JPH1180378A - ポリプロピレンの架橋方法及びそれからの成形体 - Google Patents

ポリプロピレンの架橋方法及びそれからの成形体

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JPH1180378A
JPH1180378A JP25148297A JP25148297A JPH1180378A JP H1180378 A JPH1180378 A JP H1180378A JP 25148297 A JP25148297 A JP 25148297A JP 25148297 A JP25148297 A JP 25148297A JP H1180378 A JPH1180378 A JP H1180378A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (イ)分子内に二重結合を2つ以上持
つモノマー(A) と分子内にヒンダードフェノールを持つ
化合物又はアミン系化合物(B) を添加したポリプロピレ
ン(C) を成形後急冷し、 (ロ)放射線を照射して架橋し、
伸び100%以上の架橋ポリプロピレン成形体を得るポ
リプロピレンの架橋方法。 (イ)ポリプロピレン樹脂
組成物をDSCで測定した吸熱量が60J/g以下にな
るように成形後急冷し、 (ロ)30〜500kGyの放射
線を照射して、ゲル分率40%以上になるように架橋
し、伸び100%以上の架橋ポリプロピレン成形体を得
る。ポリプロピレン(C) がエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体であること。それからの架橋ポリプロピ
レン被覆電線。 【効果】 初期伸びが100%以上を示し、且つ耐熱老
化性に優れた架橋ポリプロピレン成形体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂の架橋方法の改良に関する。更に、本発明は、ポリ
エチレンに比して熱変形温度の高いポリプロピレン系樹
脂の機械的強度や耐熱老化性の低下を最小限に抑えて架
橋する方法及びこの方法で得られた架橋ポリプロピレン
系樹脂成形体並びにそれからの被覆電線に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンの架橋方法として従来種
々の方法が知られている。例えば、特開昭51−132
253号公報には、ポリプロピレン、液状ポリブタジエ
ン、多官能性モノマー及びラジカル発生剤からなる組成
物をラジカル発生剤の分解温度以上に加熱してポリプロ
ピレンを架橋する方法が開示されている。この場合、架
橋助剤として液状ポリブタジエン、多官能性モノマーを
加えて熱架橋したので、熱分解し易いポリプロピレンを
良好に架橋できるものである。
【0003】また、特開平4−249547号公報に
は、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン、発泡剤、ジ
ビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ポリブタジエン等のような架橋助剤を含有する発
泡性樹脂組成物を電離性放射線による照射後、加熱発泡
させてなるオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造方法が記
載されている。この場合、架橋後に深絞り成形のような
高温成形に適するように、ポリエチレンをブレンドして
耐熱性に優れたオレフィン系樹脂発泡性組成物を提供す
るものである。
【0004】更に、特開平4−292642号公報に
は、発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂に3官能性化合物
と2官能性化合物との2種類の架橋促進剤を混合した発
泡性樹脂組成物を電離性放射線により架橋した後、加熱
発泡させたポリオレフィン架橋発泡体の製造方法が記載
されている。この場合、ポリオレフィン架橋発泡体にお
いて、2種類の架橋促進剤を用いたので、ポリオレフィ
ン樹脂の機械的特性、耐熱性を損なわずに、二次成形に
際しての引張伸度を良くすることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ポリプ
ロピレンに多官能モノマーを添加して架橋する方法は、
従来から良く知られているが、架橋してゲルを生成して
も伸びが著しく小さく、実用上必要な強度を保持できな
かった。その理由は、ポリプロピレンは、元々分解型の
ポリマーであるため、架橋助剤を添加してゲルが生成し
ても、同時にポリマーの分解も起きており、架橋と同時
に分解も進んでしまうため、架橋後の成形体の伸びがで
ないと考えられる。
【0006】また、架橋後の伸びを出すために、ポリプ
ロピレンにポリオレフィンをブレンドする方法もある
が、例えばポリエチレンをブレンドするとポリプロピレ
ンが本来保有する高耐熱性の特性を落としてしまう問題
点がある。その理由は、ポリプロピレンのホモポリマー
の融点は160℃であるのに対して、ポリエチレンの融
点は低密度ポリエチレンで約100℃、高密度ポリエチ
レンで約130℃であり、ポリプロピレンに比して30
〜60℃も低いため、ポリエチレンをブレンドして架橋
すると、熱変形温度が下がってしまうからと考えられ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題に
ついて種々検討した結果、ポリプロピレン(C) を放射線
架橋するに当たり、ポリプロピレン(C) に分子内に二重
結合を2つ以上持つモノマー(A) と分子内にヒンダード
フェノールを持つ化合物又はアミン系化合物(B) を添加
した配合物を作り、且つ該樹脂組成物を成形後急冷し、
放射線照射により架橋することにより、初期伸びが10
0%以上で、且つ耐熱老化性に優れたポリプロピレン架
橋成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち、本発明は: (i) 分子内に二重結合を2つ以上持つモノマー(架
橋助剤)(A) と分子内にヒンダードフェノールを持つ化
合物又はアミン系化合物(酸化防止剤)(B) を添加した
ポリプロピレン(C) を成形後急冷し、(ii)放射線を照射
して架橋し、(iii) 伸び100%以上の架橋ポリプロピ
レン成形体を得る、ポリプロピレンの架橋方法を提供す
る。また、 (i) ポリプロピレン(C) 100重量部に対して、分
子内に二重結合を2つ以上持つモノマー(A) を3〜30
重量部、分子内にヒンダードフェノールを持つ化合物又
はアミン系化合物(B) を0.5〜5重量部添加したポリ
プロピレン(C)をDSCで測定した吸熱量が60J/g
以下(D) になるように成形後急冷し、(ii)30〜500
kGyの放射線を照射して、ゲル分率40%以上になる
ように架橋し、(iii) 伸び100%以上の架橋ポリプロ
ピレン成形体を得る、ポリプロピレンの架橋方法を提供
する。また、
【0009】 ポリプロピレン(C) がエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体である点にも特徴を有する。ま
た、 〜のいずれかに記載の方法で得られた、架橋ポ
リプロピレン成形体を提供する。また、 〜のいずれかに記載の方法により導体上にポリ
プロピレンを成形・被覆し、架橋した、架橋ポリプロピ
レン被覆電線を提供する。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリプロピレンの架橋方法は、基本的に、(i) (A) 分子
内に二重結合を2つ以上持つモノマー(架橋助剤)と
(B) 分子内にヒンダードフェノールを持つ化合物又はア
ミン系化合物(酸化防止剤)を添加した(C) ポリプロピ
レン(配合物)を成形後急冷し、(ii)放射線を照射して
架橋し、(iii) 伸び100%以上の架橋ポリプロピレン
成形体を得ることからなる。
【0011】 本発明のポリプロピレン配合物につい
て: (i) 本発明に使用するポリプロピレン(C) :本発明のポ
リプロピレン(C) としては、ポリプロピレンのホモポリ
マーだけでなく、プロピレン−エチレン、ブテン等の他
のオレフィンとの共重合体、特にプロピレン−エチレン
のランダム共重合体、プロピレン−エチレンのブロック
共重合体等のポリプロピレン系樹脂並びに該ポリプロピ
レン系樹脂にその特性を損なわない範囲の少量でポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体等を含有する混合物
を挙げることができる。
【0012】(ii) 分子内に二重結合を2つ以上持つモ
ノマー(架橋助剤)(A) :本発明においては、架橋助剤
として分子内に二重結合を2つ以上持つモノマー(A)
(以下、単に不飽和モノマーと称する)を添加しない
と、十分な架橋度が得られないと共に、耐熱老化試験の
伸びが小さくなる。該不飽和モノマー(A) の例として
は、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル類、ジビニ
ル化合物、アリルアルコールとアクリル酸又はメタクリ
ル酸のエステル類等を挙げることができる。具体的に
は、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート等のアクリル酸又はメ
タクリル酸のエステル類;ジビニルベンゼン、ジビニル
ピリジン等のジビニル化合物;ジアリ−ルマレエート、
ジアリ−ルフマレート、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレート等のアリルアルコールとアクリ
ル酸又はメタクリル酸のエステル類等を挙げることがで
きる。
【0013】上記不飽和モノマーは、単独または他の不
飽和モノマーと混合して用いても良い。該不飽和モノマ
ー(A) の添加量は、ポリプロピレン(C) 100重量部に
対して3〜30重量部が良く、添加量が30重量部より
多い程架橋度は高くなるが、耐熱老化性が悪くなるため
に最適値を選ぶ必要があり、好ましくは5〜20重量
部、より好ましくは8〜15重量部である。
【0014】(iii) 分子内にヒンダードフェノールを持
つ化合物又はアミン系化合物(酸化防止剤)(B) :酸化
防止剤として用いる分子内にヒンダードフェノールを持
つ化合物又はアミン系化合物は、架橋体の耐熱性を維持
するために必須である。また、上記特定の酸化防止剤に
加えて、硫黄系や燐系の酸化防止剤を添加しても良い。
ここで、「ヒンダードフェノール」とはフェノール核の
隣に第3級(tert) ブチル基のような嵩高い官能基持つ
フェノールを指す。
【0015】該ヒンダードフェノールを持つ化合物(B)
としては、例えば4,4’−チオビス(6−tertブチル
−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(6−tertブチル−4−メチルフェノール、ジラウリル
−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−
3,3’−チオジプロピオネート、テトラキス〔メチレ
ン−3−(3’,5’−ジ−tertブチル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン、ペンタエリス
リトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tertブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を挙げる
ことができ、一般にフェノール系酸化防止剤と言われて
いるものである。
【0016】該アミン系化合物(B) としては、フェニル
−α−ナフチルアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェ
ニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエン・スルホン
アミド)ジフェニルアミン、1,2−ビス(フェニルア
ミノ)エタン等一般にアミン系酸化防止剤と言われてい
るものである。該酸化防止剤(B) の添加量は、ポリプロ
ピレン100重量部に対して0.5〜5重量部、好まし
くは1〜3重量部で良い。該酸化防止剤(B) は単独でも
組み合わせて使用しても良い。該酸化防止剤(B) に加え
て、硫黄系や燐系の酸化防止剤を添加すると、更に耐熱
老化性が向上する。
【0017】(iv) 本発明の配合物の組成:本発明の配
合物の組成は、基本的に上記(i) 〜(iii) 成分からなる
が、必要に応じてポリプロピレン(C) の特性を阻害しな
い範囲の少量でポリエチレン等の他のポリオレフィンを
添加しても良い。本発明の配合物には、必要に応じて紫
外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、、発泡剤、難燃
剤、増量剤等の慣用の添加剤を添加しても良い。
【0018】 本発明の成形方法:本発明の成形方法
は、基本的に、溶融したポリプロピレンを常法の成形法
に従って成形した後に、氷水等の低温冷媒に接触させて
急冷することからなる。その後、この方法で得られた成
形体を放射線照射すると、効率良く架橋が進む作用があ
る。所望の急冷成形体が得られたかの判定は、DSC
(示差走査熱分析)測定により容易に判定できる。
【0019】本発明では、成形後急冷すると結晶部分が
少なくなるため、DSC測定による吸熱量が少なくな
る。DSCによって測定したポリプロピレンの吸熱量が
60J/g以下になるように、急冷して結晶部分を少な
くすると、良好な結果が得られる。本発明の樹脂配合物
を成形後急冷する方法としては特に制限されないが、例
えば押出成形、圧延成形、圧縮成形等を適用できる。
【0020】 放射線架橋について:本発明は、次
に、成形後急冷した成形体に放射線照射して架橋するこ
とが必要である。ここでいう「放射線」とは、電子線、
γ線、X線、イオンビーム等があるが、工業的に利用し
易いのは電子線とγ線である。放射線の照射量として
は、30〜500kGy程度が適当である。照射量が増
える程架橋度は高くなるが、耐熱老化性が悪くなるのた
めに最適の照射量を選ぶ必要があり、60〜300kG
yが良い。
【0021】架橋の程度はゲル分率を測定して判定す
る。ゲル分率とは120℃に加熱した熱キシレン溶液中
に照射・架橋した成形体を8時間浸漬・抽出した後に残
存する不溶性残渣の比率を指す。このように、熱キシレ
ンで測定したゲル分率が40%以上、好ましくは50%
以上あれば架橋体として良好な特性が得られる。なお、
耐熱老化性が良くて良好な架橋体とするためにはゲル分
率の上限は75%程度に抑えることが望ましい。
【0022】 本発明の架橋体の特性:従来法による
架橋ポリプロピレンはゲル分率が50%以上あっても、
伸びが少なく実用性に欠けるものであったが、本発明の
特定方法で架橋することにより、伸びが100%以上、
好ましくは150%以上ある、機械的物性に優れたポリ
プロピレンが得られる。本発明で言う初期伸びとは、1
mm厚みのシートをJIS3号ダンベルに打ち抜き、引
張速度50mm/分で引張った時の伸びた割合(%)を
指す。
【0023】
【実施例】本発明を下記の実施例及び比較例により説明
するがこれらは本発明の範囲を制限しない。 (実施例1〜3)表1の配合成分を180℃で10分間
ロール混合し、200℃10分間プレス成形した後、氷
水に入れて急冷し1mm厚みのシートを作製した。この
シートサンプルをDSCで10℃/分の速度で昇温して
吸熱量を求めた。このシートに1.2MeVの電子線を
空気中で照射して架橋した。シートをJIS3号ダンベ
ルに打ち抜き、引張速度50mm/分で引張試験して初
期伸びを測定した。ゲル分率は120℃に加熱したキシ
レン中で8時間浸漬・抽出した後、不溶部分の重量を測
定してゲル分率を求めた。
【0024】熱変形性を評価するために、TWA(熱機
械分析)を用いてシートに3.0mmφ径の円柱状棒を
100gの荷重で押し込み、下記数式で130℃におけ
る変形率を求めた。
【数1】 また、架橋したシートの耐熱性を評価するために、シー
トを200℃の低温槽に1時間入れて加熱後、シートを
180°折り曲げてクラックが発生するかどうかを検査
した。その結果を表1に示した。実施例1〜3のいずれ
のサンプルも初期伸び100%以上あり、130℃でも
全く変形せず、加熱後もクラックが発生せず、良好な耐
熱性を示した。
【0025】(実施例4)表1の実施例4の配合成分を
実施例1〜3に記載の混合方法に従ってロール混合した
後、常法に従ってペレタイズしてペレットを作製した。
0.18mmφのスズメッキ軟導線を7本撚り合わせた
撚線上に肉厚0.5mmでこの樹脂を押出成形した。押
出には、50mmφ押出機を用い、270℃で押出成形
した後に、冷水に入れて急冷した。表1に示すように、
1.2MeVの電子線を照射して架橋した電線は、初期
伸び530%もあり、200℃で1時間加熱後もクラッ
クせず、良好な耐熱性を示した。
【0026】(比較例1、2)表1の比較例1、2の配
合成分を、成形後急冷する代わりに成形後徐冷する点を
除いて実施例1〜3に記載の方法に従って架橋ポリプロ
ピレン成形体を製造した。この場合、表1に示すよう
に、照射架橋すると伸びが100%を切ってしまい、2
00℃で加熱後もクラックを発生しており耐熱性も悪
い。
【0027】(比較例3)ヒンダードフェノール系化合
物を添加しない表1の比較例3の配合成分を、実施例1
〜3に記載の方法に従って架橋ポリプロピレン成形体を
製造した。この場合、表1に示すように、初期伸びが小
さく、耐熱性も悪い。
【0028】(比較例4)ポリプロピレンに代えて低密
度ポリエチレンを用いる表1の比較例3の配合成分を、
実施例1〜3に記載の方法に従って架橋ポリエチレン成
形体を製造した。低密度ポリエチレンを放射線で架橋し
た場合は、表1に示すように、初期伸びや耐熱性に関し
ては問題はないが、融点が110℃であるので、150
℃に加熱して荷重をかけると変形してしまい、熱変形性
に劣る。
【0029】それらの結果を以下の表1に示した。
【表1】
【0030】(注)1)商品名「トクヤマ PPRB-410 」
ランダムタイプポリプロピレン、 2)商品名「三菱PP EC-8 」ブロックタイプポリプロピ
レン、 3)商品名「スミカセン C-215 」低密度ポリエチレ
ン、 4)トリメチロールプロパントリメタクリレート、 5)トリアリルイソシアヌレート、 6)ペンタエリスリトール- テトラキス[3-(3,5-ジ-ter
t-ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロピオネート、 7)4,4'- ジオクチルジフェニルアミン、 8)130℃で3mmφ径の円筒状棒を100gの荷重で押
し込み、TMA(熱機械分析) により求めた熱変形率、 9)○;200℃で1時間加熱後に180°曲げてもク
ラックを発生しない、×;200℃で1時間加熱後に1
80°曲げるとクラックを発生する。
【0031】
【発明の効果】従来の放射線照射による架橋ポリプロピ
レンはゲルは生成するが、放射線による劣化も激しく、
初期伸びがなかったり、熱老化性が悪かった。しかしな
がら、分子内に二重結合を2つ以上持つモノマー(A) と
分子内にヒンダードフェノールを持つ化合物又はアミン
系化合物(B) を添加したポリプロピレン(C) を成形後急
冷し、放射線を照射して架橋すると、初期伸びが100
%以上を示し、且つ耐熱老化性に優れた架橋ポリプロピ
レン成形体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 清一 京都市左京区吉田本町 京都大学大学院工 学系研究科内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 分子内に二重結合を2つ以上持つモ
    ノマー(A) と分子内にヒンダードフェノールを持つ化合
    物又はアミン系化合物(B) を添加したポリプロピレン
    (C) を成形後急冷し、(2) 放射線を照射して架橋し、伸
    び100%以上の架橋ポリプロピレン成形体を得ること
    を特徴とする、ポリプロピレンの架橋方法。
  2. 【請求項2】 (1) ポリプロピレン(C) 100重量部に
    対して、分子内に二重結合を2つ以上持つモノマー(A)
    を3〜30重量部、分子内にヒンダードフェノールを持
    つ化合物又はアミン系化合物(B) を0.5〜5重量部添
    加したポリプロピレン(C) をDSCで測定した吸熱量が
    60J/g以下になるように成形後急冷し、(2) 30〜
    500kGyの放射線を照射して、ゲル分率40%以上
    になるように架橋し、伸び100%以上の架橋ポリプロ
    ピレン成形体を得ることを特徴とする、ポリプロピレン
    の架橋方法。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン(C) がエチレン−プロピ
    レンランダム共重合体であることを特徴とする、請求項
    1又は2記載のポリプロピレンの架橋方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で
    得られたことを特徴とする、架橋ポリプロピレン成形
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    より導体上にポリプロピレンを成形・被覆し、架橋した
    ことを特徴とする、架橋ポリプロピレン被覆電線。
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