JP3884764B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光磁気ディスクに代表されるディスクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のディスクカートリッジは、情報信号を記録するためのディスク、ディスクを収容するケース本体、および信号読み書き窓を開閉するシャッターなどで構成するのが一般的である。ケース本体は、上下ケースを蓋合わせ状に接合した四角形の薄い中空ケースからなり、内部にディスクを収容する円形の区画が設けてある。この区画を囲むリブより径方向外面の前後隅部には、一対の位置決め穴が下ケース側へ向って開口している。これらの位置決め穴を用いて、ディスクドライブに装填したディスクカートリッジを位置決め保持している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ディスクドライブ、とくにポータブル型のディスクドライブ(ディスクプレイヤー)は、小形で薄く軽量であることが重要な商品仕様のひとつとされている。現行商品においても、電気回路部品の小形化や高集積度化、あるいは機構部品の高密度配置などによって、限界に近い状態にまで小形化が具現化されている。それでもなお、小型化、薄形化、軽量化に対する根強い要望があり、商品開発過程では、異なる担当部門間でミリメートル以下の単位でのスペースの奪い合いが行われている。
【0004】
このような技術開発上の要望を満たすには、媒体となるディスクカートリッジこれ自体の小形化や薄形化を図るのが早道ではある。しかし、その小形化や薄形化に伴って、ケース本体の強度や剛性の低下が問題になる。現行商品との互換使用が開発条件となる場合には、小形化や薄形化を実現することがさらに困難になる。
【0005】
本発明の目的は、ケース本体の構造を変更することにより、ディスクドライブに装填した状態における占有空間量を削減し、その分だけディスクドライブの小形化や薄形化を容易に実現でき、あるいは設計の自由度を向上できるディスクカートリッジを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、薄形化された部分を備えているにもかかわらず、既存のディスクカートリッジと同等の強度および剛性を発揮できるディスクカートリッジを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のディスクカートリッジは、図2に示すごとく情報信号を記録するためのディスク1と、ディスク1を収容する主室部7がケース内部に区画してあるケース本体2とを備えている。ケース本体2は、上ケース2aと下ケース2bとを蓋合わせ状に接合した四角形の薄い中空ケースからなる。主室部7の周壁8と、四角形状のケース外郭線とで囲まれるケース本体2の外面領域には、図1および図4に示すごとくケース本体2の空間占有量を減少する減嵩凹所6が形成されている。
【0008】
具体的には、ケース本体2の四隅のうち、隣接する2個の隅部のケース下面側に減嵩凹所6を形成し、減嵩凹所6のそれぞれに、図4に示すごとくケース下面側へ向って開口する位置決め穴14を形成する。減嵩凹所6に臨む、主室部7の周壁8とケース本体2の外周側壁10との間には、図2に示すごとく補強用のリブ11を形成する。
【0010】
【作用】
四角形の薄い中空ケースからなるケース本体2においては、ディスク1を収容する主室部7以外の四隅に、三角形状のデッドスペースが生じている。これらのデッドスペースに臨む部分に減嵩凹所6を設けると、ケース本体2の空間占有量は減嵩凹所6の分だけ減少する。従って、ディスクドライブ側においては、減嵩凹所6に入り込む状態で機構部品や電気回路部品を配置することができ、その分だけディスクドライブの小形化および薄形化に貢献する。
【0011】
ディスクドライブの内部には、ケース本体2に設けた位置決め穴14と係合する位置決めピンPが突設してあり、この位置決めピンPは位置決め穴14と係合した状態において、ケース本体2の底面、すなわち下ケース2bの底壁下面を受け止めて、上下方向の位置決めをも同時に行っている。そのために、位置決めピンPの突出基端にはケース底面を受け止める座部13がフランジ状に張り出し形成してあり、この座部13の上下厚み分がディスクドライブの内部において、デッドスペースとなるのを避けようがなかった。しかし、減嵩凹所6に位置決め穴14が形成されていると、位置決めピンPの座部13を減嵩凹所6内に位置させて、その上下厚みを減嵩凹所6で吸収できる。従って、ディスクドライブのカートリッジ装填部においては、ディスクカートリッジの底壁を装填部に限りなく近付けることが可能となり、その分だけディスクドライブの薄形化と小形化を同時に実現できる。
【0012】
減嵩凹所6におけるケース本体2の厚み寸法は、他の部位に比べて小さくならざるを得ず、その分だけケース強度や剛性が低下しやすい。こうした強度などの低下を避けるために、減嵩凹所6に臨む、主室部7の周壁8とケース本体2の外周側壁10との間に補強リブ11が形成されている。
【0014】
【実施例】
(第1実施例)
図1ないし図4は本発明に係るディスクカートリッジの第1実施例を示す。図2の底面図において、ディスクカートリッジは、情報信号を記録する円盤状のディスク(光磁気ディスク)1と、ディスク1を回転自在な状態で収容するケース本体2とからなる。ディスク1はディスク本体の下面中央にハブを有し、ディスク本体の片面ないし両面に情報信号を記録できる。
【0015】
ケース本体2は、それぞれプラスチック成形された上ケース2aと下ケース2bとを蓋合わせ状に接合した、平面視が四角形の薄い中空ケースからなる。上下ケース2a・2bの左右の一側寄りには、信号読み書き窓3を開口してあり、この窓3はシャッター4でスライド開閉できる。シャッター4は図外のばねで閉じ勝手に移動付勢されており、さらに閉じ位置においてロック機構でロック保持される。下ケース2bの下面中央には、ハブを介してディスク1を回転駆動するための駆動穴5が開口している。
【0016】
ディスクドライブにケース本体2を後端側から装填した状態におけるディスクカートリッジの占有空間量を可能な限り小さくするために、ケース本体2の四隅のうち、後端側(ディスクドライブに先入れ装填される側)の隣接する2個の左右隅部のケース下面側に減嵩凹所6を形成する。ケース本体2の内部にはディスク1を収容する主室部7を設けるが、この主室部7を区画する周壁8と、ケース本体2の四角形状のケース外郭線とで囲まれる領域のケース下面側に、減嵩凹所6を形成する。
【0017】
図1において減嵩凹所6は、下ケース2bの周壁8より径方向外側の部分を、周壁8の上端に連続して庇状に張り出すことにより形成されている。よって生じた三角形状の張出し壁9は、上ケース2a側の外周側壁10に内嵌して、減嵩凹所6に臨む下ケース2bの開口面を塞ぐ。減嵩凹所6を設けることによって、その部分のケース厚みが半減し、ケース強度や剛性が低下する。こうした強度低下を防ぐために、図3に示すごとく減嵩凹所6に臨む上ケース2aの内面には、補強用のリブ11を放射状に突設する。各リブ11は周壁8と外周側壁10とを繋ぐように形成し、その突端で張出し壁9を受け止める。
【0018】
ディスクドライブに装填したディスクカートリッジは、図4に示すごとくドライブ側に設けた位置決めピンPで位置決め保持され、さらにケース底面を位置決めピンPの突出基端に設けた座部13で受け止めることによりケース厚み方向の位置決めも行うようになっている。こうした従来のディスクドライブにおいては、座部13の厚み寸法がデッドスペースになるのを避けられない。このデッドスペースを最小限化し、その分だけディスクドライブを薄形化するために、位置決めピンPと係合する位置決め穴14は減嵩凹所6に設けてある。詳しくは、減嵩凹所6に臨む一対の張出し壁9のそれぞれに、位置決め穴14を貫通状に設ける。両穴14のうちの一方は丸穴で形成し、他方は長円状の穴として形成する。
【0019】
図4において、位置決め穴14を位置決めピンPで係合保持した位置決めした状態においては、下ケース2bの底壁の下面を位置決めピンPの突出基端、すなわち座部13の突出基端と面一の装填部底壁15に限りなく接近配置できる。従って、寸法aで示す分だけディスクドライブを薄形化し、小形化できる。
【0020】
上記の実施例以外に、減嵩凹所6はケース本体2の四隅にそれぞれ設けてもよく、四隅のうちの少なくとも一個所に設けてあってもよい
【0024】
【発明の効果】
本発明では、ディスク1を収容する主室部7の周壁8と、四角形状のケース外郭線とに囲まれるデッドスペースを利用して、そこにケース本体2の空間占有量を減少する減嵩凹所6を形成することにより、減嵩凹所6に相当するスペースをディスクドライブの側で有効利用できるようにした。従って、減嵩凹所6に相当するスペースに電気回路部品や機構部品などを配置すれば、その分だけディスクドライブを小形化、あるいは薄形化できる。
【0025】
減嵩凹所6に位置決め穴14を設け、位置決めピンPの座部13の突出寸法を、減嵩凹所6で吸収すると、ディスクドライブの装填部において、座部13の突出寸法分がデッドスペースになるのを解消し、その分だけ更にディスクドライブを薄形化し小形化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 下面側から見た要部の斜視図である。
【図2】 全体の底面図である。
【図3】 ケース本体を分解して上下ケースの接合面を示す平面図である。
【図4】 使用状態を説明する縦断面図である
【符号の説明】
1 ディスク
2 ケース本体
6 減嵩凹所
7 主室部
8 周壁
10 外周側壁
11 リブ
14 位置決め穴

Claims (2)

  1. 情報信号を記録するためのディスク(1)と、ディスク(1)を収容する主室部(7)がケース内部に区画してあるケース本体(2)とを備えており、
    ケース本体(2)は、上ケース(2a)と下ケース(2b)とを蓋合わせ状に接合した四角形の薄い中空ケースからなり、
    下ケース(2b)の主室部(7)を区画する周壁(8)と、ケース本体(2)の四角形状のケース外郭線とで囲まれる領域のケース下面側に、ディスクドライブに装填した状態におけるケース本体(2)の空間占有量を減少するための減嵩凹所(6)が形成されており、
    減嵩凹所(6)は、下ケース(2b)の周壁(8)の上端に庇状に張り出し形成した張り出し壁(9)を、上ケース(2a)側の外周側壁(10)に内嵌することにより形成されて、張り出し壁(9)が減嵩凹所(6)に臨む下ケース(2b)の開口面を塞いでおり、
    減嵩凹所(6)に臨む上ケース(2a)の内面には、張り出し壁(9)を受け止める補強用のリブ(11)が突設されており、
    減嵩凹所(6)に臨む張り出し壁(9)に、ディスクドライブ側の位置決めピン(P)と係合する位置決め穴(14)が貫通状に設けられているディスクカートリッジ。
  2. ケース本体(2)の四隅のうち、隣接する2個の隅部に減嵩凹所(6)が形成されており、減嵩凹所(6)のそれぞれに位置決め穴(14)が形成してある請求項1記載のディスクカートリッジ
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