JPH1181971A - 船外機用エンジンのブローバイガス還元構造 - Google Patents
船外機用エンジンのブローバイガス還元構造Info
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Abstract
について、ブローバイホースの配管を遠回りで長くする
ようなことなく、ブローバイホースからサージタンクに
戻されたブローバイガスが各気筒の吸気管に対して分配
されやすいようにする。 【解決手段】 クランク軸線が機体の上下方向となりシ
リンダ軸線が機体の前後方向となるように各気筒を縦方
向に配列したエンジン本体に対し、その前方に配置され
た縦長のサージタンク31から、上下方向に間隔を置い
て配置された各気筒の吸気管32が、エンジン本体後部
のシリンダヘッド12に向かってそれぞれ延ばされてい
るような船外機用のエンジン5において、ブローバイガ
スを吸気通路に戻すためのブローバイホース43を、エ
ンジン本体後部のカム室21の排気側に設けられたブロ
ーバイ室42から、各吸気管32とは反対側の排気側を
通って、サージタンク31の吸気口31a近傍に接続す
る。
Description
に搭載されている多気筒エンジンに関し、特に、そのよ
うな船外機用エンジンにおいてブローバイガスを吸気通
路に戻すためのブローバイガス還元構造に関する。
筒エンジンについては、通常、クランクケース側が前と
なりシリンダヘッド側が後となるように、各気筒のシリ
ンダの軸線方向を機体の前後方向とし、各気筒に共通す
るクランク軸を機体の上下方向として、エンジン本体の
各気筒を縦方向に配列させた縦置きの状態で、船外機上
部のトップカウリング内に設置されており、エンジン本
体の前部側方に配置された縦長のサージタンクからは、
上下方向に間隔を置いて配置された各気筒の吸気管が、
その途中にキャブレターが設置されるように、エンジン
本体後部のシリンダヘッドに向かってそれぞれ略水平方
向に延ばされている。
エンジン本体の前部側方(クランクケースの側方)にサ
ージタンクが配置されている関係上、カム室に連通する
ブローバイ室からブローバイガスを吸気通路に戻すため
のブローバイホースは、その配管が遠回りなものとなっ
て長くならないように、エンジン本体とキャブレターの
間を抜けるようにエンジンの吸気側を通って、上下方向
に間隔を置いて配置された吸気管の間の部分で、後方か
らサージタンクに接続されている。
な従来の船外機用エンジンでは、ブローバイホースが、
上下方向に間隔を置いて配置された各吸気管の何れかの
近くで、吸気の流れと対向するような方向でサージタン
クに後方から接続されていることにより、ブローバイホ
ースからサージタンクに戻されたブローバイガスが各気
筒の吸気管に分配されにくいようなものとなっている。
とするものであり、具体的には、船外機用エンジンのブ
ローバイガス還元構造について、ブローバイホースの配
管を遠回りで長くするようなことなく、ブローバイホー
スからサージタンクに戻されたブローバイガスが各気筒
の吸気管に対して分配されやすいようにするものであ
る。
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、クランク軸線が機体の上下方向となりシリンダ軸線
が機体の前後方向となるように各気筒を縦方向に配列し
たエンジン本体に対し、その前方に配置された縦長のサ
ージタンクから、上下方向に間隔を置いて配置された各
気筒の吸気管が、エンジン本体後部のシリンダヘッドに
向かってそれぞれ延ばされているような船外機用のエン
ジンにおいて、ブローバイガスを吸気通路に戻すための
ブローバイホースが、エンジン本体後部のカム室の排気
側に設けられたブローバイ室から、各吸気管とは反対側
の排気側を通って、サージタンクの吸気口近傍に接続さ
れていることを特徴とするものである。
用エンジンのブローバイガス還元構造において、上記の
請求項2に記載したように、サージタンクの側方に開口
された縦長の吸気口の上端部に、上方からブローバイホ
ースが接続されていることを特徴とするものである。
た船外機用エンジンのブローバイガス還元構造におい
て、上記の請求項3に記載したように、エンジン本体の
シリンダブロックとシリンダヘッドに対して、その吸気
側にブローバイガス通路が形成されていることを特徴と
するものである。
のブローバイガス還元構造の実施形態について図面に基
づいて説明する。
を備えたエンジンが搭載されている船外機を示すもの
で、船外機1には、トップカウリング2とアッパーケー
ス3とロアーケース4を連結した機体のハウジングに対
して、アッパーカウル2aとボトムカウル2bとエアダ
クトカバー2cとからなるトップカウリング2内に、ク
ランク軸6の軸線が機体の上下方向となるように、縦方
向に各気筒が配列された多気筒のエンジン5が設置され
ている。
に連結されたドライブシャフト7が、上下方向にアッパ
ーケース3内を通ってロアーケース4にまで延び、ベベ
ルギアによるシフト機構8を介して、スクリュー回転軸
9と連係されていることで、ロアーケース4の下部後側
に装着されたスクリュー10がエンジン5の駆動によっ
て回転するように構成されている。
ップカウリング2内に設置されているエンジン5を示す
もので、図2は、左側方から見たものであり、図3は、
右側方から見たものであり、図4は、前方から見たもの
であり、図5は、後方から一部を切り欠いて見たもので
あり、図6は、シリンダ軸心に沿ったエンジン本体の横
断面と吸気通路の横断面について上方から見たものであ
り、図7は、シリンダ隔壁に沿ったエンジン本体の横断
面と吸気通路の横断面について上方から見たものであ
る。
ている4サイクル4気筒エンジンであって、ヘッドカバ
ー11とシリンダヘッド12とシリンダブロック13と
クランクケース14を順次船体の前後方向に沿って一体
的に連結することでその本体部分が構成されており、ク
ランクケース14が前側となりヘッドカバー11が後側
となるように配置されている。
に間隔をおいて重なるように各気筒の吸気ポート15が
それぞれ形成され、シリンダヘッド12の右側には、上
下方向に間隔をおいて重なるように各気筒の排気ポート
16がそれぞれ形成されていて、各吸気ポート15に対
して吸気バルブ17が、また、各排気ポートに対して排
気バルブ18がそれぞれ設置されている。
ルブ18をそれぞれ駆動するための吸気側カム軸19と
排気側カム軸20が、ヘッドカバー11で覆われたカム
室21内で、シリンダヘッド12とカムキャップ22に
より挟持された状態で、回転軸線方向が上下方向となる
ようにそれぞれ軸支されていて、各カム軸19,20の
上端部には、カムプーリー23,24がそれぞれ固定さ
れている。
4によって画成されているクランク室25には、各気筒
に共通するクランク軸6が、回転軸線方向が上下方向と
なるように軸支されており、クランク軸6の上端部には
フライホイール26が固定されていて、クランク軸6の
フライホイール26よりも下方に固定されたタイミング
プーリー27と各カムプーリー23,24とに渡って、
クランク軸6の回転を各カム軸19,20に伝動させる
ためのタイミングベルト28が掛け渡されている。
図示していないが、常にタイミングベルト28を内側に
押圧する方向に付勢することでその弛みを防ぐためのテ
ンショナーが設置されており、フライホイール26や各
カムプーリー23,24やタイミングベルト28などを
上方から覆うように、トップカウリング2の内側に更に
カバー部材29が設けられている。
前方には、吸気通路の空気導入部となるサージタンク3
1が設置されており、縦長に形成されたサージタンク3
1には、サージタンク31の底部よりも若干上方の位置
で右側方に縦長の吸気口31aが開口されていて、サー
ジタンク31の後部左側からは、エンジン本体の左側を
通り、シリンダヘッド12の左側面に開口された各吸気
ポート15に向かって、上下方向に間隔を置いて横方向
に並列して配置された4本の吸気管32が、上方から見
て重なるようにそれぞれ略水平方向に延ばされている。
の吸気下流側の端部は、それぞれキャブレター33の吸
気上流側に接続されており、各キャブレター33の吸気
下流側は、キャブレター33から吸気ポート15に至る
曲がった短い4本の吸気管を上下方向に間隔を置いて並
列的に連結したインテークマニホールド34により、シ
リンダヘッド12の各吸気ポート15とそれぞれ接続さ
れていて、それにより、サージタンク31の吸気口31
aから吸気管32,キャブレター33,インテークマニ
ホールド34を通って吸気ポート15から燃焼室35に
至る各気筒の吸気通路が形成されている。
は、本実施形態では、図8に示すように、サージタンク
31から各吸気管32の一部(上流部分)までが、吸気
通路の中心線(上方から見た幅方向の中心線)に沿って
左右に分割された状態となるように、合成樹脂により二
つの部材をそれぞれ別個に一体成形してから、それらの
部材同士を合わせて結合することにより形成されている
もので、サージタンク31の底部と最下位置の吸気管3
2の底部とは、図9に示すように、ドレーン孔を有する
ことなく滑らかに続くように形成されていて、一方の部
材で一体成形された円筒部となっている各吸気管32の
下流部分は、その端部で上下方向に間隔をおいて一体的
に連結されている。
ンク31と各吸気管32に対して、図9に示すように、
更に各キャブレター33とインテークマニホールド34
を一体的に連結することで、サージタンク31からイン
テークマニホールド34までの各気筒の吸気通路は一つ
のユニットとして予め一体的に組付けられ、そのような
ユニットがエンジン本体の左側面に取り付けられること
となる。
は、先ず、最上位置の吸気管32に一体成形されたハン
ガー部分32aによってユニットを吊り下げた状態で移
動させてエンジン本体に近接させ、次いで、インテーク
マニホールド34の基部の上端付近と下端付近の各位置
に固定された位置決め用のピン51(および、それに対
応してシリンダヘッド12の各位置に形成されたピン孔
と)によりエンジン本体に対して位置決めしてから、更
に、インテークマニホールド34の基部に位置する取付
部でボルト52により、また、サージタンク31の近傍
で各吸気管32の間に位置する取付部でボルト53によ
り、それぞれエンジン本体に対して固着することとな
る。
位置の吸気管32には、ハンガー部分32a以外にも、
コード案内用の孔部を設けたコード案内部分32b,3
2cがそれぞれ一体的に形成されており、ハンガー部分
32aは、ユニット全体の重心位置の上方近傍に位置
し、一方のコード案内部分32bと一体化されていて、
ユニットをエンジン本体に取り付けた後には、ハンガー
部分32a自体もコードの案内部として使用できるもの
となっている。
気筒の燃焼室35にそれぞれ一端が開口するように、各
気筒の排気ポート16が上下方向で間隔を置いてそれぞ
れ形成されており、各排気ポート16の他端の開口部に
対して、それらを一本に集合させてエンジン本体の下方
に排気ガスを排出するための排気通路36が、各シリン
ダ孔37の右側でシリンダブロック13に一体的に形成
されていて、シリンダブロック13内で上下方向に延び
る排気通路36は、その下端がエキゾーストガイド41
の排気通路に接続されている。
本体左側(吸気側)には、上下方向で隣合う各気筒の隔
壁の位置において、図7に示すように、シリンダブロッ
ク13からシリンダヘッド12に渡って、クランク室2
5とカム室21を連通するようにブローバイガス通路3
8,39が形成されている。
室21と連通するように設けられたブローバイ室42か
らは、ブローバイガスを吸気通路に戻すためのブローバ
イホース43が、エンジン本体の右側でタイミングベル
ト28の外側に沿うようにサージタンク31に向かって
延ばされ、ブローバイホース43の末端は、サージタン
ク31の側方に開口された縦長の吸気口31aの上端部
に上方から接続されている。
5側に漏れたブローバイガスは、エンジン本体のシリン
ダブロック13とシリンダヘッド12の吸気側にそれぞ
れ形成されたブローバイガス通路38,39を通り、カ
ム室21内を吸気側から排気側に流れてから、ブローバ
イ室42からブローバイホース43を通ってサージタン
ク31の吸気口31aの上端部に上方から戻されること
となる。
バー11の部分に、各キャブレター33に対して燃料を
圧送するための2個の燃料ポンプ44が上下方向に並設
されており、クランクケース14の前面に、その前側
(サージタンク31との間)をカバー部材45で覆った
状態で、コントロールユニット46やレクチファイヤー
レギュレーター47が設置されており、吸気管32やキ
ャブレター33が設置された側とは反対側(右側面)
に、スターターモーター48やオイルフィルター49が
設置されている。
5におけるブローバイガス還元構造については、既に述
べたように、エンジン本体の吸気側に形成されたブロー
バイガス通路38,39を通ってカム室21に送られた
ブローバイガスが、エンジン本体のクランクケース14
よりも前方に設置された縦長のサージタンク31に対し
て、カム室21の排気側に設けられたブローバイ室42
から、ブローバイホース43により、タイミングベルト
28の外側に沿うようにエンジン本体の右側(排気側)
を通って、サージタンク31の側方に開口された縦長の
吸気口31aの上端部に上方から送り込まれるようなも
のとなっている。
えた本実施形態の船外機用エンジン5によれば、クラン
ク室25内のブローバイガスは、エンジン本体の吸気側
に形成されたブローバイガス通路38,39を通ってカ
ム室21の吸気側に入り、更に、カム室21内を吸気側
から排気側に流れてから、排気側でブローバイ室42に
流れ込むことから、吸気側にブローバイホース43が配
管されている場合と比べて、カム室21内を流れる分だ
けエンジン本体内でのブローバイガスの流路が長くなっ
ており、それによって、ブローバイガスの中に混入して
いるオイルを分離し易いものとなっている。
ローバイ室42から、クランクケース14よりも前方に
設置されたサージタンク31に対して、吸気管32やキ
ャブレター33が設置されている側とは反対側の排気側
で、タイミングベルト28の外側に沿うようにブローバ
イホース43を通していることで、ブローバイ室42か
らサージタンク31までのブローバイホース43の配管
が、遠回りして長くなるようなことなく、無駄のない短
いものとなっている。
ンク31の吸気口31aの近傍に接続されていること
で、吸気口31aから吸い込まれた吸気の流れに乗っ
て、ブローバイガスが各吸気管32に分配され、特に、
本実施形態では、サージタンク31の側方に開口された
縦長の吸気口31aに対して、その上端部に上方からブ
ローバイホース43が接続されていることで、ブローバ
イホース43からのブローバイガスの流出方向とブロー
バイガス自体の重力とにより、ブローバイガスが下方の
吸気管32にまで効果的に分配されることとなる。
ンジンのブローバイガス還元構造によれば、ブローバイ
ホースの配管を、遠回りして長くなるようなことなく、
無駄のない短いものとして、しかも、ブローバイホース
を通してサージタンクに戻すブローバイガスを各気筒の
吸気管に対して効果的に分配することができる。
ジンが搭載されている船外機の概略を示す左側から見た
側面図。
納されているエンジンを示す左側から見た側面図。
欠き後面図。
エンジン本体の横断面と吸気通路の横断面を示す部分断
面上面図。
エンジン本体の横断面と吸気通路の横断面を示す部分断
面上面図。
路のユニットを示す一部切欠き上面図。
側面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 クランク軸線が機体の上下方向となりシ
リンダ軸線が機体の前後方向となるように各気筒を縦方
向に配列したエンジン本体に対し、その前方に配置され
た縦長のサージタンクから、上下方向に間隔を置いて配
置された各気筒の吸気管が、エンジン本体後部のシリン
ダヘッドに向かってそれぞれ延ばされているような船外
機用のエンジンにおいて、ブローバイガスを吸気通路に
戻すためのブローバイホースが、エンジン本体後部のカ
ム室の排気側に設けられたブローバイ室から、各吸気管
とは反対側の排気側を通って、サージタンクの吸気口近
傍に接続されていることを特徴とする船外機用エンジン
のブローバイガス還元構造。 - 【請求項2】 サージタンクの側方に開口された縦長の
吸気口の上端部に、上方からブローバイホースが接続さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の船外機用エ
ンジンのブローバイガス還元構造。 - 【請求項3】 エンジン本体のシリンダブロックとシリ
ンダヘッドに対して、その吸気側にブローバイガス通路
が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記
載の船外機用エンジンのブローバイガス還元構造。
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