JPH1186865A - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents

二次電池およびその製造方法

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JPH1186865A
JPH1186865A JP9237404A JP23740497A JPH1186865A JP H1186865 A JPH1186865 A JP H1186865A JP 9237404 A JP9237404 A JP 9237404A JP 23740497 A JP23740497 A JP 23740497A JP H1186865 A JPH1186865 A JP H1186865A
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英一 奥野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質粒子と有機結着材とを含む電極を備え
る二次電池において、結着性およびゲストの透過性を両
立させる電極構成を実現するとともに、そのような二次
電池を製造する製造方法を提供する。 【解決手段】 負極において、有機結着材4bのポリフ
ッ化ビニリデンが、活物質粒子4aである球状グラファ
イト粒子間の結着接点部4cで厚く、結着接点部4c以
外の部位で薄くなるように偏在化させる。その偏在化の
度合は、結着接点部4cとそれ以外の部位とで、オージ
ェ電子分光分析法におけるフッ素元素のピーク強度比を
約2としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活物質粒子と有機
結着材とを含む電極を備える二次電池およびその製造方
法に関するものであり、例えば、リチウムイオン電池等
に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】活物質粒子と有機結着材とを含む電極
(正極および負極)を備える二次電池としては、例え
ば、高エネルギー密度を有するリチウム(Li)イオン
二次電池がある。Liイオン二次電池の場合、正極およ
び負極に対するゲストは、Li、Liイオンである。ま
た、正極活物質としては、LiCoO2 、LiNi
2 、LiMnO2 、LiMn2 4 などの粒子を用
い、負極活物質としては、グラファイトなどのカーボン
系の粒子を用いている。
【0003】そして、これら正、負極活物質粒子は、有
機結着材によって電子の導電パスとなる集電体(Al、
Cu箔等)に保持されて電極を構成しているが、その有
機結着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
を用いている場合が多い。このようなものとしては、例
えば、特開平2−68855号公報、特開平8−250
127号公報に記載のものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の有機結着材は、
活物質粒子が分散しないように活物質粒子同士を接合す
るもの、いわゆるバインダとして、電極の結着性を維持
する役目を果たしている。しかし、一方では、有機結着
材は活物質粒子の表面を被覆して、活物質粒子へのゲス
ト(Liイオン等)の出入りを阻害(つまり、ゲストの
透過性の悪化)するため、例えば、電池の放電負荷特性
の悪化(大電流放電時の容量低下)という問題が生じて
いる。
【0005】ところで、従来の活物質粒子と有機結着材
とを含む電極構成においては、上記の電極の結着性とゲ
ストの透過性という2つの性能を両立させるような提案
はされておらず、また、有機結着材を含まない活物質粒
子だけの電極構成では電極の結着性を維持することは、
現実には困難である。本発明は上記点に鑑みて、活物質
粒子と有機結着材とを含む電極を備える二次電池におい
て、結着性およびゲストの透過性を両立させる電極構成
を実現するとともに、そのような二次電池を製造する製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の活
物質粒子と有機結着材とを含む電極を備える二次電池に
おいて、その電極構造を、SEM観察等により調査検討
した。その結果、電極において結着材であるPVDF
が、活物質粒子の表面を均一に隙間無く被覆しており、
そのため、電池反応に重要な活物質へのゲストの出入り
が阻害されていることがわかった。
【0007】そこで、上記検討結果に基づき、電極の活
物質粒子表面を被覆する結着材の構造に着目して鋭意研
究を進め、結着性およびゲストの透過性を両立させる電
極構成として、以下に示す技術的手段を採用することと
した。すなわち、請求項1記載の発明は、活物質粒子と
有機結着材とを含む電極を備える二次電池において、有
機結着材が、電極のうち活物質粒子間の結着接点部で厚
く、結着接点部以外の部位で薄くなるように偏在化され
ていることを特徴とする。
【0008】ここで、上記の結着接点部とは、活物質粒
子同士が直接もしくは有機結着材を介して接する部分を
意味し、結着接点部以外の部位で薄くなるとは、部分的
に有機結着材が存在しないものをも含むことを意味する
(図2(b)参照)。それによって、活物質粒子間の結
着に必要な部分に、結着材量が多く、一方、電池反応に
関与する部分に、結着材量が少なくなるように偏在する
ので、結着性およびゲストの透過性を両立させる電極構
成を実現でき、大電流放電時の電池容量の低下が抑制で
きる。
【0009】また、上記の結着接点部とそれ以外の部位
における偏在化の度合について、オージェ電子分光分析
法を用いて検討を進めた結果、請求項2のように、結着
接点部と結着接点部以外の部位との元素分析ピーク強度
比が2.0以上の時に、より良好な負荷特性(放電電流
4.5Aにおける放電容量80%以上)を実現できるこ
とがわかった。
【0010】また、活物質粒子と有機結着材とを含む電
極を備える二次電池において、その製造方法の面からも
実験検討を進め、上記請求項1記載の二次電池を製造す
るためには、請求項4〜6記載の発明の製造方法とすれ
ばよいことを見出した。すなわち、請求項4記載の発明
は、活物質粒子と有機結着材とを含む電極と、この電極
を保持し且つ電子の導電パスとなる集電体とを備える二
次電池の製造方法において、有機結着材を前記有機結着
材の貧溶媒に加熱により均一に溶解させるとともに、活
物質粒子を混合してペースト状の混合物を作製し、この
ペースト状の混合物を集電体上に塗布し、その後貧溶媒
を蒸発させることにより、有機結着材が、電極のうち活
物質粒子間の結着接点部で厚く、結着接点部以外の部位
で薄くなるように偏在化させることを特徴とする。
【0011】ここで、貧溶媒とは、結着材の溶解性の悪
いものであり、溶解性の良い良溶媒の反対の意味で使わ
れる言葉で、非良溶媒ともいう。それによって、後述す
る図4に示すように、貧溶媒の蒸発過程において結着材
の溶解度が低くなるため、蒸発初期の段階で有機結着材
の偏在(偏析)が起こり始める。ここで、活物質粒子間
の結着接合部は、それ以外の活物質粒子表面に対してく
びれており、この偏析した有機結着材が集まりやすくな
っているため、結着接点部に有機結着材が移動し、最終
的に活物質粒子間に結着材が偏在した電極構造にするこ
とができる。
【0012】従って、本発明によれば、請求項1記載の
発明と同等の効果を有する二次電池を製造する製造方法
を提供することができる。さらに、請求項5記載の発明
は、請求項4記載の製造方法において、ペースト状の混
合物を集電体上に塗布する工程と、貧溶媒を蒸発させる
工程との間で、ペースト状の混合物を冷却することを特
徴とする。
【0013】本発明では、上記両工程の間で、冷却工程
を行うため、貧溶媒の溶解性をより速く低下させること
ができ、結着材の偏在化を促進することができる。ま
た、請求項6記載の発明は、有機結着材の貧溶媒とこの
貧溶媒よりも沸点が低い良溶媒との混合溶媒に、有機結
着材を溶解させるとともに、活物質粒子を混合してペー
スト状の混合物を作製し、このペースト状の混合物を集
電体上に塗布し、その後混合溶媒を蒸発させることによ
り、有機結着材が、電極のうち活物質粒子間の結着接点
部で厚く、結着接点部以外の部位で薄くなるように偏在
化させることを特徴とする。
【0014】本発明では、貧溶媒と良溶媒との混合溶媒
を用いているため、良溶媒の作用によって結着材の均一
溶解が行われる。従って、上記請求項4および請求項5
のように、結着材の均一溶解のために加熱する工程を省
略することができる。また、混合溶媒を蒸発するときに
は、沸点の低い良溶媒が先に蒸発するため、蒸発に伴っ
て溶解性が低くなり上記の偏析作用によって、最終的に
活物質粒子間に結着材が偏在した電極構造にすることが
できる。従って、本発明においても、請求項1記載の発
明と同等の効果を有する二次電池を製造する製造方法を
提供することができる。
【0015】ここで、上記請求項4〜請求項6における
有機結着材および貧溶媒としては、請求項7記載のよう
に、両者の溶解度パラメータの差が0.5以上であるも
のを用いることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明するが、本実施形態は、Liイオン二次電池とした
ものである。本実施形態は、例えば、携帯電話や携帯用
パソコン等の携帯機器に用いることができる。図1に本
実施形態の二次電池の電極構造を示す。1は電池の正極
であり、主成分である正極活物質粒子(例えば、リチウ
ムコバルト酸化物)と、導電材(例えば、グラファイ
ト)と、バインダとしての有機結着材(例えば、ポリフ
ッ化ビニリデン)とから成る。2は、正極を構造的に保
持しかつ電子の導電パスとなる正極集電体(例えば、ア
ルミニウム箔)であり、正極1は有機結着材によってこ
の正極集電体2に固定されている。
【0017】3は、正極と負極を電気的に絶縁するため
のセパレータ(例えば、ポリエチレン多孔フィルム)で
ある。4は電池の負極であり、主成分である負極活物質
粒子(例えば、球状グラファイト)と、バインダとして
の有機結着材(例えば、ポリフッ化ビニリデン、以下P
VDFという)とからなる。5は負極を構造的に保持し
かつ、電子の導電パスとなる負極集電体(例えば、銅
箔)であり、負極4は有機結着材によってこの負極集電
体5に固定されている。
【0018】次に、本発明の特徴である活物質粒子と有
機結着材の結着構造について、図2を参照して説明す
る。比較として、従来の一般的な二次電池の結着構造を
図3に示す。なお、図3の従来の二次電池の電極構造の
全体的な構成は、図1と同様である。また、有機結着材
は、以下、結着材ということとする。また、以下主とし
て負極4について、その構成、製法等述べるが、正極1
についても同様のことがいえる。
【0019】図2および図3は、負極4をSEM(走査
型電子顕微鏡)等により観察し、その様子を拡大した模
式図である。図3に示す従来の結着構造では、負極活物
質粒子4aの表面にほぼ均一に結着材4bが被覆してお
り、どこの部分を比較しても結着材4bの被覆膜厚は略
同じである。ところが、図2(a)および(b)に示す
本実施形態の結着構造においては、負極活物質粒子4a
間のくびれた部分である結着接点部(界面)4cに結着
材4bが厚く、それ以外の負極活物質粒子4a表面すな
わち結着接点部4c以外の部位においては、結着材4b
の被覆膜厚を薄くした、あるいは図2(b)のように、
被覆膜厚が薄く且つ部分的に結着材4bが存在しない偏
在構造としている。
【0020】このため負極活物質粒子4a間の結着に必
要な部分に、結着材4bが多く偏在し、負極4の結着性
を確保できる。なお、このような偏在構造は、後述する
ようにSEMおよびオージェ電子分光法にて確認でき
る。ところで、活物質粒子と結着材とを結着させる製法
においては、従来は、結着材(例えば、PVDF)の良
溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、以下NM
Pという)を用いていた(後述の図5参照)。これは、
結着材の溶解性に優れた良溶媒を用いると、活物質粒子
と混合してペーストにする上で、均一なペーストが得ら
れやすいという利点があるためである。そして、このペ
ーストを集電体に塗布して、良溶媒を乾燥蒸発させて電
極を形成していた。
【0021】しかし、上記従来製法による電極の結着構
造においては、図3に示すように、電極状態において負
極活物質粒子4aの表面を結着材4bが均一にすきまな
く被覆してしまい、電池反応に重要な活物質粒子へのL
iイオンの出入りを阻害し、大電流放電時の容量低下と
いう問題が生じてしまう。これに対して、本実施形態で
は、活物質粒子と結着材とを結着させる製法として、結
着材(例えば、PVDF)の貧溶媒(例えば、アセト酢
酸エチル)を用いたものとしている。ここで、貧溶媒と
は、結着材の溶解性の悪いものであり、上記の良溶媒の
反対の意味で使われる言葉で、非良溶媒ともいう。
【0022】この貧溶媒を用いた製法としては、種々の
方法(後述)が考えられるが、例えば、次のような方法
でできる。貧溶媒を加熱して溶解性を上げることで結着
材を均一に溶解させ、この均一溶解状態を保ったまま活
物質粒子を混合してペースト状の混合物を作成する。そ
して、この混合物を集電体上に塗布し、その後、貧溶媒
を乾燥して蒸発させる。この蒸発時には、貧溶媒の温度
が下がり、溶解性も下がるため、貧溶媒中で結着材の偏
析が起こる。
【0023】なお、従来においては、このような結着材
の偏析は、電極における均一な結着性を実現するために
は、好ましくないと考えられていた。しかし、本発明者
等は、図2に示すように、負極活物質粒子4a間の結着
接合部4cは、それ以外の活物質粒子4a表面に対して
くびれており、偏析した結着材が集まりやすいのではな
いかと考え、発想の転換を図り、むしろこの偏析を積極
的に利用することとした。
【0024】この結着のメカニズムを図4に示す説明図
を参照して説明する。乾燥過程において結着材の溶解度
が低いため、乾燥初期の段階で結着材の偏在(偏析)が
起こり始める。そして、活物質粒子と結着材との濡れ性
の違いによって、安定な結着接点部に偏析した結着材が
移動し、最終的に活物質粒子間に結着材が偏在した図2
に示すような電極構造にすることができる。
【0025】なお、本作製法において、貧溶媒の溶解度
を小さくして結着材の偏在化を促進させるために、混合
物塗布工程と貧溶媒蒸発工程との間に、冷却工程を入れ
ても同様の電極構造が実現できる。このように結着材の
偏析を利用して、各集電体2および5上に正極1および
負極4を作製することができる。そして、図1に示すよ
うに、各電極1、4、各集電体2、5、およびセパレー
タ3を積層して、複数の層(積層体)とし、各電極1、
4にリード(図示せず)を接続する。続いて、積層体を
電池のケース(図示せず)に収納し、各リードをケース
に設けられた端子(正極端子、負極端子)に接続し、電
解液をケース内に注入封止することで本実施形態のLi
イオン二次電池が完成する。
【0026】そして、本実施形態のLiイオン二次電池
および従来の結着構造を有するLiイオン二次電池にお
いて、後述する電流パルス緩和法によりLiイオン(ゲ
スト)の化学拡散係数を測定したところ、本実施形態は
従来に比べて大きな化学拡散係数を有することが確認で
きた。従って、結着材接点部4c以外の活物質粒子4a
表面における結着材4b膜厚を薄くすることを可能に
し、活物質粒子4aへのリチウムインタカレーション、
デインタカレーションをしやすくすることができ、各電
極1、4において良好なゲストの透過性を実現できる。
【0027】以上のように、本実施形態によれば、活物
質粒子と有機結着材とを含む電極1、4を備える二次電
池において、活物質粒子4a間の結着に必要な部分に、
結着材量が多く、一方、電池反応に関与する部分に、結
着材量が少なくなるように偏在するので、結着性および
ゲストの透過性を両立させる電極構成を実現でき、大電
流放電時の電池容量の低下が抑制できる。
【0028】次に、本実施形態を以下に示す各実施例1
〜5、および比較例に基づいて、更に詳細に説明する
が、本実施形態は、これら実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)本実施例は、図1のLiイオン二次電池の
電極構造において、負極4を図2に示す本実施形態の結
着構造とし、正極1は図3に示す従来結着構造としたも
のである。正極1は、正極活物質粒子であるリチウムコ
バルト酸化物94wt%、導電材であるグラファイト4
wt%、結着材であるPVDF2wt%から成る。正極
集電体2はAl箔から成り、セパレータ3はポリエチレ
ン多孔フィルムから成る。負極4は、負極活物質粒子で
ある球状グラファイト92.5wt%、結着材であるP
VDF7.5wt%からなる。負極集電体5は銅(C
u)箔である。
【0029】次に、本実施例の負極1の作製方法につい
て、述べる。本実施例では、結着材PVDFの溶媒とし
て、PVDFの貧溶媒であるアセト酢酸エチルを選定し
た。アセト酢酸エチルの溶解度パラメータは10であり
PVDFの11に対して約1離れており、常温ではPV
DFを溶解できない。まずアセト酢酸エチルとPVDF
とを混合し、120℃まで加熱することによりPVDF
を均一に溶解させた。
【0030】次に、この溶液をゲル化させないために、
110℃に保った状態で負極活物質粒子4aである球状
グラファイトと混合し、ニーダ、攪拌機等により均一に
分散させ、ペースト状の混合物(以下、ペーストとい
う)とした。続いて、負極集電体5上にペーストを塗
布、乾燥し、その後ロールプレス等により電極を圧縮
し、電極密度を高め、ブランク型により電極形状に打ち
抜いた。なお、負極集電体5へのペースト塗布は、塗布
前のゲル化による凝集を防ぐために、ペースト温度を1
10℃に保つとともに、基材となる負極集電体5も90
℃に保った状態で行った。
【0031】以上のように作製された本実施例の負極1
は、図2に示す結着構造を有する。 (比較例)図1に示す電極構造において、負極4につい
て従来の具体的な作製方法を以下に示す。この従来の負
極作製方法では、結着構造は図3に示すものとなる。な
お、負極4は上記実施例1と同じく、負極活物質粒子で
ある球状グラファイト92.5wt%、結着材であるP
VDF7.5wt%からなるものとし、負極集電体5は
銅箔としている。
【0032】結着材PVDFを、PVDFの良溶媒であ
るNMPに常温で均一に溶解させ、そこへ負極活物質粒
子4aである球状グラファイトを混合し、ニーダ、攪拌
機等により均一に分散させ、負極集電体5上にペースト
を塗布、乾燥し、その後ロールプレス等により電極を圧
縮し、電極密度を高め、ブランク型により電極形状に打
ち抜いていた。この方法では、結着材の溶媒に対する溶
解度が高く、電極の乾燥時に均一な結着材分布となり
(図5参照)、最終的に図3に示す従来の結着構造を有
する電極となる。
【0033】ところで、上述のように、本実施形態で
は、電極表面の結着材の偏在状態を評価するために、S
EM観察およびマイクロオージェ電子分光法による元素
分析を行っている。次に、この評価方法を、上記実施例
1および比較例を用いた場合について説明する。サンプ
ルは両例の負極を用い電極をφ15mmに打ち抜き作製
した。SEM観察結果より負極活物質粒子間の結着接点
部、それ以外の場所を限定し分析を行った。分析装置は
アルバックファイ製、型式PHI670を使用し、加速
電圧10KeV、ビームスポット径約30nm、電子ビ
ーム電流10nAで行った。
【0034】図6は、結着構造のSEM像であり、
(a)が上記実施例1、(b)が比較例のものである。
また図7は、図6の模式図であり、(a)が上記実施例
1、(b)が比較例のものである。各例における元素分
析部位は、図7(a)および(b)中に、×印A1、A
2、B1、B2として示した。これら分析部位における
マイクロオージェ分析結果を、図8に示す。このよう
に、各分析部位において、負極活物質粒子(球状グラフ
ァイト)中の炭素(C)ピークと結着材中のフッ素
(F)ピークが現れる。従って、負極活物質粒子上の結
着材PVDFの量は、結着材中のフッ素ピーク強度によ
って求められる。ここで、炭素ピーク強度はどこもほぼ
一定であるので、フッ素ピーク強度は、炭素ピーク強度
に対する割合として規格化したものを用いた。
【0035】図8に示すように、実施例1では、結着接
点部(図7(a)中、界面A1)のフッ素ピーク強度が
大きく、それ以外の部位(図7(a)中、表面A2)で
のフッ素ピーク強度は殆ど見えない位に小さくなってお
り、両分析部位のフッ素ピーク強度比(A1でのフッ素
ピーク強度/A2でのフッ素ピーク強度)は、およそ4
であった。よって、実施例1においては、結着材が活物
質粒子の結着接点部に多く集まり、それ以外の場所での
被覆膜厚が薄くなっていることが確認できた。
【0036】これに対し、上記比較例すなわち従来製法
による負極では、結着接点部(図7(b)中、界面B
1)、それ以外の場所(図7(b)中、表面B2)でも
同様のフッ素ピーク強度が得られ、フッ素ピーク両ピー
クの強度比はおよそ1であった。従って、上記比較例で
は、負極活物質粒子上の結着材PVDF膜厚は、部位に
よらず均一であることがわかる。
【0037】また、上述のように、本実施形態では、ゲ
ストの透過性を定量的に把握するために、電流パルス緩
和法によるLiイオンの化学拡散係数(以下、Liイオ
ン拡散係数という)Dの測定を行っている。次に、この
測定を、上記実施例1および比較例の負極を用いた場合
について説明する。Liイオン拡散係数Dの測定は加圧
セルを用いた。実施例1と同じペーストを厚さ18μm
の銅箔(負極集電体)上に塗布し、φ15mmに打ち抜
き図2に示す結着構造を有する負極を作製した。対極に
はニッケルメッシュに圧着したリチウム金属を用い、セ
パレータはポリエチレン製厚さ25μmを用い、電解液
は1MLiPF6 /EC(炭酸エチレン):EMC(炭
酸エチルメチル)=50:50を用いて行った。また、
比較例についても同様に加圧セルを作製した。
【0038】評価条件は大電流放電時の影響をみるため
にグラファイト負極の電位を0.005V以下まで下げ
た状態で、グラファイト中からLiイオンを引き抜く方
向に20mAの電流を10秒間流し、その後のグラファ
イト負極電位の経時変化を測定することにより求めた。
Liイオン拡散係数Dの計算は、下記の数式1を用いて
行った。
【0039】
【数1】
【0040】 但し、VM :電極のモル体積 dE/dx:開路電圧−組成(x)曲線のLi組成xに
おける傾き i:電流(A) τ:電流パルスの継続時間(s) n:反応に関与する電子の個数 F:ファラデー常数(C/m) a:電極面積(cm2 ) ΔE:電位変化 t:時間 である。
【0041】そして、実施例1および比較例の負極につ
いて求めたLiイオン拡散係数D(m2 /s)と、上記
した両例の結着接点部(界面)と結着接点部以外の部位
(表面)とのフッ素ピーク強度比(以下、単に、ピーク
強度比という)との関係をプロットした。その結果を図
9に示す。ここで、図9中、●マークは実施例1を示
し、□マークは比較例を示す。
【0042】図9において、ピーク強度比が大きくなる
ほど負極のLiイオン拡散係数Dは大きくなり、両者は
相関性があることがわかった。ここで、負極のLiイオ
ン拡散係数Dと放電容量との関係を図10に示す。ここ
で負極電流密度は、各々17枚の正極(正極面積387
cm2 =3.70cm×3.08cm×17枚×2)と
負極(負極面積422cm2 =3.90cm×3.18
cm×17枚×2)とからなる電池において、高負荷の
放電電流4.5Aを実現する負極電流密度10.7mA
/cm2 (放電電流4.5Aに相当)としている。そし
て、この負極電流密度における、2つの実測値(図10
中■マーク)と電池内部のLiイオン移動のシミュレー
ション値(図10中●マーク)から求めている。
【0043】図10から、放電電流4.5Aにおける放
電容量を、電池公称容量(0.2C=240mA)の8
0%(目標値)以上とするためには、負極Liイオン拡
散係数Dを、3.10×10-14 2 /s以上、また、
電池公称容量(0.2C=240mA)の90%以上と
するためには、負極Liイオン拡散係数Dを、5.24
×10-14 2 /s以上、にする必要があることがわか
る。
【0044】そして、上記の図9に示すLiイオン拡散
係数Dとピーク強度比との関係において、負極Liイオ
ン拡散係数Dが3.10×10-14 2 /s以上となる
には、ピーク強度比は、2.0以上が好ましい。よっ
て、本実施形態の電極構造にすることにより活物質粒子
表面の結着材被覆膜厚を薄くすることができ、電池内部
へのLiイオン拡散係数を大きくすることができる。
【0045】さらに、本実施形態の結着構造の効果を、
実際に電池の放電負荷特性として確認するために、図1
の電極構造において、実施例1の負極を用いて、083
448サイズの角形電池(厚さ8mm、幅34mm、高
さ48mm)を試作し、これを本実施形態の電池として
大電流放電時の特性評価を行った。正極1は、リチウム
コバルト酸化物94wt%、導電材(KS−6)4wt
%、結着材PVDF2wt%、Nメチル2ピロリドン3
5wt%、負極4は球状グラファイト92.5wt%、
結着材PVDF7.5wt%、アセト酢酸エチル90w
t%を混合し電極を作製した。これらの電極を正極17
枚、負極18枚積層して角形電池を作製した。
【0046】ここで、この本実施形態の電池において、
正極1は従来の結着構造であり、負極4は実施例1の負
極を用いているため、図2に示す本実施形態の結着構造
である。この角形電池の大電流放電特性を図11に示す
(図11中●マーク)。なお、縦軸の放電容量比は、放
電負荷0.2C時の放電容量を1として規格化した値で
ある。
【0047】また、図11には、従来の電池における放
電負荷特性として、上記角形電池の負極を上記比較例の
負極に置き換えたもの、すなわち正極、負極共に従来の
結着構造とした角形電池の値(図11中□マーク)も示
してある。さらに、これら電池における負極のLiイオ
ン拡散係数Dと大電流特性の関係を図12に示す(図1
2中、実施例1の負極を●マーク、比較例の負極を□マ
ークとして示す)。
【0048】本実施形態の電池は、実施例1の負極を用
いた電池としており、負極側でのLiイオン拡散係数D
が増大したことにより、従来の電池に比べて大電流放電
性が向上している。次に、本実施形態の他の実施例を以
下に示す。 (実施例2)上記実施例1の負極製造方法において、P
VDFの貧溶媒として、アセト酢酸エチルの代わりにプ
ロピレンカーボネート(溶解度パラメータ13.3)を
用いた場合でも、Liイオン拡散係数Dは2.50×1
-13 (m2 /S)とほぼ同じ値を示す。尚、さらに種
々の貧溶媒について検討したところ、PVDFと溶媒の
溶解度パラメータの差の0.5以上離れているものを用
いれば、上記実施例1とほぼ同等の効果を得ることがで
きることがわかった。 (実施例3)本例は、上記実施例1の負極製造方法にお
いて、結着材偏在化の方法として、ペースト調合時には
加熱せず結着材PVDFの良溶媒と貧溶媒を用いた例を
示す。良溶媒としてジメチルイミダゾリジノン(沸点1
07℃)を用い、貧溶媒としてシクロヘキサノン(沸点
155℃)を用い、球状グラファイト:PVDF:ジメ
チルイミダゾリジノン:シクロヘキサノンを92.5:
7.5:50:50の重量比で混合し、均一に溶解させ
る。
【0049】次にこのペーストを銅箔(負極集電体)に
塗布し、80℃に保った雰囲気中で乾燥させることによ
り、良溶媒であるジメチルイミダゾリジノンが先に蒸発
し、図2に示す結着材の偏在化した電極構造を作製する
ことができる。本作製法による電極のLiイオン拡散係
数は2.32×10-13 (m2 /S)であった。 (実施例4)上記実施例1において、負極の結着材とし
てPVDF以外の樹脂を用いた実施例を示す。結着材と
して硝酸セルロースを用い、球状グラファイト:硝酸セ
ルロース:酢酸メチル:エタノール:ブタノール:水:
グリセリンを92.5:7.5:56:26:13.
6:3.0:1.4の重量比で混合し、均一に溶解させ
る。次にこのペーストを銅箔(負極集電体)に塗布し、
80℃に保った雰囲気中で乾燥させることにより図2に
示す結着材の偏在した電極構造を実現できる。
【0050】本作製法による電極のLiイオン拡散係数
は2.40×10-13 (m2 /S)であった。 (実施例5)正極に本実施形態の電極製法を適用した場
合の実施例を示す。リチウムコバルト酸化物:導電材グ
ラファイト:PVDF:アセト酢酸エチルを94:4:
2:100の重量比で混合し均一に溶解させる。次に、
このペーストをアルミ箔(正極集電体)を塗布し、80
℃に保った雰囲気中で乾燥させることにより、図2に示
す結着材の偏在した電極構造を実現できる。
【0051】本作製法による電極のLiイオン拡散係数
は2.40×10-12 (m2 /S)であり、従来構造の
正極のLiイオン拡散係数2.80×10-13 (m2
S)に比べて1桁大きい値を示す。なお、本実施形態に
おいて、PVDFのほかに結着材として、オレフィン系
樹脂、フッ素系樹脂、イミド系樹脂、アミド系樹脂、ビ
ニル系樹脂や、ゴム系結着材として、ブチルゴム、ブタ
ジエンゴム、SBR、EPDM等を用いても良い。 (他の実施形態)なお、図2に示す偏在化した結着構造
を有する電極は、上述した従来の電極作製方法によって
調整されたペーストに添加剤を加え、結着材を溶かした
ペーストの活物質粒子への濡れ性を悪くすることによっ
ても作製可能である。このような方法でも、結着材が活
物質粒子間に偏在した図2に示すような電極構造になっ
ていることが確認された。その一例を以下の実施例6に
示す。 (実施例6)従来方法で調整された負極ペーストに、添
加剤として蓚酸を0.1重量%加えたもので作製した電
極を用いて、上記の方法に従って角型電池を作製した。
これらの電池の大電流放電特性を図13(図13中○マ
ーク:実施例6、□マーク:比較例)に示す。本実施例
では、乾燥工程で起きた結着材の偏在化により、従来構
造の電極に比べて大電流放電性が向上している。
【0052】なお、他に添加剤として、エチレングリコ
ール、ジヨードメタン、テトラブロモエタン、トリニト
ロトルエン、ニトログリセリン、ニトロフェノール、ピ
リダジシ、ホルムアミド、マロン酸ニトリル、メタンス
ルホン酸等を用いてもよい。なお、上記各実施形態およ
び各実施例において、正極活物質としてリチウムコバル
ト酸化物以外のリチウムニッケル酸化物、リチウムマン
ガン酸化物等のカルコゲン化合物を用いても良い。負極
活物質として球状グラファイト以外の繊維状のグラファ
イト、鱗状グラファイト、塊状グラファイト、アモルフ
ァスカーボン、アモルファスコートグラファイト等のカ
ーボンを用いても良い。
【0053】また、電解液のリチウム塩としては、Li
PF6 以外にLiClO4 、LiBF4 、LiCF3
3 、有機溶媒はエチレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
1、2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル、エチルメチルカーボネート等の中から選定
し使用しても良い。
【0054】なお、上記実施例1においては、結着材が
PVDFであったため、オージェ電子分光法による分析
は、下地の負極活物質粒子のグラファイトの炭素と重な
らないように、結着材を構成する元素としてフッ素とし
たが、フッ素以外にも結着材の種類に応じて炭素以外の
元素を選択してもよい。また、上記各実施形態は、ゲス
トとしてLiイオンを用いたものに限定されるものでは
なく、例えば,Hイオン、Naイオン等であってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る二次電池の電極構造を
示す断面図である。
【図2】上記実施形態における活物質粒子と有機結着材
の結着構造を示す模式図である。
【図3】従来の活物質粒子と有機結着材の結着構造を示
す模式図である。
【図4】上記実施形態における結着のメカニズムを示す
説明図である。
【図5】従来の結着のメカニズムを示す説明図である。
【図6】結着構造のSEM像であり、(a)は本発明の
実施例1を示し、(b)は、比較例を示す。
【図7】図6のSEM像の模式図であり、(a)は本発
明の実施例1を示し、(b)は、比較例を示す。
【図8】マイクロオージェ分析結果を示すスペクトル図
であり、(a)は上記実施例1を示し、(b)は上記比
較例を示す。
【図9】負極Liイオン拡散係数Dとフッ素ピーク強度
比(結着接点部(界面)/結着接点部以外の部位(表
面))との関係を示すグラフである。
【図10】負極のLiイオン拡散係数Dと放電容量との
関係を示すグラフである。
【図11】上記実施形態に係る電池と比較例に係る電池
の大電流放電特性を示すグラフである。
【図12】負極Liイオン拡散係数Dと大電流特性の関
係を示すグラフである。
【図13】本発明の実施例6に係る電池と比較例に係る
電池の大電流放電特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…正極、2…正極集電体、3…セパレータ、4…負
極、4a…負極活物質粒子、4b…結着材、4c…結着
接点部、5…負極集電体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 学 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質粒子と有機結着材とを含む電極を
    備える二次電池において、前記有機結着材が、前記電極
    のうち前記活物質粒子間の結着接点部で厚く、前記結着
    接点部以外の部位で薄くなるように偏在化されているこ
    とを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】 前記偏在化の度合として、前記有機結着
    材を構成する元素のうち、炭素以外の元素をオージェ電
    子分光法により分析したときに、前記結着接点部と前記
    結着接点部以外の部位との元素分析ピーク強度比が2.
    0以上であることを特徴とする請求項1に記載の二次電
    池。
  3. 【請求項3】 前記有機結着材はポリフッ化ビニリデン
    であり、前記オージェ電子分光法により分析する炭素以
    外の元素はフッ素であることを特徴とする請求項2に記
    載の二次電池。
  4. 【請求項4】 活物質粒子と有機結着材とを含む電極
    と、この電極を保持し且つ電子の導電パスとなる集電体
    とを備える二次電池の製造方法において、 前記有機結着材を前記有機結着材の貧溶媒に加熱により
    均一に溶解させるとともに、前記活物質粒子を混合して
    ペースト状の混合物を作製し、 前記ペースト状の混合物を前記集電体上に塗布し、その
    後前記貧溶媒を蒸発させることにより、前記有機結着材
    が、前記電極のうち前記活物質粒子間の結着接点部で厚
    く、前記結着接点部以外の部位で薄くなるように偏在化
    させることを特徴とする二次電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ペースト状の混合物を前記集電体上
    に塗布する工程と、前記貧溶媒を蒸発させる工程との間
    で、前記ペースト状の混合物を冷却することを特徴とす
    る請求項4に記載の二次電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 活物質粒子と有機結着材とを含む電極
    と、この電極を保持し且つ電子の導電パスとなる集電体
    とを備える二次電池の製造方法において、 前記有機結着材の貧溶媒とこの貧溶媒よりも沸点が低い
    良溶媒との混合溶媒に、前記有機結着材を溶解させると
    ともに、前記活物質粒子を混合してペースト状の混合物
    を作製し、 前記ペースト状の混合物を前記集電体上に塗布し、その
    後前記混合溶媒を蒸発させることにより、前記有機結着
    材が、前記電極のうち前記活物質粒子間の結着接点部で
    厚く、前記結着接点部以外の部位で薄くなるように偏在
    化させることを特徴とする二次電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記有機結着材および前記貧溶媒とし
    て、両者の溶解度パラメータの差が0.5以上であるも
    のを用いることを特徴とする請求項4ないし6のいずれ
    か一つに記載の二次電池の製造方法。
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