JPH0514525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は太陽電池モジユールに関し、より詳細
には複数個の太陽電池モジユールを相互に電気的
機械的に接続するようにした構造の改良に関する
ものである。

従来、太陽電池素子を複数個配列したモジユー
ルケースの側壁に凹陥部、該側壁と対向する側壁
に凸設部を形成し、該凹陥部と凸設部に太陽電池
素子のリード端子を導出し、一方のモジユールケ
ースの凹陥部に、他方のモジユールケースの凸設
部を嵌合することにより、両太陽電池モジユール
を電気的、機械的に接続することが提案されてい
る。

しかしながら、こうしたモジユールケースの凹
陥部と凸設部の嵌合による接続状態では、嵌合方
向と逆方向の力や垂直方向の力及びモジユールケ
ースのねじれ等に対して弱いため、数多くのモジ
ユールケースを平面方向に連結していくと部分的
に嵌合が外れる恐れがある。また嵌合が外れない
としても接続状態が不十分であれば複数の太陽電
池モジユールで構成された太陽電池装置からの出
力が得られず、太陽電池装置の機能を果すことが
できなくなる。太陽電池装置は、屋外で使用され
ることが多いため、太陽電池モジユールの電気的
及び機械的接続を確実且つ強固に行なうことが要
請されている。

本考案の太陽電池モジユールは、上述の欠点を
解消するものであり、その目的は、複数の太陽電
池モジユールを電気的、機械的に接続し得るよう
にし、且つその接続が確実且つ強固となる太陽電
池モジユールの構造を提供することにある。

以下、本考案を図面に従つて説明する。

第１図及び第２図は、本考案の一実施例を示す
太陽電池モジユールを示した斜視図である。図中
１は太陽電池モジユール（以下、モジユールとも
いう）であり、モジユール１は、上面に透明なガ
ラスまたは樹脂を有するモジユールケース２と、
図示していないがケース２内部に収納された複数
個の太陽電池素子とからなり、各太陽電池素子は
互いに電気的に接続されている。

モジユール２は、直列、並列またはマトリツク
ス状に接続がされるように規則正しい矩形に形成
されている。

モジユールケース２の側部には、側部壁３ａ，
３ｂより外方に突出した突出部４，６が形成さ
れ、且つ該側部壁と対向する側部壁３ｃ，３ｄに
それぞれ陥没した溝部５，７が形成されている。

突出部斜視図と６及び溝部５と７はそれぞれ実
質上同一の構造を有しているので、重複を避ける
ため、以下、突出部４と溝部５の構造について詳
細に述べる。

突出部４は側部壁３ａにおいてモジユールケー
ス２の厚み方向中央部に、その長さ方向全長に亘
つて形成されたレール状部１０と、該レール状部
１０の２箇所に形成され、レール状部より厚肉の
Ｌ字状の係止部（鉤状部）１１とから成つてい
る。該レール状部１０の厚みは後述するが溝部５
内に嵌入されるように設定されている。また、係
止部１１はレール状部１０の上下両面にＬ字状に
突設されており、これによりモジユールケース２
の側部壁３ａとの間に溝状の空所Ｓがレール状部
１０の上下両面に形成される。

一方、溝部５は側部壁３ａと対向する側部壁３
ｃに、モジユールケース２の長さ方向全長に亘つ
て形成されており、且つ該溝部５の２箇所に、そ
の開口端の両側から突起状に上下一対の係止部
（凸片部）１２が形成されている。この係止部１
２は前記突出部４の溝状空所Ｓに嵌入ないしは圧
入される形状及び寸法であり、上下の係止部１２
の間隔は突出部４のレール状部１０が嵌入される
ようにそれぞれ設定されている。

溝部５の係止部１２が設けられていない部分の
溝幅は前記突出部４のＬ字状の係止部１１が嵌入
されるように、また溝部５の深さは該突出部４が
完全に嵌入され、一方のモジユールケースの側部
壁３ａと他方のモジユールケースの側部壁３ｃが
当接し得るように設定されている。

かくして、一方のモジユールケースの溝部５に
他方のモジユールケースの突出部４を嵌入して両
モジユールケースを接続する場合、両ケースの長
さ方向を整合させた正規の接続位置においては、
突出部４の係止部１１と溝部５の係止部１２とが
突き当り、溝部５内に突出部４を直接、嵌入でき
ない構造になつている。なお、この接続方法につ
いては後述する。

前記モジユールケース２の突出部４，６には、
それぞれ太陽電池素子のリード端子８ａ，８ｂ及
び９ａ，９ｂがレール状部１０の頂上部に導出さ
れている。また、溝部５，７にもそれぞれリード
端子８ｃ，８ｄ及び９ｃ，９ｄがその底部に導出
されている。前記リード端子８ａ乃至８ｄは太陽
電池素子と並列に、リード端子９ａ乃至９ｄは太
陽電池素子と直列にそれぞれ接続された端子であ
る。従つて、例えば２個のモジユールを並列接続
する場合には、一方のモジユールケースの突出部
４に導出されたリード端子８ａ，８ｂを他方のモ
ジユールケースの溝部５内に導出されたリード端
子８ｃ，８ｄに、また、直列接続する場合は一方
のモジユールケースの突出部６のリード端子９
ａ，９ｂを他方のモジユールケースの溝部７内の
リード端子９ｃ，９ｄとそれぞれ電気的に接続す
るように両モジユールケースを接続すればよい。

次に、本考案のモジユールの接続方法を説明す
る。

先ず、一方のモジユールケースの突出部４の係
止部１１が他方のモジユールケースの溝部５の係
止部１２に突き当たらない位置において、該突出
部４の係止部１１を溝部５内に嵌入すると共に該
突出部４のレール状部１０を溝部５の上下一対の
係止部１２間に嵌入する。次いで、突出部４の係
止部１１と溝部５の係止部１２が係合する方向
に、いずれかのモジユールケースをスライドさせ
ると、突出部４の溝状空所Ｓ内に溝部５の係止部
１２が圧入ないしは嵌入される。かくして、両係
止部１１，１２が完全に係合したとき、両モジユ
ールケースは正規の位置で機械的な接続が達成さ
れる。同時に、突出部４上のリード端子８ａ，８
ｂは溝部５内のリード端子８ｃ，８ｄとそれぞれ
接続されるため、両モジユールの太陽電池素子は
並列接続されることになる。

両モジユールの太陽電池素子を直列接続する場
合は、一方のモジユールケースの突出部６を他方
のモジユールケースの溝部７内に嵌入し両者の係
止部を係合し、リード端子９ａ，９ｂと９ｃ，９
ｄを接続させればよい。このモジユールの接続方
法は上述した説明から容易に理解されるので説明
を省略する。

なおモジユールケースの溝部と突出部に設ける
係止部の形状寸法については、上記実施例に限定
されるものではなく、例えば両係止部１１，１２
の係合面にテーパー面を形成する等種々の変更が
可能である。

また突出部のＬ字状部１１の係合面に丸味を帯
びた突起部を形成し、係止部１２の係合面に前記
突起部に対応する形状の凹部を形成して両係止部
１１，１２の係合時に該突起部と凹部が嵌合する
ようにすれば、モジユールの係合が横方向のみな
らず、縦方向の力に対しても強固となり、より確
実な接続が得られるので好適である。

以上説明したように、本考案の太陽電池モジユ
ールは同一形状のモジユールケース同志の接続方
向を変えることのみで、電気的接続状態を容易に
変えることができるものである。そして、複数個
の太陽電池素子を収納した矩形のモジユールケー
ス同志を所定位置へスライドさせることにより、
モジユール間の電気的機械的接続が維持される。
これらのことにより、以下のような効果が期待で
きる。

すなわち、複数個のモジユールケースを接続さ
せた場合にモジユールケースの接続部に加わる外
力に対し、堅固にして確実な電気的機械的接続が
維持され、モジユールを日射方向に対向させるた
めに傾斜させたり、振動等不安定な悪条件下にお
いても十分対応できるので高信頼性の太陽電池装
置が実現される。

また、モジユールケース同志の接続が容易かつ
堅固であるばかりでなく、モジユールケースの接
続方向を変えることのみで容易に所望の電気特性
の起電力を得ることができるので極めて汎用性の
高い太陽電池装置が実現される。

さらに、モジユールケースの溝部に塵埃等異物
が山積しても、モジユールケースのスライドによ
り異物の除去が行われるため確実で安全な太陽電
池装置が実現される。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す太
陽電池モジユールを示した斜視図である。 １……太陽電池モジユール、２……モジユール
ケース、４，６……突出部、５，７……溝部、１
１，１２……係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 太陽電池素子を複数個収納した矩形のモジユー
   ルケースの少なくとも二つの側壁のいずれか一方
   にレール状部と該レール状部より厚肉の鉤状部と
   を形成し、他方の側壁に他のモジユールケースの
   鉤状部が嵌入し得る溝部を形成し、他のモジユー
   ルケースのレール状部が嵌入しかつ他のモジユー
   ルケースの鉤状部を係合し得る凸片部を前記溝部
   に形成するとともに、前記鉤状部及び溝部の各々
   に一対のリード端子を導出させて成り、一のモジ
   ユールケースの鉤状部を他のモジユールケースの
   溝部内に嵌入させスライドさせて、該鉤状部を他
   のモジユールケースの凸片部で係合させることに
   より、両モジユールケースのリード端子同士を接
   続するようにした太陽電池モジユール。