JP2811915B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、コンデンサ特性とりわけ周波数特性ならび
に高温・高湿下における信頼性特性の優れた固体電解コ
ンデンサ、とりわけ固体電解質として導電性高分子を用
いる固体電解コンデンサの製造方法に関するものであ
る。
従来の技術 近年、電気機器のデジタル化に伴って、コンデンサも
小型大容量で高周波領域でのインピーダンスの低いもの
が要求されている。従来、高周波領域で使用されるコン
デンサにはプラスチックコンデンサ、マイカコンデン
サ、積層セラミックコンデンサがあるが、これらのコン
デンサでは形状が大きくなり大容量化が難しい。一方、
大容量コンデンサとしてはアルミニウム乾式電解コンデ
ンサ、あるいはアルミニウムまたはタンタル固体電解コ
ンデンサ等の電解コンデンサがある。これらのコンデン
サでは誘電体となる酸化皮膜は極めて薄いために大容量
が実現できるのであるが、一方、酸化皮膜の損傷が起こ
り易いためにそれを修復するための電解質を陰極との間
に設ける必要がある。アルミニウム乾式コンデンサで
は、エッチングを施した陽、陰極アルミニウム箔をセパ
レータを介して巻取り、液状の電解質をセパレータに含
浸して用いている。この液状電解質はイオン伝導性で比
抵抗が大きいため、損失が大きくインピーダンスの周波
数特性、温度特性が著しく劣る。さらに加えて液漏れ、
蒸発等が避けられず、時間経過と共に容量の減少及び損
失の増加が起こるといった問題を抱えていた。またタン
タル固体電解コンデンサでは二酸化マンガンを電解質と
して用いているため、温度特性および容量、損失等の経
時変化の問題は改善されるが、二酸化マンガンの比抵抗
が比較的高いため損失、インピーダンスの周波数特性が
積層セラミックコンデンサあるいはフィルムコンデンサ
と比較して劣っている。
これに対し、最近、固体電解質として二酸化マンガン
の代わりに、導電性が高く、陽極酸化性の優れた有機半
導体、7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタンコンプレッ
クス塩(以下「TCNQ塩」と略す)、を用いることが提案
されている。同一出願人らによる発明(特公昭56−1077
7号公報)および丹羽信一氏による発明(特開昭58−176
09号公報)に公表されているように、このようにTCNQ塩
を用いたアルミニウム固体電解コンデンサでは、周波数
特性および温度特性が著しく改良され、低い漏れ電流特
性が達成されている。また、TCNQ塩は有機物の導電材料
としては、熱的な安定性に優れているため、得られたコ
ンデンサの高温寿命も従来の乾式電解コンデンサのそれ
をはるかに凌ぐとされている。さらに近年、ピロール、
チオフェンなどの複素環式のモノマーを支持電解質を用
いて電解重合することにより、支持電解質のアニオンを
ドーパントとして含む高導電性の高分子を陽極体上に形
成し、これを電解質として用いる固体電解コンデンサが
提案されている(特開昭60−37114号公報、特開昭60−2
44017号公報)。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、電解重合法によれば、モノマーの電解
酸化により陽極表面に高分子を形成することができる
が、酸化皮膜を有するために絶縁化されている誘電体表
面には皮膜を破壊することなく電解重合高分子を形成す
ることは困難であった。また、一部酸化皮膜を破壊して
電解重合を行ったとしても、その成長速度を大きくする
ことは困難で全面を被覆するためには長時間を要する。
さらに表面がエッチング等により拡大されているコンデ
ンサ陽極上に、上述のように一部に設けた酸化皮膜破壊
部から電解重合膜を成長させた場合、その成長がエッチ
ピットの内部まで及ばないため、容量達成率の高いコン
デンサを得ることは困難であった。
一方、酸化皮膜形成前の弁金属表面を電解重合高分子
で被覆し、その後陽極酸化により酸化皮膜を形成するこ
とも不可能でないが、この場合、電解重合膜を介しての
化学反応を行うことになるので、電解重合膜の変質を来
したり、弁金属表面との密着性の低下が生じ、良好な特
性のコンデンサを得ることは困難であった。
このため酸化皮膜を有する弁金属表面に外部から重合
開始用の電極を接触させて、これを介して電解重合膜を
形成する試みがなされたが、この場合は重合開始電極の
接触による酸化皮膜の損傷が起こる、あるいは重合膜形
成後重合開始電極を引き離す際重合膜の剥離が起こるた
め、漏れ電流特性及び耐圧の低下が避けられないという
問題があった。また電解重合電極を弁金属近傍に近接し
て設けることによっても電解重合膜が電解重合電極から
成長し、弁金属に接触するため電解重合膜の形成は可能
であるが、この場合、重合終了後電解重合電極を引き剥
す際に重合膜が一部弁金属から剥離するため、漏れ電流
の増加及び耐圧の低下は避けられなかった。
エッチングが施されたコンデンサ陽極の場合これに加
えて、エッチピット内部まで電解重合膜を形成すること
は、酸化皮膜を破壊して電解重合を行った場合と同様困
難であるため、容量達成率の高いコンデンサを実現する
ことは困難であった。
本発明は上記課題を解決するもので、酸化皮膜の損傷
が防止され、漏れ電流及び耐圧特性に優れ、かつ電解重
合高分子による被覆が容易で高被覆率の高分子皮膜が得
られ、容量及び損失にも優れた固体電解コンデンサを実
現できる製造方法の提供を目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するもので、請求項1に代表
的に記載されるように、表面に誘電体層、導電層及び電
気絶縁性物質が順次形成された弁金属を電解重合液中に
浸漬して、前記表面に電気絶縁性物質を介して設けられ
た電解重合用の第一の電極と、前記第一の電極と離隔し
た位置に設けられた重合用第二の電極との間に電位を印
加して、前記表面に重合膜を形成する固体電解コンデン
サの製造方法に代表される。
作 用 本発明は、酸化皮膜を有する弁金属の酸化皮膜表面に
導電層を設け、この導電層に電気絶縁物質を介して電解
重合用の電極を接触させ、電位を印加することにより、
電解重合高分子による被覆を行うようにしたものであ
る。これにより電解重合終了後重合用電極を引き剥す
際、電解重合膜が一部弁金属表面から剥離し、ショート
不良発生あるいは漏れ電流が大きくなるのを防止でき
る。さらに電気絶縁性材料が高分子材料のように比較的
軟質な材料の場合、酸化物と導電層が形成された弁金属
と電解重合用電極が硬質な金属同士直接接触するのを回
避できるため、誘電体となる酸化皮膜の損傷防止効果も
得られ、漏れ電流が小さくかつ耐圧の高い固体電解コン
デンサが実現できる。これは比較的滑らかな表面の電気
絶縁性物質表面には電解重合膜が比較的容易に成長する
ことを発明者らが新たに見出した事実に基づくものであ
る。電解重合用電極接触部分から酸化皮膜と導電層を設
けた弁金属が露出していて部分までの間の電気絶縁性物
質に覆われた部分の距離を短くすれば、それを介さない
場合と実質的に変わらない時間で全面に電解重合膜の形
成が可能である。電気絶縁性物質を酸化皮膜と導電層を
形成した弁金属を表裏に渡って2つに仕切るように、さ
らに電解重合液面の上下に渡るように配置すれば、エッ
チング等の手段で弁金属表面が拡大されている場合、重
合液が毛管現象で染み上がり、電解重合膜が形成されて
いる部分とそうでない部分の境界が不明確になることを
防止することができる。これにより、上述の場合とは異
なる理由により発生するショート不良あるいは漏れ電流
を小さくすることができる。電解重合用電極接触部分か
ら酸化皮膜と導電層を設けた弁金属が露出している部分
までの間の電気絶縁性物質に覆われた部分の距離を短く
すれば、それを介さない場合と実質的に変わらない時間
で全面に電解重合膜の形成が可能である。電気絶縁性物
質は電解重合溶液に実質的に溶解しないものであればど
のようなものでも使用できるが、高分子材料が弁金属表
面に形成された酸化皮膜の損傷防止効果が特に大きいた
め好適である。高分子材料の中でも縮合系の高分子の場
合重合膜の成長速度が大きくさらに好適であり、またそ
の中でもポリイミドが優れた耐熱性も有しているためこ
とさら好適である。電気絶縁性物質の介在のさせ方はど
のような方法でも可能であり、酸化皮膜と導電層を形成
した弁金属表面に貼付するほか電解重合用電極表面に配
置させて用いることもできる。
酸化皮膜上に導電層を設けているため、これを介して
表面方向に容易に電解重合を成長させることが可能であ
り、特にエッチングにより拡面化された弁金属を用いる
場合、エッチピットの内部にまで電解重合膜を形成させ
ることが可能であり、容量達成率の高いコンデンサが容
易に得られる。導電層はどのような材質のものでも用い
られるが、好適には熱分解マンガン酸化物がエッチング
された弁金属のエッチピット内部まで薄い導電層が形成
可能なため使用される。電極形状による限定はないが、
好適にはエッチング等により表面積が拡大されたものが
用いられる。
実施例 以下本発明の実施例について図を用いて説明する。第
1図は本発明にかかる高分子フィルムを貼付した1実施
例を示すコンデンサ陽極箔の断面図である。第2図は本
発明にかかる電解重合を行う装置の1実施例を示す断面
図である。
実施例1 第1図に示すように弁金属6として8×10mmのアルミ
ニウムエッチド箔を用い、この箔に陽極リード7を取り
付け、3%アジビン酸アンモニウム水溶液を用い、約70
℃で35V印加して陽極酸化により誘電体皮膜5を形成
後、硝酸マンガン30%水溶液に浸しさらに250℃で10分
加熱し、熱分解マンガン酸化物を導電層4として表面に
付着させて陽極を作製した。この陽極箔に第1図に示す
ように幅1mmの厚さ約25μmのカプトン(ポリイミドフ
ィルム)からなる高分子フィルム1を両面に渡って貼着
した。その後第2図に示すようにステンレス製の電解重
合用第1電極2を高分子フィルム1上に接触させ、ピロ
ール(0.3M)、p−トルエンスルフォン酸ナトリウム
(0.15M)水からなる電解液8に浸し、電解重合用第一
電極2と離隔して設けた電解重合用第二の電極3の間に
3Vの電圧を印加してポリピロールにナフタレンスフォン
酸アニオンがドープされた電解重合膜(図示せず)を導
電層4上に形成した。9は電解重合槽である。全面被覆
に要した時間を第1表に示す。
電解重合用第一電極2を取り外し水を用いて洗浄し乾
燥後、電解重合膜上にカーボンペーストと銀ペーストを
塗布して陰極リードを取り出し、コンデンサ素子を完成
させた。これをエポキシ樹脂で外装封止して10個のコン
デンサを完成させた。13Vでエージングを行った後の、1
20Hzにおける容量、120Hzにおける損失、漏れ電流、耐
圧の平均値を第1表に示す。比較例1、2の結果との比
較から明らかなように、本発明によるコンデンサは極め
て優れた特性を有することが実証された。
比較例1 マンガン酸化物を設けずかつカプトン片を貼付せずに
陽極箔と電解重合用電極を直接接触させた以外、実施例
1と同様にして10個のコンデンサを作製し、実施例1と
同様の評価を行った。その結果を第1表に示す。電解重
合膜による全面被覆に極めて長い時間を要し、得られた
コンデンサの容量及び損失が実施例1により得られたコ
ンデンサより大幅に劣っていることが示され、さらに、
漏れ電流及び耐圧特性も低いことが示される。以上から
酸化皮膜を形成した陽極弁金属表面に導電層を設け、さ
らに電解重合用電極と電解重合膜で被覆される陰極の間
に高分子フィルムを介在させる本発明の効果が明らかで
ある。
なお、マンガン酸化物層を酸化皮膜表面に設けない以
外、実施例1と同様の条件でもコンデンサを作製した。
この場合耐圧及び漏れ電流特性は実施例1と同等であっ
たが、容量及び損失は比較例1の場合と同様劣るもので
あった。
なお、カプトン片を介さずに電解重合電極を接触させ
た以外、実施例1と同様の条件でもコンデンサを作製し
た。この場合容量及び耐圧は耐圧及び漏れ電流特性は実
施例1と同等であったが、漏れ電流及び耐圧特性は比較
例1の場合と同様劣るものであった。
実施例2 実施例1のカプトンに代えて同寸法の石英ガラス片を
貼付した以外、実施例1と同様にしてコンデンサを10個
作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を第
1表に示す。容量、損失、漏れ電流及び耐圧は比較例1
の場合よりも優れていることが明らかであり、本発明の
効果が実証された。
実施例3 実施例1のカプトンに代えて厚さ約100μmのポリエ
ステルを貼付した以外、実施例1と同様にしてコンデン
サを10個作製し、実施例1と同様の評価を行った。その
結果を第1表に示す。容量、損失、漏れ電流及び耐圧は
比較例1の場合よりも優れていることが明らかであり、
本発明の効果が実証された。
実施例4 実施例1のカプトンに代えて厚さ25μmのポリフェニ
レンサルファイドフィルムを貼付した以外実施例1と同
様にしコンデンサを10個作製し、実施例1と同様の評価
を行った。その結果を第1表に示す。容量、損失、漏れ
電流及び耐圧は比較例1の場合よりも優れていることが
明らかであり、本発明の効果が実証された。
実施例5 実施例1のカプトンに代えて厚さ25μmのポリアミド
フィルムを貼付した以外、実施例1と同様にしてコンデ
ンサを10個作製し、実施例1と同様の評価を行った。そ
の結果を第1表に示す。電解重合による全面被覆に要す
る時間が実施例1よりも短縮され、容量、損失、漏れ電
流及耐圧は低華麗1の場合よりも優れていることが明ら
かであり、本発明の効果が実証された。
実施例6 実施例1の電解重合電極をカプトン上に接触させる代
わりに、1、2、3mmと近接させてそれぞれ設けた以
外、実施例1と同様にしてコンデンサを10個ずつ作製
し、その結果を第1表に示す。電解重合膜による全面被
覆に要する時間は電解重合電極とカプトンの間の距離と
共に長くなる傾向が見られるが、2mm以下の場合が実質
的にコンデンサの製作上好ましく結果を得た。なお、コ
ンデンサ特性は電解重合電極の近接距離とは関係なく実
施例1と同様優れたものであった。
実施例7 実施例1の支持電解質p−トルエンスルフォン酸ナト
リウムに代えて、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、n
−ブチルリン酸エステル(NBP)、モノブチルナフタレ
ンスルフォン酸ナトリウム(SMBNS)、トリイソプロピ
ルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(STIPNS)をそれ
ぞれ用いた以外、実施例1と同様にして10個ずつコンデ
ンサを作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を第1表に示す。電解重合による全面被覆に要する時
間が実施例1とほぼ同様で、容量、損失、漏れ電流及び
耐圧は比較例1の場合よりも優れていることが明らかで
あり、本発明の効果が実証された。
実施例8 実施例1のモノマーピロールをチオフェンに、支持電
解質p−トルエンスルフォン酸ナトリウムをテトラエチ
ルアンモニウムに、溶媒水アセトニトリルにそれぞれ代
えて用いた以外、実施例1と同様にして10個のコンデン
サを作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果
を第1表に示す。電解重合による全面被覆に要する時間
が実施例1とほぼ同様で、容量、損失、漏れ電流及び耐
圧は比較例1の場合よりも優れていることが明らかであ
り、本発明の効果が実証された。
実施例9 エンボス加工後、10%リン酸水溶液を用いて約90℃で
35Vを印加した陽極酸化を行ったタンタル箔を用いた以
外、実施例1と同様にしてコンデンサを10個作製し、実
施例1と同様の評価を行った。その結果を第1表に示
す。
比較例2との比較から明らかなように、本実施例のコ
ンデンサは容量、損失、漏れ電流、耐圧特性に優れてい
ることが示され、本発明の効果が実証された。
比較例2 マンガン酸化物層を設けずかつカプトン箔を貼付せず
に、陽極箔と電解重合用電極を直接接触させた以外、実
施例9と同様にして10個のコンデンサを作製し、実施例
1と同様の評価を行った。その結果を第1表に示す。電
解重合膜による全面被覆に極めて長い時間を要し、得ら
れたコンデンサの容量及び損失が実施例1により得られ
たコンデンサより大幅に劣っていることが示され、さら
に、漏れ電流及び耐圧特性も低いことが示される。以上
から酸化皮膜を形成した陽極弁金属方面に導電層を設
け、さらに電解重合用電極と電解重合膜で被覆される陽
極の間に高分子フィルムを介在させる本発明の効果が明
らかである。
なお、実施例では導電層として、熱分解マンガン酸化
物を用いた場合についてのみ述べたが、そのほかの導電
性材料を用いて導電層を形成してもよく、この種類に本
発明は限定されない。
なお、実施例では1mm幅の電気絶縁材料を電極箔表裏
に渡って貼付した場合についてのみ述べたが、一方の側
のみでもよく、またコンデンサ電極の全幅に渡らない場
合でもよく、電気絶縁材料の形状に本発明は限定されな
い。
なお、実施例では厚さが25〜100μmの電気絶縁材料
を用いた場合についてのみ述べたが、これ以外の厚さの
ものでもよく、本発明はその厚さに限定されない。
なお、実施例ではフィルム状の電気絶縁材料を貼付し
て用いた場合について述べたが、蒸着あるいはスパッタ
等を用いて形成することもでき、本発明はその形成法に
限定されない。
なお、実施例ではピロール及びチオフェンを用いた場
合について述べたが、置換基が誘導されたものを用いる
こともでき、またそれらを混合して用いることも可能で
あり、本発明はその種類に限定されない。
発明の効果 以上要するに本発明は、表面に誘電体層、導電層及び
電気絶縁性物質が順次形成された弁金属を電解重合液中
に浸漬して、その表面に電気絶縁性物質を介して設けら
れた電解重合用の第一の電極と、第一の電極と離隔した
位置に設けられた重合用第二の電極の間に電位を印加し
て、弁金属の表面に重合膜を形成するものであり、電気
絶縁材料を介在させて電解重合用電極を配置させている
ため、誘電体となる酸化皮膜の損傷と電解重合電極引き
剥し時の弁金属表面からの電解重合膜の剥離が防止さ
れ、漏れ電流及び耐圧特性等に優れ、さらに導電層をコ
ンデンサ電極表面に設けているため、電解重合高分子に
よる被覆が容易でかつ高い被覆率の高分子皮膜が得ら
れ、容量及び損失も優れた固体電解コンデンサを提供で
きる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における高分子フィルムを貼
付したコンデンサ陽極箔の断面図、第2図は本発明にか
かる電解重合を行う装置の一実施例を示す断面図であ
る。 1……高分子フィルム、2……電解重合用第一電極、3
……電解重合用第二電極、4……導電層、5……誘電体
皮膜、6……弁金属、7……陽極リード、8……電解重
合用電解液、9……電解重合槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 利邦 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (72)発明者 小畑 康博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 尾崎 潤二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−105523(JP,A) 特開 昭63−158829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 9/028

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に誘電体層、導電層及び電気絶縁性物
    質が順次形成された弁金属を電解重合液中に浸漬して、
    前記表面に電気絶縁性物質を介して設けられた電解重合
    用の第一の電極と、前記第一の電極と離隔した位置に設
    けられた重合用第二の電極との間に電位を印加して、前
    記表面に重合膜を形成する固体電解コンデンサの製造方
    法。
  2. 【請求項2】電気絶縁性物質が高分子物質である請求項
    1記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】電解重合用の第一の電極が電気絶縁材料に
    接触または近接して設けられた請求項1記載の固体電解
    コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】導電層を、誘電体が形成された弁金属を硝
    酸マンガン水溶液に浸漬後200〜400℃で前記硝酸マンガ
    ンを熱分解して形成する請求項1記載の固体電解コンデ
    ンサの製造方法。
  5. 【請求項5】電解重合液が電解重合可能なモノマーと、
    支持電解質と溶媒とからなる請求項1記載の固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】電解可能なモノマーがピロールまたはチオ
    フェン、あるいはそれらの誘導体を少なくとも一種含む
    請求項5記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】弁金属がアルミニウム及びタンタルから選
    ばれる一種である請求項1〜6のいずれか記載の固体電
    解コンデンサの製造方法。
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