JPH1175580A - 農業用被覆シート - Google Patents
農業用被覆シートInfo
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- JPH1175580A JPH1175580A JP9257869A JP25786997A JPH1175580A JP H1175580 A JPH1175580 A JP H1175580A JP 9257869 A JP9257869 A JP 9257869A JP 25786997 A JP25786997 A JP 25786997A JP H1175580 A JPH1175580 A JP H1175580A
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- film
- tape
- weft
- covering sheet
- agricultural covering
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/25—Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor
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- Greenhouses (AREA)
- Knitting Of Fabric (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
- Protection Of Plants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】夜間の防霜性および保温性に優れるとともに、
日中の通気性に優れ、被覆系内の温度上昇を抑えること
ができる農業用被覆シートを提供する。 【解決手段】吸湿時と乾燥時との収縮率の異なるフィル
ムを積層することにより乾燥時にカーリングを生ずるテ
ープ状物とし、これをラッセル編みして吸湿時と乾燥時
において空隙率が変化するシートとする。
日中の通気性に優れ、被覆系内の温度上昇を抑えること
ができる農業用被覆シートを提供する。 【解決手段】吸湿時と乾燥時との収縮率の異なるフィル
ムを積層することにより乾燥時にカーリングを生ずるテ
ープ状物とし、これをラッセル編みして吸湿時と乾燥時
において空隙率が変化するシートとする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、お茶等の作物の防
霜および夜間の保温を目的として使用される農業用被覆
シートに関し、更に詳しくは、日中の高温時には資材空
隙率を増加させ、又夜間の低温時には空隙率を減少させ
る事によって、日中の被覆系内の高温を防止するととも
に、夜間には十分な保温性、防霜性を有し、かつ、展張
時に適当なサイズとする為に幅方向に挟、カッター等に
よって切断しても、切断面よりテープ状物、又は糸状物
の解れる事の無い農業用被覆シートに関する。
霜および夜間の保温を目的として使用される農業用被覆
シートに関し、更に詳しくは、日中の高温時には資材空
隙率を増加させ、又夜間の低温時には空隙率を減少させ
る事によって、日中の被覆系内の高温を防止するととも
に、夜間には十分な保温性、防霜性を有し、かつ、展張
時に適当なサイズとする為に幅方向に挟、カッター等に
よって切断しても、切断面よりテープ状物、又は糸状物
の解れる事の無い農業用被覆シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より防霜、保温用の被覆材として
は、フィルム、ネット状物、編織物又は不織布等の様々
な形態のシート状物が使用されていた。そしてフィルム
には保温性の高い素材として塩化ビニル等が使用され、
ネット状物、編織物及び不織布にはポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル等が使用されていた。
は、フィルム、ネット状物、編織物又は不織布等の様々
な形態のシート状物が使用されていた。そしてフィルム
には保温性の高い素材として塩化ビニル等が使用され、
ネット状物、編織物及び不織布にはポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル等が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】春先に発生する晩霜の
被害を防止する目的で、防霜用被覆材が広く使用されて
いる。この時期に於いては、夜間は温度が低下し時には
霜害が発生するのに対し、日中は日射量が多く被覆系内
の温度が上昇するので作物の高温障害が起こる事があ
る。従って防霜、保温を目的に使用される被覆材に必要
とされる機能としては、夜間の防霜、保温効果ととも
に、日中の被覆系内温度上昇の防止が重要となる。後者
は通気性がある事が必要とされ、前者については霜の資
材への付着性の良い事、赤外線の透過率の低い事等が必
要とされる。
被害を防止する目的で、防霜用被覆材が広く使用されて
いる。この時期に於いては、夜間は温度が低下し時には
霜害が発生するのに対し、日中は日射量が多く被覆系内
の温度が上昇するので作物の高温障害が起こる事があ
る。従って防霜、保温を目的に使用される被覆材に必要
とされる機能としては、夜間の防霜、保温効果ととも
に、日中の被覆系内温度上昇の防止が重要となる。後者
は通気性がある事が必要とされ、前者については霜の資
材への付着性の良い事、赤外線の透過率の低い事等が必
要とされる。
【0004】従来のように、防霜、保温用の被覆材とし
てフィルムを使用した場合には、通気性が無く日中の被
覆系内温度が高くなる為、所謂換気作業が必要であり多
大な労力を要するという問題があった。また、ネット状
物、編織物、不織布等を使用した場合には、資材自体に
通気性があり、換気作業を省力化する事が可能である
が、上述のポリエチレン等の素材では、素材が疎水性で
ある為霜の付着性が悪く、又赤外線透過率が高い事から
夜間の保温効果については十分ではなかった。
てフィルムを使用した場合には、通気性が無く日中の被
覆系内温度が高くなる為、所謂換気作業が必要であり多
大な労力を要するという問題があった。また、ネット状
物、編織物、不織布等を使用した場合には、資材自体に
通気性があり、換気作業を省力化する事が可能である
が、上述のポリエチレン等の素材では、素材が疎水性で
ある為霜の付着性が悪く、又赤外線透過率が高い事から
夜間の保温効果については十分ではなかった。
【0005】そこで、資材を構成する素材として、吸湿
性が高く資材表面に霜が吸着・付着する為防霜性に優
れ、赤外線透過率が低く保温性の高い、ポリビニルアル
コール系合成樹脂を用いることが検討された。その一つ
として、ポリビニルアルコール系合成樹脂よりなるスリ
ットヤーンを経糸又は緯糸の一方に使用し、製編又は製
織し、空隙率10%〜70%の構造物としてなる農業用
被覆材が知られている(特公昭62−17486号
報)。この農業用被覆材は保温性、防霜性、耐久性に優
れ、又通気性がある為日中の換気操作を省力化する事が
出来る。
性が高く資材表面に霜が吸着・付着する為防霜性に優
れ、赤外線透過率が低く保温性の高い、ポリビニルアル
コール系合成樹脂を用いることが検討された。その一つ
として、ポリビニルアルコール系合成樹脂よりなるスリ
ットヤーンを経糸又は緯糸の一方に使用し、製編又は製
織し、空隙率10%〜70%の構造物としてなる農業用
被覆材が知られている(特公昭62−17486号
報)。この農業用被覆材は保温性、防霜性、耐久性に優
れ、又通気性がある為日中の換気操作を省力化する事が
出来る。
【0006】しかしながら、ポリビニルアルコールは高
結晶性の合成高分子であり、ガラス転移点が高く、常温
にてはガラス状態であって、硬く脆い性質を有する。こ
の為、ポリビニルアルコール系合成樹脂よりなるテープ
ヤーンは製編、製織工程にて該テープヤーンに掛かるテ
ンション及び緯方向からの応力によって切断されてしま
い、生産効率が低いという問題があった。又、テープヤ
ーン強度を上げる為にヤーンのデニールを上げる事も可
能であるが、コストが高くなるのはもちろんの事、上述
の様に常温ではガラス状態である事から膜厚が大きいと
得られる資材が剛直な物になってしまい、作物に被覆し
た場合、作物と資材との擦過によって該作物を傷めてし
まうという問題があった。
結晶性の合成高分子であり、ガラス転移点が高く、常温
にてはガラス状態であって、硬く脆い性質を有する。こ
の為、ポリビニルアルコール系合成樹脂よりなるテープ
ヤーンは製編、製織工程にて該テープヤーンに掛かるテ
ンション及び緯方向からの応力によって切断されてしま
い、生産効率が低いという問題があった。又、テープヤ
ーン強度を上げる為にヤーンのデニールを上げる事も可
能であるが、コストが高くなるのはもちろんの事、上述
の様に常温ではガラス状態である事から膜厚が大きいと
得られる資材が剛直な物になってしまい、作物に被覆し
た場合、作物と資材との擦過によって該作物を傷めてし
まうという問題があった。
【0007】また、熱処理されたポリビニルアルコール
系合成樹脂よりなる複数本の帯状皮膜体を帯状皮膜体中
央部で、ポリビニルアルコール系合成樹脂網目体と接合
してなる農業用被覆資材が知られている(特公昭60−
44136号報)。この農業用被覆材は前記帯状皮膜体
が吸放湿する事によって伸縮を生じる事を利用し、日中
には該帯状皮膜体が乾燥により収縮する事によって資材
空隙率が増加し、夜間には該帯状皮膜体が湿潤により伸
長する事によって資材空隙率が低下し、密閉に近い状態
となる為、日中の高温防止、及び夜間の保温性とを共に
向上させる事が可能となる。
系合成樹脂よりなる複数本の帯状皮膜体を帯状皮膜体中
央部で、ポリビニルアルコール系合成樹脂網目体と接合
してなる農業用被覆資材が知られている(特公昭60−
44136号報)。この農業用被覆材は前記帯状皮膜体
が吸放湿する事によって伸縮を生じる事を利用し、日中
には該帯状皮膜体が乾燥により収縮する事によって資材
空隙率が増加し、夜間には該帯状皮膜体が湿潤により伸
長する事によって資材空隙率が低下し、密閉に近い状態
となる為、日中の高温防止、及び夜間の保温性とを共に
向上させる事が可能となる。
【0008】ここで、ポリビニルアルコールは吸放湿に
よって、収縮・伸長を繰り返すのあるが、未延伸フィル
ムの場合、伸縮の方向性が無く全方位に対して伸縮運動
が繰り返されるという特性を有する。また熱処理を行い
寸法安定性を向上させた場合であっても伸縮の無方向性
は変化せず、緯方向に伸縮するのと同様に経方向に対し
ても伸縮が生じるのであって、基材と固着一体化した場
合得られるシートの寸法安定性が低下するのに加え、基
材とポリビニルアルコール系合成樹脂皮膜との伸縮差が
大きい場合には基材とポリビニルアルコール系合成樹脂
皮膜との層間に於いて接着剥がれが発生するに至る場合
があるという不都合が生じていた。
よって、収縮・伸長を繰り返すのあるが、未延伸フィル
ムの場合、伸縮の方向性が無く全方位に対して伸縮運動
が繰り返されるという特性を有する。また熱処理を行い
寸法安定性を向上させた場合であっても伸縮の無方向性
は変化せず、緯方向に伸縮するのと同様に経方向に対し
ても伸縮が生じるのであって、基材と固着一体化した場
合得られるシートの寸法安定性が低下するのに加え、基
材とポリビニルアルコール系合成樹脂皮膜との伸縮差が
大きい場合には基材とポリビニルアルコール系合成樹脂
皮膜との層間に於いて接着剥がれが発生するに至る場合
があるという不都合が生じていた。
【0009】上述の不都合を防止する為にはポリビニル
アルコール系合成樹脂皮膜の伸縮の程度を小さくする必
要があり、そのためには、寸法安定性を高める必要があ
るが、そのようにすると日中と夜間との空隙率の差を大
きく取る事が出来ないという問題があった。上述の理由
により、このような条件のなかで日中の資材空隙率を大
きくするには、細巾の帯状皮膜体を多数本設置する等の
方法があるが、この場合、帯状皮膜体と網状体との接着
加工が煩雑であり加工費が高く、従って得られる資材が
高価な物になってしまうという問題があった。
アルコール系合成樹脂皮膜の伸縮の程度を小さくする必
要があり、そのためには、寸法安定性を高める必要があ
るが、そのようにすると日中と夜間との空隙率の差を大
きく取る事が出来ないという問題があった。上述の理由
により、このような条件のなかで日中の資材空隙率を大
きくするには、細巾の帯状皮膜体を多数本設置する等の
方法があるが、この場合、帯状皮膜体と網状体との接着
加工が煩雑であり加工費が高く、従って得られる資材が
高価な物になってしまうという問題があった。
【0010】又、上記防霜用被覆資材は、展張時に適当
な大きさとする為に、資材幅方向に切断した場合、該切
断面より経糸及び緯糸の解れが発生、成長する為に、解
れが伝播しないよう何らかの処置を施す必要があり、使
用上の問題となっていた。
な大きさとする為に、資材幅方向に切断した場合、該切
断面より経糸及び緯糸の解れが発生、成長する為に、解
れが伝播しないよう何らかの処置を施す必要があり、使
用上の問題となっていた。
【0011】本願発明は上述の問題点に鑑み為された物
であって、日中の通気性、夜間の防霜、保温性に優れ、
且つ生産効率が高く安価な農業用被覆シートを提供する
事を目的とするとともに、幅方向に切断した場合であっ
ても経糸及び緯糸の解れる事の無い農業用被覆シートを
提供する事を目的とする。
であって、日中の通気性、夜間の防霜、保温性に優れ、
且つ生産効率が高く安価な農業用被覆シートを提供する
事を目的とするとともに、幅方向に切断した場合であっ
ても経糸及び緯糸の解れる事の無い農業用被覆シートを
提供する事を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る請求項1の発明は、テープ状物を、緯
糸、または緯糸および経糸に使用し、織編物とした農業
用被覆シートであって、乾燥時にテープ状物がカーリン
グを起こし、吸湿時にはカーリングが解除されることに
より、乾燥時と吸湿時の資材空隙率が変化することを特
徴とする農業用被覆シートである。また、請求項2の発
明はテープ状物を、緯糸、または緯糸および経糸に使用
し、ラッセル編みしてなる農業用被覆シートであって、
乾燥時にテープ状物がカーリングを起こし、吸湿時には
カーリングが解除されることにより、乾燥時と給湿時の
資材空隙率が変化するることを特徴とする農業用被覆シ
ートである。また、請求項3の発明は親水性のフィルム
と疎水性のフィルムとを積層してなる複合フィルムから
なるテープ状物を、緯糸、または緯糸および経糸に使用
し、織編物とした農業用被覆シートである。また、請求
項4の発明は親水性のフィルムと疎水性のフィルムとを
積層してなる複合フィルムからなるテープ状物を、緯
糸、または緯糸および経糸に使用し、ラッセル編みして
なる農業用被覆シートである。また、請求項5の発明は
請求項3または4記載の農業用被覆シートにおいて、前
記親水性フィルムが、吸湿性を有し、吸湿時には膨潤、
伸長し、また、乾燥時には収縮し、この吸湿時と乾燥時
との収縮の度合いの大きいフィルムであり、かつ、前記
疎水性フィルムが吸湿時と乾燥時との収縮の度合いの小
さいフィルムであることを特徴とするものである。ま
た、請求項5の発明は請求項3乃至5記載の農業用被覆
シートにおいて、前記親水性フィルムが、経緯方向に延
伸されたポリビニルアルコールフィルムであることを特
徴とするものである。
の本発明に係る請求項1の発明は、テープ状物を、緯
糸、または緯糸および経糸に使用し、織編物とした農業
用被覆シートであって、乾燥時にテープ状物がカーリン
グを起こし、吸湿時にはカーリングが解除されることに
より、乾燥時と吸湿時の資材空隙率が変化することを特
徴とする農業用被覆シートである。また、請求項2の発
明はテープ状物を、緯糸、または緯糸および経糸に使用
し、ラッセル編みしてなる農業用被覆シートであって、
乾燥時にテープ状物がカーリングを起こし、吸湿時には
カーリングが解除されることにより、乾燥時と給湿時の
資材空隙率が変化するることを特徴とする農業用被覆シ
ートである。また、請求項3の発明は親水性のフィルム
と疎水性のフィルムとを積層してなる複合フィルムから
なるテープ状物を、緯糸、または緯糸および経糸に使用
し、織編物とした農業用被覆シートである。また、請求
項4の発明は親水性のフィルムと疎水性のフィルムとを
積層してなる複合フィルムからなるテープ状物を、緯
糸、または緯糸および経糸に使用し、ラッセル編みして
なる農業用被覆シートである。また、請求項5の発明は
請求項3または4記載の農業用被覆シートにおいて、前
記親水性フィルムが、吸湿性を有し、吸湿時には膨潤、
伸長し、また、乾燥時には収縮し、この吸湿時と乾燥時
との収縮の度合いの大きいフィルムであり、かつ、前記
疎水性フィルムが吸湿時と乾燥時との収縮の度合いの小
さいフィルムであることを特徴とするものである。ま
た、請求項5の発明は請求項3乃至5記載の農業用被覆
シートにおいて、前記親水性フィルムが、経緯方向に延
伸されたポリビニルアルコールフィルムであることを特
徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、上述した本発明に係る農業
用被覆シートの一実施形態について説明する。
用被覆シートの一実施形態について説明する。
【0014】上述したように本発明に係る農業用被覆シ
ートは、緯糸又は緯糸及び経糸に、親水性であり、吸湿
時と乾燥時との収縮差の度合いの大きいフィルム(以
下、「フィルム1」という)と、疎水性であり、吸湿時
と乾燥時の伸縮差の度合いの小さいフィルム(以下、
「フィルム2」という)とを、積層してなる複合フィル
ムより得られるテープ状物を使用したものである。複合
フィルムの構造を図1に示す。該テープ状物は、環境湿
度の変化に伴う素材間の収縮差によってカーリングが生
じたり、カーリングが補正されたりする特性を有する。
ートは、緯糸又は緯糸及び経糸に、親水性であり、吸湿
時と乾燥時との収縮差の度合いの大きいフィルム(以
下、「フィルム1」という)と、疎水性であり、吸湿時
と乾燥時の伸縮差の度合いの小さいフィルム(以下、
「フィルム2」という)とを、積層してなる複合フィル
ムより得られるテープ状物を使用したものである。複合
フィルムの構造を図1に示す。該テープ状物は、環境湿
度の変化に伴う素材間の収縮差によってカーリングが生
じたり、カーリングが補正されたりする特性を有する。
【0015】カーリングが生じるのは、乾燥時にはフィ
ルム1層が収縮するのに対しフィルム2層は殆ど寸法変
化が生じない事から、全体として複合フィルムはフィル
ム1層を内側に丸くなる為である。逆にカーリングが補
正されるのは、環境湿度が乾燥時から多湿時に移行する
際に、フィルム1層が徐々に吸湿し膨潤、伸長するのに
対しフィルム2層は殆ど寸法変化を生じない事から、上
述と逆の挙動を示す為である。
ルム1層が収縮するのに対しフィルム2層は殆ど寸法変
化が生じない事から、全体として複合フィルムはフィル
ム1層を内側に丸くなる為である。逆にカーリングが補
正されるのは、環境湿度が乾燥時から多湿時に移行する
際に、フィルム1層が徐々に吸湿し膨潤、伸長するのに
対しフィルム2層は殆ど寸法変化を生じない事から、上
述と逆の挙動を示す為である。
【0016】ここでフィルム1は、乾燥時に3%以上、
10%以下、好適には3%以上、8%以下の収縮率を有
するのが適当である。又、吸湿時に−2%以上、2.5
%以下、好適には−1%以上、2%以下の収縮率を有す
るのが適当である。ここで、収縮率とは、温度23±2
℃、湿度50±5%RHの環境において88時間静置し
た時点での長さを基準として、寸法変化した比率を収縮
方向に+、伸長方向に−であらわしたものであって、乾
燥時の収縮率とは素材の吸収水分量が略0%の時点の寸
法変化の比率であり、吸湿時の収縮率とは吸水(吸湿)
量がほぼ恒量に達した時点の寸法変化の比率を表記した
ものである。
10%以下、好適には3%以上、8%以下の収縮率を有
するのが適当である。又、吸湿時に−2%以上、2.5
%以下、好適には−1%以上、2%以下の収縮率を有す
るのが適当である。ここで、収縮率とは、温度23±2
℃、湿度50±5%RHの環境において88時間静置し
た時点での長さを基準として、寸法変化した比率を収縮
方向に+、伸長方向に−であらわしたものであって、乾
燥時の収縮率とは素材の吸収水分量が略0%の時点の寸
法変化の比率であり、吸湿時の収縮率とは吸水(吸湿)
量がほぼ恒量に達した時点の寸法変化の比率を表記した
ものである。
【0017】乾燥時の収縮率が3%よりも小さい場合
は、十分なカーリングが得られず、又10%よりも大き
い場合には素材間の収縮差が大きい為に接着剥がれが生
じやすく適当ではない。又、吸湿時の収縮率が−2%よ
りも小さい場合は、逆にフィルム2層を内側としてカー
リングが発生し、又2.5%よりも大きい場合は十分に
カーリングが補正されず適当ではない。
は、十分なカーリングが得られず、又10%よりも大き
い場合には素材間の収縮差が大きい為に接着剥がれが生
じやすく適当ではない。又、吸湿時の収縮率が−2%よ
りも小さい場合は、逆にフィルム2層を内側としてカー
リングが発生し、又2.5%よりも大きい場合は十分に
カーリングが補正されず適当ではない。
【0018】フィルム1として使用できる素材として、
ポリビニルアルコールフィルムが挙げられる。しかしな
がらポリビニルアルコールフィルムは未加工の状態では
湿度変化に伴う伸縮が大きすぎるため、上述の目的に合
致しないことから、経緯方向に延伸することによって結
晶化度、配向度等を向上させ、伸縮を抑える必要があ
る。
ポリビニルアルコールフィルムが挙げられる。しかしな
がらポリビニルアルコールフィルムは未加工の状態では
湿度変化に伴う伸縮が大きすぎるため、上述の目的に合
致しないことから、経緯方向に延伸することによって結
晶化度、配向度等を向上させ、伸縮を抑える必要があ
る。
【0019】PVAの吸放湿に伴う寸法変化を小さくす
る方法としては、熱処理による結晶化、又は延伸加工に
よる結晶化によってなされるが、皮膜強度が向上し且つ
短時間に処理を施す事が可能な事から延伸加工が一般的
である。ここで、PVAの吸放湿に伴う寸法変化は皮膜
の結晶化度及び高分子鎖の配向に大きく影響され、特に
延伸PVA皮膜に対する影響は顕著であり、延伸方法、
延伸倍率、等によって異なる値を示す。すなわち延伸方
法、延伸倍率、等を制御する事によって、目的とするP
VA皮膜の適正な吸放湿に伴う寸法変化を得られるので
あり、又その方向性の制御も可能になるのである。
る方法としては、熱処理による結晶化、又は延伸加工に
よる結晶化によってなされるが、皮膜強度が向上し且つ
短時間に処理を施す事が可能な事から延伸加工が一般的
である。ここで、PVAの吸放湿に伴う寸法変化は皮膜
の結晶化度及び高分子鎖の配向に大きく影響され、特に
延伸PVA皮膜に対する影響は顕著であり、延伸方法、
延伸倍率、等によって異なる値を示す。すなわち延伸方
法、延伸倍率、等を制御する事によって、目的とするP
VA皮膜の適正な吸放湿に伴う寸法変化を得られるので
あり、又その方向性の制御も可能になるのである。
【0020】本発明に使用されるポリビニルアルコール
フィルムの経緯方向への延伸倍率は、2.0倍から4.
0倍であって、好適には2.5倍から3.5倍である。
延伸倍率が2.0倍より小さい場合は延伸効果が十分で
なく適切な収縮率を得ることが出来ない。又4.0倍よ
りも大きい場合には延伸効果は大きいが過延伸であり、
フィビリル化が生じたり、延伸切れが生じたりすること
から適切ではない。しかし、もちろんの事であるが、乾
燥時と吸湿時の収縮率が上述の範囲内にあるのであれ
ば、特に限定される物では無い。
フィルムの経緯方向への延伸倍率は、2.0倍から4.
0倍であって、好適には2.5倍から3.5倍である。
延伸倍率が2.0倍より小さい場合は延伸効果が十分で
なく適切な収縮率を得ることが出来ない。又4.0倍よ
りも大きい場合には延伸効果は大きいが過延伸であり、
フィビリル化が生じたり、延伸切れが生じたりすること
から適切ではない。しかし、もちろんの事であるが、乾
燥時と吸湿時の収縮率が上述の範囲内にあるのであれ
ば、特に限定される物では無い。
【0021】フィルム2として使用出来る素材として
は、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等が
挙げられ、乾燥時、吸湿時の寸法変化が殆ど無い、或い
は小さい素材であれば特に限定される物では無い。又素
材の耐候性を向上させる為の紫外線吸収剤等の薬剤を添
加してもよい。
は、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等が
挙げられ、乾燥時、吸湿時の寸法変化が殆ど無い、或い
は小さい素材であれば特に限定される物では無い。又素
材の耐候性を向上させる為の紫外線吸収剤等の薬剤を添
加してもよい。
【0022】フィルム1とフィルム2とを積層し、複合
フィルムを得る方法としては、押出ラミネート法、ドラ
イラミネート法等の既知のいかなる方法によっても良
い。厚みについては、強度を保持する為に、フィルム
1、フィルム2共に10μm以上が必要であり、資材の柔
軟性の点から、複合フィルムの厚みを75μm以下に設定
する必要がある。該複合フィルムを適宜方法によって、
スリットテープ等のテープ状物に加工する事が出来る
が、得られるテープ状物の幅は、製造上効率の良い事、
カーリングによって空隙率の上がる効果の良い事より、
3mmから15mmの範囲で設定するのが良い。
フィルムを得る方法としては、押出ラミネート法、ドラ
イラミネート法等の既知のいかなる方法によっても良
い。厚みについては、強度を保持する為に、フィルム
1、フィルム2共に10μm以上が必要であり、資材の柔
軟性の点から、複合フィルムの厚みを75μm以下に設定
する必要がある。該複合フィルムを適宜方法によって、
スリットテープ等のテープ状物に加工する事が出来る
が、得られるテープ状物の幅は、製造上効率の良い事、
カーリングによって空隙率の上がる効果の良い事より、
3mmから15mmの範囲で設定するのが良い。
【0023】上記テープ状物を緯糸、又は緯糸及び経糸
に使用して、ラッセル編を行い本発明の農業用被覆シー
トを得る事が出来る。テープ状物を緯糸4に使用した例
を図2に示す。編加工時に経糸5を鎖編みする事によっ
て形成されるウェルの間隔は、複合フィルム構成、テー
プ幅、又はカーリングの程度を鑑み適宜設定するのが良
いが、資材の柔軟性、及び取り扱い性の面より、10m
mから100mmの範囲で設定するのが適当である。経
糸としては上記テープ状物の他に、ポリエチレン、ポリ
エステル、塩化ビニル、ナイロン、ビニロン等のモノフ
ィラメント、マルチフィラメント及びテープ状物等を使
用する事が出来る。
に使用して、ラッセル編を行い本発明の農業用被覆シー
トを得る事が出来る。テープ状物を緯糸4に使用した例
を図2に示す。編加工時に経糸5を鎖編みする事によっ
て形成されるウェルの間隔は、複合フィルム構成、テー
プ幅、又はカーリングの程度を鑑み適宜設定するのが良
いが、資材の柔軟性、及び取り扱い性の面より、10m
mから100mmの範囲で設定するのが適当である。経
糸としては上記テープ状物の他に、ポリエチレン、ポリ
エステル、塩化ビニル、ナイロン、ビニロン等のモノフ
ィラメント、マルチフィラメント及びテープ状物等を使
用する事が出来る。
【0024】テープ状物はラッセル編を行いウェルに形
成されるループにて折り返される事から、フィルム1層
の収縮時(乾燥時)に強固にカーリングし、筒状になっ
てしまうという問題点の発生が無く、湿潤時にはフィル
ム1層が速やかに吸湿を行い膨潤(伸長)する事によっ
てカーリングが完全に補正される事が可能となる。例え
ば、からみ織りのごとき緯糸が折り返される事無く挿入
されている様な構成の場合、テープ状物は強固にカーリ
ングしてしまい、更にはフィルム1層がフィルム2層に
よって挟まれた筒状になる事から、湿潤時にフィルム1
層が完全に吸湿する事が出来ず、カーリングは完全に補
正されず、従って夜間の保温性、防霜性を向上させる事
が困難となる。
成されるループにて折り返される事から、フィルム1層
の収縮時(乾燥時)に強固にカーリングし、筒状になっ
てしまうという問題点の発生が無く、湿潤時にはフィル
ム1層が速やかに吸湿を行い膨潤(伸長)する事によっ
てカーリングが完全に補正される事が可能となる。例え
ば、からみ織りのごとき緯糸が折り返される事無く挿入
されている様な構成の場合、テープ状物は強固にカーリ
ングしてしまい、更にはフィルム1層がフィルム2層に
よって挟まれた筒状になる事から、湿潤時にフィルム1
層が完全に吸湿する事が出来ず、カーリングは完全に補
正されず、従って夜間の保温性、防霜性を向上させる事
が困難となる。
【0025】本願発明によって得られる農業用被覆シー
トに於いては、資材を構成するテープヤーンが、ポリビ
ニルアルコール/ポリエチレン(PVA/PE)の二層
以上の複合フィルムよりなっており、ガラス転移点が低
く常温で可塑性の大きいPE層の存在によって、テープ
ヤーンの膜厚が小さくとも製編時にテープヤーンが切断
される事が無く、きわめて容易に生産を行う事が出来、
又得られる資材も柔軟である事より、作物に被覆した場
合にも、作物と資材との擦過によって該作物を傷つける
事が無い。
トに於いては、資材を構成するテープヤーンが、ポリビ
ニルアルコール/ポリエチレン(PVA/PE)の二層
以上の複合フィルムよりなっており、ガラス転移点が低
く常温で可塑性の大きいPE層の存在によって、テープ
ヤーンの膜厚が小さくとも製編時にテープヤーンが切断
される事が無く、きわめて容易に生産を行う事が出来、
又得られる資材も柔軟である事より、作物に被覆した場
合にも、作物と資材との擦過によって該作物を傷つける
事が無い。
【0026】本願発明によって得られる農業用シート
は、PVA層とPE層の伸縮差によって、テープヤーン
が巾方向にカーリングする事によって資材空隙率が変化
することから、PVA層自体の伸縮差以上に資材の空隙
を変化させる事が可能であり、PVA層の吸放湿による
伸縮差が小さくとも、空隙率の昼夜の変化率を大きくす
る事が出来る。又、PVA層の寸法安定性を十分付与さ
せる事が出来る事から、疎水性合成樹脂フィルムとの接
着剥れ等の不都合を生じる事が無い。
は、PVA層とPE層の伸縮差によって、テープヤーン
が巾方向にカーリングする事によって資材空隙率が変化
することから、PVA層自体の伸縮差以上に資材の空隙
を変化させる事が可能であり、PVA層の吸放湿による
伸縮差が小さくとも、空隙率の昼夜の変化率を大きくす
る事が出来る。又、PVA層の寸法安定性を十分付与さ
せる事が出来る事から、疎水性合成樹脂フィルムとの接
着剥れ等の不都合を生じる事が無い。
【0027】更に、緯糸を構成するテープヤーン自体の
寸法安定性を向上させられる事に加え、本願発明によっ
て得られる農業用被覆シートはラッセル編によって構成
されている為、若干の寸法変化は資材構成中へ吸収され
る事から、例えば資材を栽培施設に固定して使用する際
であっても支障を来す事が無い。本願発明によって得ら
れる農業用被覆シートは、構造(構成)がラッセル編の
為資材として経緯方向に伸縮性を有し展張時の固定軸の
ズレを吸収するという利点もある。
寸法安定性を向上させられる事に加え、本願発明によっ
て得られる農業用被覆シートはラッセル編によって構成
されている為、若干の寸法変化は資材構成中へ吸収され
る事から、例えば資材を栽培施設に固定して使用する際
であっても支障を来す事が無い。本願発明によって得ら
れる農業用被覆シートは、構造(構成)がラッセル編の
為資材として経緯方向に伸縮性を有し展張時の固定軸の
ズレを吸収するという利点もある。
【0028】又,本願発明によって得られる農業用被覆
シートは、通常のラミネート機及びラッセル編み機にて
容易に実施が可能であり、何ら特殊な処理を必要としな
い事から、安価に生産する事が可能である。
シートは、通常のラミネート機及びラッセル編み機にて
容易に実施が可能であり、何ら特殊な処理を必要としな
い事から、安価に生産する事が可能である。
【0029】
(実施例1)厚み18μmの2軸延伸ポリビニルアルコ
ールフィルム(延伸倍率=経緯共3.0倍)にコロナ処
理を施した後、ポリエステル系接着剤を使用し、厚み2
5μmの一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムとドライ
ラミネートを行い得られた複合フィルムを、4.5mm
幅に切断してテープ状物を得た。前記テープ状物を緯糸
とし、ポリエチレンモノフィラメントを経糸としてラッ
セル編を行い、目的の資材を得た。この時経糸は鎖編を
構成しているのであるが、20mmピッチで2列1組の
ウェルが並列に設置されており、経糸は2列1組のウェ
ルのループを通過してターン部を形成した。
ールフィルム(延伸倍率=経緯共3.0倍)にコロナ処
理を施した後、ポリエステル系接着剤を使用し、厚み2
5μmの一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムとドライ
ラミネートを行い得られた複合フィルムを、4.5mm
幅に切断してテープ状物を得た。前記テープ状物を緯糸
とし、ポリエチレンモノフィラメントを経糸としてラッ
セル編を行い、目的の資材を得た。この時経糸は鎖編を
構成しているのであるが、20mmピッチで2列1組の
ウェルが並列に設置されており、経糸は2列1組のウェ
ルのループを通過してターン部を形成した。
【0030】(比較例1)厚み18μmの2軸延伸ポリ
ビニルアルコールフィルム(延伸倍率=経緯共3.0
倍)にコロナ処理を施した後、ポリエステル系接着剤を
使用し、厚み25μmの一軸延伸高密度ポリエチレンフ
ィルムとドライラミネートを行い得られた複合フィルム
を、4.5mm幅に切断してテープ状物を得た。前記テ
ープ状物を緯糸とし、ポリエチレンモノフィラメントを
経糸としてからみ織りを行い、目的の資材を得た。この
時、経糸によって形成されるからみのウェル間隔は、2
0mmピッチにて2列1組のウェルを形成した。
ビニルアルコールフィルム(延伸倍率=経緯共3.0
倍)にコロナ処理を施した後、ポリエステル系接着剤を
使用し、厚み25μmの一軸延伸高密度ポリエチレンフ
ィルムとドライラミネートを行い得られた複合フィルム
を、4.5mm幅に切断してテープ状物を得た。前記テ
ープ状物を緯糸とし、ポリエチレンモノフィラメントを
経糸としてからみ織りを行い、目的の資材を得た。この
時、経糸によって形成されるからみのウェル間隔は、2
0mmピッチにて2列1組のウェルを形成した。
【0031】実施例1にて得られた農業用被覆シート
を、乾燥状態(25℃、30%RH)、湿潤(多湿)状
態(5℃、95%RH)にて観察したところ、乾燥状態
では、図3に示すように、ウェル間にて緯糸であるテー
プ状物が適度にカーリングされ、テープ状物が絞られた
様な形状を取り空隙率が上昇し、これに対し、湿潤(多
湿)状態では、図4に示すように、ウェル間にて緯糸で
あるテープ状物が偏平な形状となり空隙率が減少した。
又、乾燥状態、湿潤状態を繰り返す事によっても、上述
の挙動は再現された。これに対して比較例1にて得られ
た農業用被覆シートを同様の状態で観察したところ、乾
燥時に緯糸であるテープ状物が、カーリングによって筒
状に丸くなってしまい、さらにはコイル状になる。する
と、湿潤状態において中心部が十分に吸湿できないた
め、カーリングが完全に補正されず、緯糸であるテープ
状物は筒状の形状を維持してしまった。加えて乾燥状
態、湿潤状態を繰り返すことによってより強固にカーリ
ングを生じ、目的の性能を得る事が出来なかった。
を、乾燥状態(25℃、30%RH)、湿潤(多湿)状
態(5℃、95%RH)にて観察したところ、乾燥状態
では、図3に示すように、ウェル間にて緯糸であるテー
プ状物が適度にカーリングされ、テープ状物が絞られた
様な形状を取り空隙率が上昇し、これに対し、湿潤(多
湿)状態では、図4に示すように、ウェル間にて緯糸で
あるテープ状物が偏平な形状となり空隙率が減少した。
又、乾燥状態、湿潤状態を繰り返す事によっても、上述
の挙動は再現された。これに対して比較例1にて得られ
た農業用被覆シートを同様の状態で観察したところ、乾
燥時に緯糸であるテープ状物が、カーリングによって筒
状に丸くなってしまい、さらにはコイル状になる。する
と、湿潤状態において中心部が十分に吸湿できないた
め、カーリングが完全に補正されず、緯糸であるテープ
状物は筒状の形状を維持してしまった。加えて乾燥状
態、湿潤状態を繰り返すことによってより強固にカーリ
ングを生じ、目的の性能を得る事が出来なかった。
【0032】又、実施例1にて得られた農業用シート
を、鋏を用いて幅方向に切断したところ、該切断面から
緯糸及び経糸の解れることが無く、未処理の状態で展張
を行い、問題無く使用することが可能であったが、比較
例1にて得られた農業用被覆シートの場合は、経糸の解
れが進行し次いで緯糸の脱落が生じた為、未処理の状態
で展張を行うことは不可であった。
を、鋏を用いて幅方向に切断したところ、該切断面から
緯糸及び経糸の解れることが無く、未処理の状態で展張
を行い、問題無く使用することが可能であったが、比較
例1にて得られた農業用被覆シートの場合は、経糸の解
れが進行し次いで緯糸の脱落が生じた為、未処理の状態
で展張を行うことは不可であった。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、日
中(乾燥時)資材空隙率が上昇することによって被覆系
内の温度上昇を抑制し、且つ夜間(湿潤時)資材空隙率
が減少することによって保温性、防霜性を高める事の可
能な農業用被覆シートを提供することが可能となる。
又、展張現場での寸法合せの為に、幅方向に切断し、長
さを短くする場合でも、該切断面より資材が解れ更には
分解に至る虞が無く、切断面を補修する必要の無いこと
から、展張作業を容易に行う事が出来る。
中(乾燥時)資材空隙率が上昇することによって被覆系
内の温度上昇を抑制し、且つ夜間(湿潤時)資材空隙率
が減少することによって保温性、防霜性を高める事の可
能な農業用被覆シートを提供することが可能となる。
又、展張現場での寸法合せの為に、幅方向に切断し、長
さを短くする場合でも、該切断面より資材が解れ更には
分解に至る虞が無く、切断面を補修する必要の無いこと
から、展張作業を容易に行う事が出来る。
【図1】本発明に係る複合フィルムの態様を示す説明図
である。
である。
【図2】本発明に係る農業用被覆シートの一実施形態を
示す模式図である。
示す模式図である。
【図3】本発明に係る農業用被覆シートのカーリング時
の様子を示す模式図である。
の様子を示す模式図である。
【図4】本発明に係る農業用被覆シートのカーリング解
除時の様子を示す模式図である。
除時の様子を示す模式図である。
1 フィルム1 2 フィルム2 3 複合フィルム 4 緯糸 5 経糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 勇 東京都中央区日本橋小舟町4番1号 平成 ポリマー株式会社内 (72)発明者 石井 清雄 東京都中央区日本橋小舟町4番1号 平成 ポリマー株式会社内 (72)発明者 砂山 好弘 東京都中央区日本橋小舟町4番1号 平成 ポリマー株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 テープ状物を、緯糸、または緯糸および
経糸に使用し、織編物とした農業用被覆シートであっ
て、乾燥時にテープ状物がカーリングを起こし、吸湿時
にはカーリングが解除されることにより、乾燥時と吸湿
時の資材空隙率が変化することを特徴とする農業用被覆
シート。 - 【請求項2】 テープ状物を、緯糸、または緯糸および
経糸に使用し、ラッセル編みしてなる農業用被覆シート
であって、乾燥時にテープ状物がカーリングを起こし、
吸湿時にはカーリングが解除されることにより、乾燥時
と給湿時の資材空隙率が変化するることを特徴とする農
業用被覆シート。 - 【請求項3】 親水性のフィルムと疎水性のフィルムと
を積層してなる複合フィルムからなるテープ状物を、緯
糸、または緯糸および経糸に使用し、織編物とした農業
用被覆シート。 - 【請求項4】 親水性のフィルムと疎水性のフィルムと
を積層してなる複合フィルムからなるテープ状物を、緯
糸、または緯糸および経糸に使用し、ラッセル編みして
なる農業用被覆シート。 - 【請求項5】 前記親水性フィルムが、吸湿性を有し、
吸湿時には膨潤、伸長し、また、乾燥時には収縮し、こ
の吸湿時と乾燥時との収縮の度合いの大きいフィルムで
あり、かつ、前記疎水性フィルムが吸湿時と乾燥時との
収縮の度合いの小さいフィルムであることを特徴とする
請求項3または4記載の農業用被覆シート。 - 【請求項6】 前記親水性フィルムが、経緯方向に延伸
されたポリビニルアルコールフィルムである請求項3乃
至5記載の農業用被覆シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25786997A JP3223368B2 (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 農業用被覆シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25786997A JP3223368B2 (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 農業用被覆シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1175580A true JPH1175580A (ja) | 1999-03-23 |
JP3223368B2 JP3223368B2 (ja) | 2001-10-29 |
Family
ID=17312313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25786997A Expired - Fee Related JP3223368B2 (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 農業用被覆シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3223368B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3131599U (ja) * | 2007-02-23 | 2007-05-17 | 大豊化学工業株式会社 | 農業用の防風防虫ネット |
JP2015229863A (ja) * | 2014-06-05 | 2015-12-21 | ユニチカトレーディング株式会社 | 落石防護柵に用いる落石防護ネット |
JP2017040031A (ja) * | 2011-03-10 | 2017-02-23 | カラツィス エス.エー.Karatzis S.A. | 伸長された編目を有する網 |
CN109477263A (zh) * | 2016-05-04 | 2019-03-15 | 卡拉齐斯股份公司工业及酒店企业 | 具有双经纱的塑料网和用于制造塑料网的设备 |
JP2021516197A (ja) * | 2018-03-05 | 2021-07-01 | コテシ−コンパニア デ テクステイス シンテティコス,エス.エー. | ベール包装用の農業用メッシュ |
US11070051B2 (en) | 2010-11-09 | 2021-07-20 | Solaredge Technologies Ltd. | Arc detection and prevention in a power generation system |
-
1997
- 1997-09-05 JP JP25786997A patent/JP3223368B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3131599U (ja) * | 2007-02-23 | 2007-05-17 | 大豊化学工業株式会社 | 農業用の防風防虫ネット |
US11070051B2 (en) | 2010-11-09 | 2021-07-20 | Solaredge Technologies Ltd. | Arc detection and prevention in a power generation system |
JP2017040031A (ja) * | 2011-03-10 | 2017-02-23 | カラツィス エス.エー.Karatzis S.A. | 伸長された編目を有する網 |
US9909239B2 (en) | 2011-03-10 | 2018-03-06 | Karatzis S.A. | Method for producing a net with elongated stitches |
JP2015229863A (ja) * | 2014-06-05 | 2015-12-21 | ユニチカトレーディング株式会社 | 落石防護柵に用いる落石防護ネット |
CN109477263A (zh) * | 2016-05-04 | 2019-03-15 | 卡拉齐斯股份公司工业及酒店企业 | 具有双经纱的塑料网和用于制造塑料网的设备 |
JP2019515156A (ja) * | 2016-05-04 | 2019-06-06 | カラトジス エス.エー. インダストリアル アンド ホテリエ エンタープライジズ | 二連の鎖を有するプラスチック網、及びプラスチック網を製造するための装置 |
US10604874B2 (en) | 2016-05-04 | 2020-03-31 | Karatzis S.A. Industrial & Hotelier Enterprises | Plastic mesh having double chains, and device for producing a plastic mesh |
JP2021516197A (ja) * | 2018-03-05 | 2021-07-01 | コテシ−コンパニア デ テクステイス シンテティコス,エス.エー. | ベール包装用の農業用メッシュ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3223368B2 (ja) | 2001-10-29 |
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Legal Events
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