JPH1180013A - 血管平滑筋収縮抑制剤 - Google Patents

血管平滑筋収縮抑制剤

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JPH1180013A
JPH1180013A JP9240569A JP24056997A JPH1180013A JP H1180013 A JPH1180013 A JP H1180013A JP 9240569 A JP9240569 A JP 9240569A JP 24056997 A JP24056997 A JP 24056997A JP H1180013 A JPH1180013 A JP H1180013A
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律 山崎
Keiko Kawashima
啓子 川島
Yuujirou Shinpo
勇次郎 新甫
Tatsuo Kurashige
達雄 蔵重
Toshihiro Nohara
稔弘 野原
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順英 金城
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誠 今給黎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニクズクの従来の生薬としての薬理作用の他
に、新たに有用な薬理作用として血管平滑筋収縮抑制作
用を示す薬剤を提供する。 【解決手段】 上記薬剤において、ニクズクのメタノー
ルエキスや、それを脂肪族炭化水素系溶剤で分配し、次
いで酢酸エチル系溶剤で分配して得た酢酸エチル画分
や、一般式 【化1】 (R1及びR2が水素原子でR3が水酸基であるか、R1
メチル基、R2が水素原子でR3がアセトキシ基である
か、あるいはR1がメチル基、R2がメトキシ基でR3
水素原子又は水酸基)で表わされるフェニルプロパノイ
ド誘導体の中から選ばれた少なくとも1種を有効成分と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニクズクの所定エ
キスあるいは該エキス中に含有される所定フェニルプロ
パノイド誘導体を有効成分とする血管平滑筋収縮抑制剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニクズク科の植物であるニクズクは、イ
ンドネシアやモルッカ諸島に分布し通常ナツメグと呼ば
れ、その成分として種仁、種皮より多数単離される精油
成分、中でも主にフェニルプロパノイド誘導体やテルペ
ン類を含有するものであって、生薬や香辛料として使用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ようなニクズクについてこれまでの生薬としての薬理作
用の他に、新たに有用な薬理作用を見出すことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ニクズク
の薬理作用について鋭意研究を重ねた結果、従来よりナ
ツメグとして生薬や香辛料などに用いられているニクズ
クのエキスあるいは該エキス中に含有されるフェニルプ
ロパノイド誘導体の中の特定のものが、血管平滑筋収縮
能抑制作用を有し、このものを有効成分として含有する
ものが、安全で長期投与が可能であって、血管拡張薬
や、抗高血圧薬や、虚血性心疾患の予防あるいは治療剤
として有効な血管平滑筋収縮能抑制剤として有効である
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0005】すなわち、本発明は、ニクズクのメタノー
ルエキスや、ニクズクのメタノールエキスを脂肪族炭化
水素系溶剤で分配し、次いで酢酸エチル系溶剤で分配し
て得た酢酸エチル画分や、一般式
【化2】 (式中、R1及びR2が水素原子でR3が水酸基である
か、R1がメチル基、R2が水素原子でR3がアセトキシ
基であるか、あるいはR1がメチル基、R2がメトキシ基
でR3が水素原子又は水酸基である)で表わされるフェ
ニルプロパノイド誘導体の中から選ばれた少なくとも1
種を有効成分とする血管平滑筋収縮抑制剤を提供するも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の血管平滑筋収縮抑制剤に
おいて、有効成分として用いられる上記エキスや酢酸エ
チル画分やフェニルプロパノイド誘導体の原料であるニ
クズク(Myristicae Semen)は、ニク
ズク科の常緑樹であって、独特の芳香をもち、それから
得られる種子は、古くからナツメグ(Nutmeg)と
して、香辛料などに用いられている。また、ニクズク
は、生薬の成分として使用されている。このように、ニ
クズクは、古くから香辛料や生薬などに用いられてお
り、その安全性については全く問題はない。
【0007】本発明の薬剤の有効成分であるメタノール
エキスは、ニクズクをメタノールで抽出して得た抽出液
(以下メタノール抽出液という)、あるいはこの抽出液
を濃縮したもの(以下メタノール濃縮物という)、ある
いはメタノール抽出液やメタノール濃縮物からメタノー
ルを留去等で除去したものである。
【0008】ニクズクのメタノールによる抽出方法につ
いては特に制限はないが、有効成分が高濃度で抽出され
るような方法が好ましい。抽出の際、メタノールの量が
少なすぎると抽出が不十分になるし、また多すぎても必
要に応じ行われる濃縮処理に長時間を要することになる
ので、通常はニクズクに対し重量に基づき3〜30倍、
好ましくは10〜20倍の範囲で選ばれる。また、抽出
温度は、高いほど抽出効率がよくなるが、高すぎると有
効成分が破壊されるおそれがあるので、60℃以下とす
るのが好ましい。このようにして抽出処理が行われたの
ち、ろ過、遠心分離、傾しゃ等により固形分が除かれ
る。メタノールの除去に際しては、活性成分が破壊され
るのを防ぐために凍結乾燥又は50℃以下での減圧濃縮
を行うのが好ましい。
【0009】本発明の薬剤の有効成分である酢酸エチル
画分は、ニクズクのメタノールエキスを脂肪族炭化水素
系溶剤で分配し、次いで酢酸エチル系溶剤で分配するこ
とによって分離された酢酸エチル層からなる画分であ
る。この脂肪族炭化水素系溶剤は脂肪族炭化水素溶剤あ
るいはこれとアルコール又はアルコール水溶液好ましく
はメタノール水溶液との混合溶剤であって、この脂肪族
炭化水素溶剤としてはヘキサンが好ましい。また、酢酸
エチル系溶剤は酢酸エチルあるいはこれと水との混合溶
剤である。
【0010】本発明の薬剤の有効成分である上記一般式
(I)のフェニルプロパノイド誘導体は、上記酢酸エチ
ル画分を、セファデックス、ダイヤイオン等を担体とす
るクロマトグラフィー、好ましくはセファデックス(S
ephadex)、次いでシリカゲルを用いたクロマト
グラフィーや逆相オクタデシルシリル化シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー等により分離したもののうち、血
管平滑筋収縮能抑制作用を示す化合物、すなわち式
【化3】
【化4】
【化5】 又は式
【化6】 で表わされる化合物である。
【0011】このクロマトグラフィーとしては、例えば
カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、
中圧カラムクロマトグラフィー、液々分配クロマトグラ
フィーなどが用いられ、その静止相としては、例えばセ
ファデックス(Sephadex)、キーゼルゲル(K
ieselgel 60)、MCI ゲル、ダイヤイオ
ン(Diaion)、オクタデシルシリル化シリカゲル
などが挙げられる。
【0012】セファデックスとして好ましいのはセファ
デックス LH20〔ファルマシアファイン ケミカル
ズ(Pharmacia Fine Chemical
s)社製〕であり、キーゼルゲルとして好ましいのはキ
ーゼルゲル60(Kieselgel 60)(メルク
社製)であり、MCI ゲルとして好ましいのはMCI
ゲル CHP 20P(三菱化学社製)、ダイヤイオ
ンとして好ましいのはダイヤイオン HP−20(三菱
化学社製)、オクタデシルシリル化シリカゲルとして好
ましいのはクロマトレックス ODS〔フジ−ダビソン
ケミカル(Fuji−Davison Chemic
al)社製〕、YMC−ODSゲル(ワイエムシー社
製)である。
【0013】このフェニルプロパノイド誘導体のうち特
に好ましいのは一般式(I)中のR1がメトキシ基、R2
が水素原子、R3がアセトキシ基であるものすなわちM
S−2であって、このものは細胞内Ca2+の遊離も強く
抑制するが、特に細胞外からのCa2+の流入を他の誘導
体に比べ著しく抑制する。
【0014】次に、ニクズクの抽出処理の好適な1例に
ついて説明する。まずニクズクの種子を、所望により石
灰乳などの処理液に浸し、乾燥したのち、細かく粉砕し
て粉末状にする。次に、この粉末1kgに対し、メタノ
ールを10〜20リットル程度加え、抽出処理する。こ
の抽出処理は室温で行ってもよいが、30〜70℃程度
に加温して行ってもよい。この際、溶剤抽出を効果的に
行うために、メタノールが粉末内部まで十分に浸透する
ように、適当にかきまぜるのが有利である。抽出処理終
了後、ろ過、遠心分離、デカンテーションなどの公知の
手段を用いて固液分離する。このようにして得られた抽
出液は、そのままで、あるいは必要に応じ、減圧濃縮あ
るいはメタノール留去を行って、血管平滑筋収縮抑制活
性を有するメタノールエキスとして用いられる。
【0015】また、メタノールエキスをさらに前記した
ように溶剤処理することによって分配し、上記活性を有
する酢酸エチル画分を調製することができるが、この分
配操作として有利なのは、メタノールリッチのメタノー
ル水溶液、好ましくはメタノール濃度が70〜90%の
メタノール水溶液と、脂肪族炭化水素系溶剤、好ましく
はn‐ヘキサンとの混合溶剤、好ましくは等容混合溶剤
を加え、十分にかきまぜ又は振とう後、脂肪族炭化水素
系溶剤層とメタノール水溶液層とに分離し、さらにこの
メタノール水溶液層に酢酸エチルを加え、十分にかきま
ぜ又は振とう後、酢酸エチル層とメタノール水溶液層と
に分離し、酢酸エチル層を酢酸エチル画分として取得す
るものである。
【0016】酢酸エチル画分は、さらにクロマトグラフ
ィー、好ましくはセファデックス、次いでシリカゲルを
用いたクロマトグラフィーに付し、適当な展開液で展開
処理し、種々のフラクションを分取し、フラクションの
展開液を留去するなどして除去することによって各種化
合物を得ることができる。展開液の除去手段については
特に制限はなく、従来慣用されている方法を用いること
ができる。
【0017】前記一般式(I)で表わされるフェニルプ
ロパノイド誘導体、すなわち前記MS−1、MS−2、
MS−3、MS−5は次のようにして分離される。すな
わち、酢酸エチル画分を、セファデックス、好ましくは
セファデックスLH−20を用いたクロマトグラフィー
に付し、好ましくはクロロホルムとメタノールと水から
なる混合溶剤を展開液として各種フラクションを分取
し、これらフラクションのうち血管平滑筋収縮抑制活性
を有する第2フラクション(以下画分2という)と第4
フラクション(以下画分4という)について、それをシ
リカゲルを用いたクロマトグラフィーに付し、好ましく
はヘキサンとアセトン(Ace)からなる混合溶剤を展
開液として、画分2からは4個のフラクションを、また
画分4からは3個のフラクションを分取し、これらフラ
クションのうち血管平滑筋収縮抑制活性を有するものと
して、画分2から第2フラクション(以下画分ロとい
う)と第4フラクション(以下画分ニという)が、また
画分4から第2フラクション(以下画分ヘという)がそ
れぞれ得られる。画分ロの化合物はMS−1である。ま
た、画分ニをシリカゲルを用いたクロマトグラフィーに
付し、好ましくはクロロホルムとメタノールからなる混
合溶剤を展開液として得たフラクションをさらにシリカ
ゲルを用いた薄層クロマトグラフィーに付し、好ましく
はクロロホルムとメタノールからなる混合溶剤を展開液
として実質上2個のフラクションを分取し、各フラクシ
ョンの化合物としてそれぞれMS−2及びMS−3が得
られる。また、画分ヘをシリカゲルを用いた薄層クロマ
トグラフィーに付し、好ましくはクロロホルムとメタノ
ールからなる混合溶剤を展開液として3個のフラクショ
ンを分取し、第1フラクションの化合物としてMS−5
が得られる。
【0018】本発明の血管平滑筋収縮抑制剤において、
上記メタノールエキスや酢酸エキス画分を有効成分とす
る場合には、それをそのまま、あるいは、希釈又は濃縮
若しくは凍結乾燥したのち、粉末状又はペースト状に調
製し、所望により適宜製剤化して用いることができる。
また、本発明の血管平滑筋収縮抑制剤において、上記一
般式(I)で表わされるフェニルプロパノイド誘導体を
有効成分とする場合には、それをそのまま、あるいは、
粉末状又はペースト状、溶液状に調製し、所望により適
宜製剤化して用いることができる。
【0019】また、製剤中の有効成分の含有量は、乾燥
重量として、通常0.0001〜50重量%、好ましく
は0.001〜30重量%の範囲である。製剤の形態に
ついては特に制限はなく、例えば錠剤、カプセル剤、丸
剤、顆粒剤、液剤など、いずれであってもよい。さら
に、この形態に応じて、賦形剤などの添加剤を適宜用い
ることができる。
【0020】さらに、本発明の薬剤は、例えば常法に従
って液体や固形の食品の形に調製することができ、一般
によく知られている他の食品素材、香料なども適宜併用
することができる。このような他の食品素材としては、
従来食品分野において慣用されているもの、例えば小麦
粉、デンプン、タンパク質やその分解物、糖質、脂質、
ビタミン類、ミネラルなどが挙げられる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0022】実施例1 ニクズク粉末3kgをメタノール30リットル中に投入
し、70℃で3時間抽出処理を行ったのち、これを遠心
分離機にかけて、固形物と抽出液とに分離した。次い
で、抽出液を濃縮し、メタノール濃縮物200gを得
た。このようにしてメタノール濃縮物の形態でニクズク
エキスを得た。
【0023】実施例2 実施例1で得たニクズクエキス200gに対し、メタノ
ール濃度80%のメタノール水溶液とn‐ヘキサンとの
等容混合溶剤を加え、70℃で1時間十分にかきまぜ又
は振とう後、n‐ヘキサン層と80%メタノール水溶液
層とに分離し、さらにこの80%メタノール水溶液層に
等量の酢酸エチルを加え、十分にかきまぜ又は振とう
後、酢酸エチル層とメタノール水溶液層とに分離し、こ
の酢酸エチル層を減圧濃縮し酢酸エチル画分52gを得
た。
【0024】実施例3〜6 実施例2で得た酢酸エチル画分18gを、セファデック
ス LH−20を用いたクロマトグラフィーに付し、ク
ロロホルム6重量部とメタノール4重量部と水1重量部
からなる混合溶剤を展開液として第1フラクョンないし
第5フラクョンからなる5種のフラクションをそれぞれ
0.4g、0.9g、3.6g、4.3g及び7.5g
分取し、これらフラクションのうち血管平滑筋収縮抑制
活性を有する第2フラクション(以下画分IIという)
と第4フラクション(以下画分IVという)について、
それをシリカゲルを用いたクロマトグラフィーに付し、
ヘキサン3重量部とアセトン(Ace)1重量部からな
る混合溶剤を展開液として、画分IIから4種のフラク
ションをそれぞれ12.8mg、7.4mg、138m
g及び95.2mg、また画分IVから3種のフラクシ
ョンをそれぞれ1.65g、804mg及び801mg
分取し、これらフラクションのうち血管平滑筋収縮抑制
活性を有するものとして、画分IIからの第2フラクシ
ョン(以下画分bという)と第4フラクション(以下画
分dという)を、また画分IVから第2フラクション
(以下画分fという)を得た。画分bの無色油状化合物
はMS−1であった。
【0025】MS−1の各種同定値を測定した結果を以
下に示す。 [α]=+2.7°(c=0.74,MeOH)1 H−NMR[δ(ppm),in CDCl3]:1.
22(3H,d,J=6.1Hz,H−γ),2.74
(1H,dd,J=13.7,7.6Hz,H−α),
3.12(1H,dd,J=13.9,5.2Hz,H
−α),3.33(2H,d,J=6.7Hz,H−
α′),3.79(6H,s,2′,6′−OMe),
3.82(3H,s,4−OMe),3.83(6H,
s,3,5−OMe),3.85−3.97(1H,
m,H−β),5.05−5.15(2H,m,H−
γ′),5.90−6.05(1H,m,H−β′),
6.40(2H,s,H−3′,5′),6.46(2
H,s,H−2,6)13 C−NMRについては、図1に示す。
【0026】画分dはさらにシリカゲルを用いたクロマ
トグラフィーに付し、クロロホルム99重量部とメタノ
ール1重量部からなる混合溶剤を展開液として得たフラ
クションをさらにシリカゲルを用いた薄層クロマトグラ
フィーに付し、クロロホルム19重量部とメタノール1
重量部からなる混合溶剤を展開液として3種のフラクシ
ョンをそれぞれ21.6mg、14.2mg、1.0m
g分取し、第1フラクション及び第2フラクションの無
色油状化合物としてそれぞれMS−2及びMS−3を得
た。
【0027】MS−2の各種同定値を測定した結果を以
下に示す。 [α]=+17.8°(c=1.00,MeOH)1 H−NMR[δ(ppm),in CDCl3]:1.
28(3H,d,J=6.1Hz,H−γ),2.17
(3H,s,Ac),3.33(2H,d,J=6.7
Hz,H−α′),3.78(6H,s,2′,6′−
OMe),3.86,3.85(6H,s,3,4−0
Me),4.43(1H,dq,J=3.0,6.1H
z,H−β),5.08−5.12(2H,m,H−
γ′),5.86(1H,d,J=3.7Hz,H−
α),5.92−6.00(1H,m,H−β′),
6.39(2H,s,H−3′,5′),6.79.
6.89(3H,m,H−2,5,6)13 C−NMRについては、図2に示す。
【0028】MS−3の各種同定値を測定した結果を以
下に示す。 [α]=+5.39°(c=0.63,MeOH)1 H−NMR[δ(ppm),in CDCl3]:1.
13(3H,d,J=7.7Hz,H−γ),3.38
(2H,d,J=6.7Hz,H−α′),3.82,
3.85,3.88(15H,s,−OMe×5),
4.34(1H,qd,H−β),4.80(1H,b
rd,H−α),5.11−5.16(2H,m,H−
γ′),5,95−6.03(1H,m,H−β′),
6.46(2H,s,H−3′,5′),6.54(2
H,s,H−2,6)
【0029】画分fはさらにシリカゲルを用いた薄層ク
ロマトグラフィーに付し、クロロホルム19重量部とメ
タノール1重量部からなる混合溶剤を展開液として3種
のフラクションをそれぞれ58.4mg、4.9mg及
び3.0mg分取し、第1フラクションの無色油状化合
物としてMS−5を得た。
【0030】MS−5の各種同定値を測定した結果を以
下に示す。 [α]=−0.55°(c=1.09,MeOH)1 H−NMR[δ(ppm),in CDCl3]:1.
12(3H,d,J=6.1Hz,H−γ),3.36
(2H,d,J=6.7Hz,H−α′),3.84,
3.86,3.87(15H,s,−OMe×4),
4.34(1H,dq,J=2.4,6.4Hz,H−
β),4.79(1H,d,J=2.4Hz,H−
α),5.09−5.14(2H,m,H−γ′),
5.93−6.02(1H,m,H−β′),6.45
(2H,s,H−3′,5′),6.67−6.97
(3H,AM X型,H−2,5,6)13 C−NMRについては、図3に示す。
【0031】試験例1、2 ウィスター系7週令雄性ラットを放血致死させ、胸部大
動脈を摘出し、結合組織、脂肪組織を除去したのち、ら
せん状に切り、巾2〜3mm、長さ4〜5cmの検体を
作成した。検体は空気を通気した37±5℃のクレブズ
−ヘンゼライト(Krebs−Henseleit)液
を満たしたマグヌス管内に懸垂し、その張力変化をTD
−112S〔日本光電工業社製、アイソトニック トラ
ンスデューサー(isotonic transduc
er)〕を介してCP−500G(日本光電工業社製、
ミニポリグラフ)へ記録した。1時間後に、マグヌス管
をEGTA[エチレングリコールビス(2‐アミノエチ
ルエーテル)テトラ酢酸](1mM)含有Ca除去液で
洗浄し、さらに5分後にマグヌス管内に表1に示す実施
例1及び2で得た薬剤を最終濃度が10-5g/mlとな
るように加え、さらに5分後にマグヌス管内にノルエピ
ネフリン(最終濃度10-7M)を加え、5分間反応を観
察した。次いで、マグヌス管内にCaCl2(最終濃度
2.5mM)を加え、CaCl2による収縮反応を10
0%としたときの収縮率及びノルエピネフリン収縮又は
CaCl2収縮に対する抑制率を算出した。その結果を
表1に示す。
【0032】比較試験例1 実施例1における薬剤に代えてTween80と精製水
との重量比1:39の水溶液を用いた以外は実施例1と
同様にして上記抑制率を算出した。その結果を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】試験例3〜6 ウィスター系7週令雄性ラットを放血致死させ、胸部大
動脈を摘出し、結合組織、脂肪組織を除去したのち、ら
せん状に切り、巾2〜3mm、長さ4〜5cmの検体を
作成した。検体は空気を通気した37±5℃のクレブズ
−ヘンゼライト(Krebs−Henseleit)液
を満たしたマグヌス管内に懸垂し、その張力変化をTD
−112S〔日本光電工業社製、アイソトニック トラ
ンスデューサー(isotonic transduc
er)〕を介してCP−500G(日本光電工業社製、
ミニポリグラフ)へ記録した。1時間後に、マグヌス管
をEGTA(1mM)含有Ca除去液で洗浄し、さらに
5分後にマグヌス管内に表1に示す実施例3〜6で得た
薬剤を最終濃度が10-5g/mlとなるように加え、さ
らに5分後にマグヌス管内にノルエピネフリン(最終濃
度10-7M)を加え、5分間反応を観察した。次いで、
マグヌス管内にCaCl2(最終濃度2.5mM)を加
え、CaCl2による収縮反応を100%としたときの
収縮率及びノルエピネフリン収縮又はCaCl2収縮に
対する抑制率を算出した。その結果を表2に示す。
【0035】比較試験例2 実施例3における薬剤に代えてTween80と精製水
との重量比1:39の水溶液を用いた以外は実施例3と
同様にして上記抑制率を算出した。その結果を表2に示
す。
【0036】
【表2】
【0037】表1及び2から明らかなように、ニクズク
エキスは、血管平滑筋収縮抑制剤についてノルエピネフ
リン収縮よりもCaCl2収縮に対する方が大きいこと
が分る。また、酢酸エチル画分は、血管平滑筋収縮抑制
剤についてノルエピネフリン収縮よりもCaCl2収縮
に対する方が大きいことが分る。また、MS−1、MS
−2、MS−3及びMS−5はいずれも血管平滑筋収縮
抑制剤が高く、特にMS−2はこの活性が高く、細胞外
からのCa2+の流入を他のこれら活性化合物よりも著し
く抑制することが分る。
【0038】
【発明の効果】本発明の血管平滑筋収縮抑制剤は、優れ
た血管平滑筋収縮能抑制作用を有し、安全で長期投与が
可能であって、血管拡張薬や、抗高血圧薬や、虚血性心
疾患の予防あるいは治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 MS−1の13C−NMR図。
【図2】 MS−2の13C−NMR図。
【図3】 MS−5の13C−NMR図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵重 達雄 千葉県我孫子市栄32−2 (72)発明者 野原 稔弘 熊本県熊本市長嶺東2丁目41−4 (72)発明者 金城 順英 熊本県熊本市白山1丁目6−54 白山町宿 舎3−5号 (72)発明者 今給黎 誠 熊本県熊本市九品寺3丁目7−19 スカイ ハイツF301 (72)発明者 西村 真美 大分県北海部郡佐賀関町一尺屋3846−2

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニクズクのメタノールエキスを有効成分
    とする血管平滑筋収縮抑制剤。
  2. 【請求項2】 ニクズクのメタノールエキスを脂肪族炭
    化水素系溶剤で分配し、次いで酢酸エチル系溶剤で分配
    して得た酢酸エチル画分を有効成分とする血管平滑筋収
    縮抑制剤。
  3. 【請求項3】 一般式 【化1】 (式中、R1及びR2が水素原子でR3が水酸基である
    か、R1がメチル基、R2が水素原子でR3がアセトキシ
    基であるか、あるいはR1がメチル基、R2がメトキシ基
    でR3が水素原子又は水酸基である)で表わされるフェ
    ニルプロパノイド誘導体の中から選ばれた少なくとも1
    種を有効成分とする血管平滑筋収縮抑制剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010530413A (ja) * 2007-06-20 2010-09-09 バイオケア カンパニ−リミテッド リグナン系化合物の皺改善用途

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