JPH1171957A - スライド・スイング式ドア装置 - Google Patents

スライド・スイング式ドア装置

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JPH1171957A
JPH1171957A JP20495997A JP20495997A JPH1171957A JP H1171957 A JPH1171957 A JP H1171957A JP 20495997 A JP20495997 A JP 20495997A JP 20495997 A JP20495997 A JP 20495997A JP H1171957 A JPH1171957 A JP H1171957A
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JP
Japan
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door
panel
opening
arm
width direction
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JP20495997A
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English (en)
Inventor
Isao Masuda
勲 増田
Ryoichi Nishida
良一 西田
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AUTO DOAA GIKEN KK
Toto Ltd
Original Assignee
AUTO DOAA GIKEN KK
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】占有スペースがコンパクトで、ドア収納スペー
スを建物の構造体内に確保する必要も無く、出入り用通
過面積を極力大きく確保することができ、安定したスム
ーズな開閉動作で、さらに開口部に臨む壁の構造などと
は無関係に且つ簡単に取り付けできるドア装置を提供す
る。 【解決手段】1枚のドアパネル11と、ドアパネルの幅
方向端部の上下端近傍の位置と開口部の幅方向一端部の
上下位置との間に取り付ける2個のアーム蝶番30と、
ドアパネル上下端で当該パネルを開口部の幅方向にスラ
イド可能に支持するレール15、16及びローラ41、
42とを備える。各アーム蝶番30は、所定長さの平板
状アーム31と、アームの長手方向両端部に各別に設け
られた回動自在な軸部32c,33cと、軸部に各別に
固着した取付け部32b、33bとを備える。両取付け
部の内、一方をドアパネルに、もう一方を開口部に取り
付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドアを成す1枚の
パネル体をスライド動作及びスイング動作を併用して開
閉するスライド・スイング式ドア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の住居用家屋や業務用建物で使用さ
れるドアも含めて、ドア開閉の方式には種々のものがあ
る。これをドアの開閉動作の様式から分類すると、例え
ば、スイング式、スライド式、折り畳み式などがある。
スイング式は、ドアを成す1枚又は複数のパネル体を蝶
番で固定された縦軸を中心に例えば90°スイングさせ
る方式であり、スライド式は、パネル体をその横幅方向
にスライドさせる方式である。さらに折り畳み式は、ド
アを構成する複数のパネル体を折り畳みながら横幅方向
の一方に移動させる方式である(例えば、実開平3−7
4784号「折れ戸開閉装置」参照)。これらの開閉方
式はさらにそれぞれ、手動方式、自動方式に分類され
る。
【0003】上述した各種のドア開閉方式には一長一短
があり、それぞれの用途に応じて使い分けられる。
【0004】スイング方式のドアは、比較的簡単なドア
構造になるが、ドアを成すパネル体が一つの縦軸を中心
にスイングする構造であるため、その開閉方向で1/4
円分の空間を空けておく必要があり、この空間が無駄に
なることが多い。
【0005】またスライド方式の場合、スイング方式の
ような無駄な空間は無くなるが、スライド移動されるパ
ネル体自体を収納するスペースが必要で、この収納スペ
ースを一般の住居用家屋では確保することは通常、難し
く、この方式は住居用家屋では多用されていない。
【0006】さらに折畳み方式は、上述したスイング方
式、スライド方式の中間に位置するもので、パネル体の
収納スペースを壁などの中に確保する必要はなく、また
開閉移動するパネル体が占有するスペースもドア出入り
方向に出っ張らないので、一般家屋でも昨今多用される
傾向にある。しかし、この折畳み方式のドアの場合、ド
ア開放時に複数のパネル体が折り重なった状態でドア横
幅方向の一方に寄せられているため、人が通過する面積
が減少してしまうという不都合がある。とくに、昨今の
住宅事情を鑑みると、狭い空間を有効に利用してなるべ
く大きい通過面積を確保したい、とする要請がある。
【0007】このような状況に鑑みて、近年、スイング
方式とスライド方式を併用した形式のスイング・スライ
ド方式のドア装置が特開平9−144421号公報で提
案されている。このドア装置は、開口部を開閉する1枚
のパネル体と、このパネル体のパネル幅方向の端部から
パネル中央寄りにずれたパネル上端面及びパネル下端面
それぞれの同一のパネル幅方向の所定位置に回動自在に
取り付けられた第1の上側、下側移動体と、前記開口部
の上部及び下部それぞれに開口部横方向に沿って各別に
設けられ且つ前記第1の上側、下側移動体を当該開口部
幅方向に案内移動させる第1の上側、下側案内手段と、
前記パネル体のパネル幅方向におけるパネル上端面及び
パネル下端面の端部それぞれに回動自在に取り付けられ
た第2の上側、下側移動体と、前記開口部の上部及び下
部それぞれに前記第1の上側、下側案内手段に所定角度
を成して設けられ且つ前記第2の上側、下側移動体を当
該所定角度方向に案内移動する第2の上側、下側案内手
段と、を備え、前記パネル体を前記開口部に対してスラ
イドさせながらスイングさせて開閉する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−144421号公報記載のスイング・スライド
方式のドア装置にしても、第2の上側、下側移動体(例
えばローラなど)を例えば壁伝いに案内移動する第2の
上側、下側案内手段(例えばレール、側面板)が必要で
ある。
【0009】このため、建物に対する工事の量、手間が
多くなり、既存の建物に追加付設することが面倒であ
る。さらに、このスイング・スライド方式のドア装置を
付設する場所は最初からスペースが小さいことが多く、
また、その壁側の構造が複雑(例えば、かかるドア装置
を付ける位置が柱の位置で、柱の後は柱の面よりも下が
った壁になっている構造など)であることから、第2の
上側、下側案内手段(例えばレール、側面板)を取り付
け難いとい未解決の問題があった。つまり、第2の上
側、下側案内手段の取り付け壁が上述の場合のように柱
の面から平坦に伸びていない場合、例えば上げ底構造体
による平坦化工事を行ってからでないとそれらの案内手
段の取り付けが困難であった。また、平坦化工事を無理
に行うと、柱の後のスペースなどを潰してしまうことも
あった。
【0010】本発明は、このような従来のドア装置が直
面している状況に鑑みてなされたもので、ドア開閉時に
占有するスペースがコンパクトであり、ドアを収納する
スペースを建物の構造体内に確保する必要も無く、ドア
開放時の出入り用の通過面積を極力大きく確保すること
ができ、安定したスムーズな開閉動作を得ることがで
き、かつ、開口部に臨む壁の構造などとは無関係に且つ
簡単に取り付けできるドア装置を提供することを、目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、本発明にかかるスライド・スイング式ドア装置は、
開口部を開閉するための1枚のパネル体と、このパネル
体の幅方向端部の所定位置と前記開口部の幅方向一端部
の所定位置との間に取り付つけた少なくとも2個の蝶番
と、前記パネル体上下端の所定位置で当該パネル体を前
記開口部の幅方向にスライド可能に支持する支持体とを
備え、前記少なくとも2個の蝶番のそれぞれは、前記パ
ネル体の幅方向長さの内の所定長さ分の長さを長手方向
に有する平板状のアームと、このアームの長手方向両端
部に各別に設けられかつ当該長手方向および当該アーム
の板厚方向に直交する方向で回動自在な軸部と、この両
端部の2つの軸部に各別に固着した取付け部とを備え、
前記少なくとも2個の蝶番それぞれの両端部の取付け部
の内、一方を前記パネル体の幅方向端部の所定位置に取
り付けるとともに、もう一方を前記開口部の幅方向一端
部の所定位置に取り付けたことを特徴とする。
【0012】好適な一例は、前記少なくとも2個の蝶番
それぞれの長手方向の長さを、前記パネル体の幅方向の
全長の内の1/3または略1/3の長さに形成すること
である。この場合、前記支持体は、前記パネル体の上端
の所定位置に取り付けた回動自在軸を有する多輪ガイド
ローラと、この多輪ガイドローラを前記開口部幅方向に
スライド可能に支持し且つ前記開口部の上端部に取り付
けた上端側レールと、前記パネル体の下端の所定位置に
軸支されたガイドローラと、このガイドローラを前記開
口部幅方向にスライド可能に案内し且つ前記開口部の下
端部に取り付けた下端側レールと、を備えることが望ま
しい。
【0013】また好適な別の例は、前記少なくとも2個
の蝶番それぞれは前記アームを前記長手方向に伸縮でき
るアーム伸縮機構を有するとともに、前記パネル体に、
前記多輪ガイドローラの回動自在軸を当該パネル体との
間で相対的に移動できる機構と、前記ガイドローラを前
記ガイドレールから脱輪可能な、または前記ガイドレー
ルに対して相対的に移動可能な機構を備えることであ
る。
【0014】別の側面として、本発明にかかるスライド
・スイング式ドア装置は、開口部を開閉するための1枚
のパネル体と、このパネル体の幅方向端部の所定位置と
前記開口部の幅方向一端部の所定位置との間に取り付つ
けた少なくとも2個の蝶番と、前記パネル体の上端の所
定位置で当該パネル体を前記開口部の幅方向にスライド
可能に支持する支持体とを備え、前記少なくとも2個の
蝶番のそれぞれは、前記パネル体の幅方向長さの内の所
定長さ分の長さを長手方向に有する平板状のアームと、
このアームの長手方向両端部に各別に設けられかつ当該
長手方向および当該アームの板厚方向に直交する方向で
回動自在な軸部と、この両端部の2つの軸部に各別に固
着した取付け部と、少なくとも前記平板状のアーム間を
連結する連結体とを備え、前記少なくとも2個の蝶番そ
れぞれの両端部の取付け部の内、一方を前記パネル体の
幅方向端部の所定位置に取り付けるとともに、もう一方
を前記開口部の幅方向一端部の所定位置に取り付けたこ
とを特徴とする。
【0015】この場合の好適な一例としては、前記連結
体と前記少なくとも平板状のアームそれぞれとを一体的
に形成してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0017】第1の実施の形態 第1の実施の形態を図1〜図9を参照して説明する。
【0018】この実施形態にかかるドア装置は、ドア体
として1枚のドアパネルを使用し、このドアパネルをス
ライド動作及びスイング動作させるスライド・スイング
方式(手動方式)を採用している。なお、以下の説明に
おいて、ドアパネルが開閉する出入り用の開口部の横幅
方向を単に「幅方向」と、開口部の縦(上下)方向を単
に「縦方向」と、開口部の開口面に直交する方向を単に
「出入方向」と称し、それぞれ、図1に表したX,Y,
Z軸の方向に対応する。
【0019】このドア装置は図1、2に示すように、ド
ア体としての1枚のドアパネル11を備えるとともに、
このドアパネル11が開閉する開口部OPの周囲に配設
される3方枠体12、外部化粧戸当り13、内部化粧戸
当り14、上部の吊りレール15、および下部のガイド
レール16を備えている。
【0020】ドアパネル11は、所定厚さを有する略長
方形であって、そのサイズはドア設置位置の開口部OP
の矩形形状にフィットするように形成されている。ドア
パネル11の材料は木材、アルミなどの金属、樹脂、ガ
ラスなど、適宜なものを使用できる。勿論、ドアパネル
の中央にガラス面を入れることもできる。ドアパネル1
1の一方の側端部寄りの所定高さ位置で、その表裏の所
定位置にノブ23、23が取り付けられるとともに、そ
の近傍に手動ロック機構24が取り付けられている。な
お、ドアパネル11の幅方向の側端部は断面半円状に形
成したり、ドア閉時の仕切り性を向上させるために、ゴ
ム、モヘアなどの封止材を一部突出させる状態で縦方向
に沿って埋め込むこともできる。
【0021】ドアパネル11の幅方向の一方の側端部に
は、その上下端寄りの所定位置に、アーム蝶番30がそ
れぞれ取り付けられ、このアーム蝶番30、30を介し
てドアパネル11が開口部OPに対してスイング動作可
能(スライド動作と並行して)になっている。
【0022】アーム蝶番30、30のそれぞれは例えば
アルミ製材料で形成される蝶番で、図3、4に示す如
く、短冊板状に形成されたアーム31を備える。このア
ーム31の長手方向の長さは、ここでは、ドアパネル1
1の幅方向の長さの1/3または略1/3に形成され
る。アーム31の両端部には、その長手方向に直交し且
つアーム面に沿った方向(短手方向)に関して回動自在
な取付け部32、33がそれぞれ形成されている。アー
ム31を短冊板状に形成した理由は、後述する6輪スラ
イドローラと共働してドアパネル11の荷重を支持しつ
つ、ドアパネル11をスムーズにスイング自在にするた
めである。また、アーム31の長手方向長さを上記のよ
うに設定した理由は、ドアパネル11をスムーズにスイ
ングさせ、ドア開閉に必要な力を最小限に止めるためで
ある。
【0023】この各アーム蝶番30において、一方の取
付け部32は、コ字状の支持部材32aと、この支持部
材32aに一体的に固着された短冊状の取付け板32b
と、支持部材32aをアーム31に対して回動自在に保
持する軸としてのボルト33cとを有する。このため、
取付け部32はアーム31に対して図3、4の矢印aで
表す如く自在に回動できる。取付け板32bは、外部化
粧戸当り13の上下端に形成した切込み部にそれぞれ取
り付けられる。したがって、アーム31は外部化粧戸当
り13に対して略180度の範囲で回動できる。
【0024】もう一方の取付け部33は、コ字状の支持
部材33aと、この支持部材33aに一体形成された長
方形状の取付け板33bと、支持部材33aをアーム3
1に対して回動自在に保持する軸としてのボルト33c
とを有する。このため、取付け部33はアーム31に対
して図3、4の矢印bで表す如く自在に回動できる。取
付け板32bは、ドアパネル11の一方の側端部の上下
端にそれぞれネジ止めされる。したがって、ドアパネル
11はアーム31に対して略180度の範囲で回動でき
るから、外部化粧戸当り13(つまり開口部OB)に対
しもスイング動作(スライド動作と並行するスイング動
作)に支障が無いように回動できる。
【0025】上記両取り付け部32、33において、ボ
ルト32c,33c(軸)は、板面に沿った方向にアー
ムを貫いて形成されているため(板状のアーム31の板
面に直交する方向ではない)、ドアパネルの荷重を分担
支持するに十分な支持力を得ることができる。
【0026】外部化粧戸当り13は角柱状に形成され、
3方枠体12の一方の側端にてその開口部外側と面を合
わせて3方枠体12に取り付けられている。この戸当り
13はその露出面を化粧面に形成することができる。
【0027】この戸当り13には、その上下端の開口部
内側の一部に箱状の切り込み部13a,13aをそれぞ
れ設けている。この切り込み部13a,13aのそれぞ
れには上記各アーム蝶番30の一方の取付け部33を図
5、6に示す如く取り付けている。この切り込み部33
の穿設により、3方枠体12には取り付け工作をしなく
て済み、また3方枠体および戸当り13から出っ張らず
に、省スペースで、かつ体裁良くアーム蝶番30を取り
付けることができる。また、外部化粧戸当り13の開口
部内側の側面には、図5に示す如く、ドアパネル11の
面が当接することができるので、この戸当り13を取り
付けることにより、ドアパネル11の一方の側端部の開
口部に対する仕切り性を著しく向上させることができ
る。
【0028】また、外部化粧戸当り13とドアパネル1
1とが接触する位置(面)には、その少なくとも一方
に、ゴムなどの緩衝材を埋め込むようにしてもよい。こ
れにより、戸当り13とドアパネル11との密着性が良
くなるとともに、ドア閉時の静音性も確保できる。
【0029】また、開口部OPの上端部には吊りレール
15が横架されている。このレール15は、図7に示す
ように、出入り方向断面が略コ字状を成すスライドレー
ルであり、その内部に6輪スライドローラ41がスライ
ド可能に装備されている。
【0030】この6輪スライドローラ41は図7に示す
ように、6輪走行体41aと、この走行体41aに回動
可能に取り付けられた下向きの軸41bとを備える。軸
41bは、本実施形態では、ドアパネル11の幅方向に
おけるノブ側から1/3または略1/3の距離位置でド
アパネル11に固設されている。このため、ドアパネル
11をその幅方向に移動させると、これに伴って6輪走
行体41aは吊りレール12内を自在にスライドでき
る。また、このときドアパネル11は6輪走行体41a
に対してスイング自在になっている。
【0031】さらに開口部OPを画成する床面位置に
は、ガイドレール16が図1、8に示す如く、埋設設置
してある。このレール16は静音性を確保するため、例
えばゴム性の部材で形成された出入り方向断面が略コ字
状のレールである。このレール16は、1輪のガイドロ
ーラ42をその長手方向(幅方向)に案内する機能を有
する。
【0032】ガイドローラ42は、ローラ42aと、こ
のローラ42aを水平面で回動自在に軸支する上向きの
軸42bとを備える。軸42bはドアパネル11の下端
面の、前記6輪走行体31aに対向する位置、すなわち
幅方向においてノブ側から1/3または略1/3の距離
位置の下端面に垂設されている。ローラ42aはガイド
レール16内に収容され、その内側両側面を摺動するよ
うになっている。このため、ドアパネル11の幅方向の
移動に伴ってガイドローラ42はガイドレール16の内
側面に沿ってスライドできる。
【0033】さらに、開口部OPを画成する3方枠体1
2のノブ側の側端部には、細長い角柱状の内部化粧戸当
り14が図1、5に示す如く取り付けられている。この
内部化粧戸当り14は、ドアパネル11よりも開口部内
側に位置し、かつ、ドアパネル11が開口部OPに正対
するように、その取付け位置が設定されている。このた
め、前述した外部化粧戸当り13との共働により、ドア
閉時のドアパネル11が所定閉位置にきっかり位置決め
されるとともに、そのドアパネルの開口部に対する仕切
り性も向上する。なお、この内部化粧戸当り14の露出
面には化粧を施すことができる。また、この戸当り14
とドアパネル11の接触位置にはゴムなどの緩衝材を取
り付けることもでき、両者の密着性およびドア閉時の静
音性を向上させることができる。
【0034】上述のように構成されたドア装置の開閉動
作を図9に基づいて説明する。
【0035】ドアパネル11は、その一方の側端部上下
のアーム蝶番30、30より回動可能に支持されるとと
もに、上端の吊りレール15には6輪スライドローラ4
1を介して、かつ、下端のガイドレール16にはガイド
ローラ42を介して幅方向にスライド可能に支持されて
いる。
【0036】いま、図9(a)に示すように、ドアパネ
ル11がドア閉の状態にあり、この状態で例えば開口部
外側からノブ23を僅かな力で引くとする。このドアを
引く力に付勢されて、ドアパネル11は開口部幅方向に
スライドしながら、かつ、パネル幅方向が外部化粧戸当
り13側に円弧を描きながらスイングさせていく(同図
(b),(c)参照)。そして、同図(d)に示すごと
く、ドアパネル11のスライド位置が外部化粧戸当り1
3に当接し、かつ、パネル幅方向が出入り方向に一致し
たときにドア全開の状態となる。
【0037】また、ドアを閉めるときもやはり、ノブ2
3を内部化粧戸当り14側に引くだけでよい。これによ
り、同図(d)〜(a)の順にドアパネル11がスライ
ド/スイング動作してドアが閉まる。
【0038】一方、開口部内側からドアを開けるとき
は、内側のノブ23を押すだけでドアパネル11をスラ
イド/スイング動作してドアを開けることができる。
【0039】このようにドア開閉を行うときに、ドアパ
ネル11の荷重を支持している3点(上下それぞれのア
ーム蝶番30の軸33aの位置、および、6輪スライド
ローラ41の軸41bの位置)は全て、パネル幅方向の
1/3または略1/3に設定されている。このため、利
用者は必要最小限の力でスムーズ、かつ軽快にドアをス
ライド・スイングさせて開閉できる。また、ドアパネル
11の荷重を必要且つ十分な3点で支持しているため、
蝶番だけでドアパネルの荷重を支持する構造のものとは
異なり、スライド・スイング動作の間にドアパネルがふ
らついたり、ドア閉時に風圧などでドアパネルが揺れた
りすることがなく、ドア開閉動作およびドア閉時の状態
が非常に安定したものとなる。また、この3点支持の構
造により、蝶番自体に掛かる荷重が少なくなり、蝶番の
スイング動作が安定し、また蝶番の摩耗なども少なくな
り、長寿命化も図られる。
【0040】なお、上記1/3または略1/3の支持位
置は必ずしもこれに限定される必要は無く、開閉時の力
の伝わり具合が適宜なものであれば、この値からずらし
てもよい。
【0041】このドア開放の状態では図9(d)で分か
るように、ドアパネル11の取っ手側1/3の部分が開
口部OPから外側に出るだけで、残りの2/3の部分は
内側の壁面に沿って置かれる。つまり、ドア開時に開口
部OPを無駄に塞ぐのは、ドアパネル11の1枚分の厚
さのスペースだけであり、開口部OPの無駄なドア厚さ
占有面積を最小限に止めている。このため、従来の折り
畳みドアのように複数枚分のドアパネルが折り重なって
開口部を占有し、出入に必要な開口面積が著しく減少し
てしまうということもない。
【0042】このようにスライド動作とスイング動作を
併用してドア開閉を行わせるから、ドアパネル11の開
閉動作時に占有するデッドスペースが開口部OPの周囲
及び壁面側にコンパクトにまとまり、そのデットスペー
スを従来のスイング式ドアに比べて実質的に減少させる
ことができる。また、壁面内部や構造物の内部にドア開
時のドアパネル収納用のスペースを設ける必要も無い。
さらに、スイング式ドアのように開けたドアパネルが対
向者や物に当たってしまうという事態も回避し易くな
る。
【0043】さらに、この実施形態のドア装置は実質的
に、スイング動作用のアーム蝶番と、スライド動作用の
ローラおよびガイド(吊り)レールとを備えるだけの簡
素な構成で済む。このため、病院やオフィスビルなどの
業務用建物は勿論のこと、とくに省スペース化が求めら
れている一般住宅用の家屋でも容易に実施できる。
【0044】さらに本実施形態のドア装置を付設場合、
従来のように開口部に臨む壁伝いにレールや側面板を取
り付ける必要が無い分、付設対象である建物に対する工
事の量、手間が従来のスライド・スイング式ドア装置に
比べて少なく、既存の建物に追加付設することが非常に
容易である。
【0045】この種のスイング・スライド方式のドア装
置を付設する場所は最初からスペースが小さいことが多
く、また、その壁側の構造が複雑(例えば、かかるドア
装置を付ける位置が柱の位置で、柱の後は柱の面よりも
下がった壁になっている構造など)であることが多い。
しかし、開口部に臨むかかる壁の構造がいかようになっ
ていようとも、その構造には無関係に付設することがで
きる。3方枠体またはそれに代わる枠体さ確保できれ
ば、容易に付設できるのである。このため、従来のスイ
ング・スライド方式のドア装置に比べても、付設工事が
簡単で、かつ、そのコストも低く押さえることができ
る、という優れた利点がある。
【0046】なお、アーム蝶番30のアーム31には、
そのドアパネル11側に位置する面に磁石片M1(図5
参照)を埋め込み、これに位置合わせしたドアさネル1
1の面の所定位置にも別の磁石片M2(図5参照)を埋
め込むことができる。これにより、ドアパネル11を閉
じたときに、磁石片同士が引き寄せ合うから、ドア閉完
了時に適度な吸引力が補助的に作用する。このため、ド
ア閉動作が容易になり、また風圧によってドアパネル1
1が不安定になるということもない。
【0047】またなお、アーム蝶番30は、ドアパネル
の支持を安定させるためにも上述した実施形態のように
上下2か所(または3か所以上)に取り付けることが望
ましいが、ドアの使用目的、ドアのサイズ/形状、設置
場所などに応じて簡易なドア装置として使用する場合に
は、かかるアーム蝶番を1か所としてドアパネルを3点
で支持することもできる。また、必要に応じて、下側の
ガイドローラを外してアーム蝶番2個および上側のスラ
イドローラだけの3点支持構造とし、床面にはガイドレ
ールを設けない構造も可能である。これにより、構造の
より簡単化されたドア装置を提供できる。
【0048】第2の実施の形態 続いて、本発明の第2の実施の形態を図10〜図13に
基づいて説明する。本実施形態は、前述の実施形態のド
ア開状態におけるスペース開放度をさらに向上させるも
のである。ここで、第1の実施の形態と同一又は同等の
構成要素には同一符号を付してその説明を省略又は簡略
化する。
【0049】この第2の実施形態のドア装置は、アーム
蝶番30に伸縮機構を、6輪スライドローラ41に移動
機構を、およびガイドローラ42に脱輪機構を新たに付
加するもので、この各機構を図10、11、12にそれ
ぞれ示す。
【0050】まず、アーム蝶番30のアーム31は、図
10に示す如く、長片平板状の第1のアーム31Aとこ
れよりも小形の長片平板状の第2のアーム31Bとを備
え、第2のアーム31Bが第1のアーム31Aの内部に
設けた挿入空間SPにその長手方向に沿って挿入可能に
なっている。第2のアーム31Bの短手方向両端部に穿
設した有底状の穴51、51には、バネおよび剛球より
なる押圧機構52が装着されている。これに対し、第1
のアーム31Aの挿入空間SPの所定位置には剛球を受
ける長手方向両端の所定深さのロック穴HL,…,HL
が形成されている。このため、ロック穴HL,…,HL
から剛球を脱出させる程度の力を加えることで、ロック
穴HL,HL間の距離に応じて第1のアーム31Aに対
する第2のアーム31B、すなわちアーム31を所定距
離だけ伸縮できる。この伸縮距離は、ドアパネル11の
幅方向の1/3程度の距離に設定されている。
【0051】また、6輪スライドローラ41の軸41b
の下端には、図11に示す如く、例えば矩形状の所定厚
さの移動体41cが一体に取り付けられている。この移
動体41cは、ドアパネル11の上端部にその幅方向に
沿って穿設した移動溝11aに支持され且つこの移動溝
11a内を摺動可能に装着されている。この移動溝11
aは、前述した回動軸41b,42bの位置から幅方向
にドアパネル11の幅の約1/3程度の距離分、伸びて
形成されている。移動体41cには、その下面に開口し
た状態でバネおよび剛球よりなる押圧機構55が装着さ
れている。これに対し、移動溝11aの所定位置には剛
球を受ける所定深さのロック穴HL,…,HLが長手方
向の両端位置付近に形成されている。このため、ロック
穴HL,…,HLから剛球を脱出させる程度の力をドア
パネル11に加えることで、ロック穴HL,HL間の距
離に応じて移動体41c、すなわち6輪スライドローラ
41を相対的に所定距離だけ移動できるようになってい
る。この移動距離は、ドアパネル11の幅方向の1/3
程度の距離に設定されるている。
【0052】また、ガイドローラ42に脱輪機構を図1
2に示す。このガイドローラ42の軸42bは、ドアパ
ネル11の下端に開口して切り欠いた2段状の切り欠き
穴11bから吊持され、この吊持は、ドアパネル11内
に埋設され且つ一端をドアパネルに固設したバネ11c
によってなされる。またドアパネル11の切り欠き穴1
1bを臨む位置には鍵57が取り付けられ、この鍵57
のピン57aを軸42bのキー穴42baに挿入するこ
とによりロックが掛かるようになっている。このロック
状態ではローラ42aがガイドレール16に収容され
る。反対に、鍵57を操作してピン57aを軸42bの
穴42baから抜くことにより、ロック解除となり、ロ
ーラ42aが上昇する。すなわち、ローラ42aはガイ
ドレール16から脱して(脱輪)引き上げられ、切り欠
き穴11b内の下側に収容される。ローラ42aを戻す
ときは、ローラ42aを押し下げてガイドレール16内
に入れながら、鍵57のピン57aでロックさせればよ
い。
【0053】また、この実施形態におけるドアノブは、
ドアパネルから外側に出っ張らない掴み部に替えられて
いる。
【0054】以上のように構成したアーム蝶番30の伸
縮機構、6輪スライドローラ41の移動機構、およびガ
イドローラ42の脱輪機構を併用すると、ドアパネル1
1の開放動作をさらに発展させることができる。すなわ
ち、図13の(d)に示す状態までドアパネル11を開
けた後(同図(a)〜(d)までの状態は前述した図9
のものと同一である)、鍵57をそれまでのロック状態
からロック解除状態に手動操作し、ドアパネル11を出
入り方向内側に向けて少しの力で押すことにより、アー
ム蝶番30が出入り方向内側に伸び、かつ、6輪スライ
ドローラ41に対してドアパネル11が移動する。この
結果、同図(d)において1/3程度、出入り方向外側
に出ていたドアパネル11を出入り方向内側に押しやっ
て、ドアパネル全体を同図(e)に示す如く、開口部内
側に収納することができる。
【0055】したがって、このように簡単なアーム蝶番
30の伸縮機構、6輪スライドローラ41の移動機構、
およびガイドローラ42の脱輪機構を付加するだけで、
開口部OPの外側のスペースを十分に開けることがで
き、ドアパネル11の1/3程度の出っ張り部分が出入
りや荷物運搬の邪魔になることもなくなる。
【0056】図13(e)の状態にあるドアパネル11
を閉めるときは、ドアパネル11を開口部外側に若干の
力で引き出して同図(d)の状態にし、鍵57をロック
してガイドローラ42をガイドレール16内に戻す。そ
して、前述したと同様にドアパネル11を同図(c),
(b)の状態を経て閉めることができる。
【0057】なお、上述したアーム蝶番30の伸縮機
構、6輪スライドローラ41の移動機構、およびガイド
ローラ42の脱輪機構は、ドアパネル11の前述したス
ライド・スイング動作の確保しつつ、ドアパネル11を
出入り方向に移動できればよく、必ずしも前述した機構
のものに限定されない。ほかの手動方式の伸縮機構、移
動機構、脱輪機構であってもよい。例えば、ガイドロー
ラ42は、上述した脱輪機構に代えて、上述した6輪ス
ライドローラ41の移動機構と同等の方式による移動機
構を採用し、ガイドローラ42がドアパネル11に対し
て相対的に移動可能してもよく、これにより、ドアパネ
ル11を出入り方向内側に押したときにも支障が無いよ
うにできる。さらに、上記各機構に電磁石などのよる電
気式の移動または脱輪機構を採用してもよい。
【0058】また、前記各実施形態のスイング・スライ
ド方式のドア装置は蝶番30を上下の2か所に設ける構
成を採用したが、この蝶番を3個またはそれ以上設ける
ようにしてもよい。例えば、ドアパネルが上下に長めの
ときは、そのドアパネルの中間の適宜な高さ位置にもう
1個の蝶番を設け、合計3個の蝶番を上下方向に並列に
装備してもよく、これにより、ドアパネルの安定したス
イング動作を得ることができる。
【0059】さらに、前記各実施形態のドア装置におい
て、下側のガイドローラはドアパネルの荷重を支持する
ものではなく、ドアパネルの幅方向のスライドをスムー
ズ且つ安定化させるものである。したがって、ドアパネ
ルの形状が比較的小形であるなどの場合には、この下側
のガイドローラ及びガイドレールは設けない構造のドア
装置も提供できる。
【0060】さらに、上述したスライド・スイング式ド
ア装置は手動開閉を前提として説明したきたが、手動ス
イッチまたは人の出入りを検知する光学センサ、磁気セ
ンサ、重さセンサなどと、電動モータ、油圧アクチュエ
ータ、空気圧アクチュエータなどの駆動装置とを組み合
わせて追加装備し、その駆動装置により、アーム蝶番の
アーム部分を移動させるか、または、ドアパネル自体を
移動させることで、電動式のスライド・スイング式ドア
装置を提供することができる。
【0061】さらに、本発明は前述した実施形態のもの
に限定されることなく、請求項記載の発明の要旨を逸脱
しない範囲で適宜に変形可能である。
【0062】第3の実施の形態 続いて、本発明の第3の実施の形態を図14及び図15
に基づいて説明する。本実施形態は、前述の実施形態に
おいてより簡易な構造のドア装置を提供するものであ
る。ここで、前述の実施の形態と同一又は同等の構成要
素には同一符号を付してその説明を省略又は簡略化す
る。
【0063】この第3の実施形態のドア装置は、前述の
ドアパネル下側のガイドローラ及び床面のガイドレール
を設けずに、その代わりのドアパネル支持構造として上
下のアーム蝶番30、30間に本発明の連結体を構成す
る連結棒60を新たに追加するものである。この連結棒
60を用いた構造を図14及び図15に示す。
【0064】連結棒60は、アーム蝶番と同様のアルミ
などの金属、樹脂などの適宜な材料で形成され、図14
及び図15に示すように上下蝶番30、30間に縦方向
に延び、その両端部が各蝶番30、30のアーム31、
31のドアパネル中央側の端部にそれぞれ一体的に固着
またはネジ等の固定具を用いて取り付けられる。この連
結棒60については、アーム蝶番30、30間を互いに
連結可能なものであれば、その形状、構造、模様等を自
由に設計でき、例えばドアパネルのガラス面等の模様や
レイアウト等との間のデザイン共通性等を図ることも可
能である。
【0065】この連結棒を用いたドア装置によれば、蝶
番2個を互いに一体状に連結してあるため、これに加え
て上側のスライドローラのみを用いた支持構造により、
前述の各実施形態の場合と同様のドアパネルのスイング
・スライド動作をよりスムーズに且つ安定に実施させ、
その結果、下側のガイドローラ及びガイドレールを外し
たドア装置をより簡単に且つ安価に構築できる。特にこ
の効果は、床面にレールを設けることが困難な場合や、
床面上の段差などを極力抑えたより人に優しい設計が要
求される場合等により顕著となる。
【0066】なお、連結棒の取り付け位置は、アームの
ドアパネル側に限らず、例えば図16に示すように外部
化粧戸当り側の端部に取り付けてもよい。
【0067】また、この実施形態では下側のガイド機構
を省略してあるが、必要に応じてこれを加えたり、これ
とは逆に上側のスライドローラ及びガイドレールを外し
た構造のドア装置等にも適用可能である。
【0068】第4の実施の形態 続いて、本発明の第4の実施の形態を図17及び図18
に基づいて説明する。本実施形態は、第3の実施形態に
おいてデザイン面をも加味した構造のドア装置を提供す
るものである。ここで、前述の実施の形態と同一又は同
等の構成要素には同一符号を付してその説明を省略又は
簡略化する。
【0069】この第4の実施形態のドア装置は、前述の
連結棒とアーム蝶番とをパネル状に一体化させた蝶番ユ
ニット70を備えている。このユニット70は、図17
及び図18に示すように、略長方形状の蝶番パネル71
と、このパネル71の両側でその縦方向の長さをカバー
するように延びた取り付け部72、73(コ字状の支持
部材72a、73a、取り付け板72b、73b、及び
ボルト(軸部をなす)72c、73c)とを備え、この
両側の取り付け部72、73を介して蝶番パネル71を
前述のスイング・スライド動作自在に外部化粧戸当たり
13及びドアパネル11にそれぞれ取り付けてある。
【0070】従って、このように構成されたドア装置に
よれば、前述の連結棒を用いた場合と同様の機能及び効
果を発揮させることができるほか、連結体を用いた場合
のデザイン選択の自由度をより拡張させる等の利点もあ
る。
【0071】なお、蝶番ユニットはこれに限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に逸脱しない範囲内において
様々な変形例が実施可能である。
【0072】例えば図19に示す蝶番ユニット70を用
いたドア装置は、第1〜第3実施形態と略同様の取り付
け部33、34を用いた場合の蝶番パネル71aの形状
を一部変えたものであり、蝶番パネル71aの幅方向の
両側側面で取り付け部33、34のボルト側を臨む位置
に凹部74…74を設けたものである。この場合の凹部
74は、取り付け部の構成や蝶番パネルのデザイン性を
考慮に入れて様々な形状に仕上げることもできる。
【0073】また図20に示す蝶番ユニット70を用い
たドア装置は、外部化粧戸当たり13側の側面を曲線状
に形成した蝶番パネル71bを採用している。この場合
のパネル曲線形状はこれに限定されるものではく、その
デザイン面を考慮に入れて必要に応じて湾曲させたり、
円弧状に切り取ったりする等の様々なデザインを施すこ
とが可能である。この場合には、同様にドアパネル側の
側面を曲線状に形成してよい。
【0074】以上説明した第1〜第4の実施形態にかか
るドア装置では、ドアを成すパネル体全体の荷重を本発
明を成す蝶番と少なくともパネル体上端の支持体(吊具
等)とを用いて均等又はほぼ均等に分担する支持構造を
採用している。
【0075】これに対して支持体を外した蝶番のみの簡
単な構造も考えられるが、このような構造ではドア全体
の荷重を蝶番のみで支持しなけらばならず、ドアの開閉
操作も重く、必ずしも使い勝手がよいものではない。こ
の傾向はドアが大型化する程顕著となる。また、一般家
庭や病院などで使用する場合にドアが重ければ、例えば
子供や患者などにとっては容易に開けることができない
といった不都合が生じる場合もある。
【0076】そこで、上記各実施形態にかかるドア装置
を採用すれば、蝶番のみを用いる構造と比べると蝶番に
かかるドア荷重を支持体で分担させて軽くすることがで
き、誰でも少しの操作力でより簡単に且つ軽快にドアを
開けることができるといった優れた利点もある。この利
点は、特に比較的軽い力で容易に開閉自在のドアが要請
される一般家庭や病院等の用途でより効果的に発揮させ
ることができる。
【0077】なお、上記の各実施形態では、パネル体上
端の支持体として、6輪スライドローラを用いてある
が、本発明にかかる支持体はこれに限定されるものでは
ない。例えば、他の多輪スライドローラとして2輪など
でもよく、あるいは1輪スライドローラでも適用でき
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるス
ライド・スイング式ドア装置は、開口部を開閉するため
の1枚のパネル体と、このパネル体の幅方向端部の所定
位置と前記開口部の幅方向一端部の所定位置との間に取
り付つけた少なくとも2個の蝶番と、前記パネル体上下
端の所定位置で当該パネル体を前記開口部の幅方向にス
ライド可能に支持する支持体とを備え、前記少なくとも
2個の蝶番のそれぞれは、前記パネル体の幅方向長さの
内の所定長さ分の長さを長手方向に有する平板状のアー
ムと、このアームの長手方向両端部に各別に設けられか
つ当該長手方向および当該アームの板厚方向に直交する
方向で回動自在な軸部と、この両端部の2つの軸部に各
別に固着した取付け部とを備え、前記少なくとも2個の
蝶番それぞれの両端部の取付け部の内、一方を前記パネ
ル体の幅方向端部の所定位置に取り付けるとともに、も
う一方を前記開口部の幅方向一端部の所定位置に取り付
けたことを要旨とすることから、ドア開閉時に占有する
スペースがコンパクトであり、ドアを収納するスペース
を建物の構造体内に確保する必要も無く、ドア開放時の
出入り用の通過面積を極力大きく確保することができ、
安定したスムーズな開閉動作になり、さらに、開口部に
臨む壁の構造などとは無関係に且つ簡単に取り付けでき
るドア装置を提供することができる。
【0079】また本発明の別の側面として、パネル体上
端に設けた支持体と、少なくとも2個の蝶番間を連結す
る連結体を用いた構造を採用すれば、パネル体下端側の
支持体が必ずしも必要ではなくなり、床面上に例えばガ
イドレール等を埋設しなくてもすみ、より簡素化したド
ア装置を提供できる。
【0080】いずれの場合においても本発明に係るドア
装置では、パネル体全体の荷重を蝶番と支持体との両方
を用いて均等又はほぼ均等に分担する支持構造を採用し
ているため、蝶番のみを用いる場合と比べて蝶番にかか
るドア荷重を支持体で分担させて軽くすることができ、
誰でも少しの操作力でより簡単に且つ軽快にドアを開け
ることができるといった優れた利点もある。この利点
は、特に比較的軽い力で容易に開閉自在のドアが要請さ
れる一般家庭や病院等の用途でより効果的に発揮させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るドア装置の構成
を示す概略斜視図。
【図2】同ドア装置の出入り方向外側からみた正面図。
【図3】アーム蝶番の一部破断した斜視図。
【図4】アーム蝶番の取り付け時(ドア閉時)の縦方向
上側からみた平面図。
【図5】図2中のV−V線に沿った概略断面図。
【図6】図5中のVI−VI線に沿ったアーム蝶番を取
り付け状態を示す図。
【図7】図2中のVII−VII線に沿った概略断面図。
【図8】図2中のVIII −VIII 線に沿った概略断面
図。
【図9】第1の実施形態におけるドア開閉動作を説明す
る図。
【図10】第2の実施形態に係るアーム蝶番を示す一部
破断した側面図。
【図11】第2の実施形態に係る6輪スライドローラを
示す一部破断した側面図。
【図12】第2の実施形態に係るガイドレール及びガイ
ドローラを示す一部破断した側面図。
【図13】第2の実施形態におけるドア開閉動作を説明
する図。
【図14】第3の実施形態におけるドア装置を出入り方
向外側からみた正面図。
【図15】第3の実施形態における連結棒を示す一部破
断した概略斜視図。
【図16】連結棒の取り付け位置を変えた変形例におけ
るドア装置を出入り方向外側からみた正面図。
【図17】第4の実施形態におけるドア装置を出入り方
向外側からみた正面図。
【図18】蝶番ユニットを示す一部破断した概略斜視
図。
【図19】凹部を形成した蝶番ユニットを示す一部破断
した概略斜視図。
【図20】曲線状に形成した蝶番ユニットを示す一部破
断した概略斜視図。
【符号の説明】
11 ドアパネル(パネル体) 11a 移動溝 11b 切り欠き穴 11c バネ 12 3方枠体 13 外部化粧戸当り 13a 切り込み部 14 内部化粧戸当り 15 吊りレール(上端側レール) 16 ガイドレール(下端側レール) 30 アーム蝶番 31A,31B 第1、第2のアーム 32,33 取り付け部 32c,33c ボルト(回動軸) 41 6輪スライドローラ(多輪ガイドローラ) 41b 回動軸 41c 移動体 42 ガイドローラ 42b 軸 52,55 押圧機構 57 鍵 SP 挿入空間 HL ロック穴 60 連結棒 70 蝶番ユニット 71、71a、71b 蝶番パネル 72、73 取り付け部 72c,73c ボルト(回動軸) 74 凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を開閉するための1枚のパネル体
    と、このパネル体の幅方向端部の所定位置と前記開口部
    の幅方向一端部の所定位置との間に取り付つけた少なく
    とも2個の蝶番と、前記パネル体上下端の所定位置で当
    該パネル体を前記開口部の幅方向にスライド可能に支持
    する支持体とを備え、 前記少なくとも2個の蝶番のそれぞれは、前記パネル体
    の幅方向長さの内の所定長さ分の長さを長手方向に有す
    る平板状のアームと、このアームの長手方向両端部に各
    別に設けられかつ当該長手方向および当該アームの板厚
    方向に直交する方向で回動自在な軸部と、この両端部の
    2つの軸部に各別に固着した取付け部とを備え、 前記少なくとも2個の蝶番それぞれの両端部の取付け部
    の内、一方を前記パネル体の幅方向端部の所定位置に取
    り付けるとともに、もう一方を前記開口部の幅方向一端
    部の所定位置に取り付けたことを特徴とするスライド・
    スイング式ドア装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、 前記少なくとも2個の蝶番それぞれの長手方向の長さ
    は、前記パネル体の幅方向の全長の内の1/3または略
    1/3の長さに形成してあるスライド・スイング式ドア
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明において、 前記支持体は、前記パネル体の上端の所定位置に取り付
    けた回動自在軸を有する多輪ガイドローラと、この多輪
    ガイドローラを前記開口部幅方向にスライド可能に支持
    し且つ前記開口部の上端部に取り付けた上端側レール
    と、前記パネル体の下端の所定位置に軸支されたガイド
    ローラと、このガイドローラを前記開口部幅方向にスラ
    イド可能に案内し且つ前記開口部の下端部に取り付けた
    下端側レールとを備えるスライド・スイング式ドア装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明において、 前記少なくとも2個の蝶番それぞれは前記アームを前記
    長手方向に伸縮できるアーム伸縮機構を有するととも
    に、前記パネル体に、前記多輪ガイドローラの回動自在
    軸を当該パネル体との間で相対的に移動できる機構と、
    前記ガイドローラを前記ガイドレールから脱輪可能な、
    または前記ガイドレールに対して相対的に移動可能な機
    構を備えたスライド・スイング式ドア装置。
  5. 【請求項5】 開口部を開閉するための1枚のパネル体
    と、このパネル体の幅方向端部の所定位置と前記開口部
    の幅方向一端部の所定位置との間に取り付つけた少なく
    とも2個の蝶番と、前記パネル体の上端の所定位置で当
    該パネル体を前記開口部の幅方向にスライド可能に支持
    する支持体とを備え、 前記少なくとも2個の蝶番のそれぞれは、前記パネル体
    の幅方向長さの内の所定長さ分の長さを長手方向に有す
    る平板状のアームと、このアームの長手方向両端部に各
    別に設けられかつ当該長手方向および当該アームの板厚
    方向に直交する方向で回動自在な軸部と、この両端部の
    2つの軸部に各別に固着した取付け部と、少なくとも前
    記平板状のアーム間を連結する連結体とを備え、 前記少なくとも2個の蝶番それぞれの両端部の取付け部
    の内、一方を前記パネル体の幅方向端部の所定位置に取
    り付けるとともに、もう一方を前記開口部の幅方向一端
    部の所定位置に取り付けたことを特徴とするスライド・
    スイング式ドア装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の発明において、 前記連結体と前記少なくとも平板状のアームそれぞれと
    を一体的に形成したスライド・スイング式ドア装置。
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