JPH1180115A - ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の新規な製造方法 - Google Patents
ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の新規な製造方法Info
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- JPH1180115A JPH1180115A JP17875598A JP17875598A JPH1180115A JP H1180115 A JPH1180115 A JP H1180115A JP 17875598 A JP17875598 A JP 17875598A JP 17875598 A JP17875598 A JP 17875598A JP H1180115 A JPH1180115 A JP H1180115A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 医薬品用化合物の中間体として有用なジアリ
ールスルフィド誘導体の効率的合成。当該中間体を用い
て大量のジベンゾ[b,f]チエピン誘導体を製造する
ための簡便な製造方法の提供。 【解決手段】 一般式(1)で表されるハロゲン置換フ
ェニル誘導体を、金属触媒の存在下、一般式(2)で表
されるジスルフィド誘導体と反応させ、スルフィド結合
を形成させて、一般式(3)で表されるジアリールスル
フィド誘導体またはその塩を製造する。ジアリールスル
フィド誘導体またはその塩から公知の手法により医薬品
用化合物、例えばジベンゾ[b,f]チエピン誘導体を
製造する。
ールスルフィド誘導体の効率的合成。当該中間体を用い
て大量のジベンゾ[b,f]チエピン誘導体を製造する
ための簡便な製造方法の提供。 【解決手段】 一般式(1)で表されるハロゲン置換フ
ェニル誘導体を、金属触媒の存在下、一般式(2)で表
されるジスルフィド誘導体と反応させ、スルフィド結合
を形成させて、一般式(3)で表されるジアリールスル
フィド誘導体またはその塩を製造する。ジアリールスル
フィド誘導体またはその塩から公知の手法により医薬品
用化合物、例えばジベンゾ[b,f]チエピン誘導体を
製造する。
Description
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、医薬品化合物の中
間体であるジアリールスルフィド誘導体またはその塩の
製造方法に関する。本発明は、さらに当該中間体を用い
るジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の製造方法に関す
る。
間体であるジアリールスルフィド誘導体またはその塩の
製造方法に関する。本発明は、さらに当該中間体を用い
るジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】対称および非対称ジアリールスルフィド
誘導体は多くの医薬品化合物の中間原料として有用な化
合物である。例えば、対称ジアリールスルフィド誘導体
のビス(3,5−ジメトキシフェニル)ジスルフィド
は、ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の合成中間体と
して有用な化合物である。ビス(3,5−ジメトキシフ
ェニル)ジスルフィドからジベンゾ[b,f]チエピン
誘導体の合成法についてはすでに特願平8−7904号
(国際公開公報WO97/25985)等に記されてい
る。ジベンゾ[b,f]チエピン骨格を有する化合物
は、抗炎症作用〔Chemical and Phar
maceutical Bulletin36,346
2(1988)〕、抗痙攣作用(特開昭50−1602
88)、抗エストロゲン作用〔Journal of
MedicinalChemistry 26,113
1(1983)〕、抗酸化作用(国際特許出願番号96
/10021)、脳機能改善作用(国際特許出願番号9
6/25927)、気管拡張作用(特願平8−790
4、国際公開公報WO97/25985)などの広範な
薬理活性を有する化合物を含むことが知られている。こ
れら薬理活性を有効に利用するためにジベンゾ[b,
f]チエピン骨格を有する化合物の効率的な大量供給法
が望まれている。
誘導体は多くの医薬品化合物の中間原料として有用な化
合物である。例えば、対称ジアリールスルフィド誘導体
のビス(3,5−ジメトキシフェニル)ジスルフィド
は、ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の合成中間体と
して有用な化合物である。ビス(3,5−ジメトキシフ
ェニル)ジスルフィドからジベンゾ[b,f]チエピン
誘導体の合成法についてはすでに特願平8−7904号
(国際公開公報WO97/25985)等に記されてい
る。ジベンゾ[b,f]チエピン骨格を有する化合物
は、抗炎症作用〔Chemical and Phar
maceutical Bulletin36,346
2(1988)〕、抗痙攣作用(特開昭50−1602
88)、抗エストロゲン作用〔Journal of
MedicinalChemistry 26,113
1(1983)〕、抗酸化作用(国際特許出願番号96
/10021)、脳機能改善作用(国際特許出願番号9
6/25927)、気管拡張作用(特願平8−790
4、国際公開公報WO97/25985)などの広範な
薬理活性を有する化合物を含むことが知られている。こ
れら薬理活性を有効に利用するためにジベンゾ[b,
f]チエピン骨格を有する化合物の効率的な大量供給法
が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、医薬品用化
合物の中間体として有用なジアリールスルフィド誘導体
を効率よく合成すること、当該中間体を用いて大量のジ
ベンゾ[b,f]チエピン誘導体を製造するための簡便
な製造方法を提供することを目的としている。
合物の中間体として有用なジアリールスルフィド誘導体
を効率よく合成すること、当該中間体を用いて大量のジ
ベンゾ[b,f]チエピン誘導体を製造するための簡便
な製造方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはジベンゾ
[b,f]チエピン誘導体を大量に簡便に製造するた
め、各種原料、反応、中間体について各種実験を行い、
その中でチオール誘導体が中間体ジスルフィド誘導体を
経てハロゲン置換フェニル誘導体と反応しジアリールス
ルフィド誘導体となることを発見し、その発見を基に鋭
意研究し本発明を完成させたものであり、本発明は、ハ
ロゲン置換フェニル誘導体を、金属触媒の存在下、ジス
ルフィド誘導体と反応させることにより、対称および非
対称ジアリールスルフィド誘導体を製造するジアリール
スルフィド誘導体またはその塩の製造方法、さらに当該
対称および非対称ジアリールスルフィド誘導体を用い、
公知の手法を適用するジベンゾ[b,f]チエピン誘導
体の製造方法である。
[b,f]チエピン誘導体を大量に簡便に製造するた
め、各種原料、反応、中間体について各種実験を行い、
その中でチオール誘導体が中間体ジスルフィド誘導体を
経てハロゲン置換フェニル誘導体と反応しジアリールス
ルフィド誘導体となることを発見し、その発見を基に鋭
意研究し本発明を完成させたものであり、本発明は、ハ
ロゲン置換フェニル誘導体を、金属触媒の存在下、ジス
ルフィド誘導体と反応させることにより、対称および非
対称ジアリールスルフィド誘導体を製造するジアリール
スルフィド誘導体またはその塩の製造方法、さらに当該
対称および非対称ジアリールスルフィド誘導体を用い、
公知の手法を適用するジベンゾ[b,f]チエピン誘導
体の製造方法である。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(1)
【化15】 (ここで、Xはハロゲン原子、R1〜R5は水素、低級ア
ルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲ
ン原子、低級アルコキシル基、アミノ基、N−低級アシ
ルアミノ基、ニトロ基、低級アルキルチオ基、カルボキ
シル基から選択される任意の置換基である。)で表され
るハロゲン置換フェニル誘導体を、金属触媒の存在下、
一般式(2)
ルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロゲ
ン原子、低級アルコキシル基、アミノ基、N−低級アシ
ルアミノ基、ニトロ基、低級アルキルチオ基、カルボキ
シル基から選択される任意の置換基である。)で表され
るハロゲン置換フェニル誘導体を、金属触媒の存在下、
一般式(2)
【化16】 (ここで、R6〜R10は水素、低級アルキル基、低級シ
クロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、低級アル
コキシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ニト
ロ基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基から選択さ
れる任意の置換基である。)で表されるジスルフィド誘
導体と反応させ、スルフィド結合を形成させて、一般式
(3)
クロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、低級アル
コキシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ニト
ロ基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基から選択さ
れる任意の置換基である。)で表されるジスルフィド誘
導体と反応させ、スルフィド結合を形成させて、一般式
(3)
【化17】 (式中、R1〜R10は、前記と同じである。)で表され
るジアリールスルフィド誘導体を製造することを特徴と
するジアリールスルフィド誘導体またはその塩の製造方
法を要旨としている。上記目的化合物のジアリールスル
フィド誘導体またはその塩は医薬品用化合物、好ましく
はジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の中間体である。
一般式(3)の塩としては、例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩、トリエチルアミン、ピペリジンなどの有機アミ
ン付加塩などが挙げられる。
るジアリールスルフィド誘導体を製造することを特徴と
するジアリールスルフィド誘導体またはその塩の製造方
法を要旨としている。上記目的化合物のジアリールスル
フィド誘導体またはその塩は医薬品用化合物、好ましく
はジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の中間体である。
一般式(3)の塩としては、例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩、トリエチルアミン、ピペリジンなどの有機アミ
ン付加塩などが挙げられる。
【0006】本発明は、上記一般式(2)のジスルフィ
ド誘導体として、好ましくは一般式(4)
ド誘導体として、好ましくは一般式(4)
【化18】 (ここで、R6〜R10は水素、低級アルキル基、低級シ
クロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、低級アル
コキシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ニト
ロ基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基から選択さ
れる任意の置換基である。)で表されるチオール誘導体
を原料とし、それを酸化して製造した化合物を用いる。
また、本発明は、上記一般式(2)のジスルフィド誘導
体として、一般式(4)で表されるチオール誘導体を原
料とし、反応系内で製造された中間体を用いる。
クロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、低級アル
コキシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ニト
ロ基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基から選択さ
れる任意の置換基である。)で表されるチオール誘導体
を原料とし、それを酸化して製造した化合物を用いる。
また、本発明は、上記一般式(2)のジスルフィド誘導
体として、一般式(4)で表されるチオール誘導体を原
料とし、反応系内で製造された中間体を用いる。
【0007】本発明は、好ましくは目的物のジアリール
スルフィド誘導体またはその塩を、例えばジベンゾ
[b,f]チエピン誘導体のような医薬品用化合物のた
めの中間体として製造する方法である。本発明は、中間
体のジアリールスルフィド誘導体またはその塩から医薬
品用化合物、例えばジベンゾ[b,f]チエピン誘導体
のような医薬品用化合物にするには公知の手法を採用す
る。上記ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体として、式
(11)
スルフィド誘導体またはその塩を、例えばジベンゾ
[b,f]チエピン誘導体のような医薬品用化合物のた
めの中間体として製造する方法である。本発明は、中間
体のジアリールスルフィド誘導体またはその塩から医薬
品用化合物、例えばジベンゾ[b,f]チエピン誘導体
のような医薬品用化合物にするには公知の手法を採用す
る。上記ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体として、式
(11)
【化19】 の7,9−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オン、式(12)
[b,f]チエピン−10−オン、式(12)
【化20】 の7,9−ジヒドロキシ−10,11−ジヒドロジベン
ゾ[b,f]チエピン−10−オン、式(13)
ゾ[b,f]チエピン−10−オン、式(13)
【化21】 の10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]チエピン−
1,3−ジオールが好ましいものとして例示される。
1,3−ジオールが好ましいものとして例示される。
【0008】また本発明は、ハロゲン置換フェニル誘導
体を、金属触媒の存在下、ジスルフィド誘導体と反応さ
せることによりジアリールスルフィド誘導体を製造し、
得られたジアリールスルフィド誘導体から公知の手法を
適用して上記のジベンゾ[b,f]チエピン誘導体を製
造する方法を要旨としている。より具体的には、本発明
は、一般式(5)
体を、金属触媒の存在下、ジスルフィド誘導体と反応さ
せることによりジアリールスルフィド誘導体を製造し、
得られたジアリールスルフィド誘導体から公知の手法を
適用して上記のジベンゾ[b,f]チエピン誘導体を製
造する方法を要旨としている。より具体的には、本発明
は、一般式(5)
【化22】 (ここで、Xはハロゲン原子である。)で表される2−
ハロ安息香酸を、金属触媒の存在下、式(6)
ハロ安息香酸を、金属触媒の存在下、式(6)
【化23】 のビス(3,5−ジメトキシフェニル)ジスルフィドと
反応させスルフィド結合を形成させ、式(7)
反応させスルフィド結合を形成させ、式(7)
【化24】 の2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)安息香酸と
し、次いで還元することにより式(8)
し、次いで還元することにより式(8)
【化25】 で表されるアルコール誘導体とし、これをハロゲン化剤
または擬ハロゲン化剤と反応させ、一般式(9)
または擬ハロゲン化剤と反応させ、一般式(9)
【化26】 (式中、Xは、ハロゲン原子または擬ハロゲンの脱離基
を表す。)で示されるハロゲン誘導体とし、これをニト
リル化剤と反応させニトリル誘導体とし、式(10)
を表す。)で示されるハロゲン誘導体とし、これをニト
リル化剤と反応させニトリル誘導体とし、式(10)
【化27】 の2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジルニ
トリルを得、これを加水分解し生成したカルボン酸誘導
体を分子内フリーデル・クラフツ反応により閉環して、
式(11)
トリルを得、これを加水分解し生成したカルボン酸誘導
体を分子内フリーデル・クラフツ反応により閉環して、
式(11)
【化28】 の7,9−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オンを得るジアリールスル
フィド誘導体またはその塩の製造方法を要旨としてい
る。
[b,f]チエピン−10−オンを得るジアリールスル
フィド誘導体またはその塩の製造方法を要旨としてい
る。
【0009】さらに上記式(11)の閉環体である7,
9−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,
f]チエピン−10−オンを脱保護によりジオール体と
し、式(12)
9−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,
f]チエピン−10−オンを脱保護によりジオール体と
し、式(12)
【化29】 の7,9−ジヒドロキシ−10,11−ジヒドロジベン
ゾ[b,f]チエピン−10−オンを得るジアリールス
ルフィド誘導体またはその塩の製造方法を要旨としてい
る。
ゾ[b,f]チエピン−10−オンを得るジアリールス
ルフィド誘導体またはその塩の製造方法を要旨としてい
る。
【0010】さらに式(12)で表されるジオール体の
7,9−ジヒドロキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オン、または式(11)の
ジメトキシ体の7,9−ジメトキシ−10,11−ジヒ
ドロジベンゾ[b,f]チエピン−10−オンを還元
し、脱保護し、式(13)
7,9−ジヒドロキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オン、または式(11)の
ジメトキシ体の7,9−ジメトキシ−10,11−ジヒ
ドロジベンゾ[b,f]チエピン−10−オンを還元
し、脱保護し、式(13)
【化30】 の10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]チエピン−
1,3−ジオールを得るジアリールスルフィド誘導体ま
たはその塩の製造方法を要旨としている。
1,3−ジオールを得るジアリールスルフィド誘導体ま
たはその塩の製造方法を要旨としている。
【0011】
【発明の実施の形態】一般式(1)、一般式(2)およ
び一般式(4)に包含される原料化合物は、市販品であ
るか、例えば実施例および文献〔Journal of Organic C
hemistry 34,1463,(1969)〕記載の方法
あるいはそれに準じて容易に得ることができる。一般式
(3)に包含される化合物は、一般式(1)に包含され
る原料化合物、一般式(2)に包含される原料化合物、
金属触媒、および溶媒の混合物を加熱することにより好
収率で得られる。
び一般式(4)に包含される原料化合物は、市販品であ
るか、例えば実施例および文献〔Journal of Organic C
hemistry 34,1463,(1969)〕記載の方法
あるいはそれに準じて容易に得ることができる。一般式
(3)に包含される化合物は、一般式(1)に包含され
る原料化合物、一般式(2)に包含される原料化合物、
金属触媒、および溶媒の混合物を加熱することにより好
収率で得られる。
【0012】上記製造方法における金属触媒は当該反応
を進行させるものであれば特に限定されるものではない
が、銅触媒およびニッケル触媒を好ましいものとして例
示することができる。使用する溶媒としては、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホ
スホロトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アミ
ルアルコールなどが挙げられる。
を進行させるものであれば特に限定されるものではない
が、銅触媒およびニッケル触媒を好ましいものとして例
示することができる。使用する溶媒としては、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホ
スホロトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アミ
ルアルコールなどが挙げられる。
【0013】一般のウルマン反応において必要な塩基
は、本発明の製造方法においては、反応の進行に必須で
はない。反応は80〜210℃で0.5〜24時間で通
常は1〜5時間で完結する。上記製造方法により得られ
た一般式(3)に包含される化合物は、有機合成化学で
常用される通常の精製法、例えば中和、ろ過、抽出、洗
浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に
付して単離、精製することができる。
は、本発明の製造方法においては、反応の進行に必須で
はない。反応は80〜210℃で0.5〜24時間で通
常は1〜5時間で完結する。上記製造方法により得られ
た一般式(3)に包含される化合物は、有機合成化学で
常用される通常の精製法、例えば中和、ろ過、抽出、洗
浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に
付して単離、精製することができる。
【0014】本発明の医薬品中間体のジアリールスルフ
ィド誘導体またはその塩を用いるジベンゾ[b,f]チ
エピン誘導体の合成法についてはすでに特願平8−79
04号(国際公開公報097/25985)等に記され
ている。式(6)のビス(3,5−ジメトキシフェニ
ル)ジスルフィドからジベンゾ[b,f]チエピン誘導
体の合成方法については、上記公報等記載の手法を応用
して、式(5)の2−ハロ安息香酸と式(6)のビス
(3,5−ジメトキシフェニル)ジスルフィドの反応に
より、式(7)の2−(3,5ジメトキシフェニルチ
オ)安息香酸を得、例えば水素化リチウムアルミニウ
ム、ジボランなどの水素化金属による還元、例えば塩化
チオニル、三臭化リンなどによるハロゲン置換、例えば
シアン化ナトリウム、シアン化カリウムなどによるニト
リル化により、2−(3,5−ジメトキシフェニルチ
オ)ベンジルニトリル〔式(10)〕を得る。これを塩
基もしくは酸により加水分解し、例えばメタンスルホン
酸、ポリリン酸などによる分子内フリーデル・クラフツ
反応により環化させることにより三環性化合物、7,9
−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,
f]チエピン−10−オン〔式(11)〕を得、これを
例えばピリジン塩酸塩、三臭化ホウ素などによる脱保護
により7,9−ジヒドロキシ−10,11−ジヒドロジ
ベンゾ[b,f]チエピン−10−オン〔式(12)〕
を得る。さらに式(12)の7,9−ジメトキシ−1
0,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]チエピン−10
−オンのケトン基を還元によって除去し10,11−ジ
ヒドロジベンゾ[b,f]チエピン−1,3−ジオール
〔式(13)〕を得る。このようにして得られた化合物
〔式(12)および式(13)〕は抗酸化作用、抗炎症
作用、脳機能改善作用、気管支拡張作用などの生理活性
を示す。
ィド誘導体またはその塩を用いるジベンゾ[b,f]チ
エピン誘導体の合成法についてはすでに特願平8−79
04号(国際公開公報097/25985)等に記され
ている。式(6)のビス(3,5−ジメトキシフェニ
ル)ジスルフィドからジベンゾ[b,f]チエピン誘導
体の合成方法については、上記公報等記載の手法を応用
して、式(5)の2−ハロ安息香酸と式(6)のビス
(3,5−ジメトキシフェニル)ジスルフィドの反応に
より、式(7)の2−(3,5ジメトキシフェニルチ
オ)安息香酸を得、例えば水素化リチウムアルミニウ
ム、ジボランなどの水素化金属による還元、例えば塩化
チオニル、三臭化リンなどによるハロゲン置換、例えば
シアン化ナトリウム、シアン化カリウムなどによるニト
リル化により、2−(3,5−ジメトキシフェニルチ
オ)ベンジルニトリル〔式(10)〕を得る。これを塩
基もしくは酸により加水分解し、例えばメタンスルホン
酸、ポリリン酸などによる分子内フリーデル・クラフツ
反応により環化させることにより三環性化合物、7,9
−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,
f]チエピン−10−オン〔式(11)〕を得、これを
例えばピリジン塩酸塩、三臭化ホウ素などによる脱保護
により7,9−ジヒドロキシ−10,11−ジヒドロジ
ベンゾ[b,f]チエピン−10−オン〔式(12)〕
を得る。さらに式(12)の7,9−ジメトキシ−1
0,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]チエピン−10
−オンのケトン基を還元によって除去し10,11−ジ
ヒドロジベンゾ[b,f]チエピン−1,3−ジオール
〔式(13)〕を得る。このようにして得られた化合物
〔式(12)および式(13)〕は抗酸化作用、抗炎症
作用、脳機能改善作用、気管支拡張作用などの生理活性
を示す。
【0015】
【作用】一般に、対称および非対称ジアリールスルフィ
ド誘導体の合成にはウルマン(Ullmann)反応と
よばれる反応が知られている〔Tetrahedron
26,113,(1983)〕。ウルマン反応では、ア
リールチオールとアリールハロゲン化合物を銅触媒およ
び塩基の存在下、反応させることにより対称および非対
称ジアリールスルフィド誘導体が得られる。その際、系
内に存在する塩基によって、アリールチオールはいった
んアリールチオラートに変わる。アリールチオラートに
してからでないと収率は低下する。この反応系において
は、ジスルフィドは副生物であって収率低下の一因と考
えられていた〔Chemicaland Pharma
ceutical Bulletin 26,3058
(1978)〕。それゆえウルマン反応を利用しようと
する場合、塩基に対して不安定な基質は用いることがで
きないと考えられていた。また、チオール誘導体として
酸化をうけてジスルフィドになりやすいチオール誘導体
を用いた場合、反応条件の設定が難しく低収率であっ
た。本発明の反応では反応中間体はジスルフィドである
ので本質的に塩基は必要ではない。また出発原料として
チオールを用いた場合も反応中に二量化したジスルフィ
ドが生成する。したがって、従来は用いられることがな
かった塩基に対して不安定な基質にも適用できる。酸化
をうけてジスルフィドになりやすいチオール誘導体、た
とえば3,5−ジメトキシチオフェノール誘導体などに
ついても収率よく反応する。さらに、原料としてより安
定なジスルフィドを用いることもできる点も大きな利点
である。また、この方法を適用して一般式(3)で表さ
れるジアリールスルフィド誘導体から、抗酸化作用、抗
炎症作用、脳機能改善作用、気管支拡張作用を有するジ
ベンゾ[b,f]チエピン誘導体を合成することができ
る。後述の参考例に示すように、従来法では低収率であ
ったジベンゾ[b,f]チエピン中間体の合成を、本発
明により、著しく向上させることができる。
ド誘導体の合成にはウルマン(Ullmann)反応と
よばれる反応が知られている〔Tetrahedron
26,113,(1983)〕。ウルマン反応では、ア
リールチオールとアリールハロゲン化合物を銅触媒およ
び塩基の存在下、反応させることにより対称および非対
称ジアリールスルフィド誘導体が得られる。その際、系
内に存在する塩基によって、アリールチオールはいった
んアリールチオラートに変わる。アリールチオラートに
してからでないと収率は低下する。この反応系において
は、ジスルフィドは副生物であって収率低下の一因と考
えられていた〔Chemicaland Pharma
ceutical Bulletin 26,3058
(1978)〕。それゆえウルマン反応を利用しようと
する場合、塩基に対して不安定な基質は用いることがで
きないと考えられていた。また、チオール誘導体として
酸化をうけてジスルフィドになりやすいチオール誘導体
を用いた場合、反応条件の設定が難しく低収率であっ
た。本発明の反応では反応中間体はジスルフィドである
ので本質的に塩基は必要ではない。また出発原料として
チオールを用いた場合も反応中に二量化したジスルフィ
ドが生成する。したがって、従来は用いられることがな
かった塩基に対して不安定な基質にも適用できる。酸化
をうけてジスルフィドになりやすいチオール誘導体、た
とえば3,5−ジメトキシチオフェノール誘導体などに
ついても収率よく反応する。さらに、原料としてより安
定なジスルフィドを用いることもできる点も大きな利点
である。また、この方法を適用して一般式(3)で表さ
れるジアリールスルフィド誘導体から、抗酸化作用、抗
炎症作用、脳機能改善作用、気管支拡張作用を有するジ
ベンゾ[b,f]チエピン誘導体を合成することができ
る。後述の参考例に示すように、従来法では低収率であ
ったジベンゾ[b,f]チエピン中間体の合成を、本発
明により、著しく向上させることができる。
【0016】
【実施例】本願発明の詳細を実施例および参考例で説明
する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定される
ものではない。
する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0017】実施例1 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)安息香酸〔式
(7)〕
(7)〕
【化31】 の合成 第1段階 ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ジスフィルド〔式
(6)〕
(6)〕
【化32】 の合成 3,5−ジメトキシアニリン7.5gを水40mlに懸
濁させ、濃塩酸(12N,10.0ml)を加え、塩酸
塩としたのち氷冷した。反応温度を5℃以下に保ちなが
ら、亜硝酸ナトリウム3.3gの水(10.2ml)溶
液を注意深く加え、30分撹拌した(溶液1)。キサン
トゲン酸カリウム(50.7g)の水(40ml)懸濁
液を85〜90℃まで昇温し、完全に溶解した(溶液
2)。同温度で溶液2を撹拌下、溶液1を30分間で液
中に徐々に加え、さらに約30分撹拌した。放冷後、酢
酸エチルで3回抽出し、1N水酸化ナトリウム、水、飽
和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下溶媒を除去し、キサントゲン酸エステルを
得た。これをエタノール36ml、水4mlの混合溶媒
に溶解後、水酸化カリウム20.0gを加え、還流下6
時間撹拌した。放冷後、酸化銅(II)(粉末)2.0g
を加え、酸素(または空気)を通気しながら室温で3時
間撹拌した。不溶物を除き、減圧下エタノールを除去
後、水を加えた。水層を酢酸エチルで3回抽出し、1N
塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄した。酢酸エチル層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、カラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=7:1)
で精製し、標記式(6)の化合物3.18g(40%)
を得た。
濁させ、濃塩酸(12N,10.0ml)を加え、塩酸
塩としたのち氷冷した。反応温度を5℃以下に保ちなが
ら、亜硝酸ナトリウム3.3gの水(10.2ml)溶
液を注意深く加え、30分撹拌した(溶液1)。キサン
トゲン酸カリウム(50.7g)の水(40ml)懸濁
液を85〜90℃まで昇温し、完全に溶解した(溶液
2)。同温度で溶液2を撹拌下、溶液1を30分間で液
中に徐々に加え、さらに約30分撹拌した。放冷後、酢
酸エチルで3回抽出し、1N水酸化ナトリウム、水、飽
和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下溶媒を除去し、キサントゲン酸エステルを
得た。これをエタノール36ml、水4mlの混合溶媒
に溶解後、水酸化カリウム20.0gを加え、還流下6
時間撹拌した。放冷後、酸化銅(II)(粉末)2.0g
を加え、酸素(または空気)を通気しながら室温で3時
間撹拌した。不溶物を除き、減圧下エタノールを除去
後、水を加えた。水層を酢酸エチルで3回抽出し、1N
塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄した。酢酸エチル層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、カラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=7:1)
で精製し、標記式(6)の化合物3.18g(40%)
を得た。
【0018】第2段階 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)安息香酸〔式
(7)〕の合成 2−ブロモ安息香酸16g、式(6)のビス(3,5−
ジメトキシフェニル)ジスルフィド11.0g、酸化銅
(II)6.5g、N−メチル−2−ピロリドン50ml
の混合物を200℃で1時間撹拌した。この反応混合物
を放冷し、4N塩酸でpH2にした。酢酸エチルで抽出
し、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリカゲル・カラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=
97:3,0.1%酢酸)で精製し標記式(7)の化合
物12.3g(65%)を得た。融点は182℃であっ
た。
(7)〕の合成 2−ブロモ安息香酸16g、式(6)のビス(3,5−
ジメトキシフェニル)ジスルフィド11.0g、酸化銅
(II)6.5g、N−メチル−2−ピロリドン50ml
の混合物を200℃で1時間撹拌した。この反応混合物
を放冷し、4N塩酸でpH2にした。酢酸エチルで抽出
し、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリカゲル・カラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=
97:3,0.1%酢酸)で精製し標記式(7)の化合
物12.3g(65%)を得た。融点は182℃であっ
た。
【0019】実施例2 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)安息香酸〔式
(7)〕の合成 チオサリチル酸928.1mg、5−クロロ−1,3−
ジメトキシベンゼン1.139g、銅(粉末)222.
4mg、ヨウ化銅(I)666.6mg、N−メチル−
2−ピロリドン5mlの混合物を200℃で5時間撹拌
した。この反応混合物を放冷し、4N塩酸でpH2にし
た。酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリ
カゲル・カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロ
ホルム:メタノール=97:3,0.1%酢酸)で精製
し標記式(7)の化合物397.6mg(23%)を得
た。融点は182℃であった。
(7)〕の合成 チオサリチル酸928.1mg、5−クロロ−1,3−
ジメトキシベンゼン1.139g、銅(粉末)222.
4mg、ヨウ化銅(I)666.6mg、N−メチル−
2−ピロリドン5mlの混合物を200℃で5時間撹拌
した。この反応混合物を放冷し、4N塩酸でpH2にし
た。酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリ
カゲル・カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロ
ホルム:メタノール=97:3,0.1%酢酸)で精製
し標記式(7)の化合物397.6mg(23%)を得
た。融点は182℃であった。
【0020】実施例3 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)安息香酸〔式
(7)〕の合成 2−ブロモ安息香酸40.2mg、3,5−ジメトキシ
チオフェノール34.0mg、銅(粉末)6.4mg、
ヨウ化銅(I)19.5mg、N−メチルー2−ピロリ
ドン2mlの混合物を170℃で30分間撹拌した。こ
の反応混合物を実施例2と同様に処理し標記式(7)の
化合物24.5mg(42%)を得た。融点は182℃
であった。
(7)〕の合成 2−ブロモ安息香酸40.2mg、3,5−ジメトキシ
チオフェノール34.0mg、銅(粉末)6.4mg、
ヨウ化銅(I)19.5mg、N−メチルー2−ピロリ
ドン2mlの混合物を170℃で30分間撹拌した。こ
の反応混合物を実施例2と同様に処理し標記式(7)の
化合物24.5mg(42%)を得た。融点は182℃
であった。
【0021】実施例4 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)安息香酸〔式
(7)〕の合成 2−ブロモ安息香酸105.5mg、ビス(3,5−ジ
メトキシフェニル)ジスルフィド〔式(6)〕71.0
mg、亜鉛(粉末)6.8mg、ビス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケル(II)シクロリド171.6mg、
N−メチルー2−ピロリドン4mlの混合物を150℃
で4時間撹拌した。この反応混合物を実施例2と同様に
処理し標記式(7)の化合物55.3mg(45%)を
得た。融点は182℃であった。
(7)〕の合成 2−ブロモ安息香酸105.5mg、ビス(3,5−ジ
メトキシフェニル)ジスルフィド〔式(6)〕71.0
mg、亜鉛(粉末)6.8mg、ビス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケル(II)シクロリド171.6mg、
N−メチルー2−ピロリドン4mlの混合物を150℃
で4時間撹拌した。この反応混合物を実施例2と同様に
処理し標記式(7)の化合物55.3mg(45%)を
得た。融点は182℃であった。
【0022】実施例5 2−フェニルチオ安息香酸〔式(14)〕
【化33】 の合成 2−ブロモ安息香酸241.2mg、ジフェニルジスル
フィド109.2mg、銅(粉末)31.8mg、ヨウ
化銅(I)95.2mg、N−メチル−2−ピロリドン
10mlの混合物を200℃で1時間撹拌した。この反
応混合物を放冷し、4N塩酸でpH2にした。酢酸エチ
ルで抽出した後、水、飽和食塩水で順次洗浄した。無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を除去し、この粗
生成物をシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)、再結晶(酢酸
エチル)で精製し標記式(14)の化合物150.0m
g(65%)を得た。融点は178−180℃であっ
た。
フィド109.2mg、銅(粉末)31.8mg、ヨウ
化銅(I)95.2mg、N−メチル−2−ピロリドン
10mlの混合物を200℃で1時間撹拌した。この反
応混合物を放冷し、4N塩酸でpH2にした。酢酸エチ
ルで抽出した後、水、飽和食塩水で順次洗浄した。無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を除去し、この粗
生成物をシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)、再結晶(酢酸
エチル)で精製し標記式(14)の化合物150.0m
g(65%)を得た。融点は178−180℃であっ
た。
【0023】実施例6 2−フェニルチオ安息香酸〔式(14)〕の合成 2−ブロモ安息香酸40.2mg、チオフェノール2
2.0mg、銅(粉末)6.3mg、ヨウ化銅(I)1
9.0mg、N−メチル−2−ピロリドン2mlの混合
物を200℃で1時間撹拌した。この反応混合物を実施
例4と同様に処理し標記式(14)の化合物17.4m
g(38%)を得た。融点は178−180℃であっ
た。
2.0mg、銅(粉末)6.3mg、ヨウ化銅(I)1
9.0mg、N−メチル−2−ピロリドン2mlの混合
物を200℃で1時間撹拌した。この反応混合物を実施
例4と同様に処理し標記式(14)の化合物17.4m
g(38%)を得た。融点は178−180℃であっ
た。
【0024】実施例7 5−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)−2−クロロ
フェニル酢酸〔式(15)〕の合成
フェニル酢酸〔式(15)〕の合成
【化34】 5−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸299.3mg、
式(6)のビス(3,5−ジメトキシフェニル)ジスル
フィド169.2mg、酸化銅(II)39.8mg、N
−メチル−2−ピロリドン10mlの混合物を170℃
で1.5時間撹拌した。この反応混合物を放冷し、4N
塩酸でpH2にした。酢酸エチルで抽出した後、水、飽
和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下で溶媒を除去しシリカゲル・カラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
10:1)で精製した。標記式(15)の化合物80.
7mg(21%)を得た。マス・スペクトルは338
(M+)であった。
式(6)のビス(3,5−ジメトキシフェニル)ジスル
フィド169.2mg、酸化銅(II)39.8mg、N
−メチル−2−ピロリドン10mlの混合物を170℃
で1.5時間撹拌した。この反応混合物を放冷し、4N
塩酸でpH2にした。酢酸エチルで抽出した後、水、飽
和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下で溶媒を除去しシリカゲル・カラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
10:1)で精製した。標記式(15)の化合物80.
7mg(21%)を得た。マス・スペクトルは338
(M+)であった。
【0025】この化合物の1H−NMR(400MH
z,CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ(ppm) 3.73(6H,s,OCH3),3.76−3.80
(2H,s,Ar−CH2),6.35(1H,t,J
=2Hz,Ar−H),6.46(2H,d,J=2H
z,Ar−H),7.22(1H,dd,J=2,8H
z,Ar−H),7.26−7.33(2H,m,Ar
−H)
z,CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ(ppm) 3.73(6H,s,OCH3),3.76−3.80
(2H,s,Ar−CH2),6.35(1H,t,J
=2Hz,Ar−H),6.46(2H,d,J=2H
z,Ar−H),7.22(1H,dd,J=2,8H
z,Ar−H),7.26−7.33(2H,m,Ar
−H)
【0026】実施例8 7,9−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オン〔式(11)〕
[b,f]チエピン−10−オン〔式(11)〕
【化35】 の合成 <第1段階> 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジルアル
コール〔式(8)〕
コール〔式(8)〕
【化36】 の合成 実施例1で得られた2−(3,5−ジメトキシフェニル
チオ)安息香酸12.3gに無水テトラヒドロフラン5
0mlを加え溶解し、水素化ホウ素ナトリウム1.8g
を加え0℃で30分撹拌した。この溶液にBF3・Et2
O 6.3mlを加え室温で1時間撹拌した。反応溶液
を酢酸エチルおよび希塩酸で分配し、酢酸エチル層を、
水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥、濃縮後、シリカゲル・カラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)
で精製し標記式(8)の化合物8.3g(71%)を得
た。
チオ)安息香酸12.3gに無水テトラヒドロフラン5
0mlを加え溶解し、水素化ホウ素ナトリウム1.8g
を加え0℃で30分撹拌した。この溶液にBF3・Et2
O 6.3mlを加え室温で1時間撹拌した。反応溶液
を酢酸エチルおよび希塩酸で分配し、酢酸エチル層を、
水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥、濃縮後、シリカゲル・カラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)
で精製し標記式(8)の化合物8.3g(71%)を得
た。
【0027】この化合物の1H−NMR(90MHz,
CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ(ppm) 3.71(6H,s,OCH3),4.78(2H,
s,Ar−CH2),6.2−6.5(3H,m,Ar
−H),7.3−7.5(4H,m,Ar−H)
CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ(ppm) 3.71(6H,s,OCH3),4.78(2H,
s,Ar−CH2),6.2−6.5(3H,m,Ar
−H),7.3−7.5(4H,m,Ar−H)
【0028】<第2段階> 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジルブロ
マイド〔式(16)〕
マイド〔式(16)〕
【化37】 の合成 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジンアル
コール8.3gを塩化メチレン18mlに溶解し、0℃
で30分撹拌した。この溶液に三臭化リン1mlを加え
0℃で1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈後、水洗および
飽和食塩水で洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムにて乾
燥し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル・カラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
5:1)にて精製を行い標記式(16)の化合物8.0
g(収率79%)を得た。
コール8.3gを塩化メチレン18mlに溶解し、0℃
で30分撹拌した。この溶液に三臭化リン1mlを加え
0℃で1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈後、水洗および
飽和食塩水で洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムにて乾
燥し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル・カラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
5:1)にて精製を行い標記式(16)の化合物8.0
g(収率79%)を得た。
【0029】この化合物の1H−NMR(90MHz,
CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ(ppm) 3.73(6H,s,OCH3),4.70(2H,
s,Ar−CH2),6.3−6.4(3H,m,Ar
−H),7.2−7.5(4H,m,Ar−H)
CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ(ppm) 3.73(6H,s,OCH3),4.70(2H,
s,Ar−CH2),6.3−6.4(3H,m,Ar
−H),7.2−7.5(4H,m,Ar−H)
【0030】<第3段階> 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジルニト
リル〔式(10)〕
リル〔式(10)〕
【化38】 の合成 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジルブロ
マイド8.0gをジメチルスルホキシド50mlに溶解
し、シアン化ナトリウム1.7gを加え80℃で1.5
時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈後水洗および
飽和食塩水で洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムにて乾
燥し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル・カラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)にて精製を行い標記式(10)の化合物5.9
g(収率88%)を得た。
マイド8.0gをジメチルスルホキシド50mlに溶解
し、シアン化ナトリウム1.7gを加え80℃で1.5
時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈後水洗および
飽和食塩水で洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムにて乾
燥し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル・カラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)にて精製を行い標記式(10)の化合物5.9
g(収率88%)を得た。
【0031】この化合物の1H−NMR(90MHz,
CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ(ppm) 3.72(6H,s,OCH3),3.87(2H,
s,Ar−CH2),6.2−6.5(3H,m,Ar
−H),7.3−7.7(4H,m,Ar−H)
CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ(ppm) 3.72(6H,s,OCH3),3.87(2H,
s,Ar−CH2),6.2−6.5(3H,m,Ar
−H),7.3−7.7(4H,m,Ar−H)
【0032】<第4段階> 7,9−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オン〔式(11)〕の合成 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジルニト
リル5.9gにエタノール15ml、THF7.5ml
を加えて溶解し、11N水酸化ナトリウム水溶液9ml
加え120℃で一晩撹拌した。反応液を塩酸でpH2に
し、酢酸エチルで抽出後水洗および飽和食塩水で洗浄を
行い、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し溶媒を減圧留去
した。残さにメタンスルホン酸50ml加え室温で2日
間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈後水洗および飽
和食塩水で洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル・カラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)にて精製後、酢酸エチル−ヘキサンで再結晶
し、標記式(11)の化合物の板状晶5.3g(収率9
0%)を得た。マス・スペクトルは286(M+)であ
った。
[b,f]チエピン−10−オン〔式(11)〕の合成 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジルニト
リル5.9gにエタノール15ml、THF7.5ml
を加えて溶解し、11N水酸化ナトリウム水溶液9ml
加え120℃で一晩撹拌した。反応液を塩酸でpH2に
し、酢酸エチルで抽出後水洗および飽和食塩水で洗浄を
行い、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し溶媒を減圧留去
した。残さにメタンスルホン酸50ml加え室温で2日
間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈後水洗および飽
和食塩水で洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル・カラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)にて精製後、酢酸エチル−ヘキサンで再結晶
し、標記式(11)の化合物の板状晶5.3g(収率9
0%)を得た。マス・スペクトルは286(M+)であ
った。
【0033】実施例9 7,9−ジヒドロキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オン〔式(12)〕
[b,f]チエピン−10−オン〔式(12)〕
【化39】 の合成 7,9−ジメトキシー10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オン395mgにピリジン
塩酸塩2.0gを加え、195℃で1.5時間、加熱撹
拌後、氷水を徐々に加えた。酢酸エチルで抽出し、1N
塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲル・カラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン
=1:2)にて精製し、ジイソプロピルエーテル−ヘキ
サンで再結晶することにより標記式(12)の化合物の
板状晶223mg(61%)を得た。融点は248.1
−250.0℃であった。
[b,f]チエピン−10−オン395mgにピリジン
塩酸塩2.0gを加え、195℃で1.5時間、加熱撹
拌後、氷水を徐々に加えた。酢酸エチルで抽出し、1N
塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲル・カラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン
=1:2)にて精製し、ジイソプロピルエーテル−ヘキ
サンで再結晶することにより標記式(12)の化合物の
板状晶223mg(61%)を得た。融点は248.1
−250.0℃であった。
【0034】実施例10 10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]チエピンー
1,3−ジオール〔式(13)〕
1,3−ジオール〔式(13)〕
【化40】 の合成 7,9−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オン5.3gにメタノール
25mlを加え撹拌した。懸濁状態のまま溶液を0℃に
冷却した。そこに水素化ホウ素ナトリウム1.4gを数
回分に分け加え室温で1時間撹拌した。反応液に希塩酸
を加え反応を停止し、メタノールを減圧留去した。残渣
を酢酸エチルで希釈後、有機層を水、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し得られた
油状物にピリジン塩酸塩30gを加え200℃で2時間
加熱撹拌した。反応液を酢酸エチル、希塩酸にて分配し
た。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲル・カラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:1)にて精製した。得られた油状物を酢酸エチ
ル50mlに溶解した。酸化白金300mgを加え室温
で3日間接触還元を行った。反応混合物を濾過、濃縮
し、残渣をシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(展
開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し
た。クロロホルム−ヘキサンで再結晶し、標記式(1
3)の化合物の板状晶1.8g(40%)を得た。融点
は167.0−169.2℃であった。
[b,f]チエピン−10−オン5.3gにメタノール
25mlを加え撹拌した。懸濁状態のまま溶液を0℃に
冷却した。そこに水素化ホウ素ナトリウム1.4gを数
回分に分け加え室温で1時間撹拌した。反応液に希塩酸
を加え反応を停止し、メタノールを減圧留去した。残渣
を酢酸エチルで希釈後、有機層を水、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し得られた
油状物にピリジン塩酸塩30gを加え200℃で2時間
加熱撹拌した。反応液を酢酸エチル、希塩酸にて分配し
た。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲル・カラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:1)にて精製した。得られた油状物を酢酸エチ
ル50mlに溶解した。酸化白金300mgを加え室温
で3日間接触還元を行った。反応混合物を濾過、濃縮
し、残渣をシリカゲル・カラムクロマトグラフィー(展
開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し
た。クロロホルム−ヘキサンで再結晶し、標記式(1
3)の化合物の板状晶1.8g(40%)を得た。融点
は167.0−169.2℃であった。
【0035】参考例 2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)安息香酸〔式
(7)〕の合成 チオサリチル酸44g、5−クロロ−1,3−ジメトキ
シベンゼン49.2g、炭酸カリウム78g、銅(粉
末)4.3g、ヨウ化銅(I)4.3gをN−メチル−
2−ピロリドン390mlに溶解し190℃で10時間
撹拌した。反応混合物を実施例1と同様に処理し標記式
(7)の化合物8.0g(収率10%)を得た。
(7)〕の合成 チオサリチル酸44g、5−クロロ−1,3−ジメトキ
シベンゼン49.2g、炭酸カリウム78g、銅(粉
末)4.3g、ヨウ化銅(I)4.3gをN−メチル−
2−ピロリドン390mlに溶解し190℃で10時間
撹拌した。反応混合物を実施例1と同様に処理し標記式
(7)の化合物8.0g(収率10%)を得た。
【0036】
【発明の効果】本発明により、医薬品中間体として有用
なジアリールスルフィド誘導体を効率よく大量に製造す
るための簡便な製造方法が提供でき、従来法では低収率
であったジベンゾ[b,f]チエピン中間体の合成を、
著しく向上させることができる。
なジアリールスルフィド誘導体を効率よく大量に製造す
るための簡便な製造方法が提供でき、従来法では低収率
であったジベンゾ[b,f]チエピン中間体の合成を、
著しく向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 323/16 C07C 323/16 323/20 323/20 323/29 323/29 323/56 323/56 323/62 323/62 C07D 337/14 C07D 337/14 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (9)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (ここで、Xはハロゲン原子、R1〜R5 は水素、低級
アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ハロ
ゲン原子、低級アルコキシル基、アミノ基、N−低級ア
シルアミノ基、ニトロ基、低級アルキルチオ基、カルボ
キシル基から選択される任意の置換基である。)で表さ
れるハロゲン置換フェニル誘導体を、金属触媒の存在
下、一般式(2) 【化2】 (ここで、R6〜R10は水素、低級アルキル基、低級シ
クロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、低級アル
コキシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ニト
ロ基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基から選択さ
れる任意の置換基である。)で表されるジスルフィド誘
導体と反応させ、スルフィド結合を形成させて、一般式
(3) 【化3】 (式中、R1〜R10は、前記と同じである。)で表され
るジアリールスルフィド誘導体を製造することを特徴と
するジアリールスルフィド誘導体またはその塩の製造方
法。 - 【請求項2】 上記一般式(2)のジスルフィド誘導体
として、一般式(4) 【化4】 (ここで、R6〜R10は水素、低級アルキル基、低級シ
クロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、低級アル
コキシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ニト
ロ基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基から選択さ
れる任意の置換基である。)で表されるチオール誘導体
を原料とし、それを酸化して製造した化合物を用いる請
求項1のジアリールスルフィド誘導体またはその塩の製
造方法。 - 【請求項3】 上記一般式(2)のジスルフィド誘導体
が、一般式(4) 【化5】 (ここで、R6〜R10は水素、低級アルキル基、低級シ
クロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、低級アル
コキシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ニト
ロ基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基から選択さ
れる任意の置換基である。)で表されるチオール誘導体
を原料とし、反応系内で製造された中間体である請求項
1のジアリールスルフィド誘導体またはその塩の製造方
法。 - 【請求項4】 金属触媒が、銅触媒もしくはニッケル触
媒である請求項1、2または3のジアリールスルフィド
誘導体またはその塩の製造方法。 - 【請求項5】 ジアリールスルフィド誘導体またはその
塩が、医薬品用化合物の中間体である請求項1ないし4
のいずれかのジアリールスルフィド誘導体またはその塩
の製造方法。 - 【請求項6】 上記医薬品用化合物が、ジベンゾ[b,
f]チエピン誘導体である請求項5のジアリールスルフ
ィド誘導体またはその塩の製造方法。 - 【請求項7】一般式(5) 【化6】 (ここで、Xはハロゲン原子である。)で表される2−
ハロ安息香酸を、金属触媒の存在下、次の式(6) 【化7】 のビス(3,5−ジメトキシフェニル)ジスルフィドと
反応させスルフィド結合を形成させ、式(7) 【化8】 の2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)安息香酸と
し、次いで還元することにより式(8) 【化9】 で表されるアルコール誘導体とし、これをハロゲン化剤
または擬ハロゲン化剤と反応させ、一般式(9) 【化10】 (式中、Xは、ハロゲン原子または擬ハロゲンの脱離基
を表す。)で示されるハロゲン誘導体とし、これをニト
リル化剤と反応させニトリル誘導体とし、式(10) 【化11】 の2−(3,5−ジメトキシフェニルチオ)ベンジルニ
トリルを得、これを加水分解し生成したカルボン酸誘導
体を分子内フリーデル・クラフツ反応により閉環して、
式(11) 【化12】 の7,9−ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ
[b,f]チエピン−10−オンを得る請求項6のジア
リールスルフィド誘導体またはその塩の製造方法。 - 【請求項8】 さらに上記7,9−ジメトキシ−10,
11−ジヒドロジベンゾ[b,f]チエピン−10−オ
ンを脱保護によりジオール体とし、式(12) 【化13】 の7,9−ジヒドロキシ−10,11−ジヒドロジベン
ゾ[b,f]チエピン−10−オンを得る請求項7のジ
アリールスルフィド誘導体またはその塩の製造方法。 - 【請求項9】 さらに上記ジオール体の7,9−ジヒド
ロキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]チエ
ピン−10−オン、または上記ジメトキシ体の7,9−
ジメトキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]
チエピン−10−オンを還元し、脱保護し、式(13) 【化14】 の10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]チエピン−
1,3−ジオールを得る請求項8のジアリールスルフィ
ド誘導体またはその塩の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17875598A JPH1180115A (ja) | 1997-07-18 | 1998-06-25 | ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の新規な製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-193646 | 1997-07-18 | ||
JP19364697 | 1997-07-18 | ||
JP17875598A JPH1180115A (ja) | 1997-07-18 | 1998-06-25 | ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の新規な製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180115A true JPH1180115A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=26498847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17875598A Withdrawn JPH1180115A (ja) | 1997-07-18 | 1998-06-25 | ジベンゾ[b,f]チエピン誘導体の新規な製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1180115A (ja) |
-
1998
- 1998-06-25 JP JP17875598A patent/JPH1180115A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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