JP3726350B2 - ネット状の農業用資材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は野菜、花、樹木等の栽培用ハウス若しくはトンネル等のカバー材等として使用されるネット状の農業用資材に関する。更に詳しくは熱融着性モノフィラメントと金属蒸着層及び保護層があるテープヤーンとが交織されたネット状の農業用資材に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種野菜や花等の園芸作物の育成時に、防虫や過度の太陽光線の照射を防ぐ目的で、通風性のあるネット状の農業用資材が用いられている。この農業資材として、各種熱可塑性樹脂のテープヤーンやモノフィラメント等を織製したネットやポリビニルアルコール紡績糸を織製しその織製物の経緯の交点を接着剤で固着した物等が用いられている。
これらはしかし繊維性材料のみを織製した物であるので、金属特有の光輝による害虫被忌避性が無く、しかも紡績糸のほつれや、ポリビニルアルコールの水による膨潤作用等により、ネットの目ずれが起きるので長時間の使用に耐えない。
【0003】
実公平5−23331号公報には、熱可塑性樹脂製のスプリットファイバーを拡幅し、交差積層し更に金属を蒸着し、該交差積層物の繊維の交点や金属蒸着面を接着剤や、熱可塑性樹脂で接着等をして製造した遮光ネットが開示されている。又、特開平7−274744号公報には、ポリビニルアルコールスプリットファイバーを拡幅、交差積層し、更にアルミニウム蒸着テープヤーンを積層して製造したネット状の農業用資材が開示されている。
前記の物は金属蒸着ヤーンが使用されているので、害虫被忌避性や遮光性等に優れるという効果がある。しかしスプリットヤーン特有の欠点、即ち割繊状態が均一な物が得られないので、拡幅交差積層されたネットは、それを構成する繊維の幅や空隙部の目のサイズが一定でなく防虫性が劣る。しかも該ネットの遮光率が不均一であるという課題がある。又拡幅交差積層後に金属を蒸着した物であるので、スプリットヤーンの交差部がずれ易く金属の蒸着が均一にできないという課題がある。
【0004】
又、実公平5−33339号広報には、蒸着面にポリエチレンの保護層がシールされた金属蒸着テープヤーンとモノフィラメントとを編織した遮光ネットが開示されている。該ネットは遮光性は優れるが、該モノフィラメントや該テープヤーンの編み目が相互に融着されていないので、目ずれが起きる。又この金属蒸着テープヤーンはその表面の保護層がポリエチレンのみである。
即ち接着剤と熱可塑性樹脂による二重の保護層が形成されていない。しかもその側面に保護層が形成されていないので、空気や湿気、各種消毒材の噴霧等により、その表面や側面から金属の酸化が促進したり、金属蒸着面にピンホールが発生したり、遮光ネットの遮光性が急激に悪化したりするという課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上述の先行技術の問題を解決すべく鋭意研究を行った。
そして、金属蒸着テープヤーンとモノフィラメントとを編織した構成を採用し、該金属蒸着テープヤーンは、一定を金属蒸着フィルを所定幅にスリットして製造し、更にその金属蒸着面を接着剤及び熱可塑性樹脂でシールするのみでなく、その側面をも同様にシールしたものを使用し、モノフィラメントと編織した後にはその編目に係る2種の繊維の交点を熱融着して所定以上の剥離強度とすることにより、既述の課題がすべて解決されることを知って本発明に到達した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は上記課題の解決された、剥離強度が高く、害虫威嚇性や、通気性があり、且つ長期間繰り返して使用できるネット状農業用資材を提供することにある。更に他の目的は、金属蒸着テープヤーンが長期間その金属が酸化や、ボイド等の発生がないネット状の農業用資材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成は下記の通りである。
(1)繊度100〜2500d/fの熱融着性モノフィラメントと、金属蒸着フィルムの蒸着面に接着剤が1〜3μmの厚さに付着され更に熱可塑性樹脂がシールされ且つ該フィルムの幅が2.5〜20mmにスリットされ、該スリットされたテープ状の物の両方の側面の金属部分が接着剤及び熱可塑性樹脂でシールされたテープヤーンが編織され、かくして得られた編織物中の該モノフィラメント同士の交点及び該モノフィラメントと該テープヤーンの交点の何れも熱融着され、且つ前記2種類の交点の何れも剥離強力が20g以上としてなるネット状の農業用資材であり、接着剤が熱可塑性接着剤またはエラストマー接着剤であり、熱融着性モノフィラメントが低融点熱可塑性樹脂と高融点熱可塑性樹脂からなり、且つ低融点熱可塑性樹脂が少なくとも繊維表面の一部を形成する複合モノフィラメントである農業用資材。
【0007】
(削除)
【0008】
(2)テープヤーンの両方の側面の金属部のシール材料が、該テープヤーンの金属蒸着面のシールに使用された接着剤及び熱可塑性樹脂と同一のものである(1)に記載のネット状の農業用資材。
【0009】
(3)テープヤーンの両方の側面の金属部のシール材料が、該テープヤーンの金属蒸着面に付着された物と同じ接着剤及び熱可塑性樹脂であり、該側面の金属部が前記テープヤーンの熱処理による前記接着剤及び熱可塑性樹脂の侵出及び又は流下によってシールされ、その結果、該テープヤーンはその縁部が湾曲したものとなっている(2)に記載の農業用資材。
【0010】
本発明の農業用資材に用いられる熱融着性モノフィラメントは熱可塑性樹脂が製糸された単糸繊度100〜2500d/fの物である。該繊維として、低融点樹脂と高融点樹脂からなり、且つ低融点樹脂が繊維表面の一部を形成する熱融着性複合モノフィラメント等何れも使用できる。繊度は約100〜2500d/f、好ましくは150〜1800d/f、更に好ましくは約250〜1500d/fである。繊度が100d/f 未満であると後述のネットの強度が不足したり、ネットの剛性等が不足する。又本発明に係る編織物の繊維の交点の融着が不十分となるので剥離強力の大きな物が得られない。又2500d/fを越えると後記、金属テープヤーンとの製織性が悪く均一な目のネットが得られない。又遮光性が高くなり過ぎるという欠点もある。又ネットの剛性が高すぎ、栽培用農業トンネル等に使用する際、被施工性が劣る。
【0011】
このモノフィラメントの製造に用いられる樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの2〜4元共重合体等のポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸が使用されジオール酸と共重合された低融点ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂、及びその混合物等が使用される。
【0012】
本発明において複合モノフィラメントを使用する場合、低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成するようなモノフィラメントが例示できる。例えば鞘芯型、並列型、海島型等の複合モノフィラメント等が例示できる。この場合低融点熱可塑性樹脂の融点と高融点熱可塑性樹脂の融点の差が15℃以上あるものが好ましい。
熱可塑性樹脂の組み合わせとして、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの2〜4元共重合体等のポリオレフィン/ポリプロピレン、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、低融点ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート等が例示できる。
【0013】
本発明のネット状農業用資材に使用されるテープヤーンは、少なくともフィルムの片面に金属が蒸着されかつその蒸着面を保護する接着剤が付着され更に透明な熱可塑性樹脂で該金属蒸着面がシールされ、且つその両方の側面の金属露出部が、接着剤及び熱可塑性樹脂でシールされ、且つ幅が2.5〜20mmにスリットされたテープヤーンである。
該フィルムは熱可塑性樹脂を製膜化した物が使用でき、前記モノフィラメントの樹脂と同じような熱可塑性樹脂等を製膜化した厚み約6〜500μmの物が使用される。とりわけポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムが特に好ましい。該フィルムの厚みは好ましくは約8〜300μm、更に好ましくは約9〜120μmである。
【0014】
蒸着される金属として、アルミニウム、銅、クロム、ステンレス、銀、金等が用いられる。とりわけアルミニウムが紫外線や可視光線等の反射率が約90%以上と高いので好ましく使用される。金属の蒸着は、フィルムを放電処理や酸処理等の表面処理をし又は表面処理せずに、電子線加熱法、フラッシュ蒸着法、高周波誘導加熱法、イオンビームスパッタ蒸着法、レーザー蒸着法、輻射加熱法等の方法で行うことができる。蒸着層の厚みは200〜600オングストロームであればよい。
【0015】
上述のようにして得られた金属蒸着面に該金属面の保護する接着剤を付着する。該接着剤として、熱可塑性接着剤、エラストマー接着剤等何れも使用できる。該接着剤の形状は、液状、固体状、ペースト状等各種の形状の物が使用できる。例えば、熱可塑性接着剤として、ポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアセタール系、アクリルアミド形、セルロースアセテート形、ポリアミド系等の接着剤が例示できる。又エラストマー接着剤としてスチレン−ブタジエンゴム系、ポリイソブチレン系、ブチルゴム系、ニトリルゴム系、シリコーンゴム系、ポリウレタンゴム系等の接着剤が例示できる。
【0016】
金属蒸着フィルムの金属蒸着面に接着剤を塗布し更にその上部に透明な熱可塑性樹脂を押出ラミネーション法やフィルム積層熱圧着法等でシールする。該シールに係る保護層として用いられる樹脂は、可視光線等の反射率を妨げないような透明な熱可塑性樹脂を用いる。フィルム積層熱圧着法の場合、該樹脂として、好ましくは前記モノフィラメントの製造に使用した樹脂と同じ熱可塑性樹脂等を製膜化した厚み6〜500μmの物が使用される。とりわけポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン等のフィルムが特に好ましい。該保護層の厚みは透明性や可視光線の反射率を阻害しない厚みであればよい。フィルムの厚みは好ましくは約8〜300μm、更に好ましくは約9〜80μmである。又、押出ラミネーション法を採用する場合もフィルム積層法の場合と同様な樹脂を使用し、同様な厚みが得られるように製造する。
【0017】
上述のようにして得られた保護層がシールされた金属蒸着フィルムをスリットし、幅約2.5〜20mmのテープヤーンとする。該テープヤーンの幅は好ましくは約2.7〜15mmである。この幅が2.5mm未満であると該ヤーンの強力が低すぎ、製織時に該テープヤーンの切断等が起き易い。又モノフィラメントと交織する際にテープヤーンの撚り、変形等、反転等が起きやすい。又幅が20mmを越えると通風性の悪い物となりやすい。該テープヤーンはスリット後、保護層の樹脂の軟化点以上の温度で加熱し、その側面の金属露出部を該保護層として用いられた樹脂の一部を溶融流下しシールしてもよい。又、スリット後、その側面を接着剤や、熱可塑性樹脂で別途シール処理してもよい。又、金属蒸着テープヤーンモノフィラメントを編織後、熱処理で該テープヤーンの側面のシール処理をしてもよい。
【0018】
本発明のネット状農業用資材は、前記熱融着性モノフィラメントと前記金属蒸着テープヤーンとを編織し、加熱し、該モノフィラメントの交点同士、及び該モノフィラメントと該テープヤーンとの交点とをそれぞれ熱融着することにより得られる。又該金属蒸着テープヤーンの側面も接着剤及び又は熱可塑性樹脂でシールされている。該テープヤーン側面のシールは、織製前又は及び織製後の熱処理で行う。接着剤が熱可塑性樹脂系の物、エラストマー系の物等を用いた場合、該接着剤もその側面に僅かに浸出し金属部のシールに寄与する。
該モノフィラメントは経糸及び又は緯糸に用い、打ち込み本数約3〜25本/25mmとし、該金属蒸着テープヤーンは経糸及び又は緯糸に用い、打ち込み本数約0.1〜5本/25mmとする。該テープヤーンは、経糸のみに用いた場合、編織性が比較的よい。該ネットの構造として、平織り、からみ織り、ラッセル織り等が例示できる。とりわけ平織りが好ましい。又、このモノフィラメント、又はテープヤーンを二本以上並べて編織することもできる。
【0019】
次に、編織物をモノフィラメントの熱融着温度以上に加熱しモノフィラメント等の交点を融着する。又本発明の場合、該モノフィラメントの交点同士及び該モノフィラメントと該テープヤーンとの交点いずれも剥離強力が20g以上となるように熱融着処理する。該剥離強力は好ましくは22〜1000g、更に好ましくは28〜600gである。該剥離強力が20g未満の場合、ハウス等のカバー材等として施工時目ずれが起きやすい。又施工後、風雨や外部の衝撃等により目ずれしやすい。
【0020】
上述の熱融着のための加熱装置として、熱風型加熱機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機、高圧蒸気加熱機、熱ロール型加熱機、熱圧着ロール型加熱機及び、それらを組み合わせた装置等が使用できる。熱圧着ロール型加熱機や熱風型加熱機と熱ロール圧着型加熱機を組み合わせた装置の場合、剥離強度の強い物が得られる。加熱温度は、複合モノフィラメントの低融点熱可塑性樹脂の軟化点以上又は及び金属蒸着テープヤーンの金属を保護層として用いられた熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度であればよい。
熱融着温度を比較的高温でする、熱圧着を高圧で処理する、加熱処理を低速で処理する等の加熱条件を試行錯誤的に設定することにより、高い剥離強度の物とする。熱処理機として、熱風型加熱機と熱圧着ロール型加熱機等を組み合わせた装置を用いた場合、熱融着性複合モノフィラメントはその断面が円形であった物が略楕円形に変形し、該モノフィラメント同士の交点等の剥離強度が一層高い物となる。
又この加熱により、金属蒸着テープヤーンの金属蒸着面に塗布された接着剤及び積層された熱可塑性樹脂がその両方の側面に溶融流下し側面の金属露出部をシールする。該熱可塑性樹脂の溶融流下により、金属蒸着テープヤーンはその縁部が略丸みを形成し、且つその側面の金属露出部をシールする。この側面の保護層の形成により、その金属蒸着面が側面から酸化促進されること等に伴う弊害を阻止できる。
【0021】
【実施例】
以下実施例で本発明を更に詳細に説明する。なお本例において、ネットの剥離強力の測定は以下の方法で行った。
熱融着されたネットからハサミで試験片を切取り、引っ張り強度試験機を用いその測定すべき交点のみ負荷がかかる状態で、剥離強度を求めた。試験片10個の平均値を剥離強力(単位g)とした。
【0022】
実施例1
ネット状農業用資材として、熱融着性複合モノフィラメントと金属蒸着テープヤーンとを交織した害虫被忌避性のある農業用資材を製造した。
熱融着性モノフィラメントとして、鞘成分が高密度ポリエチレンで芯成分がポリプロピレンからなる繊度230d/fの複合モノフィラメントを用いた。
金属蒸着テープヤーンとして幅3mm、厚み38μmのテープヤーンを用いた。該ヤーンは、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、アルミニウムを蒸着し、ポリ酢酸ビニル系接着剤を厚み2μm塗布し、厚み24μmの低密度ポリエチレンフィルムを積層し、更に温度120℃で熱圧着し金属蒸着面をシール、幅3mmにスリットし更に熱風型加熱機で温度125℃で加熱しその側面をシールすることにより得た物であった。
【0023】
経糸として前記複合モノフィラメントを22本/25mm及び該テープヤーンを0.5本/25mm、緯糸として該複合モノフィラメントを21本/25mmの繊維構成で平織布を織製した。該平織布を熱風型加熱機を用い温度145℃で処理し、直ちに熱ロール圧着型加熱機を冷却ロールとして用い温度34℃、線圧0.48kg/cmの条件で熱処理し、該モノフィラメントの交点及び該モノフィラメントと該テープヤーンの交点が熱融着したネット状の物を得た。
この物は該モノフィラメント同士の交点の剥離強力が189gで、該モノフィラメントとテープヤーンの交点の剥離強力が144gであった。また顕微鏡観察によると金属テープヤーンの側面のアルミニウム部が接着剤の浸出及び低密度ポリエチレンの溶融流下によりシールされていた。又低密度ポリエチレンの縁部が熱処理により、丸みを有していた。
このネット状の物は剥離強力が大でかつ通風性、害虫被忌避性、等があり、トマト等のハウス栽培用の資材として使用できることを確認した。又金属蒸着テープヤーンが、その表面及び側面も接着剤及び熱可塑性樹脂でシールされているので、各種消毒剤の付着や風雨に長期間さらされても金属の酸化がその側面から進行せず、前記農業用資材として長期間使用できた。
【0024】
実施例2
前記実施例1同様、熱融着性複合モノフィラメントと金属蒸着テープヤーンとを交織した害虫被忌避性のある農業用資材を製造した。但し熱融着性モノフィラメントは、鞘成分が融点136℃のプロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体で、芯成分がポリプロピレンからなる繊度300d/fのモノフィラメントを用いた。経糸としてこのモノフィラメントを20本/25mm及び前記実施例1に同じ金属蒸着テープヤーンを1本/25mm、緯糸として該複合モノフィラメントを20本/25mmの繊維構成で平織布を織製した。
該平織布を前記実施例1同様熱処理した。熱処理条件は、熱風型加熱機の温度が145℃で、熱ロール圧着型加熱機を冷却ロールとして用い温度34℃、線圧が0.30kg/cmであった。該熱処理により、該モノフィラメントの交点及び該モノフィラメントと該テープヤーンの交点が熱融着したネット状の物を得た。
この物は剥離強力が該モノフィラメント同士の交点が154gで、該モノフィラメントとテープヤーンの交点が122gであった。また顕微鏡観察によると金属蒸着テープヤーンの側面のアルミニウム部が接着剤の浸出及び低密度ポリエチレンの溶融流下によりシールされていた。又低密度ポリエチレンの縁部が熱処理により、丸みを有していた。このネット状の物は剥離強力が大でかつ通風性、害虫被忌避性、等があり、トマト等のハウス栽培用の資材として長期間使用できることを確認した。
又金属蒸着テープヤーンが、その表面及び側面も接着剤及び熱可塑性樹脂でシールされているので、各種消毒剤の付着や風雨に長期間さらされても金属の酸化がその側面から進行せず、前記農業用資材として長期間使用できた。
【0025】
実施例3
前記実施例1同様、熱融着性複合モノフィラメントと金属蒸着テープヤーンとを交織した害虫被忌避性のある農業用資材を製造した。
但し熱融着性モノフィラメントは、前記実施例2に同じ物を用いた。又金属蒸着テープヤーンは幅3.5mm、厚み39μmのテープヤーンを用いた。該ヤーンは、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、アルミニウムを蒸着し、ポリウレタン系接着剤を厚み3μm塗布し、厚み24μmの低密度ポリエチレンを積層し、更に温度130℃で熱圧着し金属蒸着面をシールし、幅3.5mmにスリットし更に熱風型加熱機で温度130℃で加熱しその側面をシールすることにより得た物であった。
経糸としてこのモノフィラメントが4本対金属蒸着テープヤーンが1本となるように配列し、全体で16本/25mmとし、緯糸として該複合モノフィラメントを14本/25mmの繊維構成で平織布を織製した。
該平織布を前記実施例1同様熱処理した。但し熱風型加熱機を使用せず、熱ロール圧着型加熱機を用いた。熱処理条件は、熱ロール圧着型加熱機の温度が147℃、線圧が16kg/cmであった。該熱圧着処理により、該モノフィラメントの交点及び該モノフィラメントと該テープヤーンの交点が熱融着したネット状の物を得た。この物は剥離強力が該モノフィラメント同士の交点が309gで、該モノフィラメントとテープヤーンの交点が177gであった。
また、顕微鏡観察によると金属蒸着テープヤーンの側面のアルミニウム部が接着剤の浸出及び低密度ポリエチレンの溶融流下によりシールされていた。又低密度ポリエチレンの縁部が熱処理により、丸みを有していた。又、複合モノフィラメントは熱圧着により僅かにその断面が楕円状に変形していた。このネット状の物は剥離強力が大でかつ通風性、害虫被忌避性、等があり、トマト等のハウス栽培用の資材として長期間使用できることを確認した。
又、金属蒸着テープヤーンが、その表面及び側面も接着剤及び熱可塑性樹脂でシールされているので、各種消毒剤の付着や風雨に長期間さらされても金属の酸化がその側面から進行せず、前記農業用資材として長期間使用できた。
【0026】
比較例1
纎度260d/fのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントと、金属蒸着面のみが熱可塑性樹脂フィルムでシールされ、その側面がシールされていない幅3mm、厚み38μmの金属テープヤーンとを用い、前記実施例1に同じ織密度の平織布を織製した。但し金属テープヤーンは、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにポリ酢酸ビニル系接着剤を厚み2μm塗布し、更に厚み24μmの低密度ポリエチレンフィルムを積層後、温度120℃で熱圧着し金属蒸着面をシールし、幅3mmにスリットしたものを用いた。
該テープヤーンはスリット後、熱処理なしの物を用いた。又製織後ネットの熱処理は中止した。金属蒸着テープヤーンを顕微鏡観察したところ、金属蒸着テープヤーン側面のアルミニウム部が接着剤の浸出及び低密度ポリエチレンの溶融流下によりシールされていず、低密度ポリエチレンの縁部が略直角状であった。
この物は通風性や害虫被忌避性があるが、ネットを指で軽く擦ると簡単に目ずれが発生した。又その端部のモノフィラメントがほつれ易く、前記農業用資材として使用するには、繰り返し使用不可能であった。又金属蒸着テープヤーンの側面の金属が露出した状態であるので、各種消毒剤の付着や風雨に短期間さらすのみで金属の酸化がその側面から進行するので前記農業用資材として長期間使用不可能であった。
【0027】
比較例2
前記比較例1に同じネットを前記実施例1に類似の方法で熱処理した。熱処理条件は、熱風型加熱機のみ用い温度125℃で処理した。該熱処理により、該モノフィラメントの交点及び該モノフィラメントと該テープヤーンの交点が僅かに熱融着したネット状の物を得た。この物は該モノフィラメント同士の交点が熱融着されていず、該モノフィラメントとテープヤーンの交点の剥離強力が9gであった。
また顕微鏡観察によると金属テープヤーンの側面のアルミニウム部が低密度ポリエチレンの溶融流下によりシール部分があるが、ほとんどシールされていない物であった。又低密度ポリエチレンの縁部は熱処理なしの物と殆ど変わらず、丸みがなく略直角近傍の形状であった。この物は通風性や害虫被忌避性があるが、ネットを指で軽く擦ると簡単に目ずれが発生した。又その端部のモノフィラメントがほつれ易く、前記農業用資材として使用するには、繰り返し使用不可能であった。
又金属蒸着テープヤーンの側面の金属が露出しているので、各種消毒剤の付着や風雨に短期間さらすのみで金属の酸化がその側面から進行し、前記農業用資材として長期間使用不可能であった。
【0028】
実施例4
前記実施例1同様、熱融着性複合モノフィラメントと金属蒸着テープヤーンとを交織した害虫被忌避性のある農業用資材を製造した。
但し熱融着性モノフィラメントとして、鞘成分が融点136℃のプロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体で、芯成分がポリエチレンテレフタレートからなり、鞘成分と芯成分の複合比が30/70重量%で繊度が330d/fのモノフィラメントを用いた。
又金属蒸着テープヤーンとして、厚み14μmのポリエチレンテレフタレートにアルミニウムを蒸着し、更にその蒸着面にエポキシ樹脂系接着剤を塗布し、更にその塗布面に高密度ポリエチレンと線状低密度ポリエチレンの50/50重量%の混合物を押出ラミネーション法で押出製膜したものをラミネートし、冷却後幅5mmにスリットしたものを用いた。この金属蒸着テープヤーンは接着剤層の厚みが1μm、ポリエチレン層の厚みが24μm、全体の厚みが39μmであった。
経糸としてこのモノフィラメントが4本対金属蒸着テープヤーンが1本となるように配列し全体で12本/25mmの繊維構成とし、緯糸として該経糸と同じ繊維配列、即ちモノフィラメントが4本で金属蒸着テープヤーンが1本で全体で12本/25mmの繊維構成の平織布を織製した。
該平織布を前記実施例1同様熱処理した。熱処理は熱風型加熱機のみ用い、温度が140℃で熱処理した。該熱処理により、該モノフィラメントの交点及び該モノフィラメントと該テープヤーンの交点が熱融着したネット状の物を得た。この物は剥離強力が該モノフィラメント同士の交点が152gで、該モノフィラメントとテープヤーンの交点が102gであった。
また顕微鏡観察によると金属蒸着テープヤーンの側面のアルミニウム部が低密度ポリエチレンの溶融流下によりシールされていた。又低密度ポリエチレンの縁部が熱処理により、丸みを有していた。又複合モノフィラメントは熱圧着により僅かにその断面が楕円状に変形していた。このネット状の物は剥離強力が大でかつ通風性、害虫被忌避性、等があり、各種野菜の栽培用の資材として長期間使用できることを確認した。
又遮光性が大きいので特に夏期の植物遮光材として使用できることを確認した。又金属蒸着テープヤーンが、その表面及び側面も熱可塑性樹脂でシールされているので、各種消毒剤の付着や風雨に長期間さらされても金属の酸化がその側面から進行しないので前記農業用資材として長期間使用できた。
【0029】
【発明の効果】
本発明のネット状農業用資材は、ポリエチレン/ポリプロピレン熱融着性複合モノフィラメント等と、金属が蒸着されかつその蒸着面が接着剤及び透明な樹脂でシールされて保護層を形成したテープヤーンとが交織され、且つそのいずれの交点も剥離強度が高い状態で熱融着された物である。従って野菜や植物のトンネル栽培等の農業用資材として長期間使用できた。又金属蒸着テープヤーンは、その金属蒸着面のみならずその側面に露出したわずかな金属部も熱可塑性樹脂等で完全にシールされた物を用いている。従って、金属蒸着面及びその側面から金属が酸化されることがない。又金属蒸着テープヤーンを比較的密に交織した物は太陽光線の遮光率が高く夏期の農業用資材として好ましく使用できた。
Claims (3)
- 繊度100〜2500d/fの熱融着性モノフィラメントと、金属蒸着フィルムの蒸着面に接着剤が1〜3μmの厚さに付着され更に熱可塑性樹脂がシールされ且つ該フィルムの幅が2.5〜20mmにスリットされ、該スリットされたテープ状の物の両方の側面の金属部分が接着剤及び熱可塑性樹脂でシールされたテープヤーンが編織され、かくして得られた編織物中の該モノフィラメント同士の交点及び該モノフィラメントと該テープヤーンの交点の何れも熱融着され、且つ前記2種類の交点の何れも剥離強力が20g以上としてなるネット状の農業用資材であり、接着剤が熱可塑性接着剤またはエラストマー接着剤であり、熱融着性モノフィラメントが低融点熱可塑性樹脂と高融点熱可塑性樹脂からなり、且つ低融点熱可塑性樹脂が少なくとも繊維表面の一部を形成する複合モノフィラメントである農業用資材。
- テープヤーンの両方の側面の金属部のシール材料が、該テープヤーンの金属蒸着面のシールに使用された接着剤及び熱可塑性樹脂と同一のものである請求項1に記載のネット状の農業用資材。
- テープヤーンの両方の側面の金属部のシール材料が、該テープヤーンの金属蒸着面に付着された物と同じ接着剤及び熱可塑性樹脂であり、該側面の金属部が前記テープヤーンの熱処理による前記接着剤及び熱可塑性樹脂の侵出及び又は流下によってシールされ、その結果、該テープヤーンはその縁部が湾曲したものとなっている請求項2に記載の農業用資材。
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