JPH118153A - 高分子薄膜の製造方法とコンデンサの製造方法 - Google Patents

高分子薄膜の製造方法とコンデンサの製造方法

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JPH118153A
JPH118153A JP9156901A JP15690197A JPH118153A JP H118153 A JPH118153 A JP H118153A JP 9156901 A JP9156901 A JP 9156901A JP 15690197 A JP15690197 A JP 15690197A JP H118153 A JPH118153 A JP H118153A
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film
substrate
polymer
electrodeposition
metal
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JP9156901A
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English (en)
Inventor
Sachiko Maeda
幸子 前田
Toshiharu Saito
俊晴 斎藤
Motoi Kitano
基 北野
Junichiro Umeda
純一郎 梅田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型高容量化のコンデンサを実現する。 【解決手段】 基板1に金属蒸着膜2を形成した後、電
着工程で金属蒸着膜2上に高分子前駆体の電着膜3を形
成し、この電着膜3に熱処理を施して高分子薄膜4とす
る。その後、酸またはアルカリ溶液により金属蒸着膜2
を溶解して基板1を剥離,除去する。そして、高分子薄
膜4の両面に金属蒸着して金属電極5を形成する。電着
工程は、基板1に形成した金属蒸着膜2を陽極とし、陽
極の金属蒸着膜2を陰極と対面させてポリマ含有電着用
溶液中に浸漬し、電圧を印加して金属蒸着膜2上に電着
膜3を形成する。この電着工程において、電気的にポリ
マ含有電着用溶液中の高分子前駆体を泳動させるため、
緻密で均一な膜厚の高分子薄膜4が得られ、高分子薄膜
4の両面に金属電極5を形成したフィルムを用いて、積
層型,巻回型等さまざまな形状のコンデンサの小型高容
量化を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子薄膜の製造
方法とコンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子フィルムコンデンサは、セラミッ
クコンデンサと比較して誘電率が小さく、小型高容量化
するには、膜厚を小さくするか面積の拡大が必要であ
る。面積の拡大については、電解コンデンサで電極表面
積を拡大する方法が古くから行われてきた。近年、Al
エッチド箔を基板とし、エッチド孔に追従した高分子膜
を電着により成形した高分子誘電体による、小型、高容
量化等も検討されている。また、1μm以下の膜厚のフ
ィルムでは一般に加工時の取扱いが困難となるため、積
層高分子フィルムコンデンサについては、基板を付着し
た状態でコンデンサを形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】厚い基板を使用するコ
ンデンサ、例えばAlエッチド箔を基板としてエッチド
孔に追従した高分子膜を誘電体として用いたコンデンサ
では、高分子膜の薄膜化が進んだ時、体積の縮小化はA
lエッチド箔の厚みに抑制されることとなり、高分子膜
の薄膜化による体積の縮小効果が小さくなる。また、エ
ッチド孔内を用いて対極を設けるため、金属電極化する
ことが難しく、直列抵抗値の十分でないことも多い。
【0004】また、積層高分子フィルムコンデンサにつ
いても、高分子膜の薄膜化が進んでも、体積の縮小化に
基板の厚みが大きく影響するため、高分子膜の薄膜化に
よる体積の縮小効果は小さくなる。本発明の目的は、小
型高容量化のコンデンサを実現できる高分子薄膜の製造
方法およびコンデンサの製造方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の高分子薄
膜の製造方法は、基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程
と、金属蒸着膜を陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中ま
たはポリマ含有電着用溶液を噴霧した雰囲気中に、陽極
を陰極と対面させて配置し、陽極および陰極間に電圧を
印加して陽極の金属蒸着膜上に電着膜を形成する電着工
程と、電着膜に熱処理を施して高分子薄膜にする熱処理
工程と、酸またはアルカリ溶液により金属蒸着膜を溶解
して基板を剥離し高分子薄膜を単体として取り出す基板
除去工程とを含むことを特徴とする。
【0006】この製造方法によれば、電着工程におい
て、電気的にポリマ含有電着用溶液中またはポリマ含有
電着用溶液を噴霧した雰囲気中の高分子前駆体を泳動さ
せるため、緻密で均一な膜厚の高分子薄膜が得られ、こ
の高分子薄膜を用いることにより小型高容量化のコンデ
ンサを実現できる。請求項2記載のコンデンサの製造方
法は、基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程と、金属蒸
着膜を陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中またはポリマ
含有電着用溶液を噴霧した雰囲気中に、陽極を陰極と対
面させて配置し、陽極および陰極間に電圧を印加して陽
極の金属蒸着膜上に電着膜を形成する電着工程と、電着
膜に熱処理を施して高分子薄膜にする熱処理工程と、酸
またはアルカリ溶液により金属蒸着膜を溶解して基板を
剥離し高分子薄膜を単体として取り出す基板除去工程
と、単体として取り出した高分子薄膜の両面に金属蒸着
して金属電極を形成する電極形成工程とを含むことを特
徴とする。
【0007】この製造方法によれば、電着工程におい
て、電気的にポリマ含有電着用溶液中またはポリマ含有
電着用溶液を噴霧した雰囲気中の高分子前駆体を泳動さ
せるため、緻密で均一な膜厚の高分子薄膜が得られ、こ
の高分子薄膜の両面に金属蒸着して金属電極を形成した
フィルムを用いて、積層型,巻回型等さまざまな形状の
コンデンサの小型高容量化を実現できる。
【0008】請求項3記載のコンデンサの製造方法は、
基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程と、金属蒸着膜を
陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中またはポリマ含有電
着用溶液を噴霧した雰囲気中に、陽極を陰極と対面させ
て配置し、陽極および陰極間に電圧を印加して陽極の金
属蒸着膜上に電着膜を形成する電着工程と、電着膜に熱
処理を施して高分子薄膜にする熱処理工程と、蒸着工
程,電着工程および熱処理工程を繰り返すことにより、
基板上に金属蒸着膜と高分子薄膜とを交互に積層した積
層膜を形成する工程と、酸またはアルカリ溶液により基
板と接した金属蒸着膜を溶解して基板を剥離する基板除
去工程とを含むことを特徴とする。
【0009】この製造方法によれば、金属蒸着膜を電極
とし、緻密で均一な膜厚の高分子薄膜を誘電体とした積
層高分子フィルムコンデンサを製造でき、積層膜を形成
するまでは基板を除去しないで、取扱い易い厚さとなる
積層膜の形成後に基板を除去するため、製造時に取扱い
易く、また、基板の除去、および金属蒸着膜と高分子薄
膜の積層構造により小型高容量化を実現することができ
る。
【0010】請求頃4記載のコンデンサの製造方法は、
請求項3記載のコンデンサの製造方法において、基板と
して高分子フィルムを用い、基板除去工程において、基
板と接した金属蒸着膜を溶解する代わりに、高分子フィ
ルムの基板を溶解することを特徴とする。この製造方法
によれば、基板と接した金属蒸着膜が溶解せずに残ると
いう他は、請求項3記載のコンデンサの製造方法と同等
の作用効果が得られる。
【0011】請求項5記載のコンデンサの製造方法は、
請求項3または4記載のコンデンサの製造方法におい
て、金属蒸着膜および高分子薄膜の積層膜を形成した
後、外装を施し、その後で基板除去工程を行うことを特
徴とする。このように、外装を施した後、基板除去工程
を行うことにより、基板除去工程において使用する金属
蒸着膜を溶解するための酸またはアルカリ溶液や、高分
子フィルムの基板を溶解するための溶剤が、積層膜に与
える影響を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕まず、本発明の第1の実施の形態
におけるコンデンサの製造方法を図面を参照しながら説
明する。図1は第1の実施の形態におけるコンデンサの
製造方法を示す工程断面図である。図1において、1は
金属板,高分子フィルム,ガラス板等からなる電着工程
において保持可能な基板、2は酸またはアルカリ溶液に
より溶解するZn,Al,Cu等の金属を蒸着して形成
した金属蒸着膜、3は高分子前駆体の電着膜、4は高分
子薄膜、5は金属蒸着膜からなる金属電極である。
【0013】第1の実施の形態における製造方法は、図
1(a)に示すように基板1に金属蒸着膜2を形成する
蒸着工程と、図1(b)に示すように金属蒸着膜2上に
高分子前駆体の電着膜3を形成する電着工程と、図1
(c)に示すように電着膜3に熱処理を施して高分子薄
膜4にする熱処理工程と、図1(d)に示すように酸ま
たはアルカリ溶液により金属蒸着膜2を溶解して基板1
を剥離し高分子薄膜4を単体として取り出す基板除去工
程と、図1(e)に示すように単体として取り出した高
分子薄膜4の両面に金属蒸着して金属電極5を形成する
電極形成工程とからなる。
【0014】図2は第1の実施の形態における電着工程
を説明するための図であり、6はステンレス,Al,P
t等の導電材からなる陰極、7はポリマ含有電着用溶液
である。この電着工程は、基板1に形成した金属蒸着膜
2を陽極とし、この陽極の金属蒸着膜2を陰極6と対面
させてポリマ含有電着用溶液7中に浸漬し、金属蒸着膜
2および陰極6間に電圧を印加して金属蒸着膜2上に電
着膜3(図1参照)を形成するようにしている。なお、
ここでは基板1に導電性の金属板を用い、基板1と陰極
6間に直流電源を接続している。
【0015】この第1の実施の形態によれば、電着工程
において、電気的にポリマ含有電着用溶液7中の高分子
前駆体を泳動させるため、緻密で均一な膜厚の高分子薄
膜4が得られ、この高分子薄膜4の両面に金属蒸着して
金属電極5を形成したフィルムを用いて、積層型,巻回
型等さまざまな形状のコンデンサの小型高容量化を実現
できる。また、低抵抗である金属蒸着膜を電極にするこ
とにより低インピーダンス化を達成できる。
【0016】〔第2の実施の形態〕つぎに、本発明の第
2の実施の形態におけるコンデンサの製造方法について
説明する。この第2の実施の形態では、電着工程のみが
第1の実施の形態と異なり、その他の工程は第1の実施
の形態と同様であるため、ここでは、電着工程について
のみ説明する。
【0017】図3は第2の実施の形態における電着工程
を説明するための図であり、8はポリマ含有電着用溶液
を噴霧した噴霧粒子である。この電着工程は、基板1に
形成した金属蒸着膜2を陽極とし、この陽極の金属蒸着
膜2を陰極6と対面させてポリマ含有電着用溶液の噴霧
粒子8の雰囲気中に配置し、金属蒸着膜2および陰極6
間に電圧を印加して金属蒸着膜2上に電着膜3(図1参
照)を形成するようにしている。なお、ここでは基板1
に導電性の金属板を用い、基板1と陰極6間に直流電源
を接続している。
【0018】この第2の実施の形態によれば、電着工程
において、電気的にポリマ含有電着用溶液を噴霧した雰
囲気中の高分子前駆体を泳動させるため、緻密で均一な
膜厚の高分子薄膜4(図1参照)が得られ、第1の実施
の形態と同様の効果が得られる。なお、第1および第2
の実施の形態において、図1(a)〜(d)までの工程
を、高分子薄膜の製造方法とすれば、緻密で均一な膜厚
の高分子薄膜4が得られ、この高分子薄膜4を用いるこ
とにより小型高容量化のコンデンサを実現することがで
きる。
【0019】〔第3の実施の形態〕つぎに、本発明の第
3の実施の形態におけるコンデンサの製造方法について
説明する。図4は第3の実施の形態におけるコンデンサ
の製造方法を示す工程断面図である。図4において、1
1は基板、12,14は金属蒸着膜、13,15は高分
子薄膜、16は集電電極、17はリード線、18は外装
部分である。
【0020】この第3の実施の形態は、積層高分子フィ
ルムコンデンサを製造方法を示し、まず、図4(a)に
示すように基板11上に金属蒸着膜12を形成する。こ
こでは、基板11として高分子フィルムを用いている。
つぎに、前述の図2または図3と同様の電着工程を行っ
た後、熱処理を施して高分子薄膜13を形成する(図4
(b))。このとき、電着工程において、高分子前駆体
の電着膜を、金属蒸着膜12の端部Mを残して形成して
おく。
【0021】つぎに、図4(a),(b)と同様にし
て、高分子薄膜13上に金属蒸着膜14を形成し(図4
(c))、その上に高分子薄膜15を形成する(図4
(d))。このとき、高分子薄膜15を形成しない金属
蒸着膜14の端部Mは、図4(b)と反対側にしてお
く。つぎに、金属溶射によって集電電極16を形成して
リード線17を取り付けた後、樹脂等で外装部分18を
形成する(図4(e))。
【0022】その後、基板11の除去を行うが、ここで
は高分子フィルムからなる基板11を高分子フィルムを
溶解する溶剤に浸漬することにより、基板11を溶解し
て除去する(図4(f))。この第3の実施の形態によ
れば、金属蒸着膜12,14を電極とし、緻密で均一な
膜厚の高分子薄膜13,15を誘電体とした積層高分子
フィルムコンデンサを製造でき、金属蒸着膜12,14
および高分子薄膜13,15を交互に積層した積層膜を
形成するまでは基板11を除去しないで、取扱い易い厚
さとなる積層膜の形成後に基板11を除去するため、製
造時に取扱い易く、また、基板11の除去、および金属
蒸着膜12,14と高分子薄膜13,15の積層構造に
より小型高容量化を実現することができる。なお、金属
蒸着膜および高分子薄膜の積層数が限定されないことは
言うまでもない。また、低抵抗である金属蒸着膜を電極
にすることにより低インピーダンス化を達成できる。
【0023】また、この実施の形態では、外装部分18
を形成した後、基板11の除去を行うことにより、高分
子フィルムの基板11を溶解するための溶剤が、積層膜
に与える影響を防止できる。なお、図4の説明では、基
板11として高分子フィルムを用い、最後に基板11を
溶解して除去したが、基板11としては他に金属板,ガ
ラス板等、電着工程において保持可能なものであればよ
い。
【0024】また、基板11を溶解する代わりに、金属
蒸着膜を酸またはアルカリ溶液により溶解するZn,A
l,Cu等の金属で形成し、酸またはアルカリ溶液に浸
漬し、基板と接した金属蒸着膜を溶解して基板を剥離す
るようにしてもよい。この場合、例えば、図5(a)に
示すように、基板11と接した第一層目の金属蒸着膜1
2aの上の高分子薄膜13aについては、図4のMに示
すような非形成部を設けずに、金属蒸着膜12aの上面
全面に形成しておき、集電電極16は第一層目の金属蒸
着膜12aに接続せずに、第二層目以上の金属蒸着膜1
2,14に接続する。そして、外装部分18は、第一層
目の金属蒸着膜12aの端部が露出するように、高分子
薄膜13aと密着させて高分子薄膜13aから上部に形
成しておく。この状態で、酸またはアルカリ溶液に浸漬
すると、第一層目の金属蒸着膜12aが溶解し、基板1
1が剥離される(図5(b))。さらに、図示しないが
最後に底部の外装部分を形成する。なお、酸またはアル
カリ溶液に浸漬する前に、第一層目の金属蒸着膜12a
の端部がより露出するように金属蒸着膜12aの端部に
おける高分子薄膜13aをカットしてもよい。このよう
に、外装部分18を形成した後、基板11を剥離除去し
ても、酸またはアルカリ溶液が、積層膜に与える影響を
防止できる。
【0025】
【実施例】
〔第1の実施例〕この第1の実施例は、図1および図2
で示される第1の実施の形態における実施例であり、基
板1として1mm厚のAl板を用い、蒸着金属にAlを
用いて金属蒸着膜2を形成した。図2の電着工程におけ
る陰極6にステンレス板を用い、ポリマ含有電着用溶液
7にポリアミック酸溶液を用い、このポリアミック酸溶
液に、Alの金属蒸着膜2を形成したAl板およびステ
ンレス板を浸漬し、Alを陽極、ステンレスを陰極と
し、20Vの直流電圧を10分間印加して電着膜3を形
成した。その後、陽極を250℃で熱処理し、ポリイミ
ド膜(高分子薄膜4)とした。それを、5%の塩酸溶液
に30分浸漬して金属蒸着膜2を溶解し、基板1を剥
離,除去した。そして、ポリイミド膜の両面にAlを蒸
着して金属電極5とし、コンデンサとした。
【0026】〔第2の実施例〕この第2の実施例は、図
1および図3で示される第2の実施の形態における実施
例であり、電着工程が、図3で示されるように、Alの
金属蒸着膜2を形成したAl板(基板1)および陰極6
のステンレス板を、ポリアミック酸溶液を噴霧した雰囲
気中に配置して行う他は、第1の実施例と同様にした。
【0027】〔第3の実施例〕この第3の実施例は、第
1の実施の形態における実施例であり、基板1として2
μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる
他は、第1の実施例と同様にした。 〔第4の実施例〕この第4の実施例は、図5で示される
第3の実施の形態における実施例であり、第1の実施例
と同様、基板11として1mm厚のAl板を用い、蒸着
金属にAlを用いて金属蒸着膜を形成し、図2の電着工
程を行い、このとき陰極にステンレス板を用い、ポリマ
含有電着用溶液にポリアミック酸溶液を用い、このポリ
アミック酸溶液に、Alの金属蒸着膜を形成したAl板
およびステンレス板を浸漬し、Alを陽極、ステンレス
を陰極とし、20Vの直流電圧を10分間印加して電着
膜を形成し、陽極を250℃で熱処理し、電着膜をポリ
イミド膜(高分子薄膜)とした。この金属蒸着膜および
ポリイミド膜の形成を100回繰り返した。その後、第
二層目以上の金属蒸着膜が接続されるように集電電極お
よびリード線を形成した後、第一層目の金属蒸着膜のす
ぐ上のポリイミド膜に密着しそのポリイミド膜から上部
の外装部分を形成した。その後、第一層目の金属蒸着膜
のポリイミド膜に覆われた端部をカットして第一層目の
金属蒸着膜の端部を露出させ、これを、10%酢酸水溶
液に20分浸漬し、第一層目の金属蒸着膜を溶解して基
板を剥離した。最後に、底部の外装部分を形成した。
【0028】〔第5の実施例〕この第5の実施例は、電
着工程におけるポリマ含有電着用溶液にアクリル系電着
水性塗料を用い、陽極の熱処理温度を175℃とした他
は、第4の実施例と同様にした。 〔第6の実施例〕この第6の実施例は、電着工程を、図
3のように、アクリル系電着水性塗料を噴霧した雰囲気
中に陽極および陰極を配置して行うようにした他は、第
5の実施例と同様にした。
【0029】さらに、以下の方法で比較例を行った。 〔第1の比較例〕第1の比較例では、基板の剥離に用い
る塩酸溶液を50%水溶液とした他は、第1の実施例と
同様の方法で実施した。 〔第2の比較例〕第2の比較例では、電着工程における
印加電圧を5Vとした他は、第1の実施例と同様の方法
で実施した。
【0030】〔第3の比較例〕第3の比較例では、電着
工程における印加電圧を5Vとした他は、第2の実施例
と同様の方法で実施した。 〔第4の比較例〕第4の比較例では、基板として2μm
厚のポリカーボネイトフィルムを用いた他は、第1の実
施例と同様の方法で実施した。
【0031】以上の実施例および比較例によって製造し
たコンデンサについて、その静電容量および容積を測定
した結果を表1に示す。なお、静電容量は、100Hz
での測定値である。
【0032】
【表1】
【0033】表1において、第1の実施例と第2の実施
例とを比較すれば、図2に示す電着工程を用いた第1の
実施例よりも、図3に示す電着工程を用いた第2の実施
例の方が、コンデンサの静電容量が大きく、体積が小さ
くなり、小型高容量化を図る上で有利があることがわか
る。これは、第5の実施例と第6の実施例を比較して
も、同様である。
【0034】また、第1の実施例と第3の実施例とを比
較すれば、基板1として、1mm厚のAl板を用いて
も、2μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを
用いても、基板1は除去されるため、容量および体積は
ほぼ同じになることがわかる。また、第4の実施例と第
5の実施例とを比較すれば、電着工程で用いるポリマ含
有電着用溶液は、第4の実施例で用いたポリアミック酸
溶液の方が、第5の実施例で用いたアクリル系電着水性
塗料よりも、コンデンサの小型高容量化を図る上で有利
があることがわかる。
【0035】なお、第1の比較例では、基板を剥離する
時の酸濃度が高すぎたため、ポリイミド膜が劣化あるい
は溶解した。また、第2の比較例では、電着工程におけ
る印加電圧が低いため、ポリイミド膜の膜厚が薄すぎ
て、耐圧が小さくなってしまった。また、第3の比較例
でも、電着工程における印加電圧が低いため、ポリイミ
ド膜の膜厚が薄すぎて、耐圧が小さくなったり、あるい
はコンデンサとならなかった。
【0036】また、第4の比較例では、基板として用い
たポリカーボネイトフィルムに耐溶剤性がないため、有
機溶剤を含む電着用溶液では、部分的に溶解し、金属蒸
着膜が剥離して、緻密なポリイミド膜が形成できなかっ
た。したがって、基板材としては、電着用溶液に耐性の
あるものを用いる必要がある。
【0037】また、電着工程における印加電圧は、形成
する膜厚に比例するため、必要な破壊電圧を有する膜厚
を形成できる電着電圧を設定する必要がある。また、基
板もしくは金属蒸着膜の溶解剥離に用いる酸またはアル
カリ溶液として、濃度が高く溶解が極めて強いものは、
他の部分への影響が現れるため、避ける必要がある。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の高分子薄膜の製造方法
は、基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程と、金属蒸着
膜を陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中またはポリマ含
有電着用溶液を噴霧した雰囲気中に、陽極を陰極と対面
させて配置し、陽極および陰極間に電圧を印加して陽極
の金属蒸着膜上に電着膜を形成する電着工程と、電着膜
に熱処理を施して高分子薄膜にする熱処理工程と、酸ま
たはアルカリ溶液により金属蒸着膜を溶解して基板を剥
離し高分子薄膜を単体として取り出す基板除去工程とを
含み、電着工程において、電気的にポリマ含有電着用溶
液中またはポリマ含有電着用溶液を噴霧した雰囲気中の
高分子前駆体を泳動させるため、緻密で均一な膜厚の高
分子薄膜が得られ、この高分子薄膜を用いることにより
小型高容量化のコンデンサを実現できる。
【0039】請求項2記載のコンデンサの製造方法は、
基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程と、金属蒸着膜を
陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中またはポリマ含有電
着用溶液を噴霧した雰囲気中に、陽極を陰極と対面させ
て配置し、陽極および陰極間に電圧を印加して陽極の金
属蒸着膜上に電着膜を形成する電着工程と、電着膜に熱
処理を施して高分子薄膜にする熱処理工程と、酸または
アルカリ溶液により金属蒸着膜を溶解して基板を剥離し
高分子薄膜を単体として取り出す基板除去工程と、単体
として取り出した高分子薄膜の両面に金属蒸着して金属
電極を形成する電極形成工程とを含み、電着工程におい
て、電気的にポリマ含有電着用溶液中またはポリマ含有
電着用溶液を噴霧した雰囲気中の高分子前駆体を泳動さ
せるため、緻密で均一な膜厚の高分子薄膜が得られ、こ
の高分子薄膜の両面に金属蒸着して金属電極を形成した
フィルムを用いて、積層型,巻回型等さまざまな形状の
コンデンサの小型高容量化を実現できる。また、金属電
極を用いるため低インピーダンス化を達成できる。
【0040】請求項3記載のコンデンサの製造方法は、
基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程と、金属蒸着膜を
陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中またはポリマ含有電
着用溶液を噴霧した雰囲気中に、陽極を陰極と対面させ
て配置し、陽極および陰極間に電圧を印加して陽極の金
属蒸着膜上に電着膜を形成する電着工程と、電着膜に熱
処理を施して高分子薄膜にする熱処理工程と、蒸着工
程,電着工程および熱処理工程を繰り返すことにより、
基板上に金属蒸着膜と高分子薄膜とを交互に積層した積
層膜を形成する工程と、酸またはアルカリ溶液により基
板と接した金属蒸着膜を溶解して基板を剥離する基板除
去工程とを含み、金属蒸着膜を電極とし、緻密で均一な
膜厚の高分子薄膜を誘電体とした積層高分子フィルムコ
ンデンサを製造でき、積層膜を形成するまでは基板を除
去しないで、取扱い易い厚さとなる積層膜の形成後に基
板を除去するため、製造時に取扱い易く、また、基板の
除去、および金属蒸着膜と高分子薄膜の積層構造により
小型高容量化を実現することができる。また、金属蒸着
膜を電極に用いるため低インピーダンス化を達成でき
る。
【0041】請求頃4記載のコンデンサの製造方法は、
請求項3記載のコンデンサの製造方法において、基板と
して高分子フィルムを用い、基板除去工程において、基
板と接した金属蒸着膜を溶解する代わりに、高分子フィ
ルムの基板を溶解しても、同様の効果が得られる。請求
項5記載のコンデンサの製造方法は、請求項3または4
記載のコンデンサの製造方法において、金属蒸着膜およ
び高分子薄膜の積層膜を形成した後、外装を施し、その
後で基板除去工程を行うことにより、基板除去工程にお
いて使用する金属蒸着膜を溶解するための酸またはアル
カリ溶液や、高分子フィルムの基板を溶解するための溶
剤が、積層膜に与える影響を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるコンデンサ
の製造方法を示す工程断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における電着工程を
説明するための図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における電着工程を
説明するための図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態におけるコンデンサ
の製造方法を示す工程断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるコンデンサ
の製造方法を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 金属蒸着膜 3 電着膜 4 高分子薄膜 5 金属電極 6 陰極 7 ポリマ含有電着用溶液 8 ポリマ含有電着用溶液の噴霧粒子 11 基板 12,12a,14 金属蒸着膜 13,13a,15 高分子薄膜 16 集電電極 17 リード線 18 外装部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 純一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程
    と、 前記金属蒸着膜を陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中ま
    たは前記ポリマ含有電着用溶液を噴霧した雰囲気中に、
    前記陽極を陰極と対面させて配置し、前記陽極および陰
    極間に電圧を印加して前記陽極の前記金属蒸着膜上に電
    着膜を形成する電着工程と、 前記電着膜に熱処理を施して高分子薄膜にする熱処理工
    程と、 酸またはアルカリ溶液により前記金属蒸着膜を溶解して
    前記基板を剥離し前記高分子薄膜を単体として取り出す
    基板除去工程とを含むことを特徴とする高分子薄膜の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程
    と、 前記金属蒸着膜を陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中ま
    たは前記ポリマ含有電着用溶液を噴霧した雰囲気中に、
    前記陽極を陰極と対面させて配置し、前記陽極および陰
    極間に電圧を印加して前記陽極の前記金属蒸着膜上に電
    着膜を形成する電着工程と、 前記電着膜に熱処理を施して高分子薄膜にする熱処理工
    程と、 酸またはアルカリ溶液により前記金属蒸着膜を溶解して
    前記基板を剥離し前記高分子薄膜を単体として取り出す
    基板除去工程と、 単体として取り出した前記高分子薄膜の両面に金属蒸着
    して金属電極を形成する電極形成工程とを含むことを特
    徴とするコンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 基板に金属蒸着膜を形成する蒸着工程
    と、 前記金属蒸着膜を陽極とし、ポリマ含有電着用溶液中ま
    たは前記ポリマ含有電着用溶液を噴霧した雰囲気中に、
    前記陽極を陰極と対面させて配置し、前記陽極および陰
    極間に電圧を印加して前記陽極の前記金属蒸着膜上に電
    着膜を形成する電着工程と、 前記電着膜に熱処理を施して高分子薄膜にする熱処理工
    程と、 前記蒸着工程,電着工程および熱処理工程を繰り返すこ
    とにより、前記基板上に前記金属蒸着膜と前記高分子薄
    膜とを交互に積層した積層膜を形成する工程と、 酸またはアルカリ溶液により前記基板と接した金属蒸着
    膜を溶解して前記基板を剥離する基板除去工程とを含む
    ことを特徴とするコンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 基板として高分子フィルムを用い、基板
    除去工程において、前記基板と接した金属蒸着膜を溶解
    する代わりに、前記高分子フィルムの基板を溶解するこ
    とを特徴とする請求項3記載のコンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 金属蒸着膜および高分子薄膜の積層膜を
    形成した後、外装を施し、その後で基板除去工程を行う
    ことを特徴とする請求項3または4記載のコンデンサの
    製造方法。
JP9156901A 1997-06-13 1997-06-13 高分子薄膜の製造方法とコンデンサの製造方法 Pending JPH118153A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005057597A1 (ja) 2003-12-10 2005-06-23 Eamex Corporation 蓄電素子および蓄電素子の製造方法
US20170076871A1 (en) * 2015-09-16 2017-03-16 Cardiac Pacemakers, Inc. Assembly techiniques for sintered anodes and cathodes
WO2023048157A1 (ja) * 2021-09-22 2023-03-30 国立大学法人大阪大学 剛直高分子成形体および剛直高分子成形体の製造方法

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