JPH1178244A - 可逆性感熱記録体 - Google Patents

可逆性感熱記録体

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JPH1178244A
JPH1178244A JP10202107A JP20210798A JPH1178244A JP H1178244 A JPH1178244 A JP H1178244A JP 10202107 A JP10202107 A JP 10202107A JP 20210798 A JP20210798 A JP 20210798A JP H1178244 A JPH1178244 A JP H1178244A
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JP
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color
reversible thermosensitive
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Application number
JP10202107A
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Inventor
Makoto Nishioka
誠 西岡
Norio Yamane
教郎 山根
Masatoshi Fujino
正俊 藤野
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 小型の装置を用い、白地に発色画像を形成
し、加熱条件の違いのみで発色および消色を実施するこ
とができ、高いコントラストを有し、画像の保存性に優
れた可逆性感熱記録体を提供する。 【解決手段】 シート状支持体と、このシート状支持体
上に形成され、かつ無色または淡色の染料前駆体、及び
これを可逆的に発色および消色させる顕色剤を含む感熱
記録層とを有し、前記染料前駆体が下記一般式(I): (ただし、R,Rは、それぞれ独立にC〜C
アルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、置換基を
有しても良いフェニル基から選ばれた一員を表し、
,Rは、それぞれ独立にC〜Cのアルキル
基、フェニル基から選ばれた一員を表す。)で表される
フルオラン化合物を含有する可逆性感熱記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱条件を制御す
ることにより、発色および消色を行ない、かつその発色
状態と消色状態を常温において保持できる、可逆性感熱
記録体に関するものである。更に詳しく述べるならば、
本発明は、白地に発色画像を形成し、高いコントラスト
を有し、画像の保存性に優れた可逆性感熱記録体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱記録体は、記録装置がコンパ
クトで、安価で、かつ保守が容易であることから、コン
ピューター、計測機器、レジスター、CD・ATM、フ
ァクシミリ、自動券売機、ハンディーターミナル等の出
力用紙として使用されてきたが、最近では磁気記録との
複合化により、プリペイドカードやポイントカード等の
磁気感熱カードとしても使用されている。これらの磁気
感熱カードでは、磁気情報が使用の都度書き換えられる
のに対し、感熱記録画像は書き換えられないため、残度
数等の新しい情報は、画像が記録されていない部分に追
記される。しかし、記録可能な部分の面積は限られてい
るため、やむなく感熱記録する情報量を減らしたり、記
録エリアが無くなった時点でカードを作り直したりして
いるのが実状である。このような問題を解決する手段と
して、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録体の開発
が強く望まれている。
【0003】また、近年盛んに論じられているゴミ問題
や森林破壊問題を背景に、感熱記録紙についてもその再
生利用が望まれている。感熱記録紙の再生方法には様々
な方法が考えられるが、中でも脱墨装置等の大型な装置
を必要としない汎用性のある方法として、何度でも書き
換え可能な可逆性感熱記録体の開発が望まれている。さ
らに、可逆性感熱記録体は、特開平3−233490号
公報および特開平5−42762号公報等に開示されて
いるような簡易ディスプレー用の記録材料としても注目
されており、これらの装置に適した可逆性感熱記録体の
開発も強く望まれている。
【0004】これらの要求を背景に、様々な可逆性感熱
記録体が提案されてきた。例えば、特開昭63−107
584号公報、特開平4−78573号公報および4−
358878号公報等には、加熱条件による透明度の変
化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録体が開示さ
れている。しかし、高分子の相変化による透明−白濁を
利用した記録方式であるため、十分な透明度、あるいは
十分な不透明度が簡単には得られず、発色部と消色部の
コントラストが低くなり、暗い場所での視認性が悪いと
いう問題を有している。また一般に、発色地に白の画像
記録となってしまい、白地に発色画像を記録する、所謂
ペーパーライクな記録体を得るのが困難であるという欠
点も有している。
【0005】これらの問題を解決する方法として、従来
の感熱記録体に用いられている染料を使用しながら可逆
記録を可能にした、染料タイプの可逆性感熱記録体が提
案されている。染料タイプの可逆性感熱記録体は、白地
に発色画像を記録することが容易であり、また加熱条件
による吸収波長の変化を利用した記録方式であるため、
比較的高いコントラストが得られる。染料タイプの可逆
性感熱記録体としては、例えば下記の方式が知られてい
る。
【0006】特開昭58−191190号公報および特
開昭60−193691号公報には、顕色剤として没食
子酸、フロログルシノールを用いる方法が開示されてい
る。しかし、消去に水または水蒸気を必要とするため、
消色装置が大型化するという欠点を有している。特開昭
60−264285号公報および特開昭62−1408
81号公報には、ヒステリシスを有するサーモクロミッ
ク材料が開示されている。しかし、画像保持温度域が、
その上限および下限の両方において制限されるため、装
置が複雑になり、かつ使用環境温度に制限があるという
欠点を有している。特開昭63−173684号公報に
は、顕色剤としてアスコルビン酸誘導体を用いる方法が
開示されている。しかし、消去の際、十分に消色しない
という欠点を有している。
【0007】特開平2−188293号公報および特開
平2−188294号公報には、没食子酸等の特定の有
機酸と、高級脂肪族アミンとの塩を顕色剤として用いる
方法が開示されている。しかし、発色反応と消色反応が
競争反応であるため、どちらかの反応が選択的に進行す
るように制御することが困難であり、高コントラストを
得にくいという欠点を有している。特開平5−1243
60号公報および特開平6−210954号公報には、
長鎖アルキル基を有する有機リン酸化合物、あるいはフ
ェノール性化合物を顕色剤として用いる方法が開示され
ている。しかし、消去の際、十分に消色しないことがあ
り、また発色画像の保存性が不十分となることがあると
いう欠点を有している。上記のように、可逆性感熱記録
体について数多くの技術が開示されてきたが、それぞれ
種々の欠点を有しており、実用上十分に満足な性能を有
するものは未だ得られていない。
【0008】これらの問題を克服した可逆性感熱記録体
として、本発明者らは先に、顕色剤として長鎖アルキル
基とスルホニル(チオ)尿素基を有する化合物を用いる
可逆性感熱記録体を提案した(特願平8−82633
号)。この可逆性感熱記録体は、小型の装置を用い、白
地に発色画像を形成し、加熱条件の違いのみにより発色
および消色が可能であり、高いコントラストを有してい
る。しかし高温、高湿下において、発色画像が消色する
場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小型の装置
を用い、白地に発色画像を形成し、加熱条件の違いのみ
で発色および消色を実施することができ、高いコントラ
ストを有し、画像の保存性に優れた可逆性感熱記録体を
提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加熱のみ
で発色、消色を行うことができ、かつ発色部と消色部の
コントラストが高い可逆的熱発色および消色可能な可逆
性感熱記録体を得るべく、染料と顕色剤の反応を利用し
た染料タイプの可逆感熱記録方式に着目し、鋭意研究の
結果、染料前駆体として下記一般式(I):
【化7】 (ただし、R1、R2は、それぞれ独立にC1〜C9のアル
キル基、C3〜C6のシクロアルキル基、置換基を有して
も良いフェニル基から選ばれた一員を表し、 R3、R4
は、それぞれ独立にC1〜C6のアルキル基、フェニル基
から選ばれた一員を表す。)で表されるフルオラン化合
物を少なくとも1種を含有させることにより、所望の可
逆性感熱記録体が得られることを見出だし、本発明を完
成するに至った。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の可逆性感熱記録体は、シ
ート状支持体と、このシート状支持体上に形成され、か
つ無色または淡色の染料前駆体、及びこれを可逆的に発
色および消色させる顕色剤を含む感熱記録層とを有する
可逆性感熱記録体において、上記一般式(I)で示され
る染料前駆体を含有することを特徴とするが、本発明に
おいて使用する顕色剤として、最も好ましいものは、下
記一般式(III):
【化8】 (ただし、Rは、ナフチル基または低級アルコキシ基に
より置換されたフェニル基から選ばれた一員を表し、Y
は、下記化学式:
【化9】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、n
は、10〜29の整数を表す。)で表される少なくとも
1種類の化合物を含むものである。
【0012】本発明に係る可逆性感熱記録体の可逆的熱
発色および消色方法は、上記記録体の感熱発色層に、加
熱を施して画像を発色記録し、この記録の使用済み後、
この感熱発色層に、前記発色加熱温度よりも低い温度の
加熱を施して前記発色画像を消色することを特徴とする
ものである。一般式(III)において、Rは、ナフチル
基または低級アルコキシ基により置換されたフェニル基
を表すが、好ましいものとしては下記の基を挙げること
ができる。
【化10】
【0013】本発明の可逆性感熱記録体において、染料
前駆体、および顕色剤を含む感熱記録層は加熱により速
やかに発色し、その発色状態は急冷することにより常温
においても保持される。一方、常温において保持された
発色画像部は、発色温度以下に加熱することにより消去
することができ、その消色状態は常温に冷却しても保持
される。この消色の作用機構は明確ではないが、発色体
が発色温度以下に加熱された時、顕色剤中の長鎖アルキ
ル基が配向して顕色剤の結晶化を誘発し、染料と顕色剤
が分離して消色するものと考えられる。一般に発色のた
めの加熱温度は80〜180℃であり、消色が起きる温
度域は50〜120℃であり、かつ前記発色加熱温度よ
り低い。一般に発色は、加熱した後の急速な冷却が容易
な、サーマルヘッドなどにより行なわれるが、消色は、
発色加熱温度以下の温度域に保持されることにより行な
われ、加熱・冷却速度を制御する必要はない。消色時の
温度保持時間は、0.1秒以上であることが好ましい。
この発色画像の記録、消去の過程を図1により説明す
る。
【0014】図1において、状態Aにある未記録の記録
体を加熱すると、状態Bを経由して温度T2以上におい
て急激に発色濃度が増大し、さらに状態Cを経由して、
発色反応が完了すると状態Dに達し、最も高い発色濃度
を示す。状態Dを室温まで急冷すると、状態Eを経由し
て状態Fに達する。状態Fは室温で発色が保持されてい
る状態であり、これで画像の記録が終了する。この記録
画像を、温度域T1に加熱、保持すると、発色濃度が次
第に低下し、状態Gを経由して状態A’となり完全に消
色する。これを室温まで冷却すると、状態Aに達する。
状態Aは室温で消色状態が保持されている状態であり、
これで画像の消去が終了する。上記の発色−消色可逆サ
イクルは、繰り返し行うことができる。
【0015】本発明の可逆性感熱記録体において前記一
般式(III)で示される顕色剤の具体例としては、下記
化学式<化11>〜<化13>により表わされる化合物
が好ましい。
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】本発明の可逆性感熱記録体の感熱記録層に
おいて、染料前駆体として用いられるフルオラン化合物
の具体例は、下記化学式により表わされる化合物が好ま
しい。
【0020】
【化14】
【0021】
【化15】
【0022】上記フルオラン化合物の中でも、2,2−
ビス{4−[6’−(N−シクロヘキシル−N−メチル
アミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−
キサンテン]−2’−イルアミノ]フェニル}プロパン
(化合物No.25)が特に好ましい。
【0023】本発明で好ましく使用される顕色剤とし
て、上記一般式(III)以外のものを説明する。本発明
において好ましく使用される顕色剤として、下記一般式
(IV)で示されるものが挙げられる。
【化16】 但し、Y1は、前記した<化9>で示されるYと同じで
ある。
【0024】また、下記一般式(V)で示される顕色剤
も本発明に好ましく使用できる。
【化17】 但し、mは10〜29の整数を表す。
【0025】上記一般式(IV)(V)で示される物質の
具体例としては、下記のようなものが挙げられる。
【化18】
【0026】
【化19】
【0027】その他、下記<化20>、<化21>で示
される物質も使用可能である。
【化20】
【0028】
【化21】
【0029】上記した一般式(III)(IV)(V)など
で表される本発明に使用する顕色剤中の長鎖アルキル基
の長さは、11以上であることが必要であり、30以下
であることが好ましい。その領域でも、14〜21であ
ることがさらに好ましい。炭素原子数が11未満では消
色能力が実用レベルに達せず、30を超過すると顕色能
力が低下することがある。また、上記した顕色剤は単独
で使用しても良いし、併用しても良い。
【0030】また、本発明においては、所望の効果を阻
害しない範囲でフェノール類又は、有機酸類、および長
鎖アルキル基を有しないスルホニル(チオ)ウレア系芳
香族化合物からなる従来公知の顕色剤を、本発明に関わ
る長鎖アルキル基を有するスルホニルウレア系顕色剤と
併用することができる。
【0031】これら従来の顕色剤は、例えば、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ
ールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−メチル−1−
(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、1,
3ービス(1−メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニ
ル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル(特開平1−180382号公報)、p−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル(特開昭52−140483号公
報)、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ―4’−イソ
プロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭60−13
852号公報)、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェ
ニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開昭59−
52694号公報)、3,3’−ジアリル−4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン(特開昭60−208
286号公報)である。
【0032】さらには、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−フェニルウレア、N−(p−トルエンスル
ホニル)−N’−(p−メトキシフェニル)ウレア、N
−(p−トルエンスルホニル)−N’−(o−トリル)
ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(m
−トリル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−
N’−(pートリル)ウレア、N−(p−トルエンスル
ホニル)−N’−ベンジルウレア(以上、特開平5−3
2061号公報)、4,4’−ビス(p−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、
4,4’−ビス(oートルエンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)−ジフェニルメタン、4,4’−ビス(ベ
ンゼンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニ
ルメタン、1,2−ビス[4’−(pートルエンスルホ
ニルアミノカルボニルアミノ)フェニルオキシ]エタ
ン、4,4’−ビス(pートルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)ジフェニルエーテルおよび3,3’−
ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルスルホン(以上、特開平5−14735
7号公報)などである。
【0033】本発明の可逆性感熱記録体は、一般に増感
剤として知られる熱可融性物質を感熱記録層に含有する
ことができる。それらは例えば、シュウ酸ジエステル類
(特開昭64−1583号公報)、シュウ酸ジ(4−メ
チルベンジル)(特公平5−62597号公報)、1、
2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開昭60−5
6588号公報)、ジフェニルスルホン(特開昭60−
15667号公報)、p−ベンジルビフェニル(特開昭
60−82382号公報)、1、4−ビス[2−(4−
メチルベンジロキシ)エトキシ]ベンゼンであるが、こ
れらの化合物は、比較的低印加エネルギ−により可逆性
感熱記録体の高濃度発色を可能にする能力に加え、消色
反応を促進し、可逆性を向上させるという能力も有す
る。
【0034】また本発明の感熱記録層には、さらにワッ
クス類、顔料を本発明の効果を阻害しない範囲で含んで
いてよく、通常バインダーが含まれる。ワックス類とし
ては、例えば、パラフィン、アミド系ワックス、ビスイ
ミド系ワックス、高級脂肪酸の金属塩など公知のものを
用いることができる。ただし、亜鉛塩の添加は、繰り返
し発色、消色を行うにつれて消色濃度が増大し、発色画
像の消去が不完全になる恐れがあるため、亜鉛塩の含有
量は、感熱記録層の乾燥重量の1重量%以下であること
が好ましい。
【0035】顔料としては、例えばシリカ、クレー、焼
成クレー、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム
および表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機
系微粉末の他、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン
/メタクリル酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等の
有機系の微粉末などをあげることができる。前記バイン
ダーとしては、種々の分子量のポリビニルアルコール、
デンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセル
ロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、
ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸
エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エス
テル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレ
イン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アル
ギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼインなどの水溶性
高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、
スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル
共重合体、およびスチレン/ブタジエン/アクリル系共
重合体等のラテックスを用いることができる。
【0036】本発明の可逆性感熱記録体の感熱記録層に
おいて、染料前駆体の含有率は、一般に感熱記録層の乾
燥重量の5〜40重量%であることが好ましく、顕色剤
の含有率は、一般に感熱記録層の乾燥重量の5〜50重
量%であることが好ましい。顕色剤の含有率が5重量%
未満では、顕色能力に不足をきたし、またそれを50重
量%を越えて多量に用いても、顕色能力が飽和して、発
色濃度と消色濃度のコントラストに格別の改善は見られ
ず、経済的に不利になることがある。また、本発明の増
感剤の含有率は、一般に感熱記録層の乾燥重量の5〜5
0重量%であることが好ましい。増感剤の含有率が5重
量%未満では、消色促進効果に不足をきたし、また50
重量%を越えて多量に使用すると、発色濃度が不足する
可能性がある。
【0037】さらに感熱記録層が、フェノール類、有機
酸、又は長鎖アルキル基を有しないスルホニル(チオ)
ウレア系芳香族化合物からなる従来公知の顕色剤を含有
する場合、その含有率は、感熱記録層の重量の10重量
%以下であることが好ましい。フェノール類、有機酸、
または長鎖アルキル基を有しないスルホニル(チオ)ウ
レア系芳香族化合物からなる従来公知の顕色剤の含有率
が、10重量%より多くなると、消色反応を阻害し、発
色部と消色部のコントラストの低下が生じる場合があ
る。
【0038】ワックス類、および顔料が感熱記録層に含
まれる場合、その含有率はそれぞれ5〜20重量%、1
0〜50重量%であることが好ましく、またバインダー
の含有率は一般に5〜20重量%である。
【0039】本発明の可逆性感熱記録体に用いられる支
持体は、従来の感熱記録体に用いられてきた紙(酸性
紙、中性紙を含む)、表面に顔料、ラテックスなどを塗
工したコーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系
樹脂から作られた合成紙、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリイミド等のプラスチックフィルムの他にガラス
プレート、導電性ゴムシートなどから選ぶことができ
る。このような支持体の少なくとも1面上に、上記所要
成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾燥して可逆性感
熱記録体を製造する。塗布量は、塗布液層が乾燥した状
態で1〜15g/m 2が好ましく、2〜10g/m2が特
に好ましい。
【0040】本発明においては、可逆性感熱発色層の下
に下塗層を設けることもできる。また可逆性感熱記録体
の裏面には表面と表面の接触時のブロッキングを防止し
たり、裏面からの水や油の浸透を抑えたり、カールコン
トロールのためにバック層を設けることもできる。さら
に、耐熱性、印刷適性、及び発色、消色の繰り返し耐久
性を向上させるために、可逆性感熱発色層の上に保護
層、印刷層などのような被覆層を形成することもでき
る。
【0041】本発明においては、可逆性感熱記録体の付
加価値を高めるためにさらに加工を施し、より高い機能
を付与した可逆性感熱記録体とすることができる。例え
ば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型接
着剤による加工を施すことで粘着紙、再湿接着紙、ディ
レードタック紙としたり、磁気加工することにより、磁
気記録可能な可逆性感熱記録体とすることができる。ま
た裏面を利用して熱転写用紙、インクジェット用紙、ノ
ーカーボン用紙、静電記録用紙、ゼログラフィ用紙とし
ての機能を持たせ、両面への記録が可能な記録紙とする
こともできる。もちろん両面可逆性感熱記録体とするこ
ともできる。画像の記録(発色)、消去(消色)を行う
装置は、使用目的によりサーマルヘッド、恒温槽、加熱
ローラー、熱ペン、面状発熱体、レーザー光、赤外線な
どから選択することができるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0042】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り、「部」および「%」は、それ
ぞれ「重量部」および「重量%」をあらわす。
【0043】<実施例1>下記操作により可逆性感熱記
録体を作成した。 (1)分散液Aの調製 成 分 量(部) 2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロヘキシル −N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリ ド−3,9’−キサンテン]−2’−イルアミノ] フェニル}プロパン(化合物No.25) 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0044】 (2)分散液Bの調製 成 分 量(部) N-(p-メトキシベンゼンスルホニル)-N'-[4- (n-オクタデカノイルアミノ)フェニル]ウレア (化合物No.1 但し、n=17) 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0045】 (3)分散液Cの調製 成 分 量(部) 1、4−ビス[2−(4−メチルベンジロ キシ)エトキシ]ベンゼン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0046】(4)可逆性感熱記録層の形成 上記A液75部、B液150部、C液75部、焼成クレ
ー30部、25%パラフィンワックスエマルジョン2
部、および10%ポリビニールアルコール水溶液100
部を混合、撹拌し、塗布液とした。この塗布液を、支持
体の片面に、乾燥後の塗布量が5.0g/m2となるよう
に塗布し、乾燥することにより可逆性感熱記録層を形成
した。
【0047】(5)中間層の形成 カオリナイトクレー分散液(固形分濃度60%)5部、
カルボン酸変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分1
0%)200部を混合を混合、撹拌し中間層用塗布液を
調製した。この塗布液を、上記(4)項に記載の感熱記
録層の上に、乾燥後の塗布量が1.5g/m2となる様に
塗布し、乾燥してオーバーコート層を形成した。
【0048】(6)スーパーカレンダー処理 上記のようにして得られた感熱記録体をスーパーカレン
ダーによって処理し、その感熱記録層の表面の平滑度を
3000〜5000秒に調整し、可逆性感熱記録体を得
た。
【0049】(7)オーバーコート層の形成 ポリエステルアクリレート(東亜合成社製、アーロニク
スMー8030)40部、ポリエステルアクリレート
(東亜合成社製、アーロニクスMー6200)40部、
炭酸カルシウム(備北粉化工業製、ライトンA)20部
を混合、撹拌し、上記(5)項記載の中間層の上に、塗
布量が2.5g/m2となる様に塗布した。得られた塗工
層に、電子線照射室の酸素濃度300ppm以下、加速
電圧175kV、吸収線量3Mradの条件で電子線を照射
して、オーバーコート層を形成し、可逆感熱記録体を得
た。
【0050】(8)発色性、消色性試験 このようにして得られた可逆性感熱記録体に、大倉電機
製感熱発色試験機THPMDを用いて、印字電圧21.
7v、印字パルス1.0msの条件で印字した。この印
字発色濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定し
た。さらに、この発色試料を東洋精機製熱傾斜試験機を
用いて、加熱温度100℃、圧力1kg/cm2、加熱
時間1秒の条件で加熱した後、消色濃度をマクベス反射
濃度計RD−914で測定した。テスト結果を表1に示
す。
【0051】(9)耐熱性試験 上記(8)項の発色試験と同様にして印字発色濃度を測
定した後、得られた発色試料を50℃条件下に1日間放
置した後の発色濃度を同様にして測定した。この時の画
像保存率:(50℃で1日間放置後の発色濃度)/(印
字直後の発色濃度)により画像部の保存性を評価した。
テスト結果を表1に示す。
【0052】(10)耐湿性試験 上記(8)項の発色試験と同様にして印字発色濃度を測
定した後、得られた発色試料を40℃湿度90%条件下
に1日間放置した後の発色濃度を同様にして測定した。
この時の画像保存率:(40℃湿度90%で1日間放置
後の発色濃度)/(印字直後の発色濃度)により画像部
の保存性を評価した。テスト結果を表1に示す。
【0053】<実施例2>実施例1と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
[フタリド−3,9’−キサンテン]−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロヘキシル−N
−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−
3,9’−キサンテン]−2’−イルアミノ]フェニ
ル}ブタン(化合物No.26)を用いた。テスト結果を
表1に示す。
【0054】<実施例3>実施例1と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
[フタリド−3,9’−キサンテン]−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
2,2−ビス{4−[6’−(N,N−ジエチルアミ
ノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサ
ンテン]−2’−イルアミノ]フェニル}プロパン(化
合物No.29)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0055】<実施例4>実施例1と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Bの調
製にあたり、N-(p-メトキシベンゼンスルホニル)-N'-
[4-(n-オクタデカノイルアミノ)フェニル]ウレア
(化合物No.1 但しn=17)のかわりにN-(2ーナフ
チルスルホニル)-N'-[4-(n-オクタデカノイルアミ
ノ)フェニル]ウレア(化合物No.13 但しn=1
7)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0056】<実施例5>実施例1と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、オーバーコー
ト層の形成を以下の様に行った。紫外線硬化性ビヒクル
{大日精化工業(株)製、商標:セイカビームPPC−
D−9(改)}をオフセット印刷機により、2g/m2
の乾燥塗布量で塗布した後、この塗布層に、1.2KW
水銀ランプ1灯を有する紫外線硬化装置を用い、ランプ
からの距離10cm、搬送速度15m/分の条件で紫外
線を照射することによりオーバーコート層を形成した。
テスト結果を表1に示す。
【0057】<比較例1>実施例1と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
[フタリド−3,9’−キサンテン]−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオランを用いた。テスト結果を
表1に示す。
【0058】<比較例2>実施例1と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
[フタリド−3,9’−キサンテン]−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオランを用いた。テスト結果を表1に示
す。
【0059】<比較例3>実施例1と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
[フタリド−3,9’−キサンテン]−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオランを用いた。テスト結果
を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1から明らかなように、比較例1〜3
の、本発明に含まれない染料前駆体を含有する可逆性感
熱記録体は、消色性は高いものの、高温(50℃)、高
湿(40℃湿度90%)下における発色画像の保存性が
著しく低かった。これらの比較例の可逆性感熱記録体に
対し、実施例1〜5の、本発明の染料前駆体を含有する
可逆性感熱記録体は、発色濃度が高く、消色性に優れて
おり、さらに高温(50℃)、高湿(40℃湿度90
%)下における発色画像の保存性も極めて高かった。
【0062】<実施例6>下記操作により可逆性感熱記
録体を作成した。 (1)分散液Aの調製 成 分 量(部) 2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロヘキシル −N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリ ド−3,9’−キサンテン〕−2’−イルアミノ] フェニル}プロパン(化合物No.25) 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が
1.1μmになるまで粉砕した。
【0063】 (2)分散液Bの調製 成 分 量(部) N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−オクタデシルウレア (化合物No.B3) 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が
1.1μmになるまで粉砕した。
【0064】 (3)分散液Cの調製 成 分 量(部) 1、4−ビス[2−(4−メチルベンジロ キシ)エトキシ]ベンゼン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が
1.1μmになるまで粉砕した。
【0065】(4)可逆性感熱記録層の形成 上記A液70部、B液160部、C液70部、炭酸カル
シウム30部、25%パラフィンワックスエマルジョン
2部、および10%ポリビニールアルコール水溶液10
0部を混合、撹拌し、塗布液とした。この塗布液を、支
持体の片面に、乾燥後の塗布量が5.0g/m2となるよ
うに塗布し、乾燥することにより可逆性感熱記録層を形
成した。
【0066】(5)中間層の形成 カオリナイトクレー分散液(固形分濃度60%)5部、
カルボン酸変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分1
0%)200部を混合を混合、撹拌し中間層用塗布液を
調製した。この塗布液を、上記(4)項に記載の感熱記
録層の上に、乾燥後の塗布量が1.5g/m2となる様に
塗布し、乾燥してオーバーコート層を形成した。
【0067】(6)オーバーコート層の形成 ポリエステルアクリレート(東亜合成社製、アーロニク
スMー8030)40部、ポリエステルアクリレート
(東亜合成社製、アーロニクスMー6200)40部、
炭酸カルシウム(備北粉化工業製、ライトンA)20部
を混合、撹拌し、上記(5)項記載の中間層の上に、塗
布量が2.5g/m2となる様に塗布した。得られた塗工
層に、電子線照射室の酸素濃度300ppm以下、加速
電圧175kV、吸収線量3Mradの条件で電子線を照射
して、オーバーコート層を形成し、可逆感熱記録体を得
た。
【0068】(7)発色性、消色性試験 このようにして得られた可逆性感熱記録体に、大倉電機
製感熱発色試験機THPMDを用いて、印字電圧21.
7v、印字パルス1.0msの条件で印字した。この印
字発色濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定し
た。さらに、この発色試料を東洋精機製熱傾斜試験機を
用いて、加熱温度100℃、圧力1kg/cm2、加熱
時間1秒の条件で加熱した後、消色濃度をマクベス反射
濃度計RD−914で測定した。テスト結果を表2に示
す。
【0069】(8)耐熱性試験 上記(7)項の発色試験と同様にして印字発色濃度を測
定した後、得られた発色試料を50℃条件下に1日間放
置した後の発色濃度を同様にして測定した。この時の画
像保存率:(50℃で1日間放置後の発色濃度)/(印
字直後の発色濃度)により画像部の保存性を評価した。
テスト結果を表2に示す。
【0070】(9)耐湿性試験 上記(7)項の発色試験と同様にして印字発色濃度を測
定した後、得られた発色試料を40℃湿度90%条件下
に1日間放置した後の発色濃度を同様にして測定した。
この時の画像保存率:(40℃湿度90%で1日間放置
後の発色濃度)/(印字直後の発色濃度)により画像部
の保存性を評価した。テスト結果を表2に示す。
【0071】<実施例7>実施例6と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
〔フタリド−3,9’−キサンテン〕−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロヘキシル−N
−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−
3,9’−キサンテン〕−2’−イルアミノ]フェニ
ル}ブタン(化合物No.26)を用いた。テスト結果を
表2に示す。
【0072】<実施例8>実施例6と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
〔フタリド−3,9’−キサンテン〕−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
2,2−ビス{4−[6’−(N,N−ジエチルアミ
ノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサ
ンテン〕−2’−イルアミノ]フェニル}プロパン(化
合物No.29)を用いた。テスト結果を表2に示す。
【0073】<実施例9>実施例6と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−オク
タデシルウレア(化合物No.B3)のかわりにオクタ
デシルホスホン酸(化合物No.B9)を用いた。テス
ト結果を表2に示す。
【0074】<実施例10>実施例6と同様にして可逆
性感熱記録体を作成し、テストした。但し、オーバーコ
ート層の形成を以下の様に行った。紫外線硬化性ビヒク
ル{大日精化工業(株)製、商標:セイカビームPPC
−D−9(改)}をオフセット印刷機により、2g/m
2の乾燥塗布量で塗布した後、この塗布層に、1.2KW
水銀ランプ1灯を有する紫外線硬化装置を用い、ランプ
からの距離10cm、搬送速度15m/分の条件で紫外
線を照射することによりオーバーコート層を形成した。
テスト結果を表2に示す。
【0075】<比較例4>実施例6と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
〔フタリド−3,9’−キサンテン〕−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオランを用いた。テスト結果を
表2に示す。
【0076】<比較例5>実施例6と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
〔フタリド−3,9’−キサンテン〕−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオランを用いた。テスト結果を表2に示
す。
【0077】<比較例6>実施例6と同様にして可逆性
感熱記録体を作成し、テストした。但し、分散液Aの調
製にあたり、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ
〔フタリド−3,9’−キサンテン〕−2’−イルアミ
ノ]フェニル}プロパン(化合物No.25)のかわりに
3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオランを用いた。テスト結果
を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2から明らかなように、比較例4〜6
の、本発明に含まれない染料前駆体を含有する可逆性感
熱記録体は、消色性は高いものの、高温(50℃)、高
温高湿(40℃90%RH)下における発色画像の保存
性が著しく低かった。これらの比較例の可逆性感熱記録
体に対し、実施例6〜10の、本発明の染料前駆体を含
有する可逆性感熱記録体は、発色濃度が高く、消色性に
優れており、さらに高温(50℃)、高湿(40℃90
%RH)下における発色画像の保存性も極めて高かっ
た。
【0080】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録体は、白地に発
色画像を形成し、高いコントラストを有し、画像の保存
性に優れている。従って、本発明の可逆性感熱記録体
は、実用上の価値の極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録体の発色および消色サ
イクルにおける温度と発色濃度との関係を示すグラフ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状支持体と、このシート状支持体上
    に形成され、かつ無色または淡色の染料前駆体、及びこ
    れを可逆的に発色および消色させる顕色剤を含む感熱記
    録層とを有し、前記染料前駆体が下記一般式(I): 【化1】 (ただし、R1、R2は、それぞれ独立にC1〜C9のアル
    キル基、C3〜C6のシクロアルキル基、置換基を有して
    も良いフェニル基から選ばれた一員を表し、R3、R
    4は、それぞれ独立にC1〜C6のアルキル基、フェニル
    基から選ばれた一員を表す。)で表されるフルオラン化
    合物から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴
    とする可逆性感熱記録体。
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で表される染料前駆体が
    下記構造式(II): 【化2】 であることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記
    録体。
  3. 【請求項3】前記顕色剤として、下記一般式(III): 【化3】 (ただし、Rは、ナフチル基または低級アルコキシ基に
    より置換されたフェニル基から選ばれた一員を表し、Y
    は、下記化学式: 【化4】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、n
    は、10〜29の整数を表す。)で表される少なくとも
    1種類の化合物を含むことを特徴とする、請求項1また
    は請求項2のいずれかに記載の可逆性感熱記録体。
  4. 【請求項4】前記顕色剤として、下記一般式(IV): 【化5】 (但し、Y1は前記Yと同じであり、nは10〜29の
    整数を示す)で表される少なくとも1種類の化合物を含
    むことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の可逆性感熱記録体。
  5. 【請求項5】前記顕色剤として、下記一般式(V): 【化6】 (但し、mは10〜29の整数を示す)で表される少な
    くとも1種類の化合物を含むことを特徴とする請求項1
    または請求項2のいずれかに記載の可逆性感熱記録体。
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