JPH1173229A - 楕円振動装置 - Google Patents

楕円振動装置

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JPH1173229A
JPH1173229A JP24607397A JP24607397A JPH1173229A JP H1173229 A JPH1173229 A JP H1173229A JP 24607397 A JP24607397 A JP 24607397A JP 24607397 A JP24607397 A JP 24607397A JP H1173229 A JPH1173229 A JP H1173229A
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Kazumichi Kato
一路 加藤
Kyoji Murakishi
恭次 村岸
Yutaka Kurita
裕 栗田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固有周波数付近の周波数を有する外乱の影響
を抑え、所望の制御を確実に行える楕円振動装置を提供
すること。 【解決手段】 楕円振動装置26の第1機械振動系32
の変位Xを、第1コントローラ39及び第2コントロー
ラ34に供給する。第1コントローラ39は指令信号r
1 を出力し、これを第1電力増幅器40を介して第1振
動駆動源41に伝達し、水平方向の加振力を発生させて
第1機械振動系32を振動させる。第2コントローラ3
4は指令信号r2 を出力し、これを第2電力増幅器35
を介して第2振動駆動源36に伝達し、垂直方向の加振
力を発生させて、第2機械振動系37を振動させる。更
に、この第2機械振動系37の振動速度dY/dtを検
出し、これにゲインKC で増幅した値を第2コントロー
ラ34の出力に負帰還し、第2機械振動系37の疑似減
衰率を大きくして、第2機械振動系37の固有周波数f
2 付近での伝達率Y/r2 を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば振動により
部品を供給する楕円振動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12において、楕円振動装置である楕
円振動パーツフィーダは全体として1で示され、楕円振
動が行われるボウル2を備えている。ボウル2の内周面
にはスパイラル状のトラックが形成され、この下流側の
適所にワイパーが設けられている。このワイパーはすで
に周知であるので図を省略するが、平板を折り曲げて成
り、その下端とトラックの移送面との距離は整送すべき
部品m(平板状とする)の厚さよりは大きいが、この倍
よりは小さい。トラックの排出端には姿勢保持手段が設
けられ、ここを通って所望の姿勢の部品(例えば長辺を
移送方向に向けた部品m)が図示しない直線式振動フィ
ーダに供給される。
【0003】ボウル2は図13に明示される十字状の上
側可動フレーム7に固定されており、この上側可動フレ
ーム7に、図14に明示されるやはり十字状の下側可動
フレーム8が直立した4組の重ね板ばね9により結合さ
れている。すなわち、上側可動フレーム7の4つの端部
7aに重ね板ばね9の上端部がボルトにより固定され、
下側可動フレーム8の4つの端部8aに重ね板ばね9の
下端がボルトにより固定されている。なお、端部7a、
8aは上下方向に整列している。
【0004】上側可動フレーム7の下面には水平駆動電
磁石14a、14bに対向して水平可動コア16a、1
6bが固定されている。更に、上側可動フレーム7の下
面の中央部には、垂直可動コア13が固定されており、
これに対向して固定フレーム10の中央部には垂直駆動
電磁石11が固定されている。なお、図において12
は、垂直駆動電磁石11に巻装されているコイルであ
る。また、固定フレーム10の相対向する側壁部には垂
直駆動電磁石11を挟んで対照的に一対の水平駆動電磁
石14a、14bが固定され、これら電磁石14a、1
4bにはそれぞれコイル15a、15bが巻装されてい
る。
【0005】固定フレーム10にはこれと一体的に4個
の脚部17が形成され、これら脚部17が防振ゴム18
を介して基台上に支持されている。脚部17には横方向
に延在するばね取付部17aが一体的に形成され、これ
らばね取付部17aに図14に示されるように垂直駆動
用の重ね板ばね19が両端部で4組、ボルトにより固定
されている。重ね板ばね19は図に示されるようにスペ
ーサ20を介して重ねられ、これらの中央部分が下側可
動フレーム8にボルトにより固定されている。
【0006】以上の構成において、水平駆動電磁石14
a、14bは、水平方向の加振力を発生させる第1振動
駆動源であり、これによって駆動される第1の振動系は
ボウル2、重ね板ばね9、水平可動コア16a、16b
などから成る。すなわち、電流が供給されると水平駆動
電磁石14a、14bが、磁気吸引力を発生し、これに
より水平可動コア16a、16bが吸引されること、及
びこのとき引っ張られる重ね板ばね9の復元力により、
上側可動フレーム7は、水平方向に振動する。また、垂
直駆動電磁石11は、垂直方向の加振力を発生させる第
2振動駆動源であり、これによって駆動される第2の振
動系はボウル2、重ね板ばね19、垂直可動コア13な
どから成る。すなわち、垂直駆動電磁石11が、供給さ
れる電流によって、磁気吸引力を発生し、上側可動フレ
ーム7の垂直可動コア13が吸引され、及びこのとき重
ね板ばね19の下側可動フレーム8(これは上側可動フ
レーム7と重ね板ばね9を介して取り付けられている)
に接続されている部分が下方に引っ張られるので、この
重ね板ばね19の復元力により上側可動フレーム7は、
垂直方向に振動する。すなわち、水平方向と垂直方向と
を独立に振動させ、その振動の間に位相差を持たせるこ
とにより、上側可動フレーム7及びこれに一体的に形成
されたボウル2は、楕円振動を行わせている。
【0007】なお、この楕円振動において、重ね板ばね
19の結合による水平方向の剛性が強いために下側可動
フレーム8は、水平方向にほとんど動かないが、固定さ
れてはいないので、例えば、上側可動フレーム7が水平
方向の振動を受けると、下側可動フレーム8は、その反
力を受ける。そのため、例えば、水平方向に振動を発生
しようとすると、その重ね板ばね9や下側可動フレーム
8によって、その反力が垂直方向に作用し、垂直方向の
振動をも発生する。
【0008】特に、楕円振動機械では、効率を向上させ
るという面から、一般に、水平方向の固有振動数と垂直
方向の固有振動数とを近接するように(例えば、水平方
向の固有振動数より垂直方向の固有振動数より数パーセ
ント高くなるように)設定し、また垂直方向よりも振幅
を大きくしている水平方向の固有周波数に駆動周波数を
一致させている。そのため、水平方向を振動したことに
より、上述のように垂直方向の振動がわずかでも発生す
ると、この振動は、増幅されて大きな加振力となり、垂
直方向を振動させてしまう。すなわち、水平方向の振動
が垂直方向の振動に対して大きな外乱として作用するの
で、垂直方向の振幅制御や位相差制御(通常、水平方向
と垂直方向との位相差は60度で最適条件、すなわちボ
ウル2内のトラック上の部品を最大の搬送速度で搬送で
きることが判明している。)に悪影響が生じ、所望の制
御ができなくなるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題に
鑑みてなされ、例えば、水平方向の振動系(第1振動
系)又は垂直方向の振動系(第2振動系)を加振してい
る加振力が、他方の振動系に作用する場合など、振動系
の固有周波数付近の周波数を有する外乱が作用する場合
の楕円振動装置における外乱の影響を少なくし、楕円振
動装置の制御を従来よりも確実に行え得る楕円振動装置
を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、少なくと
も、水平方向に加振する第1加振力によって前記水平方
向に振動し、かつ垂直方向に加振する第2加振力によ
り、前記水平方向の振動と所定の位相差を有して、前記
垂直方向に振動することにより楕円振動を行う可動部を
有する楕円振動機(例えば、実施例の26、31、6
1;以下、同様)と、少なくとも増幅部(43)を有す
る第1コントローラ(39、63)と、該第1コントロ
ーラ(39、63)の出力を電力増幅する第1電力増幅
器(40、64)と、該第1電力増幅器(40、64)
の出力を受け前記第1加振力を発生させる第1振動駆動
源(41、65)と、該第1振動駆動源(41、65)
の前記第1加振力を受けて前記水平方向に振動する前記
楕円振動機(26、31、61)の第1振動系(32、
66)と、少なくとも増幅部(46)を有する第2コン
トローラ(34、68)と、該第2コントローラ(3
4、68)の出力を電力増幅する第2電力増幅器(3
5、69)と、該第2電力増幅器(35、69)の出力
を受け前記第2加振力を発生させる第2振動駆動源(3
6、70)と、該第2振動駆動源(36、70)の前記
第2加振力を受けて前記垂直方向に振動する前記楕円振
動機(26、31、61)の第2振動系(37、71)
とを有した楕円振動装置において、前記可動部の前記水
平方向の振動速度を検出する第1振動速度検出手段を設
け、該第1振動速度検出手段によって検出された前記水
平方向の振動速度を、第1の所定ゲインで増幅し、これ
を前記第1コントローラと前記第1振動駆動源との間に
負帰還させて、第1の閉ループを形成し、前記第1振動
系に、該第1振動系の固有周波数付近の周波数を有する
外乱が作用するときには、前記第1振動系の疑似減衰率
を大きくして、前記第1振動系の伝達率を小さくする及
び/又は前記可動部の前記垂直方向の振動速度(dY/
dt)を検出する第2振動速度検出手段(28、38、
72)を設け、該第2振動速度検出手段(28、38、
72)によって検出された前記垂直方向の振動速度(d
Y/dt)を、第2の所定ゲイン(KC )で増幅し、こ
れを前記第2コントローラ(34、68)と前記第2振
動駆動源(36、70)との間に負帰還させて、第2の
閉ループを形成し、前記第2振動系(37、71)に、
該第2振動系(37、71)の固有周波数付近の周波数
を有する外乱(D1 )が作用するときには、前記第2振
動系(37、71)の疑似減衰率を大きくして、前記第
2振動系の伝達率(Y/r2 )を小さくすることを特徴
とする楕円振動装置、によって解決される。
【0011】このような構成によって、第1振動系及び
第2振動系のうちどちらか一方の振動系又は両方の振動
系に、その固有周波数付近での周波数を有する外乱が大
きく生じた場合には、その外乱が生じた振動系の振動速
度を検出し、この振動速度に基づいた大きさで、これ
を、コントローラからの指令信号が振動駆動源に伝達さ
れる間に負帰還し、その外乱が生じた振動系の疑似減衰
率(これは、振動系を制御する制御系を含めた振動系全
体の減衰率であり、振動系が有する固有の減衰率と区別
するためこのような用語を用いている)を大きくする。
この疑似減衰率を大きくしたので、第1振動系及び/又
は第2振動系の固有周波数での共振倍率(すなわち伝達
率(指令信号に対する出力変位の比)の最大値)が小さ
くなる。そのため、振動系のばね定数や質量が大きく変
わらなければ、第1振動系の固有周波数付近及び/又は
第2振動系の固有周波数付近の周波数を有する外乱の伝
達率は小さくなるので、外乱の影響を小さくすることが
でき、所望の制御を確実に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
図面を参照して説明する。
【0013】本発明の楕円振動装置は、少なくとも、水
平方向に加振する第1加振力によって水平方向に振動
し、かつ垂直方向に加振する第2加振力により、水平方
向の振動と所定の位相差を有して、垂直方向に振動する
ことにより楕円振動を行う可動部を有する楕円振動機
と、少なくとも増幅部を有する第1コントローラと、こ
の第1コントローラの出力を電力増幅する第1電力増幅
器と、この第1電力増幅器の出力を受け第1加振力を発
生させる第1振動駆動源と、この第1振動駆動源の第1
加振力を受けて水平方向に振動する楕円振動機の第1振
動系と、少なくとも増幅部を有する第2コントローラ
と、該第2コントローラの出力を電力増幅する第2電力
増幅器と、この第2電力増幅器の出力を受け第2加振力
を発生させる第2振動駆動源と、この第2振動駆動源の
第2加振力を受けて垂直方向に振動する楕円振動機の第
2振動系とを有した楕円振動装置において、可動部の前
記水平方向の振動速度を検出する第1振動速度検出手段
を設け、この第1振動速度検出手段によって検出された
水平方向の振動速度を、第1の所定ゲインで増幅し、こ
れを前記第1コントローラと第1振動駆動源との間に負
帰還させて、第1の閉ループを形成し、第1振動系に、
この第1振動系の固有周波数付近の周波数を有する外乱
が作用するときには、第1振動系の疑似減衰率を大きく
して、第1振動系の伝達率を小さくする及び/又は可動
部の垂直方向の振動速度を検出する第2振動速度検出手
段を設け、この第2振動速度検出手段によって検出され
た垂直方向の振動速度を、第2の所定ゲインで増幅し、
これを第2コントローラと第2振動駆動源との間に負帰
還させて、第2の閉ループを形成し、第2振動系に、こ
の第2振動系の固有周波数付近の周波数を有する外乱が
作用するときには、第2振動系の疑似減衰率を大きくし
て、前記第2振動系の伝達率を小さくすることを特徴と
する楕円振動装置とする。
【0014】すなわち、第1振動系及び/又は第2振動
系に、それぞれの固有周波数付近の周波数を有する外乱
が作用するときには、図7に示すように、その外乱Dが
作用する機械振動系21の振動速度dA/dtを振動速
度検出手段22で検出し、それに基づく大きさのフィー
ドバック(このときのフィードバックゲインは図におい
てcf として示している)を、コントローラからの指令
信号rが振動駆動源23に伝達されるまでの間に、Rで
示すように負帰還させて、閉ループを形成し、その機械
振動系21の疑似減衰率を大きくして、共振倍率を低下
させ、外乱の伝達率を小さくする。すなわち、第1の所
定ゲイン及び/又は第2の所定ゲインは、外乱となる振
動系の固有周波数付近の周波数での伝達率を小さくし、
その外乱が充分に抑制できるような値に設定する。なお
また、このとき、外乱が有する固有周波数での伝達率が
小さくなるのであれば、機械振動系21のばね定数、質
量や振動駆動源23のゲインを同時に変えてもよい。
【0015】すなわち、図8は、図7の詳細なブロック
図を示しているが、機械振動系21の速度dA/dtを
負帰還しない場合には、その機械振動系21の疑似減衰
率(すなわち制御系を含めて、1つの機械振動系を表し
たときの減衰率である)は、その機械振動系21の固有
の減衰率cであり、このときの伝達率(すなわち指令信
号rに対する出力変位Aの比)は、図9(縦軸に伝達
率、横軸に周波数をとっており、この系の固有周波数の
n において、伝達率は最大値(すなわち共振倍率)と
なっている)に、実線で示されるような形状となる特性
を有する。なお、このときの伝達率A/rは、公知のよ
うに次の式(1)で表せる。
【0016】
【数1】
【0017】しかしながら、本発明のように、機械振動
系21の振動速度dA/dtを上述のようにフィードバ
ックゲインcf で、負帰還させて閉ループを形成する
と、この閉ループは、図8に点線で示されているよう
に、機械振動系21にゲインc”を付加したのと同じ効
果となる。ただし、このゲインc”は、閉ループのフィ
ードバックゲインcf を、駆動振動源23が有するゲイ
ンIで割った値、すなわちc”=cf /Iである。すな
わち、このときの振動系21の全体の減衰率(すなわち
疑似減衰率)は、固有の減衰率cと、閉ループを形成し
たために付加された減衰率c”との和と大きくなる。な
お、このときの伝達率A/rは次の式(2)で表せる。
【0018】
【数2】
【0019】そのため、機械振動系21の伝達率は、例
えば図9に一点鎖線で示すように、共振倍率が小さくな
った形状となる。勿論、公知のように、付加される減衰
率c”の大きさが変われば、その共振倍率の大きさ及び
その特性曲線は異なるが、減衰率を大きくすれば、その
共振倍率は低下する。例えば、k=1、m=1で、(c
+c”)がcの値の4倍となるときには、その最大値は
1/2程度に減少される。従って、固有周波数fn 付近
の周波数を有する外乱が生じた場合であっても、その外
乱が大きく増幅されて、その振動系に大きな影響を及ぼ
すことはない。そのため、所望の制御を、従来よりも確
実に行うことができる。
【0020】また、振動駆動源が電磁石である場合な
ど、振動駆動源が遅れ要素を含む場合には、図10に示
すように、外乱が生じた振動系に形成される閉ループの
途中に、振動駆動源の位相遅れを補償する位相調節器2
4を設けるようにする。これにより、負帰還する値に位
相遅れが生じることなく、伝達率を小さくすることがで
き、外乱の影響を小さくすることができる。従って、所
望の制御を確実に行うことができる。
【0021】なお、振動速度を検出する振動速度検出手
段22は、機械振動系21の振動速度dA/dtを検出
する振動速度検出器から構成されるようにしてもよい
し、その機械振動系21の振動変位Aを検出する振動変
位検出器と微分器又は疑似微分器とから構成されるよう
にしてもよい。なお、疑似微分器とは、図11に示すよ
うに、機械振動系(第1振動系及び第2振動系)の固有
周波数より高く、高周波ノイズとなるような高周波の領
域では、微分器として動作しないものである。これに
は、例えば、図11のAに示すように、固有周波数fn
より高い周波数fmより高い周波数領域では、入力に対
する出力の比が一定となる特性を有するものや、更に、
図11のBに示すように、周波数fm より更に高い周波
数領域fh では、入力に対する出力の比が減少する特性
を有するものがある。このような微分器を設けることに
より、不必要な高周波ノイズを低減して、所望の制御を
より確実に行うことが可能である。なお、図11のAで
示されるような特性を確実に得るためには、微分器にロ
ーパスフィルタを設ければよいし、図11のBで示され
るような特性を有する微分器は、2つのローパスフィル
タ直列に有した微分器とすればよく、またこれは、それ
程、複雑な構造ではない。
【0022】また、一般の楕円振動装置では、水平方向
の振幅が、垂直方向の振幅より大きくなるように加振し
ている。共振振動を用いれば、効率よく大きな振幅を得
ることができる。従って、水平方向の振動は共振振動に
よって得るとよい。更に、水平方向の振幅が垂直方向の
振幅より大きいため、水平方向を加振するための加振力
は垂直方向を加振するための加振力より大きく、そのた
め垂直方向に作用する外乱は、水平方向に作用する外乱
よりも大きい。そこで、垂直方向に振動される機械振動
系に閉ループを形成し、その疑似減衰率を低下させて、
固有周波数付近での外乱を小さくするようと、より効果
的に所望の制御を行い得る。
【0023】また、第1振動系及び/又は第2振動系の
伝達率を小さくする場合であっても、その伝達率は、常
に1以上になるように、第1の所定ゲイン及び/又は第
2の所定ゲインを定めれば、すなわち指令信号よりも出
力変位の大きさが常に大きくなるようにすれば、指令信
号を与えても、その信号が小さ過ぎて振動しないという
現象が起こることはない。なお、楕円振動機の可動部を
楕円振動させるために、水平方向の振動変位と垂直方向
の振動変位との位相差が約60度となるようにするのが
よい。この位相差にすると、可動部のトラック上の部品
を最大の搬送速度で搬送できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の各実施例について、図面を参
照して説明する。
【0025】図1は、本発明の第1実施例による楕円振
動装置(例えばこれは、従来例で示した楕円振動パーツ
フィーダである)のブロック図を示すが、全体として、
26で示されている。水平方向の振動系、すなわち第1
機械振動系32の変位Xが振動変位検出器33で検出さ
れている。この振動変位検出器33の出力は、水平方向
の振動を制御する第1コントローラ39及び垂直方向の
振動を制御する第2コントローラ34に供給されてい
る。第1コントローラ39の出力は、第1電力増幅器4
0を介して第1振動駆動源41に供給され、ここで水平
方向に加振力が発生して、楕円振動装置26の水平方向
の振動系、すなわち第1機械振動系32に供給される。
すなわち、水平方向の制御系は、全体として閉ループを
形成している。他方、第2コントローラ34の出力は、
第2電力増幅器35を介して、第2振動駆動源36に供
給され、ここで垂直方向に加振力が発生して、楕円振動
装置26の垂直方向の振動系、すなわち第2機械振動系
37に供給される。更に、この第2機械振動系37の垂
直方向の振動速度が、振動速度検出器28で検出され、
これが第2コントローラ34の出力にフィードバックさ
れている。
【0026】図2は、本実施例の図1を更に詳細に示す
ブロック図である。すなわち、本実施例における第1コ
ントローラ39は、例えば位相器42、ハイゲインアン
プ43及び振幅調整リミッタ(飽和要素)44からなっ
ている。そして、この第1コントローラ39の出力が、
ゲインKa1を有する第1電力増幅器40に供給され、こ
の出力は第1振動駆動源41である電磁石に供給され
る。電磁石は電圧と力に位相差があり、1/(s+a
1 )(sはラプラス変換子(以下同様)であり、a1
定数である)なる遅れ要素を有している。これにより水
平方向の第1機械振動系32が加振される。第1機械振
動系32では、その質量m’、すなわち可動部の質量
m’が加速度d2 X/dt2 で振動しているとき、1/
sの積分要素を介すると、速度dX/dtとなり、これ
に第1機械振動系32の減衰率c1 をかけたものが減衰
率として質量m’に作用する。また、速度dX/dtが
積分要素を介すると変位Xとなり、これに第1機械振動
系32のばね定数k1 をかけたものが復元力として作用
する。この水平方向の振動変位は振動変位検出器33で
検出され、これが第1コントローラ39及び第2コント
ローラ34に供給される。すなわち、第1機械振動系3
2は共振振動が行われているので、共振点における力と
変位の位相差は90度であり、水平方向の電磁石41の
位相遅れも90度であるので、第1コントローラ34の
入力から第1機械振動系32の変位Xとの位相差は、1
80度であり、この水平方向の制御系は、自励振動を行
わせているので、第1コントローラ39の位相調節器4
2の設定位相差αは零である。
【0027】他方、第1機械振動系32の変位Xが供給
された第2コントローラ34は、第1コントローラ39
と同様に、位相器45、ハイゲインアンプ46及び振幅
調整リミッタ(飽和要素)47からなっており、この出
力は、ゲインKa2を有する第2電力増幅器35に供給さ
れ、この第2電力増幅器35の出力が第2振動駆動源3
6である電磁石に供給される。この第2振動駆動源36
も、1/(s+a2 )なる遅れ要素を有し、第1振動駆
動源41と同様に、90度の位相遅れを生じる。これに
より楕円振動機械26の垂直方向の第2機械振動系37
が加振される。この第2機械振動系37も、第1機械振
動系32と同様に、その質量m’が加速度d2 Y/dt
2 で振動しているとき、1/sの積分要素を介すると、
速度dY/dtとなり、これに第2機械振動系37の減
衰率c2 をかけたものが振動減衰率として質量m’に作
用し、また、速度dY/dtが積分要素を介すると変位
Yとなり、これに第2機械振動系37のばね定数k2
かけたものが復元力として作用する。なお、このときの
第2機械振動系37は、その固有周波数よりも数パーセ
ント低い周波数で強制振動されるので、力と変位の位相
差は、0度であり、第2コントローラ34の位相器45
の設定位相差は、30度に設定されている。
【0028】更に、本実施例では、第2機械振動系37
の振動速度は、第2振動駆動源36の位相遅れを補償し
ており、すなわち位相調節器27は、γ=90度の進み
要素を有している位相調節器27(なお、これは微分器
であってもよい)及びゲインKC を介して、第2コント
ローラ34の出力に供給されている。
【0029】なお、振幅調節リミッタ44には、図示せ
ずとも水平方向の振動変位検出器33の出力を受ける振
幅コントローラが、振幅調節リミッタ47には、図示せ
ずとも垂直方向の振動変位の出力を受ける振幅コントロ
ーラがそれぞれ接続されている。これらの振幅コントロ
ーラは同じ構造をしており、これは比較器を有している
が、この一方の入力端子には所望の振幅が設定されてお
り、他方の入力には振動変位検出器33の出力又は図示
しない垂直振動変位検出器の出力が供給されて、その偏
差に応じて振幅調節リミッタ44、47を自動的に調節
して、一定の長軸、短軸を持った一定方向の楕円振動を
ボウルに行なわせるようにしている。
【0030】本実施例の楕円振動装置26は以上のよう
に構成されるが、次に、この作用について説明する。
【0031】すなわち、第1電力増幅器40及び第2電
力増幅器35は図示せずともスイッチを介して直流電源
が接続されており、このスイッチを閉じることにより作
動状態となる。水平方向の第1機械振動系32は、共振
周波数で振動を行うので、第1コントローラ39の入力
と、第1機械振動系32の出力とは、180度の位相差
を有して自励振動を行う。この第1機械振動系32の変
位X、すなわち振動変位検出器33の出力は、第1コン
トローラ39に供給されるだけでなく、第2コントロー
ラ34にも供給され、第2電力増幅器35を介して、第
2振動駆動源36の電磁石が励磁されて、その共振周波
数から数パーセント低い周波数で強制振動が行われる。
そして、共振振動状態にある水平方向の振動系の力と変
位との位相差は90度に安定に保持され、またこれから
強制振動においては共振周波数が若干変化しても、その
位相差がほとんど変化しないことにより、水平方向の変
位と垂直方向の変位は60度に保たれ、最適な楕円振動
条件を得ている。
【0032】このように第1機械振動系32及び第2機
械振動系37を駆動すると、第1振動駆動源41の加振
力の反力が、図2の一点鎖線で示すように、第2機械振
動系37を加振し、第2振動駆動源36の加振力の反力
も、図の二点鎖線で示すように、第1機械振動系32を
加振する。すなわち、第1振動駆動源41の加振力が第
2機械振動系37に外乱D1 として作用し、第2振動駆
動源36の加振力が第1機械振動系32に外乱D2 とし
て作用する。ただし、本実施例では、上述したように水
平方向に大きな加振力を与えているので、その反対側、
すなわち楕円振動装置26の垂直方向を振動している第
2機械振動系37に作用する外乱D1 のほうが、第1機
械振動系32に作用する外乱D2 よりも大きくなってい
る。そこで、本実施例では、この第2機械振動系37の
振動速度を検出し、第2コントローラ34の出力r2
負帰還した閉ループを構成する。
【0033】そのため、垂直方向の伝達率、すなわち第
2コントローラからの出力r2 に対する第2機械振動系
37の出力変位Y(ここでは、伝達率=Y/r2 であ
る)の特性曲線は、図3の実線L2 ’で示されるような
形状となる。なお、図3において、f1 は水平方向の振
動系、すなわち第1機械振動系32の固有周波数、f2
は垂直方向の振動系、すなわち第2機械振動系37の固
有周波数であり、図において点線で示されているL1
水平方向の伝達率、すなわち第1コントローラからの出
力r1 に対する第1機械振動系37の出力変位X(ここ
では、伝達率=X/r1 である)の特性曲線である。ま
た、図において一点鎖線L2 は、振動速度検出器28か
らの出力を第2コントローラ34に負帰還させなかった
とき、すなわち、閉ループを構成しなかったときの垂直
方向の伝達率の特性曲線である。すなわち、楕円振動装
置26の駆動周波数における水平方向の伝達率は、閉ル
ープを設けたことにより、t2 からt1 へと低下する。
従って、第2機械振動系37に作用した、第2機械振動
系37の固有周波数付近の外乱D1 の増幅率(伝達率)
は、従来よりも小さくなり、その外乱D1 を抑えること
ができる。なお、このとき、伝達率を低下させること
で、第2コントローラ34からの指令信号の伝達率も小
さくなるため、閉ループのフィードバックゲインKC
は、指令信号r2 により所望の振動が生じないというこ
とがなく、かつ充分に外乱が抑制できるような伝達率と
なるように、定めている。
【0034】本実施例では、このように大きな外乱D1
が発生する第2機械振動系37に、この第2機械振動系
37の速度を検出し、この検出された値をゲインKC
増幅し、これを、第2コントローラ34から第2振動駆
動源36までの間に負帰還させて、閉ループを形成し、
第2機械振動系37の疑似減衰率を大きくして、垂直方
向の伝達率(指令信号r2 に対する第2機械振動系37
の出力変位Y)を小さくしているので、第1機械振動系
32を加振する第1振動駆動源41による外乱D1 の影
響を低く抑えることができ、所望の制御を、従来よりも
確実に行うことができる。
【0035】次に、図4及び図5を参照して、本発明の
第2実施例による楕円振動装置を示すが、上記実施例と
同様な部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省
略する。
【0036】図4は、本発明の第2実施例による楕円振
動装置のブロック図を示すが、全体として、31で示さ
れている。本実施例では、楕円振動装置31の水平方向
の振動系、すなわち第1機械振動系32の出力変位Xを
検出している水平振動変位検出器33’の出力は、垂直
方向の振動を制御する第2コントローラ34にのみ供給
され、第2電力増幅器35、第2振動駆動源36を介し
て、楕円振動装置31の垂直方向の振動系、すなわち第
2機械振動系37に供給されている。そして、第2機械
振動系37の垂直方向の振動変位Yが、垂直振動変位検
出器38’で検出され、水平方向用の第1コントローラ
39に供給され、第1電力増幅器40、第1振動駆動源
41を介して水平方向の第1機械振動系32に供給され
ている。なお、水平振動変位検出器33’の出力はその
まま第2コントローラ34に供給されるが、垂直振動変
位検出器38’の出力は第1コントローラ39に負帰還
信号として供給される。
【0037】なおまた、垂直振動変位検出器38’の信
号は、疑似微分器29を介し、更にゲインKC で増幅さ
れて、第2コントローラ34の出力にフィードバックさ
れる。すなわち、本実施例では、垂直振動変位検出器3
8’は、第1コントローラ39に供給し第1機械振動系
の指令信号を生成するだけではなく、疑似微分器29と
一体となって、垂直振動速度dY/dtを求める振動速
度手段38を構成している。なお、この疑似微分器29
は、図5(これは本実施例を更に詳細に示すブロック図
である)で示すように、例えば2つのローパスフィルタ
29a、29bから構成されており、図11のBで示す
ような出力特性を有している。すなわち、第2機械振動
系37の固有周波数f1 (これは第1機械振動系32の
固有周波数f2 より大きい)より、ある程度高い周波数
m (例えば、その固有周波数の2倍の周波数など)ま
では、微分器として作用するが、この周波数fm から更
に高い周波数fh (例えば、その固有周波数の2.5倍
の周波数など)までの周波数領域では、入力に対する出
力の比は一定となり、その周波数fh より高い周波数領
域では、入力に対する出力の比が減少するような特性を
有している。
【0038】なお、本実施例の第1機械振動系37は、
共振振動をしており、そのため力と変位との位相差は9
0度であるが、第2機械振動系37は、固有周波数より
数パーセント低い周波数で駆動されているので、力と変
位との位相差は零である。また、上述したように第1振
動駆動源41及び第2振動駆動源36は電磁石であるの
で、その位相遅れは90度であり、従って、本実施例で
は第1コントローラ39の位相器42により位相αは6
0度進められ、また第2コントローラ34の位相器45
により位相差βは30度位相が進められる。そのため、
水平方向を制御する第1コントローラ39の位相器42
の入力と、水平方向の振動系である第1機械振動系32
の出力との間には、合計で120度の位相差があり、ま
た水平振動変位検出器33の出力、すなわち垂直方向を
制御する第2コントローラの位相器45の入力と、垂直
方向の振動系である第2機械振動系37の出力との間に
は、合計で60度の位相差がある。従って、第1コント
ローラ39の入力側と、垂直振動変位検出器38’の出
力側とを遮断した場合及びは第2コントローラ34の入
力側と水平振動変位検出器33’の出力側とを遮断した
場合には、いずれの場合にも、この間に180度の位相
差があり、第1振動系及び第2振動系は自励振動を行
う。
【0039】本発明の第2実施例の楕円振動装置31は
以上のように構成されるが、次にこの作用について説明
する。
【0040】やはり図示しないスイッチを介して、直流
電源を第1電力増幅器40及び第2電力増幅器35に接
続すると、水平方向の振動系は自励振動で共振振動を行
ない、垂直方向の振動系は自励振動で強制振動を行う。
なお、水平方向の第1機械振動系32は共振振動である
ので、常に力と変位との位相差が90度に維持され、ま
た、電磁石41の位相遅れは90度で一定であるので、
水平方向の振動と垂直方向の振動との位相差は、60度
に安定に保持される。従って最適条件で可動部は楕円振
動を行ない、部品はその内部に形成されたトラック上を
最大の搬送速度で搬送される。また、電源の変動やボウ
ル内の部品の負荷の変動が生じても、自励振動により常
に水平方向の振動系は共振振動を行って、力と変位との
位相差を90度に維持し、上記の最適条件を安定に続行
する。
【0041】本実施例でも、楕円振動を行うと、上記実
施例と同様に、第1振動駆動源41の加振力が第2機械
振動系37に外乱D1 として作用し、第2振動駆動源3
6の加振力が第1機械振動系32に外乱D2 として作用
するが、本実施例でも、水平方向に大きな加振力を与え
ているので、その反対側、すなわち楕円振動装置26の
垂直方向を振動している第2機械振動系37の外乱D1
のほうが、第1機械振動系32に加わる外乱D2 よりも
大きくなっている。しかしながら、本実施例では、この
第2機械振動系37の振動変位Yを検出し、これを疑似
微分器29を介して、第2コントローラ34からの出力
(すなわち指令信号)に負帰還している。そのため、そ
の第2機械振動系37の共振倍率を低下させている。本
実施例では、第2電力増幅器35のゲインKa1、第2振
動駆動源36のゲイン、第2機械振動系37のばね定数
1 及び質量m’は、一定(正確には第2機械振動系3
7の質量m’は少し変動する)であるので、第2コント
ローラ34からの出力r2に対する第2機械振動系37
の出力変位Y、すなわち固有振動数付近での伝達率が低
下する。すなわち、垂直方向の振動系に外乱D2 として
作用する水平方向の加振力の周波数(これは第2機械振
動系37の固有周波数の近傍の周波数である)における
第2機械振動系37の伝達率は、従来よりもはるかに低
下する。従って、第2機械振動系37の固有周波数の近
傍の周波数を有する外乱D1 の、第2機械振動系37へ
の影響を抑えることができる。
【0042】本実施例でも、上記実施例と同様に、第1
機械振動系32を加振する第1振動駆動源41による外
乱の影響が抑えられるので、所望の制御を、従来より確
実に行うことができる。更に、本実施例では、第2機械
振動系32の速度を直接、検出しているのではなくて、
第2機械振動系37の出力変位Yを微分して得た。すな
わち、第1機械振動系32に指令を与えるために検出さ
れる第2機械振動系37の振動速度dY/dtを検出す
る検出器を設けずとも、外乱D1 を確実に低下すること
ができる。なお、このとき、第2機械振動37の出力変
位Yを微分する微分器は、周波数fm より高い高周波領
域では微分器として作用せず、上述したような出力特性
を有する疑似微分器29を用いたので、高周波ノイズを
低減することができ、安定した制御を行うことができ
る。
【0043】図6は、本発明の第3実施例による楕円振
動装置のブロック図を示すが、全体として61で示され
ている。可変周波数電源62の出力は第1コントローラ
63に供給され、この出力は第1電力増幅器64で増幅
されて、第1振動駆動源65である圧電型のアクチュエ
ータに供給される。これにより上記実施例と同様に水平
方向の第1機械振動系66が加振され、この水平方向の
振動変位Xが振動変位検出器67で検出されて、これが
垂直方向の加振力を発生するための指令を出力する第2
コントローラ68に供給される。この第2コントローラ
68の制御出力が第2電力増幅器69を介して垂直方向
の第2振動駆動源70である圧電型のアクチュエータに
供給され、第2機械振動系71を加振する。なお、第2
コントローラ68の設定位相差は60度とされている。
ここにおいて、第1機械振動系66は可変周波数電源6
2の調節により、共振振動が行なわれるが、この振動に
対して正確に60度の位相差を持って、第2機械振動系
71は垂直方向に加振される。更に、第2機械振動系の
振動速度dY/dtは、振動速度検出器72によって検
出され、この検出された出力が、上記第1実施例と同様
に、ゲインKC で増幅された後、第2コントローラの出
力へと負帰還されている。
【0044】なお、本実施例の第1コントローラ63
は、上記第1実施例及び第2実施例とは異なり飽和要素
を有しないが、振動変位検出器67からの出力を図示し
ない振幅コントローラに供給し、この内部で所定の振幅
と比較してその偏差を第1コントローラ63に供給する
ことにより、定振幅の閉ループを形成して、水平方向の
振動を常に一定としてもよい。また、第2コントローラ
68の構成もこの第1コントローラ63と同様にしても
よい。
【0045】本実施例は、このような制御系を有する楕
円振動装置61であるが、本実施例でも、上記第1実施
例と同様な効果を奏することができる。すなわち、第2
機械振動系71の疑似減衰率が大きくなり、共振倍率が
小さくなるため、第2機械振動系71の固有周波数付近
での伝達率が小さくなるので、第2機械振動系71の固
有周波数付近での外乱、例えば第1振動駆動源による水
平方向を加振力のよる反力などの外乱の影響を従来より
も少なくすることができる。従って、所望の制御を、従
来よりも確実に行うことができる。
【0046】以上、本発明の各実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0047】例えば、以上の実施例では第1振動駆動源
41及び第2振動駆動源36は、90度の位相遅れを有
する電磁石を用いたが、上記第3実施例で示したような
圧電型や動電型のように、位相遅れのないものを用いて
もよい。この場合には、当然、閉ループ中に位相遅れを
補償する位相調節器は不要である。また、楕円振動を行
う楕円振動機の水平方向の出力変位X及び垂直方向の出
力変位Yを制御する方法としては、他の構造でもよく、
例えば、水平方向の出力変位Xを水平方向を制御する第
1コントローラや垂直方向を制御する第2コントローラ
に供給せずに、各振幅を制御するような、すなわち水平
方向及び垂直方向とも開ループで制御されるような楕円
振動装置でも、本発明は、適用可能である。
【0048】更に、上記実施例では、垂直方向の第2機
械振動系37、71の速度dY/dt(上記第2実施例
では、第2機械振動系37の出力変位Yを微分すること
により第2機械振動系37の速度dY/dtを得てい
る)は、第2コントローラ34、68の出力に負帰還さ
せるようにしたが、第2機械振動系37、71に与える
指令信号の大きさが決まった後で、第2機械振動系3
7、71に加振力を与える第2振動駆動源70の直前で
あれば、すなわち、第2コントローラ34、68と第2
機械振動系37、71の間に負帰還させるようにすれば
よい。従って、例えば、第2コントローラ34、68の
出力に負帰還させるのではなく、第2電力増幅器35、
69の出力に負帰還させてもよい。
【0049】また、上記実施例では、垂直方向の第2機
械振動系37、71の振動速度dY/dtを、垂直方向
を制御する第2コントローラ34、68の出力に負帰還
させて、閉ループを形成し、第2機械振動系37の疑似
減衰率を大きくし、垂直方向の伝達率を小さくした。し
かしながら、第1機械振動系32、66の固有周波数付
近の周波数を有する外乱が第1機械振動系32、66に
大きく作用する場合には、水平方向の第1機械振動系3
2、66の振動速度dY/dtを、ゲインKCで増幅
し、これを水平方向を制御する第1コントローラ39、
63の出力に負帰還させて、閉ループを形成し、第1機
械振動系37の疑似減衰率を大きくして、水平方向の伝
達率を小さくしてもよい。また、第1機械振動系32、
66の固有周波数付近の周波数を有する外乱が第1機械
振動系32、66に大きく作用し、かつ第2機械振動系
37、71の固有周波数付近の周波数を有する外乱が第
2機械振動系37、71に大きく作用する場合には、そ
れぞれの速度を所定のゲインでフィードバックして、水
平方向の伝達率及び垂直方向の伝達率を小さくして、両
方の振動系において、外乱の影響を抑えるようにしても
よい。
【0050】なお、上記第2実施例では、第2機械振動
系37の振動変位を検出し、これを疑似微分器29によ
って、微分することにより振動速度を求めたが、振動変
位を検出し、これを通常の微分器(ただし、すべての周
波数領域で微分できる微分器は現実的に不可能であるの
で、高周波ノイズとなるような周波数の領域であっても
微分器として作用するという微分器を指す)により微分
して振動速度を求めるようにしてもよい。
【0051】なお、以上の実施例では、水平方向と垂直
方向との位相差角度が60度で最適としたが、楕円振動
の搬送理論によれば、長軸の振巾に応じて若干これが変
更されるので、60度でなくともよく、例えば45度乃
至75度の範囲で可変とするように位相差α、βを変え
るようにしてもよい。
【0052】また、上記第1実施例及び第2実施例にお
いては、第1コントローラ39及び第2コントローラ3
4に、振幅調節リミッタ44、47を設け、これを自動
的に調節して、一定の長軸、短軸をもった一定方向の楕
円振動を行わせていたが、第3実施例のように、飽和要
素を有さずに、各振動系(第1機械振動系32及び第2
機械振動系37)の振動変位を検出し、これと予め設定
されている所望の振幅とを比較して、一定の長軸、短軸
をもった一定方向の楕円振動を行わせるようにしてもよ
い。
【0053】
【発明の効果】以上、述べたように本発明の楕円振動装
置によれば、例えば、第1振動系を加振する際の第1振
動駆動源から第2振動系が受ける反力又は第2振動系を
加振する際の第2振動駆動源から第1振動系が受ける反
力など、第1振動系及び/又は第2振動系の固有周波数
付近の周波数を有する外乱が、第1振動系及び/又は第
2振動系に作用しても、その外乱の影響を抑えることが
できるので、所望の制御を、従来よりも確実に行うこと
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による楕円振動装置のブロ
ック図である。
【図2】同装置の詳細を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例による駆動周波数と伝達率
との関係を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例による楕円振動装置のブロ
ック図である。
【図5】同装置の詳細を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施例による楕円振動装置のブロ
ック図である。
【図7】本発明の実施の形態における主要部の構成を示
す図である。
【図8】同装置の詳細を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態における主要の周波数と伝
達率との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における、振動駆動源が
位相遅れを有する主要部の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における疑似微分器の周
波数と出力ゲインとの関係を示す図であり、Aは、周波
数fm 以上の周波数領域では、入力に対する出力が常に
一定である疑似微分器の特性を示し、Bは、周波数fm
から周波数fh までの周波数領域では、入力に対する出
力が一定であるが、周波数fh より高い周波数領域で
は、入力に対する出力が徐々に減少する疑似微分器の特
性を示している。
【図12】本発明の従来例における楕円振動パーツフィ
ーダの部分断面図である。
【図13】図12における[13]ー[13]線方向の
平面図である。
【図14】図12の楕円振動パーツフィーダの底面図で
ある。
【符号の説明】
21 機械振動系 22 振動速度検出手段 23 振動駆動源 26 楕円振動装置 27 位相調節器 28 振動速度検出器 29 疑似微分器 31 楕円振動装置 32 第1機械振動系 33 振動変位検出器 33’ 水平振動変位検出器 34 第2コントローラ 35 第2電力増幅器 36 第2振動駆動源 37 第2機械振動系 38’ 垂直振動変位検出器 39 第1コントローラ 40 第1電力増幅器 41 第1振動駆動源 61 楕円振動装置 63 第1コントローラ 64 第1電力増幅器 65 第1振動駆動源 66 第1機械振動系 67 振動変位検出器 68 第2コントローラ 69 第2電力増幅器 70 第2振動駆動源 71 第2機械振動系 72 振動速度検出器 A 変位 c 減衰率 c” 減衰率 cf 減衰率 D 外乱 D1 外乱 D2 外乱 f1 第1機械振動系の固有周波数 f2 第2機械振動系の固有周波数 fn 固有周波数 fm 固有周波数よりも高い周波数 fh 固有周波数よりも高い周波数 I 振動駆動源のゲイン Kc フィードバックゲイン r 指令信号 r1 指令信号 r2 指令信号 t1 伝達率 t2 伝達率 X (水平方向の)変位 Y (垂直方向の)変位

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、水平方向に加振する第1加
    振力によって前記水平方向に振動し、かつ垂直方向に加
    振する第2加振力により、前記水平方向の振動と所定の
    位相差を有して、前記垂直方向に振動することにより楕
    円振動を行う可動部を有する楕円振動機と、 少なくとも増幅部を有する第1コントローラと、該第1
    コントローラの出力を電力増幅する第1電力増幅器と、
    該第1電力増幅器の出力を受け前記第1加振力を発生さ
    せる第1振動駆動源と、該第1振動駆動源の前記第1加
    振力を受けて前記水平方向に振動する前記楕円振動機の
    第1振動系と、 少なくとも増幅部を有する第2コントローラと、該第2
    コントローラの出力を電力増幅する第2電力増幅器と、
    該第2電力増幅器の出力を受け前記第2加振力を発生さ
    せる第2振動駆動源と、該第2振動駆動源の前記第2加
    振力を受けて前記垂直方向に振動する前記楕円振動機の
    第2振動系とを有した楕円振動装置において、 前記可動部の前記水平方向の振動速度を検出する第1振
    動速度検出手段を設け、該第1振動速度検出手段によっ
    て検出された前記水平方向の振動速度を、第1の所定ゲ
    インで増幅し、これを前記第1コントローラと前記第1
    振動駆動源との間に負帰還させて、第1の閉ループを形
    成し、前記第1振動系に、該第1振動系の固有周波数付
    近の周波数を有する外乱が作用するときには、前記第1
    振動系の疑似減衰率を大きくして、前記第1振動系の伝
    達率を小さくする及び/又は前記可動部の前記垂直方向
    の振動速度を検出する第2振動速度検出手段を設け、該
    第2振動速度検出手段によって検出された前記垂直方向
    の振動速度を、第2の所定ゲインで増幅し、これを前記
    第2コントローラと前記第2振動駆動源との間に負帰還
    させて、第2の閉ループを形成し、前記第2振動系に、
    該第2振動系の固有周波数付近の周波数を有する外乱が
    作用するときには、前記第2振動系の疑似減衰率を大き
    くして、前記第2振動系の伝達率を小さくすることを特
    徴とする楕円振動装置。
  2. 【請求項2】 前記第1振動系が共振振動をしており、
    前記第2振動系の前記伝達率を小さくした請求項1に記
    載の楕円振動装置。
  3. 【請求項3】少なくとも前記第1振動系が自励振動をし
    ている請求項1又は請求項2に記載の楕円振動装置。
  4. 【請求項4】 前記伝達率が常に1以上の範囲にある請
    求項1乃至請求項3の何れかに記載の楕円振動装置。
  5. 【請求項5】 前記第1振動駆動源が位相遅れを有して
    おり、該位相遅れを補償する位相調節器が、前記第1の
    閉ループの途中に設けられている及び/又は前記第2振
    動駆動源が位相遅れを有しており、該位相遅れを補償す
    る位相調節器が、前記第2の閉ループの途中に設けられ
    ている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の楕円振動
    装置。
  6. 【請求項6】 前記第1振動速度検出手段は、前記第1
    振動系の振動速度を検出する速度検出器から構成される
    及び/又は前記第2振動速度検出手段は、前記第2振動
    系の振動速度を検出する速度検出器から構成される請求
    項1乃至請求項5の何れかに記載の楕円振動装置。
  7. 【請求項7】 前記第1振動速度検出手段は、前記第1
    振動系の振動変位を検出する変位検出器と、微分器又は
    疑似微分器とから構成される及び/又は前記第2振動速
    度検出手段は、前記第2振動系の振動変位を検出する変
    位検出器と、微分器又は疑似微分器とから構成される請
    求項1乃至請求項6の何れかに記載の楕円振動装置。
  8. 【請求項8】 前記疑似微分器は、前記第1振動系の前
    記固有周波数及び前記第2振動系の前記固有周波数より
    も高く、高周波ノイズとなるような高周波の領域では、
    入力に対する出力の比が一定となる特性を有している請
    求項7に記載の楕円振動装置。
  9. 【請求項9】 前記疑似微分器は、前記第1振動系の前
    記固有周波数及び前記第2振動系の前記固有周波数より
    も高く、高周波ノイズとなるような高周波の領域では、
    周波数が高くなるにつれて、入力に対する出力の比が減
    少する特性を有している請求項7又は請求項8に記載の
    楕円振動装置。
  10. 【請求項10】 前記所定の位相差が、が60度となる
    ような位相差に設定されている請求項1乃至請求項9の
    何れかに記載の楕円振動装置。
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JP2012121659A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Ntn Corp 振動式ボウルフィーダ

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