JP5290558B2 - ナチュラルヘナ抽出物とその用途 - Google Patents
ナチュラルヘナ抽出物とその用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5290558B2 JP5290558B2 JP2007264781A JP2007264781A JP5290558B2 JP 5290558 B2 JP5290558 B2 JP 5290558B2 JP 2007264781 A JP2007264781 A JP 2007264781A JP 2007264781 A JP2007264781 A JP 2007264781A JP 5290558 B2 JP5290558 B2 JP 5290558B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- represented
- extract
- formula
- flavan
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Pyrane Compounds (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Description
より詳細には、本発明は、インドおよびスリランカに多年生植物として自生するか、または栽培されているマメ科植物であるカッシア アウリクラタ(Cassia auriculata)の葉部を主として含む地上部(通称:ナチュラルヘナ)の含水アセトン抽出物および/または該抽出物に含まれる新規フラバンダイマー化合物またはそれらの塩の用途に関する。
また、ナチュラルヘナの浸煎液には僅かに芳香臭があり、スリランカでは紅茶の代わりにマタラ(marter)チャとして飲用されている。
さらに、ナチュラルヘナには、抗糖尿病、抗結膜炎、抗皮膚病および瀉下作用があると報告されている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、ナチュラルヘナの抽出物が、スーパーオキシドラジカルの消去活性作用、メラニン生成抑制活性作用、アルドース還元酵素阻害活性作用および肝保護作用を有すること、ならびに上記の薬理作用の有効成分については何ら報告されていなかった。
で表される基のいずれか一つである]
で表されるフラバンダイマー化合物またはそれらの塩が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の組成物を含む美白用香粧品ならびに抗糖尿病および肝保護を意図する健康食品が提供される。
上記の一般式(1)で表されるフラバンダイマー化合物またはそれらの塩およびそれらの使用に関している。
上記一般式(I)で表されるフラバンダイマー化合物の塩としては、当該化合物におけるフェノール性アルコールがナトリムまたはカリウムと形成する塩が挙げられる。
本発明において、ナチュラルヘナは、採取したものをそのまま、もしくは乾燥して、または乾燥物を粉砕して用いることができる。
具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノールもしくはt-ブタノールまたはこれらの混液あるいはこれらの任意の割合における含水アルコール等が挙げられる。さらに、エタンジオール、プロパンジオールおよびブタンジオールおよびこれらの位置異性体またはこれらの混液あるいはこれらの任意の割合における含水ジアルコール等が挙げられる。
また、本願発明による化合物またはナチュラルヘナ抽出物は、医薬品組成物、香粧品または健康食品に利用されるので、含水エタノール、特に約80%エタノールで抽出することもできる。
これらの抽出用溶媒は、抽出材料に対して1〜50倍(容量)程度、好ましくは2〜10倍(容量)程度用いられる。
抽出物は、そのまま本発明の組成物を調製するのに用いてもよいが、粉末状または凍結乾燥品等として用いてもよい。これらの固形物とする方法は、当該分野で公知の方法を採用することができる。
すなわち、ナチュラルヘナ抽出物を濃縮して得られた抽出物を、必要に応じて酢酸エチルと水を用いて分配し、酢酸エチル可溶画分と水溶性画分として得ることができる。
この場合の非水和性有機溶媒としては、n-ブタノール、ヘキサン、クロロホルムなどが挙げられるが、中でもn-ブタノールが好ましい。
すなわち、上記の酢酸エチルと水との分配後の水溶性画分をそのままn-ブタノールとの分配に付すか、または該水溶性画分を濃縮して得られる残渣をさらに水とn-ブタノールとの分配に付し、n-ブタノール画分と水溶性画分を得ることができる。
精製処理には、上記の溶媒による分配抽出以外に、当業者に公知のクロマトグラフ法、イオン交換クロマトグラフ法等を単独で、または組み合わせて採用することができる。例えば、クロマトグラフ法としては、順相もしくは逆相担体またはイオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーまたは遠心液体クロマトグラフィー等のいずれか、またはそれらを組み合わせて行う方法が挙げられる。この際の担体、溶出溶媒等の精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宜選択することができる。
で表される基のいずれか一つである]
で表されるフラバンダイマー化合物またはそれらの塩が提供される。
例えば、インド産の乾燥ナチュラルヘナ(Cassia auriculataの葉部) 1.5 kgを、含水80%アセトンを用いてナチュラルヘナ抽出物を調製し、該ナチュラルヘナ抽出物を精製した例を表1および以下に示す。
以下に示す操作に従って、乾燥ナチュラルヘナ(Cassia auriculataの葉部) 1.5 kgを含水80%アセトン19Lに室温で12時間浸漬し、ろ過し、ろ取したナチュラルヘナを、さらに同様の操作を2回繰り返して抽出液を得た。抽出液をろ過して合せ、溶媒を減圧留去し、ナチュラルヘナ抽出物としてアセトン抽出物(407.7 g、収率27.18%)を得た。
EtOAc移行部を順相シリカゲルクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび逆相HPLCで順次分離精製して、公知物質としてクリソファノール (0.00083%)、エモジン (0.00084%)、ファイシオン (0.0016%)、6-デメトキシ-7-メチルカピラリスム (0.0013%)、プソイドセミグラブリン (0.0011%)、ランセオラチンB (0.0015%)、イソケルセチン (0.00094%)、ミリセチン (0.00070%)、ケルセチン (0.0012%)、ルテオリン
(0.010%)、3-メトキシルテオリン (0.0018%)、6-デメトキシカピラリシン (0.0010%)、ケンフェロール (0.0027%)、(+)-カテキン (0.0037%)、(−)-エピカテキン (0.0060%)、(2S)-4',7-ジヒドロキシフラバン-(4β-8)カテキン (0.00075%)、(2S)-4',7-ジヒドロキシフラバン-(4β-8)エピカテキン (0.00070%)、(+)-ガロカテキン (0.0086%)、(−)-エピガロカテキン(0.0027%)、(2S)-4',7-ジヒドロキシフラバン-(4β-8)ガロカテキン (0.092%)、(2S)-4',7-ジヒドロキシフラバン-(4α-8)エピガロカテキン (0.071%)、(2S)-4',7
-ジヒドロキシフラバン-(4β-8)エピガロカテキン (0.068%)、ケンフェロール-3-O-β-D-グルコシド (0.0050%)、ルチン (0.8714%)、ミリセチン-3-O-β-D-グルコシド (0.0016%)を単離し、さらに、新規物質として、化合物I (0.00071%)、化合物IIa-IIb (0.0045%)、化合物IIIa-IIIb (0.0032%)を見出した。
但し、これらの単離成分の収率は、抽出に用いたナチュラルヘナからの単離収率である。
化合物(I)は、正の旋光性 ([α]D 26 +146.6°、MeOH)を示す黄色粉末として得られた。IRスペクトルからフェノール性アルコール(3430 cm-1)、C-C二重結合(1645、1636 cm-1)、およびエーテル(1075 cm-1)の存在が示唆された。
さらに高分解能FAB-MSから分子式C30H26O9を有する化合物であることが判明した。
以上の結果から、化合物(I)の化学構造を以下に示すように決定した。
化合物(IIa)および化合物(IIb)についても同様の方法により構造解析を行った。その結果を以下に示す。
化合物(IIIa)および化合物(IIIb)についても同様の方法により構造解析を行った。その結果を以下に示す。
すなわち、スーパーオキシドラジカルの消去用、メラニン生成抑制用、アルドース還元酵素阻害用および肝保護用医薬組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記の組成物を含む香粧品、特に美白用香粧品および健康食品が提供される。
これらの食品の製造工程において、あるいは最終製品に、上記の抽出物を添加して、健康食品とすることができる。
上記の香粧品としては、美白用化粧水、美白用乳液、美白用クリーム、美白用エッセンス、美白用パック、クレンジングクリーム、洗顔料、化粧用下地、日焼け止め化粧用下地、ファンデーション、ボディーシャンプー、ボディーローション、全身用日焼け止め乳液、シャンプー、トリートメント、頭髪用ローション、頭髪用パック、ハンドクリーム、リップクリーム、入浴剤などが挙げられる。
また、上記の香粧品に用いられる香料としては、例えば、フトモモ葉エキス、酢酸カリオフィレン、ヘリオトロピン、ユーカリ油、ローズ水、ラベンダー油またはハッカ油等が挙げられるが、これらの香料から製品に応じて適宜選択し、その適量を添加することができる。
アセトン:ナカライテスク社製、特級
メタノール(MeOH):ナカライテスク社製、特級
エタノール(EtOH):ナカライテスク社製、特級
クロロホルム:ナカライテスク社製、特級
酢酸エチル(AcOEt):ナカライテスク社製、特級
カラムクロマトグラフィー用順相シリカゲル (SiO2):富士シリシア化学社製、BW-200、150〜350メッシュ
カラムクロマトグラフィー用逆相シリカゲル:富士シリシア化学社製、Chromatorex ODS DM1020T、100〜200メッシュ
HPLC用カラム:NACALAI TESQE社製、COSMOSIL、5C18-PAQ (20×250 mm)
IR:島津製作所社製、FTIR-8100
HPLC:島津製作所社製、検出器;示差屈折率検出器RID-6A
送液ユニット;LC-6AD
GC:島津製作所GC-14A
MS:日本電子データム社製(JEOL)、FABMS、HRFABMAS;JMS-SX 102A
EIMS、HREIMS;JMS-GCMATE
(1)ナチュラルヘナ抽出物の調製
細断した乾燥インド産ナチュラルヘナ (Cssia auriculataの葉部) 1.5 kgを含水80%アセトン19Lに、室温で12時間浸漬抽出した。抽出液を濾過し、残渣を同量の含水80%アセトンに再度浸漬し、同様の抽出操作を計3回行った。ろ過した含水アセトン抽出液を合わせて減圧下溶媒留去し、アセトン抽出エキス(407.7 g、収率27.18%)を得た。
得られたアセトン抽出エキスのうち377.7 gをAcOEt:H2O=1:1の混液20Lで分配抽出後水層をさらにAcOEt10Lで2回抽出した。得られた水相をn-BuOH6Lで3回分配抽出し、各可溶画分を減圧下溶媒留去して、AcOEt可溶エキス(164.1 g、11.81%)、n-BuOH可溶エキス(63.7 g、4.58%)、H2O可溶エキス(149.9 g、10.79%)を得た。
得られたAcOEt可溶エキス(144.1 g)を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー[2.5 kg、溶出剤;ヘキサン:酢酸エチル=10:1 → 5:1 → 2:1 → 1:1 → 1:2(容量)の濃度勾配で溶出し、次いで、CHCl3:MeOH:H2O=10:3:1 (下層) → 7:3:1 (下層) → 6:4:1 (下層) → 100%MeOH]で溶出分画して、以下のフラクション:Fr. 1 (1.
92 g)、Fr. 2 (10.19 g)、Fr. 3 (2.09 g)、Fr. 4 (2.66 g)、Fr. 5 (9.27 g)、Fr. 6 (65.07 g)、Fr. 7 (1.19 g)およびFr. 8 (35.70 g)を得た。
得られたFr. 1-1 (18 mg)を、さらに、逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=80:20 (容量)] を用いて分離精製し、クリソファノール(5.0 mg、0.00041%)を単離した。
2-1 (34 mg)、Fr. 2-2 (43 mg)、Fr. 2-3 (25 mg)、Fr. 2-4 (420 mg)、Fr. 2-5 (354 mg)およびFr. 2-6 (2830 mg)を得た。
mg、0.00084%)を得た。
また、上記のFr. 2-3 (25 mg)、Fr. 2-4 (420 mg)およびFr. 2-5 (354 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=85:15 (容量)]を用いて分離精製してファイシオン(19.1 mg、0.0016%)を単離した。
(容量)]を用いて分離精製し、6-デメトキシ-7-メチルカピラリスム(16.3 mg、0.0013%)、プソイドセミグラブリン(13.0 mg、0.0011%)を単離した。
また、上記のFr. 3-5 (59 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=65:35 (容量)]を用いて分離精製し、ランセオラチンB(17.9 mg、0.0015%)を得た。
mg)、Fr. 4-10 (141 mg)、Fr. 4-11 (116 mg)およびFr. 4-12 (761 mg)を得た。
また、上記のFr. 4-5 (309 mg)をさらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=55:45 (容量)およびCH3CN:H2O=30:70 (容量)]を用いて分離精製し、ケルセチン(14.7 mg、0.0012%)、ルテオリン(122.2 mg、0.010%)、3-メトキシルテオリン(22.3 mg、0.0018%)、6-デメトキシカピラリスム(12.5 mg、0.0010%)を得た。
また、上記のFr. 4-6 (152 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=50:50 (容量)]を用いて分離精製し、ケンフェロール(32.4 mg、0.0027%)を単離した。
(316 mg)、Fr. 5-5 (100 mg)、Fr. 5-6 (215 mg)、Fr. 5-7 (1542 mg)、Fr. 5-8 (515 mg)、Fr. 5-9 (189 mg)、Fr. 5-10 (323 mg)、Fr. 5-11 (211 mg)、Fr. 5-12 (101 mg)、Fr. 5-13 (113 mg)、Fr. 5-14 (1197 mg)およびFr. 5-15 (2538 mg)を得た。
上記のFr. 5-4 (316 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=25:75 (容量)]を用いて分離精製し、(−)-エピカテキン(73.0 mg、0.0060%)を単離した。
また、上記のFr. 5-10 (323 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=50:50 (容量)]を用いて分離精製し、化合物(I)(8.7 mg、0.00071%)、(2S)-4',7-ジヒドロキシフラバン-(4β-8)-カテキン(9.2 mg、0.00075%)および(2S)-4',7-ジヒドロキシフラバン-(4β-8)-エピカテキン(8.6 mg、0.00070%)を得た。
また、上記のFr. 6-5 (768 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=20:80 (容量)]を用いて分離精製し、(−)-ガロカテキン(25.7 mg、0.0027%)を得た。
また、上記のFr. 6-9 (630 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=40:60 (容量)]を用いて分離精製し、(2S)-4',7-ジヒドロキシフラバン-(4β-8)-エピガロカテキン(15.0 mg、0.068%)を得た。
また、上記のFr. 6-13 (800 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=40:60 (容量)]を用いて分離精製し、ルチン(128.5 mg、0.14%)を得た。
r. 7-1 (500 mg)、Fr. 7-2 (846 mg)、Fr. 7-3 (856 mg)、Fr. 7-4 (689 mg)、Fr. 7-5 (3670 mg)、Fr. 7-6 (1163 mg)、Fr. 7-7 (901 mg)、Fr. 7-8 (1414 mg)、Fr. 7-9 (303 mg)、Fr. 7-10 (473 mg)、Fr. 7-11 (233 mg)およびFr. 7-12 (1563 mg)]を得た。
また、上記のFr. 7-3 (120 mg) を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=45:55 (容量)]を用いて分離精製し、ルチン(63.8 mg, 0.037%)を得た。
また、上記のFr. 8-7 (100 mg)を、さらに逆相HPLC [検出:RI、溶出剤;MeOH:H2O=40:60 (容量)]を用いて分離精製し、同様にルチン(49.1 mg, 0.25%)を得た。
化合物(I)は、正の旋光性 ([α]D 26 +146.6°、MeOH)を示す黄色粉末として得られた。IRスペクトルからフェノール性アルコール(3430 cm-1)、C-C二重結合(1645、1636 cm-1)、およびエーテル(1075 cm-1)の存在が示唆された。
さらに高分解能FAB-MSから分子式C30H26O9を有する化合物であることが判明した。
化合物(IIa)および化合物(IIb)についても同様の方法により構造解析を行った。その結果、化合物(IIa)は前記式(IIa)で表わされ、化合物(IIb)は前記式(IIb)で表わされることが判明した。すなわち、化合物(IIa)と(IIb)とは、その構造式における下部ユニットのフラバン骨格の2位におけるジアステレオマーであることが見出された。
化合物(IIIa)および化合物(IIIb)についても同様の方法により構造解析を行った。その結果、化合物(IIIa)は前記式(IIIa)で表わされ、化合物(IIIb)は前記式(IIIb)で表わされることが判明した。すなわち、化合物(IIIa)と(IIIb)とは、その構造式における下部ユニットのフラバン骨格の2位におけるジアステレオマーであることが見出された。
これらの化合物の1H-および13C-NMR(アセトン-d6)スペクトルデータを表2および3に示し、種々の2次元NMRスペクトルの相関関係をその構造式と共に以下に示す。
化合物(IIIb)1H−NMR(500 MHz)データおよび13C−NMR(125 MHz)データを以下の表にまとめて示す。
DPPHラジカル消去活性試験
実験方法
0.1 M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液 (pH 5.5) 1.0 ml、200 μmM 1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルのエタノール溶液0.5 ml、各濃度の被験物質のエタノール溶液1.0 ml を混合した。室温にて30分間放置した後、517 nmにおける吸光度を測定し、吸光度の変化から50%のDPPHラジカル(終濃度40 mM)を消去するのに要した被験物質の濃度(SC50)を算出した。なお、被験物質はDMSOにて溶解した後、エタノールで希釈して用いた(DMSO終濃度0.2%)。
比較対照物質としてα-トコフェロール(SC50 = 4.3μg/ml) を用いた。
結果を以下の表に示す。
スーパーオキシド(・O2 -)消去活性試験
100μMキサンチン100 mM EDTA、25μM WST-1を含む 50 mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH 10.2)および被験サンプルを含む反応液2.9 mlを37℃で10分間予備加温し、58 mU/ml キサンチン オキシダーゼ100μlを加えて20分間インキュベーションした。インキュベーション後、2 M塩酸100μlを加えて反応を止め、・O2 -により還元されて生成したWST-1 フォルマザンの吸光度を450 nmを測定波長として測定した。得られた値より50%阻害濃度(IC50)を算出した。
比較対照物質として(+)-カテキン(IC50 = 1.5 μg/ml)を用いた。
アルドース還元酵素阻害活性試験
Dufraneらの方法を一部改変しておこなった。すなわち、Wistar系雄性ラット(紀和実験動物研究所、和歌山)のレンズを10 mM 2-メルカプトエタノール含有135 mMリン酸緩衝液(pH 7.0)中でホモジナイズし、遠心分離 (100,000 rpm、30分、4 ℃)した。その上清を粗酵素として用いた。粗酵素はリン酸緩衝液(pH 7.0)に溶解し、以下の反応条件で約10 nmolのNADPが生成する濃度に希釈して用いた。反応混合液は、500 μl中に180 mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、100 mM Li2SO4、0.03 mM NADPH、基質として1 mM DL-グリセルアルデヒド、酵素分画100μlおよび被験サンプルのDMSO溶液25μlを含むように調製した。
150μlを加え反応を停止した。反応停止後、溶液に10 mMイミダゾール含有6 M NaOH 0.5
mlを加え、20分間60℃で加熱し、NADPを蛍光物質に変換させた。生成した蛍光物質を、室温で蛍光強度を用い測定した(励起波長360 nm、測定波長460 nm)。得られた値より50%阻害濃度(IC50)を算出した。比較対照物質としてエパルレスタット(epalrestat(商品名))を用いた (IC50 = 0.023 μg/ml)。
メラニン産生抑制試験
24ウェル マルチプレートにB16-4A5細胞(理研細胞バンクより入手)を1.6×104細胞/400μl/ウェルずつ細胞を播種した。24時間培養(5%CO2、37℃)した後、テオフィリン溶液(40μl/ウェル、終濃度1 mM)および被験サンプル溶液を40μl/ウェルずつ添加し、72時間培養した。なお、培養液は高グルコース含有(グルコース4500 mg/L)Dulbecco's Modified Eagle's Medium (DMEM、シグマ社)を用いた。
肝保護作用試験
成分の肝保護作用効果を、初代培養マウス肝細胞を用いる3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)比色法により測定した。肝細胞は、Markham K. R.らによるTetrahedron、32、2607〜2612 (1976)に記載のコラゲナーゼ潅流法により、ddY系雄性マウス(30〜35 g)から単離した。ウシ胎仔血清(10%)、ペニシリンG (100単位/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を含むWilliam's E培地100μl中に懸濁させた上記細胞4×104細胞を96ウェル マイクロプレートに播種し、5%CO2雰囲気下で37℃で4時間予備培養した。
生理食塩溶液10μlをこの培地に加え培養した。培養4時間後に培地を除去し、次いで、0.04 M HClを含むイソプロパノール100μlを加え、細胞内に産生されたホルマザンを溶解した。ホルマザン溶液の光学密度(O.D.)を、測定波長570 nmにおいてマイクロプレートリーダーで測定した(参照波長:655 nm)。阻害率(%)を以下の式により得た。
阻害率(%)=[(O.D.(試料)−O.D.(対照))/(O.D.(正常)−O.D.(対照))]×100
上記の方法に従って、ナチュラルヘナの含水80%アセトン抽出物(アセトン抽出物)およびその酢酸エチル可溶画分の肝保護作用について試験した結果を以下の表に示す。
当該分野で公知の方法に従って、ナチュラルヘナ抽出物10重量部を乳糖25重量部と混合し、ゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に抽出物が500 mg含有されるゼラチンカプセル剤を得た。
実施例1で得られた酢酸エチル可溶画分を実施例2のナチュラルヘナ抽出物に替えて、実施例2と同様にして、ゼラチンカプセル剤を得た。
米粉50重量部、砂糖5重量部、全卵10重量部、実施例1で得られたナチュラルヘナ抽出物1重量部を秤量した。
全卵に砂糖を混合した後、予め篩に通した米粉を加え、軽く混ぜ合わせて生地を作り、これを適当な形に成形し、オーブンで焼き上げて、せんべいを作った。
実施例1で得られた酢酸エチル可溶画分を実施例4のナチュラルヘナ抽出物に替えて、実施例4と同様にしてせんべいを作った。
小麦粉100重量部、塩4重量部、実施例1で得られたナチュラルヘナ抽出物5重量部および水45重量部を秤量し、常法に従ってこれらをよく混合して、うどんを製造した。
実施例1で得られた酢酸エチル可溶画分を実施例6のナチュラルヘナ抽出物に替えて、実施例6と同様にしてうどんを製造した。
美白用化粧水の調製
以下の処方:
美白用乳液の調製
以下の処方:
美白用クリームの調製
以下の処方:
美白用エッセンスの調製
以下の処方:
美白用パックの調製
以下の処方:
クレンジングクリームの調製
以下の処方:
洗顔料の調製
以下の処方:
化粧用下地の調製
以下の処方:
日焼け止めクリームの調製
以下の処方:
ファンデーションの調製
以下の処方:
ボディーシャンプーの調製
以下の処方:
ボディローションの調製
以下の処方:
全身用日焼け止め乳液
以下の処方:
シャンプーの調製
以下の処方:
トリートメントの調製
以下の処方:
頭髪用ローションの調製
以下の処方:
頭髪用パックの調製
以下の処方:
ハンドクリームの調製
以下の処方:
リップクリームの調製
以下の処方:
入浴剤の調製
以下の処方:
Claims (9)
- 次の一般式(1):
で表される基のいずれか一つである]
で表されるフラバンダイマー化合物またはそれらの塩。 - 前記一般式(1)の化合物において、R1が、式(7):
- 前記一般式(1)の化合物において、R1が、式(8):
- 前記一般式(1)の化合物において、R1が、式(9):
- 前記一般式(1)の化合物において、R1が、式(10):
- 前記一般式(1)の化合物において、R1が、式(11):
- マメ科植物カッシア アウリクラタの地上部であるナチュラルヘナの葉部の含水アセトン抽出物、
この抽出物をさらに酢酸エチル/水で分配処理して得られる酢酸エチル可溶画分、
請求項3および4に記載のフラバンダイマー化合物、ならびに
請求項5および6に記載のフラバンダイマー化合物
からなる群から選択される少なくとも一つを有効成分として含むスーパーオキシドラジカルの消去用、メラニン生成抑制用、アルドース還元酵素阻害用および肝保護用の医薬組成物。 - 請求項7に記載の組成物が添加されてなる美白用香粧品。
- 請求項7に記載の組成物が添加されてなる健康食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007264781A JP5290558B2 (ja) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | ナチュラルヘナ抽出物とその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007264781A JP5290558B2 (ja) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | ナチュラルヘナ抽出物とその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009091315A JP2009091315A (ja) | 2009-04-30 |
JP5290558B2 true JP5290558B2 (ja) | 2013-09-18 |
Family
ID=40663648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007264781A Active JP5290558B2 (ja) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | ナチュラルヘナ抽出物とその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5290558B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5657723B2 (ja) * | 2013-03-08 | 2015-01-21 | 株式会社エヌ・ティー・エイチ | 皮膚光老化の予防又は抑制剤 |
CN115300496B (zh) * | 2022-08-04 | 2023-09-26 | 石河子大学 | 一种儿茶酚纳米颗粒、儿茶酚蛋白质纳米颗粒及其制备方法和应用 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59196884A (ja) * | 1983-04-20 | 1984-11-08 | Nippon Shinyaku Co Ltd | 新規なるタンニン |
JP2969274B2 (ja) * | 1989-12-21 | 1999-11-02 | 株式会社資生堂 | 肌荒れ防止改善剤 |
JP3423074B2 (ja) * | 1994-07-11 | 2003-07-07 | 恒雄 難波 | 化粧料 |
US6476241B1 (en) * | 2000-09-05 | 2002-11-05 | Mars Incorporated | Synthesis of 4α-arylepicatechins |
JP2006016367A (ja) * | 2004-07-05 | 2006-01-19 | Suntory Ltd | リパーゼ阻害剤 |
JP5215603B2 (ja) * | 2007-07-11 | 2013-06-19 | 株式会社ユーリカ | 愛玩動物としての犬・猫用の被毛外用剤 |
-
2007
- 2007-10-10 JP JP2007264781A patent/JP5290558B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009091315A (ja) | 2009-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6666837B2 (ja) | メトキシフラボンを含むNOX阻害剤及びNFκB阻害剤 | |
JP4771713B2 (ja) | チャ花の含有成分とその用途 | |
WO2009110782A1 (en) | Extract from oil palm leaves comprising phenolic acids | |
JP5275678B2 (ja) | 茶花の腸運動亢進作用および膵リパーゼ阻害作用成分とその用途 | |
JP5620660B2 (ja) | 脂肪代謝改善剤、該脂肪代謝改善剤を含有する医薬及び食品、並びに新規フラボノイド化合物 | |
JP5145070B2 (ja) | レサク抽出物およびレサク含有成分とその用途 | |
TWI595893B (zh) | Nerve amine amine production and moisturizing agent | |
JP5290558B2 (ja) | ナチュラルヘナ抽出物とその用途 | |
Pankaj et al. | A review on phytochemical and pharmacological aspects of Caesalpinia pulcherrima | |
KR101787701B1 (ko) | 와송 추출물을 유효성분으로 포함하는 골다공증 예방 또는 치료용 약학 조성물 | |
JP5721373B2 (ja) | サザンカ花部から得られる抗アレルギー剤、脂肪分解阻害剤、抗酸化剤及びヒト線維芽細胞増殖促進剤、並びに新規サポニン化合物 | |
JP4472281B2 (ja) | ラン科植物の含有成分とその用途 | |
KR100963643B1 (ko) | 손바닥선인장 열매의 종자 추출물 또는 이로부터 분리된화합물을 함유하는 간독성 질환 예방 및 치료용 조성물 | |
JP2008266272A (ja) | 垂盆草から得られる肝保護剤、該肝保護剤を含有する医薬又は食品、及び垂盆草から得られる新規メガスチグマン化合物。 | |
JP2006241054A (ja) | 石蓮花の含有成分とその用途 | |
KR101503583B1 (ko) | 머루근 추출물을 포함하는 항비만용 조성물 | |
JP5341382B2 (ja) | チャカの胃排出機能抑制成分とその用途 | |
JP2010260818A (ja) | チロシナーゼ阻害剤 | |
KR20170021409A (ko) | 신규한 트리신 유도체 및 이의 의약적 용도 | |
JP4437019B2 (ja) | キンポウゲ科クロタネソウ属植物のアルコール抽出物とその用途 | |
KR20160139632A (ko) | 생리활성을 가지는 달래추출물 | |
JP5186084B2 (ja) | ロボフルーツ含有サポニンとその用途 | |
KR102076808B1 (ko) | 갈조류 추출물을 유효성분으로 포함하는 항산화 또는 항염증 조성물 | |
JP5374054B2 (ja) | マテチャ含有新規サポニン化合物とその用途 | |
JP2003026586A (ja) | TNF−α産生抑制剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101004 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130205 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130402 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130507 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130606 |