JPH10273668A - 二液型発泡ウレタン樹脂薬液 - Google Patents

二液型発泡ウレタン樹脂薬液

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JPH10273668A
JPH10273668A JP9077642A JP7764297A JPH10273668A JP H10273668 A JPH10273668 A JP H10273668A JP 9077642 A JP9077642 A JP 9077642A JP 7764297 A JP7764297 A JP 7764297A JP H10273668 A JPH10273668 A JP H10273668A
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liquid
face
mdi
bolt
ground
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JP9077642A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kimura
弘之 木村
Osamu Wakizaka
治 脇坂
Yasuyuki Mitsutome
康幸 満留
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SHINKU KAGAKU KOGYO KK
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
SHINKU KAGAKU KOGYO KK
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長尺のフェースボルトを用いた場合にも、フェ
ースに穿設した孔へのフェースボルトの定着と孔周辺の
地山に対する薬液の浸透固結による地山改良とを同時に
行うことのできる、適度なゲル化時間(5〜10分程
度)を発現する二液型発泡ウレタン樹脂薬液を提供す
る。 【解決手段】水ガラスを主成分とするA液と、ジフェニ
ルメタンジイソシアネートプレポリマーを主成分とする
B液とを組み合わせた二液型発泡ウレタン樹脂薬液であ
る。しかも、上記A液にグリセリンを配合させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、長尺のフ
ェースボルトを用いて不安定な地山(地盤,岩盤等を含
む)を安定した地山に改良する地山改良に際して、特に
崩れやすいトンネルの切羽の安定補強工法等に使用され
る、適度なゲル化時間(5〜10分程度)を発現する二
液型発泡ウレタン樹脂薬液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】未固結地山等のトンネル工事において、
トンネル切羽周辺が不安定な場合に、これを安定化する
ための補助工法として先受工が主に採用されている。こ
の先受工には、フォアーポーリング、注入式フォアーポ
ーリングのように長さ5m未満の短尺のロックボルト3
1を用いるもの(図14参照)や、長尺フォアーパイリ
ングのように長さ12.5m前後の長尺ボルト32を用
いるもの(図15参照)等があるが、最近では長尺フォ
アーパイリングが増えてきている。ところが、このよう
な先受工により天端部34等の切羽33外周部を補強す
るだけでは切羽33周辺が不安定で、特に切羽鏡面(フ
ェース)35が自立していない場合には、図16に示す
ように、フェース35で崩落等が起こりやすく、フェー
ス35およびその前方地山の補強が必要となる。このよ
うなフェース35およびその前方地山の補強に際して
は、図17に示すように、フェース35に穿設した複数
の孔(図示せず)に鏡ボルト(フェースボルト)36と
称するFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製ボルト
を設置し、各フェースボルト36をモルタル等のセメン
ト系薬液で定着させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記モ
ルタル等のセメント系薬液では、このセメント系薬液に
よりフェースボルト36をフェース35に穿設した孔に
定着させることはできるものの、孔周辺の地山に対する
セメント系薬液の浸透が期待できないことから、未固結
地山を固結することは期待できないという欠点がある。
また、セメント系薬液は固まって定着力が発現するまで
に長時間(通常、24時間以上)を要するという問題も
ある。しかも、上記孔へのセメント系薬液の充填不足が
しばしば発生し(セメント系薬液の未充填の部分ができ
やすく)、品質の安定性に欠けるという問題もある。
【0004】そこで、上記セメント系薬液に代えて、ウ
レタン系薬液(通常のシリカレジン薬液を含む)を使用
することが試みられている。このウレタン系薬液は、フ
ェースボルト36の長さが短尺(3〜6m程度)である
場合に、フェースボルト36の早期定着および孔周辺の
地山に対する薬液の浸透固結を図る必要があるときに
は、よく用いられている。しかしながら、このウレタン
系薬液は、その反応速度が30秒〜1分程度と非常に速
く(速硬性であり)、すぐにゲル化してしまう。すなわ
ち、ゲル化時間(流動時間)が短い。したがって、フェ
ースボルト36が長尺である場合には、ウレタン系薬液
がフェースボルト36の全周に行きわたる前にゲル化す
るため、フェースボルト36の定着および地山の改良は
ほとんど不可能である。その結果、現状では、フェース
ボルト36が長尺である場合には、モルタル等のセメン
ト系薬液を用いているのが実情である。ところが、最近
では、フェースボルト36として長尺なものを用いる方
が作業効率も効果も良いため、フェースボルト36の長
尺化が望まれている。そこで、上記セメント系薬液のよ
うにゲル化時間が長すぎず、しかも上記ウレタン系薬液
のようにゲル化時間が短すぎず、フェースボルト36と
して長尺なものを用いた場合にも、上記フェースボルト
36の早期定着や孔周辺地山への薬液の浸透固結を図る
ことのできる、適度なゲル化時間(5〜10分程度)を
発現する薬液が強く要望されている。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、例えば、長尺のフェースボルトを用いた場合に
も、フェースに穿設した孔へのフェースボルトの定着と
孔周辺の地山に対する薬液の浸透固結による地山改良と
を同時に行うことのできる、適度なゲル化時間(5〜1
0分程度)を発現する二液型発泡ウレタン樹脂薬液の提
供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の二液型発泡ウレタン樹脂薬液は、水ガラス
を主成分とするA液と、ジフェニルメタンジイソシアネ
ートプレポリマー(以下「MDI−PP」と略す)を主
成分とするB液とを組み合わせた二液型発泡ウレタン樹
脂薬液であって、上記A液にグリセリンを配合させると
いう構成をとる。
【0007】すなわち、本発明者らは、例えば、長尺の
フェースボルトを用いて不安定な地山(地盤,岩盤等を
含む)を安定した地山に改良する地山改良に際して、特
に崩れやすいトンネルの切羽の安定補強工法等におい
て、長尺のフェースボルト内でゲル化することがなく、
フェースボルトの全周に行きわたることができる、ゲル
化時間の長い(5〜10分程度)二液型発泡ウレタン樹
脂薬液を得るため鋭意研究を重ねた。その研究の過程
で、A液として、水ガラス(アルカリ−ケイ酸系ガラス
の濃厚水溶液)とともにグリセリンを配合した特殊な薬
液を突き止めた。そして、この特殊な薬液を用いること
により、例えば、長尺のフェースボルトを用いて不安定
な地山(地盤,岩盤等を含む)を安定した地山に改良す
る場合等においても、長尺のフェースボルト内で薬液が
ゲル化することがなく、フェースボルトの全周に行きわ
たるため、長尺のフェースボルトの早期定着や孔周辺地
山への薬液の浸透固結を図ることができ、その結果、地
山の改良を行うことができるということを見いだし本発
明に到達した。
【0008】また、上記B液のMDI−PPが、ジフェ
ニルメタン−2,4′−ジイソシアネートプレポリマー
(以下「2,4′体MDI−PP」という)を含有し、
かつ、その含有量が10〜16重量%(以下「%」とい
う)の範囲に設定されていれば、A液とB液とを混合し
た場合にその硬化反応が遅くなり、所望のゲル化時間
(7分程度)を発現するということを突き止めた。
【0009】そして、上記B液が、さらにプロピレンカ
ーボネート(PC)を含有するものであれば、減粘剤と
なるPCが水ガラス中のアルカリ成分によって分解され
炭酸ガスを発生して発泡するとともに、上記PCが希釈
剤(溶剤)としても働き、MDI−PPの硬化成分が薄
められる結果、硬化時間が遅くなり所望のゲル化時間
(7分程度)を発現するということを突き止めた。な
お、PCは臭いがなく、安価であるという利点もある。
【0010】さらに、上記B液中のMDI−PPが、一
部乳化型のMDI−PPであると、4,4′体のMDI
が多く残るため、硬化体の強度がより向上するというこ
とを突き止めた。
【0011】そして、上記B液中のMDI−PPが、完
全乳化型のMDI−PPであると、水ガラス中において
長時間安定するため、硬化反応時間の調整が簡易である
ということを突き止めた。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0013】本発明の二液型発泡ウレタン樹脂薬液は、
特殊なA液とB液とを組み合わせた薬液である。
【0014】上記特殊なA液は水ガラスを主成分とし、
この水ガラスとともにグリセリンを配合した液である。
このように、A液に水ガラスとともにグリセリンを配合
すれば、A液であるグリセリンの−OH基と、B液であ
るMDI−PPの−NCO基とが反応して発泡する結
果、ゲル化時間が長く(5〜10分程度)なるととも
に、A液とB液の混合後の粘度が従来よりも低下し、浸
透性が向上する。なお、上記A液において、「主成分と
する」とは、A液全体中に水ガラスを、30〜90%、
好ましくは50〜80%含有しているという趣旨であ
る。すなわち、水ガラスの含有量が30%未満であると
難燃性が低下し、90%を超えるとポリオール(グリセ
リン)の効果がなくなるからである。
【0015】上記グリセリンの配合量は、水ガラス10
0重量部(以下「部」と略す)に対して5〜30部の範
囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは10〜20
部である。すなわち、グリセリンの配合量が5部未満で
あると、グリセリンを配合することによる本発明の優れ
た効果が期待できなくなるおそれがあり、30部を超え
ると難燃性が低下するおそれがあるからである。
【0016】なお、上記A液には、水ガラスおよびグリ
セリンとともに、通常、触媒が配合されるが、このよう
な触媒としては、エチレンジアミン、トリエチレンジア
ミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、ジメチルエタノールアミン等の脂肪族アミ
ンや、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール−N,N,N′,N′−テトラメチルメタンジ
アミン、4,4′−ジアミノジフェニルアミン等の芳香
族アミンと、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、
塩化第二錫、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機金属
系触媒との併用があげられる。なかでも、2,4,6−
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール−N,N,
N′,N′−テトラメチルメタンジアミンが好適であ
る。
【0017】さらに、A液には、モノエチレングリコー
ル(MEG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリ
エチレングリコール(TEG)を配合してもよい。
【0018】一方、本発明の二液型発泡ウレタン樹脂薬
液におけるB液は、MDI−PPを主成分とする液であ
る。ここで、「主成分とする」とは、B液中にMDI−
PPを少なくとも60%、好ましくは60〜90%含有
しているという趣旨である。すなわち、MDI−PPの
含有量が60%未満であると強度が発生しないからであ
る。
【0019】上記MDI−PPは、MDIにポリオール
成分を部分的に重合させることにより得られる。このポ
リオール成分としては、どのようなものを用いても差し
支えはないが、なかでも、ポリエチレングリコール(以
下「PEG」と略す)や、ポリプロピレングリコール
(以下「PPG」と略す)等を用いるのが好適である。
【0020】上記MDIは、得られる硬化体を硬くする
作用を有する。なお、上記MDIには、ピュアMDI
(MDI−P)と、ポリメリックMDI(MDI−P
M)の2種類があり、硬化体の硬さを高める観点からは
MDI−Pのみを用いることが好ましいが、コストとの
兼ね合いから、MDI−PとMDI−PMとを併用する
ことが実用的である。両者の使用割合(重量比)は、M
DI−Pを1とすると、MDI−PMを1〜2の割合に
設定することが好適である。
【0021】そして、上記MDI−PPとしては、2,
4′体MDI−PPを10〜16%含有するもの(以下
「2,4′体リッチMDI−PP」という)がより好ま
しい。すなわち、2,4′体MDI−PPの含有量が1
0%未満であると反応が早くなりすぎ、16%を超える
と硬化が遅れ強度が発生しないからである。
【0022】また、本発明においては、上記B液がさら
にPCを含有するものであってもよい。このように、B
液がPCを含有する場合には、減粘剤となるPCが水ガ
ラス中のアルカリ成分によって分解され炭酸ガスを発生
して発泡するとともに、PCが希釈剤(溶剤)としても
働き、MDI−PPの硬化成分が薄められる結果、硬化
時間が遅くなり、所望のゲル化時間(7分程度)を発現
できるため、より好ましい。なお、PCは臭いがなく、
安価であるという利点もある。
【0023】上記PCの配合量は、MDI−PP100
部に対して5〜20部の範囲に設定するのが好ましく、
特に好ましくは10〜15部の範囲である。すなわち、
PCの配合量が5部未満であると減粘効果が得られなく
なり、20部を超えると硬度が低下するからである。
【0024】また、本発明においては、上記B液のMD
I−PPが、一部乳化型のMDI−PPであってもよ
い。このように、一部乳化型のMDI−PPであれば、
4,4′体MDIの割合が多くなるため硬化体の強度が
より向上する。ここで、一部乳化型のMDI−PPと
は、MDI−PP中、好ましくは5〜25%、特に好ま
しくは5〜15%乳化していることを意味する。
【0025】さらに、本発明においては、上記B液のM
DI−PPが、完全乳化型のMDI−PPであってもよ
い。このように、完全乳化型のMDI−PPであれば、
水ガラス中において長時間安定するため、所望のゲル化
時間(7分程度)を発現することができる。なお、上記
完全乳化型のMDI−PPには、PCを含有しても差し
支えないが、MDI−PP自身が安定であるため、PC
を含有しないと粘度が高く地山の改良ができない。
【0026】そして、上記A液とB液の混合割合は、好
ましくは、A液:B液=1:0.5〜1:3であり、特
に好ましくは、A液:B液=1:0.8〜1:1.5で
ある。
【0027】本発明の二液型発泡ウレタン樹脂薬液は、
長尺のフェースボルトを用いて不安定な地山(地盤,岩
盤等を含む)を安定した地山に改良する地山改良に際し
て、特に崩れやすいトンネルの切羽の安定補強工法に用
いるのが、特に好ましいが、これ以外にも、例えば、ロ
ックボルトの定着剤や法面のボルト定着剤等に使用する
ことができる。
【0028】以下、長尺のフェースボルトを用いて不安
定な地山(地盤,岩盤等を含む)を安定した地山に改良
する地山改良に際して、特に崩れやすいトンネルの切羽
の安定補強工法に、本発明の二液型発泡ウレタン樹脂薬
液を用いる場合について図面に基づいて具体的に説明す
る。
【0029】まず、上記長尺ボルト(全長は略6m以
上)としては、以下のようなものがあげられる。すなわ
ち、図10および図11に示すような、先端閉塞部が円
錐状に突出形成されているとともに、先端部(先端から
略1mの範囲内の部分)の外周に複数の薬液吐出孔21
a(図面では、4個の薬液吐出孔21aが穿設されてい
る)が穿設されたチューブ21からなるボルトや、図1
2に示すような、丸棒等の中実棒22の外周部に、先端
部に複数の薬液吐出孔23aが穿設された図10のチュ
ーブ21と同じ構造のチューブ23を配設してこれらを
バンド24で締結したボルトや、図13に示すような、
丸棒等の中実棒25の外周部に、先端部に複数の薬液吐
出孔26aが穿設された図10のチューブ21と同じ構
造の複数本のチューブ26(図面では、3本のチューブ
26が示されている)を配設して各種長さのバンド27
で締結したボルト等が用いられる。このものでは、各チ
ューブ26の薬液吐出孔26aの位相がずれるように配
列されており、薬液の吐出範囲が図12に示すボルトよ
りも長くなっている。上記各ボルトを構成するチューブ
21,23,26、中実棒22,25およびバンド2
4,27は鉄等の金属製でもよいし、樹脂製でもよい。
これら長尺ボルトを樹脂製とすると、切削機でフェース
を掘り進める際に、長尺ボルトが切削機の切刃に当たっ
て簡単に千切れるため、上記切刃を破損させることがな
いという利点がある。また、長尺ボルトを図10のチュ
ーブ21と同様構造の複数本のチューブだけで構成して
もよい。
【0030】そして、上記長尺のフェースボルトを用
い、以下のようにして、不安定な地山(地盤,岩盤等を
含む)を安定した地山に改良することができる。すなわ
ち、まず、図1および図2に示すように、トンネル切羽
1のフェース2およびその前方地山に、図3に示すよう
なジャンボドリル3等の削岩機を用い、複数の長孔4
(全長20m,直径60〜80mm)を水平方向に穿設
する(この実施の形態では、図2に示すように、12個
の長孔4が穿設されている)。ついで、図4および図5
に示すように、各長孔4内に長さ20mの樹脂ボルト5
(図10および図11に示すような、樹脂製のチューブ
であり、5aはその先端部に穿設された薬液吐出口であ
る)を根元まで挿入し、位置決めし、長孔4の入口部分
を布等のパッカー6で密封する。このとき、パッカー6
に長孔4内に開口するエアー抜き用およびリターン用の
ホース7を取付けておく。つぎに、図6に示すように、
各樹脂ボルト5の後端部に逆止弁付き継手8を取付け、
この継手8に二股配管10付き接続ユニット9をワンタ
ッチで装着し、二股配管10にそれぞれホース11,1
2を取付ける。つぎに、一方のホース11にA液をポン
プ(図示せず)から3〜10kg/cm2 の圧力で圧入
して樹脂ボルト5に供給し、他方のホース12にB液を
別のポンプ(図示せず)から3〜10kg/cm2 の圧
力で圧入して樹脂ボルト5に供給する。このようにして
圧入された両液は樹脂ボルト5の中空部で混合され、薬
液吐出孔5aから長孔4内に吐出される。そして、上記
吐出された混合液が長孔4内に充填されたのち、さらに
混合液が圧入されて地盤の間隙や周辺岩盤の亀裂に浸透
される(図7参照)。この浸透が充分に行われると、上
記両ポンプの圧力が急に高くなるため、薬液の圧入を停
止し、接続ユニット9を外す。そして、長孔4内の混合
液および地盤の間隙や周辺岩盤の亀裂に浸透した混合液
が完全に固化すると、硬化樹脂で長孔4内に樹脂ボルト
5が定着され、各長孔4の周囲の岩盤(地山)が固結さ
れる。このようにしてフェースの補強が行われる。13
は得られた固結領域である。その結果、図8および図9
に示すように、各樹脂ボルト5の定着とその周囲の固結
領域13との相乗効果によりフェース2およびその前方
地山の補強が行われる。
【0031】このようにして得られた固結領域13は、
フェース2およびその前方地山に薬液による固結が行き
わたっており、岩盤の粗密にかかわらず均一な固結がな
されている。しかも、樹脂ボルト5を用いているため、
切削機でフェース2を掘り進める際に、樹脂ボルト5が
切削機の切刃に当たっても簡単に千切れて、切削機の切
刃を破損させることがない。さらに、長孔4を横に3列
に並べ、各横列の長孔4の位相を横方向に少しずらして
いるため、各樹脂ボルト5の定着とその周囲の固結領域
13の形成が広い面積にわたって行え、補強効果が一層
向上し、地山が一層安定化される。
【0032】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0033】
【実施例1〜8、比較例1、2】まず、下記の表1およ
び表2に示すような組成で、A液とB液とを組み合わせ
た二液型発泡ウレタン樹脂薬液を調製した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】このようにして得られた実施例品および比
較例品を用いて、下記の基準に従い、ゲル化時間、硬化
体強度、粘度、発泡性および混合安定性について測定評
価を行った。これらの結果を下記の表3および表4に併
せて示す。
【0037】〔ゲル化時間〕液混合後、反応液の粘度が
10万cpsになるまでの時間を測定した。
【0038】〔硬化体強度〕直径50mm、長さ100
mmの円柱状の硬化物を作製し、オートグラフで圧縮ス
ピード5mm/分で試験を行った。
【0039】〔粘度〕B型粘度計を用いて測定した。な
お、液温も測定した。
【0040】〔発泡性〕混合液を1リットルのディスカ
ップに100mlの目盛まで注型し、体積変化を測定し
た。そして、1.5倍以上発泡したものを○として表示
し、発泡しなかったものを×として表示した。
【0041】〔混合安定性〕液混合後、分離せず単一色
であるか否かを目視評価した。そして、分離せず単一色
であるものを○として表示し、分離したものを×として
表示した。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】上記表3および表4の結果から、全実施例
品は、混合後、液は安定で、ゲル化時間が5分以上で発
泡するため周辺地盤を改良でき、しかも高強度でボルト
に定着できることがわかる。これに対して、比較例品
は、液の安定性が悪いため強度が出なく、ボルトに定着
することができない。また、ゲル化時間が5分以下であ
るため、地盤を改良することもできないことがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の二液型発泡ウレ
タン樹脂薬液は、水ガラスを主成分とするA液と、MD
I−PPを主成分とするB液とを組み合わせてなり、上
記A液に水ガラスとともにグリセリンを配合させたもの
である。そのため、A液であるグリセリンの−OH基
と、B液であるMDI−PPの−NCO基とが反応して
発泡する結果、適度なゲル化時間(5〜10分程度)を
発現するとともに、混合後の薬液の粘度が従来よりも低
下し、浸透性が向上する。したがって、この特殊な薬液
を用いることにより、例えば、長尺のフェースボルトを
用いて不安定な地山(地盤,岩盤等を含む)を安定した
地山に改良する場合等においても、長尺のフェースボル
ト内で薬液がゲル化することがなく、フェースボルトの
全周に行きわたるため、長尺のフェースボルトの早期定
着や孔周辺地山への薬液の浸透固結を図ることができ、
その結果、地山の改良を行うことができる。
【0046】また、上記B液のMDI−PPが、2,
4′ 体MDI−PPを含有し、かつ、その含有量が1
0〜16%の範囲に設定されていれば、A液とB液とを
混合した場合にその硬化反応が遅くなり、所望のゲル化
時間(7分程度)を発現することができる。
【0047】そして、上記B液が、さらにPCを含有す
るものであれば、減粘剤となるPCが水ガラス中のアル
カリ成分によって分解され炭酸ガスを発生して発泡する
とともに、上記PCが希釈剤(溶剤)としても働き、M
DI−PPの硬化成分が薄められる結果、硬化時間が遅
くなり所望のゲル化時間(7分程度)を発現することが
できる。なお、PCは臭いがなく、安価であるという利
点もある。
【0048】さらに、上記B液中のMDI−PPが、一
部乳化型のMDI−PPであると、4,4′ 体のMD
Iが多く残るため、硬化体の強度がより向上する。
【0049】そして、上記B液中のMDI−PPが、完
全乳化型のMDI−PPであると、水ガラス中において
長時間安定するため、硬化反応時間の調整が簡易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二液型発泡ウレタン樹脂薬液を用いた
切羽の安定補強工法の一実施の形態を示す概略図であ
る。
【図2】トンネル切羽のフェースの正面図である。
【図3】上記フェースに長孔を穿設している状態を示す
概略図である。
【図4】上記長孔に樹脂ボルトを位置決めした状態を示
す概略図である。
【図5】上記長孔の根元にパッカーを取付けた状態を示
す概略図である。
【図6】上記樹脂ボルトに継手等を取付けた状態を示す
概略図である。
【図7】上記樹脂ボルトから薬液を吐出している状態を
示す概略図である。
【図8】薬液の固結領域の説明図である。
【図9】薬液の固結領域の説明図である。
【図10】長尺ボルトを示す部分斜視図である。
【図11】上記長尺ボルトを示す部分断面図である。
【図12】上記長尺ボルトの変形例を示す部分斜視図で
ある。
【図13】上記長尺ボルトの他の変形例を示す部分斜視
図である。
【図14】先受工の説明図である。
【図15】先受工の説明図である。
【図16】フェースで崩落が発生している状態を示す説
明図である。
【図17】フェースにフェースボルトを設置している状
態を示す説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 満留 康幸 愛知県名古屋市西区鳥見町2丁目21番地 シンク化学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水ガラスを主成分とするA液と、ジフェ
    ニルメタンジイソシアネートプレポリマーを主成分とす
    るB液とを組み合わせた二液型発泡ウレタン樹脂薬液で
    あって、上記A液にグリセリンを配合させることを特徴
    とする二液型発泡ウレタン樹脂薬液。
  2. 【請求項2】 上記A液のグリセリンの配合量が、水ガ
    ラス100重量部に対して5〜30重量部の範囲に設定
    されている請求項1記載の二液型発泡ウレタン樹脂薬
    液。
  3. 【請求項3】 上記B液のジフェニルメタンジイソシア
    ネートプレポリマーが、ジフェニルメタン−2,4′−
    ジイソシアネートプレポリマーを含有し、かつ、その含
    有量が10〜16重量%の範囲に設定されている請求項
    1または2記載の二液型発泡ウレタン樹脂薬液。
  4. 【請求項4】 上記B液が、ジフェニルメタンジイソシ
    アネートプレポリマーにプロピレンカーボネートを配合
    させたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    二液型発泡ウレタン樹脂薬液。
  5. 【請求項5】 上記B液のジフェニルメタンジイソシア
    ネートプレポリマーが、一部乳化型のジフェニルメタン
    ジイソシアネートプレポリマーである請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の二液型発泡ウレタン樹脂薬液。
  6. 【請求項6】 上記B液のジフェニルメタンジイソシア
    ネートプレポリマーが、完全乳化型のジフェニルメタン
    ジイソシアネートプレポリマーである請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の二液型発泡ウレタン樹脂薬液。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001262557A (ja) * 2000-03-17 2001-09-26 Nisshinbo Ind Inc 地山注入用部材
JP2020079343A (ja) * 2018-11-12 2020-05-28 東ソー株式会社 岩盤固結用注入薬液組成物

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JP2020079343A (ja) * 2018-11-12 2020-05-28 東ソー株式会社 岩盤固結用注入薬液組成物

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