JPH1180278A - 共重合体ラテックス - Google Patents

共重合体ラテックス

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JPH1180278A
JPH1180278A JP23860097A JP23860097A JPH1180278A JP H1180278 A JPH1180278 A JP H1180278A JP 23860097 A JP23860097 A JP 23860097A JP 23860097 A JP23860097 A JP 23860097A JP H1180278 A JPH1180278 A JP H1180278A
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pts
monomer mixture
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JP23860097A
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Toru Takei
徹 武井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工液に用いることにより、優れた塗工紙物
性を与え、高速塗工時に優れた流動性を与える共重合体
ラテックスを提供する。 【解決手段】 共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和
カルボン酸単量体、他の共重合可能な単量体混合物をα
−メチルスチレンダイマーの存在下に乳化重合するにあ
たり、まず、全単量体の5〜40重量部を添加し、α−
メチルスチレンダイマーの反応率が10〜80%に達す
るまで乳化重合し、次いで、残りの単量体混合物を添加
して乳化重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、オフセット印刷、
グラビア印刷に供される印刷用塗工紙あるいは塗工板紙
その他に使用する紙塗工用、カーペットバッキング用、
繊維結合用、あるいはその他一般の粘接着剤用に供され
るジエン系共重合体ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成共重合体ラテックスは、例え
ば、紙塗工用バインダー、カーペットバックサイジング
用バインダー、不織布や人工皮革などの繊維結合用バイ
ンダー、あるいは各種材料の粘接着剤などとして広く用
いられている。そして、共重合体ラテックスがこのよう
な用途に用いられる場合、共重合体ラテックスは、接着
強度が強く、耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性な
どに優れていることが要求される。
【0003】例えば、塗工紙は、紙の印刷適性の向上お
よび光沢などの光学的特性の向上を目的として抄造され
た原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチ
ンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それらの
バインダーとしての共重合体ラテックスおよび保水剤あ
るいは補助バインダーとしてのスターチ、カゼイン、ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなど
の水溶性高分子を主構成成分とする紙塗工用組成物が塗
工されたものである。
【0004】共重合体ラテックスとしては、スチレンと
ブタジエンを主要単量体成分とし、これらを乳化重合し
て得られたスチレン−ブタジエン系共重合体ラテック
ス、いわゆるSB系ラテックスが汎用的に用いられてい
る。近年、カラー印刷された雑誌類やパンフレット、広
告類の需要の拡大に伴って印刷速度の高速化が進められ
ており、塗工紙および顔料バインダーに対する要求水準
はますます高度化している。その中でも、特にインクピ
ック抵抗性、いわゆるピック強度と、湿し水が塗布され
た後のインクピック抵抗性、いわゆる湿潤ピック強度の
向上が強く求められている。これらのピック強度性能自
体が負の相関関係にあるだけでなく、他の印刷物性、す
なわち耐ブリスター性、網点再現性などとも負の相関関
係にあるため、これらの諸物性を高水準にバランス化さ
せる改良が一段と要求されている。塗工紙のこれらの性
質は、顔料バインダーとして用いられているSB系ラテ
ックスの性能に強く依存することから、これまでSB系
ラテックスについても種々の検討がなされてきた。
【0005】例えば、共重合体ラテックス皮膜のベンゼ
ン,トルエン,テトラヒドロフランなどの溶剤に対する
不溶解部分の割合、いわゆるゲル分率が、ピック強度と
耐ブリスター性の支配因子であることが確認されている
ことから,この面よりの種々の検討がなされている。具
体的にはラテックス中の共重合体の組成およびゲル分率
を特定の範囲に調整することにより、優れた性能を発揮
させることが提案されている(特公昭59−3598号
公報,特公昭60−17879号公報,特開昭58−4
4894号公報)。ラテックスのゲル分率は単量体組
成、重合温度をはじめとした様々な重合因子によって変
化するが、これを所望の水準に調整する方法は連鎖移動
剤の添加が一般的かつ簡便である。連鎖移動剤として従
来から四塩化炭素、t−あるいはn−ドデシルメルカプ
タンに代表されるアルキルメルカプタン、スルフィドな
どが使用されてきた。また、特定の連鎖移動剤としてタ
ーピノーレン、α−メチルスチレンダイマーなどを使用
することも提案されている(米国特許2922781,
特開平3−109451号公報)。
【0006】しかしながら、一般的には塗工紙のピック
強度は、SBラテックスにおいてそのゲル分率が75〜
95重量%の範囲で最も高くなるの対して、耐ブリスタ
ー性はゲル分率の低いものほど良好となることが認めら
れており、ピック強度と耐ブリスター性の両方を同時に
高い水準にまで向上させるには、前記技術はいずれも十
分に満足し得るものではない。また、耐ブリスター性の
向上を目的としてゲル分率を低く設定した場合には、耐
ベタツキ性が低下するためバッキングロール汚れの問題
も発生する。
【0007】一方で需要の拡大に伴って塗工紙の生産が
著しく増大している。塗工紙の生産量の伸長に伴い、生
産能力を向上するために高速塗工化が進んでおり、塗工
液においては塗工の高速化に伴う乾燥能力の低下への対
応および生産効率を高める目的で塗工液の高固形分化が
進められている。塗工液を高固形分化するには、重質炭
酸カルシウムの配合率を高める等の顔料面からの流動性
の改良とスターチ等の増粘性の大きい水溶性バインダー
を減らしラテックスを増量することによるバインダー面
からの改良が採られている。しかし、炭酸カルシウム比
率を高める顔料面からの流動性の改良では、白紙光沢が
低下し好ましくない。また、ラテックス量を増量するバ
インダー面からの流動性の改良では、塗工紙表面のベタ
ツキ性を増大させるため、バッキングロール汚れやスー
パーカレンダー汚れなどの問題を発生させ好ましくな
い。これらの問題を解決するために共重合体ラテックス
を重合するにあたり、2段重合を行い第2段目にシアン
化ビニル単量体、アミド基含有エチレン性不飽和単量体
を重合することにより、耐ベタツキ性が向上しピック強
度、湿潤ピック強度のバランスに優れることが提案され
ている(特開平4−240297号公報、特開平5−2
39113号公報)が、これらの方法では塗工紙の印刷
適性と共重合体ラテックスの耐ベタツキ性は充分に改善
されるものの高速塗工のための高固形分条件下での塗工
液の流動性は満足し得るものではない。
【0008】このように、従来の技術では印刷と塗工紙
の製造の一層の高速化に対応することができず、生産性
を高め高品質の塗工紙の製造を可能にするバインダーと
しての共重合体ラテックスの出現が強く求められている
のが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来の紙
塗工用バインダーは、これを用いた塗工紙のピック強
度、湿潤ピック強度、耐ブリスター性等の塗工紙物性お
よび塗工液の流動性の要求を同時に満足させることはで
きなかった。本発明はこのような事情のもとで、印刷用
塗工紙におけるピック強度、湿潤ピック強度、耐ブリス
ター性等の塗工紙物性に優れ、かつ高速塗工のための高
固形分の塗工液の流動性に優れる高性能の共重合体ラテ
ックスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の高
性能共重合体ラテックスを開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、連鎖移動剤の組み合わせと添加方法を特定するこ
とにより得られる特定のジエン系共重合体ラテックスが
目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の第1は、(a)共役ジ
エン系単量体10〜70重量部、(b)エチレン性不飽
和カルボン酸単量体0.5〜10重量部、および(c)
これらと共重合可能な他の単量体混合物20〜89.5
重量部(ただし、(a)+(b)+(c)=100重量
部)をα−メチルスチレンダイマーの存在下に乳化重合
して共重合体ラテックスを製造するにあたり、第一段目
として、全単量体混合物の5〜40重量部を添加し、α
−メチルスチレンダイマーの反応率が10〜80%に達
するまで乳化重合し、次いで第二段目として、残りの単
量体混合物60〜95重量部を添加して乳化重合するこ
とを特徴とする共重合体ラテックスである。
【0012】本発明の第2は、全単量体混合物の添加が
終了した時点におけるα−メチルスチレンダイマーの反
応率が40〜90%である請求項1記載の共重合体ラテ
ックスである。以下、本発明を詳細に説明する。本発明
において用いられる(a)共役ジエン系単量体として
は、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−
ジメチル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、クロロプレン、2−クロル−1,3−ブ
タジエン、シクロペンタジエン等を挙げられる。これら
の共役ジエン系単量体は、1種あるいは2種以上を組み
合わせてもよく、また、その使用量は全単量体の重量に
基づき、10〜70重量部、好ましくは凝集力の点から
25〜60重量部の範囲で選ばれる。この使用量が10
重量部未満では得られる重合体が脆すぎるし、70重量
部を超えると重合体が柔らかすぎ、いずれの場合も高い
凝集力が得られず本発明の目的が十分に達せられない。
【0013】本発明において用いられる(b)エチレン
性不飽和カルボン酸単量体としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、桂皮
酸、スチレンスルホン酸、およびこれらの一塩基酸単量
体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等、イ
タコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ムコ
ン酸、およびこれらの二塩基酸単量体のナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩、等が挙げられる。これら
のカルボン酸は1種あるいは2種以上組み合わせてもよ
く、その使用量は、全単量体の重量に基づき0.5〜1
0重量部、好ましくは1〜7重量部の範囲で選ばれる。
この量が0.5重量部未満では、ラテックスの分散安定
性が十分でなく、塗工液調整や塗工時において種々の問
題が生じ、かつピック強度も低い。10重量部を超える
とラテックスや塗工液の粘度が高くなり過ぎると共に、
耐水性が低下する傾向が見られ好ましくない。
【0014】本発明に用いられる(c)共重合可能な他
の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル
系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの
(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、酢酸ビニル
などのカルボン酸ビニルエステル類、(メタ)アクリロ
ニトリル、α−クロルアクリルニトリルなどのシアン化
ビニル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、グリシジルメタアクリルアミド
などのアミド基含有不飽和単量体類、塩化ビニルなどの
ハロゲン化ビニル類、アミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルアクリレートなどのアミノ基含有エチ
レン性単量体類、スチレンスルホン酸ナトリウムなどを
挙げることができる。これらの共重合可能な単量体は1
種あるいは2種以上を組み合わせてもよく、その使用量
は全単量体の重量に基づき20〜89.5重量部の範囲
で選ばれる。この使用量が89.5重量部を超えると本
発明の効果を出現させる上で好ましくない。
【0015】本発明のジエン系共重合体ラテックスは、
特定の連鎖移動剤の存在下で乳化重合することが必須で
ある。すなわち、α−メチルスチレンダイマ−の存在
下、乳化重合することが必須である。α−メチルスチレ
ンダイマ−は、単量体100重量部あたり0.1〜5重
量部の範囲内で使用することが望ましい。この範囲を外
れるとピック強度、湿潤ピック強度、耐ブリスター性の
バランスが低下し本発明の効果を出現させることが難し
くなる。α−メチルスチレンダイマーには、異性体とし
て2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、
2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンおよび
1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダンがある
が、本発明で使用されるα−メチルスチレンダイマーと
しては、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテ
ンの比率が60重量%以上であることが好ましく、特に
好ましくは、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペ
ンテンの比率が80重量%以上である。
【0016】他の連鎖移動剤をα−メチルスチレンダイ
マーと併用しても良い。他の連鎖移動剤としては、一般
の乳化重合に使用されている公知の連鎖移動剤を使用す
ることができる。例えば、n−ブチルメルカプタン、n
−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン,
n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン
などのメルカプタン類、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのジスル
フィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化誘
導体、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどを挙げ
られ、これらの1種または2種以上が使用される。他の
連鎖移動剤は、2重量部以下で使用することが望まし
い。
【0017】本発明のジエン系共重合体ラテックスは、
少なくとも2段階の乳化重合を行うことが必須である。
少なくとも2段階の乳化重合を行うことにより本発明の
効果であるピック強度、湿潤ピック強度、耐ブリスター
性等の塗工紙物性バランスに優れ、塗工液の流動性に優
れた共重合体ラテックスを得ることができる。第一段目
では、単量体組成物5〜40重量部をα−メチルスチレ
ンダイマーの存在下に添加し、α−メチルスチレンダイ
マーの反応率が10〜80%、好ましくは20〜60%
に達するまで乳化重合を行うことが必要である。
【0018】本発明では、第一段目のα−メチルスチレ
ンダイマーの反応率が重要である。第一段目に添加した
α−メチルスチレンダイマーの反応率が規定の範囲内に
ある時に第二段目の単量体の添加を開始することによ
り、本発明の効果であるピック強度、湿潤ピック強度、
耐ブリスター性等の塗工紙物性バランスの向上が発現す
る。また、第一段目でα−メチルスチレンダイマーを使
用しないと、特にピック強度、耐ブリスター性の改良効
果が発現せず、ピック強度、耐ブリスター性等の塗工紙
物性バランスの向上が認められない。
【0019】第一段目では、全単量体混合物の5〜40
重量部を重合する。第一段目で重合する単量体が40重
量部を超えると、特に湿潤ピック強度の改良効果が十分
でなく、本発明の効果であるピック強度、湿潤ピック強
度、耐ブリスター性等の塗工紙物性バランスの向上が認
められず、また、5重量部未満では重合安定性が低下し
て好ましくない。
【0020】続いて重合の第二段目では、残りの単量体
60〜95重量部を添加して乳化重合を行う。この時、
全単量体混合物の添加が終了した時点におけるα−メチ
ルスチレンダイマーの反応率が40〜90%、好ましく
は50〜80%の範囲にあるように乳化重合を行うこと
が好ましい。α−メチルスチレンダイマーの反応率がこ
の範囲外にある場合、ピック強度、湿潤ピック強度、耐
ブリスター性等の塗工紙物性バランスが向上せず、やは
り本発明の効果が発現しない。
【0021】単量体組成物の添加方法としては、第1
段、第2段共に、単量体組成物の一括添加法、単量体組
成物の一部を添加した後に重合の進行に従って断続的も
しくは連続的に添加する法、また、単量体組成物を重合
の最初より連続的に添加する法等いずれでもよく、断続
的、連続的に添加される単量体組成物の組成は同一、あ
るいは変化してもよい。
【0022】本発明では、α−メチルスチレンダイマー
は、単量体を添加している間の反応率が90%以下、好
ましくは80%以下を維持するよう添加することが望ま
しい。添加方法は連続的添加が好ましい。本発明で使用
される単量体を乳化重合するに際しては、特に制限はな
く、従来公知の方法で、水性媒体中で前記の単量体、連
鎖移動剤と界面活性剤、ラジカル重合開始剤と必要に応
じて用いられる他の添加剤成分を基本構成成分とする分
散系において、単量体を重合させて共重合体粒子の水性
分散液、すなわちジエン系共重合体ラテックスを製造す
る方法などが用いられる。
【0023】このジエン系共重合体ラテックス中の共重
合体の濃度は40〜60重量%の範囲で選ばれ,また、
その平均粒子径は0.04〜0.4μmの範囲にあるこ
とが望ましく,さらに0.05〜0.2μmの範囲にあ
るのが好ましい。平均粒子径はシードラテックスや界面
活性剤の使用割合などによって調整することができ、一
般にその使用割合を高くするほど生成共重合体ラテック
スの平均粒子径は小さくなる傾向がある。シードラテッ
クスの重合は、本発明のラテックスの重合に先だって同
一反応容器で行っても、異なる反応容器で重合したシー
ドラテックスを用いても良い。
【0024】界面活性剤としては、例えば脂肪族セッケ
ン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、ジアル
キルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチ
レンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオ
ン性界面活性剤が挙げられる。この界面活性剤は通常、
アニオン性界面活性剤単独またはアニオン性/ノニオン
性の混合系で用いられ、その使用量は全単量体の重量に
基づき、通常0.05〜2重量%の範囲で選ばれる。
【0025】前記ラジカル重合開始剤は、熱または還元
性物質の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開
始させるものであり、無機系開始剤および有機系開始剤
のいずれも使用できる。このようなものとしては、例え
ば水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、
アゾビス化合物等、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウ
ム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリ
ル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他
に、POLYMER HANDBOOK(3rd ed
ition)、J.BrandrupおよびE.H.I
mmergut著、John Willy&Sons刊
(1989)に記載されている化合物が挙げられる。ま
た、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、
エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元剤を
重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドックス
重合法を採用することもできる。これらの中で特にペル
オキソ二硫酸塩が重合開始剤として好適である。この重
合開始剤の使用量は、全単量体の重量に基づき、通常
0.1〜5.0重量%の範囲から、好ましくは0.2〜
3.0重量%の範囲から選ばれる。
【0026】この乳化重合における重合温度は、通常6
0〜100℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合
法等により、より低い温度で重合を行っても良い。ま
た、第1段での重合温度と第2段での重合温度は同じで
も異なっていても良い。本発明においては、必要に応じ
各種重合調整剤を添加することができる。例えば、pH
調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、リン酸水素二ナトリウムなどのpH調整剤を添加す
ることができ、この中でも水酸化カリウムがピック強度
と湿潤ピック強度のバランスを高める点で特に好まし
く、重合後のpH調整剤としては好適である。また、エ
チレンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各種キレート剤
なども重合調整剤として添加することもできる。また、
必要に応じ本発明の共重合体ラテックスにアルカリ感応
ラテックスを添加してもさしつかえない。
【0027】本発明のジエン系共重合体ラテックスを紙
塗工用塗料のバインダーとして用いる場合には、通常行
われている実施態様で行うことができる。すなわち、分
散剤を溶解させた水中に、カオリンクレー、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワ
イト、タルク等の無機顔料、プラスチックピグメントや
バインダーピグメントとして知られる有機顔料、澱粉、
カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース等の水溶性高分子、増粘剤、染料、消泡剤、防
腐剤、耐水化剤、滑剤、印刷適性向上剤、保水剤等の各
種添加剤とともにジエン系共重合体ラテックスを添加し
て混合し、均一な分散液とする態様である。そして、こ
の紙塗工液は、各種ブレードコーター、ロールコータ
ー、エアーナイフコーター、バーコーターなどを用いる
通常の方法によって原紙に塗工することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、実施例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、各特性は次のようにして求
めた。 (イ)α−メチルスチレンダイマーの反応率 下記に示す測定条件に設定したガスクロマトグラフィー
に、ヘキサンで抽出した試料1μlを注入し、α−メチ
ルスチレンダイマーの残留量を測定した。この値から反
応率を求めた。 ・カラム担体 :クロモソロブWAW(60/80メッシュ) 液相 :シリコンSE−30(10%) ・キャリアガス:窒素(40ml/分) ・検出器 :FID (ロ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、台紙の中央部
に塗工紙を貼り、印刷インク(大日本インキ社製、商品
名:Webb Zett 黄)0.3ccを25cm×
21cmの印刷面積で台紙ごとべた刷りした。この条件
で両面印刷された塗工紙を適当な大きさに裁断し、その
試験片を所定の温度に調整したシリコンオイル恒温槽に
浸してブリスターが発生するか否かを観察した。恒温槽
の温度を変化させてこの試験を行った。ブリスターの発
生する温度が高いものほど耐ブリスター性に優れる。 (ハ)ピック強度 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、中央部に塗工
紙をならべて貼った台紙に、印刷インク(東華色素社
製、商品名:SDスーパーデラックス50紅B(タック
18のもの))0.4ccを25cm×21cmの印刷
面積で台紙ごと印刷し塗工紙に重ね刷りした。ゴムロー
ルに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その
状態を観察した。評価は10点評価法で行い、ピッキン
グ現象の少ないものほど高得点とした。 (ニ)湿潤ピック強度 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、中央部に塗工
紙をならべて貼った台紙にモルトンロールで塗工紙表面
に給水を行い、その直後に印刷インク(東華色素社製、
商品名:SDスーパーデラックス50紅B(タック15
のもの)0.4ccを25cm×21cmの印刷面積で
1回刷りを行い、ゴムロールに現れたピッキング状態を
別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は10
点評価法で行い、ピッキング現象の少ないものほど高得
点とした。 (ホ)塗工液のハイシェアー下の流動性(ハイシェアー
粘度) 粘度計(熊谷理機社製、商品名:ハーキュレスハイシェ
アー粘度計)で、Eボブ、4400回転/分(25℃)
で求めた。
【0029】
【実施例1】平均直径0.035μmのシード粒子の水
性分散体(シード固形分濃度重量35%)2.5重量部
を撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反
応容器に入れ、さらに水70重量部、ラウリル硫酸ナト
リウム0.1重量部、フマール酸0.7重量部、イタコ
ン酸1.6重量部を仕込み、内温を75℃に昇温し、次
いで表1に示す第1段重合用単量体のうち、フマール酸
とイタコン酸を除く単量体と水5重量部、ペルオキソ二
硫酸ナトリウム0.7重量部を一括添加し、1時間反応
させた。そのときのα−メチルスチレンダイマーの反応
率は47%であった。次いで第2段目として75℃で表
1に記載の単量体混合物、および水15重量部、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム0.5重量部、ラウリル硫酸ナト
リウム0.1重量部、水酸化ナトリウム0.2重量部か
らなる開始剤系水溶液をそれぞれ5時間、および6時間
かけて一定の流速で添加して重合を行った。単量体の添
加終了時のα−メチルスチレンダイマーの反応率は71
%であった。なお、重合開始から単量体混合物の添加が
終了するまでの間、α−メチルスチレンダイマーの反応
率が80%を超えないようにして単量体混合物を添加し
た。さらに75℃の温度をそのまま4時間保ったのち冷
却した。次いで生成したジエン系共重合ラテックスに水
酸化ナトリウムを添加することでpHを8とした。次
に、スチームストリッピング法により未反応単量体を除
去し、200メッシュの金網で濾過した。このジエン系
共重合体ラテックスは最終的には固形分濃度50重量%
になるように調整した。
【0030】このラテックスを用いて、以下の処方で紙
塗工液を作成し、得られた紙塗工液を坪量75g/m2
の塗工原紙に塗工量が片面14g/m2 になるように両
面ブレード塗工して、印刷用塗工紙を得た。この塗工紙
を用いて行った評価結果を表2に示す。 <紙塗工液の配合処方> 1級クレー 50 重量部 (エンゲルハード社製、商品名:ウルトラホワイト90) 2級クレー 20 重量部 (エンゲルハード社製、商品名:ウルトラコート) 炭酸カルシウム 30 重量部 (ECCインターナショナル社製、商品名:カービタル90) 分散剤 0.2 重量部 (東亜合成化学社製、商品名:アロンT−40) 水酸化ナトリウム 0.1 重量部 スターチ 3 重量部 (日本食品加工社製、商品名:MS4600) 共重合体ラテックス 12 重量部 水(全固形分が64%になるように添加) 表2から明らかなように、本発明の共重合体ラテックス
をバインダーとして用いた塗工紙は、いずれも流動性と
ピック強度、湿潤ピック強度、耐ブリスター性等の塗工
紙物性バランスに優れていることが分かる。
【0031】
【実施例2〜3】表1に示した単量体成分、連鎖移動剤
を用いた以外は実施例1と同様に重合を行い、共重合体
ラテックスを得た。これらのラテックスを用いて、実施
例1と同様にして紙塗工液を作成し、印刷用塗工紙を得
た。この塗工紙を用いて行った評価結果を表2に示す。
【0032】
【比較例1〜4】表1に示した単量体成分、連鎖移動剤
を用いた以外は実施例1と同様に重合を行い、共重合体
ラテックスを得た。なお、比較例1及び3では、重合開
始から単量体混合物の添加が終了するまでの間に、α−
メチルスチレンダイマーの反応率が80%を超えるよう
にして単量体混合物を添加した。
【0033】このラテックスを用いて、実施例1と同様
に紙塗工液を作成し、印刷用塗工紙を得た。この塗工紙
を用いて行った評価結果を表2に示す。α−MSDの反
応率が本発明の範囲外である比較例1〜4では、いずれ
も特にピック強度、湿潤ピック強度、耐ブリスター性に
劣り、本発明の改善効果が認められない。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】印刷用塗工紙におけるピック強度、湿潤
ピック強度、耐ブリスター性等の塗工紙物性をバランス
良く向上することができる。また、紙塗工用組成物の流
動性も良く、良好な塗工性を維持できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)共役ジエン系単量体10〜70重
    量部、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5
    〜10重量部、および(c)これらと共重合可能な他の
    単量体混合物20〜89.5重量部(ただし、(a)+
    (b)+(c)=100重量部)をα−メチルスチレン
    ダイマーの存在下に乳化重合して共重合体ラテックスを
    製造するにあたり、第一段目として、全単量体混合物の
    5〜40重量部を添加し、α−メチルスチレンダイマー
    の反応率が10〜80%に達するまで乳化重合し、次い
    で第二段目として、残りの単量体混合物60〜95重量
    部を添加して乳化重合することを特徴とする共重合体ラ
    テックス。
  2. 【請求項2】 全単量体混合物の添加が終了した時点に
    おけるα−メチルスチレンダイマーの反応率が40〜9
    0%である請求項1記載の共重合体ラテックス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226523A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Asahi Kasei Corp 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物
JP2002329496A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Nippon A & L Kk 二次電池負極用バインダー

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