JPH1181753A - 扉 錠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドルを、角軸の太さが異なる各種の錠本
体に装着できるようにして、扉錠のコストダウンを図
り、或いは、メーカー間での互換性を持たせて、扉錠組
み立てのバリエーションを拡げるようにする。 【解決手段】 ラッチボルト５を備えた錠本体１に、ラ
ッチボルト５を後退させる角軸８を設けると共に、角軸
挿通孔１０を形成したハンドル９を、スペーサー１１を
介して角軸８に外嵌合させ、かつ、前記スペーサー１１
を、前記角軸８と角軸挿通孔１０との間に圧入されて弾
性変形するスペーサー部材１７と、前記角軸８の端面に
相対峙する板状部材１６とから構成すると共に、前記ス
ペーサー部材１７を板状部材１６の隣り合う二辺部また
は四辺部に折り曲げ連設している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、玄関扉や間仕切り
扉などの各種の扉に備えられる扉錠に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】例えば玄関扉には、外部からの侵入者を
防ぐ上で、堅牢な造りの扉錠が備えられ、室内扉には比
較的簡単な造りの扉錠が備えられ、また、室内の間仕切
り扉などには、デッドボルトを備えない更に簡単な造り
の所謂空錠と称される扉錠が備えられるのが一般的であ
る。

【０００３】このような扉錠は、造りの違いによって内
部構造が異なるだけでなく、ラッチボルトを後退させる
角軸の太さも、１ｍｍ程度の範囲内ではあるが、造りが
堅牢になるほど太く設計されるのが通常であって、従来
は、扉錠の造りに応じるために、角軸に外嵌合させるハ
ンドル（レバータイプのハンドルの他に、握りタイプの
ノブがある。）を、角軸の太さに合わせて種々製作して
いたのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、外郭形状が同
じのハンドルを、角軸の太さに合わせて種々製作するこ
とは、非常に無駄であって、コストアップに繋がる点で
問題があった。

【０００５】また、上記の角軸の太さは、錠メーカー毎
でも若干の寸法差があって、メーカー間での互換性がな
く、例えば、扉錠本体については、造りが堅牢であるこ
とからＡ社のものを採用し、ハンドルについては、デザ
イン性が優れることからＢ社のものを採用すると言った
組み合わせが出来ない点でも問題があった。

【０００６】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、ハンドルを、それの角軸挿通孔を同じに形
成しながらも、即ち、単品のハンドルであっても、これ
を角軸の太さが異なる各種の錠本体に装着できるように
して、扉錠のコストダウンを図り、或いは、メーカー間
での互換性を持たせることを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明による扉錠
は、ラッチボルトを備えた錠本体に、ラッチボルトを後
退させる角軸を設けると共に、角軸挿通孔を形成したハ
ンドルを、スペーサーを介して角軸に外嵌合させ、か
つ、前記スペーサーを、前記角軸と角軸挿通孔との間に
圧入されて弾性変形するスペーサー部材と、前記角軸の
端面に相対峙する板状部材とから構成すると共に、前記
スペーサー部材を板状部材の隣り合う二辺部または四辺
部に折り曲げ連設した点に特徴がある。

【０００８】上記の構成によれば、例えばスペーサーを
角軸に被せて、このスペーサーを角軸と共にハンドルの
角軸挿通孔に圧入させることで、扉錠が組み立てられる
のであり、この際、角軸の太さが若干異なるものであっ
ても、スペーサー部材が圧入に伴って弾性変形すること
で、ガタツキを伴わせることなく、扉錠を組み立てるこ
とができる。

【０００９】従って、角軸挿通孔が一定の単品のハンド
ルであっても、これを角軸の太さが異なる各種の錠本体
に装着できることから、更には、スペーサー部材を取り
外せば、ハンドルを、それの角軸挿通孔に対応する角軸
を備えた錠本体にも装着できることから、ハンドルの共
用により、扉錠の製作コストを大幅にダウンできるので
あり、或いは、ハンドルにメーカー間での互換性を持た
せ得ることから、扉錠組み立てのバリエーションを拡げ
ることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は扉錠の概略平面図を示し、
図２は扉錠の分解斜視図を示している。

【００１１】これらの図面において、図中の１は各種扉
２の端部に埋め込まれる錠本体で、図示しないシリンダ
キーまたはサムターン３によって出退操作されるデッド
ボルト４と、付勢突出されるラッチボルト５とを備えて
いる。

【００１２】６は回転に伴ってラッチボルト５を後退さ
せる解錠部材で、２個の四角形の角孔を孔中心まわりで
位相を４５度ずらせた星型角孔７が形成されている。８
は星型角孔７の一方の四角形角孔を選択して挿通される
角軸で、錠本体１を貫通している。

【００１３】９は角軸挿通孔１０が形成されたレバーハ
ンドルで、前記錠本体１を貫通した角軸８の貫通軸部の
それぞれに、スペーサー１１を介して外嵌合されてお
り、このレバーハンドル９の回動操作によって、ラッチ
ボルト５を後退させるように構成されている。

【００１４】１２，１２はハンドル受け金具で、それぞ
れクリップ１３を介してレバーハンドル９を抜け止め保
持しており、かつ、止めビス１４，１４によって扉２の
端部を挟着している。１５，１５は化粧カバーである。

【００１５】上記のスペーサー１１は、例えばステンレ
スやばね鋼などの金属製であって、図３〜図５に示すよ
うに、前記角軸８の端面に相対峙する四角形の板状部材
１６と、前記角軸８と角軸挿通孔１０との間に圧入され
て弾性変形するスペーサー部材１７とから成り、かつ、
スペーサー部材１７を、板状部材１６の四辺部に折り曲
げ連設して成る。

【００１６】具体的には、この実施の形態では、前記レ
バーハンドル９に、深さが３５ｍｍで９．０ｍｍ角の角
軸挿通孔１０を形成するものとして、図４に示すよう
に、厚さ０．３ｍｍのステンレス素材１８から十文字形
状のスペーサー素材（８．２ｍｍ角の板状部材１６の四
辺部に、長さが３２ｍｍで幅が８．８ｍｍのスペーサー
部材用の素材部分１８ａを、板状部材１６の四隅に切り
込みを入れて連設したもの。）１８ｂを切り出してい
る。

【００１７】そして、スペーサー部材用の素材部分１８
ａのそれぞれに、板面に直交する方向での弾性変形を可
能にする複数個（１個であってもよく、この実施の形態
では３個である。）のドーナツ状凹部ａを、０．３ｍｍ
程度の深さで形成する一方、素材部分１８ａの遊端側
に、曲げ代を２．０ｍｍ程度にしてフランジｂを折り曲
げ成形し、かつ、フランジｂを互いに近づけるように、
素材部分１８ａのそれぞれを、板状部材１６の四辺部で
折り曲げている。図中のｒは谷折り線を示し、ｔは山折
り線を示している。

【００１８】上記の構成において、はめあいの公差を無
視してのことであるが、かつ、スペーサー部材１７の凹
部ａが零にまで弾性変形するものとした場合、製作誤差
を含まない計算上では、板状部材１６の形状と同じ８．
２ｍｍ角の角軸８を最大にして、スペーサー部材１７の
弾性変形を伴わせないで角軸８を密に嵌合する最小７．
８ｍｍ角の角軸８までを、ガタツキを伴わせないでレバ
ーハンドル９の角軸挿通孔１０に嵌合させることができ
る。そして、スペーサー１１を取り外せば、９．０ｍｍ
角の角軸８をレバーハンドル９の角軸挿通孔１０に嵌合
させることができる。

【００１９】尚、上記の実施の形態では、凹部ａを角軸
８側に凹入させているが、凹部ａを角軸挿通孔１０側に
凹入させるようにしてもよく、かつ、この凹部ａの深さ
設定によっては、レバーハンドル９に対する角軸８の嵌
合対象太さが異なることは言うまでもない。

【００２０】図６に別の実施の形態によるスペーサー１
１を示している。この実施の形態では、スペーサー部材
１７にコルゲートｃの加工を施して、角軸８と角軸挿通
孔１０との間にスペーサー部材１７を圧入させた際に、
スペーサー部材１７をコルゲートｃ部分で弾性変形させ
るようにしている。

【００２１】尚、上記の実施の形態では、ハンドル９と
して、レバータイプのものを示しているが、握りタイプ
の所謂ノブを対象にして本発明を実施可能であることは
言うまでもない。

【００２２】また、スペーサー部材１７を板状部材１６
の四辺部に折り曲げ連設しているが、図７に示すよう
に、スペーサー部材１７を板状部材１６の隣り合う二辺
部に折り曲げ連設することによっても、ガタツキを伴わ
せないで、ハンドル９の角軸挿通孔１０に角軸８を嵌合
させることができる。

【００２３】このように、スペーサー部材１７を板状部
材１６の隣り合う二辺部に折り曲げ連設すると、角軸８
と角軸挿通孔１０との中心が、対角線方向にごく僅かに
位置ずれすることから、ハンドル９が握りタイプのノブ
の場合に、回転操作に違和感を感ずることが懸念される
が、ハンドル９がレバータイプの場合は、ごく僅かな中
心の位置ずれは気にならないのである。

【００２４】この際、レバータイプのハンドル９に対し
て、それのレバーの長手方向に対角線方向を向けるよう
に、角軸挿通孔１０を形成し、かつ、上記の中心位置ず
れ方向をレバーの長手方向に向けるように、角軸８と角
軸挿通孔１０との間にスペーサー部材１７を圧入させれ
ば、中心の位置ずれによる違和感は全く感ぜられないの
で、ハンドル９がレバータイプの場合は、上記のように
構成することが好適である。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、弾
性変形可能なスペーサー部材を、錠本体側の角軸とハン
ドル側の角軸挿通孔との間に圧入させる特異な嵌合形態
をとったことで、太さが多少異なる角軸であっても、ガ
タツキを伴わせることなく、この角軸にハンドルを組み
付けることができる。

【００２６】従って、角軸挿通孔が一定の単品のハンド
ルであっても、これを角軸の太さが異なる各種の錠本体
に装着できることから、更には、スペーサー部材を取り
外せば、ハンドルを、それの角軸挿通孔に対応する角軸
を備えた錠本体にも装着できることから、ハンドルの共
用により、扉錠の製作コストを大幅にダウンできるので
あり、或いは、ハンドルにメーカー間での互換性を持た
せ得ることから、扉錠組み立てのバリエーションを拡げ
ることができるようになったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】扉錠の概略平面図である。

【図２】レバーハンドルの取り付け前の状態を示す扉錠
の斜視図である。

【図３】十文字形状のスペーサー素材の切り出し説明図
である。

【図４】スペーサーの詳細図である。

【図５】図１におけるＸ−Ｘ線の断面図である。

【図６】別の実施の形態を示すスペーサーの詳細図であ
る。

【図７】更に別の実施の形態を示すスペーサーの図５に
相当する断面図である。

【符号の説明】

１…錠本体、５…ラッチボルト、８…角軸、９…ハンド
ル、１０…角軸挿通孔、１１…スペーサー、１６…板状
部材、１７…スペーサー部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ラッチボルトを備えた錠本体に、ラッチ
   ボルトを後退させる角軸を設けると共に、角軸挿通孔を
   形成したハンドルを、スペーサーを介して角軸に外嵌合
   させ、かつ、前記スペーサーを、前記角軸と角軸挿通孔
   との間に圧入されて弾性変形するスペーサー部材と、前
   記角軸の端面に相対峙する板状部材とから構成すると共
   に、前記スペーサー部材を板状部材の隣り合う二辺部ま
   たは四辺部に折り曲げ連設したことを特徴とする扉錠。