JP3107430U - 農業用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 遮光率の調整を容易としてハウス内の明るさ、温湿度を作物の育成に適正にし、しかもシートの安定性がよく縦及び横方向の強度が高く縮みや変形を生じ難く、かつ軽量であって嵩が低く取り扱い性に優れた農業用シートを安価に提供する。
【解決手段】 農業用シート40は、金属蒸着層3を有する合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層4,4aを被覆した蒸着テープ10を経糸11に使用し、合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層6,6aを被覆した透明テープ20を緯糸12に使用して平織物に織成し、該経糸11と緯糸12との交点15を熱融着し固定され、経糸11及び緯糸12を構成する各テープ間に隙間13,14を有する。
【選択図】 図4
【解決手段】 農業用シート40は、金属蒸着層3を有する合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層4,4aを被覆した蒸着テープ10を経糸11に使用し、合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層6,6aを被覆した透明テープ20を緯糸12に使用して平織物に織成し、該経糸11と緯糸12との交点15を熱融着し固定され、経糸11及び緯糸12を構成する各テープ間に隙間13,14を有する。
【選択図】 図4
Description
本考案は、果物、野菜、花等のハウス栽培に用いられる農業用ハウスの遮光材、遮熱材として好適な農業用シートに関し、特に夏期等の強い日射時にハウス内の明るさや温湿度を適正に保つことができる農業用シートに関する。
近年、農作物や園芸作物は周年収穫を可能とするハウス栽培、トンネル栽培等の施設栽培が盛んに行われている。このようなビニールハウスでは、作物の育成に必要な明るさの確保とハウス内部の温湿度を調整するために、通気性を有する種々の遮光性、遮熱性を備えた農業用シート(ネット)がハウスの外張シート或いは内張シートとして使用されている。
従来、このような農業用シートとしては、合成樹脂フィルムを基材として表面に金属蒸着層を設けた蒸着テープ、アルミニウム粉や酸化チタン等の白色顔料を樹脂に練り込み製膜した銀色や白色テープ、カーボンブラック等を練り込んだ黒色テープ、またアルミニウム箔を表面にラミネートした銀面化テープ等を経糸及び緯糸に用いて編織した農業用シート、また経糸又は緯糸の一方にこれらのテープを用いて他方にモノフィラメントなどの他の繊維糸を用いて編織した農業用シートが種々知られている。
例えば、金属蒸着した防湿性透明フィルムの蒸着面に、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応硬化物から成る接着剤を介して、保護フィルムを積層して成るテープ状遮光フィルムを、少なくとも一部に用いた編織物から成る遮光ネットが開示されている(特許文献1)。
特許第2634205号公報
しかしながら、上記のような編織物からなる農業用シートは、例えば、表面にアルミニウム等の金属蒸着による遮光処理を施した遮光性テープを経糸及び緯糸の両方に使用し織成したシートでは、遮光性が高くなりすぎてハウス内の明るさが不足するため、遮光率を編織組織やテープ間隔などにより調整することからシートの製造が容易でなく、また経糸と緯糸が動きやすくシートの安定性や耐久性に欠ける問題がある。また、黒色テープを用いたシートは、遮光効果は高いがハウス内部に熱がこもりやすく、透光性が悪いためハウス内が暗くなり作業にも支障し、銀色や灰色のテープは、ハウス内を内部反射によりある程度明るくすることはできるが、遮熱効果が低いという欠点をそれぞれ有し、従来の農業用シートでは作物の育成に適したハウス内部の明るさ(採光性)や温湿度の調整が十分に得られるものではなかった。
そこで本考案は、上記問題に鑑み、遮光率や遮熱効果の調整を容易としてハウス内部の明るさや温湿度を作物の育成に適正にして周年収穫を可能とし、しかもシートの安定性がよく縦及び横方向の強度が高く縮みや変形を生じ難くし、かつ軽量であって嵩が低く取り扱い性に優れた農業用シートを安価に提供することを目的とする。
請求項1に記載の農業用シートは、金属蒸着層を有する合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層を被覆した蒸着テープを経糸若しくは緯糸の一方に使用し、合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層を被覆した透明テープを他方に使用して織成し、該経糸と緯糸との交点を熱融着してなることを特徴とする。
請求項2に記載の農業用シートは、金属蒸着層を有する合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層を被覆した蒸着テープを経糸若しくは緯糸の一方に使用し、合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層を被覆した着色テープを他方に使用して織成し、該経糸と緯糸との交点を熱融着してなることを特徴とする。
本考案の農業用シートであると、シートの遮光率を広範囲に調整することが容易であり、作物の種類や季節に応じた遮光率を選択することでハウス内の作物育成や作業に好適な環境条件を創造し周年収穫等の付加価値の高い作物を収穫することができる。また、経糸と緯糸との交点を熱融着することで強度が高く縮みや変形に強く、目ズレや裁断時のほずれを防止して耐久性に優れ、かつ軽量で取り扱い性のよい農業用シートが得られる。
本考案の農業用シートにおいては、前記経糸及び緯糸を構成する各テープ間に隙間を有することで遮光率の調整がより容易となり、またシートの通気性、透水性を確保してハウス内部の過剰な熱や湿気を放出して温湿度の調整や換気性を向上し、作物育成とハウス内での作業環境の改善が図られる。
また、前記経糸及び緯糸を構成するテープの幅が1〜5mmであることが好ましく、幅が1mm未満であるとシートが柔軟になりすぎ取り扱い性に欠け、またテープの裁断加工やシートの製織加工が煩雑かつ困難となり、幅が5mmを越えるとシートの遮光率調整が難しくなり、シートの柔軟性が低下しハウス外張シートの開閉作業などの取り扱い性が損なわれ、収容時には嵩高となり収納性にも欠け好ましくない。
本考案において、農業用シートの遮光率が30〜80%とすることで、農作物の種類や季節に応じてシートの遮光率を選択し用いることにより各種の作物に適した育成条件を得ることができる。
この農業用シートは、農業用ハウス等の外張シート及び/又は内張シートに好適に使用されるものであり、農作物や季節に応じてハウス内外の各所に使用しハウス内の環境条件を調整することができる。中でも、農業用ハウス等の外張シートに使用することで、ハウス外部からの直射日光や太陽熱を適度に反射しながら必要量を透過し、さらに過剰な湿気や熱を外部に放出してハウス内部の明るさや温湿度を適正なものとし、特に夏期には遮光、遮熱効果により温度上昇を防ぎ、冬期には保温効果を発揮して夏冬を通して農作物の育成と作業環境を向上し、またハウス内の冷暖房を節約することで省エネルギー化を図ることができる。この場合、シートの金属蒸着面側をハウスの外側に向けて使用することにより、前記作用をより効果的なものとする。
本考案にかかる農業用シートは、シートの遮光率を経糸及び緯糸に用いる蒸着テープと透明テープ或いは着色テープとの組み合わせ、すなわちテープ自体の遮光率、テープ幅、テープ間の間隙などにより広範囲に渡る調整が容易に可能となり、ハウス内の明るさや温湿度などの環境条件を作物の育成、農作業に対して好適に保つ周年を通じて使用可能な農業用シートを提供することができる。また、シート強度が高く縮みや変形を生じ難くし、目ズレやほずれを防止して耐久性に優れ繰り返し使用することができ、かつ軽量で取り扱い性に優れ、収容時には嵩高になることがなくコンパクトな収納を可能とするハウス栽培やトンネル栽培の外張シートや内張シートに適したシートを安価に提供するものとなる。
以下に本考案の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本考案に係る一実施形態を示す農業用シート40の経糸若しくは緯糸の一方に使用される金属蒸着テープ10の断面図である。この蒸着テープ10は、基材となる合成樹脂フィルム2の片面にアルミニウム等の金属蒸着層3を設けたものであり、さらにテープの表裏両面には低融点ポリマーからなる保護層4,4aを被覆した積層フィルムを、所定幅のテープ状にスリッター等の裁断機により裁断し得られるものである。
合成樹脂フィルム2としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6、66等の各種ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル重合体などの各種合成樹脂からなるフィルムを使用することができる。このフィルム2は一軸延伸や二軸延伸法などの通常の製膜方法で製膜した厚み10〜100μm程度、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは12〜25μmのフィルムが使用される。このフィルム2の厚みが薄すぎると強度、耐久性が低下し、厚くなると重量が増し、剛直となって農業用シート40の織成加工性や取り扱い性が悪化する。
金属蒸着層3は、上記フィルム2の片面にアルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、スズ、銀、ステンレスなどの金属を公知の蒸着法により蒸着したもので、例えばフラッシュ蒸着、アーク蒸着、電子ビーム蒸着、レーザ蒸着等の真空蒸着法、イオンビームスパッタリング、マグネトロンスパッタリング等のスパッタリング蒸着法などが挙げられる。
中でも、アルミニウムをフィルム2表面に蒸着するものが、可視光線や紫外線等の反射効率が高く、蒸着層3の厚みを調整しやすくし、コスト、蒸着安定性の点で好ましくい。 蒸着層3の厚みは、太陽光を反射して遮蔽し100%近い遮光率を得るには100〜1000オングストローム、好ましくは200〜800オングストロームの厚みとする。厚みが100オングストローム未満であると遮光性が低下し、1000オングストロームを越えると蒸着層3にクラックを生じやすくなり耐久性や遮光性が低下し好ましくない。
また、上記のような遮光性の高い蒸着テープ10に代えて、蒸着層3の厚みを通常の遮蔽タイプよりも薄くして、透光率が20〜80%の範囲にある反射性を有する半透光性テープとし、蒸着テープ10自体の遮光率を調整したものも使用することができる。この場合、蒸着金属がアルミニウムであると、蒸着層3の厚みを50〜100オングストロームの範囲で調整することで、透光率が20〜80%程度の所望の遮光率にある半透光性テープを用いることができる。
蒸着テープ10の表裏両面に被覆される低融点ポリマーからなる保護層4,4aは、蒸着テープ10を経糸11若しくは緯糸12の一方に、後述する他のテープを他方に用いて織成した図4に示すような農業用シート40を、低融点ポリマーの融点以上の温度で加熱圧着して経糸11と緯糸12との交点15に熱融着部を形成することで、経糸11と緯糸12を固定しシート強度を高め、シートの取り扱い性を向上し、かつ目ズレや裁断時のほずれを防止し安定性を向上するものであり、また、保護層4は蒸着層3の金属酸化やピンホールの発生を防止する耐候性向上の効果を兼ね備えている。
この低融点ポリマーとしては、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などを挙げることができ、その被覆厚みは5〜25μm程度が好ましく、押出しラミネートやドライラミネート等により保護層4,4aが形成される。
図2は、農業用シート40の上記蒸着テープ10に対して他方の経糸11若しくは緯糸12に使用される透明テープ20の断面図である。この透明テープ20は、基材となる合成樹脂フィルム5の表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層6,6aを被覆した積層フィルムを、所定幅のテープ状に裁断し得られるものである。
合成樹脂フィルム5は、蒸着テープ10の基材フィルムと同様に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6、66等の各種ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル重合体などの各種合成樹脂からなる透明フィルムが使用され、通常の製膜方法で製膜した厚み10〜100μm程度、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは12〜25μmのフィルムが使用される。このフィルム5の厚みが薄すぎると強度、耐久性が低下し、厚くなると重量が増し、剛直となってシートの取り扱い性や織成加工性が悪化する。
また、透明テープ20の表裏両面に被覆した低融点ポリマーからなる保護層6,6aは、織成後のシート40において、上記蒸着テープ10との交点15に加熱圧着による熱融着部を形成するもので、透明テープ20の透光率を維持するために、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などの透明性の合成樹脂が使用され、その被覆厚みは5〜25μm程度であり、押出しラミネートやドライラミネート等により形成される。
また、図3は、前記透明テープ20に代えて使用される着色テープ30の断面図である。この着色テープ30は、基材となる白、黒、銀色等に着色された合成樹脂フィルム7の表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層8,8aを被覆した積層フィルムを、所定幅のテープ状に裁断したものである。
基材の合成樹脂フィルム7は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6、66等の各種ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル重合体などの各種合成樹脂に白色、黒色等の顔料を練り込み着色したものを製膜したものや、フィルム表面に顔料をコーティングしたもの、或いはアルミ箔等をラミレートした各種着色フィルムが使用され、その厚みは上記透明フィルム20と同様に10〜100μm程度、好ましくは10〜50μm、12〜25μmのものがより好ましい。
このような着色フィルム5に用いられる顔料としては従来より公知のものが使用でき、例えば白色顔料としては酸化チタンや酸化亜鉛、ホワイトカーボン、炭酸カルシウムなど、黒色顔料としてはカーボンブラック、黒鉛など、銀色の場合はアルミニウム粉末などの各種顔料を合成樹脂に練り込み、その含有量とフィルム厚みによって所望の遮光率を有する着色テープが得られ、上記透明テープ20を用いるよりも高い遮光性を必要とする用途の農業用シート40に使用される。
この場合も、着色テープ30の表裏両面に被覆した低融点ポリマーからなる保護層8,8aは、織成後のシート40において、上記蒸着テープ10との交点15に加熱圧着による熱融着部を形成するもので、着色テープ30の遮光率を維持するために、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などの透明性の合成樹脂が使用され、その被覆厚みは5〜25μm程度が好ましく、押出しラミネートやドライラミネート等により保護層8,8aが形成される。
上記蒸着テープ10と透明テープ20及び着色テープ30は、例えば複数の回転刃を所定間隔を設けて併設したスリッター等の裁断機を用いて、テープ幅が1〜5mm程度のテープ状に裁断し農業用シート40の経糸11及び緯糸12に用いられる。テープ幅が1mm未満であるとテープの裁断加工性やシートの織成加工が煩雑かつ困難となり、5mmを越えると織成後の遮光率の調整が困難になるとともに、シートの柔軟性が低下しハウスの外張や内張シートの開閉作業などでの取り扱い性が損なわれ、収納時には嵩高となりコンパクト性に欠けるなどの問題が生じてくる。
図4は、蒸着テープ10を経糸11に、透明テープ20又は着色テープ30を緯糸12に用いて平織物に織成した実施形態の農業用シート40を示す平面図である。
農業用シート40は、蒸着テープ10の金属蒸着面側1aを上方に向けて配され、経糸11及び緯糸12のそれぞれのテープ間にシート40の通気性や透水性を確保する目合いとなる隙間13,14を設けて平織物に織成されている。もちろん、平織以外の綾織やからみ織等によるものでもよいが、平織物によるものが織成効率が高く、隙間の形成や織成時にテープの反転が生じにくく好ましい形態である。
ここで、蒸着テープ10と透明テープ20又は着色テープ30を経糸11及び緯糸12のそれぞれに用いて遮光率を調整することも考えられるが、織機へのテープの供給などに工数がかかり好ましくない。
織成後の平織物は蒸着テープの保護層4,4aと透明テープ20の保護層6,6a(又は、着色テープの保護層8,8a)を構成する低融点ポリマーの融点以上の温度で熱ロール間を通過させる等で加熱圧着処理され、経糸11と緯糸12の交点15が熱融着され固定される。これにより、経糸11及び緯糸12のずれを防いでシート40の縦及び横方向の強度を高めて縮みや変形を防ぎ、また目ズレや裁断時のほずれを防止し安定性のよい耐久性に優れたシートとなり、取り扱い性も一段と向上する。
この農業用シート40は、経糸11及び緯糸12となる蒸着テープ10と透明テープ20或いは着色テープ30のテープ自体の透光率とその幅、打ち込み密度を組み合わせ、これにより経糸11及び緯糸12のテープ間に適度の隙間13,14を設けて織成することで通気性を有する農業用シート40の遮光率を広範囲に渡り調整することができ、ハウス内の明るさや遮熱効果を調節することが容易に可能となる。もちろん、上述の反射性を有する半透光性テープを用い、さらに広い範囲の遮光性をカバーすることもできる。
この隙間13,14の間隔は、特に制限されることはなく、シートの通気性や織成加工性、熱融着性などが確保されるものであればよい。例えば、ハウスの外張シートに用いる場合は、0.5〜5mm程度が好ましく、0.5mm未満ではシートの通気性や透水性が不足しハウス内の温湿度のコントロールが難くなり、5mmを越えると蒸着テープ10を用いたシート40の遮光性及び遮熱効果が発揮されなくなる。
この農業用シート40は、遮光率が30〜80%程度の範囲で調整され、作物の種類、例えば苺などの果物、夏に栽培する秋野菜、バラ、ラン、ユリ等の花などの栽培対象や季節、ハウスの規模等に応じて遮光率を適宜選択し使用することができる。
本考案の農業用シート40は、ハウス栽培やトンネル栽培等のビニールハウスの外張シートや内張シートとして好適に使用され、シート40の金属蒸着面側1aをハウスの外側に向けて用いることで、外部からの光や熱を適度に反射しかつ必要量を透過させ、ハウス内の適正な明るさと温湿度を確保し、夏冬期を通じて農作物の育成、病気の予防、及び農作業に適した環境条件を創り出すことができ、特に夏期の強い太陽光や熱を適度に反射してハウス内部の採光性を確保した上で温度上昇を抑える遮熱効果に優れたものとなる。
厚み20μmのPETフィルム2の片面に厚み500オングストロームのアルミニウム蒸着層3を真空蒸着により形成したアルミ蒸着フィルムを作製し、このフィルムの両面に低密度ポリエチレン(融点112℃)からなる被覆厚み15μmの保護層4,4aを押出ラミネート法によりを形成し、このフィルムを幅3mmのテープ状にスリッターを用いて裁断し、図1に示す蒸着テープ10を作製した。このテープ10の遮光率は99%であった。
次ぎに、酸化チタンを5重量%練り込み製膜した厚み20μmのPETフィルム7の両面に低密度ポリエチレン(融点112℃)を用いて押出ラミネート法により厚み15μmの保護層8,8aを形成し、このフィルムを幅1.8mmのテープ状にスリッターを用いて裁断し、図3に示す白色テープ30を作製した。このテープ30の遮光率は30%であった。
この蒸着テープ10のアルミニウム蒸着面1a側を上方に向けて経糸11とし、白色テープ30を緯糸12とし、それぞれの打ち込み密度を3.5本/インチ、8本/インチとして経糸11及び緯糸12のテープ間に隙間13,14を設けて平織物に織成し、120℃に加熱した一対の熱ロール間を通過させて平織物の両面から加熱圧着し経糸11と緯糸12との交点15に熱融着部を設けて、図4に示す農業用シート40を製造した。この農業用シート40の遮光率は60%である。
また、白色テープ30に代えて、遮光率10%、幅1.8mmの透明テープを打ち込み密度8本/インチで緯糸12に使用した場合、農業用シートの遮光率は45%となった。もちろん、これらのシートは隙間13,14を通して通気性、透水性がよいので、ハウス内の高温空気の排出、ムレの防止効果が得られる。
このように、蒸着テープと透明テープ或いは着色テープのそれぞれの遮光率とテープ幅、打ち込み密度を調整することで、作物の種類やハウスの規模など使用時期、用途に合わせた明るさ、温湿度の調整が容易に可能な農業用シートを安価に提供することができる。
本考案の農業用シートは、農業用、園芸用などの遮光、遮熱用シートに適し、特にハウス栽培やトンネル栽培、温室などの外張シート及び内張シートに好適に使用でき、内張りカーテンなどの用途としてももちろん使用することができる。
10……蒸着テープ
20……透明テープ
30……着色テープ
40……農業用シート
1a……金属蒸着面
2,5,7……基材フィルム
3……金属蒸着層
4,4a,6,6a,8,8a……保護層
11……経糸
12……緯糸
13,14……隙間
15……経糸と緯糸の交点
20……透明テープ
30……着色テープ
40……農業用シート
1a……金属蒸着面
2,5,7……基材フィルム
3……金属蒸着層
4,4a,6,6a,8,8a……保護層
11……経糸
12……緯糸
13,14……隙間
15……経糸と緯糸の交点
Claims (6)
- 金属蒸着層を有する合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層を被覆した蒸着テープを経糸若しくは緯糸の一方に使用し、合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層を被覆した透明テープを他方に使用して織成し、該経糸と緯糸との交点を熱融着してなることを特徴とする農業用シート。
- 金属蒸着層を有する合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層を被覆した蒸着テープを経糸若しくは緯糸の一方に使用し、合成樹脂テープの表裏両面に低融点ポリマーからなる保護層を被覆した着色テープを他方に使用して織成し、該経糸と緯糸との交点を熱融着してなることを特徴とする農業用シート。
- 前記経糸及び緯糸を構成する各テープ間に隙間を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の農業用シート。
- 前記経糸及び緯糸を構成するテープの幅が1〜5mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の農業用シート。
- 遮光率が30〜80%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農業用シート。
- 農業用ハウス等の外張シート及び/又は内張シートに使用されるものである請求項1〜5のいずれかに記載の農業用シート。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101674455B1 (ko) | 2014-10-31 | 2016-11-09 | 서용교 | 열차단율이나 투광율 조절이 가능한 직물의 제조 장치 및 방법 |
-
2004
- 2004-08-27 JP JP2004005157U patent/JP3107430U/ja not_active Expired - Lifetime
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KR101674455B1 (ko) | 2014-10-31 | 2016-11-09 | 서용교 | 열차단율이나 투광율 조절이 가능한 직물의 제조 장치 및 방법 |
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