JP2663598B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法Info
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- JP2663598B2 JP2663598B2 JP33188888A JP33188888A JP2663598B2 JP 2663598 B2 JP2663598 B2 JP 2663598B2 JP 33188888 A JP33188888 A JP 33188888A JP 33188888 A JP33188888 A JP 33188888A JP 2663598 B2 JP2663598 B2 JP 2663598B2
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- cooling
- resin
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- polyolefin resin
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法、
特に、ポリオレフィン系樹脂と化学発泡剤とからなる発
泡性樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系
樹脂発泡体の製造方法に関する。
特に、ポリオレフィン系樹脂と化学発泡剤とからなる発
泡性樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系
樹脂発泡体の製造方法に関する。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、クッション材,断熱
材用途などの多方面に使用されており、用途の拡大とと
もに要求特性が多様化してきている。例えば、エアーコ
ンディショナー等のパイプカバー用途に使用される場合
には、加熱成形時の寸法安定性の良いことが特に要求さ
れる。
材用途などの多方面に使用されており、用途の拡大とと
もに要求特性が多様化してきている。例えば、エアーコ
ンディショナー等のパイプカバー用途に使用される場合
には、加熱成形時の寸法安定性の良いことが特に要求さ
れる。
本発明者等は、このような現状に鑑み、寸法安定性の
向上を目的として検討を行った結果、ポリオレフィン系
樹脂発泡体の加熱成型時の寸法安定性が発泡体の加熱発
泡直後の冷却速度によって決まる事を見出した。
向上を目的として検討を行った結果、ポリオレフィン系
樹脂発泡体の加熱成型時の寸法安定性が発泡体の加熱発
泡直後の冷却速度によって決まる事を見出した。
よって、本発明の目的は、加熱発泡後の冷却速度を制
御することによって優れた寸法安定性が得られる、ポリ
オレフィン系樹脂発泡体の製造方法を提供することにあ
る。
御することによって優れた寸法安定性が得られる、ポリ
オレフィン系樹脂発泡体の製造方法を提供することにあ
る。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
は、電子線架橋された或いは化学架橋剤を含むポリオレ
フィン系樹脂と化学発泡剤とからなる発泡性樹脂組成物
を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を製
造する方法である。この製造方法は、次の工程を含んで
いる。
は、電子線架橋された或いは化学架橋剤を含むポリオレ
フィン系樹脂と化学発泡剤とからなる発泡性樹脂組成物
を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を製
造する方法である。この製造方法は、次の工程を含んで
いる。
◎未発泡樹脂を加熱して発泡体を得ること。
◎発泡後の発泡体に対し、発泡体温度が110〜160℃にな
るまで5〜10℃/秒の冷却速度で第1段階の冷却をする
こと。
るまで5〜10℃/秒の冷却速度で第1段階の冷却をする
こと。
◎第1段階の冷却に続いて、発泡体に対し、発泡体温度
が110〜160℃から常温まで10〜15℃1秒の冷却速度で第
2段階の冷却をすること。
が110〜160℃から常温まで10〜15℃1秒の冷却速度で第
2段階の冷却をすること。
本発明でいうポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレ
ン,ポリエチレン,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エ
チレン・プロピレン共重合体等であり、それらの混合物
でもよい。
ン,ポリエチレン,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エ
チレン・プロピレン共重合体等であり、それらの混合物
でもよい。
例えば、ポリプロピレン樹脂としては、アイソタクチ
ックポリプロピレン樹脂が用いられる。この場合には、
メルトフローレート(ASTM D 1238E)が1〜20g/10分の
流動性をもっているものが好ましい。また、ポリプロピ
レン樹脂は共重合体でもよい。この場合には、エチレン
を含むα−オレフィンの少量共重合体で、ランダム性の
良いものが好ましい。さらに、ポリプロピレン樹脂の特
性が損なわれない程度に他の樹脂が混合されていてもよ
い。このポリプロピレン樹脂には、他の熱可塑性樹脂を
少量添加することも可能であり、難燃剤,充填剤,安定
剤,帯電防止剤等の任意の添加剤を添加することもでき
る。
ックポリプロピレン樹脂が用いられる。この場合には、
メルトフローレート(ASTM D 1238E)が1〜20g/10分の
流動性をもっているものが好ましい。また、ポリプロピ
レン樹脂は共重合体でもよい。この場合には、エチレン
を含むα−オレフィンの少量共重合体で、ランダム性の
良いものが好ましい。さらに、ポリプロピレン樹脂の特
性が損なわれない程度に他の樹脂が混合されていてもよ
い。このポリプロピレン樹脂には、他の熱可塑性樹脂を
少量添加することも可能であり、難燃剤,充填剤,安定
剤,帯電防止剤等の任意の添加剤を添加することもでき
る。
ポリエチレン樹脂としては、好ましくは、メルトフロ
ーレートが0.1〜50g/10分(好ましくは0.5〜20g/10
分)、密度(ASTM D 1505)が0.910〜0.940g/cm3(好ま
しくは0.915〜0.935g/cm3)及び融点が110〜130℃(好
ましくは115〜127℃)のものであって、エチレンと炭素
数4〜20(好ましくは炭素数5〜20)のα−オレフィン
との共重合体である。さらに好ましくは、分子量分布
(重量平均分子量/数平均分子量の値)が6以下のエチ
レン共重合体のものが用いられる。
ーレートが0.1〜50g/10分(好ましくは0.5〜20g/10
分)、密度(ASTM D 1505)が0.910〜0.940g/cm3(好ま
しくは0.915〜0.935g/cm3)及び融点が110〜130℃(好
ましくは115〜127℃)のものであって、エチレンと炭素
数4〜20(好ましくは炭素数5〜20)のα−オレフィン
との共重合体である。さらに好ましくは、分子量分布
(重量平均分子量/数平均分子量の値)が6以下のエチ
レン共重合体のものが用いられる。
エチレン共重合体の構成成分である炭素数4〜20のα
−オレフィンとしては、例えば1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テ
トラデセン、1−オクタデセン等から選ばれる1または
2以上のものをあげることができる。なお、これらα−
オレフィンを構成成分とする限り、少量のプロピレン成
分が含有されていてもよいが、その場合にはα−オレフ
ィンの含有量よりもプロピレン成分をかなり少なくする
必要がある。ポリエチレン共重合体全体の密度が前記範
囲のものとなるためには、α−オレフィンの種類によっ
ても異なるが、エチレンが88〜97重量%程度含有されて
いればよい。
−オレフィンとしては、例えば1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テ
トラデセン、1−オクタデセン等から選ばれる1または
2以上のものをあげることができる。なお、これらα−
オレフィンを構成成分とする限り、少量のプロピレン成
分が含有されていてもよいが、その場合にはα−オレフ
ィンの含有量よりもプロピレン成分をかなり少なくする
必要がある。ポリエチレン共重合体全体の密度が前記範
囲のものとなるためには、α−オレフィンの種類によっ
ても異なるが、エチレンが88〜97重量%程度含有されて
いればよい。
なお、前記重合体の融点は、示差走査型熱量計(DS
C)を用い、試料を200℃で5分間溶融させた後、25℃/
分の速度で室温まで冷却結晶化させ、室温に1時間保っ
た後、10℃/分の昇温速度で吸熱曲線を測定した場合の
ピーク温度である。吸熱ピークが1個のみ検出されるも
の或いは複数個検出されるものでもよいが、後者の場合
は最高ピーク温度を融点とする。また、分子量分布(重
量平均分子量/数平均分子量)は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフ[測定装置:ウォータースアソシエイ
ツ社(米国)製モデル150C−LC/GPC,カラム:東洋曹達
(株)製GMH−6(103〜107Åミックスゲル),溶媒:o
−ジクロルベンゼン,測定温度:135℃]を用いて分子量
分布曲線を求め、ポリスチレンをスタンダードとしたユ
ニバーサルキャリブレーション法により重量平均分子量
と数平均分子量とを算出することにより求めた値であ
る。
C)を用い、試料を200℃で5分間溶融させた後、25℃/
分の速度で室温まで冷却結晶化させ、室温に1時間保っ
た後、10℃/分の昇温速度で吸熱曲線を測定した場合の
ピーク温度である。吸熱ピークが1個のみ検出されるも
の或いは複数個検出されるものでもよいが、後者の場合
は最高ピーク温度を融点とする。また、分子量分布(重
量平均分子量/数平均分子量)は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフ[測定装置:ウォータースアソシエイ
ツ社(米国)製モデル150C−LC/GPC,カラム:東洋曹達
(株)製GMH−6(103〜107Åミックスゲル),溶媒:o
−ジクロルベンゼン,測定温度:135℃]を用いて分子量
分布曲線を求め、ポリスチレンをスタンダードとしたユ
ニバーサルキャリブレーション法により重量平均分子量
と数平均分子量とを算出することにより求めた値であ
る。
本発明において用いられる電子線架橋は、加速電圧が
500〜1000KV程度の電離性放射線照射装置を使用し、1
〜10Mradの電離性放射線を使用することにより行われ
る。放射線とは、例えばX線,α線,β線,γ線等の電
離性放射線をいう。
500〜1000KV程度の電離性放射線照射装置を使用し、1
〜10Mradの電離性放射線を使用することにより行われ
る。放射線とは、例えばX線,α線,β線,γ線等の電
離性放射線をいう。
本発明で用いる化学架橋剤は、ポリオレフィン系樹脂
の溶融温度よりも高く、用いる発泡剤の分解温度よりも
低い分解点を有するものである。この架橋剤は、分解半
減期が1分間の場合の分解温度が約130℃以上のものが
好ましく、150℃以上のものが特に好ましい。具体的例
としては、メチルエチルケトンパーオキシド(182
℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
(153℃)、ジクミルパーオキシド(171℃)、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(1
79℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3(193℃)、ジ−t−ブチルパーオキ
シフタレート(159℃)等がある。これらの有機過酸化
物は、樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好まし
くは0.05〜5重量部使用される。
の溶融温度よりも高く、用いる発泡剤の分解温度よりも
低い分解点を有するものである。この架橋剤は、分解半
減期が1分間の場合の分解温度が約130℃以上のものが
好ましく、150℃以上のものが特に好ましい。具体的例
としては、メチルエチルケトンパーオキシド(182
℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
(153℃)、ジクミルパーオキシド(171℃)、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(1
79℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3(193℃)、ジ−t−ブチルパーオキ
シフタレート(159℃)等がある。これらの有機過酸化
物は、樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好まし
くは0.05〜5重量部使用される。
なお、電子線による架橋処理と化学架橋剤とを併用し
てもよい。
てもよい。
本発明で用いられる化学発泡剤は、本発明で用いられ
るポリオレフィン系樹脂の溶融温度よりも高い分解温度
を有するものであれば何でもよい。好ましくは、アゾジ
カルボンアミドであり、特にその主分解点が196℃以上
のものが望ましい。ここでいう分解点とは、日本工業規
格(JIS K−8004)にて定められた融点測定装置を用
い、毛細管に約5mmの試料を緊密に充填し、温度が190℃
に達したとき試料の充填された毛細管を当該装置に挿入
し、196℃まで毎分2℃の速度で昇温させ、その後毎分
1℃の速度で昇温させ、試料の黄色が完全に脱色したと
きの温度をいう。さらに、アゾジカルボンアミドと同等
もしくはそれより高温の分解点を有するヒドラゾジカル
ボンアミド、アジジカルボン酸バリウム塩、ジニトロソ
ペンタチレンテトラミン、ニトログアニジン、p,p′−
オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等を単独
もしくは混合して用いることもできる。これらをアゾジ
カルボンアミドに混合して用いることもできる。その
他、トリヒドラジンシンメトリックトリアジン、ビスベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、バリウムアゾジカルボキ
シレート、アゾビスイソブチロニトリル、トルエンスル
ホニルヒドラジド等が用いられる。
るポリオレフィン系樹脂の溶融温度よりも高い分解温度
を有するものであれば何でもよい。好ましくは、アゾジ
カルボンアミドであり、特にその主分解点が196℃以上
のものが望ましい。ここでいう分解点とは、日本工業規
格(JIS K−8004)にて定められた融点測定装置を用
い、毛細管に約5mmの試料を緊密に充填し、温度が190℃
に達したとき試料の充填された毛細管を当該装置に挿入
し、196℃まで毎分2℃の速度で昇温させ、その後毎分
1℃の速度で昇温させ、試料の黄色が完全に脱色したと
きの温度をいう。さらに、アゾジカルボンアミドと同等
もしくはそれより高温の分解点を有するヒドラゾジカル
ボンアミド、アジジカルボン酸バリウム塩、ジニトロソ
ペンタチレンテトラミン、ニトログアニジン、p,p′−
オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等を単独
もしくは混合して用いることもできる。これらをアゾジ
カルボンアミドに混合して用いることもできる。その
他、トリヒドラジンシンメトリックトリアジン、ビスベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、バリウムアゾジカルボキ
シレート、アゾビスイソブチロニトリル、トルエンスル
ホニルヒドラジド等が用いられる。
本発明に係る製造方法においてシートの成形を行う場
合には、発泡剤或いは化学架橋剤の分解温度よりも低い
温度で混練成形が実施される。これは、均一なシート、
均一な発泡体を作るための要件である。シート成形時に
発泡剤が部分的にでも分解すると、発生したガスがシー
ト中に保持され、微細な空洞を持つシートとなる。この
ようなシートを加熱発泡させると、発泡体の気泡が粗大
となって良好な発泡体は得られない。また、シート成形
時に化学架橋剤が分解すると、部分的にポリエチレンの
架橋反応が起こり、シート中にゲル分が生じるため均質
なシート或いは発泡体は得られない。したがって、使用
する樹脂の混練成形温度よりも分解温度の高い発泡剤及
び化学架橋剤を選択する必要がある。
合には、発泡剤或いは化学架橋剤の分解温度よりも低い
温度で混練成形が実施される。これは、均一なシート、
均一な発泡体を作るための要件である。シート成形時に
発泡剤が部分的にでも分解すると、発生したガスがシー
ト中に保持され、微細な空洞を持つシートとなる。この
ようなシートを加熱発泡させると、発泡体の気泡が粗大
となって良好な発泡体は得られない。また、シート成形
時に化学架橋剤が分解すると、部分的にポリエチレンの
架橋反応が起こり、シート中にゲル分が生じるため均質
なシート或いは発泡体は得られない。したがって、使用
する樹脂の混練成形温度よりも分解温度の高い発泡剤及
び化学架橋剤を選択する必要がある。
本発明の方法に適する架橋度は、ゲル分率で10〜80
%、好ましくは15〜60%である。架橋度が少なすぎる
と、発泡時の気泡が保持されないで大気泡のフォームに
なりやすく、系外へのガスの逃散により発泡倍率が上が
りにくい。架橋度が高すぎると、発泡体の膨張が妨げら
れて発泡倍率が上がりにくく加熱時に伸張性が低下し熱
成形性が低下する。ここでいうゲル分率は、試料0.2gを
50mlのテトラリン中に135℃で3時間浸積したときの不
溶部分の重量%である。
%、好ましくは15〜60%である。架橋度が少なすぎる
と、発泡時の気泡が保持されないで大気泡のフォームに
なりやすく、系外へのガスの逃散により発泡倍率が上が
りにくい。架橋度が高すぎると、発泡体の膨張が妨げら
れて発泡倍率が上がりにくく加熱時に伸張性が低下し熱
成形性が低下する。ここでいうゲル分率は、試料0.2gを
50mlのテトラリン中に135℃で3時間浸積したときの不
溶部分の重量%である。
次に、得られたシートを用いて加熱発泡を行う。発泡
が完了すれば、次のように2段階の冷却を行う。
が完了すれば、次のように2段階の冷却を行う。
(1)発泡体を、発泡温度から110〜160℃まで5〜10℃
/秒の冷却速度で冷却する。
/秒の冷却速度で冷却する。
(2)発泡体を、110〜160℃から常温まで5〜15℃/秒
の冷却速度で冷却する。
の冷却速度で冷却する。
このように冷却速度を制御すれば、加熱寸法変化率が
小さくなり、ポリオレフィン系樹脂発泡体の加熱寸法精
度が良くなる。
小さくなり、ポリオレフィン系樹脂発泡体の加熱寸法精
度が良くなる。
第1段階の冷却から第2段階の冷却へ移行するのは、
発泡体の温度が110〜160℃となったときである。この移
行温度は、110〜130℃が好ましく、120℃付近がより好
ましい。第1段階の冷却での冷却速度は、5〜10℃/
秒、好ましくは6〜8℃/秒である。第2段階での冷却
速度は、10〜15℃/秒、好ましくは10〜12℃/秒であ
る。冷却速度がこれらの範囲を越えて大きい場合は、発
泡体の長さ方向と幅方向の加熱寸法変化率が大きくな
る。冷却速度が小さすぎる場合は、厚み方向の加熱寸法
変化率が大きくなる。したがって、冷却速度が所定の範
囲からいずれの方向に逸脱しても、加熱成形加工時の寸
法安定性の良い発泡体は得られない。
発泡体の温度が110〜160℃となったときである。この移
行温度は、110〜130℃が好ましく、120℃付近がより好
ましい。第1段階の冷却での冷却速度は、5〜10℃/
秒、好ましくは6〜8℃/秒である。第2段階での冷却
速度は、10〜15℃/秒、好ましくは10〜12℃/秒であ
る。冷却速度がこれらの範囲を越えて大きい場合は、発
泡体の長さ方向と幅方向の加熱寸法変化率が大きくな
る。冷却速度が小さすぎる場合は、厚み方向の加熱寸法
変化率が大きくなる。したがって、冷却速度が所定の範
囲からいずれの方向に逸脱しても、加熱成形加工時の寸
法安定性の良い発泡体は得られない。
なお、発泡方法は、熱浴,熱風,赤外線等を用いた方
法が採用され得る。冷却方法は、冷却水,冷風による直
接的な冷却方法、或いは冷却ロールを用いた間接的な冷
却方法のいずれでもよい。
法が採用され得る。冷却方法は、冷却水,冷風による直
接的な冷却方法、或いは冷却ロールを用いた間接的な冷
却方法のいずれでもよい。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
によれば、上述のように冷却を行うので、発泡体の加熱
成形時の寸法安定性が向上する。
によれば、上述のように冷却を行うので、発泡体の加熱
成形時の寸法安定性が向上する。
実施例1 高圧ポリエチレン(商品名:ミラソン#16)100部
と、化学発泡剤としてのアゾジカルボンアミド18部とか
らなるポリエチレン樹脂組成物によって、厚さ1.5mmの
シートを作成した。このシートに6Mradの電子線照射を
行い、ソルト浴によって230℃で加熱発泡させた。続い
て、得られた発泡体を冷風及び水浴により常温まで冷却
し、厚さ4mm,みかけ密度0.025g/cm3の発泡体を得た。
と、化学発泡剤としてのアゾジカルボンアミド18部とか
らなるポリエチレン樹脂組成物によって、厚さ1.5mmの
シートを作成した。このシートに6Mradの電子線照射を
行い、ソルト浴によって230℃で加熱発泡させた。続い
て、得られた発泡体を冷風及び水浴により常温まで冷却
し、厚さ4mm,みかけ密度0.025g/cm3の発泡体を得た。
上述の製法において加熱発泡直後の冷却速度を種々変
更して発泡体を製造し、それらの加熱寸法変化率を試験
した。その結果を第1表に示す。なお、サンプルC,Dは
本発明の実施例、サンプルA,B,E,Fは比較例である。
更して発泡体を製造し、それらの加熱寸法変化率を試験
した。その結果を第1表に示す。なお、サンプルC,Dは
本発明の実施例、サンプルA,B,E,Fは比較例である。
第1表から明らかなように、サンプルA,Bのように急
速冷却を行った発泡体の加熱寸法変化率は、本発明の実
施例であるサンプルC,Dに比較して大きいことが確認で
きた。また、サンプルE,Fのように緩慢すぎる冷却を行
った発泡体の加熱寸法変化率は、本発明の実施例である
サンプルC,Dに比較して厚さ方向に関し大きいことが確
認できた。
速冷却を行った発泡体の加熱寸法変化率は、本発明の実
施例であるサンプルC,Dに比較して大きいことが確認で
きた。また、サンプルE,Fのように緩慢すぎる冷却を行
った発泡体の加熱寸法変化率は、本発明の実施例である
サンプルC,Dに比較して厚さ方向に関し大きいことが確
認できた。
実施例2 エチレンが5重量%ランダム状に共重合体されたポリ
プロピレン樹脂80重量部と、密度0.930g/cm3からなる直
鎖状ポリエチレン樹脂20重量部と、発泡剤としてのジカ
ルボンアミド10重量部と、架橋剤としてのジビニルベン
ゼン5重量部とからなる混合物を実施例1と同じ方法で
発泡させ、それらの加熱寸法変化率を試験した。その結
果を第2表に示す。なお、第2表においてサンプルI,J
は本発明の実施例、ザンプルG,H,K,Lは比較例である。
プロピレン樹脂80重量部と、密度0.930g/cm3からなる直
鎖状ポリエチレン樹脂20重量部と、発泡剤としてのジカ
ルボンアミド10重量部と、架橋剤としてのジビニルベン
ゼン5重量部とからなる混合物を実施例1と同じ方法で
発泡させ、それらの加熱寸法変化率を試験した。その結
果を第2表に示す。なお、第2表においてサンプルI,J
は本発明の実施例、ザンプルG,H,K,Lは比較例である。
第2表から明らかなように、サンプルG,Hのように急
速冷却を行った発泡体の加熱寸法変化率は、本発明の実
施例であるサンプルI,Jに比較して大きいことが確認で
きた。また、サンプルK,Lのように緩慢すぎる冷却を行
った発泡体の加熱寸法変化率は、本発明の実施例I,Jに
比較して厚さ方向に関して大きいことが確認できた。
速冷却を行った発泡体の加熱寸法変化率は、本発明の実
施例であるサンプルI,Jに比較して大きいことが確認で
きた。また、サンプルK,Lのように緩慢すぎる冷却を行
った発泡体の加熱寸法変化率は、本発明の実施例I,Jに
比較して厚さ方向に関して大きいことが確認できた。
Claims (1)
- 【請求項1】電子線架橋された或いは化学架橋剤を含む
ポリオレフィン系樹脂と化学発泡剤とからなる発泡性樹
脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発
泡体であって、 未発泡樹脂を加熱して発泡体を得ることと、 発泡後の前記発泡体に対し、発泡体温度が110〜160℃に
なるまで5〜10℃/秒の冷却速度で第1段階の冷却をす
ることと、 前記第1段階の冷却に続いて、前記発泡体に対し、発泡
体温度が110〜160℃から常温まで10〜15℃/秒の冷却速
度で第2段階の冷却をすることと、 を含むポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33188888A JP2663598B2 (ja) | 1988-12-28 | 1988-12-28 | ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33188888A JP2663598B2 (ja) | 1988-12-28 | 1988-12-28 | ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02175734A JPH02175734A (ja) | 1990-07-09 |
JP2663598B2 true JP2663598B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=18248746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33188888A Expired - Lifetime JP2663598B2 (ja) | 1988-12-28 | 1988-12-28 | ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2663598B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5792695B2 (ja) * | 2012-08-24 | 2015-10-14 | 株式会社神戸製鋼所 | 発泡樹脂金属積層板の製造方法および製造装置 |
-
1988
- 1988-12-28 JP JP33188888A patent/JP2663598B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02175734A (ja) | 1990-07-09 |
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