JPH1073939A - 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 - Google Patents
積層型電子写真用感光体およびその製造方法Info
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- JPH1073939A JPH1073939A JP23092196A JP23092196A JPH1073939A JP H1073939 A JPH1073939 A JP H1073939A JP 23092196 A JP23092196 A JP 23092196A JP 23092196 A JP23092196 A JP 23092196A JP H1073939 A JPH1073939 A JP H1073939A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 半導体レーザー光に対して高感度を示すとと
もに、感度や帯電性等の感光体特性の繰り返し安定性に
優れた積層型電子写真用感光体を提供する。 【解決手段】 キノリン中の還流加熱を経て得られたオ
キソチタニルフタロシアニンを10-5〜10-6torrの真
空下で厚み0.5mmのアルミニウム板(2)上に0.
1μmの厚さで蒸着する。この蒸着膜をクロロベンゼン
と水とからなる20℃の混合溶剤(混合比(クロロベン
ゼン:水)が10:1)を10ml入れた500mlのビ
ーカー中に30分間放置する。この蒸気処理されたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜からなる電荷発生層
(4)上に4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベン20重量部、ポリカーボネート樹脂20重
量部、トルエン100 重量部からなる塗液を用いた浸漬塗
工により、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸
送層(5)を形成し、感光体(1)を完成させる。
もに、感度や帯電性等の感光体特性の繰り返し安定性に
優れた積層型電子写真用感光体を提供する。 【解決手段】 キノリン中の還流加熱を経て得られたオ
キソチタニルフタロシアニンを10-5〜10-6torrの真
空下で厚み0.5mmのアルミニウム板(2)上に0.
1μmの厚さで蒸着する。この蒸着膜をクロロベンゼン
と水とからなる20℃の混合溶剤(混合比(クロロベン
ゼン:水)が10:1)を10ml入れた500mlのビ
ーカー中に30分間放置する。この蒸気処理されたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜からなる電荷発生層
(4)上に4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベン20重量部、ポリカーボネート樹脂20重
量部、トルエン100 重量部からなる塗液を用いた浸漬塗
工により、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸
送層(5)を形成し、感光体(1)を完成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ、
及びファァクシミリなどの電子写真装置に用いられる積
層型電子写真用感光体及びその製造方法に関するもので
あり、特に、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
電荷発生層として用いた積層型電子写真用感光体及びそ
の製造方法に関するものである。
及びファァクシミリなどの電子写真装置に用いられる積
層型電子写真用感光体及びその製造方法に関するもので
あり、特に、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
電荷発生層として用いた積層型電子写真用感光体及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】近年、電子写真装置は、その高速記録性及
び低騒音性、高画質記録が可能であること、また、普通
紙への記録が可能であることなどの利点が注目され、複
写機はもちろん、プリンタやファクシミリなどにおいて
も急速に普及しつつある。また、最近の傾向として、特
にプリンタやファクシミリの分野では、オフィスユース
からパーソナルユースへとその使用形態が移行してきて
おり、より小型化、低コスト化、及びメンテナンスフリ
ー化等が求められており、また、画像処理技術の向上に
ともなってより高解像度の高品質画像を形成するための
画像形成技術が求められている。
び低騒音性、高画質記録が可能であること、また、普通
紙への記録が可能であることなどの利点が注目され、複
写機はもちろん、プリンタやファクシミリなどにおいて
も急速に普及しつつある。また、最近の傾向として、特
にプリンタやファクシミリの分野では、オフィスユース
からパーソナルユースへとその使用形態が移行してきて
おり、より小型化、低コスト化、及びメンテナンスフリ
ー化等が求められており、また、画像処理技術の向上に
ともなってより高解像度の高品質画像を形成するための
画像形成技術が求められている。
【0003】電子写真装置に用いられる感光体として
は、近年、成膜が容易であり、安価で且つ無公害である
などの長所の点から有機光導電物質を含有する有機感光
体が開発され、実用化されている。特に、半導体レーザ
ーを露光光源に用いたレーザービームプリンタやファク
シミリに適した長波長領域に高い光感度(以下、単に感
度という。)を有する有機感光体の発展がめざましい。
は、近年、成膜が容易であり、安価で且つ無公害である
などの長所の点から有機光導電物質を含有する有機感光
体が開発され、実用化されている。特に、半導体レーザ
ーを露光光源に用いたレーザービームプリンタやファク
シミリに適した長波長領域に高い光感度(以下、単に感
度という。)を有する有機感光体の発展がめざましい。
【0004】実用化されている有機感光体のほとんど
が、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質
を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に設けた積層
型有機感光体である。この積層型有機感光体をより詳し
く説明すると、通常、導電性支持体上に薄膜の電荷発生
層を形成し、この電荷発生層上に比較的厚膜の電荷輸送
層を形成し、これら2つの層によって感光層が構成され
ている。電荷発生層はキャリア(電荷)を発生する機能
を有し、電荷輸送層はキャリア(電荷)を輸送する機能
と感光体の帯電電位を保持する機能とさらに感光体の機
械的強度を保つ機能とを有している。
が、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質
を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に設けた積層
型有機感光体である。この積層型有機感光体をより詳し
く説明すると、通常、導電性支持体上に薄膜の電荷発生
層を形成し、この電荷発生層上に比較的厚膜の電荷輸送
層を形成し、これら2つの層によって感光層が構成され
ている。電荷発生層はキャリア(電荷)を発生する機能
を有し、電荷輸送層はキャリア(電荷)を輸送する機能
と感光体の帯電電位を保持する機能とさらに感光体の機
械的強度を保つ機能とを有している。
【0005】近年、電荷発生層に用いられる電荷発生物
質として、半導体レーザーの発振波長領域である長波長
域に高感度を有するフタロシアニンが注目され、特にフ
タロシアニン顔料の中でもオキソチタニウムフタロシア
ニンを用いた積層型電子写真感光体が実用化されてい
る。
質として、半導体レーザーの発振波長領域である長波長
域に高感度を有するフタロシアニンが注目され、特にフ
タロシアニン顔料の中でもオキソチタニウムフタロシア
ニンを用いた積層型電子写真感光体が実用化されてい
る。
【0006】オキソチタニウムフタロシアニンを電荷発
生剤として用いて電荷発生層を形成する方法としては、
大きく分けて2つの方法がある。1つはある種の結晶型
のオキソチタニウムフタロシアニンをバインダー樹脂と
ともに溶剤中に分散させた塗料を用いて通常0.1〜
0.5μmの薄い厚みの塗膜を塗工形成し、これを電荷
発生層にする方法である。他の1つは導電性支持体上に
オキソチタニウムフタロシアニンを蒸着した後、得られ
たオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜に溶剤蒸気を
暴露して電荷発生層を形成する方法である。また、特開
昭59−166959号公報にはオキソチタニウムフタ
ロシアニンを蒸着して得られる蒸着直後の膜はその光の
吸収スペクトルにおける最大吸収ピーク波長が720n
mを示す結晶形の結晶からなる膜であるが、この蒸着膜
を例えばテトラヒドロフランの蒸気等の可溶性溶剤の蒸
気に接触させることによりその光の吸収スペクトルにお
ける最大吸収ピーク波長が830nmを示す結晶形(β
型)の結晶からなる膜に改変させることができ、このテ
トラヒドロフラン蒸気による暴露処理後のオキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜を電荷発送層として用いるこ
とにより半導体レーザー光に対して有利な感光体を形成
できることが開示されている。なお、本公報にはテトラ
ヒドロフラン蒸気による暴露処理後のオキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜は、X線回折スペクトルにおい
て、ブラッグ角(2θ)の7.5°、12.6°、1
3.0°、25.4°、26.2°、28.6°に強い
回折ピークを有していることが報告されている。
生剤として用いて電荷発生層を形成する方法としては、
大きく分けて2つの方法がある。1つはある種の結晶型
のオキソチタニウムフタロシアニンをバインダー樹脂と
ともに溶剤中に分散させた塗料を用いて通常0.1〜
0.5μmの薄い厚みの塗膜を塗工形成し、これを電荷
発生層にする方法である。他の1つは導電性支持体上に
オキソチタニウムフタロシアニンを蒸着した後、得られ
たオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜に溶剤蒸気を
暴露して電荷発生層を形成する方法である。また、特開
昭59−166959号公報にはオキソチタニウムフタ
ロシアニンを蒸着して得られる蒸着直後の膜はその光の
吸収スペクトルにおける最大吸収ピーク波長が720n
mを示す結晶形の結晶からなる膜であるが、この蒸着膜
を例えばテトラヒドロフランの蒸気等の可溶性溶剤の蒸
気に接触させることによりその光の吸収スペクトルにお
ける最大吸収ピーク波長が830nmを示す結晶形(β
型)の結晶からなる膜に改変させることができ、このテ
トラヒドロフラン蒸気による暴露処理後のオキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜を電荷発送層として用いるこ
とにより半導体レーザー光に対して有利な感光体を形成
できることが開示されている。なお、本公報にはテトラ
ヒドロフラン蒸気による暴露処理後のオキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜は、X線回折スペクトルにおい
て、ブラッグ角(2θ)の7.5°、12.6°、1
3.0°、25.4°、26.2°、28.6°に強い
回折ピークを有していることが報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、オキソ
チタニウムフタロシアニンを用いた電荷発生層の成膜方
法としては、一般にオキソチタニウムフタロシアニンを
分散させた塗料を用いて薄膜を塗工形成する方法と、オ
キソチタニウムフタロシアニンの蒸着膜を形成する方法
があるが、均一濃度の薄膜を容易に形成でき、しかも、
膜質の安定性にも優れている点から、後者のオキソチタ
ニウムフタロシアニンの蒸着膜を形成する方法がより有
利であるとされている。しかしながら、前記特開昭59
−166959号公報に提案された、オキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜を可溶性溶剤の蒸気に暴露(接
触)してその光の吸収波長を長波長側に移行させ、かか
る蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
を電荷発生層として用いた積層型感光体では、オキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜の蒸気処理によって感光
体の感度や帯電電位等の帯電特性(以下、単に帯電性と
いう。)が低下し、とりわけこれら(感度及び帯電性)
の繰り返し安定性が低下してしまう。このため、オキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜の光の吸収波長を長波
長側に移行させるための処理について種々検討がなされ
ているが、未だキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
電荷発生層として用いた積層型感光体において、半導体
レーザー光に対して高感度を示し、かつ、繰り返しの画
像形成プロセスにおける感度及び帯電性等の感光体特性
の劣化が充分に小さい(繰り返し安定性に優れた)感光
体を得ることができるに至っていないのが実状である。
チタニウムフタロシアニンを用いた電荷発生層の成膜方
法としては、一般にオキソチタニウムフタロシアニンを
分散させた塗料を用いて薄膜を塗工形成する方法と、オ
キソチタニウムフタロシアニンの蒸着膜を形成する方法
があるが、均一濃度の薄膜を容易に形成でき、しかも、
膜質の安定性にも優れている点から、後者のオキソチタ
ニウムフタロシアニンの蒸着膜を形成する方法がより有
利であるとされている。しかしながら、前記特開昭59
−166959号公報に提案された、オキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜を可溶性溶剤の蒸気に暴露(接
触)してその光の吸収波長を長波長側に移行させ、かか
る蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
を電荷発生層として用いた積層型感光体では、オキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜の蒸気処理によって感光
体の感度や帯電電位等の帯電特性(以下、単に帯電性と
いう。)が低下し、とりわけこれら(感度及び帯電性)
の繰り返し安定性が低下してしまう。このため、オキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜の光の吸収波長を長波
長側に移行させるための処理について種々検討がなされ
ているが、未だキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を
電荷発生層として用いた積層型感光体において、半導体
レーザー光に対して高感度を示し、かつ、繰り返しの画
像形成プロセスにおける感度及び帯電性等の感光体特性
の劣化が充分に小さい(繰り返し安定性に優れた)感光
体を得ることができるに至っていないのが実状である。
【0008】本発明は前記のような課題に鑑みてなされ
たものであり、半導体レーザー光に対して高感度を示す
とともに、感度や帯電性等の感光体特性の繰り返し安定
性に優れた積層型電子写真用感光体及びその製造方法を
提供することを目的とする。
たものであり、半導体レーザー光に対して高感度を示す
とともに、感度や帯電性等の感光体特性の繰り返し安定
性に優れた積層型電子写真用感光体及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の積層型電子写真用感光体は、導電性
支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層をこの順
に積層してなる積層型電子写真用感光体において、前記
電荷発生層が、少なくとも芳香族系有機溶剤と水との混
合蒸気で暴露処理されたオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜であることを特徴とする。このような本発明の
第1の積層型電子写真用感光体では、電荷発送層である
少なくとも芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気で暴露処
理されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜が、α
型の結晶形とβ型の結晶形との中間の結晶形(光の吸収
スペクトルの最大ピーク波長が780±10nmを示す
結晶形)の結晶からなるその結晶配向の乱れが小さい膜
になると推定されることから、半導体レーザー光に対し
て優れた感度を有し、かつ、キャリアのトラップや再結
合の発生が少ない電荷発送層を備えたものとなって、優
れた感度及び帯電性が得られるとともに、これら(感度
及び帯電性)の繰り返し安定性に優れた感光体となる。
に、本発明の第1の積層型電子写真用感光体は、導電性
支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層をこの順
に積層してなる積層型電子写真用感光体において、前記
電荷発生層が、少なくとも芳香族系有機溶剤と水との混
合蒸気で暴露処理されたオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜であることを特徴とする。このような本発明の
第1の積層型電子写真用感光体では、電荷発送層である
少なくとも芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気で暴露処
理されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜が、α
型の結晶形とβ型の結晶形との中間の結晶形(光の吸収
スペクトルの最大ピーク波長が780±10nmを示す
結晶形)の結晶からなるその結晶配向の乱れが小さい膜
になると推定されることから、半導体レーザー光に対し
て優れた感度を有し、かつ、キャリアのトラップや再結
合の発生が少ない電荷発送層を備えたものとなって、優
れた感度及び帯電性が得られるとともに、これら(感度
及び帯電性)の繰り返し安定性に優れた感光体となる。
【0010】前記本発明の第1の積層型電子写真用感光
体においては、芳香族系有機溶剤がクロロベンゼン、ト
ルエン、または、これらの混合物であるのが好ましく、
このような構成により、オキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の結晶配向の乱れがより小さくなり、前記した
感度及び帯電性、並びにこれらの繰り返し安定性の向上
効果がより顕著に発揮されることとなる。
体においては、芳香族系有機溶剤がクロロベンゼン、ト
ルエン、または、これらの混合物であるのが好ましく、
このような構成により、オキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の結晶配向の乱れがより小さくなり、前記した
感度及び帯電性、並びにこれらの繰り返し安定性の向上
効果がより顕著に発揮されることとなる。
【0011】本発明の第2の積層型電子写真用感光体
は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送
層をこの順に積層してなる積層型電子写真用感光体にお
いて、前記電荷発生層が、少なくとも塩素化脂肪族炭化
水素と水との混合蒸気で暴露処理されたオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜であることを特徴とする。この
ような本発明の第2の積層型電子写真用感光体では、電
荷発送層である少なくとも芳香族系有機溶剤と水との混
合蒸気で暴露処理されたオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜が、α型の結晶形とβ型の結晶形との中間の結
晶形(光の吸収スペクトルの最大ピーク波長が780±
10nmを示す結晶形)の結晶からなるその結晶配向の
乱れが小さい膜になると推定されることから、半導体レ
ーザー光に対して優れた感度を有し、かつ、キャリアの
トラップや再結合の発生が少ない電荷発送層を備えたも
のとなって、優れた感度及び帯電性が得られるととも
に、これら(感度及び帯電性)の繰り返し安定性に優れ
た感光体となる。
は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送
層をこの順に積層してなる積層型電子写真用感光体にお
いて、前記電荷発生層が、少なくとも塩素化脂肪族炭化
水素と水との混合蒸気で暴露処理されたオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜であることを特徴とする。この
ような本発明の第2の積層型電子写真用感光体では、電
荷発送層である少なくとも芳香族系有機溶剤と水との混
合蒸気で暴露処理されたオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜が、α型の結晶形とβ型の結晶形との中間の結
晶形(光の吸収スペクトルの最大ピーク波長が780±
10nmを示す結晶形)の結晶からなるその結晶配向の
乱れが小さい膜になると推定されることから、半導体レ
ーザー光に対して優れた感度を有し、かつ、キャリアの
トラップや再結合の発生が少ない電荷発送層を備えたも
のとなって、優れた感度及び帯電性が得られるととも
に、これら(感度及び帯電性)の繰り返し安定性に優れ
た感光体となる。
【0012】前記本発明の第2の積層型電子写真用感光
体においては、塩素化脂肪族炭化水素がクロロホルム、
ジクロロエタン、または、これらの混合物であるのが好
ましく、このような構成により、オキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜の結晶配向の乱れがより小さくなり、
前記した感度及び帯電性、並びにこれらの繰り返し安定
性の向上効果がより顕著に発揮されることとなる。
体においては、塩素化脂肪族炭化水素がクロロホルム、
ジクロロエタン、または、これらの混合物であるのが好
ましく、このような構成により、オキソチタニウムフタ
ロシアニン蒸着膜の結晶配向の乱れがより小さくなり、
前記した感度及び帯電性、並びにこれらの繰り返し安定
性の向上効果がより顕著に発揮されることとなる。
【0013】また前記本発明の第1及び第2の積層型電
子写真用感光体においては、オキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜の膜厚が0.03〜0.5μmであるのが
好ましく、このような構成により、充分なキャリア発生
量が得られ、しかも、暗減衰が少なく帯電電位を高く保
持できるので、良好な感度が得られるとともに、感度及
び帯電性の繰り返し安定性が一層向上する。
子写真用感光体においては、オキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜の膜厚が0.03〜0.5μmであるのが
好ましく、このような構成により、充分なキャリア発生
量が得られ、しかも、暗減衰が少なく帯電電位を高く保
持できるので、良好な感度が得られるとともに、感度及
び帯電性の繰り返し安定性が一層向上する。
【0014】また前記本発明の第1及び第2の積層型電
子写真用感光体においては、オキソチタニウムフタロシ
アニンがその450℃における加熱減量が3.0%以下
であるオキソチタニウムフタロシアニンであるのが好ま
しく、このような構成により、オキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜の電気特性、延いては感光層全体の電気
特性が大きく改善されて、感光体の電荷保持性及び感度
が一層向上することとなり、その結果、実際の画像形成
において黒点と呼ばれる画像ノイズが殆ど認められない
程度まで画質を向上させることができる。これは、45
0℃における加熱減量が3.0%以下であるオキソチタ
ニウムフタロシアニンは、高温度下で分解する不純物の
含有量が極めて少ないため、オキソチタニウムフタロシ
アニンの蒸着膜が形成される過程で膜中に取り込まれる
不純物の量を極めて少なくできるためであると考えられ
る。
子写真用感光体においては、オキソチタニウムフタロシ
アニンがその450℃における加熱減量が3.0%以下
であるオキソチタニウムフタロシアニンであるのが好ま
しく、このような構成により、オキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜の電気特性、延いては感光層全体の電気
特性が大きく改善されて、感光体の電荷保持性及び感度
が一層向上することとなり、その結果、実際の画像形成
において黒点と呼ばれる画像ノイズが殆ど認められない
程度まで画質を向上させることができる。これは、45
0℃における加熱減量が3.0%以下であるオキソチタ
ニウムフタロシアニンは、高温度下で分解する不純物の
含有量が極めて少ないため、オキソチタニウムフタロシ
アニンの蒸着膜が形成される過程で膜中に取り込まれる
不純物の量を極めて少なくできるためであると考えられ
る。
【0015】また前記本発明の第1及び第2の積層型電
子写真用感光体においては、電荷輸送層が、電荷発生層
上に、少なくとも電荷輸送剤及び樹脂バインダーをトル
エンまたはクロロホルムに溶解してなる塗液を塗工して
形成されたものであるのが好ましく、このような構成に
より、前記した暴露処理後のチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の結晶形を変化させることなく、透明性の高い電
荷輸送層を形成することができ、感度がより一層向上す
る。
子写真用感光体においては、電荷輸送層が、電荷発生層
上に、少なくとも電荷輸送剤及び樹脂バインダーをトル
エンまたはクロロホルムに溶解してなる塗液を塗工して
形成されたものであるのが好ましく、このような構成に
より、前記した暴露処理後のチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の結晶形を変化させることなく、透明性の高い電
荷輸送層を形成することができ、感度がより一層向上す
る。
【0016】また前記本発明の第1及び第2の積層型電
子写真用感光体においては、電荷輸送剤が2−メチル−
4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾンと、1,1−ビス(p−ジエチルアミ
ノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエ
ンとの混合物であるのが好ましく、このような構成によ
り、耐オゾン性が優れたものとなる。
子写真用感光体においては、電荷輸送剤が2−メチル−
4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾンと、1,1−ビス(p−ジエチルアミ
ノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエ
ンとの混合物であるのが好ましく、このような構成によ
り、耐オゾン性が優れたものとなる。
【0017】また前記本発明の第1及び第2の積層型電
子写真用感光体においては、電荷輸送剤が4−N,N−
ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンであるのが
好ましく、このような構成により、耐オゾン性が優れた
ものとなる。
子写真用感光体においては、電荷輸送剤が4−N,N−
ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンであるのが
好ましく、このような構成により、耐オゾン性が優れた
ものとなる。
【0018】本発明の第3の積層型電子写真用感光体
は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送
層をこの順に積層してなる積層型電子写真用感光体にお
いて、前記電荷発生層が、その光の吸収スペクトルの最
大ピーク波長が780±10nmであるオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜であることを特徴とする。この
ような構成により、半導体レーザー光に対して優れた感
度を有し、かつ、キャリアのトラップや再結合の発生が
少ない電荷発送層を備えたものとなって、優れた感度及
び帯電性が得られるとともに、これら(感度及び帯電
性)の繰り返し安定性に優れた感光体となる。
は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送
層をこの順に積層してなる積層型電子写真用感光体にお
いて、前記電荷発生層が、その光の吸収スペクトルの最
大ピーク波長が780±10nmであるオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜であることを特徴とする。この
ような構成により、半導体レーザー光に対して優れた感
度を有し、かつ、キャリアのトラップや再結合の発生が
少ない電荷発送層を備えたものとなって、優れた感度及
び帯電性が得られるとともに、これら(感度及び帯電
性)の繰り返し安定性に優れた感光体となる。
【0019】本発明の第1の積層型電子写真用感光体の
製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写真用
感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形成工程
が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニン
を蒸着する工程と、前記工程により得られたオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも芳香族系有機
溶剤と水との混合蒸気に暴露する工程とを含むものであ
り、このような構成により、前記した本発明の第1の積
層型電子写真用感光体を合理的かつ安定に製造すること
ができる。
製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写真用
感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形成工程
が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニン
を蒸着する工程と、前記工程により得られたオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも芳香族系有機
溶剤と水との混合蒸気に暴露する工程とを含むものであ
り、このような構成により、前記した本発明の第1の積
層型電子写真用感光体を合理的かつ安定に製造すること
ができる。
【0020】また、本発明の第2の積層型電子写真用感
光体の製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子
写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形
成工程が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシ
アニンを蒸着する工程と、前記工程により得られたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも塩素化
脂肪族炭化水素と水との混合蒸気に暴露する工程とを含
むものであり、このような構成により、前記した本発明
の第2の積層型電子写真用感光体を合理的かつ安定に製
造することができる。
光体の製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子
写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形
成工程が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシ
アニンを蒸着する工程と、前記工程により得られたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも塩素化
脂肪族炭化水素と水との混合蒸気に暴露する工程とを含
むものであり、このような構成により、前記した本発明
の第2の積層型電子写真用感光体を合理的かつ安定に製
造することができる。
【0021】前記本発明の第1及び第2の積層型電子写
真用感光体の製造方法においては、オキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜を混合蒸気に暴露する時間が30秒
〜3時間であるのが好ましく、このような構成により、
導電性支持体が長尺のドラム状体であっても、導電性支
持体の全域に形成されたオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜全体を前記した好ましい結晶形(光の吸収スペ
クトルの最大ピーク波長が780±10nmを示す結晶
形)の結晶に改質することができる。
真用感光体の製造方法においては、オキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜を混合蒸気に暴露する時間が30秒
〜3時間であるのが好ましく、このような構成により、
導電性支持体が長尺のドラム状体であっても、導電性支
持体の全域に形成されたオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜全体を前記した好ましい結晶形(光の吸収スペ
クトルの最大ピーク波長が780±10nmを示す結晶
形)の結晶に改質することができる。
【0022】前記本発明の第1及び第2の積層型電子写
真用感光体の製造方法においては、電荷輸送層の形成工
程が、芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気または塩素化
脂肪族炭化水素と水との混合蒸気に暴露されたオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜上に、少なくとも電荷輸
送剤及び樹脂バインダーをトルエンまたはクロロホルム
に溶解してなる塗液を浸漬塗工する工程を含むものであ
るのが好ましく、このような構成により、前記した透明
性の高い電荷輸送層を備えたより高感度の感光体を合理
的かつ安定に形成することができる。また、比較的大き
な厚みでかつ均一な厚みの電荷輸送層を短時間で形成す
ることができるので、初期帯電電位が高く帯電ムラの少
ない感光体を効率良く製造することができる。
真用感光体の製造方法においては、電荷輸送層の形成工
程が、芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気または塩素化
脂肪族炭化水素と水との混合蒸気に暴露されたオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜上に、少なくとも電荷輸
送剤及び樹脂バインダーをトルエンまたはクロロホルム
に溶解してなる塗液を浸漬塗工する工程を含むものであ
るのが好ましく、このような構成により、前記した透明
性の高い電荷輸送層を備えたより高感度の感光体を合理
的かつ安定に形成することができる。また、比較的大き
な厚みでかつ均一な厚みの電荷輸送層を短時間で形成す
ることができるので、初期帯電電位が高く帯電ムラの少
ない感光体を効率良く製造することができる。
【0023】前記本発明の第1及び第2の積層型電子写
真用感光体の製造方法においては、オキソチタニウムフ
タロシアニンを導電性支持体上に蒸着する工程の前に、
オキソチタニウムフタロシアニンをキノリン中で還流加
熱して精製するのが好ましく、このような構成により、
450℃における加熱減量が3.0%以下となる高純度
のオキソチタニウムフタロシアニンからなる蒸着膜を簡
単に形成することができ、前記した感光体の電荷保持性
及び感度が一層向上して、実際の画像形成において黒点
と呼ばれる画像ノイズが殆ど認められない程度まで画質
を向上させることができる感光体を合理的に製造するこ
とができる。
真用感光体の製造方法においては、オキソチタニウムフ
タロシアニンを導電性支持体上に蒸着する工程の前に、
オキソチタニウムフタロシアニンをキノリン中で還流加
熱して精製するのが好ましく、このような構成により、
450℃における加熱減量が3.0%以下となる高純度
のオキソチタニウムフタロシアニンからなる蒸着膜を簡
単に形成することができ、前記した感光体の電荷保持性
及び感度が一層向上して、実際の画像形成において黒点
と呼ばれる画像ノイズが殆ど認められない程度まで画質
を向上させることができる感光体を合理的に製造するこ
とができる。
【0024】前記本発明の第1及び第2の積層型電子写
真用感光体の製造方法においては、オキソチタニウムフ
タロシアニンを導電性支持体上に蒸着する工程の前に、
オキソチタニウムフタロシアニンを昇華精製するのが好
ましく、このような構成により、このような構成によ
り、450℃における加熱減量が3.0%以下となる高
純度のオキソチタニウムフタロシアニンからなる蒸着膜
を簡単に形成することができ、前記した感光体の電荷保
持性及び感度が一層向上して、実際の画像形成において
黒点と呼ばれる画像ノイズが殆ど認められない程度まで
画質を向上させることができる感光体を合理的に製造す
ることができる。
真用感光体の製造方法においては、オキソチタニウムフ
タロシアニンを導電性支持体上に蒸着する工程の前に、
オキソチタニウムフタロシアニンを昇華精製するのが好
ましく、このような構成により、このような構成によ
り、450℃における加熱減量が3.0%以下となる高
純度のオキソチタニウムフタロシアニンからなる蒸着膜
を簡単に形成することができ、前記した感光体の電荷保
持性及び感度が一層向上して、実際の画像形成において
黒点と呼ばれる画像ノイズが殆ど認められない程度まで
画質を向上させることができる感光体を合理的に製造す
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態による
積層型電子写真用感光体の構成を模式的に示した断面図
であり、図において、1は積層型電子写真用感光体で、
これは導電性支持体2上に電荷発生層4と電荷輸送層5
とをこの順に積層した有機感光層3が設けられて構成さ
れている。
積層型電子写真用感光体の構成を模式的に示した断面図
であり、図において、1は積層型電子写真用感光体で、
これは導電性支持体2上に電荷発生層4と電荷輸送層5
とをこの順に積層した有機感光層3が設けられて構成さ
れている。
【0026】導電性支持体2は、それ自体公知の導電性
材料からなる基体であって、例えばアルミニウムなどの
金属材料、導電性プラスチック(例えばフェノール樹脂
等の絶縁性樹脂にカーボン等の導電性粒子を分散させた
もの)、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化銅、酸化クロム、
または酸化スズ等の導電性の金属化合物で被覆されたガ
ラス等からなる基体が用いられる。基体の形態は、ドラ
ム状(パイプ状)、板状、ベルト状等の種々の形態であ
り、特に限定されない。
材料からなる基体であって、例えばアルミニウムなどの
金属材料、導電性プラスチック(例えばフェノール樹脂
等の絶縁性樹脂にカーボン等の導電性粒子を分散させた
もの)、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化銅、酸化クロム、
または酸化スズ等の導電性の金属化合物で被覆されたガ
ラス等からなる基体が用いられる。基体の形態は、ドラ
ム状(パイプ状)、板状、ベルト状等の種々の形態であ
り、特に限定されない。
【0027】電荷発生層4は真空中でオキソチタニウム
フタロシアニンを導電性支持体2上に蒸着し、このオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を芳香族系有機溶剤
と水との混合蒸気、または塩素化脂肪族炭化水素と水と
の混合蒸気に暴露して、その結晶が可視吸収スペクトル
の最長ピーク波長が780±10nmを示す結晶形の結
晶からなる膜に変換することにより形成される。この結
晶変換により、オキソチタニウムフタロシアニンはα型
の結晶形とβ型の結晶形との中間の結晶形の結晶になる
と推定され、蒸着膜は結晶配向の乱れが小さくキャリア
のトラップや再結合の発生が少ない電荷発送層になる。
フタロシアニンを導電性支持体2上に蒸着し、このオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を芳香族系有機溶剤
と水との混合蒸気、または塩素化脂肪族炭化水素と水と
の混合蒸気に暴露して、その結晶が可視吸収スペクトル
の最長ピーク波長が780±10nmを示す結晶形の結
晶からなる膜に変換することにより形成される。この結
晶変換により、オキソチタニウムフタロシアニンはα型
の結晶形とβ型の結晶形との中間の結晶形の結晶になる
と推定され、蒸着膜は結晶配向の乱れが小さくキャリア
のトラップや再結合の発生が少ない電荷発送層になる。
【0028】前記オキソチタニウムフタロシアニンとし
ては、純度が高いものほど良く、450度における加熱
減量が3.0%以下であるものを使用するのが好まし
い。かかる450度における加熱減量が3.0%以下で
ある不純物が少ないオキソチタニウムフタロシアニンを
用いると、電荷発生層(感光層全体)の電気特性が改善
される。ここでの「450度における加熱減量」とは、
空気中にて毎分10℃の昇温度速度で試料(オキソチタ
ニウムフタロシアニン)を450度まで加熱した時の重
量変化をモニタし、加熱前の試料(オキソチタニウムフ
タロシアニン)の重量に対する加熱後の試料(オキソチ
タニウムフタロシアニン)の重量の減少率(%)であ
り、実質的にオキソチタニウムフタロシアニン(顔料)
中の450℃において分解する不純物の含有率に相当す
る。このような電気特性の改善効果は、450度におけ
る加熱減量が3.0%以下のオキソチタニウムフタロシ
アニンを蒸着することにより、蒸着過程で膜中に取り込
まれる不純物の量を極めて低減できるためであると推定
される。
ては、純度が高いものほど良く、450度における加熱
減量が3.0%以下であるものを使用するのが好まし
い。かかる450度における加熱減量が3.0%以下で
ある不純物が少ないオキソチタニウムフタロシアニンを
用いると、電荷発生層(感光層全体)の電気特性が改善
される。ここでの「450度における加熱減量」とは、
空気中にて毎分10℃の昇温度速度で試料(オキソチタ
ニウムフタロシアニン)を450度まで加熱した時の重
量変化をモニタし、加熱前の試料(オキソチタニウムフ
タロシアニン)の重量に対する加熱後の試料(オキソチ
タニウムフタロシアニン)の重量の減少率(%)であ
り、実質的にオキソチタニウムフタロシアニン(顔料)
中の450℃において分解する不純物の含有率に相当す
る。このような電気特性の改善効果は、450度におけ
る加熱減量が3.0%以下のオキソチタニウムフタロシ
アニンを蒸着することにより、蒸着過程で膜中に取り込
まれる不純物の量を極めて低減できるためであると推定
される。
【0029】このような加熱減量が3.0%以下のオキ
ソチタニウムフタロシアニンを得る方法は特に限定され
ないが、例えばオキソチタニウムフタロシアニンをキノ
リン中にて還流加熱する方法やオキソチタニウムフタロ
シアニンを昇華精製する方法が挙げられる。
ソチタニウムフタロシアニンを得る方法は特に限定され
ないが、例えばオキソチタニウムフタロシアニンをキノ
リン中にて還流加熱する方法やオキソチタニウムフタロ
シアニンを昇華精製する方法が挙げられる。
【0030】前記芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気を
構成する芳香族系有機溶剤としては、一般に炭素数が6
〜8の芳香族系有機溶剤が使用され、具体例としてはベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、または
これらから選ばれる2種以上の混合物を挙げることがで
きる。特に前記したオキソチタニウムフタロシアニンの
結晶変換が安定に行われる点からクロロベンゼン、トル
エン、またはこれらの混合物を用いるのが好ましい。か
かる混合蒸気は芳香族系有機溶剤と水との混合比(芳香
族系有機溶剤:水)が5:1〜50:1、好ましくは1
0:1〜20:1の範囲にある混合溶剤を用いて形成さ
れ、通常15〜25℃の温度範囲にある混合溶剤を適当
な容器に適当量入れることにより、混合溶剤を構成する
各溶剤のその温度に見合った蒸気圧相当分の混合蒸気が
得られる。
構成する芳香族系有機溶剤としては、一般に炭素数が6
〜8の芳香族系有機溶剤が使用され、具体例としてはベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、または
これらから選ばれる2種以上の混合物を挙げることがで
きる。特に前記したオキソチタニウムフタロシアニンの
結晶変換が安定に行われる点からクロロベンゼン、トル
エン、またはこれらの混合物を用いるのが好ましい。か
かる混合蒸気は芳香族系有機溶剤と水との混合比(芳香
族系有機溶剤:水)が5:1〜50:1、好ましくは1
0:1〜20:1の範囲にある混合溶剤を用いて形成さ
れ、通常15〜25℃の温度範囲にある混合溶剤を適当
な容器に適当量入れることにより、混合溶剤を構成する
各溶剤のその温度に見合った蒸気圧相当分の混合蒸気が
得られる。
【0031】前記塩素化脂肪族炭化水素と水との混合蒸
気を構成する塩素化脂肪族炭化水素としては、一般に炭
素数が2以下の塩素化脂肪族炭化水素が使用され、具体
例としてはジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロ
ロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等が挙げ
られ、これらの1種または2種以上が使用される。特に
前記したオキソチタニウムフタロシアニンの結晶変換が
安定に行われる点から、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、またはこれらの混合物を用いるのが好ましい。かか
る混合蒸気は塩素化脂肪族炭化水素と水との混合比(塩
素化脂肪族炭化水素:水)が5:1〜50:1、好まし
くは10:1〜20:1の範囲にある混合溶剤を用いて
形成され、通常15〜25℃の温度範囲にある混合溶剤
を適当な容器に適当量入れることにより、混合溶剤を構
成する各溶剤のその温度に見合った蒸気圧相当分の混合
蒸気が得られる。
気を構成する塩素化脂肪族炭化水素としては、一般に炭
素数が2以下の塩素化脂肪族炭化水素が使用され、具体
例としてはジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロ
ロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等が挙げ
られ、これらの1種または2種以上が使用される。特に
前記したオキソチタニウムフタロシアニンの結晶変換が
安定に行われる点から、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、またはこれらの混合物を用いるのが好ましい。かか
る混合蒸気は塩素化脂肪族炭化水素と水との混合比(塩
素化脂肪族炭化水素:水)が5:1〜50:1、好まし
くは10:1〜20:1の範囲にある混合溶剤を用いて
形成され、通常15〜25℃の温度範囲にある混合溶剤
を適当な容器に適当量入れることにより、混合溶剤を構
成する各溶剤のその温度に見合った蒸気圧相当分の混合
蒸気が得られる。
【0032】オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
膜厚は一般に0.03〜0.5μm程度、好ましくは
0.1〜0.2μm程度にする。これは膜厚が薄すぎる
と電荷(キャリア)発生量が少ないために充分な感度を
得ることが困難になる傾向を示し、厚すぎると暗減衰が
増加して帯電電位が低下し、帯電性や感度の繰り返し安
定性が低下する傾向を示すためである。すなわち、膜厚
を0.03〜0.5μm程度にすれば、充分なキャリア
発生量が得られ、かつ、暗減衰を充分に低減させること
ができる。
膜厚は一般に0.03〜0.5μm程度、好ましくは
0.1〜0.2μm程度にする。これは膜厚が薄すぎる
と電荷(キャリア)発生量が少ないために充分な感度を
得ることが困難になる傾向を示し、厚すぎると暗減衰が
増加して帯電電位が低下し、帯電性や感度の繰り返し安
定性が低下する傾向を示すためである。すなわち、膜厚
を0.03〜0.5μm程度にすれば、充分なキャリア
発生量が得られ、かつ、暗減衰を充分に低減させること
ができる。
【0033】芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気または
塩素化脂肪族炭化水素と水との混合蒸気による暴露時間
は一般に30秒〜3時間であり、好ましくは5分〜60
分である。これは、暴露時間が30秒より少ないと例え
ば導電性支持体が300mm以上の長尺のドラム状体で
ある場合等に、導電性支持体の全域に形成されたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜の結晶変換処理を充分
にかつ一様に行うことが困難になり、暴露時間が3時間
を越えると、結晶変換して得られるオキソチタニウムフ
タロシアニンが前記したその光の吸収スペクトルにおけ
る最長ピーク波長が780±10nmとなる結晶形以外
の結晶形からなるものに移行してしまうおそれがあるた
めである。
塩素化脂肪族炭化水素と水との混合蒸気による暴露時間
は一般に30秒〜3時間であり、好ましくは5分〜60
分である。これは、暴露時間が30秒より少ないと例え
ば導電性支持体が300mm以上の長尺のドラム状体で
ある場合等に、導電性支持体の全域に形成されたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜の結晶変換処理を充分
にかつ一様に行うことが困難になり、暴露時間が3時間
を越えると、結晶変換して得られるオキソチタニウムフ
タロシアニンが前記したその光の吸収スペクトルにおけ
る最長ピーク波長が780±10nmとなる結晶形以外
の結晶形からなるものに移行してしまうおそれがあるた
めである。
【0034】電荷輸送層5は前記電荷輸送剤及びバイン
ダー樹脂はこれらを溶解する適当な溶剤に溶解させて電
荷輸送層用塗料(塗液)とし、これを電荷発生層4上に
従来公知の塗工方法によって塗工して塗膜を形成し、塗
膜を乾燥することにより形成される。
ダー樹脂はこれらを溶解する適当な溶剤に溶解させて電
荷輸送層用塗料(塗液)とし、これを電荷発生層4上に
従来公知の塗工方法によって塗工して塗膜を形成し、塗
膜を乾燥することにより形成される。
【0035】電荷輸送剤としては、例えばオキサゾー
ル、オキサジアゾール、ピラゾリン等の複素環化合物、
ヒドラゾン化合物、ブタジエン化合物、スチルベン化合
物またはこれら化合物の各種誘導体が挙げられる。具体
例としては、例えば、2−メチル−4−ジベンジルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、
4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェ
ニルヒドラゾン、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフ
ェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ン、4−{N−(p−メトキシフェニル)−N−フェニ
ルアミノ}−α−フェニルスチルベン等が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上が使用される。特に、2−メ
チル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N
−ジフェニルヒドラゾンと1,1−ビス(p−ジエチル
アミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタ
ジエンの両方を使用した場合、または、4−N,N−ジ
フェニルアミノ−α−フェニルスチルベンを使用した場
合に、特に感度が良く、かつ、オゾンによる劣化の少な
い感光層を形成することができる。なお、2−メチル−
4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾンと1,1−ビス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン
の両方を使用する場合、両者の配合比は重量比(2−メ
チル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N
−ジフェニルヒドラゾン:1,1−ビス(p−ジエチル
アミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタ
ジエン)で、一般に99:1〜30:70の範囲にする
のが好ましい。これは2−メチル−4−ジベンジルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンが
多過ぎると感度が低下する傾向を示し、1,1−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル
−1,3−ブタジエンが多過ぎると耐オゾン性が低下す
る傾向を示し、両者の配合比を前記範囲にすることによ
り、良好な感度と良好な耐オゾン性を得ることができる
ためである。
ル、オキサジアゾール、ピラゾリン等の複素環化合物、
ヒドラゾン化合物、ブタジエン化合物、スチルベン化合
物またはこれら化合物の各種誘導体が挙げられる。具体
例としては、例えば、2−メチル−4−ジベンジルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、
4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェ
ニルヒドラゾン、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフ
ェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ン、4−{N−(p−メトキシフェニル)−N−フェニ
ルアミノ}−α−フェニルスチルベン等が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上が使用される。特に、2−メ
チル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N
−ジフェニルヒドラゾンと1,1−ビス(p−ジエチル
アミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタ
ジエンの両方を使用した場合、または、4−N,N−ジ
フェニルアミノ−α−フェニルスチルベンを使用した場
合に、特に感度が良く、かつ、オゾンによる劣化の少な
い感光層を形成することができる。なお、2−メチル−
4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾンと1,1−ビス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン
の両方を使用する場合、両者の配合比は重量比(2−メ
チル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N
−ジフェニルヒドラゾン:1,1−ビス(p−ジエチル
アミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタ
ジエン)で、一般に99:1〜30:70の範囲にする
のが好ましい。これは2−メチル−4−ジベンジルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンが
多過ぎると感度が低下する傾向を示し、1,1−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル
−1,3−ブタジエンが多過ぎると耐オゾン性が低下す
る傾向を示し、両者の配合比を前記範囲にすることによ
り、良好な感度と良好な耐オゾン性を得ることができる
ためである。
【0036】バインダー樹脂としては、例えば、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチル
メタクリレートなどの各種樹脂が挙げられる。溶剤とし
ては、例えばメチルエチルケトン等のケトン類、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類、塩化メチレン、四塩化
炭素、クロロホルムなどの塩素化炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素類等の各種有機溶剤
が使用される。特に好ましい溶剤は、クロロホルムまた
はトルエンであり、これらを使用すると前記した混合蒸
気による暴露処理後のオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の結晶形を変えることなく、透明性の高い電荷輸
送層を形成することができ、感光体の感度が向上する。
ステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチル
メタクリレートなどの各種樹脂が挙げられる。溶剤とし
ては、例えばメチルエチルケトン等のケトン類、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類、塩化メチレン、四塩化
炭素、クロロホルムなどの塩素化炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素類等の各種有機溶剤
が使用される。特に好ましい溶剤は、クロロホルムまた
はトルエンであり、これらを使用すると前記した混合蒸
気による暴露処理後のオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の結晶形を変えることなく、透明性の高い電荷輸
送層を形成することができ、感光体の感度が向上する。
【0037】塗料(塗液)の組成は特に限定されない
が、一般的に電荷輸送剤とバインダー樹脂はこれらの重
量比(電荷輸送剤:バインダー樹脂)が80:20〜2
0:80の範囲となるよう使用され、これら電荷輸送剤
とバインダー樹脂のトータルの固形分濃度が10〜40
重量%となるように溶剤中に溶解される。
が、一般的に電荷輸送剤とバインダー樹脂はこれらの重
量比(電荷輸送剤:バインダー樹脂)が80:20〜2
0:80の範囲となるよう使用され、これら電荷輸送剤
とバインダー樹脂のトータルの固形分濃度が10〜40
重量%となるように溶剤中に溶解される。
【0038】塗料の塗工方法は特に限定されないが、被
塗工体を塗料(塗液)中に浸漬して引き上げることによ
り塗膜を形成する、所謂、浸漬塗工法を用いるのが好ま
しく、かかる浸漬塗工法を用いると、比較的大きな厚み
でかつ均一な厚みの塗膜を容易にかつ短時間で形成する
ことができる。
塗工体を塗料(塗液)中に浸漬して引き上げることによ
り塗膜を形成する、所謂、浸漬塗工法を用いるのが好ま
しく、かかる浸漬塗工法を用いると、比較的大きな厚み
でかつ均一な厚みの塗膜を容易にかつ短時間で形成する
ことができる。
【0039】電荷輸送層5の膜厚は一般に5〜40μ
m、好ましくは15〜25μmにされる。膜厚をかかる
15〜25μmの好ましい範囲にすることにより、感光
体の初期帯電電位を充分に高く設定することができる。
m、好ましくは15〜25μmにされる。膜厚をかかる
15〜25μmの好ましい範囲にすることにより、感光
体の初期帯電電位を充分に高く設定することができる。
【0040】
(実施例1)オキソチタニウムフタロシアニン顔料の合成 三口フラスコ中、1−クロロナフタレン(770ml)
に1,3−ジイミノイソインドリン(113g)を懸濁
させ、撹拌下にチタン酸テトラ−n−ブチル(75g)
を加え、窒素雰囲気中にて195〜205℃にて4時間
加熱した後、130℃まで放冷した。この後、反応生成
物を濾別し、これを100℃に加熱した1−クロロナフ
タレン(100ml)にて洗浄したのちエタノール(1
000ml)にて充分洗浄した。更にジメチルホルムア
ミド(500ml)を用いて80℃で1時間の熱懸濁洗
浄を3回行い、次いでエタノール(500ml)にて6
0℃で1時間の熱懸濁洗浄を2回行った後、50℃にて
真空乾燥した。次いでこのようにして得られた顔料をキ
ノリン(2000ml)中にて撹拌下に4時間還流加熱
し、一夜放置後氷水浴にて1時間冷却した後濾別した。
更に濾別して得られ顔料をエタノールにて充分洗浄した
のち50℃にて10時間、100℃にて10時間真空乾
燥した。次に得られた顔料をキノリン(2000ml)
中にて攪拌下に4時間還流加熱し、一夜放置後氷水浴に
て1時間冷却して濾別し、得られた精製物をエタノール
にて充分洗浄した後、50℃にて10時間、100℃に
て10時間真空乾燥した。このようにして得られた精製
物の収量は75gであった。次に、この精製物を約10
mg秤量し、これを空気中にて10℃/分で昇温速度で
加熱し、試料温度が450℃になった時点で試料の減量
分を記録用紙に読取り、加熱減量(%)を計算により求
めたところ、3回の測定を行って2.2%、1.9%、
2.1%であった。
に1,3−ジイミノイソインドリン(113g)を懸濁
させ、撹拌下にチタン酸テトラ−n−ブチル(75g)
を加え、窒素雰囲気中にて195〜205℃にて4時間
加熱した後、130℃まで放冷した。この後、反応生成
物を濾別し、これを100℃に加熱した1−クロロナフ
タレン(100ml)にて洗浄したのちエタノール(1
000ml)にて充分洗浄した。更にジメチルホルムア
ミド(500ml)を用いて80℃で1時間の熱懸濁洗
浄を3回行い、次いでエタノール(500ml)にて6
0℃で1時間の熱懸濁洗浄を2回行った後、50℃にて
真空乾燥した。次いでこのようにして得られた顔料をキ
ノリン(2000ml)中にて撹拌下に4時間還流加熱
し、一夜放置後氷水浴にて1時間冷却した後濾別した。
更に濾別して得られ顔料をエタノールにて充分洗浄した
のち50℃にて10時間、100℃にて10時間真空乾
燥した。次に得られた顔料をキノリン(2000ml)
中にて攪拌下に4時間還流加熱し、一夜放置後氷水浴に
て1時間冷却して濾別し、得られた精製物をエタノール
にて充分洗浄した後、50℃にて10時間、100℃に
て10時間真空乾燥した。このようにして得られた精製
物の収量は75gであった。次に、この精製物を約10
mg秤量し、これを空気中にて10℃/分で昇温速度で
加熱し、試料温度が450℃になった時点で試料の減量
分を記録用紙に読取り、加熱減量(%)を計算により求
めたところ、3回の測定を行って2.2%、1.9%、
2.1%であった。
【0041】積層型感光体の製造 前記のようにして得られたオキソチタニルフタロシアニ
ンを10-5〜10-6torrの真空下で厚み0.5mm
のアルミニウム板上に0.1μmの厚さで蒸着した。つ
いでこの蒸着膜をクロロベンゼンと水とからなる20℃
の混合溶剤(混合比(クロロベンゼン:水)が20:
1)を10ml入れた500mlのビーカー中に入れ、
蓋をしてその蒸気中に30分間放置した。この蒸気処理
により、図2に示すように、オキソチタニルフタロシア
ニン蒸着膜の光の吸収スペクトルの最大吸収ピーク波長
域が長波長側に移行した。図2(a)はオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜の形成直後の光の吸収スペクト
ルを示し、721nm前後に最大吸収ピークを有してい
る。図2(b)はクロロベンゼンと水とからなる混合蒸
気による暴露処理後のオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の光の吸収スペクトルを示し、778nm前後に
最大吸収ピークを有している。
ンを10-5〜10-6torrの真空下で厚み0.5mm
のアルミニウム板上に0.1μmの厚さで蒸着した。つ
いでこの蒸着膜をクロロベンゼンと水とからなる20℃
の混合溶剤(混合比(クロロベンゼン:水)が20:
1)を10ml入れた500mlのビーカー中に入れ、
蓋をしてその蒸気中に30分間放置した。この蒸気処理
により、図2に示すように、オキソチタニルフタロシア
ニン蒸着膜の光の吸収スペクトルの最大吸収ピーク波長
域が長波長側に移行した。図2(a)はオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜の形成直後の光の吸収スペクト
ルを示し、721nm前後に最大吸収ピークを有してい
る。図2(b)はクロロベンゼンと水とからなる混合蒸
気による暴露処理後のオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の光の吸収スペクトルを示し、778nm前後に
最大吸収ピークを有している。
【0042】次に、このように得られたして得られたオ
キソチタニウムフタロシアニン蒸着膜からなる電荷発生
層の上に、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベン20重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱
瓦斯化学工業株式会社製、商品名ユーピロンZ−30
0)20重量部、トルエン100重量部からなる塗液を
浸漬塗工にて、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電
荷輸送層を設け、感光体を完成させた。
キソチタニウムフタロシアニン蒸着膜からなる電荷発生
層の上に、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベン20重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱
瓦斯化学工業株式会社製、商品名ユーピロンZ−30
0)20重量部、トルエン100重量部からなる塗液を
浸漬塗工にて、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電
荷輸送層を設け、感光体を完成させた。
【0043】次に、この感光体の静電特性を静電複写紙
試験装置(株式会社川口電気製作所製モデルEPA−8
100)を用いて評価した。評価は、コロナ電流が−3
0μAになるように設定した印加電圧のコロナ放電によ
り感光体を暗所で負帯電した時の初期帯電電位をVma
x(V)、暗減衰1秒後の表面電位をV0(V) 、暗減
衰1秒間の電荷保持率をD.D(%)として測定し、続
いて800nmにピークをもつ2.1μJ/cm2・s
のエネルギーの単色光を4秒間照射して、この時表面電
位が1/2V0、1/5V0になる露光量をそれぞれE1/
2、E1/5(μJ/cm2) として測定し、露光4秒後の
表面電位を残留電位VR(V) として測定することによ
り行った。なお、以上の一連の測定作業は1000回繰
り返し、静電特性(感度及び帯電特性)の繰り返し安定
性も評価した。この結果を表1に示す。なお1000回
繰り返し後における残留電位VRは、露光2秒後の残留
電位を測定した。
試験装置(株式会社川口電気製作所製モデルEPA−8
100)を用いて評価した。評価は、コロナ電流が−3
0μAになるように設定した印加電圧のコロナ放電によ
り感光体を暗所で負帯電した時の初期帯電電位をVma
x(V)、暗減衰1秒後の表面電位をV0(V) 、暗減
衰1秒間の電荷保持率をD.D(%)として測定し、続
いて800nmにピークをもつ2.1μJ/cm2・s
のエネルギーの単色光を4秒間照射して、この時表面電
位が1/2V0、1/5V0になる露光量をそれぞれE1/
2、E1/5(μJ/cm2) として測定し、露光4秒後の
表面電位を残留電位VR(V) として測定することによ
り行った。なお、以上の一連の測定作業は1000回繰
り返し、静電特性(感度及び帯電特性)の繰り返し安定
性も評価した。この結果を表1に示す。なお1000回
繰り返し後における残留電位VRは、露光2秒後の残留
電位を測定した。
【0044】(実施例2)実施例1のクロロベンゼンと
水とからなる混合溶剤の代わりに、トルエンと水とから
なる20℃の混合溶剤(混合比(トルエン:水)が1
0:1)を10ml用いた以外は、実施例1と同様にし
て感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価
を行った。この結果を表1に示す。
水とからなる混合溶剤の代わりに、トルエンと水とから
なる20℃の混合溶剤(混合比(トルエン:水)が1
0:1)を10ml用いた以外は、実施例1と同様にし
て感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価
を行った。この結果を表1に示す。
【0045】なお、図3はトルエンと水からなる混合蒸
気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の光
の吸収スペクトルを示す。この図より780nmに最大
吸収ピーク波長を有していることがわかる。
気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の光
の吸収スペクトルを示す。この図より780nmに最大
吸収ピーク波長を有していることがわかる。
【0046】(実施例3)実施例1のクロロベンゼンと
水とからなる混合溶剤の代わりに、クロロホルムと水と
からなる混合溶剤(混合比(クロロホルム:水)が1
0:1)を10ml用いた以外は、実施例1と同様にし
て感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価
を行った。この結果を表1に示す。
水とからなる混合溶剤の代わりに、クロロホルムと水と
からなる混合溶剤(混合比(クロロホルム:水)が1
0:1)を10ml用いた以外は、実施例1と同様にし
て感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価
を行った。この結果を表1に示す。
【0047】なお、図4はクロロホルムと水からなる混
合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
の光の吸収スペクトルを示す。この図より789nmに
最大吸収ピーク波長を有していることがわかる。
合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
の光の吸収スペクトルを示す。この図より789nmに
最大吸収ピーク波長を有していることがわかる。
【0048】(実施例4)実施例1のクロロベンゼンと
水とからなる混合溶剤の代わりに、ジクロロエタンと水
とからなる混合溶剤(混合比(ジクロロエタン:水)が
10:1)を10ml用いた以外は、実施例1と同様に
して感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評
価を行った。この結果を表1に示す。
水とからなる混合溶剤の代わりに、ジクロロエタンと水
とからなる混合溶剤(混合比(ジクロロエタン:水)が
10:1)を10ml用いた以外は、実施例1と同様に
して感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評
価を行った。この結果を表1に示す。
【0049】なお、図5はジクロロエタンと水からなる
混合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜の光の吸収スペクトルを示す。この図より786nm
に最大吸収ピーク波長を有していることがわかる。
混合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜の光の吸収スペクトルを示す。この図より786nm
に最大吸収ピーク波長を有していることがわかる。
【0050】(実施例5)実施例1のキノリン中で還流
加熱して得られたオキソチタニウムフタロシアニンを用
いる代わりに、それをさらに昇華精製したオキソチタニ
ウムフタロシアニンを用いた以外は、実施例1と同様に
して感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評
価を行った。この結果を表1に示す。オキソチタニウム
フタロシアニンの昇華精製は以下のようにして行った。
オキソチタニウムフタロシアニンをおよそ10cm×5
cmの大きさの石英ボート上に約10g秤量そて広げ、
直径8cmの石英管内に配置し、その石英管を通常のロ
ータリー真空ポンプに接続し、およそ1パスカルまで排
気した。この石英管を石英ボート上を配置した部分を中
心として電気炉内に配置し、中心部の最も温度の高い部
分が約450℃となるように電気炉を設定し、真空ポン
プで排気しながら30時間放置した。その後、室温まで
降温した後、石英管の内側の石英ボートを配置した近傍
部分に析出したオキソチタニウムフタロシアニンを採取
した。収量は約7gであった。また、この昇華精製した
オキソチタニウムフタロシアニンの450℃における加
熱減量を実施例1と同様にして測定したところ、3回の
測定で、0.2%、0.1%、0.1%であった。
加熱して得られたオキソチタニウムフタロシアニンを用
いる代わりに、それをさらに昇華精製したオキソチタニ
ウムフタロシアニンを用いた以外は、実施例1と同様に
して感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評
価を行った。この結果を表1に示す。オキソチタニウム
フタロシアニンの昇華精製は以下のようにして行った。
オキソチタニウムフタロシアニンをおよそ10cm×5
cmの大きさの石英ボート上に約10g秤量そて広げ、
直径8cmの石英管内に配置し、その石英管を通常のロ
ータリー真空ポンプに接続し、およそ1パスカルまで排
気した。この石英管を石英ボート上を配置した部分を中
心として電気炉内に配置し、中心部の最も温度の高い部
分が約450℃となるように電気炉を設定し、真空ポン
プで排気しながら30時間放置した。その後、室温まで
降温した後、石英管の内側の石英ボートを配置した近傍
部分に析出したオキソチタニウムフタロシアニンを採取
した。収量は約7gであった。また、この昇華精製した
オキソチタニウムフタロシアニンの450℃における加
熱減量を実施例1と同様にして測定したところ、3回の
測定で、0.2%、0.1%、0.1%であった。
【0051】(実施例6)実施例1の4−N,N−ジフ
ェニルアミノ−α−フェニルスチルベン20重量部を用
いる代わりに、2−メチル−4−ジベンジルアミノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン18重量
部と1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン2重量部を電
荷輸送剤として用い、またトルエンを用いる代わりにク
ロロホルムを溶剤として用いて電荷輸送層を形成した以
外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、実施例1
と同様にして静電特性評価を行った。この結果を表1に
示す。
ェニルアミノ−α−フェニルスチルベン20重量部を用
いる代わりに、2−メチル−4−ジベンジルアミノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン18重量
部と1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン2重量部を電
荷輸送剤として用い、またトルエンを用いる代わりにク
ロロホルムを溶剤として用いて電荷輸送層を形成した以
外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、実施例1
と同様にして静電特性評価を行った。この結果を表1に
示す。
【0052】(実施例7)実施例6のクロロベンゼンと
水とからなる混合溶剤の代わりに、トルエンと水とから
なる混合溶剤(混合比(トルエン:水)が10:1)を
10ml用いた以外は、実施例6と同様にして感光体を
作成し、実施例6と同様にして静電特性評価を行った。
この結果を表1に示す。
水とからなる混合溶剤の代わりに、トルエンと水とから
なる混合溶剤(混合比(トルエン:水)が10:1)を
10ml用いた以外は、実施例6と同様にして感光体を
作成し、実施例6と同様にして静電特性評価を行った。
この結果を表1に示す。
【0053】(実施例8)実施例1の電荷輸送層作成の
ための塗料溶剤のトルエンの代わりに、クロロホルムを
用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、
実施例1と同様にして静電特性評価を行った。この結果
を表1に示す。
ための塗料溶剤のトルエンの代わりに、クロロホルムを
用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、
実施例1と同様にして静電特性評価を行った。この結果
を表1に示す。
【0054】(実施例9)実施例1の電荷輸送層作成の
ための電荷輸送材料の4−N,N−ジフェニルアミノ−
α−フェニルスチルベンの代わりに、4−{N−(p−
メトキシフェニル)−N−フェニルアミノ}−α−フェ
ニルスチルベンを用いた以外は、実施例1と同様にして
感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価を
行った。この結果を表1に示す。
ための電荷輸送材料の4−N,N−ジフェニルアミノ−
α−フェニルスチルベンの代わりに、4−{N−(p−
メトキシフェニル)−N−フェニルアミノ}−α−フェ
ニルスチルベンを用いた以外は、実施例1と同様にして
感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価を
行った。この結果を表1に示す。
【0055】(実施例10)実施例6のクロロベンゼン
と水とからなる混合溶剤の代わりに、クロロホルムと水
とからなる混合溶剤(混合比(クロロホルム:水)が1
0:1)を10ml用いた以外は、実施例6と同様にし
て感光体を作成し、実施例6と同様にして静電特性評価
を行った。この結果を表1に示す。
と水とからなる混合溶剤の代わりに、クロロホルムと水
とからなる混合溶剤(混合比(クロロホルム:水)が1
0:1)を10ml用いた以外は、実施例6と同様にし
て感光体を作成し、実施例6と同様にして静電特性評価
を行った。この結果を表1に示す。
【0056】(実施例11)実施例6のクロロベンゼン
と水とからなる混合溶剤の代わりに、ジクロロエタンと
水とからなる混合溶剤(混合比(ジクロロエタン:水)
が10:1)を10ml用いた以外は、実施例6と同様
にして感光体を作成し、実施例6と同様にして静電特性
評価を行った。この結果を表1に示す。
と水とからなる混合溶剤の代わりに、ジクロロエタンと
水とからなる混合溶剤(混合比(ジクロロエタン:水)
が10:1)を10ml用いた以外は、実施例6と同様
にして感光体を作成し、実施例6と同様にして静電特性
評価を行った。この結果を表1に示す。
【0057】(実施例12)実施例6のキノリン中で還
流加熱して得られたオキソチタニウムフタロシアニンを
用いる代わりに、キノリン中で還流加熱した後、さらに
昇華精製した実施例5で用いたオキソチタニウムフタロ
シアニンと同じオキソチタニウムフタロシアニンを用い
た以外は、実施例6と同様にして感光体を作成し、実施
例6と同様にして静電特性評価を行った。この結果を表
1に示す。
流加熱して得られたオキソチタニウムフタロシアニンを
用いる代わりに、キノリン中で還流加熱した後、さらに
昇華精製した実施例5で用いたオキソチタニウムフタロ
シアニンと同じオキソチタニウムフタロシアニンを用い
た以外は、実施例6と同様にして感光体を作成し、実施
例6と同様にして静電特性評価を行った。この結果を表
1に示す。
【0058】(実施例13)実施例1の電荷輸送層作成
のための塗料溶剤のトルエンの代わりに、ジオキサンを
用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、
実施例1と同様にして静電特性評価を行った。この結果
を表1に示す。
のための塗料溶剤のトルエンの代わりに、ジオキサンを
用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、
実施例1と同様にして静電特性評価を行った。この結果
を表1に示す。
【0059】(実施例14)実施例1の電荷輸送層作成
のための塗料溶剤のトルエンの代わりに、テトラヒドロ
フランを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を
作成し、実施例1と同様にして静電特性評価を行った。
この結果を表1に示す。
のための塗料溶剤のトルエンの代わりに、テトラヒドロ
フランを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を
作成し、実施例1と同様にして静電特性評価を行った。
この結果を表1に示す。
【0060】(実施例15)実施例6の電荷輸送層作成
のための塗料溶剤のクロロホルムの代わりに、テトラヒ
ドロフランを用いた以外は、実施例6と同様にして感光
体を作成し、実施例6と同様にして静電特性評価を行っ
た。この結果を表1に示す。
のための塗料溶剤のクロロホルムの代わりに、テトラヒ
ドロフランを用いた以外は、実施例6と同様にして感光
体を作成し、実施例6と同様にして静電特性評価を行っ
た。この結果を表1に示す。
【0061】(実施例16)実施例8の電荷輸送層作成
のための電荷輸送材料の4−N,N−ジフェニルアミノ
−α−フェニルスチルベンの代わりに4−ジエチルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンを
用いた以外は、実施例8と同様にして感光体を作成し、
実施例8と同様にして静電特性評価を行った。この結果
を表1に示す。
のための電荷輸送材料の4−N,N−ジフェニルアミノ
−α−フェニルスチルベンの代わりに4−ジエチルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンを
用いた以外は、実施例8と同様にして感光体を作成し、
実施例8と同様にして静電特性評価を行った。この結果
を表1に示す。
【0062】(実施例17)実施例16の電荷輸送層作
成のための塗料溶剤のクロロホルムの代わりにトルエン
を用いた以外は、実施例16と同様にして感光体を作成
し、実施例16と同様にして静電特性評価を行った。こ
の結果を表1に示す。
成のための塗料溶剤のクロロホルムの代わりにトルエン
を用いた以外は、実施例16と同様にして感光体を作成
し、実施例16と同様にして静電特性評価を行った。こ
の結果を表1に示す。
【0063】(比較例1)オキソチタニウムフタロシア
ニンとして、合成後、洗浄と乾燥のみを行って得られた
ものを用い、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
クロロベンゼンと水とからなる混合蒸気による暴露処理
を行うことなく他は実施例1と同様にして感光体を作成
し、実施例1と同様にして静電特性評価を行った。この
結果を表1に示す。なお、使用したオキソチタニウムフ
タロシアニンの450℃における加熱減量を実施例1と
同様にして測定したところ、3回の測定で、7.8%、
7.7%、9.0%であった。
ニンとして、合成後、洗浄と乾燥のみを行って得られた
ものを用い、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
クロロベンゼンと水とからなる混合蒸気による暴露処理
を行うことなく他は実施例1と同様にして感光体を作成
し、実施例1と同様にして静電特性評価を行った。この
結果を表1に示す。なお、使用したオキソチタニウムフ
タロシアニンの450℃における加熱減量を実施例1と
同様にして測定したところ、3回の測定で、7.8%、
7.7%、9.0%であった。
【0064】(比較例2)オキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜をアセトン蒸気によって30分間暴露処理
し、他は比較例1と同様にして感光体を作成し、比較例
1と同様にして静電特性評価を行った。この結果を表1
に示す。
ニン蒸着膜をアセトン蒸気によって30分間暴露処理
し、他は比較例1と同様にして感光体を作成し、比較例
1と同様にして静電特性評価を行った。この結果を表1
に示す。
【0065】(比較例3)オキソチタニウムフタロシア
ニンとして、合成後、洗浄と乾燥のみを行って得られた
比較例1で用いたオキソチタニウムフタロシアニンと同
じオキソチタニウムフタロシアニンを用い、オキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜のクロロベンゼンと水とか
らなる混合蒸気による暴露処理を行うことなく他は実施
例6と同様にして感光体を作成し、実施例6と同様にし
て静電特性評価を行った。この結果を表1に示す。
ニンとして、合成後、洗浄と乾燥のみを行って得られた
比較例1で用いたオキソチタニウムフタロシアニンと同
じオキソチタニウムフタロシアニンを用い、オキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜のクロロベンゼンと水とか
らなる混合蒸気による暴露処理を行うことなく他は実施
例6と同様にして感光体を作成し、実施例6と同様にし
て静電特性評価を行った。この結果を表1に示す。
【0066】(比較例4)オキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜をアセトン蒸気によって30分間暴露処理
し、他は比較例3と同様にして感光体を作成し、比較例
3と同様にして静電特性評価を行った。この結果を表1
に示す。
ニン蒸着膜をアセトン蒸気によって30分間暴露処理
し、他は比較例3と同様にして感光体を作成し、比較例
3と同様にして静電特性評価を行った。この結果を表1
に示す。
【0067】
【表1】
【0068】以上の結果から、本発明の積層型電子写真
用感光体(実施例)では、従来の積層型電子写真用感光
体(比較例)よりも半導体レーザーのような長波長光に
対して良好な感度を示し、感度及び帯電性の繰り返し安
定性が向上することがわかった。
用感光体(実施例)では、従来の積層型電子写真用感光
体(比較例)よりも半導体レーザーのような長波長光に
対して良好な感度を示し、感度及び帯電性の繰り返し安
定性が向上することがわかった。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の積
層型電子写真用感光体によれば、導電性支持体上に少な
くとも電荷発生層と電荷輸送層をこの順に積層してなる
積層型電子写真用感光体において、前記電荷発生層が、
少なくとも芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気で暴露処
理されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜である
ことにより、半導体レーザー光に対して優れた感度を有
し、かつ、キャリアのトラップや再結合の発生が少ない
電荷発送層を備えたものとなって、優れた感度及び帯電
性が得られ、しかも、これら(感度及び帯電性)の繰り
返し安定性に優れたものとなる。従って、長期に亘って
高画質な画像形成を行える感光体を提供することができ
る。
層型電子写真用感光体によれば、導電性支持体上に少な
くとも電荷発生層と電荷輸送層をこの順に積層してなる
積層型電子写真用感光体において、前記電荷発生層が、
少なくとも芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気で暴露処
理されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜である
ことにより、半導体レーザー光に対して優れた感度を有
し、かつ、キャリアのトラップや再結合の発生が少ない
電荷発送層を備えたものとなって、優れた感度及び帯電
性が得られ、しかも、これら(感度及び帯電性)の繰り
返し安定性に優れたものとなる。従って、長期に亘って
高画質な画像形成を行える感光体を提供することができ
る。
【0070】本発明の第2の積層型電子写真用感光体に
よれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷
輸送層をこの順に積層してなる積層型電子写真用感光体
において、前記電荷発生層が、少なくとも塩素化脂肪族
炭化水素と水との混合蒸気で暴露処理されたオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜であることにより、半導体
レーザー光に対して優れた感度を有し、かつ、キャリア
のトラップや再結合の発生が少ない電荷発送層を備えた
ものとなって、優れた感度及び帯電性が得られ、しか
も、これら(感度及び帯電性)の繰り返し安定性に優れ
たものとなる。従って、長期に亘って高画質な画像形成
を行える感光体を提供することができる。
よれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷
輸送層をこの順に積層してなる積層型電子写真用感光体
において、前記電荷発生層が、少なくとも塩素化脂肪族
炭化水素と水との混合蒸気で暴露処理されたオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜であることにより、半導体
レーザー光に対して優れた感度を有し、かつ、キャリア
のトラップや再結合の発生が少ない電荷発送層を備えた
ものとなって、優れた感度及び帯電性が得られ、しか
も、これら(感度及び帯電性)の繰り返し安定性に優れ
たものとなる。従って、長期に亘って高画質な画像形成
を行える感光体を提供することができる。
【0071】更に前記本発明の第1及び第2の積層型電
子写真用感光体において、オキソチタニウムフタロシア
ニンがその450℃における加熱減量が3.0%以下で
あるオキソチタニウムフタロシアニンであるという好ま
しい態様により、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜の電気特性、延いては感光層全体の電気特性が大きく
改善されて、感光体の電荷保持性及び感度が一層向上す
ることとなり、実際の画像形成において黒点と呼ばれる
画像ノイズが殆ど認められない程度まで画質を向上させ
ることができるという効果が得られる。
子写真用感光体において、オキソチタニウムフタロシア
ニンがその450℃における加熱減量が3.0%以下で
あるオキソチタニウムフタロシアニンであるという好ま
しい態様により、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜の電気特性、延いては感光層全体の電気特性が大きく
改善されて、感光体の電荷保持性及び感度が一層向上す
ることとなり、実際の画像形成において黒点と呼ばれる
画像ノイズが殆ど認められない程度まで画質を向上させ
ることができるという効果が得られる。
【0072】本発明の第3の積層型電子写真用感光体に
よれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷
輸送層をこの順に積層してなる積層型電子写真用感光体
において、前記電荷発生層が、その光の吸収スペクトル
の最大ピーク波長が780±10nmであるオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜であることにより、半導体
レーザー光に対して優れた感度を有し、かつ、キャリア
のトラップや再結合の発生が少ない電荷発送層を備えた
ものとなって、優れた感度及び帯電性が得られるととも
に、これら(感度及び帯電性)の繰り返し安定性に優れ
た感光体となる。従って、長期に亘って高画質な画像形
成を行える感光体を提供することができる。
よれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷
輸送層をこの順に積層してなる積層型電子写真用感光体
において、前記電荷発生層が、その光の吸収スペクトル
の最大ピーク波長が780±10nmであるオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜であることにより、半導体
レーザー光に対して優れた感度を有し、かつ、キャリア
のトラップや再結合の発生が少ない電荷発送層を備えた
ものとなって、優れた感度及び帯電性が得られるととも
に、これら(感度及び帯電性)の繰り返し安定性に優れ
た感光体となる。従って、長期に亘って高画質な画像形
成を行える感光体を提供することができる。
【0073】本発明の第1の積層型電子写真用感光体の
製造方法によれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子
写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形
成工程が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシ
アニンを蒸着する工程と、前記工程により得られたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも芳香族
系有機溶剤と水との混合蒸気に暴露する工程とを含むも
のとしたことにより、前記した本発明の第1の積層型電
子写真用感光体を合理的かつ安定に製造することができ
る。
製造方法によれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子
写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形
成工程が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシ
アニンを蒸着する工程と、前記工程により得られたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも芳香族
系有機溶剤と水との混合蒸気に暴露する工程とを含むも
のとしたことにより、前記した本発明の第1の積層型電
子写真用感光体を合理的かつ安定に製造することができ
る。
【0074】本発明の第2の積層型電子写真用感光体の
製造方法によれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子
写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形
成工程が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシ
アニンを蒸着する工程と、前記工程により得られたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも塩素化
脂肪族炭化水素と水との混合蒸気に暴露する工程とを含
むものとしたことにより、前記した本発明の第2の積層
型電子写真用感光体を合理的かつ安定に製造することが
できる。
製造方法によれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子
写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形
成工程が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシ
アニンを蒸着する工程と、前記工程により得られたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも塩素化
脂肪族炭化水素と水との混合蒸気に暴露する工程とを含
むものとしたことにより、前記した本発明の第2の積層
型電子写真用感光体を合理的かつ安定に製造することが
できる。
【0075】更に前記本発明の第1及び第2の積層型電
子写真用感光体の製造方法において、オキソチタニウム
フタロシアニンを導電性支持体上に蒸着する工程の前
に、オキソチタニウムフタロシアニンをキノリン中で還
流加熱して精製するという好ましい態様により、前記し
た実際の画像形成において黒点と呼ばれる画像ノイズが
殆ど認められない程度まで画質を向上させることができ
る感光体を合理的に製造することができる。
子写真用感光体の製造方法において、オキソチタニウム
フタロシアニンを導電性支持体上に蒸着する工程の前
に、オキソチタニウムフタロシアニンをキノリン中で還
流加熱して精製するという好ましい態様により、前記し
た実際の画像形成において黒点と呼ばれる画像ノイズが
殆ど認められない程度まで画質を向上させることができ
る感光体を合理的に製造することができる。
【0076】更にまた本発明の第1及び第2の積層型電
子写真用感光体の製造方法において、オキソチタニウム
フタロシアニンを導電性支持体上に蒸着する工程の前
に、オキソチタニウムフタロシアニンを昇華精製すると
いう好ましい態様により、前記した実際の画像形成にお
いて黒点と呼ばれる画像ノイズが殆ど認められない程度
まで画質を向上させることができる感光体を合理的に製
造することができる。
子写真用感光体の製造方法において、オキソチタニウム
フタロシアニンを導電性支持体上に蒸着する工程の前
に、オキソチタニウムフタロシアニンを昇華精製すると
いう好ましい態様により、前記した実際の画像形成にお
いて黒点と呼ばれる画像ノイズが殆ど認められない程度
まで画質を向上させることができる感光体を合理的に製
造することができる。
【図1】本発明の一実施形態による積層型電子写真用感
光体の構成を模式的に示した断面図である。
光体の構成を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の実施例1におけるクロロベンゼンと水
とからなる混合蒸気処理によるオキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜の光の吸収スペクトルの変化を示した図
で、図2(a)は蒸気処理前の光の吸収スペクトルを示
した図、図2(b)は蒸気処理後の光の吸収スペクトル
を示した図である。
とからなる混合蒸気処理によるオキソチタニウムフタロ
シアニン蒸着膜の光の吸収スペクトルの変化を示した図
で、図2(a)は蒸気処理前の光の吸収スペクトルを示
した図、図2(b)は蒸気処理後の光の吸収スペクトル
を示した図である。
【図3】本発明の実施例2におけるトルエンと水からな
る混合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸
着膜の光の吸収スペクトルを示した図である。
る混合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸
着膜の光の吸収スペクトルを示した図である。
【図4】本発明の実施例3におけるクロロホルムと水か
らなる混合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の光の吸収スペクトルを示した図である。
らなる混合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の光の吸収スペクトルを示した図である。
【図5】本発明の実施例4におけるジクロロエタンと水
からなる混合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜の光の吸収スペクトルを示した図である。
からなる混合蒸気処理後のオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜の光の吸収スペクトルを示した図である。
1 積層型電子写真用感光体 2 導電性支持体 3 有機感光層 4 電荷発生層 5 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 徹哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 新ケ江 龍一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小野 雅行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (16)
- 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と電荷輸送層をこの順に積層してなる積層型電子写真用
感光体において、前記電荷発生層が、少なくとも芳香族
系有機溶剤と水との混合蒸気で暴露処理されたオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜であることを特徴とする
積層型電子写真用感光体。 - 【請求項2】 芳香族系有機溶剤がクロロベンゼン、ト
ルエン、または、これらの混合物である請求項1に記載
の積層型電子写真用感光体。 - 【請求項3】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と電荷輸送層をこの順に積層してなる積層型電子写真用
感光体において、前記電荷発生層が、少なくとも塩素化
脂肪族炭化水素と水との混合蒸気で暴露処理されたオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜であることを特徴と
する積層型電子写真用感光体。 - 【請求項4】 塩素化脂肪族炭化水素がクロロホルム、
ジクロロエタン、または、これらの混合物である請求項
3に記載の積層型電子写真用感光体。 - 【請求項5】 オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
の膜厚が0.03〜0.5μmである請求項1〜4のい
ずれかに記載の積層型電子写真用感光体。 - 【請求項6】 オキソチタニウムフタロシアニンがその
450℃における加熱減量が3.0%以下であるオキソ
チタニウムフタロシアニンである請求項1〜5のいずれ
かに記載の積層型電子写真用感光体。 - 【請求項7】 電荷輸送層が、電荷発生層上に、少なく
とも電荷輸送剤及び樹脂バインダーをトルエンまたはク
ロロホルムに溶解してなる塗液を塗工して形成されたも
のである請求項1〜6のいずれかに記載の積層型電子写
真用感光体。 - 【請求項8】 電荷輸送剤が2−メチル−4−ジベンジ
ルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラ
ゾンと、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)
−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンとの混合物
である請求項7に記載の積層型電子写真用感光体。 - 【請求項9】 電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルア
ミノ−α−フェニルスチルベンである請求項7に記載の
積層型電子写真用感光体。 - 【請求項10】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
層と電荷輸送層をこの順に積層してなる積層型電子写真
用感光体において、前記電荷発生層が、その光の吸収ス
ペクトルの最大ピーク波長が780±10nmであるオ
キソチタニウムフタロシアニン蒸着膜であることを特徴
とする積層型電子写真用感光体。 - 【請求項11】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写
真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形成
工程が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシア
ニンを蒸着する工程と、前記工程により得られたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも芳香族系
有機溶剤と水との混合蒸気に暴露する工程とを含むもの
であることを特徴とする積層型電子写真用感光体の製造
方法。 - 【請求項12】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層型電子写
真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層の形成
工程が、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロシア
ニンを蒸着する工程と、前記工程により得られたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を少なくとも塩素化脂
肪族炭化水素と水との混合蒸気に暴露する工程とを含む
ものであることを特徴とする積層型電子写真用感光体の
製造方法。 - 【請求項13】 オキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜を芳香族系有機溶剤と水との混合蒸気または塩素化脂
肪族炭化水素と水との混合蒸気に暴露する時間が30秒
〜3時間である請求項11または12に記載の積層型電
子写真用感光体の製造方法。 - 【請求項14】 電荷輸送層の形成工程が、オキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜上に、少なくとも電荷輸送
剤及び樹脂バインダーをトルエンまたはクロロホルムに
溶解してなる塗液を浸漬塗工する工程を含むものである
請求項11〜13のいずれかに記載の積層型電子写真用
感光体の製造方法。 - 【請求項15】 オキソチタニウムフタロシアニンを導
電性支持体上に蒸着する工程の前に、オキソチタニウム
フタロシアニンをキノリン中で還流加熱して精製する請
求項11〜14のいずれかに記載の積層型電子写真用感
光体の製造方法。 - 【請求項16】 オキソチタニウムフタロシアニンを導
電性支持体上に蒸着する工程の前に、オキソチタニウム
フタロシアニンを昇華精製する請求項11〜14のいず
れかに記載の積層型電子写真用感光体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23092196A JPH1073939A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23092196A JPH1073939A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1073939A true JPH1073939A (ja) | 1998-03-17 |
Family
ID=16915377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23092196A Pending JPH1073939A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1073939A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100497493B1 (ko) * | 1998-11-13 | 2006-01-12 | 삼성전자주식회사 | 결정성옥소티타닐프탈로시아닌,그의제조방법및이결정을포함하는전자사진방식의감광체 |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP23092196A patent/JPH1073939A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100497493B1 (ko) * | 1998-11-13 | 2006-01-12 | 삼성전자주식회사 | 결정성옥소티타닐프탈로시아닌,그의제조방법및이결정을포함하는전자사진방식의감광체 |
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