JP2017145633A - 建設基礎用薬液 - Google Patents

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Abstract

【課題】水ガラスとポリオールを必須成分として配合してなるA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液からなる建設基礎用薬液において、施工性に優れた薬液を提供すること。【解決手段】水ガラス及びポリオールを必須成分として配合してなるA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液とからなる建設基礎用薬液において、ポリオールとして、水酸基価が10〜600mgKOH/gであるポリエーテルポリオールを用いると共に、かかるA液に配合された水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、100〜200質量部の割合において、水が含有せしめられるようにし、且つそのようなA液には、実質的にアミン化合物が配合されていないようにした。【選択図】なし

Description

本発明は、土木・建築用建設資材などの幅広い分野で、脆弱な地盤や岩盤を堅固にするための地盤改良の際に用いられ、例えば架台や鋼材を固定するための基礎として用いることができる建設基礎用薬液に関するものである。
従来より、構造物の基礎地盤の改良や、脆弱な地盤や岩盤上に荷重強度の高い構造物を構築する場合や山留め壁の強化、さらに土留め及び止水等などの目的で、建設基礎用薬液による地盤改良が行われてきた。この地盤改良に用いることができる建設基礎用薬液としては、地盤性状などに対応して、適宜に選択されているが、比較的安価であることから、主にセメント系建設基礎用薬液が多用されている。
そして、そのようなセメント系建設基礎用薬液としては、例えば特許文献1に明らかにされているように、セメント系材料と、カルボン酸基及びスルホン酸基からなる群より選ばれる1種以上の官能基を有する高分子化合物及びその塩からなる群より選ばれる1種以上の粉末状高分子化合物とを含有する地盤改良用粉末状セメント組成物があり、現場計量に対する添加量管理を容易に行なうことができるために、液体状混和剤を後添加する時のように混練に煩雑さを伴わず、施工効率が向上するものであった。
しかしながら、セメント系建設基礎用薬液の欠点としては、流動性が高いうえに、固化時間の長さにより、施工後から固まるまでに数日を要するという問題や、湿度が高い環境や水の出るような環境では固まるのが更に遅くなったり、物性が低下したりするという問題や、特に雨天時などは施工が困難であり、施工時期が限定されるという問題がある。
また、上記の他にも、鋼材または長尺ボルトからなる補強材を、地盤または岩盤に定着させるため定着材用薬液を用いる方法などがあり、この定着材用薬液として、例えば特許文献2に記載されているような、水ガラスと第三級アミン触媒を必須成分とすると共に、更にグリセリンを必須成分とするA液と、ジフェニルメタンジイソシアネートを必須成分とするB液とからなる長尺ボルト定着材用薬液があり、そこでは、水ガラスと第三級アミン触媒を必須成分とするA液にグリセリンを配合することにより、水ガラスと第三級アミン触媒の相溶性が向上するため、A液の分離を抑制することが出来、安定した発泡倍率で安定した硬化物を得ることが出来るものであった。
しかしながら、トリエチレンジアミン等の、ウレタン化反応を強く促進する第三級アミン触媒を使用する場合において、その添加量が少な過ぎると、硬化までに時間がかかり過ぎ、またその添加量が多すぎると、反応の制御が難しく、基礎体内部の温度が高くなり、そのため激しい反応が起こり、危険であるという問題が惹起され、触媒量の調整が難しいという問題がある。また、前記定着材用薬液は、地盤に掘った長穴に長尺ボルトを配置せしめて、薬液で定着させるものであることから、比較的少量の薬液となるため、反応の制御は可能な範囲であるが、本発明のような建築基礎としての用途では、比較的大きな面積に多量に薬液を流し込むこととなるところから、反応の制御は困難となり、その反応により発生するガスによる内圧の上昇により、クラックの発生やフォームの破裂が生ずることとなったり、発泡倍率が高くなり、強度が低下したりするという問題があった。また、多量に第三級アミンを用いる場合には、薬液単体や硬化中に環境中にアミン触媒が揮発するため、周辺環境への悪影響や施工の際に作業環境を悪化させるという問題があった。
特開平11−256161号公報 特開2002−285155号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、水ガラスとポリオールを必須成分として配合してなるA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液からなる建設基礎用薬液において、施工性に優れた薬液を提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載から把握される発明思想に基づいて認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) 水ガラス及びポリオールを必須成分として配合してなるA液と、ポリイソシアネ ートを必須成分とするB液とからなる建設基礎用薬液であって、
前記ポリオールとして、水酸基価が10〜600mgKOH/gであるポリエー テルポリオールが用いられていると共に、前記A液に配合された水ガラス中の固形 成分の100質量部に対して、100〜200質量部の割合において、水が含有せ しめられてなり、且つ前記A液には、実質的にアミン化合物が配合されていないこ とを特徴とする建設基礎用薬液。
(2) 前記ポリエーテルポリオールが、前記A液に配合された水ガラス中の固形成分の 100質量部に対して、2〜150質量部の割合において配合せしめられている前 記態様(1)に記載の建設基礎用薬液。
(3) 前記水ガラスがケイ酸ナトリウムの水溶液であり、且つ該ケイ酸ナトリウムのS iO2 /Na2 Oのモル比が、2.0〜3.0の範囲内である前記態様(1)又は 前記態様(2)に記載の建設基礎用薬液。
(4) 前記A液及び前記B液の粘度が、それぞれ、25℃の温度下において80〜50 0mPa・sである前記態様(1)乃至前記態様(3)の何れか1つに記載の建設 基礎用薬液。
(5) 前記A液と前記B液との混合比が、質量基準にて、1:0.5〜1:3である前 記態様(1)乃至前記態様(4)の何れか1つに記載の建設基礎用薬液。
(6) 発泡倍率が1〜2倍である硬化反応生成物を与える前記態様(1)乃至前記態様 (5)の何れか1つに記載の建設基礎用薬液。
(7) 前記A液と前記B液の硬化反応時間が、5分以上である前記態様(1)乃至前記 態様(6)の何れか1つに記載の建設基礎用薬液。
そして、このような本発明の構成によれば、水ガラスを配合してなるウレタン系の建設基礎用薬液において、アミン触媒を用いることが無くても、セメント系建築材の強度を安全に且つより短時間で実現し得ると共に、現場で水が出る環境下や雨の日の施工でも、問題なく使用することが出来、また薬液の臭気も効果的に抑制され得たのである。
要するに、本発明は、水ガラスとポリオールとを配合してなるA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液とからなる二液型の建設基礎用薬液において、かかるポリオールとして、所定の水酸基価を有するポリエーテルポリオールを用いると共に、前記A液に配合された水ガラス中の固形成分に対して、特定割合の水が含有せしめられてなるものであって、これにより、A液とB液の何れにもアミン触媒を配合することなく、所期の目的を達成したところに、大きな特徴を有しているのである。
そして、そのような本発明に従う建設基礎用薬液を構成する二液のうちの一つであるA液において、その必須成分の一つである水ガラスは、よく知られているように、可溶性の珪酸化合物の水溶液である。ここで、かかる珪酸化合物としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、アルキルシリケート等を挙げることが出来るが、特に、本発明にあっては、入手が容易で、安価な珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ)が、好適に用いられることとなる。そして、珪酸ナトリウムを用いる場合においては、SiO2 /Na2O のモル比が、2.0〜3.0の範囲内であることが望ましい。このモル比が2.0よりも小さくなると、反応触媒やポリオール等の添加剤との相溶性が悪化し、ゲル状物の生成等が惹起され易くなるところから、長期保存が困難となるのである。また、モル比が3.0よりも大きくなると、粘度が高くなるために、低粘度のA液を設計することが困難となって、液の分散安定性が低下し、更に凝固点が高くなって、冬季に使用出来なくなる問題がある。
ところで、上記のような水ガラスとしては、各種のものが市販されており、本発明にあっては、そのような市販品を適宜に選択して用いることが出来る。なお、珪酸ナトリウムの水溶液に関しては、JIS規格(JIS−K−1408)にて規定されており、1号、2号、3号等として知られているところであり、またこのJIS規格に準拠して配合されたものであれば、4号や5号等や、1.5号や2.5号等の配合のものであっても、それらを用いることが可能である。更に、そのような水溶液の形態にある水ガラス中における固形成分の割合は、JIS規格の各号や、水ガラスの種類等に応じて種々異なるものとなるが、A液の安定性や固結特性等の観点から、一般に、20〜60質量%程度とされ、好ましくは35〜55質量%の割合の固形成分を含有する水ガラスが、有利に用いられることとなる。
なお、水ガラス中の固形成分とは、水溶液の形態にある水ガラスから、水や溶剤等の揮発する物質を除いたもの(不揮発分)であって、この固形成分が、珪酸ナトリウム等の珪酸化合物に実質的に相当するものである。そして、そのような固形成分は、次のようにして測定されることとなる。即ち、アルミ箔製の試料皿(縦:90mm、横:90mm、高さ:15mm)内に、試料(水ガラス)の10gを秤量して、収容し、それを180±1℃に保持した加熱板上に載置して、20分間放置した後、かかる試料皿を、その内面に試料が固着した状態で反転させて、更に20分間、かかる加熱板上に放置することにより、試料の乾燥を行う。次いで、加熱板上から試料皿を取り出して、デシケーター中で放冷した後、秤量を行って、次式により、水ガラス中の固形成分の割合が求められる。
固形成分(%)=[乾燥後の質量(g)/乾燥前の質量(g)]×100
また、本発明にあっては、上記A液を構成する必須成分の他の一つであるポリオールとして、所定の水酸基価を有するポリエーテルポリオールが、本発明の目的達成のために、用いられることとなるのである。ここで、そのようなポリエーテルポリオールの水酸基価は、10〜600mgKOH/gの範囲内であり、好ましくは20〜580mgKOH/gの範囲内である。なお、かかる水酸基価が600mgKOH/gより大きくなると、硬化するまでの時間が長くなり、固化する前に、水ガラスとイソシアネートが分離を引き起こす恐れや、強度発現までに時間がかかり過ぎるため、短時間での強度の発現が困難となる問題がある。なお、このポリエーテルポリオールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも2個以上の活性水素基を有する多価アルコール類を開始剤として用いて、これに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させて、製造されたもの等を用いることが出来る。この開始剤となる多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類;ペンタエリスリトール;蔗糖、シュークロース等の糖類等をあげることが出来る。また、これらのポリエーテルポリオールは、単独で使用することが出来る他、適宜に組み合わせて併用することも可能である。
そして、上述の如きポリエーテルポリオールは、一般に、200〜10000程度の分子量を有していることが望ましく、更に200〜5000程度の分子量を有していることが、より望ましいのである。かかる分子量が200よりも小さくなると、水ガラスと接触した際に一時的な凝固を形成し、薬液製造時の混合を妨げる恐れが生じ、また分子量が10000よりも大きくなると、A液とB液を混合した時の相溶性が悪くなるといった問題を惹起するおそれがある。
さらに、かかるポリエーテルポリオールの配合量は、水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、ポリエーテルポリオールが2〜150質量部、好ましくは2〜100質量部、より好ましくは2〜70質量部となるように、調整されることとなる。水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、ポリエーテルポリオールが2質量部よりも少なくなると、B液との反応が出来ずに、強度が発現され難くなるのである。また、水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、ポリエーテルポリオールが150質量部よりも多くなると、発泡倍率が高くなる傾向があり、本発明のように、発泡倍率を抑えたい用途には好ましくない。また、コスト的にも高くなり、経済性も損なわれることとなる。
ここで、本発明においては、A液には、反応触媒としてアミン触媒が配合されることはなく、反応系に実質的に存在せしめられるものではないのである。ここで、実質的にアミン触媒が存在していないとは、定量分析によって、アミン類が1ppm未満であることであり、1ppm未満の微量なアミン類が検出されたとしても、異物と見なして、アミン触媒が添加されていないと判断する。その定量分析は、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー等を用いて行われる。
よく知られているように、アミン触媒である第三級アミンは、イソシアネート基とアルコール性水酸基とのウレタン化反応や、イソシアネートと水との尿素化反応等の反応を促進する作用を有している。これらの反応は、発熱反応であるため、そのような反応によって生じる固結成形体の内部には、熱が蓄積されることとなる。そして、固結成形体が高温になった場合、水ガラス中の水分の気化した水蒸気や、水とイソシアネートとの反応により生じる炭酸ガスにより、内圧が高くなり、固結成形体にクラックが生じたり、発泡倍率が高くなったりする問題を惹起する。建設基礎用薬液は、基礎の固定や土台として用いられるものであるため、クラックの発生や発泡倍率が高くなると、物性が低下すると共に、寸法変化率が高くなることで、寸法安定性が悪くなる。このため、本発明では、アミン触媒を配合せずに、所定の水酸基価を有するポリエーテルポリオールにより反応を促進させることで、アミン触媒により急激に反応が促進させられることを防止することが出来るようにしたものである。このため、本発明では、建設基礎用薬液にて形成される固結成形体の内温を比較的低温化できることで、寸法安定性が高められ、また十分な強度が発現せしめられるのである。
また、A液とB液との混合において、アミン触媒が配合されていないと、ポリオールや水ガラスの水分とポリイソシアネートとが反応する過程に置いて、硬化が均一に且つ緩やかに進むこととなるので、発泡しない又は非常に低い発泡倍率で、硬化させることが出来るのである。また、建設基礎用薬液の硬化が緩やかに進むため、硬化までに5分以上の時間的余裕を得ることができ、硬化時の建設基礎用薬液の固結成形体の内部温度も低く抑えることが出来る。
加えて、アミン触媒は強い臭気を有しているために、アミン触媒を用いた薬液を使用すると、現場での作業において、臭気により、作業環境が悪化するという問題があったが、本発明においては、アミン触媒を使用していないところから、臭気の問題がなく、作業環境を向上させることが出来る特徴がある。
本発明にあっては、A液が、上記した水ガラスとポリオールとを配合せしめることによって調製され、また、それら水ガラス及びポリオールに、更に水を加えることによって、調製されることとなる。ここで用いられる水は、主にA液の低粘度化に寄与するものである。このような水は、純水、水道水、蒸留水、工業用水等、ゴミや塵等が混入していなければ、特に限定されないが、利用し易い工業用水や水道水が、有利に用いられることとなる。本発明にあっては、かかる水は、水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、100〜200質量部の割合において、好ましくは120〜180質量部、より好ましくは120〜160質量部の割合となるように用いられて、A液が調製されることとなる。なお、水ガラスは水溶液の状態で使用されるところから、配合する材料以外に、水を実質的に加えなくても、何等差し支えない。この水の使用割合が、100質量部より少なくなると、水ガラスの不安定化を引き起こす恐れがあり、A液の保存安定性を悪化する問題が惹起され、また200質量部よりも多くなると、水ガラスとイソシアネートの混合安定性を悪化させ、混合後の分離により、固結材強度の発現が不充分となる問題や、粘度が低くなり過ぎることによる土壌への浸透といった問題を惹起する。ここで、水ガラス中の固形成分に対する水の量とは、水ガラスの質量から固形成分の質量を除いた水ガラス中の水の質量と、別途加えられる水の質量との総量である。
一方、本発明に従う建設基礎用薬液を構成する二液のうちの他の一つであるB液は、従来と同様に、ポリイソシアネートを必須成分として調製されてなるものであって、本発明にあっては、そのようなB液中におけるポリイソシアネートの含有量が70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%となるように調整されることが望ましい。かかるポリイソシアネートの含有量が70質量%よりも少なくなると、建設基礎材の強度が低下する問題がある。B液におけるポリイソシアネートの割合は高いほうが望ましく、B液をポリイソシアネートのみで構成しても良い。
ここで、かかるB液の必須成分であるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有する有機系イソシアネート化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、トリレンジイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートの他、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を挙げることができる。これらのポリイソシアネート成分は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。一般的には、反応性や経済性、取扱性等の観点から、MDIやクルードMDIが、好適に用いられることとなる。
ところで、本発明に従う建設基礎用薬液を構成する上述の如きA液及びB液には、その使用目的に応じて、従来と同様な添加剤を添加せしめることが可能である。例えば、A液に対する添加剤としては、界面活性剤、難燃剤、減粘剤等を挙げることが出来る。これらの添加剤は、A液を構成する水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、0〜15質量部、好ましくは0〜10質量部の割合において用いられることとなる。また、B液に対する添加剤としては、界面活性剤、難燃剤、減粘剤等を挙げることが出来、その中で、界面活性剤や減粘剤は、ポリイソシアネートの100質量部に対して、0〜20質量部、好ましくは0〜10質量部の割合となるように用いられ、また難燃剤は、ポリイソシアネートの100質量部に対して、0〜50質量部、好ましくは0〜40質量部の割合となるように用いられることとなる。
ここで、界面活性剤は、親水性のA液と疎水性のB液の混合性を改善するために用いられるものである。この界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサンオキシアルキレン共重合体等のシリコーン系界面活性剤;ポリオキシ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩、カルボン酸塩などのアニオン系界面活性剤などが挙げられ、その中でも、混合性改善の観点から、シリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。なお、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用して、用いられてもよい。
また、難燃剤としては、例えば臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、ハロゲン化リン酸エステル、無機系難燃剤等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用して、用いられてもよい。これらの中でも、環境への負荷が少なく、発泡性組成物の減粘剤としても機能する点で、リン酸エステルおよびハロゲン化リン酸エステルが好ましく用いられる。なお、リン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等が挙げられる。また、ハロゲン化リン酸エステルとしては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)ジクロロイソペンチルジホスフェート、ポリオキシアルキレンビス(ジクロロアルキル)ホスフェート等が挙げられる。
さらに、減粘剤は、溶剤として用いられるものであって、A液又はB液に溶解されて、それらの液を減粘する働きを有するものであり、そのような機能を有するものである限りにおいて、特に限定されるものではなく、例えば、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のエーテル類;プロピレンカーボネート等の環状エステル類;ジカルボン酸アルキルエステル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;石油系炭化水素類等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、また2種以上を併用して、用いられても、何等差し支えない。
更にまた、本発明に従って調製されるA液及びB液は、それぞれ、25℃における(動)粘度が80〜500mPa・sとなるように、調整されることとなる。この粘度が80mPa・sよりも低くなると、建設基礎用薬液を地盤に注ぎ込んだ際に、かかる薬液が地盤に染み込み、その使用量が増えるという問題が発生する。建設基礎用薬液は、穴を掘った地盤や木枠で囲われた地盤などに流し込んで使用するため、特に、本発明に従う建設基礎用薬液は、硬化までに5分以上かかるように調整されているため、硬化までの時間に地盤への染み込みが進んで、必要な固結体が得られなくなる。A液とB液が、共に、80mPa・s以上であることで、このような染み込みが防止されるのである。また、それらの粘度が500mPa・sよりも高くなると、A液やB液が粘調な液となり、混合時の流動性が悪くなる等の問題を惹起する。
そして、かくの如きA液とB液とから構成される、本発明に従う建設基礎用薬液の使用に際しては、それら両液が、使用時に混合されて、目的とする地盤や岩盤等に対して、注入や流し込み等によって導入され、反応硬化せしめられることによって、基礎を形成することとなる。なお、かかるA液とB液との混合比は、A液中の水酸基含有量とB液中のNCO基含有量とによって、適宜に変化せしめられることとなるが、一般に、質量基準にて、A液:B液=1:0.5〜1:3、好ましくは1:1〜1:2の範囲内において、採用されることとなる。また、それらA液やB液の使用方法についても、それらの使用の直前に、二液の混合が確実に行われ得る手法であれば、特に限定はなく、従来から公知の注入手法や流し込み手法が、適宜に採用されることとなる。
なお、A液とB液とを混合した時の発泡倍率は、1〜2倍、好ましくは1〜1.5倍、より好ましくは1〜1.3倍であることが望ましい。この発泡倍率は、低ければ低いほど良く、2倍よりも大きくなると、建築基礎としての強度が得られ難くなる。
また、A液とB液とを混合した時の硬化時間(混合してから硬化するまでの時間)は、5分以上、好ましくは5〜120分、より好ましくは10〜60分であることが、望ましい。この硬化時間が5分未満であると、例えば鋼材を固定するための土台に建設基礎用薬液を用いる場合、建設基礎用薬液を流し込んだ後、短時間で硬化してしまうと、建設基礎用薬液の流し込みの作業中に鋼材の位置がずれたりすることもあるため、そのような位置のずれを戻したり、微調整を行ったりすることが出来なくなる。混合してから硬化するまで、5分以上の猶予があれば、建設基礎用薬液を流し込んだ後も、鋼材の位置の調整が可能となる利点がある。また、本発明に従う建設基礎用薬液は、数時間以内には確実に硬化するので、セメント系建設基礎用薬液などのように養生に数日かける必要がなくなる利点がある。なお、本発明の建設基礎用薬液は、セメント系建設基礎用薬液と併用しても良く、例えば、本発明の建設基礎用薬液で基礎固定を行い、土台全体をセメント系建設基礎用薬液で固定させるようにすることも可能である。
さらに、A液とB液とを混合した時の液流れが保持される時間(流動時間)は、5分以上、好ましくは5〜60分、より好ましくは10〜40分であることが、望ましい。A液とB液を混合してから、反応が始まるため、時間の経過と共に、流動性は低下していくこととなる。この流動時間が5分未満であると、特に、大量の薬液を混合して使用するときに、その混合液を均一に混合して、基礎として施工するまでに時間が掛かるところから、施工が完了するまでに流動性がなくなって、施工が出来なくなる恐れを生じる。
以下に、本発明の実施例や比較例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
なお、以下の実施例及び比較例において得られたA液とB液の特性(粘度)と共に、A液とB液とを混合して反応・発泡せしめて得られる建設基礎用薬液としての発泡体の発泡後の所見、圧縮強度、浸透距離については、それぞれ、以下の手法に従って、測定乃至は評価した。また、以下に示す「%」及び「部」は、何れも、質量基準である。
(1)粘度
JIS−K−7117に準拠して、粘度を測定した。
(2)発泡倍率
表1及び表2に示される配合組成の、25℃に調整されたA液とB液とを、表1〜2に示される所定の混合比において、全量が1kgとなるように計量して、それを、2リットルのディスカップに収容し、充分に混合攪拌して、硬化せしめた。そして、反応終了後の発泡高さを測定し、発泡倍率を求めた。
(3)液流れ性(流動時間)
25℃に調整したA液とB液とを、所定の混合比において、全量が1Kgとなるように計量し、それを2リットルのディスカップに収容して、充分に混合攪拌した。混合撹拌開始から所定時間毎に容器を傾け、かかる容器を45°以上傾けても、内容物が流れなくなった時間を求め、混合撹拌開始から流れなくなったときまでの時間を流動時間として、測定した。この流動時間は5分以上を合格とする。
(4)硬化時間
25℃に合わせたA液とB液とを所定の混合比で混合した後、反応生成物(固結体)からガス(水蒸気)が発生するまでの時間及び反応生成物の表面に釘が刺さらなくなるまでの時間を測定し、何れか早い方を、硬化時間の終点とした。硬化時間は5分以上を合格とする。
(5)臭気
A液とB液とを、所定の混合比で、全量が5Kgとなるように計量し、これを10リットルの容器に収容して、充分に混合攪拌した後、型枠に流し込み、硬化に至るまでの臭気を、下記の評価方法及び評価基準に基づく官能試験で、評価した。レベル3以上を合格とする。
(i)評価方法
室温20℃、相対湿度60%の下で、15名(内女性5名)の臭気パネラーが官能評価し、得られた官能評価レベルの平均レベルで、優劣を評価した。なお、このレベルが高いほど、消臭効果が高いことを意味する。
(ii)評価基準
レベル4:刺激臭はほとんど感じられない。
レベル3:刺激臭はやや感じられるが、実用上支障はない。
レベル2:刺激臭をやや強く感じる。
レベル1:刺激臭を非常に強く感じる。
(6)反応温度
25℃に調整したA液とB液とを、所定の混合比で、全量が1Kgとなるように計量して、これを2リットルのディスカップに収容し、充分に混合攪拌した後、熱電対を備え付けた1リットルの型に注ぎ込み、反応硬化せしめ、その際の最高温度を測定した。
(7)外観
前記発泡倍率試験後の硬化反応物(成形体)を目視で観察し、発泡による変形、分離による不均一な硬化、内圧による大きなクラック等の外観不良の有無を確認した。硬化物のサンプル3個のうち、3個の何れにも外観不良があるときは「×」、1〜2個に外観不良があるときは「△」、3個の全てに外観不良が認められない場合には「○」として、評価した。
(8)強度
A液とB液を所定の混合比で混合撹拌し、上部が解放された内径:50mm×高さ:120mmの有底円筒型に流し込み、30℃で24時間養生した。かかる型内の反応生成物から、直径:50mm×高さ:100mmの試験体を切り出し、JIS−K−7220に準じて測定を行った。強度は10MPa以上を合格とする。
(実施例1)
−A液の調製−
水ガラスとして、ケイ酸ナトリウム2号(SiO2/Na2Oのモル比:2.5)の固形成分40%の水溶液を用い、その100部に、ポリオール10部を加えて、均一に混合せしめることによって、A液を得た。そして、この得られたA液の粘度を測定し、その結果を、下記表1に示した。
なお、ここで用いられたポリオールは、分子量1000、官能基数2、水酸基価112mgKOH/gのポリプロピレングリコール(PP−1000:三洋化成工業株式会社製)である。なお、本実施例においては、水ガラスに含まれる固形成分を100部とした場合において、A液中の水の量は、150部に相当する。
−B液の調製−
ポリイソシアネートの100部に、界面活性剤1部を加え、均一に混合して、B液とした。そして、この得られたB液の粘度を測定し、その結果を、下記表1に示した。なお、イソシアネートとしては、ポリメリックMDI(コスモネートM−200:三井化学株式会社製)を用い、また界面活性剤としては、アルキレンオキサイド変性シリコーン(L−6970:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いた。
次いで、上記で得られたA液とB液とを、質量比にて、1:1の割合で組み合わせて、均一に混合し、反応せしめた後、前述の評価手法に従って、各種評価試験を行い、それらの結果を、下記表1に示した。
(実施例2)
実施例1において、ポリオールを、分子量200、官能基数2、水酸基価560mgKOH/gのポリプロピレングリコール(PP−200:三洋化成工業株式会社製)としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例3)
実施例1において、ポリオールを、分子量5000、官能基数3、水酸基価33mgKOH/gのポリエーテルポリオール(FA−703:三洋化成工業株式会社製)としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例4)
実施例1において、ポリオールを1部としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例5)
実施例1において、ポリオールを25部とし、界面活性剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例6)
実施例1において、減粘剤としてセバシン酸ジオクチルの5部を添加する一方、界面活性剤は添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例7)
実施例1において、A液とB液とを、質量比にて、1.25:1の割合で組み合わせたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例8)
実施例1において、A液とB液とを、質量比にて、1:3の割合で組み合わせたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例9)
実施例1において、ポリオールを20部とし、水を10部添加する一方、界面活性剤は添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。なお、本実施例においては、水ガラスに含まれる固形成分を100部とした場合において、A液中の水の量は、175部に相当する。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例10)
実施例7において、水ガラスとして、ケイ酸ナトリウム1号の固形成分46%の水溶液を用いたこと以外は、実施例7と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、A液に、アミン触媒として、3級アミン触媒(TOYOCAT−DT:東ソー株式会社製)の0.5部を更に加える一方、界面活性剤は添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(比較例2)
比較例1において、アミン触媒を、3級アミン触媒(TOYOCAT−DM70:東ソー株式会社製)としたこと以外は、比較例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(比較例3)
比較例1において、アミン触媒を、3級アミン触媒(TEDA−L33:東ソー株式会社製)としたこと以外は、比較例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(比較例4)
比較例1において、アミン触媒を、3級アミン触媒(TOYOCAT−MR:東ソー株式会社製)としたこと以外は、比較例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(比較例5)
実施例1において、ポリオールを、分子量92、官能基数3、水酸基価1830mgKOH/gのグリセリン(精製グリセリン:花王株式会社製)とし、A液に、アミン触媒として、3級アミン触媒(TEDA−L33:東ソー株式会社製)1部を更に加え、界面活性剤は添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(比較例6)
実施例1において、A液に、アミン触媒として、3級アミン触媒(TOYOCAT−DT:東ソー株式会社製)0.5部を更に加え、ポリオールと界面活性剤は添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(比較例7)
比較例6において、アミン触媒を、3級アミン触媒(TOYOCAT−DM70:東ソー株式会社製)としたこと以外は、比較例6と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(比較例8)
比較例6において、アミン触媒を、3級アミン触媒(TEDA−L33:東ソー株式会社製)としたこと以外は、比較例6と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(比較例9)
比較例6において、アミン触媒を、3級アミン触媒(TOYOCAT−MR:東ソー株式会社製)としたこと以外は、比較例6と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(比較例10)
比較例6において、A液に、水を10部更に加えたこと以外は、比較例6と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(比較例11)
実施例7において、水ガラスとして、ケイ酸ナトリウム1号の固形成分52%の水溶液を用いたこと以外は、実施例7と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(比較例12)
実施例1において、水を40部添加する一方、界面活性剤は添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。なお、本実施例においては、水ガラスに含まれる固形成分を100部とした場合において、A液中の水の量は、175部に相当する。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(比較例13)
比較例6において、水酸基価が1060mgKOH/gのジエチレングリコールを添加する一方、アミン触媒は添加しないこと以外は、比較例6と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、得られた結果を、下記表3に示した。
Figure 2017145633
Figure 2017145633
Figure 2017145633
なお、表2及び表3で測定不可になったものは、試験体が作製出来なかったか、クラックなどによる破損により、測定することが出来なかったものである。
上記表1〜表3の結果より明らかなように、実施例1〜10のA液及びB液組成を採用することにより、アミン触媒(アミン化合物)を用いなくても、施工性並びに成形体(硬化物)物性において、優れた特性が発揮されることを認めた。これに対して、アミン触媒を用いた比較例1〜10においては、何れも、臭気が発生する他、成形体物性も劣るものであった。また、アミン触媒を用いることなく、A液中の水の量を少なくした比較例11や水の量を多くした比較例12、更には水酸基価の大きなポリオールを用いた比較例13においては、施工性が充分でなく、且つ成形体物性も劣るものであった。

Claims (7)

  1. 水ガラス及びポリオールを必須成分として配合してなるA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液とからなる建設基礎用薬液であって、
    前記ポリオールとして、水酸基価が10〜600mgKOH/gであるポリエーテルポリオールが用いられていると共に、前記A液に配合された水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、100〜200質量部の割合において、水が含有せしめられてなり、且つ前記A液には、実質的にアミン化合物が配合されていないことを特徴とする建設基礎用薬液。
  2. 前記ポリエーテルポリオールが、前記A液に配合された水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、2〜150質量部の割合において配合せしめられている請求項1に記載の建設基礎用薬液。
  3. 前記水ガラスがケイ酸ナトリウムの水溶液であり、且つ該ケイ酸ナトリウムのSiO2 /Na2 Oのモル比が、2.0〜3.0の範囲内である請求項1又は請求項2に記載の建設基礎用薬液。
  4. 前記A液及び前記B液の粘度が、それぞれ、25℃の温度下において80〜500mPa・sである請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の建設基礎用薬液。
  5. 前記A液と前記B液との混合比が、質量基準にて、1:0.5〜1:3である請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の建設基礎用薬液。
  6. 発泡倍率が1〜2倍である硬化反応生成物を与える請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の建設基礎用薬液。
  7. 前記A液と前記B液の硬化反応時間が、5分以上である請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の建設基礎用薬液。
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