JPH1186489A - ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ３体構造のディスクカートリッジにおいて、
センターフレームの成形性を高める。 【解決手段】 上プレートと下プレートとをセンターフ
レーム２０を挟んで連結し、内部にディスク状媒体を収
納したディスクカートリッジにおいて、センターフレー
ム２０は、ディスク状媒体を収納するための円形の収納
穴２２を形成した枠状体であり、センターフレーム２０
の収納穴２２の内周壁面２２ａであって、収納穴２２の
中心２２ｃ及びセンターフレーム２０の角部２０ｃを通
るラインＬと収納穴２２の内周壁面２２ａとの交点Ｐの
近傍を、センターフレーム２０のゲート位置２０ｇとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等のデ
ィスク状媒体を収納したＭＤ等のディスクカートリッジ
に関し、特に、上プレートと下プレートとをセンターフ
レームを挟んで連結したディスクカートリッジに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のディスクカートリッジとして、光
ディスク等のディスク状媒体を内部に収納し、下プレー
トと上プレートとを重ね合わせ、下プレートと上プレー
トとを連結した２体構造のものが知られている。一方、
室外での使用に十分耐えうる剛性の高いディスクカート
リッジの要請に応えるべく、図５に示すようなディスク
カートリッジが知られている。

【０００３】図５は、従来の３体構造のディスクカート
リッジの一例（特開昭６４−７８４７８号公報）を分解
して示す斜視図である。このディスクカートリッジ２０
０は、上プレート２３０と下プレート２１０とをセンタ
ーフレーム２２０を挟んで重ね合わせて３体構造とする
ことにより、剛性を高めたものである。このように３体
構造とするのは、２体構造のディスクカートリッジの上
プレートや下プレートの肉厚を厚くすれば剛性を高める
ことができるが、ひけが発生して外観を損なうという欠
点があるためである。そして、ディスクカートリッジ
は、その用途に応じ、高剛性や重量感が求められるもの
は図５のような３体構造とし、それ以外のものは２体構
造としている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のディス
クカートリッジ２００において、ディスクカートリッジ
２００の薄型化を図るためには、センターフレーム２２
０の厚みを薄くする必要があるが、センターフレーム２
００の厚みを薄くしたときには、成形時の樹脂の流動性
が悪くなるという問題点がある。ここで、図５に示すセ
ンターフレーム２２０は、枠状体に、ディスク状媒体４
０を配置するための略四角形状の穴２２１を形成したも
のであるが、図６に示すセンターフレーム２２０’のよ
うに、略四角形状の枠状体に円形状の穴２２１’を形成
すれば、センターフレーム２２０’の角部の厚みを厚く
することができる。しかし、中央部の厚みが薄くなって
しまうという問題点がある。

【０００５】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、３体構造のディスクカートリッジにおいて、セン
ターフレームの成形性を高めることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、請求項１の発明は、上プレートと下プレートとを
センターフレームを挟んで連結し、内部にディスク状媒
体を収納したディスクカートリッジにおいて、前記セン
ターフレームは、前記ディスク状媒体を収納するための
円形の収納穴を形成した枠状体であり、前記センターフ
レームの前記収納穴の内周壁面であって、前記収納穴の
中心及び前記センターフレームの角部を通るラインと前
記収納穴の前記内周壁面との交点の近傍を、前記センタ
ーフレームのゲート位置としたことを特徴とする。

【０００７】請求項２の発明は、請求項１に記載のディ
スクカートリッジにおいて、前記センターフレームは、
ＡＢＳ樹脂、ＰＣ樹脂又はＰＡ樹脂に金属粉を混合した
材料から成形されていることを特徴とする。請求項３の
発明は、請求項１又は請求項２に記載のディスクカート
リッジにおいて、前記センターフレームの前記ゲート位
置の周囲部は、前記収納穴の前記内周壁面より一段低く
形成されていることを特徴とする。

【０００８】

【作用】請求項１の発明においては、センターフレーム
のゲート位置は、第１に、センターフレームの収納穴の
内周壁面に設けられる。これにより、金型のランナーの
長さを短くすることができ、樹脂を効率良く使用するこ
とができるとともに、上プレートや下プレートが透明体
又は半透明体であってもセンターフレームのゲート部を
目立たなくすることができる。さらに、センターフレー
ムのゲート位置は、第２に、収納穴の中心及びセンター
フレームの角部を通るラインと収納穴の内周壁面との交
点の位置から若干離して設けられる。これにより、ウエ
ルドラインの発生位置がセンターフレームの中央部にな
ることを回避することができ、センターフレームの強度
低下を抑制することができる。

【０００９】さらに、請求項２の発明においては、セン
ターフレームは、ＡＢＳ樹脂等と金属粉とを混合した材
料から成形されている。これにより、成形時におけるゲ
ート部の樹脂きれを良くすることができるとともに、セ
ンターフレームの剛性を高めることができる。

【００１０】さらにまた、請求項３の発明においては、
センターフレームのゲート位置の周囲部は、収納穴の内
周壁面より一段低く形成されている。これにより、セン
ターフレームのゲート部と、その内部に収納されるディ
スク状媒体との干渉を確実に防止することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
の一実施形態について説明する。図１は、本発明による
ディスクカートリッジの一実施形態を分解して示す斜視
図であり、ＭＤを例としたものである。ディスクカート
リッジ１は、前述した３体構造のものであり、上プレー
ト３０と下プレート１０とをセンターフレーム２０を挟
んで連結し、内部にディスク状媒体（光ディスク）４０
を収納したものである。また、本実施形態での上プレー
ト３０及び下プレート１０は、透明体又は半透明体であ
り、内部のセンターフレーム２０及びディスク状媒体４
０は、外部から見えるようになっている。

【００１２】下プレート１０及び上プレート３０のそれ
ぞれの所定の１辺近傍には、従来例と同様に、ディスク
状媒体４０の一部を露出させるための開口部１１及び３
１が形成されている。そして、シャッター５１が上プレ
ート３０と下プレート１０とを挟んで開口部１１及び３
１を開閉自在に摺動するように取り付けられる。また、
下プレート１０の略中央部には、ディスク状媒体４０に
取り付けられるハブ４１を露出させるための開口部１２
が形成されている。

【００１３】下プレート１０の四隅近傍には、ねじ貫通
穴を有してセンターフレーム２０側（図１中、上側）に
突出したねじ止め用ボス１３が設けられている。また、
下プレート１０の一角部近傍には、シャッターロック５
２を支持するための支持ボス１６が設けられている。シ
ャッターロック５２は、シャッター５１の閉状態を維持
するためのものである。さらにまた、下プレート１０の
他の一角部近傍には、誤消去防止プラグ５３を取り付け
るためのプラグ取付部１５が形成されている。誤消去防
止プラグ５３は、ディスク状媒体４０に記録したデータ
の誤消去を防止するためのものである。

【００１４】図２は、センターフレーム２０を詳細に示
す斜視図であり、上プレート３０との対向面側を上とし
た図である。センターフレーム２０の材料としては、耐
熱性を有し、剛性を高めるために、例えばＡＢＳ（アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合）樹脂、Ｐ
Ｃ（ポリカーボネート）樹脂又はＰＡ（ポリアミド）樹
脂に種々の金属粉を混合した高比重のものが用いられ
る。前記金属粉としては、タングステン、硫酸バリウ
ム、鉄、燐鉄、フェライト、銅、亜鉛又は鉛等があげら
れる。この金属粉の添加量は、５〜５０ｗｔ％程度が好
ましい。また、材料の比重は、４．５以下であることが
好ましい。この程度の比重であれば、成形時におけるゲ
ート部の樹脂きれを良くすることができるからである。
なお、外観の向上のためにセンターフレーム２０に塗装
処理を施しても良い。

【００１５】センターフレーム２０は、略四角形状の枠
状体に、ディスク状媒体４０を配置するための収納穴２
２を形成したものである。したがって、センターフレー
ム２０は、Ｃ字状等の不連続体ではないので、その剛性
を高くすることができる。また、センターフレーム２０
の上面側の四隅近傍には、上プレート３０が搭載された
ときに上プレート３０側のボス（図示せず）と嵌合する
断面凹状の係合部２５が形成されている。この係合部２
５は、裏面側にも同様に設けられており、裏面側の係合
部２５は、上述の下プレート１０のねじ止め用ボス１３
と嵌合するものである。

【００１６】さらにまた、センターフレーム２０の上面
側の一角部近傍には、シャッターロック５２を配置する
ための薄肉（断面凹状）のシャッターロック収納部２１
が形成されている。さらに、シャッターロック収納部２
１の一部には、貫通穴２６が形成されており、下プレー
ト１０上にセンターフレーム２０が搭載されると、下プ
レート１０の支持ボス１６が貫通穴２６を通ってセンタ
ーフレーム２０上に突出する構造となっている。

【００１７】また、センターフレーム２０のシャッター
ロック収納部２１と対角位置にある一角部近傍の端縁部
には、センターフレーム２０の一部を略凹状に切り欠い
た切り欠き部２７が形成されている。この切り欠き部２
７は、センターフレーム２０が下プレート１０上に搭載
されたときに下プレート１０のプラグ取付部１５と干渉
しないようにするために、プラグ取付部１５を囲むよう
に切り欠いたものである。この切り欠き部２７は、セン
ターフレーム２０の隅部を残してその近傍に設けている
ので、たとえ切り欠き部２７を設けてもセンターフレー
ム２０の外観を損なうことがない。

【００１８】下プレート１０のプラグ取付部１５に誤消
去防止プラグ５３を取り付けた後、下プレート１０上に
センターフレーム及びディスク状媒体４０を載置する。
センターフレーム２０が搭載されると、下プレート１０
のねじ止め用ボス１３がセンターフレーム２０の係合部
２５と嵌合するとともに、下プレート１０の支持ボス１
６がセンターフレーム２０の貫通穴２６を通ってセンタ
ーフレーム２０上に突出する。

【００１９】そして、シャッターロック５２がこの支持
ボス１６に支持されるとともにセンターフレーム２０の
シャッターロック収納部２１に配置される。また、下プ
レート１０のプラグ取付部１５は、センターフレーム２
０の切り欠き部２７の切り欠き内に配置される。

【００２０】このセンターフレーム２０上に上プレート
３０を搭載し、下プレート１０側からねじ５４を挿入し
て、センターフレーム２０を挟んで下プレート１０と上
プレート３０とをねじ止めすることにより、ディスクカ
ートリッジ１が組み立てられる。なお、下プレート１０
と上プレート３０との連結は、ねじ５４を用いずに溶着
しても良い。

【００２１】次に、センターフレーム２０の成形につい
て説明する。一般に、センターフレーム２０を成形する
場合のゲート位置は、センターフレーム２０の側壁２０
ｓ（この場合には幅の広いゲートを使用する）、又はセ
ンターフレーム２０の角部２０ｃ近傍の上面若しくは下
面のいずれか一方とすることが考えられる。しかし、側
壁２０ｓは外部に露出している部分であるため、側壁２
０ｓにゲート位置を設けると外観を損なう。また、角部
２０ｃ近傍の上面や下面にゲート位置を設けると、上プ
レート３０や下プレート１０を透明体又は半透明体にし
たときにゲート部（ゲート跡）が見えてしまい、上述と
同様に外観を損なうとともに、金型のランナーの長さが
長くなり、樹脂が無駄になる。

【００２２】図３は、センターフレーム２０と、成形時
のランナーＲ（図中、２点鎖線部）とを示す斜視図であ
る。本実施形態では、センターフレーム２０のゲート位
置２０ｇは、収納穴２２の内周壁面２２ａに、９０度間
隔で４か所設けられている。このようにゲート位置２０
ｇを設ければ、たとえ上プレート３０や下プレート１０
が透明体又は半透明体であっても、ゲート部を目立たな
くすることができる。さらに、ランナーＲの長さを短く
することができ、樹脂を効率良く使用することができ
る。特に、本実施形態のように、センターフレーム２０
の材料として金属粉を混合した樹脂を用いる場合には、
その効果が大きい。さらに９０度間隔で（すなわち等間
隔で）ゲート位置を設ければ、成形時の樹脂の流動バラ
ンスを良好にすることができる。

【００２３】さらにまた、ゲート位置２０ｇは、収納穴
２２の中心２２ｃ及びセンターフレーム２０の角部２０
ｃを通るラインＬと内周壁面２２ａとの交点Ｐの近傍、
すなわち交点Ｐから所定角度θだけずれた位置に設けら
れている。ここで、ゲート位置２０ｇを交点Ｐと一致さ
せた場合には、ウエルドライン（ウエルドマーク）がセ
ンターフレーム２０の中央部（図２中、Ｘ部）、すなわ
ち最も肉厚の薄い部分に発生し、センターフレーム２０
の強度が低下する。したがって、本発明では、ゲート位
置２０ｇを交点Ｐと一致させないで交点Ｐの近傍とし
（交点Ｐから角度θだけずらし）、ウエルドラインの発
生位置がセンターフレーム２０の中央部になることを回
避して、センターフレーム２０の強度低下を抑制してい
る。

【００２４】なお、内周壁面２２ａは、ディスク状媒体
４０が配置される部分であるので、ゲートの残留部分が
突出すると、この残留部分とディスク状媒体４０とが干
渉し、ディスク状媒体４０を傷つけたり、削れ粉が発生
してドロップアウトが生じてしまうおそれがある。そこ
で、センターフレーム２０の成形においては、トンネル
ゲート（サブマリンゲート）を用いるのが好ましい。ト
ンネルゲートを用いれば、センターフレーム２０のゲー
ト部を自動的に切断でき、後加工が不要となるからであ
る。また、上述したように、センターフレーム２０の材
料や比重を本実施形態のように選定すれば、ゲート部の
樹脂きれを良くすることができる。

【００２５】また、図示しないが、上プレート３０や下
プレート１０に、センターフレーム２０のゲート位置２
０ｇで収納穴２２内に入り込むリブを設ければ、ディス
ク状媒体４０とセンターフレーム２０の内周壁面２２ａ
とが接触しないようにすることができる。

【００２６】図４は、センターフレーム２０のゲート位
置２０ｇの周囲部に、凹部２２ｂ又は２２ｂ’を設けた
実施形態を示す図である。図４中、（ａ）は、図３の平
面図であり、（ｂ）及び（ｃ）は、（ａ）のＹ部を詳細
に示す平面図であり、（ｄ）は、（ｃ）のＡ−Ａ断面を
示す断面図である。

【００２７】図４（ｂ）又は（ｃ）に示すように、ゲー
ト位置２０ｇの周囲部に凹部２２ｂ又は２２ｂ’を設け
て、ゲート位置２０ｇの周囲部を収納穴２２の内周壁面
２２ａより一段低く形成すれば、ゲートの残留部分が収
納穴２２の領域内に入り込むのを確実に防止して、ゲー
トの残留部分とディスク状媒体４０との干渉をなくすこ
とができる。特に、図中（ｃ）及び（ｄ）に示すよう
に、センターフレーム２０の上面側の一部を除く部分に
凹部２２ｂ’を形成すれば、上プレート１０を透明体又
は半透明体にしたときでも、凹部２２ｂ’が外部から見
えにくくなるので、外観上良好なものとすることができ
る。

【００２８】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、上述した実施形態に限定されることな
く、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態で
は、ディスク状媒体４０として光ディスクを用いたＭＤ
を例に挙げたが、これ以外の磁気ディスクを用いたもの
であっても同様に本発明を適用することができる。

【００２９】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、金型のランナ
ーの長さを短くすることができ、樹脂を効率良く使用す
ることができるとともに、上プレートや下プレートが透
明体又は半透明体であってもセンターフレームのゲート
部を目立たなくすることができる。また、ウエルドライ
ンの発生位置がセンターフレームの中央部になることを
回避することができ、センターフレームの強度低下を抑
制することができる。

【００３０】さらに、請求項２の発明によれば、成形時
におけるゲート部の樹脂きれが良くなるとともに、セン
ターフレームの剛性を高めることができる。さらにま
た、請求項３の発明によれば、センターフレームのゲー
ト部と、その内部に配置されるディスク状媒体との干渉
を確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のディスクカートリッジの一実施形態を
分解して示す斜視図である。

【図２】センターフレームを詳細に示す斜視図であり、
上プレートとの対向面側を上とした図である。

【図３】センターフレームと、成形時のランナーとを示
す斜視図である。

【図４】センターフレームのゲート位置の周囲部に、凹
部を設けた実施形態を示す図であり、（ａ）は、図３の
平面図であり、（ｂ）及び（ｃ）は、（ａ）のＹ部を詳
細に示す平面図であり、（ｄ）は、（ｃ）のＡ−Ａ断面
を示す断面図である。

【図５】従来のディスクカートリッジの一例を分解して
示す斜視図である。

【図６】図５のセンターフレームの変形例を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ ディスクカートリッジ １０ 下プレート １１ 開口部 １２ 開口部 １３ ねじ止め用ボス １５ プラグ取付部 １６ 支持ボス ２０ センターフレーム ２０ｃ 角部 ２０ｓ 側壁 ２０ｇ ゲート位置 ２１ シャッターロック収納部 ２２ 収納穴 ２２ａ 内周壁面 ２２ｂ、２２ｂ’ 凹部 ２２ｃ 中心 ２６ 貫通穴 ２７ 切り欠き部 ３０ 上プレート ３１ 開口部 ４０ ディスク状媒体 ５１ シャッター ５２ シャッターロック ５３ 誤消去防止プラグ Ｌ ライン Ｐ 交点 Ｒ ランナー Ｘ （センターフレーム２０の）中央部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上プレートと下プレートとをセンターフ
   レームを挟んで連結し、内部にディスク状媒体を収納し
   たディスクカートリッジにおいて、 前記センターフレームは、前記ディスク状媒体を収納す
   るための円形の収納穴を形成した枠状体であり、 前記センターフレームの前記収納穴の内周壁面であっ
   て、前記収納穴の中心及び前記センターフレームの角部
   を通るラインと前記収納穴の前記内周壁面との交点の近
   傍を、前記センターフレームのゲート位置としたことを
   特徴とするディスクカートリッジ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のディスクカートリッジ
   において、 前記センターフレームは、ＡＢＳ樹脂、ＰＣ樹脂又はＰ
   Ａ樹脂に金属粉を混合した材料から成形されていること
   を特徴とするディスクカートリッジ。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２に記載のディスク
   カートリッジにおいて、 前記センターフレームの前記ゲート位置の周囲部は、前
   記収納穴の前記内周壁面より一段低く形成されているこ
   とを特徴とするディスクカートリッジ。