JPH117141A - 積層型電子写真用感光体及びその製造方法 - Google Patents
積層型電子写真用感光体及びその製造方法Info
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- JPH117141A JPH117141A JP15892497A JP15892497A JPH117141A JP H117141 A JPH117141 A JP H117141A JP 15892497 A JP15892497 A JP 15892497A JP 15892497 A JP15892497 A JP 15892497A JP H117141 A JPH117141 A JP H117141A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体レーザ光に対して高い感度を示すととも
に、感度及び帯電性などの繰り返し安定性にも優れた積
層型電子写真用感光体と、その製造方法とを提供する。 【解決手段】導電性支持体2上に少なくとも電荷発生層
3と電荷輸送層4とをこの順に積層してなる積層型電子
写真用感光体1の、電荷発生層3はオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜であり、このオキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜は、エチレングリコールジアルキルエ
ーテルと水とからなる水添溶剤、もしくは、ジエチレン
グリコールジアルキルエーテルと水とからなる水添溶
剤、あるいはまた、2−メトキシ−2−メチル−4−ペ
ンタノンと水とからなる水添溶剤に浸漬処理されている
ことを特徴とする。
に、感度及び帯電性などの繰り返し安定性にも優れた積
層型電子写真用感光体と、その製造方法とを提供する。 【解決手段】導電性支持体2上に少なくとも電荷発生層
3と電荷輸送層4とをこの順に積層してなる積層型電子
写真用感光体1の、電荷発生層3はオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜であり、このオキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜は、エチレングリコールジアルキルエ
ーテルと水とからなる水添溶剤、もしくは、ジエチレン
グリコールジアルキルエーテルと水とからなる水添溶
剤、あるいはまた、2−メトキシ−2−メチル−4−ペ
ンタノンと水とからなる水添溶剤に浸漬処理されている
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置におい
て使用される積層型電子写真用感光体及びその製造方法
にかかり、詳しくは、オキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜を電荷発生層として用いた積層型電子写真用感光
体と、その製造方法とに関する。
て使用される積層型電子写真用感光体及びその製造方法
にかかり、詳しくは、オキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜を電荷発生層として用いた積層型電子写真用感光
体と、その製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置は、高速記録性や低騒音性
に優れており、かつ、高画質での記録が可能であるとと
もに、普通紙への記録も可能であるなどの利点を有して
いるので、複写機としては勿論のこと、プリンタやファ
クシミリなどとしても大いに普及しつつある。そして、
特に、プリンタやファクシミリなどの分野においては、
オフィスユースからパーソナルユースへと使用形態が移
行しているため、より一層の小型化及び低コスト化、さ
らには、メンテナンスフリー化などが求められるととも
に、より高解像度の高品質画像を得られる画像処理技術
の採用が要望されている。また、電子写真装置において
使用される感光体としては、成膜が容易であるととも
に、安価で無公害などといった長所を有する有機感光
体、つまり、有機光導電物質を含有して構成された有機
感光体が実用化されており、特に、半導体レーザを露光
光源として使用するレーザビームプリンタやファクシミ
リに適した長波長領域で高い光感度(以下、感度という)
を有する有機感光体の発展がめざましい。
に優れており、かつ、高画質での記録が可能であるとと
もに、普通紙への記録も可能であるなどの利点を有して
いるので、複写機としては勿論のこと、プリンタやファ
クシミリなどとしても大いに普及しつつある。そして、
特に、プリンタやファクシミリなどの分野においては、
オフィスユースからパーソナルユースへと使用形態が移
行しているため、より一層の小型化及び低コスト化、さ
らには、メンテナンスフリー化などが求められるととも
に、より高解像度の高品質画像を得られる画像処理技術
の採用が要望されている。また、電子写真装置において
使用される感光体としては、成膜が容易であるととも
に、安価で無公害などといった長所を有する有機感光
体、つまり、有機光導電物質を含有して構成された有機
感光体が実用化されており、特に、半導体レーザを露光
光源として使用するレーザビームプリンタやファクシミ
リに適した長波長領域で高い光感度(以下、感度という)
を有する有機感光体の発展がめざましい。
【0003】すなわち、実用化されている有機感光体の
大半は、電荷発生物質を含有した電荷発生層と電荷輸送
物質を含有した電荷輸送層とを導電性支持体上に設けて
構成された積層型電子写真用感光体であり、この種の積
層型電子写真用感光体では、図示省略しているが、導電
性支持体上に薄膜の電荷発生層を形成し、かつ、この電
荷発生層上に比較的厚膜の電荷輸送層を形成したうえ、
これら2つの層によって感光層を構成することが行われ
ている。なお、この際における電荷発生層はキャリア
(電荷)を発生する機能を有したものであり、電荷輸送層
はキャリアを輸送する機能及び感光体の帯電電位を保持
する機能と、感光体の機械的強度を保つ機能とを有した
ものである。
大半は、電荷発生物質を含有した電荷発生層と電荷輸送
物質を含有した電荷輸送層とを導電性支持体上に設けて
構成された積層型電子写真用感光体であり、この種の積
層型電子写真用感光体では、図示省略しているが、導電
性支持体上に薄膜の電荷発生層を形成し、かつ、この電
荷発生層上に比較的厚膜の電荷輸送層を形成したうえ、
これら2つの層によって感光層を構成することが行われ
ている。なお、この際における電荷発生層はキャリア
(電荷)を発生する機能を有したものであり、電荷輸送層
はキャリアを輸送する機能及び感光体の帯電電位を保持
する機能と、感光体の機械的強度を保つ機能とを有した
ものである。
【0004】さらに、近年においては、半導体レーザの
発振波長領域である長波長域で高い感度を有するフタロ
シアニンが電荷発生物質として注目されており、これら
の顔料のうちでもオキソチタニウムフタロシアニンを用
いてなる電荷発生層が実用化されている。そして、オキ
ソチタニウムフタロシアニンを電荷発生剤として用いな
がら電荷発生層を成膜する方法としては大きく分けて2
つの方法があり、第1の方法では、ある種の結晶型のオ
キソチタニウムフタロシアニンを樹脂バインダとともに
溶剤中に分散させた塗料を用いたうえ、0.1μmない
し0.5μm程度と膜厚の薄い塗膜を電荷発生層として
塗工形成することが行われる。また、第2の方法にあっ
ては、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニ
ンを蒸着した後、得られたオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜を可溶性溶剤の蒸気で暴露処理することによ
って電荷発生層を形成することが行われている。
発振波長領域である長波長域で高い感度を有するフタロ
シアニンが電荷発生物質として注目されており、これら
の顔料のうちでもオキソチタニウムフタロシアニンを用
いてなる電荷発生層が実用化されている。そして、オキ
ソチタニウムフタロシアニンを電荷発生剤として用いな
がら電荷発生層を成膜する方法としては大きく分けて2
つの方法があり、第1の方法では、ある種の結晶型のオ
キソチタニウムフタロシアニンを樹脂バインダとともに
溶剤中に分散させた塗料を用いたうえ、0.1μmない
し0.5μm程度と膜厚の薄い塗膜を電荷発生層として
塗工形成することが行われる。また、第2の方法にあっ
ては、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニ
ンを蒸着した後、得られたオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜を可溶性溶剤の蒸気で暴露処理することによ
って電荷発生層を形成することが行われている。
【0005】ところで、特開昭59−166959号公
報では、第2の方法についての具体例が提案されてい
る。すなわち、蒸着直後のオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜は光吸収スペクトルの最大吸収ピーク波長が
720nmを示す結晶形を有しているが、オキソチタニ
ウムフタロシアニン膜をテトラヒドロフランのような可
溶性溶剤の蒸気でもって暴露処理すると、光吸収スペク
トルの最大吸収ピーク波長が830nmを示す結晶形
(β型)へと改変できることになり、このテトラヒドロフ
ラン蒸気による暴露処理後のオキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜を電荷発生層とした際には、半導体レーザ
光に対して有利な有機感光体を形成し得るという方法で
ある。なお、この公報には、テトラヒドロフラン蒸気に
よる暴露処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜がX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ)の
7.5°,12.6°,13.0°,25.4°,2
6.2°,28.6°それぞれに強い回折ピークを有す
ることも示されている。
報では、第2の方法についての具体例が提案されてい
る。すなわち、蒸着直後のオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜は光吸収スペクトルの最大吸収ピーク波長が
720nmを示す結晶形を有しているが、オキソチタニ
ウムフタロシアニン膜をテトラヒドロフランのような可
溶性溶剤の蒸気でもって暴露処理すると、光吸収スペク
トルの最大吸収ピーク波長が830nmを示す結晶形
(β型)へと改変できることになり、このテトラヒドロフ
ラン蒸気による暴露処理後のオキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜を電荷発生層とした際には、半導体レーザ
光に対して有利な有機感光体を形成し得るという方法で
ある。なお、この公報には、テトラヒドロフラン蒸気に
よる暴露処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜がX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ)の
7.5°,12.6°,13.0°,25.4°,2
6.2°,28.6°それぞれに強い回折ピークを有す
ることも示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、オキ
ソチタニウムフタロシアニンを用いて電荷発生層を成膜
する際には、オキソチタニウムフタロシアニンが予め分
散された塗料を用いながら薄い塗膜を塗工形成する第1
の方法と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を形
成したうえで暴露処理する第2の方法とが採用されてい
る。そして、これらの2つの方法のうちでは、均一濃度
の薄膜を容易に形成でき、しかも、安定性に優れた膜質
が得られるという点から、第1の方法よりも第2の方法
の方が有利であるとされている。
ソチタニウムフタロシアニンを用いて電荷発生層を成膜
する際には、オキソチタニウムフタロシアニンが予め分
散された塗料を用いながら薄い塗膜を塗工形成する第1
の方法と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を形
成したうえで暴露処理する第2の方法とが採用されてい
る。そして、これらの2つの方法のうちでは、均一濃度
の薄膜を容易に形成でき、しかも、安定性に優れた膜質
が得られるという点から、第1の方法よりも第2の方法
の方が有利であるとされている。
【0007】ところで、特開昭59−166959号公
報で示された方法においては、可溶性溶剤の蒸気を使用
した暴露処理でもってオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の光吸収波長を長波長域へと移行させ、かつ、光
吸収波長が長波長域へと移行したオキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜を電荷発生層とすることが行われるの
であるが、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の暴
露処理を可溶性溶剤の蒸気によって実行した際には、電
荷発生層の感度や帯電電位などの帯電特性(以下、帯電
性という)が低下することになり、特には、感度及び帯
電性などの繰り返し安定性が低下することになってしま
う。そして、このような不都合の発生を回避しながらオ
キソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収波長を長
波長域へと移行させるべく種々の検討が行われているの
であるが、半導体レーザ光に対して高感度を示し、か
つ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性を十分に小さ
くすることはできていないのが実状であった。
報で示された方法においては、可溶性溶剤の蒸気を使用
した暴露処理でもってオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の光吸収波長を長波長域へと移行させ、かつ、光
吸収波長が長波長域へと移行したオキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜を電荷発生層とすることが行われるの
であるが、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の暴
露処理を可溶性溶剤の蒸気によって実行した際には、電
荷発生層の感度や帯電電位などの帯電特性(以下、帯電
性という)が低下することになり、特には、感度及び帯
電性などの繰り返し安定性が低下することになってしま
う。そして、このような不都合の発生を回避しながらオ
キソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収波長を長
波長域へと移行させるべく種々の検討が行われているの
であるが、半導体レーザ光に対して高感度を示し、か
つ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性を十分に小さ
くすることはできていないのが実状であった。
【0008】本発明は、このような不都合に鑑みて創案
されたものであって、半導体レーザ光に対して高い感度
を示すとともに、感度及び帯電性などの繰り返し安定性
にも優れた積層型電子写真用感光体及びその製造方法を
提供することを目的としている。
されたものであって、半導体レーザ光に対して高い感度
を示すとともに、感度及び帯電性などの繰り返し安定性
にも優れた積層型電子写真用感光体及びその製造方法を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1にかか
る積層型電子写真用感光体は、導電性支持体上に少なく
とも電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる
ものであって、電荷発生層はオキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜であり、このオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜は、エチレングリコールジアルキルエーテル
と水とからなる水添溶剤に浸漬処理されたものであるこ
とを特徴としている。そして、このような浸漬処理が施
されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は、半導
体レーザ光に対して高い感度を有し、かつ、キャリアの
トラップや再結合の発生が少ない特異な結晶構造の電荷
発生層となる。そのため、感度及び帯電性に優れてお
り、かつ、これらの繰り返し安定性にも優れた電荷発生
層からなる感光層を具備して構成された積層型電子写真
用感光体が得られる。
る積層型電子写真用感光体は、導電性支持体上に少なく
とも電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる
ものであって、電荷発生層はオキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜であり、このオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜は、エチレングリコールジアルキルエーテル
と水とからなる水添溶剤に浸漬処理されたものであるこ
とを特徴としている。そして、このような浸漬処理が施
されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は、半導
体レーザ光に対して高い感度を有し、かつ、キャリアの
トラップや再結合の発生が少ない特異な結晶構造の電荷
発生層となる。そのため、感度及び帯電性に優れてお
り、かつ、これらの繰り返し安定性にも優れた電荷発生
層からなる感光層を具備して構成された積層型電子写真
用感光体が得られる。
【0010】本発明の請求項2にかかる積層型電子写真
用感光体は、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
浸漬処理に使用されるエチレングリコールジアルキルエ
ーテルのアルキル基がメチル基またはエチル基のいずれ
か、あるいは、これらの混合物であることを特徴とす
る。そして、この種のエチレングリコールジアルキルエ
ーテルを使用した際には、電荷発生層であるオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜の有する感度及び帯電性、
並びに、これらの繰り返し安定性が顕著に向上すること
となる。
用感光体は、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
浸漬処理に使用されるエチレングリコールジアルキルエ
ーテルのアルキル基がメチル基またはエチル基のいずれ
か、あるいは、これらの混合物であることを特徴とす
る。そして、この種のエチレングリコールジアルキルエ
ーテルを使用した際には、電荷発生層であるオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜の有する感度及び帯電性、
並びに、これらの繰り返し安定性が顕著に向上すること
となる。
【0011】本発明の請求項3にかかる積層型電子写真
用感光体の電荷発生層はオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜であり、このオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜は、ジエチレングリコールジアルキルエーテルと
水とからなる水添溶剤に浸漬処理されたものとなってい
る。そして、ジエチレングリコールジアルキルエーテル
を含んだ水添溶剤への浸漬処理が施されたオキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜は、請求項1の場合と同じ
く、半導体レーザ光に対して高い感度を有し、かつ、キ
ャリアのトラップや再結合の発生が少ない特異な結晶構
造のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜となるの
で、感度及び帯電性に優れており、しかも、これらの繰
り返し安定性にも優れた電荷発生層からなる感光層を具
備した積層型電子写真用感光体が得られる。
用感光体の電荷発生層はオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜であり、このオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜は、ジエチレングリコールジアルキルエーテルと
水とからなる水添溶剤に浸漬処理されたものとなってい
る。そして、ジエチレングリコールジアルキルエーテル
を含んだ水添溶剤への浸漬処理が施されたオキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜は、請求項1の場合と同じ
く、半導体レーザ光に対して高い感度を有し、かつ、キ
ャリアのトラップや再結合の発生が少ない特異な結晶構
造のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜となるの
で、感度及び帯電性に優れており、しかも、これらの繰
り返し安定性にも優れた電荷発生層からなる感光層を具
備した積層型電子写真用感光体が得られる。
【0012】本発明の請求項4にかかる積層型電子写真
用感光体は、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
浸漬処理に使用されるジエチレングリコールジアルキル
エーテルのアルキル基がメチル基またはエチル基のいず
れか、あるいは、これらの混合物であることを特徴とし
ている。そして、このようなジエチレングリコールジア
ルキルエーテルを使用した際にも、請求項2の場合と同
じく、電荷発生層であるオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の感度及び帯電性、並びに、これらの繰り返し
安定性が顕著に向上するという利点が得られる。
用感光体は、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
浸漬処理に使用されるジエチレングリコールジアルキル
エーテルのアルキル基がメチル基またはエチル基のいず
れか、あるいは、これらの混合物であることを特徴とし
ている。そして、このようなジエチレングリコールジア
ルキルエーテルを使用した際にも、請求項2の場合と同
じく、電荷発生層であるオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の感度及び帯電性、並びに、これらの繰り返し
安定性が顕著に向上するという利点が得られる。
【0013】本発明の請求項5にかかる積層型電子写真
用感光体は、電荷発生層であるオキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜が2−メトキシ−2−メチル−4−ペン
タノンと水とからなる水添溶剤に浸漬処理されているこ
とを特徴とする。そして、2−メトキシ−2−メチル−
4−ペンタノンを含んだ水添溶剤への浸漬処理が施され
たオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は、請求項1
及び請求項3と同様、半導体レーザ光に対して高い感度
を有し、かつ、キャリアのトラップや再結合の発生が少
ない特異な結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜となるので、感度及び帯電性に優れ、か
つ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性にも優れた電
荷発生層からなる感光層を具備してなる積層型電子写真
用感光体が得られたことになる。
用感光体は、電荷発生層であるオキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜が2−メトキシ−2−メチル−4−ペン
タノンと水とからなる水添溶剤に浸漬処理されているこ
とを特徴とする。そして、2−メトキシ−2−メチル−
4−ペンタノンを含んだ水添溶剤への浸漬処理が施され
たオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は、請求項1
及び請求項3と同様、半導体レーザ光に対して高い感度
を有し、かつ、キャリアのトラップや再結合の発生が少
ない特異な結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜となるので、感度及び帯電性に優れ、か
つ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性にも優れた電
荷発生層からなる感光層を具備してなる積層型電子写真
用感光体が得られたことになる。
【0014】本発明の請求項6にかかる積層型電子写真
用感光体は、電荷輸送層が輸送層形成用塗液を用いて形
成されており、輸送層形成用塗液が電荷輸送剤及び樹脂
バインダをトルエンまたはクロロホルムで溶解してなる
ものであることを特徴としている。そして、このような
電荷輸送層であれば、浸漬処理後におけるオキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜、つまり、電荷発生層の結晶
構造を変化させることが起こらず、しかも、透明性の高
い電荷輸送層であることになるので、感光層の感度がよ
り一層向上するという利点が得られる。
用感光体は、電荷輸送層が輸送層形成用塗液を用いて形
成されており、輸送層形成用塗液が電荷輸送剤及び樹脂
バインダをトルエンまたはクロロホルムで溶解してなる
ものであることを特徴としている。そして、このような
電荷輸送層であれば、浸漬処理後におけるオキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜、つまり、電荷発生層の結晶
構造を変化させることが起こらず、しかも、透明性の高
い電荷輸送層であることになるので、感光層の感度がよ
り一層向上するという利点が得られる。
【0015】本発明の請求項7にかかる積層型電子写真
用感光体は、電荷輸送層を形成する輸送層形成用塗液の
電荷輸送剤が、2−メチル−4−ジベンジルアミノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンと、1,
1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエンとの混合物であることを特
徴としている。そして、この種の電荷輸送剤を用いた場
合には、優れた耐オゾン性を有する電荷輸送層からなる
感光層を具備して構成された積層型電子写真用感光体が
得られたことになる。
用感光体は、電荷輸送層を形成する輸送層形成用塗液の
電荷輸送剤が、2−メチル−4−ジベンジルアミノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンと、1,
1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエンとの混合物であることを特
徴としている。そして、この種の電荷輸送剤を用いた場
合には、優れた耐オゾン性を有する電荷輸送層からなる
感光層を具備して構成された積層型電子写真用感光体が
得られたことになる。
【0016】本発明の請求項8にかかる積層型電子写真
用感光体は、電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミ
ノ−α−フェニルスチルベンであることを特徴としてい
る。そして、この種の電荷輸送剤を用いた際には、感度
及び帯電性に優れているとともに、これらの繰り返し安
定性に優れており、しかも、耐オゾン性にも優れた電荷
輸送層からなる感光層が得られる。
用感光体は、電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミ
ノ−α−フェニルスチルベンであることを特徴としてい
る。そして、この種の電荷輸送剤を用いた際には、感度
及び帯電性に優れているとともに、これらの繰り返し安
定性に優れており、しかも、耐オゾン性にも優れた電荷
輸送層からなる感光層が得られる。
【0017】本発明の請求項9にかかる積層型電子写真
用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導電
性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着す
る工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜をエ
チレングリコールジアルキルエーテルと水とからなる水
添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいることを特徴と
する。そして、このような製造方法を採用することによ
っては、感度及び帯電性に優れており、しかも、感度及
び帯電性などの繰り返し安定性にも優れた電荷発生層か
らなる感光層を合理的かつ安定的に製造することが可能
となる。
用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導電
性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着す
る工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜をエ
チレングリコールジアルキルエーテルと水とからなる水
添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいることを特徴と
する。そして、このような製造方法を採用することによ
っては、感度及び帯電性に優れており、しかも、感度及
び帯電性などの繰り返し安定性にも優れた電荷発生層か
らなる感光層を合理的かつ安定的に製造することが可能
となる。
【0018】本発明の請求項10にかかる積層型電子写
真用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着
する工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
ジエチレングリコールジアルキルエーテルと水とからな
る水添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいることを特
徴とする。そして、この製造方法を採用した場合には、
請求項9の場合と同じく、感度及び帯電性に優れ、しか
も、感度及び帯電性などの繰り返し安定性が優れた電荷
発生層からなる感光層を合理的かつ安定的に製造し得る
こととなる。
真用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着
する工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
ジエチレングリコールジアルキルエーテルと水とからな
る水添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいることを特
徴とする。そして、この製造方法を採用した場合には、
請求項9の場合と同じく、感度及び帯電性に優れ、しか
も、感度及び帯電性などの繰り返し安定性が優れた電荷
発生層からなる感光層を合理的かつ安定的に製造し得る
こととなる。
【0019】本発明の請求項11にかかる積層型電子写
真用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着
する工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノンと水とから
なる水添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいることを
特徴とする。そして、このような製造方法を採用した際
にも、請求項9及び請求項10と同様、感度及び帯電性
に優れ、かつ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性に
電荷発生層からなる優れた感光層を合理的かつ安定的に
製造できることとなる。
真用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着
する工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノンと水とから
なる水添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいることを
特徴とする。そして、このような製造方法を採用した際
にも、請求項9及び請求項10と同様、感度及び帯電性
に優れ、かつ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性に
電荷発生層からなる優れた感光層を合理的かつ安定的に
製造できることとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
を図面に基づいて説明する。
を図面に基づいて説明する。
【0021】図1は本実施の形態にかかる積層型電子写
真用感光体の構成を模式化して示す断面図であり、図1
における符号1は積層型電子写真用感光体を示してい
る。そして、ここでの積層型電子写真用感光体1は、導
電性支持体2上に薄膜の電荷発生層3が形成され、か
つ、この電荷発生層3上には比較的厚膜の電荷輸送層4
が形成されたものであり、これらの電荷発生層3及び電
荷輸送層4によって有機感光層5が構成されている。す
なわち、この積層型電子写真用感光体1が備える導電性
支持体2は、それ自体公知の導電性材料を用いて作製さ
れた基体、例えば、アルミニウムなどのような金属材料
や導電性プラスチック(フェノール樹脂などのような絶
縁性樹脂にカーボンなどの導電性粒子を分散させたも
の)からなる基体、あるいは、ヨウ化アルミニウムやヨ
ウ化銅、酸化クロムまたは酸化スズなどの導電性物質で
被覆されたガラスなどからなる基体を具備しており、こ
の際における基体は、ドラム状(パイプ状)や板状、ベル
ト状などのような形状、つまり、特には限定されない形
状を有している。
真用感光体の構成を模式化して示す断面図であり、図1
における符号1は積層型電子写真用感光体を示してい
る。そして、ここでの積層型電子写真用感光体1は、導
電性支持体2上に薄膜の電荷発生層3が形成され、か
つ、この電荷発生層3上には比較的厚膜の電荷輸送層4
が形成されたものであり、これらの電荷発生層3及び電
荷輸送層4によって有機感光層5が構成されている。す
なわち、この積層型電子写真用感光体1が備える導電性
支持体2は、それ自体公知の導電性材料を用いて作製さ
れた基体、例えば、アルミニウムなどのような金属材料
や導電性プラスチック(フェノール樹脂などのような絶
縁性樹脂にカーボンなどの導電性粒子を分散させたも
の)からなる基体、あるいは、ヨウ化アルミニウムやヨ
ウ化銅、酸化クロムまたは酸化スズなどの導電性物質で
被覆されたガラスなどからなる基体を具備しており、こ
の際における基体は、ドラム状(パイプ状)や板状、ベル
ト状などのような形状、つまり、特には限定されない形
状を有している。
【0022】また、ここでの電荷発生層3はオキソチタ
ニウムフタロシアニンを真空中で導電性支持体2上に蒸
着することによって形成されたオキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜であり、この電荷発生層3であるオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜は、エチレングリコー
ルジアルキルエーテルと水とからなる水添溶剤、もしく
は、ジエチレングリコールジアルキルエーテルと水とか
らなる水添溶剤、あるいはまた、2−メトキシ−2−メ
チル−4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤のいずれ
かに浸漬処理されている。そして、これらの水添溶剤に
対する浸漬処理によっては、オキソチタニウムフタロシ
アニンが特異な結晶構造、つまり、α型とβ型との中間
に位置付けられる結晶構造(光吸収スペクトルの最大ピ
ーク波長が780±10nmを示す結晶構造)に結晶変
換されることになり、水添溶剤に浸漬処理されたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜からなる電荷発生層3
はキャリアのトラップや再結合の少ないものとなる。な
お、電荷発生層3となるオキソチタニウムフタロシアニ
ンの純度は高いことが望ましく、純度を高めるために
は、オキソチタニウムフタロシアニンをキノリン中で還
流加熱する方法やオキソチタニウムフタロシアニンを昇
華精製する方法が採用される。
ニウムフタロシアニンを真空中で導電性支持体2上に蒸
着することによって形成されたオキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜であり、この電荷発生層3であるオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜は、エチレングリコー
ルジアルキルエーテルと水とからなる水添溶剤、もしく
は、ジエチレングリコールジアルキルエーテルと水とか
らなる水添溶剤、あるいはまた、2−メトキシ−2−メ
チル−4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤のいずれ
かに浸漬処理されている。そして、これらの水添溶剤に
対する浸漬処理によっては、オキソチタニウムフタロシ
アニンが特異な結晶構造、つまり、α型とβ型との中間
に位置付けられる結晶構造(光吸収スペクトルの最大ピ
ーク波長が780±10nmを示す結晶構造)に結晶変
換されることになり、水添溶剤に浸漬処理されたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜からなる電荷発生層3
はキャリアのトラップや再結合の少ないものとなる。な
お、電荷発生層3となるオキソチタニウムフタロシアニ
ンの純度は高いことが望ましく、純度を高めるために
は、オキソチタニウムフタロシアニンをキノリン中で還
流加熱する方法やオキソチタニウムフタロシアニンを昇
華精製する方法が採用される。
【0023】さらに、この際におけるエチレングリコー
ルジアルキルエーテル及びジエチレングリコールジアル
キルエーテルとしては炭素数が1ないし4のアルキル基
のものを用いることが行われており、具体例としては、
浸漬処理後における乾燥という観点から、沸点がさほど
高くないメチル基またはエチル基のいずれか、あるい
は、これらの混合物であるものが使用されている。そし
て、これらの有機溶剤と水との混合比は、容量比(有機
溶剤:水)で100:1ないし100:20、好ましく
は、100:2ないし100:10の範囲内とされてお
り、有機溶剤と水との混合比を100:2ないし10
0:10の範囲内としておいた際には、感度及び帯電性
に優れているとともに、これらの繰り返し特性にも優れ
た電荷発生層3からなる有機感光層5が構成される。
ルジアルキルエーテル及びジエチレングリコールジアル
キルエーテルとしては炭素数が1ないし4のアルキル基
のものを用いることが行われており、具体例としては、
浸漬処理後における乾燥という観点から、沸点がさほど
高くないメチル基またはエチル基のいずれか、あるい
は、これらの混合物であるものが使用されている。そし
て、これらの有機溶剤と水との混合比は、容量比(有機
溶剤:水)で100:1ないし100:20、好ましく
は、100:2ないし100:10の範囲内とされてお
り、有機溶剤と水との混合比を100:2ないし10
0:10の範囲内としておいた際には、感度及び帯電性
に優れているとともに、これらの繰り返し特性にも優れ
た電荷発生層3からなる有機感光層5が構成される。
【0024】さらにまた、オキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜からなる電荷発生層3の膜厚は、0.03μ
mないし0.5μmの範囲内、好ましくは、0.1μm
ないし0.2μm程度の範囲内とされている。なお、こ
のようにしてオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
膜厚を規制するのは、膜厚が薄すぎるとキャリアの発生
量が少なくなり、充分な感度を得ることが困難となる傾
向にある一方、電荷発生層3の膜厚が厚すぎると暗減衰
が増加して帯電電位が低下し、帯電性や感度の繰り返し
安定性が低下する傾向にあるためである。そして、電荷
発生層3の膜厚を0.03μmないし0.5μmの範囲
内としておいた際には、充分なキャリア発生量が得られ
るとともに、暗減衰を充分に低減させ得ることが可能と
なる。
ニン蒸着膜からなる電荷発生層3の膜厚は、0.03μ
mないし0.5μmの範囲内、好ましくは、0.1μm
ないし0.2μm程度の範囲内とされている。なお、こ
のようにしてオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
膜厚を規制するのは、膜厚が薄すぎるとキャリアの発生
量が少なくなり、充分な感度を得ることが困難となる傾
向にある一方、電荷発生層3の膜厚が厚すぎると暗減衰
が増加して帯電電位が低下し、帯電性や感度の繰り返し
安定性が低下する傾向にあるためである。そして、電荷
発生層3の膜厚を0.03μmないし0.5μmの範囲
内としておいた際には、充分なキャリア発生量が得られ
るとともに、暗減衰を充分に低減させ得ることが可能と
なる。
【0025】ところで、エチレングリコールジアルキル
エーテルと水とからなる水添溶剤、もしくは、ジエチレ
ングリコールジアルキルエーテルと水とからなる水添溶
剤、あるいはまた、2−メトキシ−2−メチル−4−ペ
ンタノンと水とからなる水添溶剤に対するオキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜の浸漬時間は30秒から3時
間までの範囲内とされるのが一般的であり、好ましく
は、10分ないし60分程度とされている。そして、こ
のように浸漬時間を規制しているのは、浸漬時間が30
秒より少ないと、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜の結晶変換を充分かつ同時的に実行することが困難と
なり、また、浸漬時間が3時間を越えていると、必要と
する結晶構造以外への結晶変換が行われてしまう恐れが
あるためである。
エーテルと水とからなる水添溶剤、もしくは、ジエチレ
ングリコールジアルキルエーテルと水とからなる水添溶
剤、あるいはまた、2−メトキシ−2−メチル−4−ペ
ンタノンと水とからなる水添溶剤に対するオキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜の浸漬時間は30秒から3時
間までの範囲内とされるのが一般的であり、好ましく
は、10分ないし60分程度とされている。そして、こ
のように浸漬時間を規制しているのは、浸漬時間が30
秒より少ないと、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜の結晶変換を充分かつ同時的に実行することが困難と
なり、また、浸漬時間が3時間を越えていると、必要と
する結晶構造以外への結晶変換が行われてしまう恐れが
あるためである。
【0026】つぎに、本実施の形態にかかる積層型電子
写真用感光体1が備えており、電荷発生層3と一体化さ
れたうえで有機感光層5を構成する電荷輸送層4につい
て説明する。まず、この電荷輸送層4は輸送層形成用塗
液を用いることによって形成されており、従来から公知
の塗工手法を採用することによって電荷発生層3である
オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜上に輸送層形成
用塗液を浸漬塗工したうえ、塗膜を乾燥させることによ
って形成されたものとなっている。そして、輸送層形成
用塗液は電荷輸送剤及び樹脂バインダを適当な溶剤でも
って溶解したものであり、この際における電荷輸送剤と
しては、オキサゾールやオキサジアゾール、ピラゾリン
などの複素環化合物、また、ヒドラゾン化合物やブタジ
エン化合物、スチルベン化合物、あるいは、これら化合
物などの各種誘導体物質をあげることができる。
写真用感光体1が備えており、電荷発生層3と一体化さ
れたうえで有機感光層5を構成する電荷輸送層4につい
て説明する。まず、この電荷輸送層4は輸送層形成用塗
液を用いることによって形成されており、従来から公知
の塗工手法を採用することによって電荷発生層3である
オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜上に輸送層形成
用塗液を浸漬塗工したうえ、塗膜を乾燥させることによ
って形成されたものとなっている。そして、輸送層形成
用塗液は電荷輸送剤及び樹脂バインダを適当な溶剤でも
って溶解したものであり、この際における電荷輸送剤と
しては、オキサゾールやオキサジアゾール、ピラゾリン
などの複素環化合物、また、ヒドラゾン化合物やブタジ
エン化合物、スチルベン化合物、あるいは、これら化合
物などの各種誘導体物質をあげることができる。
【0027】すなわち、電荷輸送剤の具体例としては、
2−メチル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,
1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエン、4−N,N−ジフェニル
アミノ−α−フェニルスチルベン、4−{N−(p−メ
トキシフェニル)−N−フェニルアミノ}−α−フェニ
ルスチルベンなどがあげられ、これらのうちの1種また
は2種以上が使用される。そして、特に、2−メチル−
4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾンと1,1−ビス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン
との混合物を使用した場合や4−N,N−ジフェニルア
ミノ−α−フェニルスチルベンを使用した場合には、優
れた感度を有しながらオゾンによる劣化の少ない有機感
光層5を形成し得ることになる。
2−メチル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,
1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエン、4−N,N−ジフェニル
アミノ−α−フェニルスチルベン、4−{N−(p−メ
トキシフェニル)−N−フェニルアミノ}−α−フェニ
ルスチルベンなどがあげられ、これらのうちの1種また
は2種以上が使用される。そして、特に、2−メチル−
4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾンと1,1−ビス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン
との混合物を使用した場合や4−N,N−ジフェニルア
ミノ−α−フェニルスチルベンを使用した場合には、優
れた感度を有しながらオゾンによる劣化の少ない有機感
光層5を形成し得ることになる。
【0028】なお、2−メチル−4−ジベンジルアミノ
ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンと
1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−
ジフェニル−1,3−ブタジエンとの混合物を使用する
場合における配合比は、2−メチル−4−ジベンジルア
ミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン
と1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエンとの重量比が99:
1ないし30:70の範囲内となるように調整しておく
ことが好ましい。つまり、この際においては、2−メチ
ル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾンが多すぎると感度が低下する傾向
を示し、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンが多すぎると
耐オゾン性が低下する傾向を示すので、両者の配合比を
上記の範囲内としておくことによって良好な感度と良好
な耐オゾン性とを得るようにしている。
ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンと
1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−
ジフェニル−1,3−ブタジエンとの混合物を使用する
場合における配合比は、2−メチル−4−ジベンジルア
ミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン
と1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエンとの重量比が99:
1ないし30:70の範囲内となるように調整しておく
ことが好ましい。つまり、この際においては、2−メチ
ル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾンが多すぎると感度が低下する傾向
を示し、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンが多すぎると
耐オゾン性が低下する傾向を示すので、両者の配合比を
上記の範囲内としておくことによって良好な感度と良好
な耐オゾン性とを得るようにしている。
【0029】さらにまた、輸送層形成用塗液を形成する
際の樹脂バインダとしては、ポリエステルやポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレートなど
の樹脂があげられる一方、溶剤としては、メチルエチル
ケトンなどのケトン類やテトラヒドロフランなどのエー
テル類、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルムなど
の塩素化炭化水素類、あるいは、ベンゼンやトルエンな
どの芳香族炭化水素類のような各種の有機溶剤をあげる
ことができる。そして、これらの有機溶剤のうちではク
ロロホルムまたはトルエンが最も好ましい溶剤であり、
これらを使用した場合には、浸漬処理後の電荷発生層3
であるオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の結晶構
造を変化させることなく、透明性の高い電荷輸送層4を
形成できることとなる結果、優れた感度を有する有機感
光層5が得られる。なお、輸送層形成用塗液の組成が限
定されることはなく、電荷輸送剤と樹脂バインダとの重
量比(電荷輸送剤:樹脂バインダ)は60:40ないし4
0:60の範囲内とされているのが一般的であるが、電
荷輸送剤及び樹脂バインダは合計された固形分濃度が1
0〜40重量%となるように調整したうえで溶剤中に溶
解されることになっている。
際の樹脂バインダとしては、ポリエステルやポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレートなど
の樹脂があげられる一方、溶剤としては、メチルエチル
ケトンなどのケトン類やテトラヒドロフランなどのエー
テル類、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルムなど
の塩素化炭化水素類、あるいは、ベンゼンやトルエンな
どの芳香族炭化水素類のような各種の有機溶剤をあげる
ことができる。そして、これらの有機溶剤のうちではク
ロロホルムまたはトルエンが最も好ましい溶剤であり、
これらを使用した場合には、浸漬処理後の電荷発生層3
であるオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の結晶構
造を変化させることなく、透明性の高い電荷輸送層4を
形成できることとなる結果、優れた感度を有する有機感
光層5が得られる。なお、輸送層形成用塗液の組成が限
定されることはなく、電荷輸送剤と樹脂バインダとの重
量比(電荷輸送剤:樹脂バインダ)は60:40ないし4
0:60の範囲内とされているのが一般的であるが、電
荷輸送剤及び樹脂バインダは合計された固形分濃度が1
0〜40重量%となるように調整したうえで溶剤中に溶
解されることになっている。
【0030】ところで、輸送層形成用塗液の塗工方法が
限定されることはないのであるが、被塗工体を塗料(塗
液)中に浸漬したうえで引き上げることによって塗膜を
形成する方法、いわゆる浸漬塗工法を採用するのが一般
的であり、かかる方法を採用した場合には比較的厚膜
で、しかも、均一な厚みを有する塗膜を容易かつ短時間
のうちに形成することが可能となる。また、形成済みと
なった電荷輸送層4は、数μmないし数十μm、好まし
くは、15μmないし25μmの膜厚を有するものとな
っており、電荷輸送層4の膜厚をかかる範囲内としてお
いた場合には有機感光層5の初期帯電電位を充分に高く
設定できることになる。すなわち、本実施の形態にかか
る電荷輸送層4の形成工程は、電荷輸送剤及び樹脂バイ
ンダをトルエンまたはクロロホルムで溶解してなる輸送
層形成用塗液を電荷発生層3であるオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜上に浸漬塗工する工程を含むものと
なっている。
限定されることはないのであるが、被塗工体を塗料(塗
液)中に浸漬したうえで引き上げることによって塗膜を
形成する方法、いわゆる浸漬塗工法を採用するのが一般
的であり、かかる方法を採用した場合には比較的厚膜
で、しかも、均一な厚みを有する塗膜を容易かつ短時間
のうちに形成することが可能となる。また、形成済みと
なった電荷輸送層4は、数μmないし数十μm、好まし
くは、15μmないし25μmの膜厚を有するものとな
っており、電荷輸送層4の膜厚をかかる範囲内としてお
いた場合には有機感光層5の初期帯電電位を充分に高く
設定できることになる。すなわち、本実施の形態にかか
る電荷輸送層4の形成工程は、電荷輸送剤及び樹脂バイ
ンダをトルエンまたはクロロホルムで溶解してなる輸送
層形成用塗液を電荷発生層3であるオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜上に浸漬塗工する工程を含むものと
なっている。
【0031】
【実施例】以下、本実施の形態における具体的な実施例
及び比較例を説明する。
及び比較例を説明する。
【0032】(実施例1)オキソチタニウムフタロシアニ
ンを合成する際には、以下のような手順が採用される。
まず、三口フラスコに貯溜された1−クロロナフタレン
(770ml)中に1,3−ジイミノイソインドリンの1
13gを加えて懸濁させ、撹拌しながらチタン酸テトラ
−n−ブチルの75gを加えた後、195℃ないし20
5℃の窒素雰囲気中で4時間にわたって加熱し、130
℃まで放冷した。そして、濾別によって反応生成物を分
離し、かつ、100℃に加熱された1−クロロナフタレ
ン(100ml)を用いて反応生成物を洗浄した後、エタ
ノール(1000ml)でもって充分に洗浄した。つぎ
に、ジメチルホルムアミド(500ml)を用いながら8
0℃で1時間にわたる熱懸濁洗浄を3回繰り返し、さら
に、エタノール(500ml)を用いながら60℃で1時
間にわたる熱懸濁洗浄を2回繰り返した後、50℃の温
度下にて真空乾燥することを行った。引き続き、真空乾
燥された顔料を200mlのキノリン中に投入したうえ
で撹拌しながら4時間にわたって還流加熱し、かつ、一
夜にわたって放置した後、氷水浴によって1時間だけ冷
却し、さらに、濾別した。その後、エタノールを用いて
充分に洗浄したうえ、50℃の温度下で10時間、さら
に、100℃の温度下で10時間にわたって真空乾燥し
た。このようにして得られた顔料、つまり、オキソチタ
ニウムフタロシアニンの収量は75gであった。
ンを合成する際には、以下のような手順が採用される。
まず、三口フラスコに貯溜された1−クロロナフタレン
(770ml)中に1,3−ジイミノイソインドリンの1
13gを加えて懸濁させ、撹拌しながらチタン酸テトラ
−n−ブチルの75gを加えた後、195℃ないし20
5℃の窒素雰囲気中で4時間にわたって加熱し、130
℃まで放冷した。そして、濾別によって反応生成物を分
離し、かつ、100℃に加熱された1−クロロナフタレ
ン(100ml)を用いて反応生成物を洗浄した後、エタ
ノール(1000ml)でもって充分に洗浄した。つぎ
に、ジメチルホルムアミド(500ml)を用いながら8
0℃で1時間にわたる熱懸濁洗浄を3回繰り返し、さら
に、エタノール(500ml)を用いながら60℃で1時
間にわたる熱懸濁洗浄を2回繰り返した後、50℃の温
度下にて真空乾燥することを行った。引き続き、真空乾
燥された顔料を200mlのキノリン中に投入したうえ
で撹拌しながら4時間にわたって還流加熱し、かつ、一
夜にわたって放置した後、氷水浴によって1時間だけ冷
却し、さらに、濾別した。その後、エタノールを用いて
充分に洗浄したうえ、50℃の温度下で10時間、さら
に、100℃の温度下で10時間にわたって真空乾燥し
た。このようにして得られた顔料、つまり、オキソチタ
ニウムフタロシアニンの収量は75gであった。
【0033】つぎに、積層型電子写真用感光体1の具体
的な製造手順を説明する。まず、上記の手順に従って得
られたオキソチタニウムフタロシアニンを、10-5to
rrないし10-6torrの真空下において、厚みが
0.5mmの基体であるアルミニウム板上に0.1μm
の厚さで蒸着することを行った。そして、アルキル基が
メチル基であるエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、つまり、エチレングリコールジメチルエーテルと水
とからなる水添溶剤(エチレングリコールジメチルエー
テルと水との混合比は容量比で40:1)に対し、オキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜が形成されたアルミ
ニウム板を60分間にわたって浸漬したうえで放置し
た。すると、このような浸漬処理により、図2で示すよ
うに、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の有する
光吸収スペクトルの最大ピーク波長が長波長側へと移行
することが起こった。すなわち、この際における図2
(a)はオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の形成直
後における光吸収スペクトルを示しており、最大ピーク
波長は720nm前後であることが分かる。一方、図2
(b)は浸漬処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸
着膜が有する光吸収スペクトルを示しており、浸漬処理
後における最大ピーク波長が780nm前後の長波長側
へと移行していることが明らかとなっている。
的な製造手順を説明する。まず、上記の手順に従って得
られたオキソチタニウムフタロシアニンを、10-5to
rrないし10-6torrの真空下において、厚みが
0.5mmの基体であるアルミニウム板上に0.1μm
の厚さで蒸着することを行った。そして、アルキル基が
メチル基であるエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、つまり、エチレングリコールジメチルエーテルと水
とからなる水添溶剤(エチレングリコールジメチルエー
テルと水との混合比は容量比で40:1)に対し、オキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜が形成されたアルミ
ニウム板を60分間にわたって浸漬したうえで放置し
た。すると、このような浸漬処理により、図2で示すよ
うに、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の有する
光吸収スペクトルの最大ピーク波長が長波長側へと移行
することが起こった。すなわち、この際における図2
(a)はオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の形成直
後における光吸収スペクトルを示しており、最大ピーク
波長は720nm前後であることが分かる。一方、図2
(b)は浸漬処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸
着膜が有する光吸収スペクトルを示しており、浸漬処理
後における最大ピーク波長が780nm前後の長波長側
へと移行していることが明らかとなっている。
【0034】さらに、以上のような手順に従って形成さ
れた電荷発生層3であるオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜上に対し、4−N,N−ジフェニルアミノ−α
−フェニルスチルベンの20重量部とポリカーボネート
樹脂(三菱瓦斯化学工業株式会社製、商品名ユーピロン
Z−300)の20重量部とをトルエンの100重量部
で溶解してなる輸送層形成用塗液を浸漬塗工したうえ、
乾燥後の膜厚が20μmとなる電荷輸送層4を形成する
ことによって有機感光層5を構成し、積層型電子写真用
感光体1を完成させた。引き続き、完成した積層型電子
写真用感光体1の静電特性を静電複写紙試験装置(株式
会社川口電気製作所製モデルEPA−8100)を用い
て評価したところ、表1で示すような結果が得られた。
れた電荷発生層3であるオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜上に対し、4−N,N−ジフェニルアミノ−α
−フェニルスチルベンの20重量部とポリカーボネート
樹脂(三菱瓦斯化学工業株式会社製、商品名ユーピロン
Z−300)の20重量部とをトルエンの100重量部
で溶解してなる輸送層形成用塗液を浸漬塗工したうえ、
乾燥後の膜厚が20μmとなる電荷輸送層4を形成する
ことによって有機感光層5を構成し、積層型電子写真用
感光体1を完成させた。引き続き、完成した積層型電子
写真用感光体1の静電特性を静電複写紙試験装置(株式
会社川口電気製作所製モデルEPA−8100)を用い
て評価したところ、表1で示すような結果が得られた。
【0035】なお、この評価試験では、コロナ電流が−
30μAになるように設定した印加電圧のコロナ放電に
よって積層型電子写真用感光体1を暗所で負帯電させた
際における初期帯電電位をVmax(V)、暗減衰1秒後
の表面電位をV0(V)、暗減衰1秒間の電荷保持率を
D.D(%)として測定した後、最大ピーク波長が800
nmとなる2.1μJ/cm2・sのエネルギの単色光
を4秒間にわたって照射した時の表面電位がV0の1/
2、また、V0の1/5となる露光量をそれぞれE1/
2及びE1/5(μJ/cm2)として測定し、かつ、露
光4秒後の表面電位を残留電位VR(V)として測定する
ことを行っている。さらに、この評価試験においては、
以上説明した一連の測定作業を1000回にわたって繰
り返した際における静電特性(感度及び帯電特性)の繰り
返し安定性をも評価しており、1000回にわたる繰り
返し後の残留電位VR(V)は露光2秒後の残留電位であ
ることになっている。
30μAになるように設定した印加電圧のコロナ放電に
よって積層型電子写真用感光体1を暗所で負帯電させた
際における初期帯電電位をVmax(V)、暗減衰1秒後
の表面電位をV0(V)、暗減衰1秒間の電荷保持率を
D.D(%)として測定した後、最大ピーク波長が800
nmとなる2.1μJ/cm2・sのエネルギの単色光
を4秒間にわたって照射した時の表面電位がV0の1/
2、また、V0の1/5となる露光量をそれぞれE1/
2及びE1/5(μJ/cm2)として測定し、かつ、露
光4秒後の表面電位を残留電位VR(V)として測定する
ことを行っている。さらに、この評価試験においては、
以上説明した一連の測定作業を1000回にわたって繰
り返した際における静電特性(感度及び帯電特性)の繰り
返し安定性をも評価しており、1000回にわたる繰り
返し後の残留電位VR(V)は露光2秒後の残留電位であ
ることになっている。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例2)実施例2ではアルキル基がエチ
ル基であるエチレングリコールジアルキルエーテル、つ
まり、エチレングリコールジエチルエーテルがエチレン
グリコールジメチルエーテルに代わって使用されてお
り、この実施例2においては、オキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜が形成されたアルミニウム板を、エチレ
ングリコールジエチルエーテルと水とからなる水添溶剤
(エチレングリコールジエチルエーテルと水との混合比
は容量比で40:1)に対して浸漬処理することを実行
している。そして、実施例1と同様の手順に従って積層
型電子写真用感光体1を完成させたうえ、積層型電子写
真用感光体1の静電特性を評価してみたところ、表1で
示すような結果が得られた。なお、図3はエチレングリ
コールジエチルエーテルと水とからなる水添溶剤を用い
た際の浸漬処理後におけるオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜の吸収スペクトルを示しており、図3によれ
ば、光吸収スペクトルの最大ピーク波長は776nm前
後であることが分かる。
ル基であるエチレングリコールジアルキルエーテル、つ
まり、エチレングリコールジエチルエーテルがエチレン
グリコールジメチルエーテルに代わって使用されてお
り、この実施例2においては、オキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜が形成されたアルミニウム板を、エチレ
ングリコールジエチルエーテルと水とからなる水添溶剤
(エチレングリコールジエチルエーテルと水との混合比
は容量比で40:1)に対して浸漬処理することを実行
している。そして、実施例1と同様の手順に従って積層
型電子写真用感光体1を完成させたうえ、積層型電子写
真用感光体1の静電特性を評価してみたところ、表1で
示すような結果が得られた。なお、図3はエチレングリ
コールジエチルエーテルと水とからなる水添溶剤を用い
た際の浸漬処理後におけるオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜の吸収スペクトルを示しており、図3によれ
ば、光吸収スペクトルの最大ピーク波長は776nm前
後であることが分かる。
【0038】(実施例3)実施例3では実施例1のエチレ
ングリコールジメチルエーテルに代わるジエチレングリ
コールジメチルエーテルと水とからなる水添溶剤(ジエ
チレングリコールジメチルエーテルと水との混合比は容
量比で40:2)を使用したうえで浸漬処理することが
行われており、実施例1と同様の手順に従って積層型電
子写真用感光体1を完成させ、かつ、完成した積層型電
子写真用感光体1の静電特性を評価してみたところ、表
1で示すような結果が得られた。なお、図4はジエチレ
ングリコールジメチルエーテルと水とからなる水添溶剤
を用いた際の浸漬処理後におけるオキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜の吸収スペクトルを示す説明図であ
り、この際における光吸収スペクトルの最大ピーク波長
は779nm前後となっている。
ングリコールジメチルエーテルに代わるジエチレングリ
コールジメチルエーテルと水とからなる水添溶剤(ジエ
チレングリコールジメチルエーテルと水との混合比は容
量比で40:2)を使用したうえで浸漬処理することが
行われており、実施例1と同様の手順に従って積層型電
子写真用感光体1を完成させ、かつ、完成した積層型電
子写真用感光体1の静電特性を評価してみたところ、表
1で示すような結果が得られた。なお、図4はジエチレ
ングリコールジメチルエーテルと水とからなる水添溶剤
を用いた際の浸漬処理後におけるオキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜の吸収スペクトルを示す説明図であ
り、この際における光吸収スペクトルの最大ピーク波長
は779nm前後となっている。
【0039】(実施例4)この実施例4では、エチレング
リコールジメチルエーテルと水とからなる実施例1の水
添溶剤による浸漬処理に代え、ジエチレングリコールジ
エチルエーテルと水とからなる水添溶剤による浸漬処理
を実行している。そして、実施例1と同様の手順に従っ
て積層型電子写真用感光体1を完成させた後、完成した
積層型電子写真用感光体1の静電特性を評価してみたと
ころ、表1で示すような結果が得られた。なお、この図
5はジエチレングリコールジエチルエーテルと水とから
なる水添溶剤を用いた際の浸漬処理後におけるオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜の吸収スペクトルを示し
ており、この場合における光吸収スペクトルの最大ピー
ク波長は781nm前後であることが分かる。
リコールジメチルエーテルと水とからなる実施例1の水
添溶剤による浸漬処理に代え、ジエチレングリコールジ
エチルエーテルと水とからなる水添溶剤による浸漬処理
を実行している。そして、実施例1と同様の手順に従っ
て積層型電子写真用感光体1を完成させた後、完成した
積層型電子写真用感光体1の静電特性を評価してみたと
ころ、表1で示すような結果が得られた。なお、この図
5はジエチレングリコールジエチルエーテルと水とから
なる水添溶剤を用いた際の浸漬処理後におけるオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜の吸収スペクトルを示し
ており、この場合における光吸収スペクトルの最大ピー
ク波長は781nm前後であることが分かる。
【0040】(実施例5)実施例5ではエチレングリコー
ルジメチルエーテルと水とからなる実施例1の水添溶剤
に代え、2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノンと
水とからなる水添溶剤が用いられており、この実施例5
においては、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜が
形成されたアルミニウム板を、2−メトキシ−2−メチ
ル−4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤(両者の混
合比は容量比で40:2)に浸漬処理している。そし
て、実施例1と同様の手順に従って積層型電子写真用感
光体1を完成させたうえ、積層型電子写真用感光体1の
静電特性を評価してみたところ、表1で示すような結果
が得られた。なお、図6は2−メトキシ−2−メチル−
4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤に対して浸漬処
理されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の吸収
スペクトルを示しており、この図6によれば、光吸収ス
ペクトルの最大ピーク波長は779nm前後にあること
が明らかとなっている。
ルジメチルエーテルと水とからなる実施例1の水添溶剤
に代え、2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノンと
水とからなる水添溶剤が用いられており、この実施例5
においては、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜が
形成されたアルミニウム板を、2−メトキシ−2−メチ
ル−4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤(両者の混
合比は容量比で40:2)に浸漬処理している。そし
て、実施例1と同様の手順に従って積層型電子写真用感
光体1を完成させたうえ、積層型電子写真用感光体1の
静電特性を評価してみたところ、表1で示すような結果
が得られた。なお、図6は2−メトキシ−2−メチル−
4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤に対して浸漬処
理されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の吸収
スペクトルを示しており、この図6によれば、光吸収ス
ペクトルの最大ピーク波長は779nm前後にあること
が明らかとなっている。
【0041】(実施例6)実施例1における輸送層形成用
塗液は、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニル
スチルベンの20重量部とポリカーボネート樹脂の20
重量部とをトルエンの100重量部で溶解したものであ
ったが、実施例6では、2−メチル−4−ジベンジルア
ミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン
の18重量部と1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンの2
重量部とを電荷輸送剤とし、かつ、クロロホルムを溶剤
としてなる輸送層形成用塗液を使用することによって電
荷輸送層4を形成している。なお、ここでの水添溶剤と
しては、実施例1と同じもの、つまり、エチレングリコ
ールジメチルエーテルと水とからなる水添溶剤を使用し
ている。そして、実施例1と同様の手順に従って積層型
電子写真用感光体1を完成させ、かつ、完成した積層型
電子写真用感光体1の静電特性を評価したところ、表1
で示すような結果が得られた。
塗液は、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニル
スチルベンの20重量部とポリカーボネート樹脂の20
重量部とをトルエンの100重量部で溶解したものであ
ったが、実施例6では、2−メチル−4−ジベンジルア
ミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン
の18重量部と1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンの2
重量部とを電荷輸送剤とし、かつ、クロロホルムを溶剤
としてなる輸送層形成用塗液を使用することによって電
荷輸送層4を形成している。なお、ここでの水添溶剤と
しては、実施例1と同じもの、つまり、エチレングリコ
ールジメチルエーテルと水とからなる水添溶剤を使用し
ている。そして、実施例1と同様の手順に従って積層型
電子写真用感光体1を完成させ、かつ、完成した積層型
電子写真用感光体1の静電特性を評価したところ、表1
で示すような結果が得られた。
【0042】(実施例7)エチレングリコールジメチルエ
ーテルと水とからなる水添溶剤を使用した実施例6とは
異なり、実施例7ではエチレングリコールジエチルエー
テルと水とからなる水添溶剤(エチレングリコールジエ
チルエーテルと水との混合比は容量比で40:1)を用
いたうえでの浸漬処理が行われている。そして、実施例
6と同じ輸送層形成用塗液を使用し、かつ、実施例6と
同様の手順に従って積層型電子写真用感光体1を完成さ
せたうえ、積層型電子写真用感光体1の静電特性を評価
したところ、表1で示すような結果が得られた。
ーテルと水とからなる水添溶剤を使用した実施例6とは
異なり、実施例7ではエチレングリコールジエチルエー
テルと水とからなる水添溶剤(エチレングリコールジエ
チルエーテルと水との混合比は容量比で40:1)を用
いたうえでの浸漬処理が行われている。そして、実施例
6と同じ輸送層形成用塗液を使用し、かつ、実施例6と
同様の手順に従って積層型電子写真用感光体1を完成さ
せたうえ、積層型電子写真用感光体1の静電特性を評価
したところ、表1で示すような結果が得られた。
【0043】(実施例8)実施例8ではジエチレングリコ
ールジメチルエーテルと水とからなる水添溶剤(ジエチ
レングリコールジメチルエーテルと水との混合比は容量
比で40:2)を実施例6の水添溶剤、つまり、エチレ
ングリコールジメチルエーテルと水からなる水添溶剤に
代えて用いることが行われている。そして、実施例6と
同様の手順に従って積層型電子写真用感光体1を完成さ
せ、さらに、完成した積層型電子写真用感光体1の静電
特性を評価してみたところ、表1で示すような結果が得
られた。
ールジメチルエーテルと水とからなる水添溶剤(ジエチ
レングリコールジメチルエーテルと水との混合比は容量
比で40:2)を実施例6の水添溶剤、つまり、エチレ
ングリコールジメチルエーテルと水からなる水添溶剤に
代えて用いることが行われている。そして、実施例6と
同様の手順に従って積層型電子写真用感光体1を完成さ
せ、さらに、完成した積層型電子写真用感光体1の静電
特性を評価してみたところ、表1で示すような結果が得
られた。
【0044】(実施例9)ジエチレングリコールジエチル
エーテルと水とからなる水添溶剤(両者の混合比は容量
比で40:2)を用いたうえ、この水添溶剤に浸漬処理
された積層型電子写真用感光体1を実施例6と同様の手
順に従って完成させた。そのうえで、完成した積層型電
子写真用感光体1の静電特性を評価したところ、表1で
示すような結果が得られた。
エーテルと水とからなる水添溶剤(両者の混合比は容量
比で40:2)を用いたうえ、この水添溶剤に浸漬処理
された積層型電子写真用感光体1を実施例6と同様の手
順に従って完成させた。そのうえで、完成した積層型電
子写真用感光体1の静電特性を評価したところ、表1で
示すような結果が得られた。
【0045】(実施例10)エチレングリコールジメチル
エーテルと水とからなる水添溶剤を用いた実施例6と異
なり、実施例10では2−メトキシ−2−メチル−4−
ペンタノンと水とからなる水添溶剤(両者の混合比は容
量比で40:2)を用いたうえでの浸漬処理が実行され
ている。そして、実施例6と同様の手順に従って積層型
電子写真用感光体1を完成させたうえ、積層型電子写真
用感光体1の静電特性を評価したところ、表1で示すよ
うな結果が得られた。
エーテルと水とからなる水添溶剤を用いた実施例6と異
なり、実施例10では2−メトキシ−2−メチル−4−
ペンタノンと水とからなる水添溶剤(両者の混合比は容
量比で40:2)を用いたうえでの浸漬処理が実行され
ている。そして、実施例6と同様の手順に従って積層型
電子写真用感光体1を完成させたうえ、積層型電子写真
用感光体1の静電特性を評価したところ、表1で示すよ
うな結果が得られた。
【0046】(比較例1)比較例1では電荷発生層3であ
るオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜をアセトン蒸
気でもって30分間にわたって暴露処理することを除
き、実施例1と同様の手順に従って積層型電子写真用感
光体1を完成させることを行っている。そして、完成し
た積層型電子写真用感光体1の静電特性を評価してみた
ところ、表1で示すような結果が得られた。
るオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜をアセトン蒸
気でもって30分間にわたって暴露処理することを除
き、実施例1と同様の手順に従って積層型電子写真用感
光体1を完成させることを行っている。そして、完成し
た積層型電子写真用感光体1の静電特性を評価してみた
ところ、表1で示すような結果が得られた。
【0047】(比較例2)エチレングリコールジメチルエ
ーテルの単独溶剤を用いてなる浸漬処理を実行したう
え、その他は実施例1と同様の手順に従うことによって
積層型電子写真用感光体1を完成させた。そして、引き
続き、完成した積層型電子写真用感光体1の静電特性を
評価してみたところ、表1で示すような結果が得られ
た。
ーテルの単独溶剤を用いてなる浸漬処理を実行したう
え、その他は実施例1と同様の手順に従うことによって
積層型電子写真用感光体1を完成させた。そして、引き
続き、完成した積層型電子写真用感光体1の静電特性を
評価してみたところ、表1で示すような結果が得られ
た。
【0048】(比較例3)ジエチレングリコールジメチル
エーテルの単独溶剤を用いたうえでの浸漬処理を実行
し、その他は実施例3同様の手順に従うことによって積
層型電子写真用感光体1を完成させたうえ、積層型電子
写真用感光体1の静電特性を評価したところ、表1で示
すような結果が得られた。
エーテルの単独溶剤を用いたうえでの浸漬処理を実行
し、その他は実施例3同様の手順に従うことによって積
層型電子写真用感光体1を完成させたうえ、積層型電子
写真用感光体1の静電特性を評価したところ、表1で示
すような結果が得られた。
【0049】(比較例4)2−メトキシ−2−メチル−
4−ペンタノンの単独溶剤を用いたうえでの浸漬処理を
実行し、その他は実施例5と同様の手順に従うことによ
って積層型電子写真用感光体1を完成させた後、積層型
電子写真用感光体1の静電特性を評価してみたところ、
表1で示すような結果が得られた。
4−ペンタノンの単独溶剤を用いたうえでの浸漬処理を
実行し、その他は実施例5と同様の手順に従うことによ
って積層型電子写真用感光体1を完成させた後、積層型
電子写真用感光体1の静電特性を評価してみたところ、
表1で示すような結果が得られた。
【0050】ところで、以上説明した実施例1ないし実
施例10のそれぞれと、比較例1ないし比較例4のそれ
ぞれとを互いに比較したところによれば、実施例1ない
し実施例10で説明した本実施の形態にかかる積層型電
子写真用感光体1の方が、半導体レーザ光のような長波
長光に対して良好な感度を有しており、しかも、感度及
び帯電性の繰り返し安定性に優れていることが明らかと
なっている。さらに、本実施の形態では、アルキル基が
メチル基であるエチレングリコールジメチルエーテルも
しくはアルキル基がエチル基であるエチレングリコール
ジエチルエーテルのいずれか一方と水とでもって水添溶
剤を得るとし、また、アルキル基がメチル基であるジエ
チレングリコールジメチルエーテルもしくはアルキル基
がエチル基であるジエチレングリコールジエチルエーテ
ルのいずれか一方と水とでもって水添溶剤を得るとして
いるが、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチ
レングリコールジエチルエーテルの混合物と水とでもっ
て水添溶剤を得ることも可能であり、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジエチ
ルエーテルの混合物と水とでもって水添溶剤を得るよう
にしてもよいことは勿論である。
施例10のそれぞれと、比較例1ないし比較例4のそれ
ぞれとを互いに比較したところによれば、実施例1ない
し実施例10で説明した本実施の形態にかかる積層型電
子写真用感光体1の方が、半導体レーザ光のような長波
長光に対して良好な感度を有しており、しかも、感度及
び帯電性の繰り返し安定性に優れていることが明らかと
なっている。さらに、本実施の形態では、アルキル基が
メチル基であるエチレングリコールジメチルエーテルも
しくはアルキル基がエチル基であるエチレングリコール
ジエチルエーテルのいずれか一方と水とでもって水添溶
剤を得るとし、また、アルキル基がメチル基であるジエ
チレングリコールジメチルエーテルもしくはアルキル基
がエチル基であるジエチレングリコールジエチルエーテ
ルのいずれか一方と水とでもって水添溶剤を得るとして
いるが、エチレングリコールジメチルエーテル及びエチ
レングリコールジエチルエーテルの混合物と水とでもっ
て水添溶剤を得ることも可能であり、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジエチ
ルエーテルの混合物と水とでもって水添溶剤を得るよう
にしてもよいことは勿論である。
【0051】
【発明の効果】以上説明しているように、本発明の請求
項1にかかる積層型電子写真用感光体では、電荷発生層
であるオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜をエチレ
ングリコールジアルキルエーテルと水とからなる水添溶
剤に浸漬処理しているので、この電荷発生層が半導体レ
ーザ光に対して高い感度を有し、かつ、キャリアのトラ
ップや再結合の発生が少ない特異な結晶構造のものとな
る。そのため、感度及び帯電性に優れ、かつ、これらの
繰り返し安定性にも優れた電荷発生層からなる感光層を
具備して構成された積層型電子写真用感光体が構成され
たこととなり、長期間にわたる高画質の画像形成を実現
できるという効果が得られる。そして、請求項2にかか
る積層型電子写真用感光体では、エチレングリコールジ
アルキルエーテルのアルキル基がメチル基またはエチル
基のいずれか、あるいは、これらの混合物となっている
ので、電荷発生層であるオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の有する感度及び帯電性、並びに、これらの繰
り返し安定性が顕著に向上するという効果が得られる。
項1にかかる積層型電子写真用感光体では、電荷発生層
であるオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜をエチレ
ングリコールジアルキルエーテルと水とからなる水添溶
剤に浸漬処理しているので、この電荷発生層が半導体レ
ーザ光に対して高い感度を有し、かつ、キャリアのトラ
ップや再結合の発生が少ない特異な結晶構造のものとな
る。そのため、感度及び帯電性に優れ、かつ、これらの
繰り返し安定性にも優れた電荷発生層からなる感光層を
具備して構成された積層型電子写真用感光体が構成され
たこととなり、長期間にわたる高画質の画像形成を実現
できるという効果が得られる。そして、請求項2にかか
る積層型電子写真用感光体では、エチレングリコールジ
アルキルエーテルのアルキル基がメチル基またはエチル
基のいずれか、あるいは、これらの混合物となっている
ので、電荷発生層であるオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の有する感度及び帯電性、並びに、これらの繰
り返し安定性が顕著に向上するという効果が得られる。
【0052】本発明の請求項3にかかる積層型電子写真
用感光体では、電荷発生層であるオキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜をジエチレングリコールジアルキルエ
ーテルと水とからなる水添溶剤に浸漬処理しているの
で、電荷発生層が半導体レーザ光に対して高い感度を有
しており、しかも、キャリアのトラップや再結合の発生
が少ない特異な結晶構造となる。そのため、請求項1の
場合と同様、感度及び帯電性に優れており、これらの繰
り返し安定性にも優れた電荷発生層からなる感光層を具
備して構成された積層型電子写真用感光体が構成された
ことになる結果、長期間にわたる高画質の画像形成を実
現できるという効果が得られる。そして、請求項4にか
かる積層型電子写真用感光体では、ジエチレングリコー
ルジアルキルエーテルのアルキル基がメチル基またはエ
チル基のいずれか、あるいは、これらの混合物となって
いるので、請求項2の場合と同じく、電荷発生層である
オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の有する感度及
び帯電性、並びに、これらの繰り返し安定性が顕著に向
上するという効果が得られる。
用感光体では、電荷発生層であるオキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜をジエチレングリコールジアルキルエ
ーテルと水とからなる水添溶剤に浸漬処理しているの
で、電荷発生層が半導体レーザ光に対して高い感度を有
しており、しかも、キャリアのトラップや再結合の発生
が少ない特異な結晶構造となる。そのため、請求項1の
場合と同様、感度及び帯電性に優れており、これらの繰
り返し安定性にも優れた電荷発生層からなる感光層を具
備して構成された積層型電子写真用感光体が構成された
ことになる結果、長期間にわたる高画質の画像形成を実
現できるという効果が得られる。そして、請求項4にか
かる積層型電子写真用感光体では、ジエチレングリコー
ルジアルキルエーテルのアルキル基がメチル基またはエ
チル基のいずれか、あるいは、これらの混合物となって
いるので、請求項2の場合と同じく、電荷発生層である
オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の有する感度及
び帯電性、並びに、これらの繰り返し安定性が顕著に向
上するという効果が得られる。
【0053】本発明の請求項5にかかる積層型電子写真
用感光体においては、電荷発生層であるオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜を2−メトキシ−2−メチル−
4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤に浸漬処理して
いるので、請求項1及び請求項3と同様、半導体レーザ
光に対して高い感度を有し、かつ、キャリアのトラップ
や再結合の発生が少ない特異な結晶構造を有する電荷発
生層が構成される。その結果、感度及び帯電性に優れ、
かつ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性にも優れた
電荷発生層からなる感光層を具備してなる積層型電子写
真用感光体が得られたことになる。
用感光体においては、電荷発生層であるオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜を2−メトキシ−2−メチル−
4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤に浸漬処理して
いるので、請求項1及び請求項3と同様、半導体レーザ
光に対して高い感度を有し、かつ、キャリアのトラップ
や再結合の発生が少ない特異な結晶構造を有する電荷発
生層が構成される。その結果、感度及び帯電性に優れ、
かつ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性にも優れた
電荷発生層からなる感光層を具備してなる積層型電子写
真用感光体が得られたことになる。
【0054】本発明の請求項6にかかる積層型電子写真
用感光体の電荷輸送層は輸送層形成用塗液を用いて形成
されたものであり、この輸送層形成用塗液が電荷輸送剤
及び樹脂バインダをトルエンまたはクロロホルムで溶解
したものとなっているので、浸漬処理後におけるオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜、つまり、電荷発生層
の結晶構造を変化させることが起こらず、しかも、透明
性の高い電荷輸送層であることになるので、感光層の感
度がより一層向上するという効果が得られる。
用感光体の電荷輸送層は輸送層形成用塗液を用いて形成
されたものであり、この輸送層形成用塗液が電荷輸送剤
及び樹脂バインダをトルエンまたはクロロホルムで溶解
したものとなっているので、浸漬処理後におけるオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜、つまり、電荷発生層
の結晶構造を変化させることが起こらず、しかも、透明
性の高い電荷輸送層であることになるので、感光層の感
度がより一層向上するという効果が得られる。
【0055】本発明の請求項7にかかる積層型電子写真
用感光体では、電荷輸送剤が、2−メチル−4−ジベン
ジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾンと、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンとの混
合物であるため、優れた耐オゾン性を有する電荷輸送層
からなる感光層を具備して構成された積層型電子写真用
感光体が得られることになる。そして、請求項8にかか
る積層型電子写真用感光体では、電荷輸送剤が4−N,
N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンである
ことから、感度及び帯電性に優れているとともに、これ
らの繰り返し安定性に優れており、しかも、耐オゾン性
にも優れた電荷輸送層からなる感光層が得られる。
用感光体では、電荷輸送剤が、2−メチル−4−ジベン
ジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾンと、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンとの混
合物であるため、優れた耐オゾン性を有する電荷輸送層
からなる感光層を具備して構成された積層型電子写真用
感光体が得られることになる。そして、請求項8にかか
る積層型電子写真用感光体では、電荷輸送剤が4−N,
N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンである
ことから、感度及び帯電性に優れているとともに、これ
らの繰り返し安定性に優れており、しかも、耐オゾン性
にも優れた電荷輸送層からなる感光層が得られる。
【0056】本発明の請求項9にかかる積層型電子写真
用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導電
性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着す
る工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜をエ
チレングリコールジアルキルエーテルと水とからなる水
添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいる。従って、こ
の製造方法を採用した際には、感度及び帯電性に優れて
おり、しかも、感度及び帯電性などの繰り返し安定性に
も優れた電荷発生層からなる感光層を合理的かつ安定的
に製造することができるという効果が得られる。
用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導電
性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着す
る工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜をエ
チレングリコールジアルキルエーテルと水とからなる水
添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいる。従って、こ
の製造方法を採用した際には、感度及び帯電性に優れて
おり、しかも、感度及び帯電性などの繰り返し安定性に
も優れた電荷発生層からなる感光層を合理的かつ安定的
に製造することができるという効果が得られる。
【0057】本発明の請求項10にかかる積層型電子写
真用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着
する工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
ジエチレングリコールジアルキルエーテルと水とからな
る水添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいるので、請
求項9の場合と同じく、感度及び帯電性に優れ、しか
も、感度及び帯電性などの繰り返し安定性が優れた電荷
発生層からなる感光層を合理的かつ安定的に製造し得る
こととなる。
真用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着
する工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
ジエチレングリコールジアルキルエーテルと水とからな
る水添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいるので、請
求項9の場合と同じく、感度及び帯電性に優れ、しか
も、感度及び帯電性などの繰り返し安定性が優れた電荷
発生層からなる感光層を合理的かつ安定的に製造し得る
こととなる。
【0058】本発明の請求項11にかかる積層型電子写
真用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着
する工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノンと水とから
なる水添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいることを
特徴とする。そのため、この製造方法を採用した際に
も、請求項9及び請求項10と同様、感度及び帯電性に
優れ、かつ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性に電
荷発生層からなる優れた感光層を合理的かつ安定的に製
造できるという効果が得られる。
真用感光体の製造方法は、電荷発生層の形成工程が、導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンを蒸着
する工程と、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノンと水とから
なる水添溶剤に浸漬処理する工程とを含んでいることを
特徴とする。そのため、この製造方法を採用した際に
も、請求項9及び請求項10と同様、感度及び帯電性に
優れ、かつ、感度及び帯電性などの繰り返し安定性に電
荷発生層からなる優れた感光層を合理的かつ安定的に製
造できるという効果が得られる。
【図1】本実施の形態にかかる積層型電子写真用感光体
の構成を模式化して示す断面図である。
の構成を模式化して示す断面図である。
【図2】エチレングリコールジメチルエーテルと水とか
らなる水添溶剤を用いた浸漬処理によるオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトルの変化状態
を示す説明図である。
らなる水添溶剤を用いた浸漬処理によるオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトルの変化状態
を示す説明図である。
【図3】エチレングリコールジエチルエーテルと水とか
らなる水添溶剤を用いた浸漬処理後におけるオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトルを示す
説明図である。
らなる水添溶剤を用いた浸漬処理後におけるオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトルを示す
説明図である。
【図4】ジエチレングリコールジメチルエーテルと水と
からなる水添溶剤を用いた浸漬処理後におけるオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトルを示
す説明図である。
からなる水添溶剤を用いた浸漬処理後におけるオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトルを示
す説明図である。
【図5】ジエチレングリコールジエチルエーテルと水と
からなる水添溶剤を用いた浸漬処理後におけるオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトルを示
す説明図である。
からなる水添溶剤を用いた浸漬処理後におけるオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトルを示
す説明図である。
【図6】2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノンと
水とからなる水添溶剤を用いた浸漬処理後におけるオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトル
を示す説明図である。
水とからなる水添溶剤を用いた浸漬処理後におけるオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の光吸収スペクトル
を示す説明図である。
1 積層型電子写真用感光体 2 導電性支持体 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 有機感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 徹哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写真
用感光体であって、 電荷発生層はオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜で
あり、このオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は、
エチレングリコールジアルキルエーテルと水とからなる
水添溶剤に浸漬処理されていることを特徴とする積層型
電子写真用感光体。 - 【請求項2】 請求項1に記載した積層型電子写真用感
光体であって、 エチレングリコールジアルキルエーテルは、アルキル基
がメチル基またはエチル基のいずれか、あるいは、これ
らの混合物であることを特徴とする積層型電子写真用感
光体。 - 【請求項3】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写真
用感光体であって、 電荷発生層はオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜で
あり、このオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は、
ジエチレングリコールジアルキルエーテルと水とからな
る水添溶剤に浸漬処理されていることを特徴とする積層
型電子写真用感光体。 - 【請求項4】 請求項3に記載した積層型電子写真用感
光体であって、 ジエチレングリコールジアルキルエーテルは、アルキル
基がメチル基またはエチル基のいずれか、あるいは、こ
れらの混合物であることを特徴とする積層型電子写真用
感光体。 - 【請求項5】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写真
用感光体であって、 電荷発生層はオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜で
あり、このオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は、
2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノンと水とから
なる水添溶剤に浸漬処理されていることを特徴とする積
層型電子写真用感光体。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
載した積層型電子写真用感光体であって、 電荷輸送層は輸送層形成用塗液を用いて形成されてお
り、輸送層形成用塗液は電荷輸送剤及び樹脂バインダを
トルエンまたはクロロホルムで溶解してなるものである
ことを特徴とする積層型電子写真用感光体。 - 【請求項7】 請求項6に記載した積層型電子写真用感
光体であって、 電荷輸送剤は、2−メチル−4−ジベンジルアミノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンと、1,
1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエンとの混合物であることを特
徴とする積層型電子写真用感光体。 - 【請求項8】 請求項6に記載した積層型電子写真用感
光体であって、 電荷輸送剤は、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フ
ェニルスチルベンであることを特徴とする積層型電子写
真用感光体。 - 【請求項9】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写真
用感光体を製造する方法であって、 電荷発生層の形成工程は、導電性支持体上にオキソチタ
ニウムフタロシアニンを蒸着する工程と、オキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜をエチレングリコールジアル
キルエーテルと水とからなる水添溶剤に浸漬処理する工
程とを含んでいることを特徴とする積層型電子写真用感
光体の製造方法。 - 【請求項10】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写
真用感光体を製造する方法であって、 電荷発生層の形成工程は、導電性支持体上にオキソチタ
ニウムフタロシアニンを蒸着する工程と、オキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜をジエチレングリコールジア
ルキルエーテルと水とからなる水添溶剤に浸漬処理する
工程とを含んでいることを特徴とする積層型電子写真用
感光体の製造方法。 - 【請求項11】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写
真用感光体を製造する方法であって、 電荷発生層の形成工程は、導電性支持体上にオキソチタ
ニウムフタロシアニンを蒸着する工程と、オキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜を2−メトキシ−2−メチル
−4−ペンタノンと水とからなる水添溶剤に浸漬処理す
る工程とを含んでいることを特徴とする積層型電子写真
用感光体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15892497A JPH117141A (ja) | 1997-06-16 | 1997-06-16 | 積層型電子写真用感光体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15892497A JPH117141A (ja) | 1997-06-16 | 1997-06-16 | 積層型電子写真用感光体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH117141A true JPH117141A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15682322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15892497A Pending JPH117141A (ja) | 1997-06-16 | 1997-06-16 | 積層型電子写真用感光体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH117141A (ja) |
-
1997
- 1997-06-16 JP JP15892497A patent/JPH117141A/ja active Pending
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