JPH1178214A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH1178214A
JPH1178214A JP9238319A JP23831997A JPH1178214A JP H1178214 A JPH1178214 A JP H1178214A JP 9238319 A JP9238319 A JP 9238319A JP 23831997 A JP23831997 A JP 23831997A JP H1178214 A JPH1178214 A JP H1178214A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収層の膜厚を不要に増大させること
なくインク吸収容量を増大させ、かつ記録後の画像部の
シワの発生がなく、高画質で写真の風合いが得られたイ
ンクジェット記録用紙を提供する。 【解決手段】 厚さが160μm以上の吸水性支持体上
に、乾燥膜厚が5〜30μmであって、平均粒径が10
0nm以下の微粒子を含有する、空隙構造を有するイン
ク吸収層を有し、JIS P8140に規定される吸水
度試験方法において接触時間を10秒とし、ジエチレン
グリコールを30重量%含有する純水を用いて求めたコ
ッブ吸水度が20〜60g/m2であることを特徴とす
るインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
て記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特に低コ
ストで製造可能であって高画質で写真の風合いが得ら
れ、しかも記録面のひび割れを防止して高光沢が得られ
るインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音であり、更に多色化が容易であ
る等の利点を有している。この方式で従来から問題とな
っていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、
インク及び装置の両面から改良が進み、現在では各種プ
リンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さま
ざまな分野に急速に普及している。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
要求される。
【0004】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙
上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、ま
た、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画
質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高
いインク吸収性を持たせるようにすることが必要であ
る。
【0005】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。
【0006】例えば、特開昭52−53012号公報に
記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤
させた記録用紙、特開昭55−5830号公報に記載さ
れている支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録
用紙、特開昭56−157号公報に記載されている被履
層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用
紙、特開昭57−107878号公報に記載されている
無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−
110287号公報に記載されている2つの空孔分布ピ
ークを有する記録用紙、特開昭62−111782号公
報に記載されている上下2層の多孔質層からなる記録用
紙、特開昭59−68292号公報、同59−1236
96号公報及び同60−18383号公報などに記載さ
れている不定形亀裂を有する記録用紙、特開昭61−1
35786号公報、同61−148092号公報及び同
62−149475号公報等に記載されている微粉末層
を有する記録用紙、特開昭63−252779号公報、
特開平1−108083号公報、同2−136279号
公報、同3−65376号公報及び同3−27976号
公報等に記載されている特定の物性値を有する顔料や微
粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−1409
1号公報、同60−219083号公報、同60−21
0984号公報、同61−20797号公報、同61−
188183号公報、特開平5−278324号公報、
同6−92011号公報、同6−183134号公報、
同7−137431号公報、同7−276789号公報
等に記載されているコロイド状シリカ等の微粒子シリカ
を含有する記録用紙、及び特開平2−276671号公
報、同3−67684号公報、同3−215082号公
報、同3−251488号公報、同4−67986号公
報、同4−263983号公報及び同5−16517号
公報などに記載されているアルミナ水和物微粒子を含有
する記録用紙等が多数が知られている。
【0007】上記の中でも、インク受容層がインクを吸
収したり保持するための空隙を多く有する層である場合
にインクの吸収性が良好で境界部の滲みが少なく、高品
位な画像が期待できる。
【0008】このような空隙構造を有するインク吸収層
を非吸水性の支持体上に設けた場合には、高い濃度の鮮
明な画像が得られる反面、支持体上に設けられたインク
吸収層の空隙容量が制限を受ける。
【0009】例えば、乾燥膜厚が40μmである皮膜に
おいて、固形分が均一な容積として仮に22μmである
皮膜を想定すると空隙容量はインクジェット記録用紙1
2当たり(40−22)=18ml/m2しか有さない
ことになり、記録方式にもよるが最大インク量付近でイ
ンク吸収容量が不足し兼ねない場合が生じ得る。
【0010】空隙構造を有するインク吸収層においては
元々の皮膜の乾燥容量よりインク吸収量が少ないために
多量のインクを十分吸収するためには乾燥膜厚を十分厚
くする必要が生じるが、この場合低湿下での皮膜のひび
割れなどが発生しやすい。
【0011】一方、空隙構造を有するインク吸収層を吸
水性のある支持体上に設けた場合には、支持体自身が高
い吸収容量とインク吸収性を持っておりインクの吸収と
いう観点からは好ましいものであるため、前記のような
インク吸収層に対する制限は少なくなる。しかし、支持
体自身がインク溶媒を吸収するために、記録後にインク
溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状になってシワが画
像状に生じやすい問題がある。
【0012】本出願人は、この点につき検討した結果、
厚さが160μm以上の吸水性支持体上に空隙構造を有
するインク吸収層を設けることで、インク吸収性及び高
品位な画質を維持しつつ、記録後の支持体のシワの発生
を押さえることが出来ることを見いだした。
【0013】空隙構造を有するインク吸収層を吸水性の
ある支持体上に設けた場合、記録用紙のインク吸収容量
は、空隙構造を有するインク吸収層の空隙容量と支持体
自身の吸収容量により決まる。記録用紙のインク吸収容
量が不足すると、記録時にインクが溢れ、画像品質を大
幅に劣化させる。
【0014】しかし本出願人の検討の結果、記録用紙の
インク吸収容量が多すぎても問題が生じることがわかっ
た。即ち、空隙構造を有するインク吸収層を吸水性のあ
る支持体上に設けた記録用紙は、非吸水性支持体を用い
る場合に対してインク吸収層の膜厚を薄くでき、低コス
トで高生産性であり、ひび割れも低減できるのが利点で
あるが、この目的を達成するためにはインク吸収層自体
の空隙容量は一般に少なくする必要が生じる。このた
め、記録用紙のインク吸収容量は使用する支持体自身の
吸水容量で概ね決まる。インク吸収層の空隙はインク液
滴のドットの広がりのコントロールや染料の固着などの
ために設計され、インク溶媒はもっぱら吸水性支持体が
保持する。
【0015】このような記録用紙を製造する際、支持体
上に空隙構造を有するインク吸収層を塗布する際の支持
体の塗布液中の溶媒の吸収も早いので、乾燥条件によっ
ては皮膜が脆弱になりやすく表面に微細なひび割れ状態
を発生しやすいことがわかった。このようなインクジェ
ット記録用紙にインクジェット記録を行った場合には、
インクがこのひび割れに沿って広がり著しく画質を低下
させてしまう。そこで本出願人は、空隙構造を有するイ
ンク吸収層を吸水性のある支持体上に設ける場合の、記
録用紙の吸収について鋭意検討を重ね本発明に至った。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る第1の課題は、インク吸収層の膜厚を不要に増大させ
ることなくインク吸収容量を増大させたインクジェット
記録用紙を提供することにある。
【0017】また、本発明が解決しようとする第2の課
題は、低コストでかつ記録後の画像部のシワの発生がな
く高画質で写真の風合いが得られたインクジェット記録
用紙を提供することにある。
【0018】更に本発明が解決しようとする第3の課題
は記録面のひび割れを防止して高光沢が得られるインク
ジェット記録用紙を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下のイ
ンクジェット記録用紙によって達成される。
【0020】1.厚さが160μm以上の吸水性支持体
上に乾燥膜厚が5〜30μmであって、平均粒径が10
0nm以下の微粒子を含有する、空隙構造を有するイン
ク吸収層を有し、JIS P8140に規定される吸水
度試験方法において接触時間を10秒とし、ジエチレン
グリコールを30重量%含有する純水を用いて求めたコ
ッブ吸水度が20〜60g/m2であることを特徴とす
るインクジェット記録用紙。
【0021】2.前記微粒子が、30nm以下の平均粒
径を有する1次粒子により形成された2次凝集粒子であ
ることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録
用紙。
【0022】3.前記1次粒子が、気相法により合成さ
れたシリカであることを特徴とする前記2に記載のイン
クジェット記録用紙。
【0023】4.前記インク吸収層にポリビニルアルコ
ールを含有することを特徴とする前記1〜3の何れか1
項に記載のインクジェット記録用紙。
【0024】5.前記ポリビニルアルコールに対する微
粒子の量が重量比で3〜8であることを特徴とする前記
4に記載のインクジェット記録用紙。
【0025】6.前記インク吸収層が硬膜剤により硬膜
されていることを特徴とする前記4又は5に記載のイン
クジェット記録用紙。
【0026】7.前記吸水性支持体のJIS P814
0に規定される吸水度試験方法において接触時間を10
秒とし、ジエチレングリコールを30重量%含有する純
水を用いて求めたコッブ吸水度が10〜50g/m2
あることを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載の
インクジェット記録用紙。
【0027】以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】本発明でインクジェット記録用紙の吸水性
支持体としては、所望の吸水性を有する物であればいか
なるものでも使用できる。
【0029】例えば、一般の紙、合成紙、布、木材等か
らなるシートや板等を挙げることができるが、特に紙は
基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために
最も好ましい。以下に紙支持体について説明する。
【0030】紙支持体としては、LBKP、NBKP等
の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTM
P、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パ
ルプ、等の木材パルプを主原料としたものが使用可能で
ある。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機
繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用すること
が出来る。
【0031】紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、
顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力
剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加する
ことができる。サイズ剤としては高級脂肪酸、アルキル
ケテンダイマー等が、顔料としては炭酸カルシウム、タ
ルク、酸化チタン等が、紙力増強剤としてはスターチ、
ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が、定着
剤としては硫酸バンド、カチオン性高分子電解質等が挙
げられるがこれに限定されるものではない。
【0032】紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状
物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、
ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することが
できる。また、必要に応じて抄紙段階又は抄紙後にスタ
ーチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理をし
たり、各種コート処理をしたり、カレンダー処理したり
することも出来る。
【0033】本発明のインクジェット記録用紙の吸水性
支持体の厚さは160μm以上である。これより薄い場
合、支持体自身がインク溶媒を吸収するために、記録後
にインク溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状にうねり
シワが画像状に生じやすくなる。また、吸水性支持体の
厚さは180μm以上であることが、シワの発生がより
少ない点でより好ましい。吸水性支持体の厚さに特に上
限はないがその取り扱い性から概ね500μm程度であ
る。
【0034】吸水性支持体のJIS P8140に規定
される吸水度試験方法において接触時間を10秒とし、
ジエチレングリコールを30重量%含有する純水を用い
て求めたコッブ吸水度は10〜50g/m2であるのが
好ましく、20〜40g/m2であるのが特に好まし
い。コッブ吸水度が10g/m2未満であると吸収性支
持体のインク吸水性が不足しインクが溢れ、画像品質が
劣化することがある。また50g/m2を越えると、支
持体上へ空隙構造を有するインク吸収層を塗布した際に
支持体が塗布液中の溶媒を過剰に吸収し、乾燥条件によ
っては塗膜にひび割れを生じやすくなる。
【0035】本発明においては、支持体とインク吸収層
の接着強度を大きくする等の目的で、インク吸収層の塗
布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を
行うことができる。
【0036】本発明のインクジェット記録用紙は平均粒
径が100nm以下の微粒子を含有する。
【0037】平均粒径が100nmを越える微粒子を使
用した場合には記録用紙の光沢性が低下したり、インク
ジェット記録時のドットの真円度が低下したり不要なド
ットの広がりが生じたり、或いは表面での乱反射による
最高濃度の低下が生じたりして鮮明な画像が得にくくな
る。
【0038】微粒子の平均粒径の下限は特に制約はない
がその取り扱い性や製造時の安定性などから概ね10n
m以上である。
【0039】微粒子としては従来インクジェット記録用
紙で公知の各種の無機又は有機の固体微粒子を用いるこ
とができる。
【0040】無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソ
ウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、
ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を
挙げることが出来る。
【0041】一方有機微粒子の例としては、ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エス
テル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又は
これらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等が挙
げられる。
【0042】上記微粒子は、1次粒子のままでバインダ
ー中に均一に分散された状態で用いられることも、ま
た、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された
状態で添加されても良いが、後者がより好ましい。
【0043】上記微粒子が1次粒子の2次凝集粒子を形
成した形で用いられる場合、その1次粒子の平均粒径が
30nm以下のものを使用することが光沢性の観点から
好ましい。
【0044】1次粒子の平均粒径の下限は特に限定され
ないが粒子の製造上の観点から概ね3nm以上、特に6
nm以上が好ましい。
【0045】上記において微粒子の平均粒径は、粒子そ
のもの或いはインク吸収層の断面や表面を電子顕微鏡で
観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純
平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒
径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表し
たものである。
【0046】シリカ微粒子の製造方法は乾式法(気相
法)と湿式法に大別され、乾式法としてはハロゲン化珪
素の高温での気相加水分解による方法(火炎加水分解
法)、及びケイ砂とコークスを電気炉でアークにより加
熱還元気化しこれを空気酸化する方法(アーク法)が知
られている。また湿式法としては珪酸塩の酸分解により
活性シリカを生成した後、過度に重合させて凝集・沈殿
させる方法が知られている。
【0047】本発明においてはシリカ微粒子の中でも気
相法により合成されたシリカが最も好ましい。
【0048】気相法により合成された微粒子シリカは通
常、四塩化珪素を水素及び酸素と共に高温で燃焼して得
られる平均1次粒子径が5〜500nmのシリカ粉末で
あり、本発明では特に30nm以下の平均1次粒子径を
有するものが光沢性の点で好ましい。
【0049】このような気相法シリカとして現在市販さ
れているものとしては日本アエロジル社の各種のアエロ
ジルが該当する。
【0050】本発明で好ましく用いられるコロイダルシ
リカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交
換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成し
て得られるものであり、このコロイダルシリカをインク
ジェット記録用紙に使用することは、例えば、特開昭5
7−14091号公報、同60−219083号公報、
同60−219084号公報、同61−20792号公
報、同61−188183号公報、同63−17807
号公報、特開平4−93284号公報、同5−2783
24号公報、同6−92011号公報、同6−1831
34号公報、同6−297830号公報、同7−812
14号公報、同7−101142号公報、同7−179
029号公報、同7−137431号公報、及び国際特
許公開WO94/26530号公報などに記載されてい
る。
【0051】コロイダルシリカの好ましい平均粒子径は
通常は5〜100nmであるが特に7〜30nmの平均
粒子径が好ましい。
【0052】上記の気相法により合成されたシリカ及び
コロイダルシリカは、その表面をカチオン変成されたも
のであってもよく、また、Al、Ca、Mg及びBa等
で処理された物であってもよい。
【0053】本発明のインクジェット記録用紙は微粒子
を含有し、空隙構造を有するインク吸収層を有するが、
微粒子を含有させて空隙を形成させる場合には、層中に
親水性バインダーを含有させておくことが安定な皮膜を
形成させるために必要である。
【0054】用いられる親水性バインダーとしては、ゼ
ラチン又はゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、プ
ルラン、ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリエ
チレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリ
ン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナ
ン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、キサンテン
ガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴ
ム、プルラン、特開平7−195826号公報及び同7
−9757号公報に記載のポリアルキレンオキサイド系
共重合性ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、或い
は、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキ
シル基やスルホン酸基を有するビニルモノマ−の単独又
はこれらのビニルモノマーを繰り返して有する共重合体
等のポリマーを挙げることができる。これらの親水性バ
インダーは単独で使用しても良く、2種以上を併用して
も良い。
【0055】中でも、ポリビニルアルコールを含有する
ことが皮膜の吸湿性、高湿下のベタツキ、インクジェッ
ト記録時の染料の滲みが少ない事などから好ましい。
【0056】このポリビニルアルコールにはカチオン変
性、ノニオン変性及びアニオン変性の各変性ポリビニル
アルコールも含まれる。
【0057】ポリビニルアルコールの平均重合度は造膜
性の観点から1000〜5000のものが好ましく用い
られ、特に平均重合度が2000以上のものが好まし
い。
【0058】ポリビニルアルコールのケン化度は70〜
100%のものが好ましく、80〜100%のものが特
に好ましい。カチオン変成ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号に記載されている
ような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を
上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポ
リビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチ
レン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化
することにより得られる。
【0059】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(メタクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメ
チルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0060】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、特に好ましくは0.2
〜5モル%である。
【0061】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているよ
うなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開
昭61−237681号、及び同63ー307979号
公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶
性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7
−285265号公報に記載されているような水溶性基
を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0062】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0063】本発明のインクジェット記録用紙において
微粒子の親水性バインダーに対する重量比率は概ね2〜
10の範囲であるが、特に3〜8が好ましい。微粒子の
親水性バインダーに対する重量比率が3未満の場合イン
ク吸収性の低下を、8を越えると低湿下での保存時に空
隙層の塗膜のひび割れをひきおこすことがある。
【0064】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層には硬膜剤としてほう酸又はその塩が含有される
ことが好ましい。ほう酸又はその塩としては、硼素原子
を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体
的にはオルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸、四ほう
酸、五ほう酸及びそれらの塩が含まれる。
【0065】本発明のインクジェット記録用紙のJIS
P8140に規定される吸水度試験方法において接触
時間を10秒とし、ジエチレングリコールを30重量%
含有する純水を用いて求めたコッブ吸水度は20〜60
g/m2であり、30〜50g/m2であるのが特に好ま
しい。コッブ吸水度が20g/m2未満であるとインク
吸水容量が不足しインクが溢れ、画像品質が大幅に劣化
する。また60g/m2を越えると、支持体上への空隙
構造を有するインク吸収層を塗布した際に支持体が塗布
液中の溶媒を過剰に吸収し、乾燥条件によっては塗膜に
ひび割れを生じやすくなる。
【0066】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層の乾燥膜厚は5〜30μmである。5μm未満の
場合、インク吸収性の低下や光沢の低下を、30μmを
越えると低湿下での保存時などに塗膜のひび割れをひき
おこすとともに、コストの点でも不利になる。
【0067】本発明のインクジェット記録用紙は微粒子
を含有するインク吸収層を2層以上有していることもで
き、この場合これら複数のインク吸収層に使用される親
水性バインダーや微粒子の種類或いは比率は任意に選択
される。
【0068】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層には必要に応じて各種の添加剤を添加することが
出来る。
【0069】例えば、特開昭57−74193号公報、
同57−87988号公報及び同62−261476号
公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号
公報、同57−87989号公報、同60−72785
号公報、同61−146591号公報、特開平1−95
091号公報及び同3−13376号公報等に記載され
ている退色防止剤、アニオン、カチオン又は非イオンの
各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同5
9−52689号公報、同62−280069号公報、
同61−242871号公報及び特開平4−21926
6号公報等に記載されている蛍光増白剤、消泡剤、ジエ
チレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防
止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させること
もできる。
【0070】また、印字後の耐水性や耐湿性を改良する
ためにカチオン媒染剤を含有させることもできる。
【0071】カチオン媒染剤としては第1級〜第3級ア
ミノ基及び第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒
染剤が好ましく用いられるが、カチオン性の非ポリマー
媒染剤も使用することができる。
【0072】ポリマー媒染剤としては、第4級アンモニ
ウム塩基を有するポリマー媒染剤が耐候性や染料の染着
性の強固さから好ましい。
【0073】好ましいポリマー媒染剤は上記第4級アン
モニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他の
モノマーとの共重合体又は縮重合体として得られる。
【0074】このポリマー媒染剤は水溶性ポリマーとし
ても、また、水分散性のラテックス粒子の何れの形でも
使用することができる。
【0075】一方、非ポリマー性の媒染剤としては、炭
素原子数の総和が12以上、好ましくは18以上の第4
級アンモニウム塩基を有する化合物が用いられる。
【0076】上記ポリマー媒染剤及び非ポリマー媒染剤
の使用量は記録用紙1m2あたり0.2〜10gが好ま
しく、更に好ましくは0.5〜5gである。
【0077】また、本発明のインク吸収層は空隙構造を
有するために一般に硬い層になる。このため、製造時や
インクジェット記録後のインク溶媒の蒸発時にひび割れ
が生じやすいが、この問題をより軽減するために油滴を
含有させることが好ましい。
【0078】油滴としては融点が40℃以下の疎水性化
合物を乳化分散したものやガラス転移温度が40℃以下
の重合体ラテックス粒子が用いられる。油滴の平均粒径
は概ね0.02〜1μmが好ましく、更に好ましくは
0.05〜0.5μm、特に好ましくは0.05〜0.
3μmのものが用いられる。
【0079】油滴の添加量はインク吸収層が含有する微
粒子に対して重量比で1〜50重量%が好ましく、更に
好ましくは2〜20重量%である。
【0080】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層側とは反対側にはカール防止や印字直後に重ね合
わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるため
に種々の種類のバック層を設けることができる。
【0081】バック層の構成は支持体の種類や厚み、イ
ンク吸収性層の構成や厚みによっても変わるが一般には
親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バ
ック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0082】また、バック層には他の記録用紙とのくっ
つき防止、筆記性改良、更にはインクジェット記録装置
内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この目
的で好ましく用いられるのは粒径が2〜20μmの有機
又は無機の微粒子である。
【0083】以上の構成からなる本発明の記録用紙は例
えば以下の方法によって得ることができる。まず、前記
の空隙構造を有するインク吸収層形成用の材料を適当な
溶媒、例えば水、アルコール或いは各種有機溶媒に添加
して塗布液を調整し、これを前記吸水性支持体に塗布
し、乾燥させて空隙構造を有するインク吸収層とする。
【0084】インク吸収層を支持体上に塗布する方法は
公知の方法から適宜選択して行うことが出来る。インク
吸収層は2層以上あっても良く、この場合、2層以上を
同時に塗布することもでき、特に全ての親水性バインダ
ー含有層を1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0085】インク吸収層の塗布方式としては、ロール
コーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイ
フコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン
塗布方法或いは米国特許第2,681,294号公報記
載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が
好ましく用いられるが、特に多層同時塗布方式において
は、カーテン塗布方法又はスライドホッパー塗布方式が
好ましい。
【0086】親水性バインダー含有インク吸収層を支持
体上に塗布後、冷却してゲル状態にした後、コールドド
ライ法で乾燥する方法は好ましい方法のひとつである
が、この際、好ましくは乾燥時にはセットした塗布液が
再溶解しない状態までの条件で加熱することが生産性の
観点から好ましい。通常はセット後室温〜30℃の範囲
内である程度水分を蒸発させた後で40℃〜50℃に加
熱して完全に乾燥させられる。
【0087】塗布後の乾燥は、いったん冷却して塗布液
の粘度を増大させるかゲル化させてから風を吹き付けて
乾燥させるのが好ましい。
【0088】塗布液温度は通常は25〜60℃であり、
30〜50℃が好ましい。冷却は塗布後の膜面温度が2
0℃以下、好ましくは15〜5℃になるようにするのが
好ましく、その後の乾燥は20〜60℃の風を吹き付け
て乾燥するのが均一な膜面を得る点から好ましい。
【0089】塗布する湿潤膜厚は目的とする乾燥膜厚に
よって変わるが概ね40〜200μm、好ましくは50
〜150μm、塗布速度は乾燥能力に大きく依存するが
概ね20〜200m/分である。乾燥時間は概ね2〜1
0分である。
【0090】次に本発明の記録用紙を用いてインクジェ
ット記録する時使用する場合の水溶性記録液について以
下に説明する。
【0091】水溶性記録液は、通常は水溶性染料及び液
媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。水溶性
染料としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料或いは食品用色素等の水溶
性染料が使用できるが直接染料、又は酸性染料が好まし
い。
【0092】記録液の溶媒は水を主体としてなるが、記
録液液が乾燥した際に染料が析出してノズル先端や記録
液供給経路での目詰まりを防止するために、通常沸点が
120℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒が使用され
る。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料などの固形
成分が析出して粗大析出物の発生を防止する作用を持つ
ために水よりはるかに低い蒸気圧を有することが要求さ
れる一方、水に対して混和性が高い必要がある。
【0093】そのような目的で高沸点の有機溶媒が通常
多く使用されるが、具体例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブ
タントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,
2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサント
リオール、1,2−ヘキサンジオール、チオジグリコー
ル、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール
(平均分子量が約300以下)等のアルコール類が挙げ
られる。また、上記した以外にも、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等も使用できる。
【0094】これらの多くの高沸点有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0095】記録液が含有するその他の添加剤として
は、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調
整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆
剤、等が挙げられる。
【0096】記録液は記録用紙に対する濡れ性を良好に
するため及びインクジェットノズルからの吐出を安定化
させる目的で、25℃において、25〜50dyne/
cm、好ましくは28〜40dyne/cmの範囲内の
表面張力を有するのが好ましい。
【0097】また、記録液の粘度は通常25℃において
2〜10cp、好ましくは2.5〜8cpである。ま
た、記録液のpHは3〜9が好ましい。
【0098】インクノズルから吐出される最小インク液
滴としては1〜30plの容量の場合、記録紙上で約2
0〜60μmの直径の最小ドット径が得られるので好ま
しい。このようなドット径で印字されたカラープリント
は高画質画像を与える。好ましくは2〜20plの容積
を有する液滴が最小液滴として吐出される場合である。
【0099】また、前記水性インクが、少なくともマゼ
ンタ及びシアンについて、各々濃度が2倍以上異なる2
種類のインクで記録する方式において、ハイライト部で
は低濃度のインクが使用されるためにドットの識別がし
にくくなるが、本発明はかかる記録方式を採用した場合
も適用できる。
【0100】インクジェット記録方法において、記録方
法としては、従来公知の各種の方式を用いることがで
き、その詳細はたとえば、インクジェット記録技術の動
向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株
式会社発行)に記載されている。
【0101】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、
塗布液の組成は塗布液1Lあたりの量である。また、コ
ッブ吸水度はJIS P8140に規定される吸水度試
験方法において接触時間を10秒とし、ジエチレングリ
コールを30重量%含有する純水を用いて求めたもので
ある。
【0102】実施例1 厚さ205μmの吸水性紙支持体の記録面側に、下記の
構成を有する塗布液−1を塗布した後、皮膜温度が15
℃以下になるように30秒以内に急速に冷却し20〜5
0℃の範囲の風で2分間で急速乾燥して、乾燥膜厚15
μmの空隙構造層を有するインク吸収層を有する記録用
紙を得た。この記録用紙のインク吸収層の断面の電子顕
微鏡観察による微粒子の2次凝集粒子の平均粒径は65
μmであった。また得られた記録用紙のコッブ吸水度は
42g/m2であった。
【0103】 〔塗布液−1〕 下記微粒子シリカ分散液(1) 450ml 下記カチオン性ポリマー(1)(平均分子量10000) 2g エタノール 35ml n−プロパノール 10ml 酢酸エチル 5ml ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA203) 0.1g ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA235) 12g ホウ酸 2.0g ほう砂 1.0g 微粒子シリカ分散液(1):日本アエロジル工業株式会
社製A200(平均1次粒子径12nmの気相法シリ
カ)の80gを純水400ml中に添加し乳化分散機で
分散した後、全量を純水で450mlに仕上げる。
【0104】
【化1】
【0105】得られた記録用紙について以下の項目を評
価した。
【0106】塗布後のひび割れ:100cm2あたり
のひび割れ数を調べた。
【0107】インク吸収性:イエロー、マゼンタ、シ
アンの3色を記録した記録用紙を、室温下(20℃、5
0%RH)に20秒間放置した後、記録面に別の記録用
紙の裏面を重ね合わせ、10cm2あたり5gの荷重を
かけ30秒間保持した時に、インクが前記裏面に付着す
るか否かで判断した。
【0108】 ◎:全く付着しない ○:痕跡状態で付着するが問題になるほどではない △:少し付着しやや問題になる ×:明らかに付着する。
【0109】光沢度:記録層面を日本電色工業株式会
社製変角光沢度計(VGS−1001DP)を用い75
度光沢を測定した。
【0110】低湿下のひび割れ:各々のインクジェッ
ト記録用紙を25℃、相対湿度20%で、印字面が外側
になるように直径200mmの円筒状にした状態で1昼
夜保存した後、100cm2あたりのひび割れ数を調べ
た。
【0111】印字後のうねり:キャノン株式会社製イ
ンクジェットプリンタBJC−700Jを用い、イエロ
ー、マゼンタ及びシアンのベタ印字後のシート面を肉眼
により観察し下記基準で判定した。品質上問題にならな
いのはA及びBである。
【0112】 A:うねりは認められず、美観を損なわない B:小さなうねりはあるが、美観を損なうほどではない C:大きなうねりがあり、美観を損なう。
【0113】実施例2〜4、比較例1〜4 実施例1において、使用する吸水性紙支持体を表1に示
すような厚みを持つものに変えた以外は実施例1の記録
用紙と同様にして実施例2〜4、比較例1〜4の各記録
用紙を作成し、実施例1と同様に評価した。これらの各
記録用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡観察による微粒子
の2次凝集粒子の平均粒径は何れも65μmであった。
また得られた各記録用紙のコッブ吸水度は表1に示す通
りであった。
【0114】評価結果を表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】表1の結果から、実施例1〜4の本発明の
記録用紙はインク吸収性、光沢が良好であり、かつ塗布
時の皮膜のひび割れもないことがわかる。これに対し
て、コッブ吸水度が本発明以下である比較例1の記録用
紙はインク吸収性が劣っており、一方コッブ吸水度が本
発明以上である比較例2の記録用紙ではひび割れが多
く、光沢も大きく低下している。また、比較例3、4の
記録用紙は使用した支持体が薄いため、印字後に記録面
にうねりが生じ美観を損なっている。
【0117】実施例5 実施例1において、塗布液−1の乾燥膜厚が16μmに
なるように変更した以外は実施例1の記録用紙と同様に
して実施例5の記録用紙を作成し、実施例1と同様の評
価をおこなった。この記録用紙の空隙層の断面の電子顕
微鏡観察による微粒子の2次凝集粒子の平均粒径は65
μmであった。また得られた記録用紙のコッブ吸水度は
40g/m2であった。
【0118】比較例5、6 実施例1において、塗布液−1の乾燥膜厚を表2に示す
ように変更した以外は実施例1の記録用紙と同様にして
比較例5、6の各記録用紙を作成し、実施例1と同様の
評価をおこなった。これらの各記録用紙の空隙層の断面
の電子顕微鏡観察による微粒子の2次凝集粒子の平均粒
径は何れも65μmであった。また得られた記録用紙の
コッブ吸水度はそれぞれ33g/m2、53g/m2であ
った。
【0119】比較例7 実施例1において、塗布液−1の微粒子シリカ分散液
(1)を下記に示す微粒子シリカ分散液(2)に変え、
塗布液−1の乾燥膜厚が16μmになるように変えた以
外は実施例1の記録用紙と同様にして比較例7の記録用
紙を作成し、実施例1と同様にして評価した。この記録
用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡観察による微粒子の2
次凝集粒子の平均粒径は150nmであった。また、得
られた記録用紙のコッブ吸水度は41g/m2であっ
た。
【0120】微粒子シリカ分散液(2):日本アエロジ
ル工業株式会社製TT600(平均1次粒径40nmの
気相法シリカ)の80gを純水400ml中に添加し乳
化分散機で分散した後、全量を純水で450mlに仕上
げる。
【0121】評価結果を表3に示す。
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】表3の結果から、比較例3の記録用紙はイ
ンク吸収層の乾燥膜厚が薄すぎ、インク吸収性と光沢が
低下しており、比較例4の記録用紙はインク吸収層の乾
燥膜厚が厚すぎ、低湿下で保存時の皮膜強度が劣ってい
る。
【0125】また、微粒子の平均粒径が100nm以上
である比較例7は光沢が大きく低下している。
【0126】実施例6〜9 実施例1において、塗布液−1のポリビニルアルコール
の重量を表4のように変更し、乾燥膜厚を15μmに変
更した以外は実施例1の記録用紙と同様にして実施例6
〜9の記録用紙を作成し、実施例1と同様に評価した。
このようにして作成した各記録用紙の空隙層の断面の電
子顕微鏡観察による微粒子の2次凝集粒子の平均粒径は
何れも65μmであった。また得られた各記録用紙のコ
ッブ吸水度は表5に示す通りであった。
【0127】評価結果を表5に示す。
【0128】
【表4】
【0129】
【表5】
【0130】表5の結果から、実施例6〜9の本発明の
記録用紙はインク吸収性、皮膜強度、光沢とも良好であ
るが、空隙層中のポリビニルアルコールに対する微粒子
の重量比が3〜8の範囲である実施例7、8の記録用紙
は特に優れていることがわかる。
【0131】実施例10 厚さ185μm、コッブ吸水度8g/m2の吸水性紙支
持体の記録面側に、下記の構成を有する塗布液−2を塗
布した後、皮膜温度が15℃以下になるように30秒以
内に急速に冷却し20〜50℃の範囲の風で2分間で急
速乾燥して、乾燥膜厚20μmの空隙層を有する記録用
紙を作成し、実施例1と同様に評価した。この記録用紙
の空隙層の断面の電子顕微鏡観察による微粒子の2次凝
集粒子の平均粒径は60μmであった。また得られた記
録用紙のコッブ吸水度は22g/m2であった。
【0132】 〔塗布液−2〕 下記微粒子シリカ分散液(3) 450ml 下記カチオン性ポリマー(2)(平均分子量10000) 2g エタノール 35ml n−プロパノール 10ml 酢酸エチル 5ml ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA203) 0.1g ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA235) 15g ホウ酸 2.0g ほう砂 1.0g 微粒子シリカ分散液(3):日本アエロジル工業株式会
社製A300(平均1次粒子径7nmの気相法シリカ)
の80gを純水400ml中に添加し乳化分散機で分散
した後、全量を純水で450mlに仕上げる。
【0133】
【化2】
【0134】実施例11、12 実施例10において、使用する吸水性紙支持体を表6に
示すような厚みとコッブ吸水度を持つものに変えた以外
は実施例10の記録用紙と同様にして実施例11、12
の各記録用紙を作成し、実施例1と同様に評価した。こ
のようにして作成した各記録用紙の空隙層の断面の電子
顕微鏡観察による微粒子の2次凝集粒子の平均粒径は何
れも60μmであった。また得られた各記録用紙のコッ
ブ吸水度は表7に示す通りであった。
【0135】比較例8 実施例10において、使用する吸水性紙支持体を表6に
示すような厚みとコッブ吸水度を持つものに変えた以外
は実施例10の記録用紙と同様にして比較例8の記録用
紙を作成し、実施例1と同様に評価した。この記録用紙
の空隙層の断面の電子顕微鏡観察による微粒子の2次凝
集粒子の平均粒径は60μmであった。また得られた各
記録用紙のコッブ吸水度は表7に示す通りであった。
【0136】評価結果を表7に示す。
【0137】
【表6】
【0138】
【表7】
【0139】表7の結果から、実施例10、11、12
の本発明の記録用紙はインク吸収性、皮膜強度、光沢と
も良好であるが、支持体のコッブ吸水度が10〜50g
/m2の範囲である実施例11、12は特に優れている
ことがわかる。
【0140】
【発明の効果】本発明の構成により、インク吸収性が良
好で、且つ皮膜強度、光沢とも良好なインクジェット記
録用紙が得られた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが160μm以上の吸水性支持体上
    に、乾燥膜厚が5〜30μmであって、平均粒径が10
    0nm以下の微粒子を含有する、空隙構造を有するイン
    ク吸収層を有し、JIS P8140に規定される吸水
    度試験方法において接触時間を10秒とし、ジエチレン
    グリコールを30重量%含有する純水を用いて求めたコ
    ッブ吸水度が20〜60g/m2であることを特徴とす
    るインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記微粒子が、30nm以下の平均粒径
    を有する1次粒子により形成された2次凝集粒子である
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用
    紙。
  3. 【請求項3】 前記1次粒子が、気相法により合成され
    たシリカであることを特徴とする請求項2記載のインク
    ジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記インク吸収層にポリビニルアルコー
    ルを含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1
    項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】 前記ポリビニルアルコールに対する微粒
    子の量が重量比で3〜8であることを特徴とする請求項
    4に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】 前記インク吸収層が硬膜剤により硬膜さ
    れていることを特徴とする請求項4又は5に記載のイン
    クジェット記録用紙。
  7. 【請求項7】 前記吸水性支持体のJIS P8140
    に規定される吸水度試験方法において接触時間を10秒
    とし、ジエチレングリコールを30重量%含有する純水
    を用いて求めたコッブ吸水度が10〜50g/m2であ
    ることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の
    インクジェット記録用紙。
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