JPH1178282A - 印刷用ブランケット - Google Patents

印刷用ブランケット

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JPH1178282A
JPH1178282A JP24830897A JP24830897A JPH1178282A JP H1178282 A JPH1178282 A JP H1178282A JP 24830897 A JP24830897 A JP 24830897A JP 24830897 A JP24830897 A JP 24830897A JP H1178282 A JPH1178282 A JP H1178282A
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清恭 櫻田
Toshio Kamata
敏生 鎌田
Makoto Sugitani
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べて簡単な工程にて、溶剤を使用せ
ずに形成することができ、しかも加硫ゴム製のものと同
等の特性を有する上、破損した際の修復や材料のリサイ
クルなどが可能な表面印刷層を有する、新規な印刷用ブ
ランケットを提供する。 【解決手段】 表面印刷層を、熱可塑性樹脂のマトリク
ス中に加硫ゴム粒子を分散した構造を有する熱可塑性エ
ラストマーにて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば平版オフ
セット印刷やグラビアオフセット印刷などに使用され
る、新規な印刷用ブランケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の印刷用ブランケットは、基布を積
層してなり、かつ多孔質の圧縮性層を有する、または有
しない支持体層の上に、加硫ゴム製の表面印刷層を設け
たものである。上記の表面印刷層を構成するゴムとして
は、たとえばインキに対する耐性などを考慮して、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)など
の、弾性と高い耐油性とを兼ね備えた合成ゴムが好適に
使用される。また紫外線硬化型のインキの場合は、エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)など
も使用される。
【0003】上に述べた従来のブランケットの問題点と
して、排紙性(紙離れ)が悪く、とくに高速印刷時にス
ムーズに排紙が行われずに、紙がばたついたり破れたり
する現象を多発しやすいということがあげられる。そこ
で排紙性を向上すべく、表面印刷層の表面粗度を高めた
り、あるいは表面印刷層のゴム硬度を高くしたりするこ
とが試みられている。しかし、これらの対策を施すと逆
に、網点の再現性やベタ着肉性の低下によって印刷品質
が悪くなるという、新たな問題を生じるおそれがある。
【0004】また、表面印刷層に紫外線を照射したり
(特開昭51−37706号公報)、表面を塩素処理し
たりすることも試みられている。しかしいずれの場合に
も、作業環境の悪化、工程管理の複雑化といった、印刷
用ブランケットを製造する上での新たな問題があるた
め、実用化には至っていない。また印刷用ブランケット
には、上記の各特性に加えてさらに、長時間、印刷を繰
り返した際に表面印刷層に紙粉が蓄積され、それがイン
キに混入するなどして印刷品質を低下させるのを防止す
べく、紙粉の蓄積を防止する特性(紙粉残り性)にもす
ぐれることが要求される。
【0005】とくに近年、省資源化や資源のリサイクル
の動きに応じて、紙質の悪い再生紙を使用する機会がこ
れまでよりも増加する傾向にあるため、紙粉の問題は、
今後ますます重要な課題になると考えられる。そこで、
上記のような種々の問題の発生を抑制して、排紙性、ベ
タ着肉性および紙粉残り性の各特性を適度にバランスさ
せるべく、現状の印刷用ブランケットの表面印刷層にお
いては、当該表面印刷層を構成するゴムとして、たとえ
ば前述したNBRやEPDMなどの耐油性のゴムに所定
量の多硫化ゴム(T)を添加したものを使用する(特許
第2540674号公報)などして、その弾性率の損失
正接tanδを0.08〜0.17程度、インキの溶剤
であるトルエンで膨潤させた際の体積変化率ΔVを10
0〜180%程度、そしてゴムの硬度(IRHD)を5
0〜75程度に規定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】合成ゴムなどのゴム製
の表面印刷層は通常、未加硫のゴムと、加硫剤などの添
加剤とを溶剤(主にトルエン)中に溶解した、いわゆる
ゴム糊を支持体層上に塗布し、乾燥後、加圧、加熱して
ゴムを加硫させることにより製造される。しかし環境問
題を考慮すれば、多量の溶剤を使用するこのような工程
はできるだけ少なくすることが肝要であり、溶剤を使用
しない、いわゆるドライプロセスへの移行が望まれてい
る。
【0007】また、加硫ゴム製の表面印刷層は後加工が
困難であるため、破損した際の修復が不可能である上、
材料のリサイクルもできない。本発明の目的は、従来に
比べて簡単な工程にて、溶剤を使用せずに形成すること
ができ、しかも加硫ゴム製のものと同等の特性を有する
上、破損した際の修復や材料のリサイクルなどが可能な
表面印刷層を有する、新規な印刷用ブランケットを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者らは、熱可塑性を有しながらなおかつ加硫ゴ
ムのようなゴム弾性をも有する、いわゆる熱可塑性エラ
ストマーにて表面印刷層を形成すべく、種々の熱可塑性
エラストマーについて検討した。その結果、熱可塑性樹
脂のマトリクス中に加硫ゴム粒子を分散した構造を有
し、熱可塑性樹脂のもつ熱可塑性と、加硫ゴム粒子によ
るゴム弾性とを兼ね備えた熱可塑性エラストマーを使用
すればよいことを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち本発明の印刷用ブランケットは、
少なくとも表面印刷層を備え、かかる表面印刷層が、熱
可塑性樹脂のマトリクス中に加硫ゴム粒子を分散した構
造を有する熱可塑性エラストマーにて形成されているこ
とを特徴とするものである。かかる本発明の印刷用ブラ
ンケットにおいては、たとえば押出成形法などによっ
て、熱可塑性エラストマーを加熱して可塑化しつつシー
ト状に成形したのち、冷却するだけで、表面印刷層が形
成される。よって上記表面印刷層は、溶剤を使用せずに
形成できる上、加硫工程を必要としない分、従来に比べ
て簡単な工程にて形成することができる。
【0010】しかも、形成された表面印刷層は、その後
も加熱すれば加工できるため、破損した際の修復や、あ
るいは材料のリサイクルなども容易である。また、たと
えば加硫ゴム粒子の粒径などを調整することにより、上
記の表面印刷層には、従来の加硫ゴム製の表面印刷層と
同等の排紙性、ベタ着肉性および紙粉残り性を付与する
こともできる。
【0011】すなわち、加硫ゴム粒子の粒径を小さくす
ると、表面印刷層のゴム弾性が向上してベタ着肉性が向
上する傾向を示す。また逆に、加硫ゴム粒子の粒径を大
きくすると、表面印刷層の排紙性および紙粉残り性が向
上する傾向を示す。加硫ゴム粒子の粒径を大きくすると
排紙性、紙粉残り性が向上するのは、表面印刷層の表面
に、加硫ゴム粒子が、周囲よりも盛り上がった突起とし
て存在し、それによって表面印刷層の表面が、排紙性の
よい凹凸の状態になるのが原因である。
【0012】また加硫ゴム粒子が、表面印刷層の表面
に、周囲よりも盛り上がった突起として存在するのは、
押出成形法などによって表面印刷層を形成する際の、樹
脂と加硫ゴムとの膨張量の違いが原因である。つまり、
押出成形機の口金から押し出されたときの膨張量が、樹
脂よりも加硫ゴムの方が大きいために、加硫ゴム粒子
が、表面印刷層の表面に突起として存在するものと考え
られる。
【0013】よって、加硫ゴム粒子の粒径を規定して、
上記の各特性を適度にバランスさせれば、表面印刷層
に、加硫ゴム製のものと同等の特性を付与できるのであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。表面
印刷層を構成する熱可塑性エラストマーとしては、前述
のように、熱可塑性樹脂のマトリクス中に加硫ゴム粒子
を分散した構造を有するものが使用される。
【0015】かかる熱可塑性エラストマーとしては、い
わゆる動的加硫法により製造されたものが好ましい。動
的流動法とは、熱可塑性樹脂と、未加硫のゴムと、加硫
剤を含む添加剤とを、熱可塑性樹脂が溶融し、かつゴム
が加硫反応する温度で混練して、熱可塑性樹脂中にゴム
を粒状に分散させつつ加硫させる方法である。
【0016】上記動的加硫法によれば、粒径の揃った加
硫ゴム粒子が熱可塑性樹脂中に均一に微分散した熱可塑
性エラストマーを、効率よく生産できるという利点があ
る。混練には、加熱と混練とを同時に行いうる種々の装
置が使用でき、とくに上記の操作を連続的に行える、つ
まり熱可塑性エラストマーを連続的に生産できる単軸あ
るいは多軸の押出機などが好適に使用される。
【0017】熱可塑性樹脂としては、とくに加硫ゴム粒
子によるゴム弾性の発現を阻害しないことや、あるいは
インキに対する耐性などを考慮すると、柔軟でかつ耐溶
剤性にすぐれた、ポリエチレン(PE)やポリプロピレ
ン(PP)などのポリオレフィン系の熱可塑性樹脂が好
適に使用される。またゴムとしては、インキに対する耐
性や、上記の熱可塑性樹脂との適度な相溶性、あるいは
表面印刷層にゴム弾性を付与する効果などを考慮する
と、前述したNBRやEPDM、あるいはアクリルゴム
(ACM)やクロロプレンゴム(CR)などの合成ゴ
ム、またはこれらの混合物などが好適に使用される。
【0018】なお、ここでいう適度な相溶性とは、加硫
前の状態で熱可塑性樹脂と完全に相溶せずに、加硫反応
の進行にともなって粒状に凝集し、しかも加硫後は、表
面印刷層から容易に脱落しない程度に熱可塑性樹脂との
相溶性を有することをいう。上記熱可塑性樹脂Pとゴム
Rの配合割合は、本発明ではとくに限定されないが、両
者の重量比R/Pで表して、R/P=40/60〜80
/20程度であるのが好ましい。
【0019】この範囲よりもゴムが少ない場合には、加
硫ゴム粒子による、表面印刷層にゴム弾性を付与する効
果が不十分となるおそれがある。また逆にこの範囲より
も熱可塑性樹脂が少ない場合には、十分な熱可塑性がえ
られないために、加工性が悪化するおそれがある。なお
比R/Pは、上記範囲内でもとくに40/60〜70/
30程度であるのが好ましく、45/55〜65/35
程度であるのがさらに好ましい。
【0020】添加剤としては、前記加硫剤のほか、加硫
促進剤、加硫遅延剤、加硫促進助剤などの、ゴムの加硫
に係わる各種の薬剤や、あるいはオイルなどの軟化剤が
あげられる。またそれ以外にも、たとえば老化防止剤、
安定剤、シリカなどの充てん材などの従来公知の種々の
添加剤を添加してもよい。なおこれらのうち加硫剤以外
の成分は、添加しなくてもよい。
【0021】熱可塑性エラストマー中の加硫ゴム粒子の
粒径は、先に述べたように表面印刷層の特性と密接に係
わっており、表面印刷層に要求される前記の各特性のバ
ランスを考慮して好適な範囲が設定される。かかる範囲
は、使用する材料の種類などによって異なるが、たとえ
ば前述したポリオレフィン系の熱可塑性樹脂と、NBR
やEPDMなどの合成ゴムとの組み合わせにおいては、
加硫ゴム粒子の平均粒径が0.05〜45μmであるの
が好ましい。
【0022】加硫ゴム粒子の平均粒径が上記の範囲未満
では、表面印刷層の表面に加硫ゴム粒子にて形成される
突起が小さすぎるために、当該表面の凹凸が不十分とな
って、表面印刷層の排紙性および紙粉残り性が低下する
おそれがある。また逆に上記の範囲を超えた場合には、
表面印刷層のゴム弾性が低下してベタ着肉性が低下する
おそれがある。
【0023】なお、加硫ゴム粒子の平均粒径は、上記各
特性のさらなる向上と、各特性のバランスとを考慮する
と、上記範囲内でもとくに0.1〜30μmであるのが
好ましく、1〜10μmであるのがさらに好ましい。加
硫ゴム粒子の粒径を調整するには、たとえば前記押出機
などを用いた動的加硫法の場合、混練条件、具体的には
加熱温度と混練速度とを調整する方法などがあげられ
る。
【0024】かかる方法によって加硫ゴム粒子の粒径を
小さくするには、たとえば加熱温度を低くするか、また
は混練速度を高くすればよい。つまり、加熱温度を低く
するほど、混練時に熱可塑性樹脂やゴムに加わる応力が
大きくなり、また加硫速度が遅くなって相対的に混練時
間が長くなる分、加硫ゴム粒子の粒径を小さくできる。
また混練速度を高くするほど、加硫ゴム粒子の粒径を小
さくできる。
【0025】また、加硫ゴム粒子の粒径を調整するため
の、上記以外の方法としては、たとえば熱可塑性樹脂と
ゴムの配合割合を調整する、使用する熱可塑性樹脂やゴ
ムの種類を変更する、などもあげられる。上記の熱可塑
性エラストマーから、支持体層上に表面印刷層を形成す
るには、前記のように押出成形法などによって、熱可塑
性エラストマーを加熱して可塑化しつつシート状に成形
すればよい。詳しくは、(1) 押出機を用いて、支持体層
の表面に直接に、熱可塑性エラストマーをシート状に押
出成形しつつラミネートする、(2) 押出機を用いて押出
成形した、熱可塑性エラストマーのシートを支持体層上
に積層し、加熱して熱可塑性エラストマーを溶融させ
て、両者を一体化する、(3) 上記熱可塑性エラストマー
のシートを、接着剤により支持体層上に積層し、接着す
る、などの方法がいずれも採用できる。
【0026】ただし、できるだけ溶剤を使用しないとい
う観点からは、上記のうち(1) および(2) の方法が好適
であり、その中でもとくに(1) の方法が、工程が簡単で
生産性にすぐれるため好適に採用される。また、(1) ま
たは(2) の方法を採用する場合には、表面印刷層の、支
持体層との接着性を向上させるために、当該支持体層
の、シートが積層される最表層を、基布を露出させた状
態としておくのが好ましい。また上記基布を、表面印刷
層を構成する熱可塑性エラストマーとの接着性を有する
薬品、たとえば加硫接着剤などを用いて、あらかじめ処
理しておけば、表面印刷層の接着性をさらに向上でき
る。
【0027】表面印刷層の厚みは従来と同程度、すなわ
ち0.2〜0.5mm程度であればよい。また、形成さ
れた表面印刷層の表面を、たとえばバフ研磨などによっ
て仕上げ加工してもよい。この際には、熱可塑性樹脂よ
りも加硫ゴムの方が削れにくいために、加硫ゴム粒子の
突起よりも熱可塑性樹脂の方が選択的に研磨仕上げされ
る。このため、表面印刷層の表面の凹凸がより一層、強
調されて、排紙性がさらに向上する。
【0028】上記の表面印刷層を支持する支持体層は、
従来と同様に構成できる。すなわち支持体層は、複数枚
の基布を積層してなり、かつ多孔質の圧縮性層を有す
る、または有しない種々の構成とすることができる。た
だし前述のようにその最表層は、基布を露出させた状態
としておくのが好ましい。基布としては、綿、ポリエス
テル、レーヨンなどの各種繊維からなる織布または不織
布があげられる。
【0029】多孔質の圧縮性層としては、各気孔がそれ
ぞれ独立した独立気孔構造を有するものと、各気孔が連
続した連続気孔構造を有するものとがあるが、このいず
れを採用してもよい。前者の、独立気孔構造を有する圧
縮性層は、当該層を構成する未加硫のゴム層中に発泡剤
を分散しておき、加硫時の熱によってこの発泡剤を発泡
させるか、またはゴム層中に、中空状の微小粒子を分散
することにより形成される。
【0030】また後者の、連続気孔構造を有する圧縮性
層は、たとえば当該層を構成する未加硫のゴム層中に食
塩の微小粒子を分散しておき、ゴムを加硫したのち、水
によって食塩を抽出除去する、いわゆるリーチング処理
によって形成される。基布同士、および基布と圧縮性層
とを接着するには、従来同様に加硫接着剤を使用すれば
よい。
【0031】支持体層の厚みは従来と同程度、すなわち
圧縮性層の厚みがおよそ0.2〜0.5mm程度で、か
つ支持体層のトータルの厚みがおよそ1.45〜1.7
5mm程度であればよい。
【0032】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 参考例(支持体層の作製) 基布としての1枚の綿布上に、食塩の粒子を含有する未
加硫のゴム層を形成し、加硫したのち60℃の温水に1
0時間、浸漬して食塩を抽出除去して、上記1枚の基布
と、連続気孔構造を有する圧縮性層との積層体を形成し
た。
【0033】つぎにこの積層体の、圧縮性層が露出した
側の面に、基布としての3枚の綿布を、それぞれ加硫接
着剤の層を介して積層したのち再度、加硫して上記の各
層を積層、一体化して、圧縮性層の片側に1層の基布
が、そして反対側に3層の基布が積層された、圧縮性層
の厚みが0.4mmで、かつ全体の厚みが1.5mmで
ある支持体層を作製した。
【0034】実施例1〜8 (熱可塑性エラストマーの作製)表1、2に示した各成
分をドライブレンドしたのち、2軸押出機〔アイペック
社製〕を用いて加熱下で混練して、動的加硫法により、
熱可塑性樹脂のマトリクス中に加硫ゴム粒子を分散した
構造を有する熱可塑性エラストマーを作製した。
【0035】なお各実施例のうち実施例2〜8は、混練
条件を、混練温度180℃、混練速度(軸回転数)15
0r.p.m.で同一とし、実施例1は、それよりも混練速度
のみ高めの200r.p.m.に設定して混練したものであ
る。また表1中の加硫促進剤としては、加硫促進剤DM
(ジベンゾチアジルジスルフィド)と、TET(テトラ
エチルチウラムジスルフィド)とを、重量比で1:1の
割合で混合したものを使用した。 (印刷用ブランケットの製造)上記各実施例で作製した
熱可塑性エラストマーを、ペレタイザを用いてペレット
化したのち、60℃で4時間、乾燥させた。
【0036】ついでこのペレットを、単軸押出機〔池貝
社製〕を使用して、加熱温度180℃の条件で、前記参
考例で作製した支持体層のうち、1層構造の基布側の、
当該基布が露出した最表層に直接に、シート状に押出成
形しつつラミネートして、厚み0.5mmの表面印刷層
を形成して、実施例1〜8の印刷用ブランケットを製造
した。
【0037】実施例9、10 表2に示した各成分を使用したこと以外は実施例1〜8
と同様にして熱可塑性エラストマーを製造し、それを用
いて実施例1〜8と同様にして、実施例9、10の印刷
用ブランケットを製造した。なお両実施例のうち実施例
9は、熱可塑性エラストマー製造時の混練条件、すなわ
ち混練温度および混練速度(軸回転数)を実施例2〜8
と同一とし、実施例10は、それよりも混練温度のみ低
めの170℃に設定し、それにともなって相対的に混練
時間を長くして混練したものである。
【0038】また表2中の加硫促進剤としては、加硫促
進剤TET(テトラエチルチウラムジスルフィド)と、
TRA(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)
とを、重量比で1:1の割合で混合したものを使用し
た。 比較例1〜6 表3に示した各成分を、トルエン中に溶解して、表面印
刷層用のゴム糊を作製した。そしてこのゴム糊を、前記
参考例で作製した支持体層のうち、1層構造の基布側
の、当該基布が露出した最表層に塗布し、乾燥させたの
ち加硫して、厚み0.5mmの表面印刷層を形成して、
比較例1〜6の印刷用ブランケットを製造した。
【0039】上記各実施例、比較例の印刷用ブランケッ
トについて、以下の各試験を行って、その特性を評価し
た。 加硫ゴム粒子の粒径測定 各実施例の印刷用ブランケットの表面印刷層を切断し
て、その切断面の顕微鏡写真を撮影し、当該写真の、一
定面積内に写された加硫ゴム粒子の粒径を実測して、そ
の実測値から加硫ゴム粒子の平均粒径を求めた。
【0040】損失正接tanδの測定 各実施例、比較例の印刷用ブランケットの表面印刷層か
ら、幅4mm、長さ30mm、厚み0.3mmの短冊状
の試験片を切り出した。そして、レオロジー社製の粘弾
性スペクトロメータDVE−V4を用いて、環境温度2
3℃、チャック間距離20mmの条件下、この試験片に
動的変化応力(振動周波数10Hz、振幅50μm、初
期歪み2mm伸長)を加えつつ、損失正接tanδを測
定した。
【0041】体積変化率ΔVの測定 各実施例、比較例の印刷用ブランケットの表面印刷層か
ら、幅50mm、長さ50mm、厚み0.3mmの平板
状の試験片を切り出した。そしてこの試験片を、チョウ
バランス社製のSP−1Mを用いてトルエンに40℃で
24時間、浸漬して膨潤させ、膨潤前後の体積を測定し
て、下記式により体積変化率ΔVを求めた。
【0042】
【数1】
【0043】IRHD硬度の測定 各実施例、比較例の印刷用ブランケットの表面印刷層か
ら、幅20mm、長さ20mm、厚み0.3mmの平板
状の試験片を切り出した。そして、この試験片を5枚重
ねた状態で、ウォーレス社製のマイクロハードネステス
タを用いて、ASTM D1415−83に準拠して、
IRHD硬度を測定した。
【0044】実機試験 各実施例、比較例の印刷用ブランケットを、オフセット
印刷機〔リョービ社製の560型〕のブランケット胴に
巻きつけて、下記の印刷条件で、コート紙に印刷を行っ
た。 ・印刷条件 印刷速度:10000枚/時 インキ:東洋インキ社製の商品名マークVニュー コート紙:大王製紙社製の商品名ユトリロコート110
kg そして、下記の各特性を調べて、実施例、比較例の印刷
用オフセットブランケットを評価した。 ・排紙性 総べたで印刷したコート紙を10枚重ねたときのカール
の高さh(mm)を測定して、下記の4段階で排紙性を
評価した(いずれも単位はmm)。カールの高さhが高
いほど紙離れが悪く、排紙性が悪いことを示している。
【0045】 ◎:0≦h≦2(優) ○:2<h≦4(良) △:4<h≦7(可) ×:7<h(不可) ・べた着肉性 印刷物のべた部を画像解析し、その標準偏差nを求め
て、下記の4段階でべた着肉性を評価した。
【0046】 ◎:n≦5(優) ○:5<n≦8(良) △:8<n≦11(可) ×:11<n(不可) ・紙粉残り性 10万枚の連続印刷を行った後、ブランケットの表面に
付着した紙粉の量を目視で観察して、下記の4段階で紙
粉残りを評価した。
【0047】 ◎:極めて少ない(優) ○:わずか(良) △:エッジ部付近にたまる(可) ×:全面に付着(不可) 以上の結果を表1〜3に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】上記各表の結果より、実施例1〜10の印
刷用ブランケットは、表面印刷層を、熱可塑性エラスト
マーを用いることで、従来に比べて簡単な工程にて、溶
剤を使用せずに形成できる上、形成された表面印刷層
は、比較例1〜6に示した従来の印刷用ブランケット
の、加硫ゴム製の表面印刷層と同等の特性を有すること
が確認された。
【0052】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
従来に比べて簡単な工程にて、溶剤を使用せずに形成す
ることができ、しかも加硫ゴム製のものと同等の特性を
有する上、破損した際の修復や材料のリサイクルなどが
可能な表面印刷層を有する、新規な印刷用ブランケット
を提供できるという、特有の作用効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面印刷層を備え、かかる表面
    印刷層が、熱可塑性樹脂のマトリクス中に加硫ゴム粒子
    を分散した構造を有する熱可塑性エラストマーにて形成
    されていることを特徴とする印刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】加硫ゴム粒子の平均粒径が、0.1〜30
    μmである請求項1記載の印刷用ブランケット。
  3. 【請求項3】表面印刷層を形成する熱可塑性エラストマ
    ーが、マトリクスとなる熱可塑性樹脂と、未加硫のゴム
    と、加硫剤を含む添加剤とを、熱可塑性樹脂が溶融し、
    かつゴムが加硫反応する温度で混練して、熱可塑性樹脂
    中にゴムを粒状に分散させつつ加硫させることにより製
    造されたものである請求項1記載の印刷用ブランケッ
    ト。
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