JPH0625575Y2 - 錠前のシリンダーユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、一般住宅、集合住宅、ホテル等の扉の錠前ケ
ースに対応できる錠前のシリンダーユニットに関するも
のある。

［従来の技術］ 第４図及び第５図を参照して従来の扉の錠前のシリンダ
ーユニットについて説明する。

シリンダー２の中心線上にシリンダーユニットカム７の
回転軸心Ｏ_２がある従来のシリンダーユニットでは、錠
前ケース１０内のロックカム１２へシリンダーユニット
カム７を連動させるために、シリンダーユニットカム７
の突起部７ｃが常にシリンダー２外周面から突出してい
たためシリンダーユニットを錠前ケース１０のシリンダ
ー穴１１にねじ込み取り付けるのにその突起部７ｃが障
害になっていた。第４図（ａ）のハッチング部分の突出
部が障害となる。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、シリンダーユニットを、錠前ケースのシリン
ダー穴に取り付けるときはシリンダーユニットカムの突
起部がシリンダー外周面より突出しないようにし、シリ
ンダーユニットカムと錠前ケース内のロックカムとの係
合時に突出するようにして錠前ケースに装着できるよう
にし、防犯性、便利性を向上した錠前のシリンダーユニ
ットを提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案の錠前のシリンダーユニットは、前記課題を解決
するため、シリンダーの軸穴に挿入する内筒の中心線上
に内筒と一体に回動する中心歯車を取り付け、内筒の中
心線に対して偏心させたシリンダーユニットカムの回転
軸心線上に前記中心歯車と互いにかみ合う偏心歯車を取
り付け、中心歯車と偏心歯車を歯車ボックスとボックス
カバー内に支持し、シリンダーユニットカムを偏心歯車
に取り付け、シリンダーユニットカムの回転軸心をシリ
ンダーの中心線に対して偏心させ、内筒の回動により、
中心歯車、偏心歯車を回動してシリンダーユニットカム
を回動し、シリンダーユニットカムの突起部をシリンダ
ー外周面より突出しない位置に回動したり、突出した位
置に回動したりして、錠前ケースのシリンダー穴へのシ
リンダーユニットの取り付けを可能とする手段を採用す
る。

［作用］ 本考案の錠前のシリンダーユニットは、キーによって内
筒を回動し歯車を介してシリンダーユニットカムを回動
すれば、シリンダーユニットカムの突起部がシリンダー
外周面から突出しない状態となり、シリンダーユニット
を錠前ケースのシリンダー穴に取り付けることができ、
取り付けた後、内筒を逆方向に回動すれば、シリンダー
ユニットカムの突起部をシリンダー外周面より突出して
錠前ケース内のロックカムと係合でき、適合するキーの
回動により錠前の作動ができるようにすることができる
作用を有する。

［実施例］ 本考案の錠前のシリンダーユニットの実施例として、ク
ロスキーを変更選択できる可変機構を備えたシリンダー
ユニットについて図面を参照して説明する。

本考案は、内筒１、シリンダー２、中心歯車３、歯車ボ
ックス４、偏心歯車５、ボックスカバー６、シリンダー
ユニットカム７、取付けねじ８、固定ねじ９を備えたシ
リンダーユニット装置を、錠前ケース１０のシリンダー
穴１１にねじ込み嵌合し固定して使用するものである。

クロスキー挿入用十字穴２１を備えた内筒１後部端面へ
座ぐられた穴１ａ（不図示）と、内筒１後部へ施された
スリ割１ｂに一致するように中心歯車３の段付部３ａを
挿入する。中心歯車３を内筒１へ密着させるために、中
心歯車３のベース部３ｂと密接する段付部４ａが設けら
れた歯車ボックス４の軸穴４ｅを中心歯車３に嵌着し
て、歯車ボックス４をシリンダー２後方へ取り付ける。
そして、クロスキーで内筒１を回動することにより中心
歯車３を回動できるようにする。

次に、偏心歯車５を内筒１と一体的に回動する中心歯車
３にかみ合わせるために、歯車ボックス４の後部面に設
けられた偏心軸穴４ｂへ偏心歯車５の軸５ａを挿入、さ
らに、偏心歯車５を中心歯車３のベース部３ｂへ密着さ
せ、偏心歯車５のベース部５ｂと密接する段付部６ａが
設けられた偏心穴６ｂと、中心歯車３の軸３ｃを挿入す
るための軸穴６ｃが設けられた板状のボックスカバー６
によって、中心歯車３と偏心歯車５を支持してシリンダ
ー２、歯車ボックス４、ボックスカバー６を一体的に固
定ねじ９で固定する。第１図に示す実施例では固定ねじ
９は三本使用する。４５，４６は固定ねじ９の貫通穴を
示し、固定ねじ９は貫通穴４５，４６を貫通し、シリン
ダー２のねじ穴（不図示）に螺合して固定する。

そして、偏心歯車５をシリンダーユニットカム７と一体
的に回動させるために偏心歯車５の段付部５ｃとシリン
ダーユニットカム７の段部の切欠部７ａを係合し、偏心
歯車５と段付部５ｃとシリンダーユニットカム７を接合
し、シリンダーユニットカム７後方より取付けねじ８を
シリンダーユニットカム７の軸心穴７ｂに貫通し偏心歯
車５のねじ穴５ｄ（不図示）へねじ込むことにより偏心
歯車５とシリンダーユニットカム７を固定する。

中心歯車３と偏心歯車５は共通部分であり交互性があ
る。

歯車ボックス４の外周面には錠前ケース１０のシリンダ
ー穴１１へねじ込むためのねじ山４ｃと一定位置に固定
させるためのあり溝４ｄが形成してある。このあり溝４
ｄは錠前ケース１０内のシリンダーストッパー作動ボル
ト２２の回動により回動するシリンダーストッパー２０
の係合部２０ａと係合し、シリンダーユニットを錠前ケ
ース１０に位置を決めて固定することができる。２０ｂ
はシリンダーストッパー２０の付勢スプリング、５２は
ボルト２２のガイドを示す。

図面中、符号Ｈはロックカム１２が作動するのに必要な
シリンダーユニットカム７の突出高さである。７ｄはシ
リンダーユニットカム７の直線部でシリンダー２外周面
から突出しないように切り欠いてある。

第１図に示すシリンダーユニットは、クロスキーの変更
可能なユニットが示され、内筒１には、ボトムピン１３
及びばね１８で付勢されたクロスキー止め球１７が内筒
１のピン保持穴列４０及び球保持穴４３にそれぞれ挿入
保持され、シリンダー２には、ばね１５により付勢され
たトップピン１４及びクロスキー止め球１７がピン貫通
穴列４２及び球貫通穴４４にそれぞれ挿入保持され、溝
２７に係合する押え板１６により支持されている。

そして、内筒１はシリンダー２の軸穴２ａに嵌合して内
筒１の外周溝４１に係合する止めリング１９で取り付け
る。

内筒１の十字穴２１に可変用クロスキー（エマージェン
シーキー）を挿入して回動すれば、ボトムピン１３、ト
ップピン１４及びクロスキー止め球１７の作動によりク
ロスキー（チェンジキー）の形状の変更選択想定をする
ことができるようになっている。内筒１の球保持穴４
３、シリンダー２の球貫通穴４４、ばね１８で付勢され
たクロスキー止め球１７からなる装置は可変用クロスキ
ー操作のための装置である。

本考案のシリンダユニットを扉の錠前ケース１０に取り
付けて、内筒１の十字穴２１に選択適合されたクロスキ
ーを挿入して回動し、内筒１、中心歯車３、偏心歯車
５、偏心シリンダーユニットカム７、ロックカム１２を
回動すればロックカム１２の腕体１２ａに取り付けたロ
ックピン２４がロックプレート２３の誘導溝穴５０中を
移動し、ロックプレート２３が第５図の実線位置と２点
鎖線の位置間において前後動し、デッドボルト（かんぬ
き）２５を実線位置と２点鎖線の位置間において前後動
することができ扉を鎖錠したり、解錠することができ
る。ロックカム１２は、その軸４７を中心としてシリン
ダユニットカム７の回動により回動し、ばね２９で付勢
されたスプリングプレート２８の切り欠き４８とロック
カム１２の突起４９の係合離脱によりロックカム１２，
ロックプレート２３，デッドボルト２５の移動位置を確
保する。ロックプレート２３はその案内溝穴３２が案内
軸３１に案内されて前後動する。

第５図において、、ラッチボルト３４は、常時は錠前ケ
ース１０表面からラッチボルトスプリング３６により突
出し扉を鎖錠している状態であるが、ハンドル軸穴３９
に嵌合したハンドル操作によりハンドルスプリング３８
で付勢されたハンドルハブ３３を回動すれば、ハンドル
スプリング３６を圧縮しながら、ラッチボルトプレート
３５が２点鎖線で示すように移動し錠前ケース１０の表
面から引き込み、扉とラッチボルト３４が解錠状態とな
り扉を開くことができる。２６はスピードナット，３７
はラッチボルトスプリングのガイドプレート，５１はハ
ンドルストツプピンを示す。

本考案は、上記のような構成を有するから、シリンダー
２の軸穴２ａに挿入する内筒１の中心線上に内筒１と一
体に回動する中心歯車３を取り付け、内筒１の中心線に
対して偏心させたシリンダーユニットカム７の回転軸心
Ｏ_１線上に前記中心歯車３と互いにかみ合う中心歯車３
と交互性のある偏心歯車５を取り付け、中心歯車３と偏
心歯車５を歯車ボックス４とボックスカバー６内に支持
し、シリンダーユニットカム７を取付けねじ８が偏心歯
車５に固定し、シリンダーユニットカム７の回転軸心Ｏ
_１をシリンダー２の中心線に対して偏心させ、内筒１の
回動により、中心歯車３、偏心歯車５を回動してシリン
ダーユニットカム７を回動し、第３図（ａ）に示すよう
に、シリンダーユニットカム７の突起部７ｃをシリンダ
ー外周面より突出しない位置に回動したり、第３図
（ｂ）に示すように、突出した位置に回動したりするこ
とができる。したがって、本考案の錠前のシリンダーユ
ニットは錠前ケースに対してシリンダーユニットカム７
の突起部７ｃが障害とならずに、取り付け、取り付しが
できるから、一般住宅、集合住宅、ホテル等の扉の錠前
ケースに利用できるものである。また、シリンダーユニ
ットカム７が偏心しているからキーの回動力が小さくキ
ー操作が容易である。

［考案の効果］ 本考案は、一対の歯車の利用によりシリンダーユニット
カムの回動軸心をシリンダーの中心線より偏心させるこ
とで、シリンダーユニットカムの作動時のみその突起部
をシリンダーの外周面から突出させ、錠前ケースのシリ
ンダー穴へ取り付ける際は、シリンダーユニットカムの
突起部の先端部がシリンダーの外表面から突出しないの
で、シリンダー穴へ干渉することなくシリンダーのねじ
込み取り付けが可能となり、キーを変更する機能を備え
たキー操作ができるシリンダーユニットが一般シリンダ
ーユニットと同様な取り付け方法によって一般住宅、集
合住宅、ホテル等の扉の錠前として使用可能となった。
また、シリンダーユニットカムが偏心しているからキー
の回動力が小さくキー操作が容易となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例を、第４図及び第
５図は実施例を示し、第１図はシリンダーユニットの分
解斜視図、第２図はシリンダーユニットの組立側断面
図、第３図（ａ）及び（ｂ）はシリンダーユニットカム
の取付時及び作動時の正面略図、第４図（ａ）及び
（ｂ）は従来のシリンダーユニットカムの取付時及び作
動時の正面略図、第５図は錠前ケースの内部構造を示す
断面図である。 １……内筒、２……シリンダー、３……中心歯車、４…
…歯車ボックス、５……偏心歯車、６……ボックスカバ
ー、７……シリンダーユニットカム、８……取付ねじ、
９……固定ねじ、１０……錠前ケース、１１……錠前ケ
ースのシリンダー穴、１２……錠前ケースのロックカ
ム、２５……デッドボルト（かんぬき）、３４……ラッ
チボルト、３９……ハンドル軸穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダーの軸穴に送入する内筒の中心線
   上に内筒と一体に回動する中心歯車を取り付け、内筒の
   中心線に対して偏心させたシリンダーユニットカムの回
   転軸心線上に前記中心歯車と互いにかみ合う偏心歯車を
   取り付け、中心歯車と偏心歯車を歯車ボックスとボック
   スカバー内に支持し、シリンダーユニットカムを偏心歯
   車に取り付け、シリンダーユニットカムの回転軸心をシ
   リンダーの中心線に対して偏心させ、内筒の回動によ
   り、中心歯車、偏心歯車を回動してシリンダーユニット
   カムを回動し、シリンダーユニットカムの突起部をシリ
   ンダー外周面より突出しない位置に回動したり、突出し
   た位置に回動したりすることができることを特徴とする
   錠前ケースのシリンダー穴へのシリンダーユニットの取
   り付けを可能とした錠前のシリンダーユニット。