに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。そのほかの熱可塑性樹脂としては、(1)1,2−ビス(ビニルフェニレン)エタン樹脂(1,2−Bis(vinylphenyl)ethane )もしくはこれとポリフェニレンエーテル樹脂との変性樹脂(天羽悟ら、Journal of Applied Polymer Science Vol.92, 1252−1258(2004)に記載)。(2)液晶性ポリマー、具体的にはクラレ製のベクスター など。(3)フッ素樹脂(PTFE)、などがある。
なお、熱可塑性樹脂を用いた回路基板をリフロー工程などの高温環境下に置く場合は、設定された高温環境での変形を起こさない耐熱性を有する材料を選択し、例えば、熱膨張係数を小さくし、ガラス転移温度を高くすることなどにより変形を抑えることができる。
(熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合)
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これはそれぞれの欠点を補いより優れた効果を発現する目的で行われる。例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)などの熱可塑性樹脂は熱に対しての耐性が低いため、熱硬化性樹脂などとのアロイ化が行われている。たとえばPPEとエポキシ、トリアリルイソシアネートとのアロイ化、あるいは重合性官能基を導入したPPE樹脂とそのほかの熱硬化性樹脂とのアロイ化として使用される。またシアネートエステルは熱硬化性の中ではもっとも誘電特性の優れる樹脂であるが、それ単独で使用されることは少なく、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、熱可塑性樹脂などの変性樹脂として使用される。これらの詳細に関しては電子技術 2002/9号 P35 に記載されている。また熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂を含み、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂および/またはポリエーテルスルフォン(PES)を含むものも誘電特性を改善するために使用される。
なお、本発明に係る手段により得られた導電性パターンをプリント配線板の配線(導電性膜)として用いる場合、大容量データを高速に処理するという観点で、信号の遅延と減衰とを抑制するためには、誘電率及び誘電正接のそれぞれ低くすることが有効である。低誘電正接材料の採用については、「エレクトロニクス実装学会誌」第7巻、第5号、P397(2004年)に詳細に記載されているとおりであり、特に低誘電正接特性を有する絶縁材料を採用することが高速化の観点から好ましい。具体的には、基板は、1GHzにおける誘電率(比誘電率)が5以下である絶縁性樹脂からなることが好ましく、且つ、1GHzにおける誘電正接が0.5以下である絶縁性樹脂からなることがさらに好ましい。さらに好ましくは、誘電率が4.0以下で、且つ、誘電正接が0.1以下である絶縁性樹脂からなる絶縁材料を採用することである。絶縁樹脂の誘電率、誘電正接は、常法、例えば、「第18回エレクトロニクス実装学会学術講演大会要旨集」、2004年、p189、に記載の方法に基づき、空洞共振器摂動法を利用した測定器(極薄シート用εr、tanδ測定器・システム、キーコム株式会社製)を用いて測定することができる。このように、本発明においては誘電率や誘電正接の観点から絶縁樹脂材料を選択することも有用である。誘電率が5以下であり、誘電正接が0.5以下の絶縁樹脂の代表的なものとしては、エポキシ樹脂、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シアネートエステル樹脂、ビス(ビスフェニレン)エタン樹脂などが挙げられ、さらにそれらの変性樹脂も含まれる。
(重合性の二重結合を有する化合物)
また絶縁膜の中には用途の目的に応じて必要な化合物を添加することができる。このような化合物としてはラジカル重合性の二重結合を有する化合物がある。ラジカル重合性の二重結合を有する化合物とはアクリレート、もしくはメタアクリレート化合物である。本発明に用いうるアクリレート化合物〔(メタ)アクリレート〕は、分子内にエチレン性不飽和基であるアクリロイル基を有するものであれば、特に制限はないが、硬化性、形成された中間層の硬度、強度向上の観点からは、多官能モノマーであることが好ましい。
本発明に好適に用いうる多官能モノマーとしては、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであることが好ましい。多価アルコールの例には、エチレングリコール、1、4−シクロヘキサノール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1、2、4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポリエステルポリオールが含まれる。なかでも、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびポリウレタンポリオールが好ましい。中間層には、二種類以上の多官能モノマーを含んでいてもよい。多官能モノマーは分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を含むものを指すが、より好ましくは3個以上含むものである。具体的には、分子内に3〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーが挙げられるが、さらに、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する、分子量が数百から数千のオリゴマーなども本発明の中間層の成分として好ましく使用することができる。
これら分子内に3個以上のアクリル基を有するアクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ポリイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。そのほか,重合性の二重結合を有する化合物として熱硬化性樹脂,もしくは熱可塑性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等に、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、樹脂の一部を(メタ)アクリル化反応させた樹脂を用いてもよい。具体的には、エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。
これらの絶縁性樹脂は、絶縁性樹脂組成物層を形成する組成物中、固形分換算で、5〜100質量%であることが好ましい。
(絶縁性樹脂組成物層に添加する重合開始剤の種類)
本発明で(A)絶縁性樹脂組成物層に用いうる重合開始剤は熱重合開始剤、光重合開始剤、いずれも使用することができる。熱重合開始剤としてはベンゾイルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリルなどのような過酸化物開始剤、およびアゾ系開始剤などを使用することができる。また光重合開始剤としては低分子でも良く、高分子でも良く、一般に公知のものが使用される。
低分子の光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、トリクロロメチルトリアジンおよびチオキサントン等の公知のラジカル発生剤を使用できる。また通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを用いてもよい。また、感度を高める目的で光ラジカル重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン誘導体等が含まれる。
高分子光ラジカル発生剤としては特開平9−77891号、特開平10−45927号に記載の活性カルボニル基を側鎖に有する高分子化合物を使用することができる。
絶縁樹脂中に含有させる重合開始剤の量は、使用する表面グラフト材料の用途に応じて選択されるが、一般的には、絶縁体層中に固形分で0.1〜50質量%程度であることが好ましく、1.0〜30.0質量%程度であることがより好ましい。
(絶縁性樹脂組成物層に含まれるその他の添加剤)
本発明における(A)層には、樹脂被膜の機械強度、耐熱性、耐候性、難燃性、耐水性、電気特性などの特性を強化するために、樹脂と他の成分とのコンポジット(複合素材)も使用することができる。複合化するのに使用される材料としては、紙、ガラス繊維、シリカ粒子、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂などを挙げることができる。
更に、この絶縁性樹脂組成物には必要に応じて一般の配線板用樹脂材料に用いられる充填剤、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラーを一種または二種以上配合してもよい。
また、更にこの絶縁性樹脂組成物には必要に応じて着色剤、難燃剤、接着性付与剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、などの各種添加剤を一種または二種以上添加してもよい。
これらの材料を添加する場合は、いずれも、樹脂に対して、1〜200質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは10〜80質量%の範囲で添加される。この添加量が、1質量%未満である場合は、上記の特性を強化する効果がなく、また、200質量%を超えると場合には、樹脂特有の強度などの特性が低下し、更には、グラフト重合反応も進行しなくなる。
(絶縁性樹脂組成物層の形状)
本発明における(A)絶縁膜の厚みは、一般に、1μm〜200μmの範囲であり、10μm〜150μmの範囲であることが好ましい。
形成される導電性層の物性を向上させる観点からは、絶縁樹脂からなる絶縁膜は、JIS B 0601(1994年)、10点平均高さ法で測定した平均粗さ(Rz)が3μm以下であるものを用いることが好ましく、Rzが1μm以下であることがより好ましい。基板の表面平滑性が上記値の範囲内、即ち、実質的に凹凸がない状態であれば、回路が極めて微細な(例えば、ライン/スペースの値が25/25μm以下の回路パターン)プリント配線板を製造する際に、好適に用いられる。
また、同様の観点から、本発明の積層体を用いて基板上に配線を形成する場合、用いられる基板の平滑性も上記範囲にあることが好ましい。
(A)絶縁性樹脂組成物層の形成
(A)層は前記した成分を適切な溶媒に溶解、もしくはワニス状にすることにより、塗工性を向上させるように調製された塗布液を、支持体上、或いは、後述する(B)感光性組成物層上に塗布、乾燥することで絶縁膜形成用フィルムが形成される。絶縁膜形成用フィルムはフィルム化することで厚さ精度が高く、取り扱い性や位置合わせ精度等が向上され、各種電子部品用の絶縁フィルム、接着フィルム等として好適に使用できる。
溶媒としては、一般的な有機溶媒が使用される。有機溶媒は親水性の溶媒,疎水性の溶媒いずれも使用することができるが、絶縁性樹脂組成物層を形成する熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、および反応後それらの樹脂を形成する高分子前駆体を溶解させる溶媒が有用である。具体的にはメタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、などのケトン系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が好ましい。更にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン等も使用できる。
塗布液、もしくはワニス化のための溶剤の配合量は絶縁性樹脂組成物100重量部に対して、塗布液、もしくはワニスの粘度と作業性、塗工性、および乾燥時間と作業効率の観点から5重量部以上、2000重量部以下であることが好ましく、10〜900重量部であることがより好ましい。
樹脂組成物のワニスを調製する方法としては、ミキサー、ビーズミル、パールミル、ニーダー、三本ロールなどの公知の方法を用いて調製できる。各種の配合成分は全てを同時に添加してもよいし、添加順序を適宜設定してもよいし、また、必要に応じて、一部の配合成分を予め予備混練してから添加してもよい。
フィルム化のための支持体上への塗布は常法により行われ、例えば、ブレードコート法、ロッドコート法、スクイズコート法、リバースロールコート法、トランスファコールコート法、スピンコート法、バーコート法、エアーナイフ法、グラビア印刷法、スプレーコート法、など公知の塗布方法が挙げられる。
溶剤の除去方法は特に限定されないが、溶媒の蒸発により行なうことが好ましい。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が考えられる。中でも生産効率、取り扱い性の点から加熱して蒸発することが好ましく、通風しつつ加熱して蒸発することが更に好ましい。例えば次に述べる支持体の片面に塗工し、80℃〜200℃で0.5分から10分間加熱乾燥させて溶剤を除去することにより、半硬化状のべたつきのない状態のない状態のフィルムとすることが好ましい。
〔(B)露光により硬化或いは分解する感光性組成物層〕
(B)層は、光分解性の高分子化合物を含有し、露光により当該領域の溶解性が向上され、現像により除去されるポジ型感光性組成物か、或いは、光重合開始剤と、重合性化合物とを含み、露光部が重合硬化し、未露光部が現像により除去されるネガ型感光性組成物のいずれであってもよく、パターン状のメッキレジスト層を形成するのに有用である。
まず、(B)層に用いうるポジ型感光性組成物について説明する。
ポジ型感光性組成物は、光照射により容易に分解して酸を発生させる光酸発生剤と、酸分解性基を有することによりアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、光酸発生剤から生成される酸の作用により該酸分解性基が分解し、アルカリ可溶性となる樹脂とを含有するか、或いは、光酸発生剤と、アルカリ可溶性樹脂と、このアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性を阻止する作用を有し、且つ酸の作用により該アルカリ溶解性阻止能を低下もしくは消失するか又は上記アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性を促進させる作用を有する化合物とを含有する感光性組成物であることが好ましい。
(光酸発生剤)
本発明において(B)層に用いうる光酸発生剤としては、公知のものを制限なく挙げることができる。
例えば、 S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974) 、T. S.Bal etal, Polymer, 21, 423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3-140140号等に記載のアンモニウム塩、D. C.Necker etal, Macromolecules, 17, 2468(1984) 、C. S. Wen etal, Teh, Proc.Conf. Rad. Curing ASIA, p.478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J. V. Crivello etal, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2-150848号、特開平2-296514号等に記載のヨードニウム塩、J. V. Crivello etal, Polymer J. 17, 73(1985)、J. V. Crivello etal. J. Org. Chem., 43, 3055(1978)、W. R. Wattetal, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J. V. Crivelloetal, Polymer Bull.,14, 279(1985) 、J. V. Crivello etal, Macromorecules, 14(5), 1141(1981)、J. V. Crivello etal, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877(1979) 、欧州特許第370,693 号、米国特許3,902,114 号,欧州特許第233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩、
J. V. Crivello etal, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、J. V. Crivelloetal, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C. S. Wen etal,Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46-4605号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736号、特開昭61-169835号、特開昭61-169837号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier etal, J. Rad. Curing, 13(4), 26(1986)、T. P. Gill etal, Inorg. Chem., 19, 3007(1980) 、D. Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(1896)、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S. Hayase etal, J. Polymer Sci., 25, 753(1987)、E. Reichmanis etal, J. PholymerSci., Polymer Chem. Ed., 23, 1(1985)、 Q. Q. Zhu etal, J. Photochem., 36, 85, 39, 317(1987) 、B. Amit etal, Tetrahedron Lett., (24), 2205(1973)、D. H. R. Barton etal, J. Chem Soc.,3571(1965)、P. M. Collins etal, J. Chem. SoC.,Perkin I, 1695(1975) 、M. Rudinstein etal, Tetrahedron Lett., (17), 1445(1975) 、J. W. Walker etal J. Am. Chem. Soc., 110,7170(1988)、S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collinsetal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayaseetal,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、 欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、 米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022号等に記載の、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、
M. TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan, 35(8)、 G. Berner etal, J. Rad. Curing, 13(4)、W. J. Mijs etal, Coating Technol., 55(697), 45(1983), Akzo、H. Adachi etal, Polymer Preprints, Japan, 37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第4,618,564号、同4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特願平3-140109号等に記載の、イミノスルフォネ-ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号等に記載のジスルホン化合物、を挙げることができる。
上記の露光により分解して酸を発生する光酸発生剤の反応性高分子組成物層における含有量としては、固形分換算で、通常0.001〜40質量%であり、好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明において、感光性樹脂組成物層として、ポジ型感光性組成物からなる層を使用した場合は、(B)層に用いられるアルカリ可溶性バインダーとしては、例えば、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共縮合樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、N−(4-ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、ハイドロキノンモノメタクリレート共重合体のほか、特開平7-28244号公報に記載のスルホニルイミド系ポリマー、特開平7-36184号公報に記載のカルボキシル基含有ポリマーなどが挙げられる。またその他、特開昭51-34711号公報に記載のフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特開平2-866号に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂や、ウレタン系の樹脂など、種々のアルカリ可溶性の高分子化合物も用いることができる。これらのアルカリ可溶性バインダーは一種若しくは二種以上を組合せて使用してもよい。
そのほかに、アルカリ可溶性基を酸分解基で保護した樹脂も前記光酸発生剤との併用により使用できる。この樹脂は、−C−O−C−または−C−O−Si−結合を有する化合物であり、下記の化合物例が挙げられる。
(a)少なくとも1つのオルトカルボン酸エステルおよびカルボン酸アミドアセタールからなる群から選ばれるものを含み、その化合物が重合性を有することができ、上記の群が主鎖中の架橋要素として、または側方置換基として生じ得るような化合物、
(b)主鎖中に反復アセタールおよびケタール群から選ばれるものを含むオリゴマー性化合物または重合体化合物、
(c)少なくとも一種のエノールエステルまたはN−アシルアミノカーボネート群を含む化合物、
(d)β−ケトエステルまたはβ−ケトアミドの環状アセタールまたはケタール、
(e)シリルエーテル群を含む化合物、
(f)シリルエノールエーテル群を含む化合物、
(g)アルデヒドまたはケトン成分が、現像剤に対して0.1〜100g/リットルの溶解性を有するモノアセタールまたはモノケタール、
(h)第三級アルコール系のエーテル、並びに、
(i)第三級アリル位またはベンジル位アルコールのカルボン酸エステルおよび炭酸エステル。
上記の酸により開裂し得る前記(a)の化合物は、ドイツ特許公開第2,610,842号および同第2,928,636号に記載されている。前記(b)の化合物を含む混合物は、ドイツ特許第2,306,248号および同第2,718,254号に記載されている。前記(c)の化合物は、ヨーロッパ特許公開第0,006,626号および同第0,006,627号に記載されている。前記(d)の化合物は、ヨーロッパ特許公開第0,202,196号に記載されており、前記(e)として使用する化合物は、ドイツ特許公開第3,544,165号および同第3,601,264号に記載されている。前記(f)の化合物は、ドイツ特許公開第3,730,785号および同第3,730,783号に記載されており、前記(g)の化合物は、ドイツ特許公開第3,730,783号に記載されている。前記(h)の化合物は、例えば米国特許第4,603,101号に記載されており、前記(i)の化合物は、例えば米国特許第4,491,628号およびJ. M. Frechetらの論文(J. Imaging Sci. 30,59-64(1986))に記載されている。
これらの酸分解性基で保護された化合物の(B)層における含有量は、該組成物の全固形分に対して、通常1〜60質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
これらの各種バインダーの中でも、耐熱性の観点で、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂が更に好ましい。また、現像性制御の観点で、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
特にアクリル系樹脂(重合性基を含有してもよいバインダー)が好ましく、該アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、およびサイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、ビスコートR264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)等が好ましい。
前記アルカリ可溶性バインダーは、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×105の重合体が好ましく、2000〜1×105の重合体がさらに好ましく、5000〜5×104の重合体が特に好ましい。
また、アルカリ可溶性バインダーの(B)層における含有量としては、該組成物の全固形分に対して10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がさらに好ましく、30〜70質量%が特に好ましい。
次に、ネガ型感光性組成物について説明する。
本発明に適用しうるネガ型感光性組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する感光性組成物である。
バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、これらの構造異性体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
バインダーポリマーは、カルボキシ基を含有するものが、アルカリ現像性向上の観点から好ましく、例えば、カルボキシ基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシ基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸が好ましい。
また、スチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させると、密着性及び剥離特性が共に良好となり好ましい。スチレン又はスチレン誘導体の共重合成分としての含有量は、バインダーポリマー中に3〜30重量%含むことが好ましく、4〜28重量%含むことがより好ましく、5〜27重量%含むことが特に好ましい。
上記重合性単量体の中では、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び、スチレン、スチレン誘導体等の共重合ビニルポリマーを組合わせて用いることが好ましい。
バインダーポリマーの酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、45〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、他方、200mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。また、現像工程として溶剤現像を行う場合は、カルボキシ基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。
ポリマーの分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがより好ましい。分散度が3.0を超えると接着性及び解像度が低下する傾向がある。但し、本実施形態における重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算した値を使用したものである。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、5,000〜300,000であることが好ましく、40,000〜150,000であることがより好ましく、25,000〜150,000であることが更に好ましい。重量平均分子量が、5,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、他方、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。
必要に応じては感光性の官能基を有するものであってもよい。
これらのバインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマを使用することもできる。
感光性組成物に含まれる重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性不飽和化合物であり、具体的には、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
感光性組成物中に含まれる以下に詳述する重合性化合物は、単独で用いられてもよく、目的に応じて2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物または分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物が、耐めっき性、密着性を向上させることが可能となり好ましい。また、分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物と、分子内に二つ以上の重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物とを組み合わせて用いることが、感度、解像度を向上させることが可能となり好ましい。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、具体的には、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ここで、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物とはエチレンオキサイド基のブロック構造を有する化合物を指し、同様に、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物とはプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する化合物を意味するものである。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンの1分子内のエチレンオキサイド基の数は4〜20であることが好ましく、8〜15であることがより好ましい。
重合性化合物として使用しうる分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、UA−11(新中村化学工業(株)製、製品名)が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、UA−13(新中村化学工業(株)製、製品名)が挙げられる。
ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシアクリレートが挙げられる。
フタル酸系化合物としては、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β´−(メタ)アクリロルオキシアルキル−o−フタレート等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明における感光性組成物には、前記重合性化合物の重合反応を生起、促進する目的で、露光によりラジカルなどの開始種を発生しうる重合開始剤を含有する。
ここで用いられる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9´−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体が挙げられる。また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体は、密着性及び感度を向上させることが可能となり好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ネガ型の感光性組成物においては、バインダーポリマーと重合性化合物との総量100重量部としたとき、バインダーポリマーの含有量は、40〜80重量部とすることが好ましく、45〜70重量部とすることがより好ましい。重合性化合物は、20〜60重量部とすることが好ましく、30〜55重量部とすることがより好ましい。この範囲において、感度と被膜特性の両立が達成される。
また、重合開始剤の含有量は、バインダーポリマーと重合性化合物との総量100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。
ネガ型の感光性組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などをバインダーポリマーと重合性化合物との総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。
(B)層には、前記したネガ型、或いはポジ型の機能を付与しうる成分に加えて、例えば、アルカリ溶解性を向上させる目的や、組成物のガラス転移温度を調節し、膜がもろくなったり、耐熱性が劣化したりすることを防ぐ目的で、適当なアルカリ可溶性の低分子化合物を添加してもよい。このアルカリ可溶性低分子化合物としては、ジアルキルスルフォンアミド化合物やジアルキルスルフォニルイミド(−SO−NH−CO−)化合物、ジアルキルジスルフォニルイミド(−SO−NH−SO−)化合物などの分子内に酸性基を含有する化合物を挙げることができる。このアルカリ可溶性の低分子化合物の含有量は、上記酸によりアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる置換基を有する樹脂に対して、40重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量%以下であり、更に好ましくは25重量%以下である。
また、必要に応じて界面活性剤、色素、安定剤、塗布性改良剤、染料などの他の成分を添加しても構わない。
(B)感光性組成物層の形成
(B)層を形成するには、前記各成分を適切な溶剤に溶解して塗布することも可能であり、また、予め、反応性高分子組成物層をフィルム状に製膜してラミネートすることも可能である。
(B)層を塗布法で形成する場合、感光性組成物の溶液がスピンコート法など、公知の方法で均一な塗布膜が形成可能な溶媒であればいかなる溶媒を用いてもよく、取り扱い性の観点からは、固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することが好ましい。
(B)層がポジ型組成物である場合に用いる溶剤として好ましいものは、上記高分子化合物と光酸発生剤からなる成分が充分に溶解し、その溶液により均一な塗布膜が形成可能な溶媒であればいずれも用いることができ、これらは単独でも2種類以上を混合して用いても良い。
具体的には、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、ターシャル−ブチルアルコール、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸2−メトキシブチル、酢酸2−エトキシエチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、N−メチル−2−ピロリジノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノール、メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(B)層がポジ型組成物である場合に用いる溶剤として好ましいものは、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(B)層の膜厚は、塗布法により形成される場合でも、ラミネート法により形成される場合でも、5〜50μmであることが好ましく、10〜40μmであることがより好ましい。
(B)層を露光し、現像することで、メッキレジストが形成される。
パターン状の露光は、通常、マスクパターンを介して行うマスク露光法や、レーザ直接描画露光法、複数のミラーを配列し、各々のミラーの角度を必要に応じて変更することにより、露光光が画像状になる直接描画法などの直接描画法により活性光線が画像状に照射するなどの方法で実施される。
複数のミラーを配列し、各々のミラーの角度を必要に応じて変更することにより、露光光が画像状になる直接描画法としては、例えば、13〜17μm角程度のミラーを48万〜80万個程度配列し、各々のミラーの角度を必要に応じて変更することにより、露光光が画像状になる直接描画法がある。より具体的には、例えば、テキサス インスツルメンツ社の「デジタルライトプロセッシング」露光法(DLP(Digital Light Processing))、ペンタックス社の「データ・ダイレクト・イメージング・システム」、BALL Conductor社の「マスクレス リソグラフィ システム(Maskless Lithography System)」等と呼ばれる方法が挙げられる。上記直接描画法の核となる機能を果たす配列されたミラーは、例えば、「マイクロミラー・アレイ」、「2次元表示素子」、「DMD(Digital Mirror Device)」等と呼ばれる。
露光の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、Arイオンレーザ、半導体レーザ、LED等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
なお、本発明においては、(B)層によりメッキレジストが形成された後、さらに露光を行って、前記(A)層にグラフトポリマーを生成させるため、(B)層をパターニングする露光波長と、引き続き行われるグラフトポリマーの形成に用いられる露光波長とは異なる波長を選択することが好ましい。そのため、この(B)層をパターニングする工程においては、(A)層の副反応をおさえるという観点から、波長400〜450nmの光を照射することが好ましく、波長400〜415nmの光がより好ましい。水銀灯のように波長365nm以下の光を多く発する光源を露光光とする場合、波長365nm以下の光をフィルタを使用して90%以上カットして光を照射することが好ましく、99.0%以上カットすることがより好ましく、99.5%以上カットすることが特に好ましい。
また、光源としては、レーザを用いることが好ましく、半導体レーザダイオードを用いることがより好ましく、窒化ガリウム系半導体レーザ及び青色レーザを用いることが特に好ましい。青色レーザとしては、窒化ガリウム系青色レーザが好ましい。更に、レーザ光源を露光光とする場合、波長400〜450nmの光を照射することが好ましく、波長400〜415nmの光がより好ましく、波長405nmの光が特に好ましい。また、13〜17μm角程度のミラーを48万〜80万個程度配列し、各々のミラーの角度を必要に応じて変更することにより、露光光が画像状になる直接描画法で露光する方法は波長400〜450nmの光により行われることが好ましく、波長400〜415nmの光がより好ましく、波長400〜410nmの光が特に好ましい。
現像は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去することにより実施され、ポジ型では現像性が向上した露光部が、ネガ型では、未硬化の未露光部の感光性組成物層が除去されて、レジストパターンが形成される。
現像に用いられるアルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液が挙げられる。上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピングが挙げられる。
また、現像液としては、使用する高分子化合物の溶解性に応じた適当な有機溶媒、またはその混合溶媒を用いることも可能である。
使用される有機溶媒、有機化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、3−メチル−2−シクロペンタノンなどのケトン類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、3,5−ジメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのアルコール類、そのほか、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤が挙げられる。
〔支持体〕
本発明のプリント配線板用積層体は、ベースフィルムとなる支持体と、所望により設けられる後述する保護層との間に少なくとも前記(A)層、及び(B)層を有してなる。支持体は、本発明の積層体を所定の基板上などに接触させ、プリント配線板の形成に使用するまでの間の積層体のベースとして使用される。
支持体に用いうるベースフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂シートや、離型紙など、表面接着性を制御した加工紙、銅箔、アルミ箔のごとき金属箔などが挙げられる。
支持体の厚みとしては2〜200μmが一般的であるが、5〜50μmがより好ましく、10〜30μmが更に好ましい。支持体として用いられるシートが厚すぎると、この積層体を用いて実際に配線を形成する際、特に、この積層体を所定の基板上、或いは、配線上にラミネートする際のハンドリング性等に問題がでることがある。
なお、支持体を構成するシート表面にはマット処理、コロナ処理のほか、離型処理がほどこしてあっても良い。
支持体の幅を、絶縁膜、或いは高分子前駆体層の幅よりも5mm程度長くすることで、他の層とのラミネートを行う場合に、ラミネート部の樹脂付着を防止することができ、また、使用時の支持ベースフィルムの剥離が容易になるなどの利点が得られる。
〔接着層、クッション層〕
本発明のプリント配線板用積層体を形成する際、支持体と隣接して形成される他の層との密着性を向上させるために、もしくは、ラミネート時のクッション性を良くして密着性を向上するために、支持体となるベースフィルム表面に、所定の有機溶剤に溶解した樹脂ワニスを塗布後、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を乾燥させて常温固形の樹脂組成物とし、接着剤層、もしくはクッション層を作製することができる。なお、接着剤層、もしくは、クッション層は積層体貼り合わせ時に基板側に設けてもよい。
ここで、樹脂ワニスの塗布に用いられる有機溶剤としては、通常溶剤、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
〔保護層〕
保護層を形成する樹脂フィルムとしては、支持体に用いたものと同じ素材のものを用いても、異なった素材のものを用いても良い。好適に使用されるものとしては、前記支持体と同様、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの樹脂シートや、離型紙など、表面接着性を制御した加工紙、銅箔、アルミ箔のごとき金属箔などが挙げられる。
保護層(保護フィルム)の厚みとしては2〜150μmが一般的であるが5〜70μmがより好ましく、10〜50μmが更に好ましい。また、保護フィルムの厚みと支持ベースフィルムの厚みはどちらかが他方よりも厚くなっても良い。
保護フィルムにはマット処理、エンボス加工の他、離型処理が施してあっても良い。
これらの層を積層して得られる本発明のプリント配線板用積層体は、この保護フィルムを更に積層し、例えば、ロール状に巻き取って貯蔵される。
〔プリント配線板用積層体の作製方法〕
本発明のプリント配線板用積層体の作製方法としては、前記支持体上に、まず、絶縁樹脂中に重合開始剤を含有してなる(A)絶縁性樹脂組成物層を設け、その後、(B)露光により硬化或いは分解する感光性組成物層を形成し、該(B)露光により硬化或いは分解する感光性組成物層を保護層で被覆するか、或いは、支持体上に、(B)露光により硬化或いは分解する感光性組成物層を形成し、次に、(A)絶縁膜を形成し、(A)層の表面を保護層で被覆することで形成される。
このようにして本発明のプリント配線板用積層体が得られる。
〔プリント配線板用積層体を用いたプリント配線板の製造〕
本発明の前記積層体を、保護フィルムを剥離して任意の固体表面に密着させ、その後、支持体を剥離するか、又は、エネルギー付与のための露光光源を投下しうる支持体の場合には、そのまま、所望の領域を露光することで、露光領域に、(A)絶縁膜表面に(B)感光性層からなるパターン状のメッキレジスト層が形成される。この状態で、表面に以下に詳述する高分子前駆体を接触させ、露光、加熱などによりエネルギーを付与することで、(A)絶縁膜中の開始剤から発生した活性点を基点として、絶縁膜/高分子前駆体間で強い化学結合が生じグラフトポリマーが形成される。このとき、(B)層によるメッキレジストが存在する領域では、(A)絶縁膜と高分子前駆体との接触が阻害されるため、グラフトポリマーは、メッキレジストが存在しない領域のみで生成する。その後、未反応の高分子前駆体を除去し、生成したグラフトポリマーに無電解メッキ触媒を付着させ、その後、無電解メッキを行うことで、メッキ膜は、グラフトポリマー生成領域で、メッキレジスト〔残存する(B)層〕の存在しない領域において選択的に成長するため、高精細で且つ厚みも十分なプリント配線板、或いは、プリント配線板形成用の導電性層を有する積層体を得ることができる。
次に、このグラフトポリマーの生成に用いる反応性の高分子前駆体について説明する。
反応性の高分子前駆体は、露光などのエネルギー付与によりグラフトポリマーを生成させうる化合物(重合性化合物)、或いは、エネルギー付与により隣接する層との間で架橋構造などを形成し、両者の密着性を向上しうる化合物などを意味し、更には後述の様な導電性材料を付着させ得る部分構造である。導電性素材と相互作用可能な官能基を有している化合物も高分子前駆体に含めることができる。これら高分子前駆体が反応することにより生成される高分子化合物(以下、適宜、グラフトポリマーと称する)は、無電解メッキ触媒等を付着させるものであることから、前記高分子前駆体は、重合反応あるいは架橋構造形成可能であって、且つ、絶縁性樹脂組成物層への結合に必要な部分構造、例えば、「ラジカル重合可能な不飽和二重結合」などと、後述する無電解メッキ触媒等をグラフトポリマーに付着させるために必要な「無電解メッキ触媒等と相互作用可能な官能基」の双方を有する化合物を用いることが好ましい。
反応性の高分子前駆体を接触させる方法としては、該高分子前駆体を適切な溶媒又は分散媒に溶解、分散させた液を、(B)層をパターニングした後の前記積層体表面に塗布する方法、このような溶解・分散液に積層体を浸漬する方法などが挙げられる。高分子前駆体を含有する層(反応性の高分子前駆体層)を、(B)層上に浸漬して形成する場合には、(B)層をパターニングした基板を、0.5〜70重量%の高分子前駆体溶液に数秒から数十分浸漬する方法をとればよい。しかしながら、後述する塗布により形成する方法を適用することがグラフト形成に必要な量の高分子前駆体を含む層を設計値どおりに形成でき、また、作業性の観点からも好ましい。
(重合性化合物)
本発明において用いられる高分子前駆体のなかでも代表的なものとして、重合反応可能な重合性化合物を挙げることができる。重合性化合物は、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物である。
「ラジカル重合可能な不飽和二重結合」を含む官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、などが挙げられる。このうち、アクリロイル基、メタクリロイル基は反応性が高く、良好な結果が得られる。
ラジカル重合可能な不飽和化合物としては、ラジカル重合性基を有する化合物であれば、如何なるものも用いることができるが、例えば、アクリレート基,メタクリレート基,ビニル基を有するモノマー、マクロマー、重合性不飽和基を有するオリゴマー、ポリマーなどを使用することができる。
また、高分子前駆体の他の態様としては、分子内に反応性の活性基、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、アゾ基に代表されるような反応性の活性基などを有するオリゴマーもしくはポリマー化合物、あるいは架橋剤と架橋性化合物との組み合わせなどが挙げられる。
高分子前駆体は、さらに、後述する無電解メッキ触媒或いはその前駆体を付着させうる部分構造である無電解メッキ触媒と相互作用可能な官能基を有することが必要である。
無電解メッキ触媒と相互作用可能な官能基とは、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有する官能基、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離しうる酸性基が挙げられるが、その他にも、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基などの非イオン性の極性基も用いることもできる。
無電解メッキ触媒と親和性を有する他の官能基としては、親水性基などが挙げられる。
本発明に係る高分子前駆体を、その代表的なものである重合性化合物を例に挙げて詳細に説明すれば、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有し、かつ、無電解メッキ触媒等と相互作用可能な官能基を有する重合性化合物は低分子であっても、高分子であっても良い。高分子の時には平均分子量は1000から500000の範囲で選択される。このような高分子は通常のラジカル重合、アニオン重合などの付加重合や重縮合などの方法で得られる。
具体的には、本発明において、ラジカル重合可能な不飽和二重結合(以下、適宜、重合性不飽和基と称する)を有し、かつ、無電解メッキ触媒と相互作用可能な官能基を有する化合物としてはこれらの化合物の付着・吸着のしやすさ、およびグラフト反応後の未反応物の除去しやすさの観点から、極性基である親水性基を有する、親水性ポリマー、親水性マクロマー、親水性モノマーなどが好ましい。
−親水性モノマー−
本発明において用いうる親水性モノマーの具体例としては、次のモノマーを挙げることができる。
例えば、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、ビニルスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、スチレンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スルホエチレン(メタ)アクリレート、3−スルホプロピレン(メタ)アクリレート若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート若しくはそれらの塩、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリレート、3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライドなどを使用することができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなども有用である。
−親水性マクロモノマー−
本発明において用い得るマクロモノマーの製造方法は、例えば、平成1年9月20日にアイピーシー出版局発行の「マクロモノマーの化学と工業」(編集者 山下雄也)の第2章「マクロモノマーの合成」に各種の製法が提案されている。
本発明で用い得る親水性マクロモノマーで特に有用なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸などのカルホキシル基含有のモノマーから誘導されるマクロモノマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルステレンスルホン酸、及びその塩のモノマーから誘導されるスルホン酸系マクロモノマー、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マクロモノマー、ヒドロキシエチルメタクリレー卜、ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの水酸基含有モノマーから誘導されるマクロモノマー、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレートなどのアルコキシ基若しくはエチレンオキシド基含有モノマーから誘導されるマクロモノマーである。また、ポリエチレングリコール鎖若しくはポリプロピレングリコール鎖を有するモノマーも本発明のマクロモノマーとして有用に使用することができる。
これらの親水性マクロモノマーのうち有用なものの分子量は、250〜10万の範囲で、特に好ましい範囲は400〜3万である。
−重合性不飽和基を有する親水性ポリマー−
重合性不飽和基を有する親水性ポリマーとは、分子内に、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基が導入されたラジカル重合性基含有親水性ポリマーを指す。このラジカル重合性基含有親水性ポリマーは、重合性基を主鎖末端及び/又は側鎖に有することを要し、その双方に重合性基を有することが好ましい。以下、重合性基を(主鎖末端及び/又は側鎖に)有する親水性ポリマーを、ラジカル重合性基含有親水性ポリマーと称する。
このようなラジカル重合性基含有親水性ポリマーは以下のようにして合成することができる。合成方法としては、(a)親水性モノマーとエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを共重合する方法、(b)親水性モノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、(c)親水性ポリマーの官能基とエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを反応させる方法、が挙げられる。これらの中でも、特に好ましいのは、合成適性の観点から、(c)親水性ポリマーの官能基とエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを反応させる方法である。
上記(a)や(b)の方法において、ラジカル重合性基含有親水性ポリマーの合成に用いられる親水性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、ビニルスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基若しくはそれらの塩、水酸基、アミド基及びエーテル基などの親水性基を有するモノマーが挙げられる。
また、(c)の方法で用いられる親水性ポリマーとしては、これらの親水性モノマーから選ばれる少なくとも一種を用いて得られる親水性ホモポリマー若しくはコポリマーが用いられる。
(a)の方法でラジカル重合性基含有親水性ポリマーを合成する際、親水性モノマーと共重合するエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、アリル基含有モノマーがあり、具体的には、アリル(メタ)アクリレート、2−アリルオキシエチルメタクリレートが挙げられる。また、(b)の方法でラジカル重合性基含有親水性ポリマーを合成する際、親水性モノマーと共重合する二重結合前駆体を有するモノマーとしては、2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜が挙げられる。更に、(c)の方法でラジカル重合性基含有親水性ポリマーを合成する際、親水性ポリマー中のカルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩と、水酸基及びエポキシ基などの官能基と、の反応を利用して不飽和基を導入することが好ましい。このために用いられる付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなど挙げられる。
また、マクロモノマーやポリマーを重合性化合物として用いる場合には、塗布法による層形成に好適な粘度を有する重合性化合物含有の液状組成物を調製することが容易であり、また、この液状組成物を塗布・乾燥させることで本発明の積層体において、支持体上、或いは後述する(B)絶縁性樹脂組成物層上に、(A)反応性の高分子前駆体層を容易に形成することができる。
一方、重合性化合物として親水性モノマーを用いた場合には、(A)反応性の高分子前駆体層には、安定した塗膜を形成するために、バインダーなどを用いることが好ましく、或いは、液状組成物からなる低粘度の塗膜を以下に詳述する保護層で被覆して(A)層の安定化を図ることが好ましい。
これらのことから、高分子前駆体としてマクロモノマーやポリマーを使用すると、均一な膜厚の「高分子前駆体含有層」を容易に形成することができ、結果として、均一なグラフトポリマーの生成領域が形成されることがわかる。従って、重合性化合物としてマクロモノマーやポリマーを用いて本発明の積層体を形成すると、その積層体を用いることにより、導電性に優れ、かつ、その均一性にも優れた導電性層が簡易な方法で形成されたプリント配線板を得ることができる。
上記の如く、製造性の観点からは、重合性化合物としてマクロモノマーやポリマーを用い、これらの溶液を、例えばエポキシ樹脂などからなる絶縁膜表面に塗布・乾燥させて高分子前駆体層を形成することが最も好ましい。
これら重合性化合物に代表される高分子前駆体は、層を構成する全固形分中、5〜100質量%程度含有されることが好ましく30〜100質量%の範囲であることがさらに好ましい。
高分子前駆体は、溶液、分散液に含ませて直接積層体に接触させてもよいが、高分子前駆体を含有する層をパターニングした積層体表面に形成することができるのは、前述の通りである。以下、高分子前駆体を含有する層の他の構成成分について説明する。
高分子前駆体含有層は、上記重合性化合物に加え、層形成に必要な種々の成分を、本発明の効果を損なわない限りにおいて含有して形成される。
例えば、膜性改良のためのバインダー、可塑剤、界面活性剤、粘度調整剤などの種々の化合物を含有することができる。
(バインダー)
バインダーは、前記高分子前駆体(重合性化合物)と共に、高分子前駆体層を形成するために使用され、膜性を改良するのに有用である。重合性基化合物が単独で層を形成しうる場合には、特に必要ではないが、粘度の低いモノマーを重合性化合物として使用するためには層形成性向上の観点から、含有することが好ましい。この目的のためのバインダーとしては重合性基含有親水性化合物と混合し、かつ皮膜を形成するものであれば特に限定しないが、分子量500以上、かつ水溶性のオリゴマー、ポリマーが好ましい。
これらのポリマーとしてはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、などの(メタ)アクリレート系ポリマー、セスロース系ポリマー、などの合成高分子のほかに、ゼラチン、でんぷん、アラビアゴム、糖などの天然の親水性高分子を使用することができる。
バインダーを併用する場合、含有量としては、固形分換算で0〜95質量%であることが好ましく、0〜70質量%の範囲であることがさらに好ましい。
(可塑剤,界面活性剤,粘度調整剤)
これらの化合物は、高分子前駆体層の被膜形成の際の塗布面状性向上、或いは、被膜に柔軟性を与え,フィルム状態で折り曲げた場合になどの際におけるクラック発生抑制などのために使用される。可塑剤、界面活性剤、粘度調整剤としては一般に使用される公知の材料が使用される。
(反応性の高分子前駆体含有層の形成)
高分子前駆体層は、前記した成分を適切な溶媒に溶解して調製された塗布液を、(B)層がパターニングされた後の本発明の積層体表面に塗布、乾燥することで形成される。
溶媒としては、水,および有機溶媒が使用される。有機溶媒は親水性の溶媒,疎水性の溶媒いずれも使用することができるが、とくに水に親和性の高い溶媒が有用である。具体的にはメタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が好ましい。
塗布液の固形分濃度は、0.1〜80質量%であることが好ましい。
塗布は常法により行われ、例えば、ブレードコート法、ロッドコート法、スクイズコート法、リバースロールコート法、トランスファコールコート法、スピンコート法、バーコート法、エアーナイフ法、グラビア印刷法、スプレーコート法、など公知の塗布方法が挙げられる。
高分子前駆体を含有する層の厚みは0.1μmから10μmの範囲であることが好ましく、0.2〜5μmの範囲であることがより好ましい。この範囲において、その後形成されるグラフトポリマー層の厚みが好適な範囲となり、その後の工程で、無電解メッキ触媒などを付着させる場合にも、優れた密着性が確保できる。
高分子前駆体層形成後、露光などのエネルギー付与により生成するグラフトポリマー層の厚みは0.1μm〜0.7μmの範囲であることが好ましく、従って、高分子前駆体層の厚みを、10μmを超えるほどに厚くしても、グラフトポリマー形成に関与しない材料が多くなり、コストアップにつながるのみならず、露光光源が深部まで到達しがたくなり、不要なグラフトポリマー前駆体材料の除去が困難になるなどの多くの問題点をもたらす。
本発明の積層体においては、支持体表面に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、液晶性樹脂、ポリアリーレン樹脂などの絶縁性樹脂に、重合開始剤を含有させて、開始剤含有絶縁体層を設け、それに隣接して、メッキレジストを形成しうる感光性層を設けてなることを大きな特徴としており、これにより、任意の基材、或いは、配線の表面に、この積層体を適用し、エネルギーを付与することで、所望の特性を有する絶縁体層と、その表面に形成されたパターン状のメッキレジスト層が容易に形成される。その後、該積層体表面に高分子前駆体層を接触させ、エネルギーを付与することで、露出した(即ち、(B)層で被覆されていない)絶縁膜の表面に直接結合したグラフトポリマーが生成する。このグラフトポリマーは無電解メッキ触媒またはその前駆体との親和性に優れるため、形成された無電解メッキ膜の密着性に優れ、本発明のプリント配線板用積層体を用いることで、平滑で均一な導電性膜をエネルギー付与に応じた所望の領域に形成することができる。
本発明では絶縁性樹脂に重合開始剤を含有させることにより絶縁膜とそこに形成されるグラフトポリマーとの密着が強固なものとなり、強靱な密着が発現される。
その理由は明確ではないが、絶縁樹脂層に重合開始剤を加えることで表面グラフトの密度が増大し、より無電解メッキ触媒等層との相互作用が高まりその結果として密着が向上したと考えることができるものと考えられる。
また、この技術はポリイミドやエポキシ樹脂などのような電子材料分野で有用な一般的な絶縁樹脂に対しても適用できる幅広い技術である。
(エネルギーの付与)
本発明におけるグラフトポリマーの形成は、熱もしくは光などの輻射線の照射により行われる。熱としてヒーター、赤外線による加熱が使用される。また光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、LED等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
なお、(B)層によりメッキレジストが形成された後、さらに露光を行って、前記(A)層にグラフトポリマーを生成させるため、先に述べたように(B)層をパターニングする露光波長と、引き続き行われるグラフトポリマーの形成に用いられる露光波長とは異なる波長を選択することが好ましい。
具体的には、例えば、(B)層の形成に好適な波長である400〜450nmの光を用いた場合、グラフトポリマーの形成には波長150〜400nmの光を照射することが好ましく、波長200〜370nmの光がより好ましい。
(B)層形成に好適な波長とグラフトポリマー形成に好適な波長と重なりがある場合は(B)層形成時に(A)層に含有される開始剤の一部が失活してしまい、グラフトポリマーの生成効率が悪くなってしまうので好ましくない。
その後、水或いは有機溶剤で洗浄することで未反応の高分子前駆体を除去する。
絶縁膜と無電解メッキ触媒等との高い密着は、1.絶縁膜とグラフトポリマーとの強固でかつ高密度での結合、および、2.生成したグラフトポリマーと無電解メッキ触媒等とが強い相互作用での結合することにより達成される。により発揮される。ことで、達成される。これらの効果を発現するには絶縁膜中に重合開始剤を添加するほかに、グラフトポリマーと無電解メッキ触媒等と互いに強い相互作用する化合物を選択することが重要となる。
以下、グラフトポリマーに無電解メッキ触媒等を付着させ、その後、導電性層を形成するための代表的な方法について説明する。
本発明においては、絶縁膜表面に形成されたグラフトポリマーに無電解メッキ触媒又はその前駆体を付与し、無電解メッキを行うことで導電性層をパターン状に形成するが、さらに導電性を上げるために、電気メッキなどの方法を付け加えても良い。
生成したグラフトポリマーに無電解メッキ触媒又はその前駆体を付与し、無電解メッキを行う工程においては、無電解メッキ触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有するグラフトポリマーを生成させ、該グラフトポリマーに無電解メッキ触媒又はその前駆体を付与した後、無電解メッキを行って金属薄膜を形成する方法をとる。この態様において、無電解メッキ触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有するグラフトポリマーが絶縁性樹脂組成物層と直接結合しているため、形成された金属薄膜は、導電性と共に、高い強度と耐磨耗性を示すことになる。また、ここで得られた無電解メッキ膜を電極として、さらに電解メッキを行うことで、所望の厚みの導電膜を容易に形成することができる。
本発明においては、グラフトポリマーの未生成領域はメッキレジストの機能を有する(B)層で被覆されているため、無電解メッキ、或いは、引き続き実施される電気メッキにより形成される導電膜は、メッキレジストの存在しない領域のみで選択的に成長するため、厚みが十分であっても高解像度の導電膜が形成される。
本発明においては、グラフトポリマーは、無電解メッキ触媒又はその前駆体と相互作用する相互作用性基を有し、そこに無電解メッキ触媒又はその前駆体を付与する工程(無電解メッキ触媒等付与工程)と、無電解メッキを行い金属薄膜を形成する工程(無電解メッキ工程)と、が順に行われることにより、導電性膜が形成される。即ち、無電解メッキ触媒又はその前駆体と相互作用する官能基(即ち、極性基)を有するグラフトポリマーが、無電解メッキ触媒又はその前駆体と相互作用し、次いで行われる無電解メッキ処理により金属薄膜が形成されることになる。
これらの結果、金属(微粒子)膜が形成されることになり、金属薄膜(連続層)が形成される場合には、特に導電性の高い領域が形成される。ここで、微粒子を吸着した後、導電性を改良する目的で加熱工程を実施することができる。
以下、この工程を詳細に説明する。
<無電解メッキ触媒等付与工程>
本工程においては、上記表面グラフト工程で生成したグラフトポリマーに、無電解メッキ触媒又はその前駆体を付与する。
〔無電解メッキ触媒〕
本工程において用いられる無電解メッキ触媒とは、主に0価金属であり、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。本発明においては、特に、Pd、Agがその取り扱い性の良さ、触媒能の高さから好ましい。0価金属を相互作用性領域に固定する手法としては、例えば、相互作用性領域中の上の相互作用性基と相互作用するように荷電を調節した金属コロイドを、相互作用性領域に適用する手法が用いられる。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの荷電は、ここで使用される界面活性剤又は保護剤により調節することができ、このように荷電を調節した金属コロイドを、ググラフトポリマーが有する相互作用性基(極性基)と相互作用させることで、グラフトポリマーに金属コロイド(無電解メッキ触媒)を付着させることができる。
〔無電解メッキ触媒前駆体〕
本工程において用いられる無電解メッキ触媒前駆体とは、化学反応により無電解メッキ触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には上記無電解メッキ触媒で用いた0価金属の金属イオンが用いられる。無電解メッキ触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解メッキ触媒である0価金属になる。無電解メッキ触媒前駆体である金属イオンは、前記(b)工程において基板へ付与した後、無電解メッキ浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解メッキ触媒としてもよいし、無電解メッキ触媒前駆体のまま無電解メッキ浴に浸漬し、無電解メッキ浴中の還元剤により金属(無電解メッキ触媒)に変化させてもよい。
実際には、無電解メッキ前駆体である金属イオンは、金属塩の状態でグラフトポリマーに付与する。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCl、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、Agイオン、Pdイオンが触媒能の点で好ましい。
無電解メッキ触媒である金属コロイド、或いは、無電解メッキ前駆体である金属塩をグラフトポリマーに付与する方法としては、金属コロイドを適当な分散媒に分散、或いは、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液を調製し、その溶液をグラフトポリマーが存在する絶縁性樹脂組成物層表面に塗布するか、或いは、その溶液中にグラフトポリマーを有する絶縁性樹脂組成物層を浸漬すればよい。金属イオンを含有する溶液を接触させることで、グラフトポリマーが有する相互作用性基に、イオン−イオン相互作用、又は、双極子−イオン相互作用を利用して金属イオンを付着させること、或いは、相互作用性領域に金属イオンを含浸させることができる。このような付着又は含浸を充分に行なわせるという観点からは、接触させる溶液中の金属イオン濃度、或いは金属塩濃度は0.01〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、1分〜24時間程度であることが好ましく、5分〜1時間程度であることがより好ましい。
<無電解メッキ工程>
本工程では、無電解メッキ触媒等付与工程より、無電解メッキ触媒等が付与された絶縁性樹脂組成物層に対して、無電解メッキを行うことで、導電性膜(金属膜)が形成される。即ち、本工程における無電解メッキを行うことで、前記工程により得られたグラフトポリマーに高密度の導電性膜(金属膜)が形成される。形成された導電性膜(金属膜)は、優れた導電性、密着性を有する。
〔無電解メッキ〕
無電解メッキとは、メッキとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解メッキは、例えば、前記無電解メッキ触媒等付与工程で得られた、無電解メッキ触媒が付与された基板を、水洗して余分な無電解メッキ触媒(金属)を除去した後、無電解メッキ浴に浸漬して行なう。使用される無電解メッキ浴としては一般的に知られている無電解メッキ浴を使用することができる。
また、無電解メッキ触媒前駆体が付与された基板を、無電解メッキ触媒前駆体がグラフトポリマーに付着又は含浸した状態で無電解メッキ浴に浸漬する場合には、基板を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解メッキ浴中へ浸漬される。この場合には、無電解メッキ浴中において、前駆体の還元とこれに引き続き無電解メッキが行われる。ここ使用される無電解メッキ浴としても、上記同様、一般的に知られている無電解メッキ浴を使用することができる。
一般的な無電解メッキ浴の組成としては、1.メッキ用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このメッキ浴には、これらに加えて、メッキ浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
無電解メッキ浴に用いられる金属の種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。
また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物がある。例えば、銅の無電解メッキの浴は、銅塩としてCu(SO、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤が含まれている。また、CoNiPの無電解メッキに使用されるメッキ浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解メッキ浴は、金属イオンとして(Pd(NH)Cl、還元剤としてNH、HNNH、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのメッキ浴には、上記成分以外の成分が入っていてもよい。
このようにして形成される導電性膜(金属膜)の膜厚は、メッキ浴の金属塩又は金属イオン濃度、メッキ浴への浸漬時間、或いは、メッキ浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、メッキ浴への浸漬時間としては、1分〜3時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
以上のようにして得られる導電性膜(金属膜)は、SEMによる断面観察により、表面グラフト膜中に無電解メッキ触媒やメッキ金属の微粒子がぎっしりと分散しており、更にその上に比較的大きな粒子が析出していることが確認された。界面はグラフトポリマーと微粒子とのハイブリッド状態であるため、基板(有機成分)と無機物(無電解メッキ触媒又はメッキ金属)との界面の凹凸差が100nm以下であっても密着性が良好であった。
<電気メッキ工程>
上記無電解メッキ工程を行った後、導電膜の特性向上を目的として電気メッキを行う工程(電気メッキ工程)を有してもよい。
本工程では、前記無電解メッキ工程における無電解メッキの後、この工程により形成された金属膜(導電性膜)を電極とし、さらに電気メッキを行うことができる。これにより絶縁性樹脂組成物層との密着性に優れた金属膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。この工程を付加することにより、金属膜を目的に応じた厚みに形成することができ、本態様により得られた無電解メッキ触媒等を種々の応用に適用するのに好適である。
本態様における電気メッキの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気メッキに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
電気メッキにより得られる金属膜の膜厚については、用途に応じて異なるものであり、メッキ浴中に含まれる金属濃度、浸漬時間、或いは、電流密度などを調整することでコントロールすることができる。なお、一般的な電気配線などに用いる場合の膜厚は、導電性の観点から、0.3μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
また、本発明における電気メッキ工程は、上述したように、パターン状の金属膜を目的に応じた厚みに形成するため以外にも、例えば、電気メッキすることで、IC等の実装に応用しうるようにするなどの目的のために、行うこともできる。この目的で行われるメッキは、銅等で形成される導電性膜や金属パターン表面に対して、ニッケル、パラジウム、金、銀、すず、ハンダ、ロジウム、白金、及びそれらの化合物からなる群から選ばれる材料を用いて行うことができる。
導電膜の形成後、(B)層からなるメッキレジストや未反応の高分子前駆体は不要になるので、これを剥離する工程を実施することができる。剥離は、剥離液をスプレーすることや、形成された基板を剥離液に浸漬することで行うことができる。剥離液はレジストの種類により異なるが、一般的にはレジストを膨潤させる溶剤、または、溶液をスプレーにより拭きつけるか、あるいは、形成された基板を剥離液に浸漬することにより、レジストを膨潤させて剥離する。このとき、高分子前駆体層の未露光部も(B)層と同時に剥離させることができるが、ここで完全に高分子前駆体層の未露光部が除去されない場合でも、更に水洗を繰り返すことにより除去される。
上述したように、本発明の積層体を用いることで、優れた特性を有するプリント配線板を任意の固体表面に容易に形成することができる。即ち、プリント配線板分野で基板として使用されるエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、液晶性樹脂、ポリアリーレン樹脂などの耐熱性、低誘電率性を有する絶縁樹脂材料層の表面を粗面化することなく、高い密着強度を発現し、十分な厚みを有する金属膜材料からなる回路形成などに用いることができる。
本発明の製造方法により得られた銅張り積層板などの導線性材料を用いて、例えば、公知のエッチング処理などにより、従来の技術では困難であった20ミクロン以下の微細で、且つ密着強度の高い銅配線の形成が可能となる。
(多層プリント配線板の製造方法)
次に、本発明のプリント配線板用積層体を用いた多層プリント配線板の製造法について一例を挙げて説明する。
発明の積層体をパターン加工された内層回路基板にはりあわせるに際しては、保護フィルムを除去後、絶縁性樹脂組成物層が内層回路に接するように、支持体(ベースフィルム)側から曲げたり変形させたりすることが可能な感光層付絶縁性樹脂組成物層(絶縁膜)を加圧、加熱しながらラミネートする。ラミネート時の樹脂流れが内層回路の導体厚以上であって、かつ内層回路のスルーホール深さの半分及び/又は表面ビアホール深さ以上である条件でラミネートすることにより、内層回路パターンの被覆とスルーホール及び/又は表面ビアホール内の樹脂充填を同時に一括して行うことができる。
なお、内層回路基板としては、ガラスエポキシや金属、ポリエステル、ポリイミド、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアラミド、紙、ガラスクロス、ガラス不織布、液晶ポリマー等の基材を持ちいい、樹脂としてフェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、等を樹脂として用いた基板を使用することができ、回路表面は予め粗化処理されてあっても、処理されてなくても良い。
ラミネートは減圧下、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよく、片面づつラミネートしても両面同時にラミネートしてもよいが、両面同時にラミネートするのが好ましい。上記の如きラミネート条件は、本発明における常温固形の絶縁樹脂層を構成する組成物の熱時溶融粘度、厚さと内層回路基板のスルーホール径、深さ及び/又は表面ビアホール径、深さにより異なるが、一般的に圧着温度が70〜200℃、圧着圧力が1〜10kgf/cmであって、20mmHg以下の減圧下で積層するのが好ましい。スルーホール径が大きく深い、つまり板厚が厚い場合には樹脂組成物が厚く、高温および/又は高圧でのラミネート条件が必要になる。
一般的には板厚は1.4mm程度以下、スルーホール径は1mm程度以下までが良好に樹脂充填できる。また、ラミネート後の樹脂組成物の表面平滑性は支持ベースフィルムが厚いほど優れるものの、回路パターン間にボイドなく樹脂を埋め込むには不利となるので、支持ベースフィルムは導体厚±20μmであるのがこのましい。しかしながら、内層回路の導体厚が厚いためパターン上の樹脂の表面平滑性や厚みが十分でなかったり、スルーホール、表面ビアホールの径が大きく深いために穴上にくぼみを生じるような場合には、その上に更に本発明の多層プリント配線板用積層体をラミネートすれば各種の導体厚、板厚に対応することが可能である。ラミネート後は室温付近にまで冷却してから支持ベースフィルムを剥離する。
プリント配線板用積層体を内層回路基板上にラミネートした後、必要により熱硬化させた樹脂組成物の更にその上に配線パターンを形成させ、加熱硬化の条件は内層回路基板の材料の種類、プリント配線板用積層体を構成する樹脂組成物の種類、等で異なり、これらの形成素材の硬化温度にもよるが、120〜220℃で20分〜120分の範囲で選択される。
配線パターンの形成は次のように行う。ラミネートの後、支持体フィルムをはがしながら、導電性層を形成する部分に応じた活性光線(例えば電子線、UV光など)を照射し、現像を行って、絶縁膜表面にパターン状のメッキレジスト層を形成する。その後、そこに高分子前駆体を接触させて、エネルギー付与を行い、絶縁膜に直接結合したグラフトポリマーを生成させる。光照射の方法としてはレーザーのようなもので直接照射しても、パターンマスクをおき密着させ、それを介して照射しても良い。また、本態様では、メッキレジストの存在する領域では、絶縁膜と高分子前駆体との接触が阻害されるため、このエネルギー付与は、加熱など全面にわたって行われてもよい。
その後、グラフトポリマーの形成に関与しない未反応の高分子前駆体を洗浄処理により除去する。この光照射によるグラフトポリマーの生成及び未反応物の除去は次の穴あけ工程を実施した後で行っても良い。次に、所定のスルーホール及び/又はビアホール部にレーザー及び/又はドリルによる穴あけを行う。
必要に応じて該高分子前駆体層の表面を乾式及び/又は湿式法により粗化する。乾式粗化法としてはバフ、サンドブラスト、等の機械的研磨やプラズマエッチング等が挙げられる。一方湿式粗化法としては過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸、等の酸化剤や、強塩基や樹脂膨潤溶剤を用いる方法等の化学薬品処理が挙げられる。本発明においては必ずしも十分な粗化は必要ではなく、スルーホール及び/又はビアホール部にレーザー及び/又はドリルによる穴あけの際に生じるスミアを除去できる程度で良い。
ついでグラフトポリマー生成領域に、前記した方法で無電解メッキ触媒或いはその前駆体を付着させ、無電解メッキにより配線パターン(導電性層)を形成する。配線パターン(導電性層)を無電解メッキにより形成するより詳細な方法は以下のようである。
絶縁膜上に固定されたグラフトポリマーにメッキ触媒をつけるために、メッキ触媒液(例えば硝酸銀水溶液や錫−パラジウムコロイド溶液)に浸漬する。無電解メッキ触媒としては、パラジウム。金、白金、銀、銅、ニッケル、コバルト、錫などの金属微粉末、及び/又はこれらのハロゲン化物、酸化物、水酸化物、硫化物、過酸化物、アミン塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、有機キレート化合物などが挙げられる。また、これらを各種の無機成分に吸着させたものでも良い。この際の無機成分としてはコロイダルシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、雲母等の既述のものの他、アルミナ、カーボンのような微粉末であればどのようなものでも良い。また、この際の微粉末の大きさとしては平均粒子径が0.1〜50μmであるのが好ましい。
次に、配線パターンを形成しない部分に残るメッキ触媒液を洗浄により除去する。グラフトポリマーの未成性領域はメッキレジストであるパターニングされた(B)層に被覆されており、メッキ触媒を固定することができず、メッキ触媒液は除去される。次にこれに無電解メッキを実施することにより配線パターン導体層を形成する部分にのみ無電解メッキが行われ、導体層が形成し多層プリント配線板を製造することができる。
このように導体層が形成された後、必要に応じて120〜220℃で20分〜120分アニール処理をすることにより、熱硬化性樹脂の硬化が進行し、導電性層のピール強度を更に向上させることもできる。
最後に、不要になった(B)メッキレジスト層を除去することができる。
本発明のプリント配線板用積層体を使用した場合、得られるプリント配線板は表面平滑性に優れるので、上記の如き製造法を複数繰り返し、ビルドアップ層を多段に積層して多層プリント配線板を製造することもできる。
本発明のプリント配線板用積層体は、絶縁膜の材料としてエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、液晶性樹脂、ポリアリーレン樹脂などの耐熱、低誘電率ポ樹脂を用いることで、絶縁膜表面を粗面化しなくとも高い密着強度を発現するプリント配線板、およびフレキシブル配線板の形成に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
支持体として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備し、その表面に、表面処理や前処理を行うことなく、下記の様にして感光性樹脂層を形成した。
下記感光性層塗布液1をダイコーターにより乾燥後の厚みが15μmになるように塗布し、80℃〜120℃で乾燥することで(B)感光性組成物層を形成した。
[感光性層塗布液1]
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(質量比):50/20/7/23、
質量平均分子量:90,000、酸価150) 15質量部
・下記構造式(M)で表される重合成モノマー 7.0質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネートとテトラエチレンオキシドモノ
メタクリレートの1/2モル比付加物 7.0質量部
・N−メチルアクリドン 0.11質量部
・2,2−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル
ビイミダゾール 2.17質量部
・2−メルカプトベンズイミダゾール 0.23質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.26質量部
・メチルエチルケトン 40質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
Figure 2007144820
前記構造式(M)中、m、nはそれぞれエチレンオキシドの付加モル数を示し、m+nは10である。
次に形成された(B)感光性組成物層の上に下記の様にして(A)絶縁性樹脂組成物層を形成した。
(開始剤を含有したエポキシ絶縁体層の形成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185、油化シェルエポキシ(株)製エピコート828)20質量部(以下、配合量は全て質量部で表す)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−673)45部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、大日本インキ化学工業(株)製フェノライト)32部をエチルジグリコールアセテート20部、ソルベントナフサ20部に攪拌しながら加熱溶解させ室温まで冷却した後、そこへ前記エピコート828とビスフェノールSからなるフェノキシ樹脂のシクロヘキサノンワニス(油化シェルエポキシ(株)製YL6747H30、不揮発分30質量%、重量平均分子量47000)30部と2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール0.8部、さらに微粉砕シリカ2部、シリコン系消泡剤0.5部を添加しエポキシ樹脂ワニスを作製した。
さらにこの混合物の中に下記の方法で合成した重合開始ポリマーPを10部添加し、攪拌し、溶解させて開始剤入りのエポキシ樹脂ワニスを作製した。このエポキシ樹脂ワニスを前記(B)感光性組成物層の塗布された支持体上に、乾燥後の厚みが75μmになるようにダイコーターにて塗布、80℃〜120℃で乾燥して絶縁性樹脂組成物層を形成した。
形成された絶縁性樹脂組成物層の1GHzでの誘電率と誘電正接とを、空洞共振器摂動法により測定したところ、誘電率3.5、誘電正接0.05であった。
(重合開始ポリマーPの合成)
300mlの三口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)30gを加え75度に加熱した。そこに、[2−(Acryloyloxy)ethyl](4−benzoylbenzyl)dimethyl ammonium bromide8.1gと、2−Hydroxyethylmethaacrylate9.9gと、isopropylmethaacrylate13.5gと、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.43gと、MFG30gと、の溶液を2.5時間かけて滴下した。その後、反応温度を80度に上げ、更に2時間反応させ、重合開始基を有するポリマーPを得た。
さらに、保護層として、20μmのポリプロピレンフィルムを配置して、支持体上に、感光性層、絶縁体層、が塗布により形成され、その表面を保護層で被覆した本発明のプリント配線板用積層体1を得た。
(プリント配線板用積層体を用いたプリント配線板の作製)
(1)基板上へのプリント配線板用積層体の適用
上記で得られたプリント配線板用積層体フィルム1を用い、配線を形成しようとする基板(パターン加工されたガラスエポキシ内層回路基板(導体厚18μm))上に、前記プリント配線板用積層体フィルムを保護層を剥離して基板と絶縁膜とが積層するように配置し、真空ラミネーターにより0.2MPaの圧力で100℃〜110℃の条件により密着させた。
(2)露光(メッキレジストの形成)
次に、積層体フイルム1の支持体を剥離し、下記の方法にてパターン露光、現像処理を行い、絶縁性樹脂組成物層の上にパターン状の感光性層(メッキレジスト)が形成されたパターニングされた積層体を得た。
露光は、ライン幅/スペース幅が10/10(μm)の配線パターンを有するマスクを密着させ、さらにその上に、波長365nm以下の光を99.5%以上カットするためにシグマ光機社製シャープカットフィルタSCF−100S−39Lを置き、5kWショートアークランプを光源とする平行光露光機(オーク製作所製、製品名EXM−1201)を用いて、波長405nm、12mJ/cmの露光量で露光を行った。
次いで、30℃で1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液を24秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。
(3)グラフトポリマーの形成)
次に、パターニングした前記積層体の表面に、重合性化合物としてのアクリル基と相互作用性基としてのカルボキシル基とを有するポリマー(側鎖に重合性基を持つ親水性ポリマー:P−1、下記合成例により得る)を含む下記組成の液状組成物1をスピンコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥することにより厚さ2μmの高分子前駆体含有層を設け、下記の方法にて全面露光、洗浄処理を行い、絶縁性樹脂組成物層の上にパターン状にグラフトポリマーが形成され、グラフトポリマーの未成性領域が(B)層で被覆されている表面グラフト材料を得た。
露光は、露光機:紫外線照射装置(UVX−02516S1LP01、ウシオ電機社製)を用い、室温で1分間露光した。露光後、純水で充分洗浄した。この露光により、(A)絶縁膜と結合したグラフトポリマーの生成が行われ、表面グラフトパターン材料1を得た。
(合成例:二重結合を有するポリマーP−1の合成)
ポリアクリル酸(平均分子量 25000、和光純薬工業)60gとハイドロキノン(和光純薬工業)1.38g(0.0125mol)を、冷却管を設置した1lの三口フラスコに入れ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)700gを加えて室温で撹拌し、均一な溶液とした。その溶液を撹拌しながら、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)64.6g(0.416mol)を滴下した。続いて、DMAc30gに懸濁させたジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(東京化成工業)0.79g(1.25×10−3mol)を滴下した。撹拌しながら65度のウォーターバスで加熱した。5時間後に加熱を止め、室温まで自然冷却した。この反応液の酸価は7.105mmol/g、固形分は11.83%だった。
反応液300gをビーカーにとり、氷バスで5度まで冷やした。その反応液を撹拌しながら、4規定の水酸化ナトリウム水溶液41.2mlを約1時間で滴下した。滴下中の反応溶液の温度は5〜11度だった。滴下後に反応液を室温で10分撹拌し、吸引濾過で固形分を取り除き褐色の溶液を得た。その溶液を酢酸エチル3リットルで再沈し、析出した固体を濾取した。その固体をアセトン3リットルで終夜リスラリーした。固体を濾別後、10時間真空乾燥して薄い褐色の粉末P−1を得た。
(重合性化合物含有の液状組成物1)
・側鎖に重合性基を持つ親水性ポリマー(P−1) 3.1g
・水 24.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 12.3g
(プリント配線板用積層体を用いたプリント配線板の作製)
(4)無電解メッキ触媒等の付着とその確認
前記のようにして得られた本発明の積層体により得られた表面グラフトパターン材料1に、無電解メッキ触媒を付与し、無電解メッキを行うことで、実施例1の配線板を得た。
(無電解めっき、電解めっき工程の実施)
表面グラフトパターン材料1を、硝酸銀(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、下記組成の無電解メッキ浴に240分間浸漬して無電解めっきを行い、実施例1の導電性パターン材料を作製した。
<無電解メッキ浴成分>
・硫酸銅 0.3g
・酒石酸NaK 1.7g
・水酸化ナトリウム 0.7g
・ホルムアルデヒド 0.2g
・水 48g
〔導電性パターン材料の評価〕
(表面凹凸)
得られた導電性材料の表面凹凸を、ナノピクス(ナノピクス1000、セイコーインスツルメンツ社製、DFMカンチレバー使用)にて測定した。結果は表面凹凸 Rz=450nmであった。
(金属膜厚の測定)
DFMカンチレバー使用にて測定したところ、6μmの膜厚が観察された。従ってこの金属パターンは、導電性を充分達成しうる金属膜厚を有していることがわかる。
(密着強度評価)
金属膜を形成した導電性材料表面に銅板(厚さ:50μm)をエポキシ系接着剤(アラルダイト、チバガイギー製)で接着し、140℃で4時間乾燥した後、JIS C6481に基づき90度剥離実験を行った。剥離装置は島津製作所製 引っ張り試験機AGS−Jを使用した。結果は0.8kN/mであった。
上記結果に明らかなように、本発明の製造方法により得られた導電性材料は、表面の凹凸が小さく、平滑な絶縁体層表面に、厚みが十分で、且つ、基材との密着性に優れた金属膜が形成されていることがわかった。また、このように導電性パターンが形成された基板表面を支持体とし、その表面に、本発明の積層体を用いてこれらの工程を繰り返すことで容易に多層配線を有する導電性パターン材料を得られることがわかる。
(実施例2)
実施例1における導電性パターン材料1の作製において、無電解メッキにより導電性パターンを作製した基板における導電性パターンに電気が流れるように配線をつなぎ、さらに下記組成の電気メッキ浴にて20分間電気メッキし、実施例2の導電性パターン材料2を作製した。
<電気メッキ浴の組成>
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
〔導電性パターン材料の評価〕
実施例1と同様に評価したところ、表面凹凸:Rz=300nm、金属膜厚:14μm、密着強度は0.9kN/mであり、導電性は更に抵抗値が下がった。このことから、無電解メッキに引き続き電気メッキを行うことでパターンの導電性がさらに改良されることがわかる。

Claims (8)

  1. 支持体上に、エネルギー付与により反応性の活性種を生成しうる絶縁性樹脂組成物層と、露光により硬化或いは分解する感光性組成物層とを有することを特徴とする積層体。
  2. 前記絶縁性樹脂組成物層が、1GHzでの誘電率5以下、誘電正接0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板作製用積層体。
  3. 前記絶縁性樹脂組成物層へのエネルギー付与が、露光又は加熱であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板作製用積層体。
  4. 前記感光性組成物層と、絶縁性樹脂組成物層とを順次有するか、絶縁性樹脂組成物層と感光性組成物層積層とを順次有し、最上層の表面に保護フィルムを有し、支持体又は保護フィルムを剥離して、露出した層を基板にラミネートして用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプリント配線板作製用積層体。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプリント配線板作製用積層体を用いて、基板上に絶縁性樹脂組成物層と、感光性組成物層がこの順に位置するように積層する工程と、感光性組成物層側からエネルギーをパターン状に付与し、現像して、感光性組成物層からなるパターンを形成するパターン形成工程と、該積層体の表面に反応性の高分子前駆体を含有する組成物を接触させ、エネルギー付与を行うことで、絶縁性樹脂組成物層に直接結合する高分子化合物を生成させる高分子化合物生成工程と、該高分子生成領域に無電解メッキ触媒もしくはその前駆体を付着させる触媒付着工程と、無電解メッキを行って回路パターンを形成する導電性層形成工程とを有することを特徴とするプリント配線板の作製方法。
  6. 前記無電解メッキを行って導電性層を形成する工程の後に、さらに、電気メッキを行う工程を有することを特徴とする請求項5記載のプリント配線板の作製方法。
  7. 前記無電解メッキを行って導電性層を形成する工程の後に、さらに、残存する感光性組成物層を除去する工程を有することを特徴とする請求項5記載のプリント配線板の作製方法。
  8. 導電層が形成されたプリント配線板上に、前記プリント配線板作成用積層体を用いて回路パターンを形成することを特徴とする請求項5乃至請求項7に記載の多層プリント配線板の作製方法。
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