JPH1180729A - 岩盤固結用薬液 - Google Patents

岩盤固結用薬液

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JPH1180729A
JPH1180729A JP9250709A JP25070997A JPH1180729A JP H1180729 A JPH1180729 A JP H1180729A JP 9250709 A JP9250709 A JP 9250709A JP 25070997 A JP25070997 A JP 25070997A JP H1180729 A JPH1180729 A JP H1180729A
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liquid
chemical
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solution
rock
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JP9250709A
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English (en)
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Osamu Wakizaka
治 脇坂
Shinya Uda
信也 宇田
Yasuyuki Mitsutome
康幸 満留
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SHINKU KAGAKU KOGYO KK
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
SHINKU KAGAKU KOGYO KK
Sumitomo Riko Co Ltd
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発泡倍率が飛躍的に向上し、利用単価が低く、
全体として低コスト化を図ることができる岩盤固結用薬
液を提供する。 【解決手段】ケイ酸ソーダ水溶液を主成分とするA液
と、イソシアネート成分と反応性希釈剤を含有するB液
からなる岩盤固結用薬液である。そして、上記A液に2
−メチルイミダゾールを含有させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟弱な岩盤等を堅
固な岩盤等に改善する岩盤固結工法等に用いられる岩盤
固結用薬液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、軟弱な岩盤(地盤も含む)等
に穴を開けてトンネル工事を行う場合、トンネル切羽の
天盤の落下防止のため、トンネル切羽先端の天盤部に、
天盤のアーチに沿って孔を穿設し、この孔内に二液硬化
型の薬液を注入して岩盤に浸透させ硬化させることによ
り強化することが行われている。このような二液硬化型
の薬液としては、ポリオール成分を主成分とするA液
と、ポリイソシアネート成分を主成分とするB液とを組
み合わせ、ポリオール成分の−OHとポリイソシアネー
ト成分の−NCOとを反応させて発泡ウレタン樹脂を生
成するようにしたウレタン系岩盤固結用薬液が使用され
ている。しかし、上記発泡ウレタン樹脂は燃えやすいた
め、作業環境の安全確保の観点から、難燃性のものが望
まれている。
【0003】そこで、ケイ酸ソーダ水溶液を主成分とす
るA液と、ポリイソシアネート成分と反応性希釈剤を含
有するB液からなる岩盤固結用薬液(特開平4−283
290号公報)や、上記A液にさらにポリオール成分を
含有させた岩盤固結用薬液(特開平6−207174号
公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−207174号公報等に記載の岩盤固結用薬液
は、発泡倍率が2〜3倍程度と低く、所定の固結領域を
得るには大量の薬液が必要となり、その結果、利用単価
が高く、全体としてコストが高くなるという問題があ
る。このように、発泡倍率が高く、利用単価が低く、全
体として低コストである岩盤固結用薬液は未だ得られて
いないのが実情であり、このような岩盤固結用薬液の開
発が待望されている。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、発泡倍率が飛躍的に向上し、利用単価が低く、
全体として低コスト化を図ることができる岩盤固結用薬
液の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の岩盤固結用薬液は、ケイ酸ソーダ水溶液を
主成分とするA液と、イソシアネート成分と反応性希釈
剤を含有するB液からなる岩盤固結用薬液であって、上
記A液に2−メチルイミダゾールを含有させるという構
成をとる。
【0007】本発明者らは、発泡倍率が飛躍的に向上
し、利用単価が低く、全体として低コスト化を図ること
ができる岩盤固結用薬液を得るべく鋭意研究を重ねた。
その結果、A液としてケイ酸ソーダ水溶液を用い、か
つ、B液としてイソシアネート成分と反応性希釈剤を用
いる薬液において、A液としてケイ酸ソーダ水溶液とと
もに2−メチルイミダゾールを用いると、発泡倍率が飛
躍的に向上(約10倍以上)し、少量の薬液で所定の固
結領域が得られるため、薬液の利用単価が下がり、全体
として低コスト化を図ることができることを見出し本発
明を完成するに至った。このように、ケイ酸ソーダ水溶
液を主成分とするA液に2−メチルイミダゾールを含有
させると発泡倍率が飛躍的に向上する理由については必
ずしも明らかではないが、本発明者らの推測によればつ
ぎのように考えられる。すなわち、ケイ酸ソーダ水溶液
は多量の水を含んでおり、この水が樹脂、発泡剤になる
が、上記2−メチルイミダゾールは、通常使用される3
級アミンに比べ樹脂化と泡化の反応のバランスに優れ、
この2−メチルイミダゾールが水による急激な泡化を抑
制(マイルド)するためであると考えられる。
【0008】そして、上記特殊なA液にさらにポリオー
ル成分を含有させると、硬化体の強度がより一層向上す
ることを突き止めた。また、上記B液にさらにアルキル
ベンゼン系化合物を含有させると、粘度が低下し浸透性
がより一層向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0010】本発明の岩盤固結用薬液は、特殊なA液と
B液を用いて得られる。
【0011】上記特殊なA液は、ケイ酸ソーダ水溶液
(水ガラス)を主成分とするとともに、2−メチルイミ
ダゾールを含有する。なお、ケイ酸ソーダ水溶液を主成
分とするとは、A液全体中にケイ酸ソーダ水溶液を30
重量%(以下「%」と略す)以上含有していることを意
味し、難燃性を考慮すれば、ケイ酸ソーダ水溶液を60
%以上含有していることが好ましい。
【0012】上記ケイ酸ソーダ水溶液とともに用いられ
る2−メチルイミダゾールは、発泡倍率を向上させるた
めに用いられる。上記2−メチルイミダゾールの配合割
合は、A液全体に対して0.3〜5%の範囲に設定する
ことが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0%の範
囲である。すなわち、2−メチルイミダゾールの配合割
合が0.3%未満であると発泡倍率の向上効果が少なく
なり、5%を超えると、反応性が早くなり浸透性が低下
する傾向がみられるとともに、コストが高くなりすぎる
からである。
【0013】上記特殊なA液には、ケイ酸ソーダ水溶液
および2−メチルイミダゾールに加えて、さらにポリオ
ール成分を配合することもできる。
【0014】上記ポリオール成分としては、例えばポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシレ
ングリコール、ヒマシ油等のアルキレングリコール等が
あげられる。また、グリセリン、ソルビトール、蔗糖、
エチレンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン等の多官能性の活性水素化合物を基剤としてこ
れらを単独でもしくは2種以上併せて用いた化合物に、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキ
レンオキサイドを開環重合させたポリエーテルポリオー
ルがあげられる。
【0015】上記ポリオール成分の配合割合は、A液全
体に対して2〜38%の範囲に設定することが好まし
く、特に好ましくは5〜20%の範囲である。
【0016】前記ケイ酸ソーダ水溶液および2−メチル
イミダゾール、必要に応じてポリオール成分を含有する
A液の粘度は、100cps(25℃)以下に設定する
ことが好ましく、特に好ましくは30〜80cps(2
5℃)の範囲である。
【0017】上記特殊なA液は固形分濃度が20%以上
となるよう設定することが好ましく、特に好ましくは2
5〜40%の範囲である。
【0018】一方、上記A液とともに用いられるB液
は、イソシアネート成分と反応性希釈剤を含有する。
【0019】上記イソシアネート成分としては、イソシ
アネート基を2つ以上有するポリイソシアネートが好ま
しく、例えばジフェニルメタン−4,4′−ジイソシア
ネート(MDI)、ポリメチレン・ポリフェニル・ポリ
イソシアネート(ポリメリックMDI,クルードMD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0020】上記イソシアネート成分の配合割合は、B
液全体に対して60%以上に設定することが好ましく、
得られる硬化体の強度を考慮すれば80%以上に設定す
ることが特に好ましい。
【0021】上記イソシアネート成分とともに用いられ
る反応性希釈剤は、上記イソシアネート成分の希釈剤と
して用いられ、イソシアネート成分の減粘や貯蔵安定性
に優れる一方、イソシアネート成分のイソシアネート基
とは反応せずに、前記A液中のケイ酸ソーダ水溶液と接
触させると直ちに反応して硬化する液が選ばれる。この
ような反応性希釈剤としては、エステル系またはエーテ
ル系の反応性希釈剤が好ましく、具体的には低分子量二
塩基酸のジエステル類、一価または多価アルコール類の
酢酸エステル類、アルキレンカーボネート類、エーテル
類、環状エステル類、酸無水物、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等があげられる。
【0022】上記低分子量二塩基酸のジエステル類とし
ては、例えばグルタール酸、コハク酸、アジピン酸、マ
ロン酸、シュウ酸、ピメリン酸等のジメチルエステル、
ジエチルエステル等のジアルキルエステル等があげられ
る。
【0023】前記一価または多価アルコール類の酢酸エ
ステル類としては、例えばメチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールメ
チルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル等のグリコールエーテル類のアセテート、3−メトキ
シブチルアルコール、3−メチル−3−メトキシブチル
アルコール等のアルコキシアルキルアルコール類のアセ
テート、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール等のグリコール類のジアセテー
ト等があげられる。
【0024】前記アルキレンカーボネート類としては、
例えばプロピレンカーボネート、各種希釈剤に溶解した
液状エチレンカーボネート等があげられる。
【0025】前記エーテル類としては、例えばテトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、脱水ヒマシ油等の環状エーテ
ル等があげられる。
【0026】前記環状エステル類としては、例えばγ−
ブチルラクトン等のラクトン類、ε−カプロラクタム等
のラクタム類等があげられる。
【0027】前記酸無水物としては、例えば無水プロピ
オン酸、無水酪酸、無水マレイン酸等があげられる。
【0028】前記アクリル酸エステルとしては、例えば
アクリル酸とアルキル(メチル、エチル、ブチル等)と
のアルキルエステル、アクリル酸とアルコール類(エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、平均分子量1
00〜1000のポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量10
0〜1000のポリプロピレングリコール、平均分子量
100〜5000のエチレンオキシド、プロピレンオキ
シド共重合ジオール、トリオール等)とのエステル等が
あげられる。
【0029】前記メタクリル酸エステルとしては、例え
ばメタクリル酸と上記アルキルとのアルキルエステル、
メタクリル酸と上記アルコール類とのエステル等があげ
られる。
【0030】これら反応性希釈剤の配合割合は、B液全
体に対して1〜40%の範囲に設定することが好まし
く、特に好ましくは3〜15%の範囲である。すなわ
ち、反応性希釈剤の配合割合が1%未満であると反応性
希釈剤の効果が得られなくなり、40%を超えると得ら
れる硬化体の強度が低下するからである。
【0031】上記B液には、イソシアネート成分および
反応性希釈剤に加えて、さらにアルキルベンゼン系化合
物を配合することもできる。上記アルキルベンゼン系化
合物としては、例えばメチルベンゼン(トルエン)、エ
チルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン(イソプロピ
ルベンゼン)、シメン、ブチルベンゼン、アミルベンゼ
ン、ジメチルベンゼン(キシレン)、トリメチルベンゼ
ン、テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、ヘ
キサメチルベンゼン等があげられる。これらは単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。なかでも、一般式C
6 5 ・Cn 2n+1(n=9〜16)で表される分岐型
のアルキルベンゼン系化合物が特に好ましい。
【0032】上記アルキルベンゼン系化合物の配合割合
は、B液全体に対して20%以下に設定することが好ま
しく、特に好ましくは5〜10%の範囲である。
【0033】前記イソシアネート成分および反応性希釈
剤、必要に応じてアルキルベンゼン系化合物を含有する
B液の粘度は、100cps(25℃)以下に設定する
ことが好ましく、特に好ましくは60〜80cps(2
5℃)の範囲である。
【0034】本発明の岩盤固結用薬液は、前記特殊なA
液とB液とを組み合わせたものであり、使用時には両者
は混合される。両者の混合比(重量比)は、A液/B液
=1/0.5〜1/5の範囲になるよう設定することが
好ましく、特に好ましくはA液/B液=1/0.8〜1
/2の範囲である。
【0035】上記岩盤固結用薬液は、例えばつぎのよう
にして岩盤固結に用いられる。すなわち、まず、薬液圧
入に先立ち、トンネル切羽先端の天蓋部8に、天蓋に沿
って所定間隔で、図1に示すように、ジャンボドリル等
の削岩機21によって孔22を穿設する(水平面から上
向きに10〜20°の角度に穿設することが好まし
い)。そして、上記孔22内に、図2に示す中空パイプ
状のロツクボルトを挿入する。このロックボルトは、先
端閉鎖型中空パイプからなるパッカー部1と、中空のロ
ックボルト本体2とを、ねじ継手3で連結してなり、外
径27mm、内径14mmで全長Aが略3m、パッカー
部1の長さBが1m、ロックボルト本体2の長さCが2
mに設定されている。そして、上記パッカー部1の先端
部の外周に直径5mmの薬液吐出孔4が10個形成され
ている。なお、パッカー部1内には、静止ミキサー5
が、その根元側リング部6をパッカー部1内の段部1a
に固定した状態で挿入されている。また、7は逆止弁付
継手で、通常は除かれており薬液注入時にら合される。
つぎに、孔22に挿入されたロックボルトのロックボル
ト本体2の後端に、図3に示すように、打ち込み用アダ
プター23を取り付けて削岩機,コールビック24等で
打ち込み、ついで打ち込まれたロックボルトの後端に、
図4に示すように逆止弁付継手25を取り付け、これ
に、接続ユニット10付ホース11を、その接続ユニッ
ト10を逆止弁付継手25にワンタッチで装着すること
により取り付ける。ついで、そのホース11から、本発
明の岩盤固結用薬液であるA液およびB液をロックボル
ト内に3〜10kg/cm2 の圧力で圧入する。このよ
うにして圧入されたA液およびB液は、ねじ継手3まで
は互いに層流状態で到達し、パッカー部1に到達した以
降は、静止ミキサー5(図2参照)により混合され、そ
の状態でロックボルト先端の薬液吐出孔4から吐出され
る。この場合、最初に吐出された混合液は、孔22の奥
側から手前開口に向かって流れ、開口から流出する。こ
れを防止するため、岩盤固結用薬液を圧入する前に発泡
硬化型のウレタン系薬液をウエス等40に塗布し、図1
2に示すように、開口近傍に押し込んでシールしておく
ことが好ましい。そして、上記吐出された混合液が周辺
地山にゆきわたり完全に硬化すると、ウレタン圧入ポン
プの圧力が急に高くなるため、薬液の圧入を停止し、接
続ユニット10を外す。このようにしてロックボルトが
孔22内に固定され、かつ孔22の周囲の岩盤(地山)
が硬化樹脂で固結される(図5)。このようにして岩盤
固結が行われる。26は得られた固結領域である。その
結果、図6に示すように、複数のロックボルトとそれぞ
れの周囲の固結領域26との相乗効果により天蓋部8全
体の補強が行われる。
【0036】また、上記岩盤固結用薬液は、図7および
図8に示す自穿孔タイプのロックボルトを使用して圧入
することができる。このロックボルトは、パッカー部1
およびロックボルト本体2をねじ継手で連結することに
より構成されているが、パッカー部1の先端が開放され
ており、この開放部にドリル部(図8参照)13を嵌合
して構成されている。このドリル部13は、先端の端面
に4枚の刃14が円周方向に90°間隔で設けられてお
り、端面の中央部に中心孔15が形成されているととも
に、刃と刃の間にそれぞれ外周孔16が形成されてい
る。なお、逆止弁付継手は、薬液圧入時にロックボルト
本体2の後端にねじ結合される。上記ロックボルトを用
いて薬液を圧入するときは、図9に示すように、ロック
ボルトを削岩機28にドリルとして取り付け、孔穿設時
に、水(エアー)供給配管29からロックボルト内に水
等を圧入してロックボルトの刃が削り出す土,砂等を、
孔22の外部に排出しながら孔22の穿孔を行う。この
ように、ロックボルトをドリルとして使用して孔を形成
し、その孔の中にロックボルトを残し、ついでロックボ
ルト後端に逆止弁付継手25を接続し、図10に示すよ
うに、接続ユニット10付ホース11をワンタッチで接
続し、岩盤固結用薬液のA液およびB液を注入し、ロッ
クボルト先端の刃部に設けられた中心孔15,外周孔1
6から吐出させ、打ち込みタイプと同様にして岩盤固結
(図11参照)を行う。このようにして、天蓋部8のア
ーチに沿って所定間隔でロックボルトが打ち込まれ、そ
の周囲にウレタン樹脂による固結領域26が形成され天
蓋部8の補強がなされる。
【0037】なお、本発明の岩盤固結用薬液は、上述の
ように不安定な地山(地盤,岩盤等を含む)を安定した
地山に改良する地山改良に際して、特に崩れやすいトン
ネルの切羽の安定補強工法に用いるのが好ましいが、こ
れ以外にもロックボルトの定着剤、法面のボルト定着剤
等に使用することができる。
【0038】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0039】
【実施例1〜10、比較例1,2】下記の表1〜表3に
示すA液およびB液の各成分を同表に示す割合で配合
し、岩盤固結用薬液のA液およびB液を調製した。そし
て、使用時には、A液およびB液を同表に示す割合で混
合して岩盤固結用薬液として用いた。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】このようにして得られた実施例品および比
較例品の薬液を用いて、下記の基準に従い、硬化時間、
浸透性、硬化体強度および発泡倍率について比較評価を
行った。これらの結果を後記の表4〜表6に併せて示し
た。
【0044】〔硬化時間〕A液とB液を混合して発泡反
応が終了し、強度が発生するまで時間(秒)を測定し
た。
【0045】〔浸透性〕直径40mmの筒状の容器に4
号珪砂を270g充填し、これに薬液を50g注型した
時の薬液の浸透距離を測定した。そして、浸透距離が5
cm以上の場合を○、反応が早過ぎて発泡する前に樹脂
が固まる傾向がみられるものを△として表示した。
【0046】〔硬化体強度〕上記浸透性の評価で作製し
たサンプルを用いて一軸圧縮強度を測定した。そして、
一軸圧縮強度が50kgf/cm2 未満の場合を×、5
0kgf/cm2 以上で70kgf/cm2 未満の場合
を△、70kgf/cm2 以上の場合を○として表示し
た。
【0047】〔発泡倍率〕薬液を所定量反応させたとき
に膨張する体積から発泡倍率を求めた。すなわち、薬液
を50gづつ計量し、これを1リットルのディスカップ
にとり、所定時間攪拌し反応させた。そして、反応終了
後の体積を測定し、発泡倍率を求めた。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】上記表4〜表6の結果から、実施例品の薬
液は、硬化時間および浸透性においては比較例品の薬液
と同程度であるが、硬化体強度に優れるとともに、発泡
倍率が著しく向上していることがわかる。なお、実施例
4品の薬液は、水ガラスの配合割合が他の実施例品に比
べて少ないため、他の実施例品よりも難燃性が多少劣る
傾向がみられるが、岩盤固結用薬液としての使用には何
ら問題はない。これに対して、比較例品の薬液は、いず
れも発泡倍率が著しく劣るとともに、比較例2品の薬液
は硬化体強度にも劣ることがわかる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の岩盤固結用薬液
は、ケイ酸ソーダ水溶液を主成分とするA液と、イソシ
アネート成分と反応性希釈剤を含有するB液からなり、
上記A液に2−メチルイミダゾールを含有させたもので
ある。そのため、上記A液に2−メチルイミダゾールの
使用により発泡倍率が飛躍的に向上(約10倍以上)
し、少量の薬液で所定の固結領域が得られるため、薬液
の利用単価が下がり、全体として低コスト化を図ること
ができる。
【0053】そして、上記特殊なA液にさらにポリオー
ル成分を含有させたものを用いるようにすると、硬化体
の強度がより一層向上するようになる。また、上記B液
にさらにアルキルベンゼン系化合物を含有させたものを
用いるようにすると、粘度が低下し浸透性がより一層向
上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】岩盤に孔を穿設する説明図である。
【図2】本発明の岩盤固結用薬液の圧入に用いる打ち込
みタイプのロックボルトの縦断面図である。
【図3】薬液の圧入方法の説明図である。
【図4】薬液の圧入方法の説明図である。
【図5】薬液の圧入方法の説明図である。
【図6】薬液圧入による施工後の天蓋部を眺めた状態図
である。
【図7】自穿孔タイプのロックボルトの縦断面図であ
る。
【図8】上記ロックボルトの要部拡大図である。
【図9】薬液の圧入方法の説明図である。
【図10】薬液の圧入方法の説明図である。
【図11】薬液の圧入方法の説明図である。
【図12】薬液の圧入方法の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09K 103:00 (72)発明者 満留 康幸 愛知県名古屋市西区鳥見町2丁目21番地 シンク化学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸ソーダ水溶液を主成分とするA液
    と、イソシアネート成分と反応性希釈剤を含有するB液
    からなる岩盤固結用薬液であって、上記A液に2−メチ
    ルイミダゾールを含有させたことを特徴とする岩盤固結
    用薬液。
  2. 【請求項2】 上記A液にさらにポリオール成分を含有
    させた請求項1記載の岩盤固結用薬液。
  3. 【請求項3】 上記B液にさらにアルキルベンゼン系化
    合物を含有させた請求項1または2記載の岩盤固結用薬
    液。
  4. 【請求項4】 発泡倍率が10倍以上である請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の岩盤固結用薬液。
JP9250709A 1997-09-16 1997-09-16 岩盤固結用薬液 Pending JPH1180729A (ja)

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JP9250709A JPH1180729A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 岩盤固結用薬液

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JP9250709A JPH1180729A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 岩盤固結用薬液

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JPH1180729A true JPH1180729A (ja) 1999-03-26

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JP9250709A Pending JPH1180729A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 岩盤固結用薬液

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JP (1) JPH1180729A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009527669A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 ミノーバ インターナショナル リミテッド 固定されたスタティックミキサを備える注入ボルト
WO2012013968A3 (en) * 2010-07-29 2012-10-11 Minova International Limited Resin system and rock anchor
JP2017145633A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 旭有機材株式会社 建設基礎用薬液

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