JP4061685B2 - 楕円振動フィーダの駆動制御方法及び装置 - Google Patents

楕円振動フィーダの駆動制御方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は楕円振動フィーダの駆動制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7において、 楕円振動パーツフィーダは全体として1で示され、公知のボウル2を備えている。ボウル2の内周面にはスパイラル状のトラックが形成され、所望の姿勢の部品(例えば長辺を移送方向に向けた部品m)が図示しない直線式振動フィーダに供給される。
【0003】
ボウル2は図8に明示される十字状の上側可動フレーム7に固定されており、この上側の可動フレーム7に図9に明示されるやはり十字状の下側可動フレーム8に直立した4組の重ね板ばね9により結合されている。すなわち、上側可動フレーム7の4つの端部7aに重ね板ばね9の上端部がボルトにより固定され、下側可動フレーム8の4つの端部8aに重ね板ばね9の下端がボルトにより固定されている。端部7a、8aは上下方向に整列している。
【0004】
固定フレーム10の中央には、上側可動フレーム7の中央部に対向して垂直駆動電磁石11が固定され、この垂直駆動電磁石11に対向して上側可動フレーム7の下面には垂直可動コア13が固定されている。また固定フレーム10の相対向する側壁部には垂直駆動電磁石11を挟んで対照的に一対の水平駆動電磁石14a、14bが固定され、これら電磁石14a、14bにはそれぞれコイル15a、15bが巻装されている。上側可動フレーム7の下面には水平駆動電磁石14a、14bに対向して水平可動コア16a、16bが固定されている。
【0005】
固定フレーム10にはこれと一体的に4個の脚部17が形成され、これら脚部17が防振ゴム18を介して基台上に支持されている。脚部17には横方向に延在するばね取付部17aが一体的に形成され、これらばね取付部17aに図9に示されるように垂直駆動用の重ね板ばね19が両端部で4組、ボルトにより固定されている。重ね板ばね19は図7に示されるようにスペーサ20を介して重ねられ、これらの中央部分が下側可動フレーム8にボルトにより固定されている。
【0006】
以上の構成において、水平駆動電磁石14a、14bは、水平方向の加振力を発生させる第1の振動駆動部であり、またこれによって駆動される第1の振動系はボウル2、板ばね9、可動コア16a、16bなどからなり、また電磁石11は垂直方向の加振力を発生させる第2の振動駆動部であり、ボウル2、板ばね19、可動コア13などにより第2の振動系が構成される。
【0007】
一般に、水平方向の第1振動系の共振周波数と同じかほぼ等しい周波数の駆動電流がそれぞれ電磁石14a、14b、11に供給されるのであるが、これによりボウル2は、水平方向には共振状態またはこれに近い状態の周波数f0 で振動し、また垂直方向には通常、数パーセント共振周波数をより高くしており、よって水平方向には振動工学上明らかに、力と変位との位相差が約90度遅れで振動し、また垂直方向にはこれとは異なる位相差で振動し、これら位相差により楕円振動を行なうのであるが、この位相差は理論的に60度で最適条件、すなわちボウル2内のトラック上の部品mを最大の搬送速度で搬送できることが判明している。
【0008】
然るに振動工学上明らかなように、共振周波数で振動系を駆動した場合には、電源のわずかな変動やボウル2内の部品の負荷のわずかな変化により共振周波数が変動する。これにより、部品を貯蔵していない空の状態で、水平方向の共振周波数がf0 であって力と変位との位相差が90度であっても、このような変動により大きく位相差が変わり、よって、強制振動で駆動されている垂直方向においては位相差がそれほど変動せずとも、水平方向において大きく変動するために、結局これらの位相差は60度とは異なったものとなる。これにより、ボウルに対する最適振動条件が得られなくなる。
【0009】
本出願人は上述の問題に鑑みて、電源に多少の変動があったり、ボウル内の部品の負荷が変わっても、水平方向及び垂直方向の位相差角を最適な値に保持し得る楕円振動装置の駆動制御方法を提供することを目的として、ボウルを水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記ボウルを垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記ボウルを水平方向に加振する第1電磁石と、前記ボウルを垂直方向に加振する第2電磁石とを備えた楕円振動パーツフィーダの駆動制御方法において、前記第1、第2電磁石の一方のコイルに印加される第1電圧と、前記ボウルの該一方の電磁石が加振する方向の前記ボウルの振動変位との位相差を検出して、該位相差が180度となるように前記コイルに印加される第1電圧の周波数を増減させて該方向においては共振振動させるようにし、前記第1、第2の電磁石の他方のコイルに印加される第2電圧は、前記一方の電磁石のコイルに印加された第1電圧とは所定値の位相差をもたせるようにした楕円振動パーツフィーダの駆動制御方法を開発した。
【0010】
図10は上記方法を実現する楕円振動パーツフィーダの駆動制御回路を示すが、楕円振動パーツフィーダ自体は模式化して示されており、ボウル2は上述したように水平振動用板ばね9及び垂直振動用板ばね19により、地上に支持されており、また一対の水平方向用電磁石は代表的に一方の電磁コイル15aのみを示し、垂直用電磁コイル12も模式化して示されている。図5〜図7においては図示しなかったが、垂直振動用の板ばね19の何れか一つの一端部に近接して、垂直方向振動測定用のピックアップ58が設けられている。また垂直に配設された水平方向振動用板ばね9にも近接して、水平方向振動検出用のピックアップ40が配設されている。このピックアップ40は電線路W1 を介して水平用センサアンプ43に接続され、この出力は共振点追尾制御回路37及びA/D変換器51に接続されている。
【0011】
共振点追尾制御回路37の詳細は図11において示されるが、その出力はPWM制御回路54に供給され、更にその出力はパワーアンプ42で増巾されて、水平用の電磁コイル15aに供給される。この例では水平方向の振巾が定振巾制御され、この所望の水平振巾を指令する水平指令振巾回路52が設けられ、この出力はPI(Proportional Integral)制御回路(比例積分制御回路)53に供給され、この出力は上述のPWM制御回路54に供給される。一方、垂直振動駆動用のブロックに属する位相差制御回路56には電線路W4 を介して、共振点制御回路37の出力が供給される。これには更に上述の垂直振動検出用ピックアップ58の出力が垂直用センサアンプ59を介して供給されており、またこのセンサアンプ59の出力はA/D変換器62を介して同じく垂直の振巾を定振巾制御するPI制御回路61に接続される。これには垂直振巾指令制御回路60が接続され、更にこの制御回路はPWM制御回路63に供給される。位相差制御回路56は垂直用コイル12に所定の位相差を持った電圧を供給するための回路である。つまり、位相差指令回路57の出力は位相差制御回路56に供給されており、垂直振動がピックアップ58により検出され、これが位相差制御回路56に供給されているのであるが、この機械的な振動と、共振点追尾制御回路37から供給される電圧との位相差が位相差指令回路57の出力と比較して機械的振動の所定の位相差角(例えば60度)を与えるような位相差の電圧をPWM制御回路63に供給している。この制御回路63の出力はパワーアンプ64を介して垂直用コイル12に供給される。
【0012】
図11は図10における共振点追尾制御回路37の詳細を示すものであるが、主として可変周波数電源40、位相検出回路41およびメモリ45からなっている。可変周波数電源40には交流電源38にスイッチSを介して接続されており、この出力は増巾器42を介して電磁石の電磁コイル15aに接続されている。また図1におけるピックアップ40の出力は電線路W1 を介して増巾器43に接続される。この増巾出力は位相検出回路41に供給される。この位相検出回路41には、更に可変周波数電源40の出力が電線路W3 を介して供給されており、この位相検出出力が可変周波数電源40に接続されている。これは例えばインバータであってよい。
【0013】
また本従来例による位相検出回路41は図13に示されるような方法で検出を行う。これは以下の作用において詳細を説明する。
【0014】
更に本従来例によれば、可変周波数電源45は不揮発性のメモリ15に接続されている。
【0015】
スイッチSを閉じると交流電源38が可変周波数電源40に接続され、駆動状態となる。この出力電圧はPWM制御回路54及び増巾器42を介して電磁石の電磁コイル15aに供給される。これにより、楕円振動パーツフィーダのボウル2は水平方向の捩り振動力を与えられる。
【0016】
ピックアップ40はこの水平方向の振動変位を検出し、増巾器43により増巾されて、位相検出回路41に加えられる。他方、これにはこの時の電磁コイル15aに印加されている電圧が供給されている。
【0017】
図13Aにはこの印加電圧Vの時間的変化を示すものであるが、この電磁コイル15aにより、一時遅れが生じ、これに流れる電流Iは図13Bに示すように変化する。この電流により、電磁石コイル15aとボウル2との間に交番磁気吸引力が発生し、ボウル2は水平方向の捩り振動変位を与えられているのであるが、この振動変位が図13Cに示すように、コイル15aにかかる電圧Vと90度遅れている場合にはすなわちコイル電圧Vが正から負に変わるゼロクロスポイントにおいて振動変位S1 が正であれば図12に示すように、共振点ω0 (角周波数)では位相差φは90度であるので、ω0 よりは小さく周波数を上昇させるべきであると位相検出回路41で判断して可変周波数電源40の出力周波数を上昇させる。これがPWM制御回路54を介して増巾器12で増巾されて電磁石のコイル15aに流され、より周波数の高い電流でボウル2を振動させる。共振点ω0 に前回より近づいたことにより、振巾は上昇する。可変周波数電源40の出力周波数が更に高くなってついにω0 を越えて、これより高くなると図13A、Dに示すように振動変位S2 とコイル電圧Vとの関係は位相差で270度となる。
【0018】
図12の力の角周波数ωと振動変位の位相差φの関係から明らかなように共振点ω0 を通過したので可変周波数電源40の出力周波数を減少させる。なお、C1 、C2 、C3 は板ばねの粘性係数であり、C3 >C2 >C1 である。
【0019】
なお、C1 、C2 、C3 は板ばねの粘性係数であり、これを係数として速度に比例した反力を加えるものであるが、更にボウルの空気中における振動であれば当然、小さいけれど空気の抵抗も加わる。図12では水平方向の振動系の共振周波数がω0 として力と振動変位の位相差が90度であることを示しているが、垂直振動系においてはその共振周波数がω0 ’であれば、周波数ω0 で駆動すると図12から明らかなように力と変位との位相差は30度になり、これでは水平振動系とは60度の位相差であるので、最適値とされるが、通常はこのような位相差になるとは限らず、この角周波数ω0 より更に小さい共振周波数になる場合もあれば、ω0 ’より更に高い周波数に共振点が置かれる場合もある。いずれにしても力は電流の位相と同じであり、電磁コイルは誘導負荷であるので電圧と電流の位相差は90度である。従って上述したように電圧と振動変位との位相差が180度となった場合に共振周波数で駆動されていることになるのであるが、電流と電圧とは90度位相差がずれているので水平振動系の共振点ω0 より更に離れた場合、更に低い場合には電圧が正から負、又は負から正へのゼロクロスポイントにおいて振動変位の極性が正から負に変わることは明らかである。本駆動制御方法では、このゼロクロスポイントにおいて、振動変位の正、負を検出して共振追尾をしているのである。
【0020】
以上のようにして可変周波数電源40の出力周波数の増減を行ってついにはこの振動パーツフィーダは水平方向に共振周波数で駆動するようになる。
【0021】
以上のようにして水平振動系は共振振動を行なうのであるが、共振点追尾制御回路37の出力は電線路W4 を介して位相差制御回路56に供給されており、ここでは垂直方向の振動を検出するピックアップ58の出力を受け、位相差指令回路57の指令に基づいてこの位相差を生じさせるような位相差θの電圧を発生し、PWM制御回路63に供給する。これには垂直振巾指令回路60及びPI制御回路61からの出力を受けて定振巾を与えるための電圧をパワーアンプ4で増巾された後、垂直用コイル12に供給する。よって垂直方向には位相差指令回路57で設定された位相差でボウル2を垂直方向で振動させる。よってボウル2は所望の楕円振動を行なうことができる。
【0022】
振動パーツフィーダのボウル2内のスパイラルトラックでは部品が所定の姿勢になるように部品整列手段により整列される。この姿勢で次工程に供給される。
【0023】
振動パーツフィーダの駆動を停止させるべくスイッチSを開くと可変周波数電源40からの出力はなくなり、ボウル2の駆動は停止する。この時、不揮発性のメモリ45にスイッチSを切るときの可変周波数電源40の出力周波数が記憶される。
【0024】
振動パーツフィーダを再び駆動開始させるべく、スイッチSを閉じるとメモリ45でこの時記憶されている共振周波数を出力すべく可変周波数電源40が駆動される。従って振動パーツフィーダのボウル2は最初から水平方向に共振周波数で駆動される。従って従来のように強制振動から共振周波数に移るときのショックがなくなり、また電源容量を小とすることができる。
【0025】
以下、駆動停止、駆動開始を繰り返すごとに、停止ごとにメモリ45の内容が書き換えられるのであるが、1か月単位、1年単位では振動パーツフィーダの共振周波数が変動する。したがってその部品共振周波数を追尾制御していたので強制振動から共振振動に移るために多くの電流を流さねばならないのであるが、年単位で強制振動に移る程、共振周波数の変動が大きくとも前回の共振周波数で駆動を開始することができるので、常に振動パーツフィーダをショックなく電源容量を小として駆動することができる。
【0026】
本出願人が先に開発した従来例では以上のように構成され、作用するのであるが、以下のような欠点を有するものである。
【0027】
すなわち、図10の回路図を参照して説明すると、今ボウル10の部品の搬送速度を調整したい場合がある。この場合、水平振巾指令回路52の指令値を変えることにより、搬送速度を変えることができる。更に垂直振巾指令60の指令値を変えることによっても変えることができる。更に位相差指令回路57の指令値を変えることによっても搬送速度が変わる。これでは今、所定の振動条件で所望の搬送速度を得たい場合には、どのように調整してよいかわからなくなるか、煩雑となる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、振動条件をほゞ同一にして、所望の条件、例えば搬送速度を得ることができる楕円振動フィーダの駆動制御方法及び装置を提供することを課題とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
以上の課題は、可動体を水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記可能体を垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記可能体を水平方向に加振する第1加振器と、前記可動体を垂直方向に加振する第2加振器とを備え、前記可動体の水平方向振動変位と該可動体の垂直方向振動変位との間に位相差をもたせて、前記可動体を楕円振動させるようにした楕円振動フィーダの駆動制御方法及び装置において、前記位相差を一定にし、かつ前記垂直方向振動変位と前記水平方向振動変位との比を一定にして、前記第1加振器及び前記第2加振器の加振力を共通の振巾調整手段により調整して、前記可動体の振動を所望の条件に適合するように調整したことを特徴とする楕円振動フィーダの駆動制御方法によって解決される。
【0030】
又は可動体を水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記可能体を垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記可能体を水平方向に加振する第1加振器と、前記可動体を垂直方向に加振する第2加振器と、前記可動体の水平方向振動変位と該可動体の垂直方向振動変位との間に位相差を検出する位相差検出器とを備え、前記可動体を楕円振動させるようにした楕円振動フィーダの駆動制御装置において、前記位相差検出器の出力を一定にし、かつ前記垂直方向振動変位と前記水平方向振動変位との比を一定にして、前記第1加振器及び前記第2加振器の加振力を共通の振巾調整手段により調整して、前記可動体の振動を所望の条件に適合するように調整したことを特徴とする楕円振動フィーダの駆動制御装置によって解決される。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態による楕円振動パーツフィーダの駆動制御回路を示すが、従来例の同駆動制御回路に対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0032】
すなわち、本発明の実施の形態によれば、水平振巾指令制御回路52及び垂直振巾指令制御回路60に振巾調整器100が接続される。これは手動により振巾を調整する手段、例えばノブ(図ではKで示されている)を有し、かつ垂直振巾と水平振巾とを同じ割合でその大きさを調節する。すなわち、水平振巾と垂直振巾との比を一定にしながら、これら振巾の大きさを調整するものである。
【0033】
また、本発明の実施の形態によれば、図4及び図5に示すようなテーブルがコンピュータに記憶されている。図4において、横軸は水平振動に対する垂直振動の位相遅れの大きさを表わし、縦軸はボウル2内の部品の搬送速度を表わす。これは例えば、駆動周波数が50Hz一定としてシミュレーションによって得られたのであるが、水平振巾1に対し、垂直振巾はそれぞれ0.05、0.0625、0.075、0.0875及び0.1と変化させた時の搬送速度と位相差との関係を示している。この図4から明らかなように、垂直振巾0.05ではほぼ位相遅れは50度前後で搬送速度が最大となる。また、垂直振巾が最大の0.1では位相遅れが40度で搬送速度が大となる。これからも明らかなように、水平振巾一定として、垂直振巾を上述のように変化させた場合、垂直振巾が大なるにつれて、最大の搬送速度を与える位相差は小さくなっている。図5は同シミュレーション得たもので、水平振巾0.75に対し、垂直振巾を0.0667、0.0833、0.1及び0.117と変化させた場合の位相差に対する搬送速度の変化を示している。この場合には、図4、図5における水平振巾と垂直振巾との比が一定で、例えば0.1であっても、水平振巾が小さい方が最大の搬送速度を与える位相差は50度と増大している。従って厳密にいえば、水平振巾を変えることにより、垂直振巾との割合が一定であっても最大の搬送速度を与える位相差は多少ずれる。しかしながら、本発明の実施の形態によれば、このずれは他の振巾比でもそれほど大きくないので、位相差指令回路57には、水平振巾と垂直振巾の割合が一定であれば、許容し得る誤差で最大の搬送速度を与える位相差を設定することができるので、(これを図1ではkとして示す)この駆動制御回路の作業開始時には位相差指令回路57における指令値をこの最適値hとして固定し、振巾調整器100の手動調整により、水平振巾及び垂直振巾の大きさを一定の割合を保って増大させる。
【0034】
本発明の実施の形態は以上のように構成されるが、次にこの作用について説明する。駆動制御回路は先に開発した駆動制御回路とほぼ同様であるので異なった部分についてのみ説明する。ボウル2内には部品が楕円振動により搬送されているのであるが、その搬送速度を何らかの手段により検出し、所望の搬送速度を得るべく振巾調整器100により水平振巾及び垂直振巾の大きさを調整する。この場合には、位相差kを一定にして共通の振巾調整器100により(共通にノブKによる手動調整とする)水平振巾及び垂直振巾の大きさを同時に調節するようにしているので、滑らかにその搬送速度をノブKの回動量に応じて調整することができ、また、ほゞ最大の速度を与える位相差を固定しているので、消費電力を最小としながら同速度を得ることができる。
【0035】
更に図4及び図5を参照して詳細に説明すると、これらは水平振巾0.75と1に対し、各垂直との振巾比をパラメータとして位相遅れと搬送速度との関係を示すものであるが、上述したように、この2つのチャートから最大の搬送速度を与える位相差がほゞ40ないし60度にあるが、これは位相遅れの微小な変化に対してはほゞ一定であり、また水平振巾が一定に対し、垂直振巾との比を例えば上述のシュミレーションで0.05ないし0.1の範囲で変化させた場合には、最適の位相遅れに対し、搬送速度は速度比で15ないし33まで変えることができ、よって水平振巾を更に小さくして0.50から水平振巾を更に大きくして1.50の範囲で垂直振巾比のパラメータを更に大きく変動させた場合には速度比で約10ないし40と変えることができ、充分に実際の用途には添うものである。また、図4と図5とのチャートから明らかなように位相差もしくは位相遅れを一定とし、水平振巾と垂直振巾との比を一定にして、これらを共通に一個の振巾調整器100で搬送速度を大きくすべく、ノブの回動方向を一定にして回動量を変化させていった場合、ほゞリニアに搬送速度を変えることができるので(途中で増減が変わることがない)、作業者が部品のボウル内の搬送速度を目視しながら或いは何らかの手段で検出しながら、ノブKの調節により滑らかに搬送速度を調節することができる。
【0036】
なお、以上の作用を更に詳しく図2及び図3を参照して説明する。
【0037】
図2においてA、A’は水平振動変位の調節前と調節後を示し、B、B’は垂直振動変位の調節前と調節後を示す。なお、これら振動変位の比は2対1で設定されている。なお、図において、2対1に正確には図示されていない。調節前の水平振動変位は実線Aで示すように時間的に変化しているが、これを振巾調節器100により、更に搬送速度を大きくするために図示するような割合にA’へと増大させる。この時、振巾比2対1を維持させながら、水平振動変位もBからB’に変化する。なお、位相差はkとして最適値に設定されているので、この調節後も水平と垂直との間の位相差は一定である。
【0038】
次に図3に示すように、垂直と水平との振動変位比を2対1と一定としながら、両振巾を増大させた場合のボウルの振動の軌跡を表しているが、E’が調節前であり、E’が調節後である。この図からも明らかなように楕円の長軸の方向が水平方向に対して、一定であるのでボウルのトラフ内の部品の運動の様子はほゞ一定で(例えば急に部品が踊りだすとか、首をふるとかしない)その搬送速度を変えることができるので、所望の搬送速度を容易に得ることができる。
【0039】
図6は本発明の第2の実施の形態による楕円振動パーツフィーダの駆動制御回路のブロック図を示す。
【0040】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態とは異なり、水平方向にも共振状態ではなく、ほぼ共振周波数状態で駆動されるが、共振点からのずれによっては水平方向及び垂直方向にも強制振動を行わせている。このような実施の形態においても、水平方向と垂直方向の振巾比を一定としながら、水平方向及び垂直方向の振動変位の大きさを一つの手段のみで調節することにより、所望の搬送速度を容易に得ることができる。
【0041】
図6から明らかなように、本実施の形態においては、水平用電圧調節回路101と位相調節回路105が水平加振用の電磁石14a、14bのコイル15a、15bに接続されており、また垂直電圧調節回路102が垂直加振用電磁石11のコイル12に接続されている。更に水平用電圧調節回路101及び垂直電圧調節回路102を共通に制御する搬送速度調節回路200が接続されており、これは手動によりノブK’を回動調節することにより、水平振動変位と垂直振動変位との振巾比を一定にして水平振動変位と垂直振動変位の大きさを共通に制御するものである。なお、これら振動変位間の比は搬送速度調節回路200に別途設けたノブにより調節されるようにしており、これは図示しないノブにより図4及び図5のようなテーブルを参照しながら定めることができるものとする。
【0042】
本実施の形態においても位相調節回路105で上述のテーブルを参照しながら最適の位相差をノブにより一定値とする。これをk’として示す。次に搬送速度調節回路200により、手動で一定の振巾比を維持しながら水平及び垂直の振動変位を調節し、所望の搬送速度を得ることができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0044】
例えば以上の実施の形態では、第1加振器及び第2加振器としての電磁石を説明したが、これを省略して、第1ばね及び第2ばねとしての板ばねの表面に圧電素子を装着することにより、これら板ばねを曲げ運動をさせてボウルをねじり振動させるようにする場合にも本発明は適用可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の楕円振動フィーダの駆動制御方法及び装置によれば、水平振巾または垂直振巾の大きさを共通の調節手段により共通に調節することにより、所望の振動条件、例えば搬送速度を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による振動パーツフィーダの駆動制御回路である。
【図2】同作用を示す振動変位の時間的変化を示すチャートである。
【図3】水平、垂直振動変位の調節前後の楕円振動モードの変化を示すチャートである。
【図4】シュミレーションによる水平振巾1に対する各垂直振巾の大きさをパラメータとして水平振動に対する垂直振巾の位相遅れと搬送速度との関係を示すチャートである。
【図5】同様に水平振巾0.75に対し、垂直振巾をパラメータとする水平振動に対する垂直振動の位相遅れに対する関係を示すチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態による振動パーツフィーダの駆動制御回路である。
【図7】従来例の振動パーツフィーダの部分破断正面図である。
【図8】同ボウルを取り除いた平面図である。
【図9】同底面平面図である。
【図10】従来例の振動パーツフィーダの駆動制御回路である。
【図11】同制御回路における共振追尾制御回路の詳細図である。
【図12】同作用を示すチャートである。
【図13】更に同作用を示すチャートである。
【符号の説明】
2 ボウル
52 水平振巾指令回路
60 垂直振巾指令回路
100 振巾調節器
101 水平用電圧調節回路
102 垂直用電圧調節回路
105 位相調節回路
200 搬送速度調節回路

Claims (12)

  1. 可動体を水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記可動体を垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記可動体を水平方向に加振する第1加振器と、前記可動体を垂直方向に加振する第2加振器とを備え、前記可動体の水平方向振動変位と該可動体の垂直方向振動変位との間に位相差をもたせて、前記可動体を楕円振動させるようにした楕円振動フィーダの駆動制御方法及び装置において、前記位相差を一定にし、かつ前記垂直方向振動変位と前記水平方向振動変位との比を一定にして、前記第1加振器及び前記第2加振器の加振力を共通の振巾調整手段により調整して、前記可動体の振動を所望の条件に適合するように調整したことを特徴とする楕円振動フィーダの駆動制御方法。
  2. 前記垂直方向振動変位と、前記水平方向振動変位との比をパラメータとして前記所望の条件を与える前記位相差がテーブルとして記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の楕円振動フィーダの駆動制御方法。
  3. 前記可動体は振動フィーダのトラフ又はボウルであり、前記条件は搬送速度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の楕円振動フィーダの駆動制御方法。
  4. 前記第1加振器又は前記第2加振器の加振力と該加振器が加振する方向の振動変位との間の位相差が90度となるように該加振器の加振周波数を増減させるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいづれかに記載の楕円振動フィーダの駆動制御方法。
  5. 前記第1、第2加振器は電磁石であることを特徴とする請求項1〜4のいづれかに記載の楕円振動フィーダの駆動制御方法。
  6. 前記第1、第2加振器は前記第1、第2ばねに貼着された圧電素子であることを特徴とする請求項1〜4のいづれかに記載の楕円振動フィーダの駆動制御方法。
  7. 可動体を水平方向に振動可能に支持する第1ばねと、前記可動体を垂直方向に振動可能に支持する第2ばねと、前記可動体を水平方向に加振する第1加振器と、前記可動体を垂直方向に加振する第2加振器と、前記可動体の水平方向振動変位と該可動体の垂直方向振動変位との間に位相差を検出する位相差検出器とを備え、前記可動体を楕円振動させるようにした楕円振動フィーダの駆動制御装置において、前記位相差検出器の出力を一定にし、かつ前記垂直方向振動変位と前記水平方向振動変位との比を一定にして、前記第1加振器及び前記第2加振器の加振力を共通の振巾調整手段により調整して、前記可動体の振動を所望の条件に適合するように調整したことを特徴とする楕円振動フィーダの駆動制御装置。
  8. 前記垂直方向振動変位と、前記水平方向振動変位との比をパラメータとして前記所望の条件を与える前記位相差がテーブルとして記憶されていることを特徴とする請求項に記載の楕円振動フィーダの駆動制御装置。
  9. 前記可動体は振動フィーダのトラフ又はボウルであり、前記条件は搬送速度であることを特徴とする請求項7又は8に記載の楕円振動フィーダの駆動制御装置。
  10. 前記第1加振器又は前記第2加振器の加振力と該加振器が加振する方向の振動変位との間の位相差が90度となるように該加振器の加振周波数を増減させるようにしたことを特徴とする請求項7〜9のいづれかに記載の楕円振動フィーダの駆動制御装置。
  11. 前記第1、第2加振器は電磁石であることを特徴とする請求項7〜10のいづれかに記載の楕円振動フィーダの駆動制御装置。
  12. 前記第1、第2加振器は前記第1、第2ばねに貼着された圧電素子であることを特徴とする請求項7〜10のいづれかに記載の楕円振動フィーダの駆動制御装置。
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