JPH1176803A - 有害塩素化合物除去法 - Google Patents

有害塩素化合物除去法

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JPH1176803A
JPH1176803A JP9248224A JP24822497A JPH1176803A JP H1176803 A JPH1176803 A JP H1176803A JP 9248224 A JP9248224 A JP 9248224A JP 24822497 A JP24822497 A JP 24822497A JP H1176803 A JPH1176803 A JP H1176803A
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昌士 田代
Takehito Tsukinoki
岳仁 月野木
Kokuhin Riyuu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はダイオキシンに代表される有害塩素
物質の無害化に関するものである。 【解決手段】 芳香族塩素化合物とアルカリ水溶液との
混合液にラネーNi−Al合金を超音波照射下において
添加混合することを特徴とする方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイオキシン等の有
害塩素物質の無害化法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシンに代表される有害塩素物質
の無害化に関する研究は多くなされて来たが、実用的か
つ有効な方法は開発されていないのが現状である。例え
ば、PCBを含んだトランスオイルをNaOHやCaO
などのアルカリ類と高温で処理したり、危険なナトリウ
ムを用いて高温に加熱する方法が知られているが、いず
れにしても、操作は容易でない上に、有機化合物の回収
は不可能である。PCBの除去として焼却法も考えられ
てた時期も有ったが、ダイオキシンの発生が認められた
ために大きな社会問題と成ったことは記憶に新しい。ま
た、資源の有効利用の観点から再利用の必要性は益々重
要になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はPCB、塩素
化ジベンゾフラン、ダイオキシンから塩素原子を容易な
操作で脱離するとともに、それぞれの母化合物であるビ
フェニール、ジベンゾフラン、ジベンゾジオキサンを回
収する方法の開発を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は芳香族塩素化合物とアルカリ水溶液との混合
液にラネーNi−Al合金を超音波照射下において添加
混合することを特徴とする有害塩素化合物除去法によっ
て構成される。
【0005】
【発明の実施の形態】アルカリ水溶液にラネーNi−A
l合金を加える方法は、還元力をもち芳香族塩素化合物
から還元的に塩素原子を除去することができる。しか
し、上記PCB、塩素化ジベンゾフラン、ダイオキシン
化合物の還元的脱塩素化を行うに充分な還元力を有しな
い。そこで上記反応に際し超音波照射を行い、反応を促
進させることにより、これらの有害塩素化合物の無害化
反応がスムースに進行する。尚、従来の脱塩素化法にな
い特徴として、高温に加熱する必要がなく、60℃程度
の温度で反応が進行することが上げられる。水素の発生
があるがこれは熱源として用いることができ、この際水
が生成するのみであるから、全く危険性はない。
【0006】化学式で本反応を示すと以下のようにな
る。 ArX+10%NaOH+Ni−Al=ArH+NaX
+H2 +〔Ni,Al(OH)3 〕 Ar:芳香族化合物、X:ハロゲン(塩素)、Ni−A
l:ラネー合金
【0007】
【実施例】4−クロロジフェニール(1mmol,18
8mg)、ジオキサン(2ml)、及び10%NaOH
の混合液に、5gのラネー合金(Ni−Al合金市販
品)を60℃で超音波照射下に撹拌しながら少量ずつ加
えた。この混合物を10時間60℃で超音波照射下に撹
拌した後、不溶物を濾別し、有機層を水で洗ったのちジ
クロロメタンで抽出した。この抽出液を無水硫酸マグネ
シュウムで乾燥し、溶媒を減圧下に溜去したところ、1
10mg(71%)のジフェニールを得た。ガスクロマ
トグラム測定ではジフェニールの収率はほぼ定量的であ
った。尚、本反応ではジオキサンの使用は必ずしも必要
でない。超音波照射がなければ反応は若干高い反応温度
(90℃)と長時間を必要とし、さらに、合金を加える
際に発熱量が大きく発泡が著しいため操作が困難と成
る。また、場合によっては(塩素の含有量が少ない場
合)、ジオキサンの溶媒としての使用は必ずしも必要と
しない。
【0008】
【発明の効果】PCBを含んだトランスオイルやコンデ
ンサー、また未処理のPCBなどの処理について、本発
明方法が経済的で操作も容易で極めて有効であることが
確認できる。またごみ焼却に伴うダイオキシンの発生に
関連した飛灰中含まれたダイオキシンの無害化に威力を
発揮することが期待できる。また、先に述べた母化合物
がほぼ定量的に回収できるので資源の再利用にも貢献で
きる。さらに、本反応の過程で生成する、NiとAl
(OH)3 の混合物は加熱により、Ni−Al23
なり触媒として活用できるし、水素は先に述べたよう
に、燃料として、また還元剤として用いられる。このよ
うに、本発明方法は経済的で社会生活に大きな貢献をす
ることが期待できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族塩素化合物とアルカリ水溶液との
    混合液にラネーNi−Al合金を超音波照射下において
    添加混合することを特徴とする有害塩素化合物除去法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004210697A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Hiroshi Kashihara 含ハロ有機化合物の分解方法
CN108715767A (zh) * 2018-05-14 2018-10-30 国网山东省电力公司荣成市供电公司 一种导热变压器油及其制备方法

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JP2004210697A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Hiroshi Kashihara 含ハロ有機化合物の分解方法
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CN108715767B (zh) * 2018-05-14 2021-06-22 国网山东省电力公司荣成市供电公司 一种导热变压器油及其制备方法

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