JP2009191049A - レサク抽出物およびレサク含有成分とその用途 - Google Patents

レサク抽出物およびレサク含有成分とその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、レサクの新規用途の開発を課題とする。
【解決手段】本発明によれば、安全に使用できるレサクのメタノール抽出物、または該抽出物に含まれるバチカノールGを有効成分とする遊離脂肪酸産生阻害剤、抗肥満、抗糖尿病または抗高脂血症用組成物ならびにその組成物を含む健康食品を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、レサク抽出物および該抽出物に含まれる成分に関する。
より詳細には、本発明は、広葉樹であるフタバガキ科コチレロビウム属樹木であるレサクの乾燥樹幹の破砕物を含水低級アルコールで抽出した抽出物および/またはこの抽出物に含まれる化合物の用途に関する。
さらに詳細には、本発明は、リパーゼ阻害活性作用、血糖値上昇抑制作用、中性脂肪上昇抑制作用を有する、上記の抽出物または該抽出物に含まれる化合物を含有する遊離脂肪酸産生抑制、抗肥満、抗高脂血症または脂肪肝改善に使用される医薬組成物および該組成物が添加されてなる健康食品に関する。
フタバガキ科(Dipterocarpaceae)フタバガキ亜科(Dipterocapaceae)植物コチレロビウム属(Cotylelobium)に属するレサク(Cotylelobium melanoxylon)は、マレー半島、タイ、フィリピン、ボルネオ島、インドネシアなど東南アジアの熱帯雨林に広く分布する広葉樹で、高木に成長する樹木である。
また、このフタバガキ科の樹木は優良な材を作り、日本に沢山輸入されている建築材料であるラワン材として、広く知られている。
しかしながら、レサクの抽出物が、高脂血症、肥満、またはメタボリック症候群に有効なリパーゼ阻害活性作用、血糖値を有することはなんら報告されていない。
ちなみに、リパーゼは食餌に含まれる脂肪(トリグリセリド)を、体内に吸収できるフリーの脂肪酸やモノグリセリドに加水分解する酵素であることが知られている。
よって、このリパーゼ活性を阻害することにより、加水分解されなかったトリグリセリドは体内に吸収されずに排出され、したがって、結果として脂肪摂取を減少すること、すなわち摂取カロリーを減少することができ、糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドロームに該当するヒトのカロリーまたは脂肪摂取の低減に効果が期待できる。
本発明は、レサクの新規用途の開発を課題とする。
本発明者は、レサクの成分およびその薬理作用を明らかにすべく研究に着手し、レサクの含水低級アルコール抽出物および各精製段階におけるレサクの成分を鋭意研究し、新規化合物を見出し、それらの化学構造を決定すると共に、レサクの抽出物および該抽出物が含有する公知化合物バチカノールGの薬理作用についても知見を得、本研究を完成し、上記の課題を解決する。
すなわち、本発明によれば、レサク(Cotylelobium melanoxylon)の乾燥樹幹の破砕物を含水低級アルコールで抽出して抽出液を得るか、またはこの抽出液をさらに必要に応じて酢酸エチルと水との混液で分配処理して得られる有機溶媒可溶画分を得ることを特徴とするレサク抽出物の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、レサクの乾燥樹幹の破砕物の含水低級アルコール抽出物か、またはこの抽出物をさらに必要に応じて酢酸エチルと水との混液で分配処理した有機溶媒可溶画分を含む抽出物であるレサク抽出物が提供される。
レサクの含水低級アルコール抽出物および各精製段階におけるレサク抽出物は、いずれもリパーゼ阻害活性、血糖値上昇抑制または中性脂質上昇抑制活性作用を有する。
したがって、本発明による化合物を含むレサクのメタノール抽出物または組成物は、そのリパーゼ阻害活性作用により遊離脂肪酸の産生を抑制でき、抗肥満、抗高脂血症および脂肪肝改善および抗糖尿病を意図する医薬用組成物または該組成物が添加されてなる健康食品に用いられ得る。
本発明者らは、レサクのメタノールで熱時抽出した抽出液を濃縮して得られた抽出物を、さらに、酢酸エチルと水との間で分配して得られた酢酸エチル可溶画分を濃縮して得られた有機溶媒可溶画分が、式(1):
Figure 2009191049
で表される、レスベラトロール二量体構造を有する新規なメラノキシリンを単離し、構造決定した。
また、本発明者らは、上記の有機溶媒可溶画分が、式(2):
Figure 2009191049
で表される公知化合物バチカノールG(T. Itoら、Tetrahedron 57 (2001)、7309-7321)を10%以上もの高含有率で含んでいることを見出した。
また、本発明者らは、本発明によるレサク抽出物および上記のバチカノールGが、極めて強いリパーゼ阻害活性、血糖値上昇抑制活性および中性脂肪上昇抑制活性を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明において用いられるレサク(Cotylelobium melanoxylon)は、その産地が特に限定されずに用いることができる。
また、本発明で用いられるレサクの乾燥樹幹の破砕物とは、レサクの樹幹またはこれを製材した材木の破砕物、粉砕物、削り屑、鋸屑などのようなあらゆる形態の、通常の抽出に適した形態のものを意味する。
本発明の抽出物の調製に用いられる低級アルコールとしては、炭素数1〜4のモノアルコールまたはジアルコール類が挙げられる。
具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、エタンジオール、プロパンジオールおよびブタンジオールまたはこれらの混液が挙げられる。
また、本発明の抽出物の調製に用いられる含水低級アルコールとしては、1〜40重量%の水を添加した上記のアルコールが挙げられるが、市販されている上記のアルコール類に水を人為的に添加せずに用いることもできる。
しかしながら、抽出後の濃縮などの容易性の観点から、好ましくは、メタノールもしくはエタノールまたはそれらの混液が用いられる。
これらの抽出用溶媒は、抽出材料に対して1〜80倍(容量/重量)程度、好ましくは5〜60倍(容量/重量)程度用いられる。
なお、抽出は、室温または熱時で行うことができ、抽出温度は、室温と溶媒の沸点の間で任意に設定できる。熱時抽出の場合、例えば、50℃〜抽出溶媒の沸点の温度で、振盪(または撹拌)下もしくは非振盪下または還流下に、レサクの乾燥樹幹の破砕物を上記の抽出溶媒に浸漬することによって行うのが適当である。抽出材料を振盪下に浸漬する場合には、30分間〜5時間程度行うのが適当であり、非振盪下に浸漬する場合には、1時間〜20日間程度行うのが適当である。また、抽出溶媒の還流下に抽出するときは、30分〜数時間加熱還流するのが好ましい。
また、50℃より低い温度で浸漬して抽出することも可能であるが、その場合には、上記の時間よりも長時間浸漬するのが好ましい。
抽出操作は、同一材料について1回だけ行ってもよいが、複数回、例えば、2〜5回程度繰り返すのが抽出効率の点から好ましい。
しかしながら、抽出効率の観点から、溶媒の還流下に30分〜2時間程度の抽出操作を3回程度繰り返すのが好ましい。
抽出溶媒を冷却し、固形物をろ別して得られる抽出液は、常法により濃縮して抽出エキスとしてもよい。濃縮は、減圧下に行うのが好ましい。
また、濃縮は抽出液が乾固するまで行ってもよい。
抽出物は、そのまま本発明の組成物を調製するのに用いてもよいが、粉末状または凍結乾燥品等として用いてもよい。これらの固形物とする方法は、当該分野で公知の方法を採用することができる。
したがって、本発明における抽出物とは、抽出液、抽出エキス、濃縮乾固物または凍結乾燥物のいずれも意味するが、本発明による抽出物は、精製せずにそのまま用いることもでき、本発明の一部を構成している。
しかしながら、本発明では、抽出液を濃縮した抽出物を、溶媒による分配抽出、すなわち、水と非水和性有機溶媒とを用いる分配抽出に単回または複数回付し、有機溶媒可溶画分と水溶性画分として分離することができる。
非水和性有機溶媒としては、酢酸エチル、n-ブタノール、ヘキサン、クロロホルムなどが挙げられるが、中でも酢酸エチルが好ましい。
すなわち、レサクの含水低級アルコール抽出物を濃縮して得られた抽出物を、必要に応じて酢酸エチルと水を用いて分配し、酢酸エチル可溶画分と水溶性画分として得ることができる。
分配抽出は、当該分野で通常行われる撹拌もしくは振盪分配法または液滴向流分配法などの常法に従って行うことができる。例えば、室温下、振盪下または非振盪下に、抽出エキスなどに対して、非水和性有機溶媒と水とを1〜10倍 (容量)程度 (1:10〜10:1)加えて行うのが適当である。
したがって、本発明において用いられるレサク抽出物とは、前記のレサクの含水低級アルコール抽出物もしくはその濃縮物、該濃縮物を上記の分配抽出に付して得られる有機溶媒可溶画分もしくはその濃縮物または該レサク抽出物から単離した成分化合物、バチカノールGなどのいずれをも意味する。
なお、上記の含水低級アルコール抽出物および有機溶媒可溶画分は、上記のいずれの段階においても、濃縮する前後に精製処理に付すことができる。
精製処理には、上記の含水低級アルコール抽出物の水と非水和性有機溶媒による分配抽出以外に、当業者に公知のクロマトグラフ法、イオン交換クロマトグラフ法等を単独で、または組み合わせて採用することができる。例えば、クロマトグラフ法としては、順相もしくは逆相担体またはイオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーまたは遠心液体クロマトグラフィー等のいずれか、またはそれらを組み合わせて行う方法が挙げられる。
その場合の担体、溶出溶媒等の精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宜選択することができる。
本発明者らは、レサク抽出物を、上記の精製方法を組み合わせて精製すると同時に精製物の作用について検討した。
そこで、本発明者は、上記の酢酸エチル可溶画分について、順相カラムおよび逆相カラムを用いたクロマトグラフィーおよびHPLCによる精製を繰り返し、含有成分の単離を行った。
本発明によるレサクからの含有成分の抽出と単離精製の操作手順を、以下に示す。
Figure 2009191049
すなわち、レサク(Cotylelobium melanoxylon)の乾燥樹幹材をメタノールで熱時抽出後、溶媒を減圧留去し、メタノール抽出エキスを得た。得られたメタノール抽出エキスを酢酸エチルとH2Oにて分配し、酢酸エチル層とH2O層を得た。
得られた酢酸エチル層を順相シリカゲルクロマトグラフィー、逆相ODS カラムクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分離精製を繰り返し、1種の新規レスベラトロール二量体 メラノキシリン (1)を単離し、構造を決定するとともに、既知スチルベン三量体であるバチカノールG (2:T. Itoら、Tetrahedron、57、7309-7321 (2001))、既知リグナンである(+)-リオニレシノール (3:M.A. Ouyangら、Chem. Pharm. Bul.、55、804-807 (2007))、既知レスベラトロール二量体である(+)-アムペロプシンF (4:Y. Oshimaら、Tetrahedron、49、5801-5804 (1983))を単離同定した。
これらの既知化合物(2)、(3)および(4)は、文献値との1H-NMR及び13C-NMRスペクトルデータの比較により同定した。
すなわち、本発明によれば、次の(1):
Figure 2009191049
で表される新規化合物メラノキシリンが提供される。
また、本発明によれば、式(2):
Figure 2009191049
で表されるバチカノールGが提供される。
レサク抽出物の調製および該抽出物含有成分の単離精製
(1)レサク抽出物の調製
レサク(Cotylelobium melanoxylon 0.5 kg)の乾燥木材をメタノールで熱時抽出後、溶媒を減圧留去し、メタノール抽出エキス(252.4g、収率50.5%) を得た。得られたメタノール抽出エキス(238.2g) を酢酸エチルとH2Oにて分配し、酢酸エチル層(230.5g、48.9%) とH2O層(3.0g、0.6%) を得た。
得られた酢酸エチル層(165.6g)を順相シリカゲルクロマトグラフィー、逆相ODSカラムクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い分離精製を繰り返し、新規レスベラトロール二量体としてメラノキシリン(1:0.0036%)を単離し、構造決定するとともに、スチルベン三量体として既知のバチカノールG(2:13.1%)、レスベラトロール二量体として既知の(+)-アムペロプシンF(4:0.1307%)、リグナンとして既知の(+)-リオニレシノール (3:0.0062%)を単離した。これらの化合物の1H-NMR及び13C-NMRスペクトルデータを、文献に記載されているものと比較することにより上記の既知化合物であると同定した。
但し、上記の単離成分の収率は、レサクからの単離収率である。
(2)メラノキシリンの構造解析
メラノキシリン(1、化合物(1)ともいう)は負の旋光性 ([α]D 21 −63.9°)を示す黄色粉末として得られた。また、EI-MSにおいてm/z 454 (M)+に分子イオンピークが認められた。
また、高分解能EI-MSの測定値から、化合物(1)は分子式C28226を有することが明らかとなった。
さらに、IRスペクトルから水酸基に由来する強い吸収 (3451cm-1)、芳香環に由来する強い吸収 (1618cm-1、1519cm-1) が認められた。
1H-NMR(アセトン-d5)及び13C-NMR(アセトン-d5) スペクトルから、1つのメチレン[δ(ppm):3.20(dd-様(like)、J =約3、17.2 Hz、H-8α)、3.60(dd-様、J = 3.7、17.8 Hz、H-8β)]、酸素官能基に結合した1つのメチン [5.74 (d、J = 11.7 Hz、H-7')]、2つのメチン[4.19(d、J = 11.7 Hz、H-8')、5.22(brs、H-7)]、4つの芳香環 [6.06 (brs、H-12)、6.22 (brs、H-14')、6.33(brs、H-14)、6.43(brs、H-12')、6.65(d、J = 8.9 Hz、H-3、5)、6.77(d、J = 8.3 Hz、H-3'、5')、6.94(d、J = 8.2 Hz、H-2、6)、7.10(d、J = 8.3 Hz、H-2'、6')] の存在が示唆された。DQF、HMBCの二次元NMRスペクトルの解析より、新規化合物メラノキシリンの構造を前記式(1)に示すように決定した。
本発明者らは、レサク抽出物、すなわち、レサクの樹幹の乾燥破砕物のメタノール抽出物および該メタノール抽出物を酢酸エチルと水で分配して得られた酢酸エチル可溶画分を精製して単離したバチカノールGのいずれもが、リパーゼ阻害活性作用を有することを見出した。
また、本発明者らは、上記のメタノール抽出物およびバチカノールGのいずれもが血糖値上昇抑制活性作用を有することも見出した。
さらに、本発明者らは、上記のメタノール抽出物が中性脂質上昇抑制活性作用を有することも見出した。
よって、本発明によるレサクの抽出物および/またはバチカノールGは、遊離脂肪酸産生抑制、抗肥満、抗高脂血症、脂肪肝改善効果または抗糖尿病を意図する医薬組成物および該組成物を含む健康食品に用いられ得ることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明によれば、レサク抽出物、すなわち、レサクのメタノール抽出物、酢酸エチル可溶画分またはバチカノールGを有効成分として含むリパーゼ阻害活性作用に基づく遊離脂肪酸産生抑制、ひいては抗肥満用組成物が提供される。
また、本発明によれば、レサク抽出物、すなわち、レサクのメタノール抽出物、酢酸エチル可溶画分またはバチカノールGを有効成分として含む抗糖尿病用組成物が提供される。
したがって、本発明によれば、レサク抽出物、すなわち、レサクのメタノール抽出物、酢酸エチル可溶画分またはバチカノールGを有効成分として含む、食生活の欧米化による高カロリー食の摂食に基づく現代病として代表的な肥満、高脂血症、脂肪肝および糖尿病などの生活習慣病の予防または治療を意図する医薬組成物が提供される。
その上、本発明によれば、該組成物を含む健康食品が提供される。
本発明のレサク抽出物、すなわち、レサクのメタノール抽出物、酢酸エチル可溶画分またはこれらの濃縮乾固物あるいは該抽出物に含まれるバチカノールGは、そのままの状態、または適当な媒体で希釈して、あるいは医薬品の製造分野において公知の方法により、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤または液剤等、種々の医薬品の形態に製剤化して使用することができる。
これらの医薬品形態においては、適当な媒体を添加してもよい。そのような媒体としては、医薬的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガントまたはポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば乳糖、砂糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルクまたはポリエチレングリコール)、崩壊剤(例えば馬鈴薯澱粉)または湿潤剤 (例えばラウリル硫酸ナトリウム)等が挙げられる。
錠剤は、通常の方法でコーティングしてもよい。液体製剤は、例えば水性または油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、使用前に水または他の適切な賦形剤で再生する乾燥製品として提供してもよい。
こうした液体製剤は、通常の添加剤、例えば懸濁化剤 (例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン水添加食用脂)、乳化剤 (例えばレシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアラビアゴム)、(食用脂を含んでいてもよい)非水性賦形剤 (例えばアーモンド油、分画ココヤシ油またはグリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコールのような油性エステル)、保存剤 (例えばp-ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピル、またはソルビン酸)、および所望により着色剤または香料等を含んでいてもよい。
また、本発明による組成物を有効成分として食品に添加したものを健康食品として利用することができる。
健康食品とは、通常の食品よりも積極的な意味で保健、健康維持・増進等を目的とした食品を意味し、例えば、固形、半固形または液体の製品、具体的には、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤または液剤等のほか、クッキー、せんべい、ゼリー、ようかん、ヨーグルト、まんじゅう等の菓子類、清涼飲料、お茶類、栄養飲料、スープ、ドリンク剤等の形態が挙げられる。
これらの食品の製造工程において、または最終製品に上記の抽出物を添加して、健康食品とするか、あるいは健康食品用添加用組成物とすることができる。
レサク抽出物、すなわち、レサクのメタノール抽出物、酢酸エチル可溶画分または該画分に含まれるバチカノールGの使用量は、年齢、症状等によって異なるが、例えば該抽出物の濃縮乾固物を予防・治療に用いる場合には、成人1回につき50mg〜5g程度、好ましくは100mg〜3g程度使用できる。また、健康食品として使用する場合には、食品の味や外観に悪影響を及ぼさない量、例えば、対象となる食品1kgに対し上記乾固物を、100mg〜10g程度の範囲で用いることができる。
また、バチカノールGを含む組成物を用いる場合には、バチカノールGの使用量として、成人1回につき10mg〜3g程度、好ましくは100mg〜2g程度使用できる。また、健康食品として使用する場合には、食品の味や外観に悪影響を及ぼさない量、例えば、対象となる食品1kgに対し上記乾固物を、100mg〜10g程度の範囲で用いることができる。
以下、本発明のレサク抽出物、すなわち、レサクのメタノール抽出物、酢酸エチル可溶画分および該画分に含まれる成分の精製法ならびにそれらの作用に関する実施例を具体的に説明するが、以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明をなんら制限するものではない。
なお、実施例では、特に記載がない限り、以下の各種溶媒、クロマトグラフィー用担体およびHPLC用カラムならびに各種分析器機を用いた:
メタノール(MeOH):ナカライテスク社製、特級
エタノール(EtOH):ナカライテスク社製、特級
クロロホルム:ナカライテスク社製、特級
酢酸エチル(AcOEt):ナカライテスク社製、特級
n-ブタノール(BuOH):ナカライテスク社製、特級
アラビアゴム:和光純薬工業株式会社製
カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩(CMC-Na):和光純薬工業株式会社製
炭素末(活性炭;粉末状):和光純薬工業株式会社製
豚リパーゼ:シグマ・アルドリッチ社製
Wister系雄性ラット:紀和実験動物研究所(和歌山)
ddy系雄性マウス:紀和実験動物研究所(和歌山)
カラムクロマトグラフィー用シリカゲル (SiO2):富士シリシア化学社製、BW-200、150〜350メッシュ
カラムクロマトグラフィー用逆相シリカゲル:富士シリシア化学社製、Chromatorex ODS DM1020T、100〜200メッシュ
HPLC用ODSカラム:ジーエルサイエンス社製、Intertsil ODS-3 (250×20mm(内径))
NMR:日本電子データム株式会社製(JEOL)、ECA-600K(600 MHz)
IR:島津製作所社製、FTIR-8100
HPLC:島津製作所社製、検出器;示差屈折率検出器RID-6A
UV検出器SPD-10A
送液ユニット;LC-6AD
GC:島津製作所GC-14A
MS:日本電子データム社製(JEOL)、FABMS、HRFABMAS;JMS-SX 102A
EIMS、HREIMS;JMS-GCMATE
また、核磁気共鳴 (NMR)スペクトルにおいて、化学シフトδは百万分の一 (ppm)で表示し、略語はそれぞれ次の意味を有する:s:シングレット;brs:ブロードシングレット;d:ダブレット;dd:ダブルダブレット;dd-like:ダブルダブレット様;t:トリプレット; q:クァルテット;dq:ダブルクァルテット。
実施例1
(1) レサクの抽出および酢酸エチル可溶画の調整
タイ産のレサク (Cotylelobium melanoxylon;0.5 kg)の乾燥樹幹の破砕物をメタノール25Lで熱時抽出した。抽出液を冷却し、濾過し、残渣にメタノールを加え、同様の抽出操作を計3回行った。
得られたメタノール抽出ろ液を合わせて常法により減圧下に溶媒留去し、メタノール抽出物(252.4 g、収率50.5 %)を得た。
得られたメタノール抽出物のうち238.2 gを用い、酢酸エチル15Lと水5Lにて分配を行い、酢酸エチル相と水相とを分離し、各相を常法により減圧下に溶媒留去し、酢酸エチル可溶画分(230.5 g、48.9%)および水可溶画分(3.0 g、0.6%)を得た。
(2) AcOEt可溶画分の精製
得られた酢酸エチル可溶画分のうち165.6 gを、順相シリカゲルクロマトグラフィー[3.5 kg、溶出剤;CHCl3:メタノール:水混液= (10:3:1) → (7:3:1) → (6:4:1) → メタノール] で分画し、Fr. A (5.2 g)、Fr. B (1.6 g)、Fr. C (2.1 g)、Fr. D (7.9 g)、Fr. E (2.3g)、Fr. F [=バチカノールG (2、44.3g:13.1%)]、Fr. G (53.0 g)、Fr. H (35.7 g)およびFr. I (10.4g)を得た。
上記で得られたFr. B (1.6g) を、さらに、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[57 g、溶出剤;メタノール:水混液= (30:70) → (40:60) → (50:50) → (60:40) → (70:30) → メタノール] にて分画し、Fr. B-1 (38.4 mg)、Fr. B-2 [=(+)-リオニレシノール (3、19.8 mg :0.0062%)]、Fr. B-3 (31.5 mg)、Fr. B-4 (121.1 mg)、Fr. B-5 (413.8 mg)、Fr. B-6 (89.9 mg)、Fr. B-7 (240.9 mg)、Fr. B-8 (103.6 mg)、Fr. B-9 (52.5 mg)、Fr. B-10 (109.0 mg)およびFr. B-11 (270.2 mg) を得た。
上記で得られたFr. B-4について高速液体クロマトグラフィー [カラム:GL Sciences ODS-3 (250×20 mm (直径))、溶出剤:メタノール:水混液= (40 : 60)、流速:9.0 ml/分] を用いて分離精製し、メラノキシリン (1、11.6 mg、0.0036%)およびFr. B-4-4を単離した。
上記で得られたFr. C (2.1g) を逆相ODS カラムクロマトグラフィー[65 g、メタノール : 水混液 = (30 : 70) → (40 : 60) → (50 : 50) → (60 : 40) → (70 : 30) → メタノール] にて分画し、Fr. C-1 (78.6 mg)、Fr. C-2 [= (+)-アムペロプシン F (4、457.4 mg;0.1307%)]、Fr. C-3 (222.0 mg)、Fr. C-4 (226.9 mg)、Fr. C-5 (118.8 mg)、Fr. C-6 (266.9 mg)、Fr. C-7 (203.3 mg)、Fr. C-8 (224.6 mg)、Fr. C-9 (97.4 mg)およびFr. C-10 (157.0 mg) を得た。
上記の既知化合物については、いずれもこれら化合物の1H-NMRおよび13C-NMRスペクトルデータと文献値との比較により同定した。
(3)メラノキシリン(1、化合物(1))の諸物性値
上記のようにして、本発明により酢酸エチル可溶画分から見出されたメラノキシリン(1)の物性値を以下に示す。
メラノキシリン(1):黄色粉末
[α]D 23 −63.9° (c = 0.59、メタノール)
高分解能EI-MS:
理論値:C28H22O6 (M+) :454.1416
実測値:454.1409
UV [メタノール、nm、(logε)]:282 (3.81)
CD [メタノール、nm、(Δε)]:210 (-26.2)、236(-19.5)、286(-3.0)
IR (KBr、cm-1): 3451、1618、1519
1H-NMR (600 MHz、アセトン-d5、δ(ppm)) :3.20(dd-like、J =約3、17.2 Hz、H-8α)、3.60(dd-like、J = 3.7、17.8 Hz、H-8β)、4.19(d、J = 11.7 Hz、H-8')、5.22(brs、H-7)、5.74 (d、J = 11.7 Hz、H-7')、6.06 (brs、H-12)、6.22 (brs、H-14')、6.33(brs、H-14)、6.43(brs、H-12')、6.65(d、J = 8.9 Hz、H-3、5)、6.77(d、J = 8.3 Hz、H-3'、5')、6.94(d、J = 8.2 Hz、H-2、6)、7.10(d、J = 8.3 Hz、H-2'、6')
13C-NMR (150 MHz、アセトン-d5、δc (ppm)):33.8(C-8)、35.9(C-7)、49.3(C-8')、88.3(C-7')、95.7(C-12)、101.5(C-12')、105.4(C-14')、109.0(C-14)、115.6(C-3、5)、116.0(C-3'、5')、119.0(C-10)、122.8(C-10')、128.6(C-2、6)、130.0(C-2'、6')、131.0(C-1')、134.7(C-1)、138.1(C-9)、142.6(C-9')、156.0(C-4)、156.6(C-13')、157.2(C-4')、158.5(C-13)、158.7(C-11')、160.4(C-11)
EI-MS (m/z):454 (M+)
(4)メラノキシリン(1、化合物(1))の構造決定
1H-NMR (アセトン-d5)及び13C-NMR(アセトン-d5)スペクトルから、1つのメチレン[(ppm):3.20(dd-like、J =約3、17.2 Hz、H-8α)、3.60(dd-like、J = 3.7、17.8 Hz、H-8β)]、酸素官能基に結合した1つのメチン[5.74 (d、J = 11.7 Hz、H-7')]、2つのメチン[4.19(d、J = 11.7 Hz、H-8')、5.22(brs、H-7)]、4つの芳香環[6.06 (brs、H-12)、6.22 (brs、H-14')、6.33(brs、H-14)、6.43(brs、H-12')、6.65(d、J = 8.9 Hz、H-3、5)、6.77(d、J = 8.3 Hz、H-3'、5')、6.94(d、J = 8.2 Hz、H-2、6)、7.10(d、J = 8.3 Hz、H-2'、6')]の存在が示唆された。
DQF、HMBCの二次元NMRスペクトルの解析より、化合物(1)は(+)-アムペロプシン B (Y. Oshimaら、Tetrahedron、46、5121-5126 (1990))と同じ平面構造をもつことが判明した。
また、NOEより、2位プロトンから8α位プロトン間、8α位プロトンから14位プロトン間、7位プロトンから8β位プロトン間、6位プロトンから8'位プロトン間、2'位プロトンから8'位プロトン間のプロトン間にNOE相関が観測されたことから、化合物(1)は、(+)-アムペロプシン Bと同じ相対配置であることが明らかとなった。
しかし、CDスペクトルより(+)-アムペロプシン B は211nm (Δε +28.1)、236nm
(Δε +24.3)、288nm (Δε +4.0) に正の吸収を示す(J. Itoら、Tetrahedron、54
、6651-6660 (1998))のに対し、化合物(1)は、210nm (Δε -26.2)、236nm (Δε
-19.5)、286(Δε -3.0) に負の吸収を示したことから、化合物(1)は、(+)-アムペ
ロプシン Bの鏡像体であることが決定された。
以上の物理化学データの解析から、メラノキシリン (1)の絶対配置が明らかとなった。
上記の結果から、メラノキシリンの化学構造式に1H−NMRおよび13C−NMRのケミカルシフトの値を記入し、かつC−H相関を示した構造式を以下に示す。
Figure 2009191049
試験例1
レサクのメタノール抽出物およびバチカノールGのリパーゼ阻害活性作用
評価方法
基質としてトリオレイン溶液[トリオレイン80 mg、ホスファチジルコリン10 mg、タウロコール酸5 mgに0.1M トリス緩衝液 (0.1M NaCl含有、pH 7.0) 9 mLを加え、10分間超音波処理を行った溶液100 L に被験サンプル溶液5 Lを加え, トリス緩衝液 (pH 7.0) を95 Lを加え, 全量を200 Lとした。
37℃で3分間予備加温したのち、リパーゼ溶液(ブタ膵臓由来) 50 Lを加えて30分間反応させ、その後2分間沸騰水浴(90℃〜100℃)に入れて反応を停止させた。
別に、各サンプルにつきリパーゼ溶液に代えてトリス緩衝液 50 μLを加え、同様の操作を行ったものを盲験として調整した。
生成したオレイン酸の量をNEFA Cキット法 (NEFA C-テストワコー)により測定した。
リパーゼはトリス緩衝液に溶解し、本実験条件化で約0.7 mEq./Lのオレイン酸が生成する濃度に調整した。
被験サンプルはDMSOを用いて溶解し、希釈した。 比較対象としてDMSOを用いた。
以下に、レサクのメタノール抽出物およびバチカノールGの種々の濃度におけるリパーゼ阻害活性作用の結果を示す。
Figure 2009191049
上記の結果から、リパーゼ阻害活性試験において、レサクのメタノール抽出物およびバチカノールGはいずれもリパーゼ阻害活性を有し、遊離脂肪酸産生抑制効果を有することが判明した。
試験例2
レサクのメタノール抽出物およびバチカノールGの血糖値上昇抑制作用
評価方法
20-24時間絶食させたWistar系雄性ラット(体重約150 g)に被験物質を5%アラビアゴム末水溶液に懸濁させた被験サンプルを経口投与(ラット 5 mL/kg )し、その0.5時間後にスクロースを経口投与(ラット 20%、5 mL/kg;マウス 10%、10 mL/kg)した。0.5、1.0、2.0時間後にエーテル麻酔下で眼窩静脈より約0.4 mLずつ採血を行い、遠心分離を行った。遠心分離により得られた血漿中のグルコース濃度をグルコースオキシダーゼ法(グルコースCII-テストワコー;和光純薬工業株式会社製)により測定した。対照群はアラビアゴム末水溶液および水のみを投与した。
以下に、レサクのメタノール抽出物およびバチカノールGの種々の濃度における血糖値上昇抑制作用の結果を示す。
Figure 2009191049
上記の結果から、レサクのメタノール抽出物およびバチカノールGはいずれも血糖値上昇抑制作用を有することが判明した。
試験例3
レサクのメタノール抽出物の中性脂質上昇抑制作用
評価方法
20-24時間絶食させたddy系雄性マウス(体重28〜30 g)に被験物質を5%アラビアゴム末水溶液に懸濁させた被験サンプルを経口投与(10 mL/kg)し,その0.5時間後にオリーブオイルを経口投与(5 mL/kg)した.2、4、6時間後にエーテル麻酔下で眼窩静脈より採血を行った。
採血時に血液を10 単位/チューブのヘパリンナトリウムと混合し、遠心分離により得られた血漿中の中性脂質濃度を、トリグリセライドCII-テストワコー(和光純薬工業株式会社製)により測定した。
対照群はアラビアゴム末水溶液および水のみを投与した。
以下に、レサクのメタノール抽出物の種々の濃度における中性脂質上昇抑制作用の結果を示す。
Figure 2009191049
上記の結果から、レサクのメタノール抽出物は中性脂質上昇抑制作用を有することが判明した。
実施例2
当該分野で公知の方法に従って、レサクのメタノール抽出物10重量部を乳糖25重量部と混合し、ゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に抽出物が500 mg含有されるゼラチンカプセル剤を得た。
実施例3
実施例1で得られたバチカノールGを実施例2のレサクのメタノール抽出物に替えて、実施例2と同様にして、ゼラチンカプセル剤を得た。
実施例4
米粉50重量部、砂糖5重量部、全卵10重量部、実施例1で得られたレサクのメタノール抽出物1重量部を秤量した。
全卵に砂糖を混合した後、予め篩に通した米粉を加え、軽く混ぜ合わせて生地を作り、これを適当な形に成形し、オーブンで焼き上げて、せんべいを作った。
実施例5
実施例1で得られたバチカノールGを実施例4のレサクのメタノール抽出物に替えて、実施例4と同様にしてせんべいを作った。
実施例6
小麦粉100重量部、塩4重量部、実施例1で得られたレサクのメタノール抽出物0.5重量部および水45重量部を秤量し、常法に従ってこれらをよく混合して、うどんを製造した。
実施例7
実施例1で得られたバチカノールGを実施例6のレサクのメタノール抽出物に替えて、実施例6と同様にしてうどんを製造した。
実施例8
以下の処方に従って、清涼飲料水(ドリンク)100mLを調製した。
レサクのメタノール抽出物 0.1 (重量/容量)%
食物繊維 5 (重量/容量)%
ビタミンB2 0.002 (重量/容量)%
ビタミンB6 0.005 (重量/容量)%
ビタミンC 0.1 (重量/容量)%
果糖ブドウ糖液糖 5 (重量/容量)%
水 適量
実施例9
実施例1で得られたバチカノールGを実施例8のレサクのメタノール抽出物に替えて、実施例8と同様にしてドリンクを製造した。
実施例10
以下の処方に従って、健康食品(カプセル剤)100gを調製した。
レサクのメタノール抽出物 0.5重量%
ギャバ 30重量%
テアニン 30重量%
ビタミンC 30重量%
乳糖 30重量%
実施例11
実施例1で得られたバチカノールGを実施例10のレサクのメタノール抽出物に替えて、実施例10と同様にしてカプセル剤を製造した。
本発明によるレサクのメタノール抽出物、または該抽出物に含まれるバチカノールGを有効成分とする組成物は、リパーゼ阻害活性作用、血糖値上昇抑制作用、中性脂肪上昇抑制作用を有しており、遊離脂肪酸産生阻害剤、抗糖尿病、抗肥満、抗脂血症、抗メタボリックシンドローム用組成物として使用できる。

Claims (12)

  1. レサク(Cotylelobium melanoxylon)の乾燥樹幹の破砕物を含水低級アルコールで抽出して抽出液を得るか、またはこの抽出液をさらに必要に応じて酢酸エチルと水との混液で分配処理して得られる有機溶媒可溶画分を得ることを特徴とするレサク抽出物の製造方法。
  2. 前記有機溶媒可溶画分から、さらに、式(2):
    Figure 2009191049
    で表される化合物を単離する請求項1に記載の製造方法。
  3. レサクの乾燥樹幹の破砕物の含水低級アルコール抽出物か、またはこの抽出物をさらに必要に応じて酢酸エチルと水との混液で分配処理した有機溶媒可溶画分を含む抽出物であるレサク抽出物。
  4. レサクがフタバガキ科樹木である請求項3に記載の抽出物。
  5. 式(2):
    Figure 2009191049
    で表される化合物を含む請求項3または4に記載の抽出物。
  6. 請求項3〜5のいずれか一つに記載の抽出物を有効成分として含む医薬組成物。
  7. 式(2):
    Figure 2009191049
    で表される化合物を有効成分として含む医薬組成物。
  8. 遊離脂肪酸産生抑制に使用される請求項6または7に記載の組成物。
  9. 血糖値上昇抑制に使用される請求項6または7に記載の組成物。
  10. 中性脂質上昇抑制に使用される請求項6または7に記載の組成物。
  11. 請求項3〜5のいずれか一つに記載の抽出物あるいは請求項6または7に記載の組成物を含む健康食品。
  12. 式(1):
    Figure 2009191049
    で表される化合物。
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