JPH1173932A - 電気化学式電池列の組み立て装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先行技術の欠点を解消し、電池または他の電
気化学式電池の列状組み立てのための小型で低コストの
装置を提供する。 【解決手段】 並列に配置された電気化学式電池（６）
から成る電気化学式電池列の組み立て装置は、二つの同
一の要素（１）から成る。各要素は、縁部（５）に取り
囲まれた底部（４）で形成された、電池の端部を支持す
る基部（２）と、前記縁部から垂直に延びる前記縁部
（５）と一体になった他方の要素と結合する一つの細長
い脚部（３）と、前記要素の一方の脚部上に、組み立て
方向に対しほぼ直角な方向に形成された突出部と、ラチ
ェット機構を実現するために前記突出部を受け入れる他
方の要素の縁部内の凹部とから成り、二つの要素（１）
のアセンブリを保持するために協働する相補手段（８、
９）とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乾電池列など電気
化学式電池列の組み立て装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電池列を形成するための知られている解
決方法は、溶接または接着された蓋で閉じた容器に電池
を入れることである。その場合、電池は目に見えなくな
るため、区別を行う手段が必要である。また、容器の体
積も大きい。また、取り付け方法は、形状が非常に異な
る部片を必要としいくつもの段階を必要とすることか
ら、比較的コストが高い。

【０００３】組み立てるべき電池を熱収縮被覆で包むこ
とも知られている。そこでも区別を行う手段が必要であ
る。また熱収縮方法は習熟および量産化がむずかしい。
最後に、得られた被覆は機械的強度が非常に低い。

【０００４】他の解決方法は、端部に置かれた二つのフ
ランジ間に電池列を置くことから成る。フランジは、前
記端部に強制的に接着するまたは組み付けることができ
るが、この場合、アセンブリの機械的強度は依然として
不十分であるか、追加した部品でフランジ間の機械的結
合を確保する場合には、そのため、取り付けが複雑にな
り必要な部品が倍加する。

【０００５】文献ＵＳ−Ａ−４８０６４４０は、それぞ
れが、前記電池の端部を支持する基部を構成する二つの
要素を含み、二つの要素のうちの一方が、他方の要素と
の結合用の伸長脚部とを含み、二つの要素が、二つの要
素のアセンブリを前記電池の端部に保持するために協働
する相補ラチェット嵌入手段を支承する装置を含む、並
列に配置された四つの円筒状の電気化学式電池の列の組
み立て装置を開示している。しかしながら、二つの要素
は異なるものであり、二つの注入成形型、異なる保管、
および配置用の目印付けを必要とすることから、この解
決方法のコストは高い。

【０００６】文献ＤＥ−２８０５０６７は、同一直径の
円筒形物体から成る円柱の形態に組み立てを行う装置に
ついて記述している。この装置は、それぞれが、電池の
端部を支持する一つの基部と、長手方向凹部を具備する
単数または複数の長手方向隔壁とを含む二つの同一要素
で構成され、隔壁はその内面上で補強される。二つの要
素は心合わせ装置を含み、他方の要素との結合は特に溶
接によって得られる。大きな応力または衝撃があった場
合、この電気化学式電池の機械的強度は不十分である。

【０００７】文献ＪＰ−Ａ−６２４３８４９およびＪＰ
−Ａ−８２０３４８８も、異なるアセンブリ材を開示し
ている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの欠点を解消し、電池列または他の電気化学式電池列
を組み立てるための小型で低コストの新規の装置を提供
することである。

【０００９】またこの装置は、線およびコネクタを取り
出すことができるとともに電池列を機械的に良好に保持
できるものでなければならない。この装置は分解不可能
であることが有利である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的は、本発明の範
囲内で、二つの同一の要素から成り、前記要素のそれぞ
れが、縁部に取り囲まれた底部で形成された、電池の端
部を支持する基部と、前記縁部から垂直に延びる前記縁
部と一体となった他方の要素と結合する少なくとも一つ
の伸長脚部と、ラチェット機構を実現するために、前記
要素の一方の脚部上に、組み立て方向に対しほぼ直角な
方向に形成された突出部と、前記突出部を受け入れる他
方の要素の縁部内の凹部とから成り、二つの部片のアセ
ンブリを前記電池の端部に保持するために協働する相補
手段とを備えることを特徴とする並列に配置された電気
化学式電池から成る電気化学式電池列の組み立て装置に
より達成される。

【００１１】縁部が存在することにより、要素の側面保
持が可能であり、衝撃に対する電池のアセンブリの強度
が増強される。縁部の高さは、アセンブリの強度を確保
するのに足るものでなければならないが、装置を重くし
ないようにし、またコストをより高くしないようにする
ために、十分低いものでなければならない。

【００１２】縁部は、電気接続を通過させるための切欠
きを含むことが有利である。線の取り出しは軸方向また
は径方向に行うことができる。

【００１３】バッテリの保持に必要な二つの部片は全く
同一であり、単一の型内への注入により半硬質プラスチ
ックで作製することができる。

【００１４】組み立てに際しては、電池の周囲に本部片
を設置し、上下互い違いにラチェット嵌入させるだけで
よい。本発明による装置により組み立てられた電池の機
械的強度を確保するのに、他の固定手段はなんら必要で
はない。突出部は、いったん凹部に挿入されると、アセ
ンブリを固定するため、部片は分離することはない。

【００１５】これらの部片により、電池の機械的保持、
および周囲環境（たとえば硬い部片の衝撃または腐食性
物体）からの電気的および機械的絶縁を同時に実現する
ことができ、電池の区別を行うことができる（電池は目
に見える）。

【００１６】電池列の外側の、本発明による保持および
結合システムは、電池列のボリューム包絡面の外側で場
所を全くまたはほとんど占有しない点に注目すべきであ
る。

【００１７】さらに前記ボリューム包絡面の内部に設け
られた中空体積により、安全部品またはその他（電子部
品、線など）を場合によっては含むことができる。脚部
の内面は、自由体積をさらに増加するように成形される
ことが有利である。

【００１８】本装置は任意の数の電池に適合させること
ができる。最も単純な実施形態では、本発明により二つ
の円筒形電池を組み合わせることができる。要素の底部
はほぼ、角が丸い長方形の形状を有し、一要素あたり一
つの脚部で良好な機械的保持を確保することができる。

【００１９】四つの電池の組み立ての場合、底部は角が
丸い正方形の形状を有し、単一の脚部、または正方形の
二辺上に配設される二つの脚部を設けることができる。
さらに、本発明は、種々の形状（円筒形、多角形）およ
び種々の寸法の電池に適応する。

【００２０】本発明の他の特徴および長所は、添付の図
面を参照して行う個別の実施形態についての以下の説明
から明らかになろう。

【００２１】

【発明の実施の形態】各支持要素１は、好ましくは電気
絶縁半硬質プラスチック成形で作製され、格納基部２
と、結合およびラチェット脚部３とを備える。

【００２２】基部２は、たとえば５から１０ｍｍの高さ
の縁部５に取り囲まれた細長い底部４から成る。底部お
よび縁部は、隣接する二つの円筒形電池６の端部をほぼ
すきまなく格納するように形成され、場合によっては大
寸側面７上に若干の凹面を有することがある。

【００２３】縁５とともに本体を形成する脚部３はこの
縁部から、好ましくは大寸側面の中央から始まる。なぜ
なら、脚部３が反対側の要素内にラチェット嵌入する
時、電池が脚部３のたわみに必要な場所をここに確保す
るからである。脚部は縁の高さをはるかに上回る長さを
有する。脚部の長さに、両端に位置する縁部の高さを加
えたものは、組み立てるべき電気化学式電池の高さ、た
とえばＡＡ形式の電池の場合、６２ｍｍの全高に等し
い。

【００２４】基部の縁部５は、このラチェット機構を実
現するために、脚部３が始まる側とは反対側の大寸側の
中央に凹部８を含む。この凹部８は、脚部３の端部側に
向かって形成された対応する突出部９を、必要に応じて
凹み１０で収納することができる。図に示す場合におい
ては、突出部９は、いったん凹部８内に固定されると、
装置の外面がほぼ平面になるような形態を有する。

【００２５】凹部８が貫通していない場合、ラチェット
嵌入部は決して外側から分解することができない。しか
し、図示するような貫通凹部でも、脚部の剛性を考えた
場合、工具なしで分解することはむずかしい。

【００２６】縁部５は、接続部の径方向通過のための切
欠き１１を備える。底部４内に作製する開口部１２のよ
うな軸方向出口を設けることもできる。

【００２７】有利には、脚部３はその内面上に溝１３の
形状を有し、安全部品またはその他（電子部品、線な
ど）を場合によっては含むことができる使用可能空間を
形成する。

【００２８】電池を固定するための隆起部１４（図２
Ａ）を底部４上に設けることができる（これらの隆起部
は図２Ｂの凹部１４’に対応する）。型内でこれらの隆
起部１４の高さを調節することにより、型を、異なる高
さの電池に対し適当な装置の作製に合わせることができ
る。

【００２９】本発明による装置は、知られている装置と
比較して、多くの長所を有する。

【００３０】装置は、電気化学式電池のアセンブリのボ
リューム包絡面を大きくするどころか、その空間所要体
積を小さくし、いくつかの部品をボリューム包絡面の内
部に収納することができる。

【００３１】本装置は実質的に分解不可能であり、それ
によりユーザの安全が保証される。電池は本発明による
装置の内部に収納されるため、全く手が届かない。

【００３２】本装置は生産および使用コストが低く、た
とえば組み立ての実施に関して２０から３０％程度の節
約が期待される。必要な材料の量も少ない。装置の製造
は、二つの部品が同一であることから、より簡単にな
り、種々の形式の電池に、型を、したがって製造部品を
容易に合わせることができることから、より柔軟性が高
い。最後に、この装置を使用する電気化学式電池列の組
み立てはより簡単でより高速である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による二つの同一の要素により保持され
るようになっている二つの乾電池の展開斜視図である。

【図２Ａ】本発明によるアセンブリを形成する二つの同
一の要素を一方向から見た斜視図である。

【図２Ｂ】本発明によるアセンブリを形成する二つの同
一の要素を反対方向から見た斜視図である。

【符号の説明】

１ 要素 ２ 基部 ３ 脚部 ４ 底部 ５ 縁部 ６ 電気化学式電池 ７ 大寸側面 ８、９ 相補手段 １０ 凹み １１ 切欠き １２ 軸方向出口 １３ 溝 １４ 隆起部 １４’ 凹み

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランシス・ポチロン フランス国、86240・フオンテーヌ・ル・ コント、リユ・ドユ・ベルコール・19

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 二つの同一の要素（１）から成り、前記
   要素のそれぞれが、 縁部（５）に取り囲まれた底部（４）で形成された、電
   池の端部を支持する基部（２）と、 前記縁部（５）から垂直に延び、前記縁部（５）と一体
   になった他方の要素と結合する少なくとも一つの伸長脚
   部（３）と、 前記要素の一方の脚部上に、組み立て方向に対しほぼ直
   角な方向に形成された突出部と、ラチェット機構（８、
   ９）を実現するために、前記突出部を受け入れる他方の
   要素の縁部内の凹部とから成り、二つの要素（１）のア
   センブリを前記電池（６）の端部に保持するために協働
   する相補手段（８、９）とを備えることを特徴とする並
   列に配置された電気化学式電池（６）から成る電気化学
   式電池列の組み立て装置。
2. 【請求項２】 前記底部（４）が、前記電池を固定する
   ための隆起部（１４）を含む請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 基部（２）が、電気接続を通過させるた
   めの軸方向出口（１２）を含む請求項１または２に記載
   の装置。
4. 【請求項４】 縁部（５）が、電気接続を通過させるた
   めの切欠き（１１）を含む請求項１から３のいずれか一
   項に記載の装置。
5. 【請求項５】 前記脚部（３）が、使用可能空間を形成
   するその内面上に溝（１３）の形状を含む請求項１から
   ４のいずれか一項に記載の装置。