JPH1181945A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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Publication number
JPH1181945A
JPH1181945A JP24926297A JP24926297A JPH1181945A JP H1181945 A JPH1181945 A JP H1181945A JP 24926297 A JP24926297 A JP 24926297A JP 24926297 A JP24926297 A JP 24926297A JP H1181945 A JPH1181945 A JP H1181945A
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JP
Japan
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drive
shaft
intake
control housing
exhaust valve
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JP24926297A
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English (en)
Inventor
Katsuya Mogi
克也 茂木
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御ハウジング17の不用意な振れを効果的
に抑制するとともに、制御シャフト24の回転動作を円
滑化する。 【解決手段】 戻りバネにより付勢されている制御シャ
フト24を、油圧アクチュエータにより回転駆動するこ
とによって、制御ハウジング17が支持シャフト28を
中心として戻り側から駆動側へ揺動し、バルブ作動角を
可変制御する。制御シャフト24の偏心カム26を回転
可能に支持するスライダ30を、制御ハウジング17に
形成された係合溝20の互いに対向するスライド壁面に
それぞれ摺接する一対のスライダブロック32,34に
分割構成する。偏心カム26外周面に摺接する駆動側ス
ライダブロック32の凹面の摩擦係数を、戻り側スライ
ダブロック34の凹面の摩擦係数よりも小さく設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動軸外周に配
置した円筒状カムシャフトを駆動軸に対して不等速回転
させることで、内燃機関の運転状態に応じて吸気弁・排
気弁の開閉時期や作動角を可変制御する吸排気弁駆動制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可
変制御する装置として、例えば特開平7−119425
号公報等に記載されているように、不等速軸継手の原理
を応用したものが知られている。
【0003】すなわち、機関の回転に同期して回転する
駆動軸の外周には、吸排気弁を駆動するカムシャフトが
設けられ、このカムシャフトには、環状ディスクを介し
て駆動軸の回転運動が伝達される。環状ディスクは、そ
の内周を駆動軸が遊挿するとともに、その外周が制御ハ
ウジングに回転自在に保持されている。
【0004】制御ハウジングには、制御シャフトの偏心
カムが回転可能に挿通しているとともに、支軸がスライ
ド可能に係合しており、制御シャフトを軸周りに回動す
ることによって、支軸のスライド動作を伴って制御ハウ
ジングが軸直角方向に揺動し、環状ディスクの中心が駆
動軸の軸心に対して偏心する。この偏心量を制御するこ
とにより、駆動軸とカムシャフトとに回転位相差が生
じ、バルブリフト特性や作動角が変化するようになって
いる。
【0005】具体的には、エンジン始動時のクランキン
グ中は作動角が小さい方が始動性が良いため、制御シャ
フトがバネ等により一方向へ回転付勢された状態では、
バルブ作動角が小さくなる側に制御ハウジングが定めら
れ、油圧アクチュエータ等によって制御シャフトを他方
向へ回転駆動した際に、その作動角が大きくなる側に制
御ハウジングが揺動するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】吸排気弁の開閉動作の
際に、吸排気弁がカムシャフトを押圧するバルブスプリ
ング反力が、機械的に連結された環状ディスクや制御ハ
ウジングに作用し、制御シャフトが戻りバネ力(付勢
力)に抗して不用意に回転してしまうことがある。この
結果、バルブリフト中に環状ディスクが戻り側と駆動側
との間で振れてしまい、所望のバルブリフト特性が得ら
れないといった問題がある。
【0007】そこで、制御シャフトの戻りバネ力を大き
くしたり、支軸周りの摺接部分の摩擦係数を大きくし
て、上述した不用意な制御ハウジングの振れを抑制する
ことも考えられるが、それと同時に制御シャフトの駆動
トルクを大きく設定せねばならず、燃費が悪化してしま
う。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、制御シャフトに対する付勢力の増加を伴わず
に、吸排気弁の開閉動作等に起因する制御ハウジングの
不用意な振れを効果的に抑制でき、かつ、制御シャフト
に対する駆動トルクの増加を伴わずに、制御シャフトが
円滑に回転することのできる内燃機関の吸排気弁駆動制
御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1の発明
に係る内燃機関の吸排気弁駆動制御装置は、機関の回転
に同期して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周に相対
回転可能に設けられ、吸排気弁を駆動するカムを外周に
有する円筒状のカムシャフトと、上記駆動軸が遊挿する
環状に形成されるとともに、駆動軸及びカムシャフトに
機械的に連結されて、駆動軸の回転運動をカムシャフト
へ伝達する環状ディスクと、上記環状ディスクの外周を
回転自在に保持する板状の制御ハウジングと、この制御
ハウジングを挿通し、揺動可能に支持する支持シャフト
と、上記制御ハウジングの一端に形成された矩形状の係
合溝にスライド可能に係合するスライダと、外周がスラ
イダ内周によって回動可能に支持される偏心カムを有
し、自身が軸周りに回転することによって、スライダの
スライド動作を伴って、制御ハウジングを支持シャフト
周りに軸直角方向へ揺動させる制御シャフトと、上記制
御ハウジングが戻り側へ揺動するように、上記制御シャ
フトを一方の回転方向へ付勢する付勢手段と、上記制御
ハウジングが戻り側と反対側の駆動側へ揺動するよう
に、制御シャフトを他方の回転方向へ駆動する駆動手段
と、を備え、上記スライダを、係合溝の互いに対向する
スライド壁面にそれぞれ摺接する一対のスライダブロッ
クに分割構成し、駆動側に位置する駆動側スライダブロ
ックとスライド壁面及び偏心カム外周面の少なくとも一
方との摺接部分の摩擦係数を、戻り側に位置する戻り側
スライダブロックとスライド壁面及び偏心カム外周面の
少なくとも一方との摺接部分の摩擦係数よりも相対的に
小さく設定したことを特徴としている。
【0010】例えば、駆動手段による駆動トルクが作用
しておらず、制御シャフトが付勢手段により一方向へ回
転付勢されて、制御ハウジングが戻り側にある状態で、
吸排気弁の開閉動作に伴ってバルブスプリング反力が作
用し、制御ハウジングに駆動側への押圧力が作用した場
合、制御ハウジングは、駆動側へ不用意に揺動しようと
する。この際、本発明では、強く摺接することとなる戻
り側スライダブロックとスライド壁面及び偏心カム外周
面の少なくとも一方との摺接部分の摩擦係数が相対的に
大きく設定されているから、付勢手段による付勢力(戻
りバネ力)を増加することなく、駆動側への不用意な振
れを効果的に抑制することができる。
【0011】また、例えば制御ハウジングが吸排気弁の
開閉動作に起因して戻り側から駆動側へ揺動したとして
も、吸排気弁の開閉動作によって制御ハウジングが戻り
側へ押圧された際に、強く摺接することとなる駆動側ス
ライダブロックとスライド壁面及び偏心カム外周面の少
なくとも一方との摺接部分の摩擦係数が相対的に小さく
設定されているから、制御ハウジングが円滑に戻り側へ
戻される。つまり、付勢手段による付勢力を増加するこ
となく、戻り側への自己復帰性が効果的に高められてい
る。
【0012】一方、駆動手段によって制御シャフトを回
動させて、制御ハウジングを積極的に駆動側へ揺動させ
る場合、強く摺接することとなる駆動側スライダブロッ
クとスライド壁面及び偏心カム外周面の少なくとも一方
との摺接部分の摩擦係数が相対的に小さく設定されてい
るから、駆動手段による駆動トルクの増加を伴うことな
く、制御シャフトが円滑に回転し、これにより制御ハウ
ジング及び環状ディスクが円滑に駆動側へ揺動する。
【0013】このように、制御シャフトに対する付勢力
の増加を伴わず、吸排気弁の開閉動作等に起因する制御
ハウジングの不用意な振れを効果的に抑制することがで
きるとともに、制御シャフトに対する駆動トルクの増加
を伴わずに、制御シャフトの軸回転を円滑化することが
できる。
【0014】また、請求項2の発明では、制御ハウジン
グが駆動側に位置するときに吸排気弁の作動角が相対的
に大きくなり、制御ハウジングが戻り側に位置するとき
に吸排気弁の作動角が相対的に小さくなるように設定さ
れている。
【0015】この場合、エンジン始動時のクランキング
中には制御ハウジングが小作動角側に位置するようにな
り、その始動性が向上する。
【0016】また、請求項3の発明では、偏心カム外周
面に摺接する駆動側スライダブロックの凹面の表面粗さ
を、偏心カム外周面に摺接する戻り側スライダブロック
の凹面の表面粗さより小さく設定してある。
【0017】請求項4の発明では、両スライダブロック
を同じ表面粗さに形成しておき、駆動側スライダブロッ
クの表面にのみ潤滑被膜層をコーティングしてある。
【0018】請求項5の発明では、駆動側スライダブロ
ックと摺接するスライド壁面の表面粗さを、戻り側スラ
イダブロックと摺接するスライド壁面の表面粗さより小
さく設定してある。
【0019】請求項6の発明では、駆動側スライダブロ
ックを、緩衝性を有し、自己潤滑性に優れ、相対的に摩
擦係数の小さいプラスチック樹脂材により形成してあ
る。
【0020】請求項7の発明では、駆動側スライダブロ
ックが摺接するスライド壁面に、緩衝性を有し、自己潤
滑性に優れ、相対的に摩擦係数の小さいプラスチック樹
脂板を貼り付け固定してある。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜7の発明によれば、制御シャ
フトに対する付勢力の増加を伴わず、吸排気弁の開閉動
作等に起因する制御ハウジングの不用意な振れを効果的
に抑制することができるとともに、制御シャフトに対す
る駆動トルクの増加を伴わずに、制御シャフトの軸回転
動作を円滑化することができる。
【0022】加えて請求項2の発明では、エンジン始動
時のクランキング中には制御ハウジングが小作動角側に
位置するようになり、その始動性が向上する。
【0023】請求項4の発明によれば、両スライダブロ
ックに同一部品を用いることができ、その製造が容易で
あるとともに、製造コストを低減することができる。
【0024】請求項5の発明によれば、両スライダブロ
ックを全く同一部品として製造することができるので、
その製造コストを低減することができる。
【0025】請求項6の発明によれば、例えば急激なリ
フト下り動作に起因してスライダ係合溝のスライド壁面
が駆動側スライダブロックの外側面と衝突する際に生じ
る騒音や振動等を、効果的に抑制することができる。
【0026】更に請求項7の発明によれば、請求項6と
同様の効果が得られることに加え、両スライダブロック
を全く同一部品として製造することができるこので、そ
の製造コストを低減することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る吸排気弁駆
動制御装置の好ましい実施の形態を添付図面を参照して
詳細に説明する。
【0028】図1〜4は、本発明に係わる吸排気弁駆動
制御装置を、自動車用の内燃機関に適用した第1実施例
を示している。
【0029】シリンダヘッドの上部には、全気筒に亘っ
て連続した駆動軸10が回動可能に支持されている。こ
の駆動軸10は、一端に図示せぬスプロケットが取り付
けられ、タイミングチェーンを介してクランクシャフト
に連動しており、機関の回転に同期して回転するように
なっている。なお、図2では駆動軸10を図示省略して
ある。
【0030】駆動軸10の外周には、各気筒毎に分割さ
れた円筒状のカムシャフト11が相対回動可能に嵌合し
ている。各カムシャフト11は、その外周に吸気弁12
(又は排気弁)を駆動する一対のカム11aを有すると
ともに、その端部に第1フランジ部13が設けられてい
る。
【0031】また、駆動軸10には、短いスリーブ14
が固定されており、各スリーブ14の端部に、それぞれ
上記第1フランジ部13と対向するように、第2フラン
ジ部15が形成されている。両フランジ部13,15の
間には、駆動軸10が遊挿する円環状に形成された環状
ディスク16が介装されている。この環状ディスク16
は、板状の制御ハウジング17の内周に形成された円形
の開口部内に、多数のニードルを配列したローラベアリ
ング9(図3)を介して回転自在に嵌合保持されてい
る。
【0032】第1フランジ部13および第2フランジ部
15には、それぞれ半径方向に沿った径方向溝13a,
15aが、互いに180゜異なる位置に形成され、一
方、環状ディスク16には、互いに180゜異なる位置
にそれぞれ第1ピン18,第2ピン19が設けられてい
る。これらのピン18,19は、互いに逆向きに突出し
ており、第1ピン18の先端部が第1フランジ部13の
径方向溝13aに摺動可能に係合しているとともに、第
2ピン19の先端部が第2フランジ部15の径方向溝1
5aに摺動可能に係合している。従って、環状ディスク
16は、ピン18,19を介して駆動軸10及びカムシ
ャフト11に機械的に連結され、駆動軸10の回転運動
をカムシャフト11へ伝達するとともに、ピン18,1
9が径方向溝13a,15a内を摺動することにより、
環状ディスク16の中心に対して偏心するように軸直角
方向にスライド(摺動)することができる。
【0033】なお、径方向溝13a,15aに摺接する
各ピン18,19の先端部の側面は、例えば図3に示す
ように平行な一対の平面に加工されている。
【0034】制御ハウジング17は、駆動軸10と直交
する面、すなわち環状ディスク16と同一面に沿った略
三角形の板状部材である。この制御ハウジング17に
は、車両搭載状態における左上端位置に、略矩形のスラ
イダ係合溝20が切欠形成されているとともに、その右
下端位置に、支持シャフト挿通孔22が形成されてい
る。そして、スライダ係合溝20にスライド可能に係合
する矩形状のスライダ30の内周を、駆動軸10と平行
な制御シャフト24外周に形成された円形の偏心カム2
6が回転可能に挿通しているとともに、支持シャフト挿
通孔22を支持シャフト28が回転可能に挿通してい
る。なお、これら制御シャフト24や支持シャフト28
は、図外のシリンダヘッドに取り付けられている。
【0035】スライダ30は、制御シャフト24への組
付を容易にするために、互いに同じ外郭形状の一対のス
ライダブロック32,34に2分割されており、制御シ
ャフト24の偏心カム26を両側から挟んだ形で係合溝
20内に組み込まれている。すなわち各スライダブロッ
ク32,34は、図2,3にも示すように、半円弧状の
凹面32a,34aがそれぞれ偏心カム26の外周面2
6aに摺接し、かつ、外側面32b,34bがスライダ
係合溝20の互いに対向するスライド壁面20a,20
bにそれぞれ係合,摺接している。
【0036】なお、両スライダブロック32,34は、
互いに接触して異音等を発生することのないように、そ
の上端間及び下端間に適宜な間隙が設定されている。
【0037】制御シャフト24は、駆動軸10と同様、
全気筒に亘って連続しており、図外の戻りバネ(付勢手
段)によって、一方の回転方向へ常時付勢されており、
その一端に連結された図示せぬ油圧アクチュエータ(駆
動手段)によって他方の回転方向へ駆動される。このよ
うに制御シャフト24を所定の回転範囲内で回動させる
ことにより、その偏心カム26の位置に応じて、各スラ
イダブロック32,34のスライド壁面20a,20b
に沿うスライド動作を伴って、制御ハウジング17及び
環状ディスク16が支持シャフト28を中心として軸直
角方向に揺動する。具体的には、制御シャフト24が戻
りバネによって一方の回転方向に付勢された状態では、
制御ハウジング17は最も戻り側Qに配置されており、
油圧アクチュエータによって制御シャフト24を他方の
回転方向に駆動することによって、制御ハウジング17
が戻り側Qと反対側の駆動側Pへ揺動する。この結果、
環状ディスク16の駆動軸10に対する偏心位置が可変
制御されて、カムシャフト11が不等速回転し、駆動軸
10との間で偏心量に応じた回転位相差が生じる。
【0038】例えば環状ディスク16の中心が駆動軸1
0の軸心と同心位置にあれば、カムシャフト11は駆動
軸10と等速回転し、図5の破線Aに示すようなカム1
1aのプロフィールに沿ったバルブリフト特性が得られ
る。
【0039】一方、環状ディスク16の中心が駆動軸1
0の軸心から偏心すると、一種の不等速軸継手となり、
各カムシャフト11は駆動軸10に対して不等速回転す
る。これにより、その偏心量に応じてバルブリフト特性
およびバルブ作動角が変化する。
【0040】本実施例では、エンジン始動時のクランキ
ング中はバルブ作動角が小さい方が始動性が良いことか
ら、戻りバネによる付勢力により環状ディスク16が最
も戻り側Qにあるときには、図5の実線Bに示すよう
に、バルブ作動角が最も小さくなり、油圧アクチュエー
タによる駆動トルクによって環状ディスク16を最も駆
動側Pに揺動した状態では、図5の破線(C)で示すよ
うに、バルブ作動角が最も大きくなるように設定されて
いる。
【0041】なお、図5からも明らかなように、この装
置は開弁時期一定、閉弁時期可変型となっている。
【0042】そして本実施例では、駆動側P(大作動角
側)に位置する駆動側スライダブロック32の凹面32
aの表面粗さを、戻り側Q(小作動角側)に位置する戻
り側スライダブロック34の凹面34aの表面粗さより
小さくしてある。言い換えると、駆動側スライダブロッ
ク32の凹面32aと偏心カム外周面26aとの摺接部
分の摩擦係数を、戻り側スライダブロック34の凹面3
4aと偏心カム外周面26aとの摺接部分の摩擦係数よ
りも相対的に小さく設定している。
【0043】次に、本実施例の作用を説明する。
【0044】例えばエンジン始動時のように、油圧アク
チュエータから駆動トルクが供給されていない状態で
は、制御シャフト24は、戻りバネによって一方の回転
方向に付勢されて、図6(a)に示すように偏心カム2
6が制御シャフト24の回転中心24aよりも戻り側Q
に偏心した位置にあり、制御ハウジング17及び環状デ
ィスク16は、最も戻り側Qに配置されている。この状
態で、吸気弁12のリフト登り時に、吸気弁12からカ
ムシャフト11のカム11aへバルブスプリング反力が
作用すると、ピン18,19を介して環状ディスク16
及び制御ハウジング17に駆動側Pへの荷重R(図3)
が作用する。この結果、図6(a)に示すように、戻り
側Qのスライド壁面20bが戻り側スライダブロック3
4の外側面34bを押圧するとともに、戻り側スライダ
ブロック34の凹面34aが偏心カム26の外周面26
aを押圧し、制御シャフト24を戻りバネの付勢力に抗
して回動させようとする。
【0045】ここで、本実施例では、偏心カム外周面2
6aに強く摺接する戻り側スライダブロック34の凹面
34aの表面粗さ、すなわち摩擦係数が比較的大きいか
ら、偏心カム26の回転動作が効果的に抑制される。こ
の結果、戻りバネによる付勢力を増加することなく、制
御ハウジング17の駆動側Pへの振れを効果的に抑制す
ることができる。
【0046】また、吸気弁12のリフト下り時には、環
状ディスク16及び制御ハウジング17にピン18,1
9を介して実質的に戻り方向側への荷重S(図3)が作
用する。このため、図6(b)に示すように、駆動側P
のスライド壁面20aが駆動側スライダブロック32の
外側面32bを押圧するとともに、駆動側スライダブロ
ック32の凹面32aが偏心カム外周面26aを押圧す
る。ここで、偏心カム外周面26aに強く摺接する駆動
側スライダブロック32の凹面32aの表面粗さが小さ
く設定されているから、仮にリフト登り時に制御ハウジ
ング17が駆動側Pへ揺動した場合であっても、リフト
下り時には、偏心カム26が円滑に相対回転し、制御ハ
ウジング17が速やかに戻り側Qへ戻される。すなわ
ち、戻りバネ力を増大することなく、戻り側への自己復
帰性を効果的に向上することができる。
【0047】一方、油圧アクチュエータにより制御シャ
フト24を回転駆動して制御ハウジング17を駆動側P
へ積極的に揺動させる際には、図6(c)に示すよう
に、偏心カム外周面26aが駆動側スライダブロック3
2の凹面32aを押圧するとともに、駆動側スライダブ
ロック32の外側面32bが駆動側Pのスライド壁面2
0aを押圧する。ここで、偏心カム外周面26aに強く
摺接する駆動側スライダブロック32の凹面32aの表
面粗さが小さく設定されているから、制御シャフト24
が滑らかに回転するようになる。つまり、制御シャフト
24の駆動トルクを増加することなく、制御ハウジング
17が円滑に駆動側Pへ揺動するようになる。
【0048】このように本実施例では、制御シャフト2
4に対する戻りバネ力の増加を伴わずに、吸気弁12の
開閉動作に伴う制御ハウジング17の望ましくない振れ
動作を効果的に抑制することができるとともに、制御シ
ャフト24に対する駆動トルクの増加を伴わずに、制御
シャフト24の軸回転による制御ハウジング17の揺動
動作を円滑化することができる。
【0049】図7,8は、スライダブロック32,34
の凹面32a,34aの摩擦係数に応じた特性を示す特
性図であり、実線(イ)は大作動角側(駆動側P)の摩
擦係数μ=0.05が小作動角側(戻り側Q)の摩擦係
数μ=0.15よりも小さい本実施例を示し、破線
(ロ)は大作動角側と小作動角側の摩擦係数μが共に
0.10の比較例、破線(ハ)は大作動角側の摩擦係数
μ=0.15が小作動角側の摩擦係数μ=0.05より
も大きい比較例である。
【0050】図7から明らかなように、本実施例(イ)
では比較例(ロ),(ハ)に比べてリフト登り/下り動
作に伴う制御シャフトの振れが小さくなっており、制御
ハウジング17の望ましくない振れが抑制されているの
が分かる。
【0051】また、図8の縦軸は制御ハウジング17を
小作動角側から大作動角側へ揺動する際の制御シャフト
24の駆動トルクを示しており、本実施例(イ)では比
較例(ロ),(ハ)に比べて駆動トルクが小さくなって
いることが分かる。
【0052】図9は、開弁時期可変、閉弁時期一定型の
第2実施例におけるバルブリフト特性を示している。な
お、後述する実施例において、既に上述した実施例と同
じ部分については重複する説明を適宜省略している。
【0053】この第2実施例では、リフト下り時に制御
ハウジング17等に大作動角側(駆動側P)への押圧力
R(図3)が作用するが、この際、図6(a)に示すよ
うに偏心カム26の外周面26aに強く摺接することと
なる戻り側スライダブロック34の凹面34aの表面粗
さが大きいので、大作動角側への振れが効果的に抑制さ
れる。また、リフト登り時に小作動角側(戻り側Q)へ
の押圧力S(図3)が作用する際、図6(b)に示すよ
うに偏心カム26の外周面26aに強く摺接することと
なる駆動側スライダブロック32の凹面32aの表面粗
さが相対的に小さく設定されているから、仮にリフト下
り時に制御ハウジング17が大作動角側へ揺動した場合
であっても、リフト登り時に制御シャフト24が円滑に
回転し、制御ハウジング17が円滑に小作動角側へと戻
される。
【0054】このように、開弁時期可変、閉弁時期一定
型の第2実施例においても、上記第1実施例と同じよう
に駆動側P(大作動角側)のスライダブロック32の凹
面32aの摩擦係数を相対的に小さくすることで、第1
実施例と同様の効果を得ることができる。
【0055】図10は本発明の第3実施例を示してい
る。ここでは、両スライダブロック32,34に、表面
粗さが大きめの同一部品を用い、駆動側スライダブロッ
ク32のみに二硫化モリブデン、DLC(Diamon
d like carbon)等の潤滑被膜層36をコ
ーティングして、その表面の摩擦係数が相対的に小さく
なるようにしている。
【0056】この実施例によれば、上述した第1実施例
と同様の効果が得られることに加え、両スライダブロッ
ク32,34を同一生産ラインで製造することができ、
その製造が容易になるとともに、製造コストを低減する
ことができる。
【0057】また、この実施例では、駆動側スライダブ
ロック32と偏心カム外周面26aとの摺接部分に加
え、駆動側スライダブロック32とスライド壁面20a
との摺接部分の摩擦係数も相対的に小さくなるので、例
えば制御シャフト24を回転駆動する際には、駆動側ス
ライダブロック32のスライド動作がより円滑化され、
また吸気弁12の開閉動作に起因して駆動側Pへの押圧
力が作用した際には、戻り側スライダブロック34のス
ライド動作が効果的に抑制される。
【0058】なお、第1実施例のようにスライダブロッ
ク32,34の凹面32a,34aの表面粗さを変える
代わりに、スライダ係合溝20における駆動側Pのスラ
イド壁面20aの表面粗さを、戻り側Qのスライド壁面
20bの表面粗さより小さくしても良い。つまり、駆動
側スライダブロック32に摺接するスライド壁面20a
の摩擦係数を、戻り側スライダブロック34に摺接する
スライド壁面20bの摩擦係数よりも小さく設定する。
この場合、上記第1,2実施例と同様の効果が得られる
ことに加え、両スライダブロック32,34を全く同一
部品として製造できるので、その製造コストを低減する
ことができる。
【0059】さらに、図1〜4,6に示す駆動側スライ
ダブロック32を、緩衝性があり、かつ自己潤滑性に優
れたプラスチック樹脂材で形成する一方、戻り側スライ
ダブロック34を相対的に摩擦係数の大きい鋼材により
形成しても良い。この場合であっても、第1実施例と同
様の効果を得ることができる。
【0060】ところで、リフト登り時に作用する荷重
は、カムプロファイルに従って、比較的時間をかけて増
大していくのに対し、リフト下り時の荷重は、極めて短
時間の間で向きを変える。このため、リフト下り初期に
カムシャフト11にトルク反転現象が生じ、荷重方向の
急激な変化に起因して、スライダ係合溝20のスライド
壁面20aが駆動側スライダブロック32の外側面32
bへ衝接して騒音や振動等を生じることがある。しかし
ながら、ここでは駆動側スライダブロック32を緩衝性
のあるブラスチック樹脂材料で形成しているため、上記
騒音や振動等の発生を効果的に抑制できる。
【0061】また、図11に示すように、両スライダブ
ロック32,34を同一部品として鋼材により形成する
とともに、駆動側スライダブロック32に摺接するスラ
イダ係合溝20のスライド壁面20aに、緩衝性があ
り、かつ自己潤滑性に優れ、相対的に摩擦係数の小さい
プラスチック樹脂板38を貼り付け固定しても良い。こ
の場合、上記第4実施例と同様の効果が得られることに
加え、両スライダブロック32,34を同一部品として
製造できるので、その製造コストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す斜視対応図。
【図2】実施例の要部を示す斜視対応図。
【図3】実施例の要部を示す平面対応図。
【図4】実施例の要部を示す断面対応図。
【図5】実施例のバルブリフト特性を示す特性図。
【図6】実施例の要部を示す断面対応図。
【図7】リフトの登り/下り動作と制御シャフトの振れ
角度との関係を示す特性図。
【図8】駆動軸の回転角度と制御シャフトの駆動トルク
との関係を示す特性図。
【図9】第2実施例のバルブリフト特性を示す特性図。
【図10】第3実施例の要部を示す断面対応図。
【図11】他の実施例の要部を示す断面対応図。
【符号の説明】
10…駆動軸 11…カムシャフト 11a…カム 12…吸気弁 16…環状ディスク 17…制御ハウジング 20…スライダ係合溝 20a,20b…スライド壁面 24…制御シャフト 26…偏心カム 26a…外周面 28…支持シャフト 30…スライダ 32…駆動側スライダブロック 34…戻り側スライダブロック 32a,34a…凹面 32b,34b…外側面 36…潤滑被膜層 38…プラスチック樹脂板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、 この駆動軸の外周に相対回転可能に設けられ、吸排気弁
    を駆動するカムを外周に有する円筒状のカムシャフト
    と、 上記駆動軸が遊挿する環状に形成されるとともに、駆動
    軸及びカムシャフトに機械的に連結されて、駆動軸の回
    転運動をカムシャフトへ伝達する環状ディスクと、 上記環状ディスクの外周を回転自在に保持する板状の制
    御ハウジングと、 この制御ハウジングを挿通し、揺動可能に支持する支持
    シャフトと、 上記制御ハウジングの一端に形成された矩形状の係合溝
    にスライド可能に係合するスライダと、 外周がスライダ内周によって回動可能に支持される偏心
    カムを有し、自身が軸周りに回転することによって、ス
    ライダのスライド動作を伴って、制御ハウジングを支持
    シャフト周りに軸直角方向へ揺動させる制御シャフト
    と、 上記制御ハウジングが戻り側へ揺動するように、上記制
    御シャフトを一方の回転方向へ付勢する付勢手段と、 上記制御ハウジングが戻り側と反対側の駆動側へ揺動す
    るように、制御シャフトを他方の回転方向へ駆動する駆
    動手段と、を備え、 上記スライダを、係合溝の互いに対向するスライド壁面
    にそれぞれ摺接する一対のスライダブロックに分割構成
    し、 駆動側に位置する駆動側スライダブロックとスライド壁
    面及び偏心カム外周面の少なくとも一方との摺接部分の
    摩擦係数を、戻り側に位置する戻り側スライダブロック
    とスライド壁面及び偏心カム外周面の少なくとも一方と
    の摺接部分の摩擦係数よりも相対的に小さく設定したこ
    とを特徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 上記制御ハウジングが駆動側に位置する
    ときに吸排気弁の作動角が相対的に大きくなり、制御ハ
    ウジングが戻り側に位置するときに吸排気弁の作動角が
    相対的に小さくなるように設定されていることを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装
    置。
  3. 【請求項3】 偏心カム外周面に摺接する駆動側スライ
    ダブロックの凹面の表面粗さを、偏心カム外周面に摺接
    する戻り側スライダブロックの凹面の表面粗さより小さ
    く設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の内
    燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 両スライダブロックを同じ表面粗さに形
    成しておき、駆動側スライダブロックの表面にのみ潤滑
    被膜層をコーティングしたことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 駆動側スライダブロックと摺接するスラ
    イド壁面の表面粗さを、戻り側スライダブロックと摺接
    するスライド壁面の表面粗さより小さく設定したことを
    特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸排気弁
    駆動制御装置。
  6. 【請求項6】 駆動側スライダブロックを、緩衝性を有
    し、自己潤滑性に優れ、相対的に摩擦係数の小さいプラ
    スチック樹脂材により形成したことを特徴とする請求項
    1または2に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  7. 【請求項7】 駆動側スライダブロックが摺接するスラ
    イド壁面に、緩衝性を有し、自己潤滑性に優れ、相対的
    に摩擦係数の小さいプラスチック樹脂板を貼り付け固定
    したことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機
    関の吸排気弁駆動制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056347A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Ipi Kk カートンの折込み装置
EP1574679A3 (en) * 2004-03-12 2009-02-25 Nissan Motor Co., Ltd. Adjusting mechanism and adjusting method of valve-lift amount of internal combustion engine
CN102061952A (zh) * 2010-10-08 2011-05-18 奇瑞汽车股份有限公司 一种凸轮轴轴承座
US8245676B2 (en) 2009-08-13 2012-08-21 Hyundai Motor Company Continuously variable valve lift device of engine

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