JPH063093Y2 - ロッカーの錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ロッカーにおける錠装置に関し、各種ロッカ
ーにおけるドアのロック装置として利用することができ
る。

（従来の技術と問題点） 従来、ロッカー本体の開口一側縁に関節手段で扉体の一
側縁を取り付けたロッカーにおいて、ロッカー本体の開
口他側縁に対向する扉体の他側縁に沿う中央部に設けた
第１の錠手段と、該扉体の他側縁に沿う上下端部に設け
該第１の錠手段に連動する第２の錠手段とを有する錠装
置は公知であり、実用に供されている。

しかし、前記公知技術においては、扉体の開閉操作に際
して、前記第２の錠手段が有する金属製係止杆の作動音
が発して耳障りであるうえ、該係止杆の係止部および／
または該係止部が係入するロッカー本体の係入孔とが経
時的に変形等してこれらの間にガタが生じ、かつ、その
ため前記本体とドアの両表面に段差が生じるといった問
題がある。

本考案の目的は、主として、前記問題点を解決すること
ができるロッカーにおけるロック装置を提供することに
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、ロッカー本体の開口一側縁に対向する扉体の
一側縁近傍のほぼ中央部に装着し操作取手で回動させる
第１の錠手段と、前記扉体の上下両端部の少なくとも一
方の内面に装着し前記第１の錠手段とワイヤーである連
繋手段を介して連動する第２の錠手段とから構成したロ
ッカーの錠装置であって、前記第２の錠手段を前記ワイ
ヤーに連結する回動係止部材で構成するとともに、前記
扉体とは別体であってこれに装着するようにした枠体の
内側に前記回動係止部材を回動可能に軸で支持し、前記
枠体の内側と前記回動係止部材との間に拡圧バネを介在
させてあることを特徴とする前記錠装置により、前記問
題を解決することにある。

（実施例） 本考案を図示の実施例に基づいて説明すると、以下のと
おりである。

第１図において、公知のロッカーのように、扉体Ｄは、
その一側縁をロッカー本体（図示せず）の開口一側縁に
関節（ヒンジ）手段で取り付けてある。ロッカー本体の
開口他側縁に対向する扉体Ｄの他側縁近傍のほぼ中央部
には第１の錠手段１を装着し、かつ、扉体Ｄの上下両端
部の内面には該第１の錠手段に連繋手段３を介して連動
する第２の錠手段２を装着してある。

第１図、第３図において、第１の錠手段１は、外周に鍔
部５を有する外装筒体６を扉体Ｄの一側縁近傍の中央部
にその外側から嵌入固定し、筒体６内に外周に鍔部７と
内部に操作取手を兼ねるシリンダ錠体８を出入かつ回動
可能に嵌入し、筒体６の外周に回動枠９を回動可能に嵌
合し、錠体８の内端の中心部に突設した軸（図示せず）
に回動板10の中心部と係止片11の一端部とを一体に固定
することにより構成してある。回動枠９と回動板10は、
互いに衝接し後者の回動角を規制する突起12，13を配設
してある。係止片11は、第１図示の実線水平位置にある
とき、その他端部が扉体Ｄの側縁から突出する長さを有
する。なお、錠体８は、該錠体を把持して第１図におい
て反時計方向へ90°角、すなわち、係止片11が第１図の
実線水平位置に占位する角だけ回動させるとともに、該
錠体と筒体６との間に介装したバネ（図示せず）の作用
に抗して筒体６内に押し込み、鍵杆（図示せず）の操作
により回動不能に施錠し、かつ、該鍵杆の操作により解
錠し、その解錠と同時に前記バネ作用により筒体６から
突出させ、該錠体を把持して第１図において時計方向へ
90°角、すなわち、係止片11が第１図示の鎖線垂直位置
に占位する角だけ回動させることができるように構成し
てある。

第１図、第２図において、第２の錠手段２は、扉体Ｄの
一側縁近傍の上下端部に枠体14をその張出し部15にネジ
16を螺入して固定し、枠体14内には、両側に条溝17ａ，
17ｂと該両条溝の間から一体に突出する係止突起18を有
する回動係止部材19を軸20で回動可能に支持するととも
に、該係止部材と枠体14との間に拡圧バネ21を介在させ
てある。さらに、枠体14内には、回動係止部材19と対向
して、両側に条溝22ａ，22ｂを有する案内ロール23とこ
れに接触する押えロール24とを軸25，26でそれぞれ回動
可能に支持してある。

第１図〜第３図において、連繋手段３はワイヤー27ａ，
27ｂからなり、ワイヤー27ａ，27ｂは、それらの一端を
回動枠９の両側部に架け渡した各取付部28に連結し、案
内ロール29を介して案内ロール23の条溝22ａ，22ｂに位
置させ、さらに回動係止部材19の条溝17ａ，17ｂに位置
させて該係止部材に適宜止着手段で連結してある。

前述の構成を有する本考案装置の作用を第１図を参照し
て説明すると、係止片11が鎖線垂直位置に、かつ、係止
突起18が鎖線水平位置に、それぞれ占位している扉体Ｄ
の解錠状態において、操作取手を兼ねた錠体８の係止片
11を実線水平位置に90°角だけ回動すると、係止片11が
ロッカー本体の所定部位、たとえば、その内側縁または
係止孔に係止すると同時に、回動板10を介して回動枠９
が回動するとともに、回動枠９の対向側に連結されたワ
イヤー27ａ，27ｂにより係止突起18を有する回動係止部
材19が実線垂直位置に90°角だけ回動し、係止突起18が
ロッカー本体の所定部位、たとえば、その内側縁また係
止孔に係止することになる。その状態では、係止突起18
が拡圧バネ21の拡圧作用によってロッカー本体の前記所
定部位に固定的に保持される。したがってまた、前記扉
体Ｄがロッカー本体に固定的に保持される。その状態
で、必要に応じて、錠体８をキーで施錠する。係止片11
と係止突起18の前記係止を解くには、前記回動操作を逆
に行えばよいことはいうまでもない。

なお、錠体８内の錠機構を除く該錠体、係止片11、係止
突起18を有する回動係止部材19などの錠機構は合成樹脂
から、かつ、ワイヤー27ａ，27ｂは金属線から、それぞ
れ作ってある。

（考案の効果） 本考案装置によれば、従来装置のように耳障りな作動音
が発せられることがないことは勿論、第１の錠手段に連
動する第２の錠手段である回動係止部材と、回動係止部
材と枠体の内側との間に介在させる拡圧バネを枠体に組
み込んであるから、ユニットとして単独で取り引きする
ことができるとともに、扉体への組み込み作業が極めて
容易であり、しかも、第２の錠手段にガタが生じたり、
扉体とロッカー本体との各表面に段差が生じたりするこ
とがなく、閉扉状態を良好に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案装置の実施例。 第１図は、本考案装置を装着した扉体の部分内側面図。 第２図は、第２の錠手段の部位の側面図。 第３図は、第１の錠手段の部位の分解斜視図。 １…第１の錠手段、２…第２の錠手段 ３…連繋手段、６…筒体 ８…錠体、11…係止片 18…係止突起、19…回動係止部材 21…バネ、27ａ，27ｂ…ワイヤー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ロッカー本体の開口一側縁に対向する扉体
   の一側縁近傍のほぼ中央部に装着し操作取手で回動させ
   る第１の錠手段と、前記扉体の上下両端部の少なくとも
   一方の内面に装着し前記第１の錠手段とワイヤーである
   連繋手段を介して連動する第２の錠手段とから構成した
   ロッカーの錠装置であって、 前記第２の錠手段を前記ワイヤーに連結する回動係止部
   材で構成するとともに、前記扉体とは別体であってこれ
   に装着するようにした枠体の内側に前記回動係止部材を
   回動可能に軸で支持し、前記枠体の内側と前記回動係止
   部材との間に拡圧バネを介在させてあることを特徴とす
   る前記錠装置。