JPH117621A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH117621A
JPH117621A JP15644997A JP15644997A JPH117621A JP H117621 A JPH117621 A JP H117621A JP 15644997 A JP15644997 A JP 15644997A JP 15644997 A JP15644997 A JP 15644997A JP H117621 A JPH117621 A JP H117621A
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magnetic
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lubricant
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JP15644997A
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English (en)
Inventor
Akira Shiga
章 志賀
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Katsumi Sasaki
克己 佐々木
Osamu Yoshida
修 吉田
Katsumi Endo
克巳 遠藤
Takeshi Miyamura
猛史 宮村
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体や磁気ヘッドの耐蝕性に優れた
特長を奏する技術を提供することである。 【解決手段】 支持体と金属磁性層とを具備し、前記支
持体の上に前記金属磁性層が設けられた磁気記録媒体で
あって、1気圧下で20℃の精製水(pH7.0)10
0g中に前記磁気記録媒体5gを浸漬して1気圧下で1
00℃に5分間保持し、その後自然放冷により1気圧下
で20℃になった後の溶液のpHが7.2〜8.4であ
る磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属磁性層を有す
る磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、酸化物磁性粉とバインダ樹脂
とを含む磁性塗料を支持体上に塗布して磁性層を構成し
た塗布型の磁気記録媒体が広く使用されて来た。一方、
高密度記録の要求から、磁性層を無電解メッキ(湿式メ
ッキ)あるいは真空蒸着やスパッタリング(乾式メッ
キ)などの薄膜形成手段により金属磁性層で構成した金
属薄膜型の磁気記録媒体が実用化されている。この金属
薄膜型の磁気記録媒体は、保磁力、角型比などの磁気特
性が良く、そして磁性層の厚さを薄く出来ることから、
厚み損失が小さく、又、バインダ樹脂を含まないことか
ら、磁性材料の充填率が高く、電磁変換特性が高く、数
々の利点が有る。
【0003】しかし、金属は酸化物に比べて耐蝕性に劣
ることから、金属磁性層もやはり耐蝕性に難点が有り、
このことが金属薄膜型の磁気記録媒体の問題になってい
る。このようなことから、アミン化合物を含むガスを材
料としたケミカルベーパーデポジション(CVD)によ
り形成したpH値が6〜9のカーボン保護層を金属磁性
層上に設けることが提案(特開平8−129737号公
報)されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記提案の如
く、アミン化合物を含むガスを材料としたCVDにより
ダイヤモンドライクカーボン層を金属磁性層上に設けた
磁気記録媒体でも、十分なものでなかった。例えば、カ
ーボン保護層をアルカリ性のものとしていても、その表
面に設けた潤滑剤が酸性のものであれば、金属磁性層の
耐蝕性は低下する。更には、磁気ヘッドの耐蝕性も低下
する。この為、カーボン保護層をアルカリ性のものとし
ていても、問題が解決されない。すなわち、磁気記録媒
体や磁気ヘッドの耐蝕性が十分でなく、更なる改善が求
められた。
【0005】従って、本発明が解決しようとする課題
は、磁気記録媒体や磁気ヘッドの耐蝕性に優れた特長を
奏する技術を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記耐蝕性に対する研究
を鋭意押し進めて行った結果、本発明者は、磁気記録媒
体全体における酸性度(アルカリ性度)が磁気記録媒体
自身や記録・再生ヘッド(磁気ヘッド)の耐蝕性(耐久
性、耐候性)に極めて大きな影響を与えていることに気
付いた。
【0007】すなわち、pH値が大きく、アルカリ性が
強くなり過ぎると、記録・再生ヘッドを傷め易いことが
判って来た。特に、1気圧下で20℃の精製水(pH
7.0)100g中に磁気記録媒体5gを浸漬して1気
圧下で100℃に5分間保持し、その後自然放冷により
1気圧下で20℃になった後の溶液のpHが8.4を越
えたアルカリ性であった場合には、記録・再生ヘッドの
損傷度が大きいことが判った。
【0008】逆に、pH値が小さく、酸性が強くなり過
ぎると、酸化による磁気記録媒体自身の損傷が大きいこ
とが判って来た。特に、1気圧下で20℃の精製水(p
H7.0)100g中に磁気記録媒体5gを浸漬して1
気圧下で100℃に5分間保持し、その後自然放冷によ
り1気圧下で20℃になった後の溶液のpHが7.2未
満であった場合には、酸化による磁気記録媒体の損傷が
大きいことが判った。
【0009】この知見を基にして本願発明がなされたも
のであり、前記の課題は、支持体と金属磁性層とを具備
し、前記支持体の上に前記金属磁性層が設けられた磁気
記録媒体であって、1気圧下で20℃の精製水(pH
7.0)100g中に前記磁気記録媒体5gを浸漬して
1気圧下で100℃に5分間保持し、その後自然放冷に
より1気圧下で20℃になった後の溶液のpHが7.2
〜8.4であることを特徴とする磁気記録媒体によって
解決される。
【0010】尚、自然放冷により1気圧下で20℃にな
った後の溶液のpHが7.6〜8.2であるものが好ま
しい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明になる磁気記録媒体は、支
持体と金属磁性層とを具備し、前記支持体の上に前記金
属磁性層が設けられた磁気記録媒体であって、1気圧下
で20℃の精製水(pH7.0)100g中に前記磁気
記録媒体5gを浸漬して1気圧下で100℃に5分間保
持し、その後自然放冷により1気圧下で20℃になった
後の溶液のpHが7.2〜8.4(特に、7.6〜8.
2)である。又、支持体と金属磁性層と保護層と潤滑剤
層とを具備し、前記支持体の上に前記金属磁性層が設け
られ、前記金属磁性層の上に前記保護層及び潤滑剤層が
設けられた磁気記録媒体であって、1気圧下で20℃の
精製水(pH7.0)100g中に前記磁気記録媒体5
gを浸漬して1気圧下で100℃に5分間保持し、その
後自然放冷により1気圧下で20℃になった後の溶液の
pHが7.2〜8.4(特に、7.6〜8.2)であ
る。又、支持体と金属磁性層と保護層とバック層と潤滑
剤層とを具備し、前記支持体の一面上に前記金属磁性層
が設けられ、前記金属磁性層の上に前記保護層及び潤滑
剤層が設けられ、前記支持体の他面上に前記バック層が
設けられた磁気記録媒体であって、1気圧下で20℃の
精製水(pH7.0)100g中に前記磁気記録媒体5
gを浸漬して1気圧下で100℃に5分間保持し、その
後自然放冷により1気圧下で20℃になった後の溶液の
pHが7.2〜8.4(特に、7.6〜8.2)であ
る。上記磁気記録媒体における各層間のpH差は0〜
3.0である。
【0012】以下、更に詳しく説明する。図1は、本発
明になる磁気記録媒体の概略断面図である。図1中、1
は支持体、2は支持体1の一面上に設けられた金属磁性
層である。磁気記録媒体は、基本的には、支持体1と金
属磁性層2とからなる。更に、必要に応じて、バック層
3が支持体1の他面上に設けられる。又、必要に応じ
て、保護層4及び(又は)潤滑剤層5が金属磁性層2の
上に設けられる。
【0013】支持体1は、磁性を有するものでも、非磁
性のものでも良い。代表的なものとして、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロ
ヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンビ
スフェノキシカルボキシレート等のポリエステル類、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セ
ルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート
プロピオネート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリアミ
ド、ポリカーボネート等の非磁性のプラスチック材料が
挙げられる。これらの支持体は、一般に中性である。
又、各種の処理が行われることが有る。例えば、コロナ
放電、あるいはその他適宜な手段による表面処理がなさ
れる。形態は、フィルム、テープ、シート、ディスク、
ドラム等のいずれでも良い。但し、カセット中に装填さ
れるテープ状のもの、又、停止時にヘッドと接触するデ
ィスクの場合に、本発明は、特に有効である。上記支持
体1の厚さは1〜300μm、好ましくは2〜100μ
mである。
【0014】金属磁性層2は、湿式メッキ手段や乾式メ
ッキ手段で上記支持体1上に形成される。例えば、斜め
蒸着等のPVD(フィジカルベーパーデポジション)法
により、厚さが50〜500nm形成される。特に、酸
素ガスを供給しながら金属磁性粒子を斜め蒸着させる手
法により、厚さが70〜300nm形成される。金属磁
性粒子の材料としては、例えばFe,Co,Ni等の金
属の他に、Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−N
i−Pt合金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe
−Co−Ni合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni−
Fe−B合金、Co−Cr合金等が用いられる。尚、成
膜された金属磁性層2は、酸素ガスを供給しながら金属
磁性粒子を斜め蒸着させることによるから、部分的に酸
化されたM(磁性金属元素)−Oタイプのものである
が、この成膜時に炭素イオンあるいは窒素イオンを照射
すると、M−C−OタイプやM−N−Oタイプのものに
なる。更には、M−Si−Oタイプ、M−B−Oタイ
プ、M−P−Oタイプであっても良い。
【0015】上記磁性金属、その酸化物、炭化物、ある
いは窒化物からなる磁性層は、一般に、アルカリ性を示
す。本発明では、pHが7.2〜8.4の磁性層を用い
る。上記範囲のpHとするには、例えば磁性層の酸素や
炭素の含有比率を増加させると、アルカリ性が弱くな
り、減少させると、アルカリ性が強くなることに着目
し、酸素や炭素の含有比率を20〜35at.%とする
ことで達成できる。酸素と炭素の双方を含む場合、これ
らの合計量を上記範囲とすることで達成できる。又、磁
性層の窒素含有比率を増加させると、アルカリ性が強く
なり、減少させると、アルカリ性が弱くなることに着目
し、窒素含有比率を10〜30at.%とすることで、
上記範囲のpHとすることが出来る。
【0016】バック層3は、磁性層1が設けられた側と
は反対側の支持体1上に公知の方法で設けられる。例え
ば、粒径10〜100nmのカーボンブラックを塩化ビ
ニル系、ウレタン系等のバインダ樹脂中に分散させ、グ
ラビア方式、リバース方式あるいはダイ塗工方式等で乾
燥後の厚さが0.4〜1μmとなるよう塗布することに
よって構成される。あるいは、蒸着などのPVD手段で
構成される。例えば、Al−Cu合金などの金属材料を
蒸発源に置き、蒸発金属粒子を0.05〜1μmの厚さ
堆積させることにより構成される。本発明は、pHが
7.2〜8.4のバック層を用いることが好ましい。
【0017】上記バック層は、塗布型バック層で、バイ
ンダが塩化ビニル系やニトロセルロース系である場合、
上記バック層のpHは、一般に、7.2〜8.4であ
る。金属あるいはその酸化物からなる蒸着タイプの場
合、一般に、アルカリ性を示す。因みに、酸素を20〜
35at.%含有させると、バック層のpH値は7.2
〜8.4となる。酸素含有量を増加させると、中性寄り
になり、減少させると、アルカリ性が強くなる。
【0018】保護層4は、磁性層1の上、及び/又はバ
ック層3の上に設けられる。保護層4は、例えばダイヤ
モンドライクカーボン(DLC)やボロンナイトライド
等が用いられて構成される。特に、DLC層からなる保
護層が好ましい。成膜方法としてCVDやPVDが用い
られ、膜厚は2〜20nmである。尚、これらの保護層
は、一般に、中性である。
【0019】潤滑剤としては官能基(官能基とは、分子
内の反応性に富む基を言う。(岩波理化学辞典))を有
する炭化水素系の潤滑剤あるいは官能基を有するフッ素
系の潤滑剤が用いられる。特に、HOOC-CF2(O-C2F4)p (O
CF2) q -OCF2-COOH ,F-(CF2CF2CF2O)n -CF2CF2COOH と
言ったようなカルボキシル基変性パーフルオロポリエー
テル、HOCH2-CF2(O-C2F4) p (OCF2) q -OCF2-CH2OH,HO
-(C2H4-O) m -CH2-(O-C2F4) p (OCF2) q -OCH2-(OCH2CH
2)n -OH ,F-(CF2CF2CF2O)n -CF2CF2CH2OHと言ったよう
なアルコール変性パーフルオロポリエーテル、又、分子
の一方又は一部にアルキル基などの飽和炭化水素基、あ
るいは不飽和炭化水素基、若しくは芳香族炭化水素基、
フルオロアルキル基、及び官能基が付いたものが用いら
れる。具体的には、アウジモント社製のFOMBLIN
AM2001やダイキン工業社のデムナムSA等があ
る。この潤滑剤層は、フッ素系の溶媒で希釈した溶液中
に媒体を浸漬したり、或いはこの溶液を超音波噴霧する
ことにより設けられる。
【0020】官能基としては、−OH,−COOH,−
SO3 H,−PO3 H,−NCO,−CHO,−N
2
【0021】
【数1】
【0022】が例示される。勿論、これらに限定される
ものではない。官能基の付着量は、1分子当たり1〜5
個が好ましい。潤滑剤の磁性層、保護層やバック層上へ
の付着量は0.1〜500mg/m2が好ましい。以
上、本発明の磁気記録媒体を構成する各層について説明
した。
【0023】上記支持体と磁性層からなる磁気記録媒体
について述べる。上記支持体は中性であるから、磁性層
を構成する酸素、炭素あるいは窒素の含有率を調整(磁
性層のpHを7.2〜8.4)すると、全体としてpH
が7.2〜8.4の磁気記録媒体が得られる。上記支持
体と磁性層とバック層からなる磁気記録媒体、さらに前
記媒体に保護層及び/又は潤滑剤層を有する磁気記録媒
体の場合、pHが7.2〜8.4である磁性層及びバッ
ク層を用いることで、pHが7.2〜8.4である磁気
記録媒体が得られる。又、保護層、潤滑剤層は、上記し
たものを適宜組み合わせて使用することが出来る。
【0024】又、1気圧下で20℃の精製水(pH7.
0)100g中に磁気記録媒体5gを浸漬して1気圧下
で100℃に5分間保持し、その後自然放冷により1気
圧下で20℃になった後の溶液のpHが7.2〜8.
4、特に7.6〜8.2、更には7.6〜8.1のもの
であっても、隣接する各層間のpH差は0〜3.0とす
るのが好ましい。これは、pH差が3を越えていると、
隣接する各層間で酸−塩基反応が起こり、耐蝕性が低下
する場合がある。
【0025】
【実施例1】バック層3−支持体1−金属磁性層2−保
護層4−潤滑剤層5からなる磁気テープである。支持体
1は、6.3μm厚のポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムである。
【0026】金属磁性層2は支持体1の表面上に設けら
れたものである。この金属磁性層2は、真空雰囲気下で
連続斜め蒸着法により酸素ガスを導入しながら形成され
たCo−O(O含有量は30at.%)蒸着膜(pH=
7.7)で、その厚さは180nmである。バック層3
は、支持体1の裏面上に設けられたものである。すなわ
ち、真空雰囲気下で酸素ガスを導入しながらNi粒子を
蒸着させたNi−O(O含有量は35at.%)蒸着膜
(pH=7.3)で、その厚さは150nmである。
【0027】保護層4は金属磁性層2の上に設けられた
ダイヤモンドライクカーボン層である。このダイヤモン
ドライクカーボン層4は、ECR(Electron
Cyclotron Resonance)プラズマC
VD法によりベンゼンを原料として形成されたもので、
その厚さは10nmである。潤滑剤層5は、ダイヤモン
ドライクカーボン層4の上に塗布手段により設けられた
ものである。潤滑剤層5を形成した潤滑剤は、平均分子
量が750で、分子内に水酸基を2個持ち、F(C
2 n CH2 C(CH2 OH)H(CH2 mOH
(n,mは整数)で表される化合物である。そして、ダ
イヤモンドライクカーボン層4の上に設けられた潤滑剤
層5の厚さは3nmである。
【0028】本実施例の磁気記録媒体のpHは7.7で
あった。
【0029】
【実施例2】バック層3−支持体1−金属磁性層2−保
護層4−潤滑剤層5からなる磁気テープである。支持体
1は、6.3μm厚のポリエチレンナフタレート(PE
N)フィルムである。
【0030】金属磁性層2は支持体1の表面上に設けら
れたものである。この金属磁性層2は、真空雰囲気下で
連続斜め蒸着法により酸素ガスを導入しながら形成され
たCo−O(O含有量は25at.%)蒸着膜(pH=
8.0)で、その厚さは170nmである。バック層3
は、支持体1の裏面上に設けられたものである。すなわ
ち、真空雰囲気下で酸素ガスを導入しながらCu−Al
粒子を蒸着させたCu−Al−O(O含有量は30a
t.%)蒸着膜(pH=7.8)で、その厚さは140
nmである。
【0031】保護層4は金属磁性層2の上に設けられた
ダイヤモンドライクカーボン層である。このダイヤモン
ドライクカーボン層4は、ECRプラズマCVD法によ
り形成されたもので、その厚さは10nmである。潤滑
剤層5は、ダイヤモンドライクカーボン層4の上に塗布
手段により設けられたものである。潤滑剤層5を形成し
た潤滑剤は、平均分子量が1000で、分子内にカルボ
キシル基を1個持ち、F(CF2 n CH2 C((CH
2 2 COOH)H(CH2 m CH=CH(CH2
l H(l,m,nは整数)で表される化合物である。そ
して、ダイヤモンドライクカーボン層4の上に設けられ
た潤滑剤層5の厚さは2nmである。
【0032】本実施例の磁気記録媒体のpHは7.9で
あった。
【0033】
【実施例3】バック層3−支持体1−金属磁性層2−潤
滑剤層5からなる磁気テープである。支持体1は、6.
3μm厚のPETフィルムである。金属磁性層2は支持
体1の表面上に設けられたものである。この金属磁性層
2は、真空雰囲気下でイオンアシスト斜め蒸着法により
形成されたFe−N(N含有量は28at.%)蒸着膜
(pH=8.4)であり、その厚さは150nmであ
る。
【0034】バック層3は、カーボンブラックと炭酸カ
ルシウムとの混合物(混合重量比は前者:後者=2:
1)をポリウレタンとニトロセルロースとの混合物(混
合重量比は前者:後者=1:1)に分散させた塗料をダ
イ塗工機で塗布し、100℃で乾燥させることによって
形成されたものである。その厚さは0.5μmであり、
pHは7.9であった。
【0035】潤滑剤層5は、金属磁性層2の上に塗布手
段により設けられたものである。潤滑剤層5を形成した
潤滑剤はフッ素系潤滑剤(ダイキン工業社製の商品名D
EMNUM、平均分子量2000、分子内に水酸基を1
個持つ。)である。そして、金属磁性層2の上に設けら
れた潤滑剤層5の厚さは3nmである。本実施例の磁気
記録媒体のpHは8.3であった。
【0036】
【実施例4】潤滑剤層5−バック層3−支持体1−金属
磁性層2−保護層4−潤滑剤層5からなる磁気テープで
ある。支持体1は、6.3μm厚のPETフィルムであ
る。金属磁性層2は支持体1の表面上に設けられたもの
である。この金属磁性層2はFe−N−O(N含有量は
17at.%、O含有量は8at.%)蒸着膜(pH=
8.0)で、その厚さは160nmである。
【0037】バック層3は、支持体1の裏面上に設けら
れたものである。すなわち、真空雰囲気下で酸素ガスを
導入しながらAl粒子を蒸着させたAl−O(O含有量
は35at.%)蒸着膜(pH=7.2)で、その厚さ
は150nmである。保護層4は金属磁性層2の上に設
けられたダイヤモンドライクカーボン層である。このダ
イヤモンドライクカーボン層4は、ECRプラズマCV
D法により形成されたもので、その厚さは10nmであ
る。
【0038】潤滑剤層5は、バック層3及びダイヤモン
ドライクカーボン層4の上に塗布手段により設けられた
ものである。潤滑剤層5を形成した潤滑剤は、平均分子
量が850で、分子内に水酸基を1個持ち、(CF3
2 CF(CF2 n CH2 C(CH2 OH)H(C
2 m H(m,nは整数)で表される化合物である。
そして、バック層3の上に設けられた潤滑剤層5の厚さ
は3nmであり、ダイヤモンドライクカーボン層4の上
に設けられた潤滑剤層5の厚さは3nmである。
【0039】本実施例の磁気記録媒体のpHは7.2で
あった。
【0040】
【実施例5】バック層3−支持体1−金属磁性層2−潤
滑剤層5からなる磁気テープである。支持体1は、6.
3μm厚のPETフィルムである。金属磁性層2は支持
体1の表面上に設けられたものである。この金属磁性層
2はFe−C−O(C含有量は18at.%、O含有量
は9at.%)蒸着膜(pH=7.4)で、その厚さは
160nmである。
【0041】バック層3は、支持体1の裏面上に設けら
れたものである。すなわち、真空雰囲気下で酸素ガスを
導入しながらCu−Ni粒子を蒸着させたCu−Ni−
O(O含有量は30at.%)蒸着膜(pH=7.5)
で、その厚さは150nmである。潤滑剤層5は、金属
磁性層2及びバック層3の上に塗布手段により設けられ
たものである。潤滑剤層5を形成した潤滑剤はフッ素系
潤滑剤(ダイキン工業社製の商品名DEMNUM、平均
分子量2300、分子内に水酸基を1個持つ。)であ
る。そして、金属磁性層2の上に設けられた潤滑剤層5
の厚さは2nmである。
【0042】本実施例の磁気記録媒体のpHは7.4で
あった。
【0043】
【比較例1】潤滑剤層5−バック層3−支持体1−金属
磁性層2−保護層4−潤滑剤層5からなる磁気テープで
ある。支持体1は、6.3μm厚のPETフィルムであ
る。金属磁性層2は支持体1の表面上に設けられたもの
である。この金属磁性層2はCo−O(O含有量は40
at.%)蒸着膜(pH=7.1)で、その厚さは18
0nmである。
【0044】バック層3は、支持体1の裏面上に設けら
れたものである。このバック層3はCu−Al−O(O
含有量は50at.%)蒸着膜(pH=7.0)で、そ
の厚さは140nmである。保護層4は金属磁性層2の
上に設けられたダイヤモンドライクカーボン層である。
このダイヤモンドライクカーボン層4は、ECRプラズ
マCVD法により形成されたもので、その厚さは10n
mである。
【0045】潤滑剤層5は、バック層3及びダイヤモン
ドライクカーボン層4の上に塗布手段により設けられた
ものである。潤滑剤層5を形成した潤滑剤は、平均分子
量が750で、分子内に水酸基を2個持ち、F(C
2 n CH2 C(CH2 OH)H(CH2 m OH
(n,mは整数)で表される化合物である。そして、バ
ック層3の上に設けられた潤滑剤層5の厚さは3nmで
あり、ダイヤモンドライクカーボン層4の上に設けられ
た潤滑剤層5の厚さは3nmである。
【0046】本比較例の磁気記録媒体のpHは6.8で
あった。
【0047】
【比較例2】バック層3−支持体1−金属磁性層2−保
護層4−潤滑剤層5からなる磁気テープである。支持体
1は、6.3μm厚のPETフィルムである。金属磁性
層2は支持体1の表面上に設けられたものである。この
金属磁性層2はCo−O(O含有量は16at.%)蒸
着膜(pH=8.7)で、その厚さは170nmであ
る。
【0048】バック層3は、支持体1の裏面上に設けら
れたものである。このバック層3は、カーボンブラック
と炭酸カルシウムとの混合物(混合重量比は前者:後者
=2:1)をポリウレタンとニトロセルロースとの混合
物(混合重量比は前者:後者=1:1)に分散させた塗
料をダイ塗工機で塗布し、100℃で乾燥させることに
よって形成されたものである。その厚さは0.5μmで
あり、pHは7.9であった。
【0049】保護層4は金属磁性層2の上に設けられた
ダイヤモンドライクカーボン層である。このダイヤモン
ドライクカーボン層4は、ECRプラズマCVD法によ
り形成されたもので、その厚さは15nmである。潤滑
剤層5は、保護層4の上に塗布手段により設けられたも
のである。潤滑剤層5を形成した潤滑剤はフッ素系潤滑
剤(ダイキン工業社製の商品名DEMNUM、平均分子
量2300、分子内に水酸基を1個持つ。)である。そ
して、保護層4の上に設けられた潤滑剤層5の厚さは2
nmである。
【0050】本比較例の磁気記録媒体のpHは8.5で
あった。
【0051】
【特性】上記各例で得た8mmVTR用磁気テープにつ
いて、耐蝕性、及び磁気ヘッドの耐蝕性を調べたので、
その結果を表−1に示す。又、磁気テープのpHを調べ
たので、その結果も表−1に示す。 表−1 pH 磁気テープ耐蝕性(%) 磁気ヘッド耐蝕性 1週間後 4週間後 実施例1 7.7 −2 −4 腐食なし 実施例2 7.9 −2 −5 腐食なし 実施例3 8.3 −3 −6 腐食なし 実施例4 7.2 −1 −4 腐食なし 実施例5 7.4 −2 −4 腐食なし 比較例1 6.8 −9 −28 腐食なし 比較例2 8.5 −7 −19 腐食あり *pHは、1気圧下で20℃の精製水(pH7.0)1
00g中に磁気テープ5gを浸漬し、その後加熱(昇温
速度10℃/min)して1気圧下で100℃に5分間
保持し、その後自然放冷により1気圧下で20℃になっ
た後の溶液のpHである。
【0052】*磁気テープの耐蝕性は、カセットにロー
ディングした状態で40℃、80%RH下に放置した後
の飽和磁束密度Bsの劣化度で表示した。 *磁気ヘッドの耐蝕性は、磁気テープを磁気ヘッドに接
触させたまま、これを40℃、80%RH下に1週間放
置した後の磁気ヘッド表面の腐食を観察して表示した。
これによれば、本発明の磁気記録媒体は、耐蝕性に優れ
たものであり、かつ、磁気ヘッドに悪影響を与え難いも
のであることが判る。
【0053】
【発明の効果】1気圧下で20℃の精製水(pH7.
0)100g中に前記磁気記録媒体5gを浸漬して1気
圧下で100℃に5分間保持し、その後自然放冷により
1気圧下で20℃になった後の溶液のpHが7.2〜
8.4であるよう構成させたので、当該磁気記録媒体
は、耐蝕性に優れ、かつ、磁気ヘッドに悪影響を与え難
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の概略断面図
【符号の説明】
1 支持体 2 金属磁性層 3 バック層 4 保護層 5 潤滑剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 修 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社研究所内 (72)発明者 遠藤 克巳 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社研究所内 (72)発明者 宮村 猛史 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と金属磁性層とを具備し、前記支
    持体の上に前記金属磁性層が設けられた磁気記録媒体で
    あって、 1気圧下で20℃の精製水(pH7.0)100g中に
    前記磁気記録媒体5gを浸漬して1気圧下で100℃に
    5分間保持し、その後自然放冷により1気圧下で20℃
    になった後の溶液のpHが7.2〜8.4であることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 自然放冷により1気圧下で20℃になっ
    た後の溶液のpHが7.6〜8.2であることを特徴と
    する請求項1の磁気記録媒体。
JP15644997A 1997-06-13 1997-06-13 磁気記録媒体 Pending JPH117621A (ja)

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